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快晴のツークシュピッツェ:旅の13日目

今日は昨日からのガルミッシュ・パルテンキルヒェンへの小旅行の2日目です。ドイツ最高峰の山、ツークシュピッツェに登ります。と言っても、登山鉄道とロープウェイを乗り継ぐだけのことですから、日本の富士山登山とは一線を画します。今日は絶好の晴天。先日のアルプスの悪天候とは大違いです。どっと人出があることを予想して、朝一番の行動を取ります。8時15分のガルミッシュ・パルテンキルヒェン発のツークシュピッツェ鉄道の1番電車に乗ります。意外にそれほどの混みようではありませんが、それでも多くの人たちがこの電車で出かけます。でも、途中の駅から次々と乗客が乗り込んできて、最終的には満席で座れない人までいます。ツークシュピッツェは異様な雰囲気の岩山です。近づくにつれ、こんな切り立った山に登山電車が登れるか、疑問に思えます。アイプ湖を過ぎた後、登山電車は岩山の中のトンネルを進んでいきます。ユングフラウヨッホと同じ方式ですね。やがて、登山電車は山頂のすぐ下のツークシュピッツェ・プラットに到着。ここからはロープウェイで一気に山頂に登ります。山頂には4階建てほどの大きな施設がドイツとオーストリアにまたがって作られています。オーストリア側からのロープウェイもつながっています。快晴の中、360度の大パノラマが楽しめました。
岩山の連なりが見えています。

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切り立った岩山の下にはオーストリア側の村が見えています。

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ツークシュピッツェには雪渓が残っています。その向こうに見えているのはアルプスでしょうか。

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遥か下には先ほど通ってきたアイプ湖が見えています。

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saraiが登頂記念にオーストリア側のショップで野球帽を買ったら、配偶者に年寄りじみて見えるって、揶揄されます。まあ、実際、年寄りなんだから仕方がない。そのまま、ずっと野球帽を被っています。あまり、人で込み合ってしまう前に下山しましょう。また、ロープウェイ、登山電車に乗ります。途中、アイプ湖で降りてみると、登山電車待ちの人が大行列。アイプ湖をちょっと眺めて、早々に登山電車に乗ります。ところが登りの行列に並ばされそうになります。ここは配偶者の押しでスタッフを説き伏せて、行列を迂回して、下りの電車に乗せてもらいます。危ない、危ない・・・。
無事にガルミッシュ・パルテンキルヒェン駅に着くと、ここでも登山電車に乗ろうとする人たちが大行列。凄いですね。朝一番の行動をとって、大正解でした。ミュンヘン経由でザルツブルクに戻りますが、乗り換え時間の1時間を使って、ガルミッシュ・パルテンキルヒェンのR・シュトラウス研究所に寄っていきます。ところが研究所の扉は固く閉じられています。今日は休館だそうです。残念ですが仕方がありません。予定の電車を乗り継いでザルツブルクに戻りました。もちろん、バイエルン・チケットを使った格安の運賃です。
同じホテルに再チェックインして、夜はグリゴリー・ソコロフのピアノ・リサイタルです。彼は2000年以降は来日していない、日本人にとっては幻のピアニストとなっています。流石の演奏で会場は大盛り上がり。ヨーロッパでは破格の人気のピアニストなんですね。


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アンドラーシュ・シフ・ピアノ・リサイタル3@ザルツブルク・モーツァルティウム大ホール 2017.8.2

アンドラーシュ・シフのピアノ・リサイタル。3回にわたるミニチクルスの3回目です。今日は最前列中央で聴きます。お隣は何故かまた、前回・前々回と同じ超ファンの年配のご婦人。席の場所は変わったのに一緒にシフトとは奇妙な縁です。もうお会いすることはないでしょうがシフを縁としたつながりを感じます。また、友人であるシフの夫人、塩川悠子さんが彼女に挨拶に来られました。

さて、今日も英語での講義で始まります。

前半のバッハのカプリッチョはアンジェラ・ヒューイットで聴いたばかりですが、シフは豊かな響きの安定した演奏で若きバッハの傑作をしっかりと聴かせてくれました。続くバルトークのミクロコスモスの『ブルガリアのリズムによる6つの舞曲』は力作だけに、シフも渾身の演奏。激しいリズムの難曲をパーフェクトに演奏。前衛的にして、実に音楽的な演奏です。バルトークの真骨頂を見事に表現してくれました。続くバッハのデュエットはそれほど耳馴染みがないせいか、最初あれっと思います。その前のバルトークと同じような前衛的が響きがして、一瞬、まだ、バルトークが続いているのかと錯覚します。考えてみれば、バッハとバルトークほど、抽象的な響きの音楽を作り出した作曲家はいませんね。ピュアーな絶対音楽の世界はいつまで経っても常に前衛的であり続けます。バッハとバルトークは200年の時間の隔たりを乗り越えて、音楽の根っこでつながっているような気がしてなりません。大変な天才です。この二人の間に存在した天才、ベートーヴェンとマーラーは音楽表現に主観と劇的なものを持ち込んでいますから、異質な存在でしょう。ともあれ、バッハのデュエットはシフのますます冴えわたる演奏でバッハの素晴らしさを体感させてくれました。続いて、また、バルトークのミクロコスモスの『ブルガリアのリズムによる6つの舞曲』、バッハの4つのデュエットの残りが演奏され、ますます、音楽が熱くなっていきます。そして、前半のプログラムの最後に置かれたバルトークのピアノ・ソナタの凄まじく素晴らしい演奏には、ただただ圧倒されるだけです。シフって、こんなに熱いピアニストだったんですね。同じハンガリーのバルトークということもあるんでしょうが、音楽的共感に満ちた最高の演奏でした。テクニックも完璧でしたが、それ以上にバルトークの音楽の本質に踏み込んだ演奏と言えます。民俗音楽を抽象音楽に昇華させたバルトーク。彼のピアノ音楽はよく打楽器的な表現と言われますが、確かに乗りの良いリズムがベースにはなっています。しかし、本質はその心地よさを突き抜けたところにある人間の本性、不安や絶望が純粋音楽として描きつくされていることです。そういう、どろどろとしたものをないまぜにして、シフのピアノは純粋な音楽美を見事に表現してくれました。

