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束の間のウィーン:レオポルド美術館のエゴン・シーレ 1910~1911年

2016年8月7日日曜日@ウィーン/8回目

レオポルド美術館Leopold Museumで絵画鑑賞中です。クリムト、ゲルストル、ココシュカ、そして、再びクリムトを見て、最後は真打ち登場です。

レオポルド美術館の至宝、エゴン・シーレです。

シーレのコレクションは年代順の展示になりました。1910年、シーレ20歳から、1918年、シーレ最晩年まで、珠玉のコレクションを見ていくことにしましょう。

「死する母Ⅰ」です。1910年、20歳の作品です。

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「晩秋の小さな木」です。1911年、21歳の作品です。

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「男と女」です。1911年、21歳の作品です。紙に描かれています。

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「モアMoa」です。1911年、21歳の作品です。紙に描かれています。踊り子モアはシーレのモデルであり、恋人でもありました。モデルの名前が絵のタイトルになっているのは珍しいですね。

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「まくれたスカートの黒髪の少女」です。1911年、21歳の作品です。紙に描かれています。卑猥ではありますが、これがシーレの前向きのエネルギーでした。このモデルもモアのようですね。

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「暴露」です。1911年、21歳の作品です。

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「死と男」です。1911年、21歳の作品です。

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「叙情詩人」です。1911年、21歳の作品です。正方形の画面です。

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「丘陵風景の中の家と壁」です。1911年、21歳の作品です。

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シーレのコレクションの展示室の中にブロンズの彫刻が置いてあります。これはもちろん、シーレの作品ではありません。20世紀ドイツを代表する彫刻家のヴィルヘルム・レームブルックの「ひざまずく女」です。1911年の作品です。シーレよりも9歳年上で、このとき、レームブルック30歳。パリに赴いていたときの記念碑的な作品です。

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このレームブルックの「ひざまずく女」とシーレの関係は分かりませんが、ふと、同じテーマで描かれたシーレの作品のことを連想しました。今日は展示されていないようですが、レオポルド美術館所蔵の「ひざまずく女のヌード」です。1910年、シーレ20歳の作品です。レームブルックの彫刻作品の前年に描かれたものです。

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さて、本日の展示に戻ります。

「カラスのいる風景」です。1911年、21歳の作品です。クルマウにあるガーデンハウスをシーレの心象風景にしたもののようです。クルマウ(Krumau)というのはチェスキー・クルムロフČeský Krumlov (チェコ語)のドイツ語での表記です。シーレの母親の出身地です。

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このカラスが登場したことについての関連説明があります。シーレはフランスの詩人アルチュール・ランボーの詩集のドイツ語訳を愛読していたそうです。その詩のひとつに「烏」Les Corbeauxという題名のものがあります。ドイツ語ではDie Rabenと訳されています。ここからシーレの心象風景は浮かび上がったようです。

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このランボーの詩は「初期詩篇」の中の最後の作品です。中原中也の日本語訳がありますので、ご参考までに。

神様! 牧場(ぼくじょう)が寒い時、
寂(さび)れたあちこちの村に
アンジェラスの鐘も鳴り止んで
見渡すかぎり花一つない時、
高い空から降ろしてやってください
あのなつかしいカラスたちを。

厳(いか)めしく叫ぶ奇妙な群れよ、
木枯らしは、君たちの塒(ねぐら)を襲撃した!
君たちは、黄ばんだ河に沿って
古い十字架が立っている道に、
溝や窪地に、
飛び散れよ、あざ笑え!

幾千となくフランスの野に
昨日の死者たちが眠っているそこに、
冬よ、ゆっくりとどまればよい、
そこを通る人々が敬虔な気持ちになるように!
君たちは慰霊の導き手となれ、
おお、わが喪服で正装した鳥たちよ!

だが、ああ、空にまします聖人たちよ、夕暮れ迫るマストのような
樫の木の高みにいる貴方たちカラスたち、
五月のホオジロを見逃してやってくれ
あれらは森の深みに繋がれて、
出ることも出来ずに草地に縛られて、
なす術も力もない仲間たちのために!


芸術家たちの偉大な邂逅がここに見られます。感銘を受けますね。

この先の展示は1912年、シーレ22歳ころになります。シーレは一段と芸術の高みに上っていきます。その人生の歩みの困難さに立ち向かいながらの一歩一歩です。



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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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えりちゃさん、お久しぶりです。saraiです。

なかなか、海外渡航の見通し、立ちませんね。来年あたりはどうでしょうね。長期戦覚悟で我慢するしかありませんね。

こちら

04/10 02:37 sarai

saraiさま、
お久しぶりです!
お元気にコンサートや旅行を楽しんでおられますね!
ブログ、楽しく拝見しています。おフランス、良いね😊
私は春だというのに、仕事と用事以

04/09 05:29 えりちや

気になってたずねても 
誰にも知らんと言われなんやろ
と思いつづけて居ました❗
写真みつけてこれだと思いました❕スッとしました
教えて下さって嬉しいです
ありがとうご

02/13 22:26 みーちゃん

みーちゃんさん、saraiです。

あの謎の建物は雄琴沖総合自動観測所という施設で琵琶湖の水質を測定しているそうです。

https://www.water.go.jp/kansai/biwako/html/repo

02/13 21:40 sarai

ずーと前にうきみどうに行きました
やはり、琵琶湖の真ん中の建物が何なのか気になったままです
分かりましたか
教えてください

02/13 20:54 みーちゃん

五十棲郁子さん、コメントありがとうございます。

水道水のこと、tap waterって言うんですね。知らなかった。単にwaterで通していました。ましてや、フランス語はほとんど

02/11 00:12 sarai

フランスも地方へ行くと英語が通じないでしょう。tap water ぐらいフランス語で言えないとね。

02/10 12:54 五十棲郁子
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