後半もシフの講義で始まります。

ヤナーチェクの≪霧の中で≫はとても美しい音楽。シフは繰り返して出てくる主題を印象的に感じさせながら、ロマンティックとも言えるような演奏で聴き手の心をぐっと引き寄せます。ヤナーチェクの素晴らしさを教えてくれるような演奏に感銘を覚えました。
今回のチクルスの最後を締めくくるのはシューマンのピアノ曲の最高峰のひとつである幻想曲です。シフはベーゼンドルファーの深くて、豊かな響きを駆使して、シューマンの青春の輝き、ロマン、祝典性、優しい愛を語りかけてきます。シューマンのピアノ曲の多様性をこれ以上はないほどに表出した稀有な演奏でした。何も言うことはありません。こういうシューマンが聴けて、幸せ感に浸るのみです。シューマンって本当にいいなあ!

今日のプログラムは以下です。

 ピアノ:アンドラーシュ・シフ

 J.C.バッハ:カプリッチョ『最愛の兄の旅立ちに寄せて』変ロ長調, BWV 992
 バルトーク:ミクロコスモス~『ブルガリアのリズムによる6つの舞曲』 (第6巻), Sz. 107, No. 1–3
 J.C.バッハ:4つのデュエット第1番 ホ短調, BWV 802(クラヴィーア練習曲集第3部)
 J.C.バッハ:4つのデュエット第2番 ヘ長調, BWV 803(クラヴィーア練習曲集第3部)
 バルトーク:ミクロコスモス~『ブルガリアのリズムによる6つの舞曲』 (第6巻), Sz. 107, No. 4–6
 J.C.バッハ:4つのデュエット第3番 ト長調, BWV 804(クラヴィーア練習曲集第3部)
 J.C.バッハ:4つのデュエット第4番 イ短調, BWV 805(クラヴィーア練習曲集第3部)
 バルトーク:ピアノ・ソナタ, Sz. 80

  ≪休憩≫

 ヤナーチェク:霧の中で
 シューマン:幻想曲 Op. 17

  ≪アンコール≫

 J.C.バッハ:前奏曲とフーガ(平均律クラヴィーア曲集??)
 バルトーク??
 シューマン??

素晴らしいチクルスでした。シフの音楽的教養の高さを彼のスピーチで知ることができましたが、それ以上に彼の人間性、優しさや温かさが印象的でした。それにピアノを弾くときのシフの表情・・・音楽を慈しむような表情がなんとも素晴らしい。本当に音楽を愛する人なんですね。彼の音楽的進化は留まるところを知らないようです。今年はシフのリサイタルを5回も聴き、バッハ、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、シューマン、ヤナーチェク、バルトークの代表的な作品を聴かせてもらいましたが、いずれも最上級の演奏でした。いまや、ピアノの世界では最高の巨匠に上り詰めているようです。聴き逃してはいけないピアニストです。次は何を聴かせてくれるでしょう。


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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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昨日投稿した記事の一部に誤りがありました。ドイツ騎士団の中庭はパスしないで、ちゃんと見ていました。追記・修正しました。申し訳ありません。

08/07 00:28 sarai

えりちゃさん、saraiです。お久しぶりです。

これは昨年の9月のウィーンですが、現在のコロナ禍では、古き良き日という風情ですね。もう、ポスト・コロナでは、行けたにし

07/20 12:41 sarai

Saraiさま、
お元気ですか?
新型コロナウィルス、自粛中。
このウィーンの散策を読んでいると、なんだか切なくて悲しくなってきました。
次はいつ行けるのかな、とか思う

07/20 05:08 えりちゃ

はじめまして。ブログ拝見させていただきました。私は、個人ブログを運営しているyuichironyjpと申します。フリーランサーとして活動しており、フリーランスで稼ぐ方法や、

06/14 23:46 Yuichironyjp

ありがたいコメント、嬉しいです。マーラーのファンのかたにこそ、読んでいただきたかったので、気持ちを共有できた思いです。自然の中にこそ、マーラーの音楽の本質はあり

04/23 23:45 sarai

マーラーの作品を聴きながら、ブログを読ませていただいています。
読みながら画像を見て、マーラーの過ごした風景に想いを馳せて楽しんでいます。
素敵なブログをありがと

04/23 21:47 

マーラー6番ですか・・・ハンマー打撃は勘弁してほしいものです。あったとしても、3回目の打撃だけは・・・

04/11 18:10 sarai
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