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束の間のウィーン:レオポルド美術館のエゴン・シーレ 1918年(最晩年)

2016年8月7日日曜日@ウィーン/11回目

レオポルド美術館Leopold Museumで絵画鑑賞中です。レオポルド美術館の至宝、エゴン・シーレのコレクションの鑑賞もいよいよフィナーレになります。

年代順に展示されているシーレのコレクションを1915年、シーレ25歳の作品まで見てきました。この後は一気に1918年、シーレ28歳の最晩年になります。それはシーレがエーディトとの結婚の3日後、勃発していた第一次世界大戦のためにオーストリア=ハンガリー帝国軍に召集されたことで、絵画制作活動が休止に追い込まれたことによります。しかし、従軍後、芸術家としてのシーレの経歴が考慮されて、シーレは前線に出ることはなく、この従軍期間はさらなる芸術的飛躍のための準備期間となります。1917年にウィーンに転属となると、シーレは事実上、制作活動を再開します。そして、1918年、シーレの最晩年になります。

「3人の裸の女」(未完)です。1918年、28歳の作品です。モデル(中央)は妻のエーディトですね。

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「うずくまる2人の女」です。1918年、28歳の作品です。モデルはダブルで愛妻のエーディトですね。最晩年の作品はどれをとっても傑作揃いです。

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「うずくまる2人の男(ダブルの自画像)」です。1918年、28歳の作品です。愛妻のエーディトをダブルで描いた「うずくまる2人の女」と一対をなす作品です。以前、恋人のヴァリーとの一対の作品を描いたことが思い出されます。今回はダブルで描いたことで、エーディトへの強い愛情を示しました。

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こんな風に2枚の作品は並べて展示されています。当然ですね。

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最後に見たのは「横たわる女」です。1917年、27歳の作品です。最晩年の前の年の作品です。ちょっと印象は異なりますが、これもモデルは妻エーディトでしょう。軍務の合間に描いたようです。

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最晩年の部屋は傑作の作品が並んでいて、素晴らしいです。特に妻エディットをモデルにした作品がsaraiのお気に入りです。ベルヴェデーレ宮殿Schloss Belvedereにあるオーストリア・ギャラリーÖsterreichische Galerie Belvedereに展示されているシーレ最晩年の傑作群と合わせて、シーレの最晩年の作品は感動的です。

最後の最後は死の床に横たわるシーレの写真です。第1次世界大戦のころに流行したスペイン風邪でシーレの子供を身籠った妻エーディトが1918年10月28日に死去。シーレも同じ病に倒れ、3日後の10月31日にエーディトの後を追うように亡くなりました。そう言えば、5日前がシーレの命日でしたね。そして、来年はシーレの没後100年になります。合掌!

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エゴン・シーレの展示室の様子を最後に見ながら、レオポルド美術館の鑑賞を終えます。

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ここで、もう午後2時過ぎです。あと2時間ほどで帰国のために空港に向かわないといけません。最後のお楽しみのためにムゼウムシュクヴァルティアーMuseumsQuartierの地下駅から地下鉄で移動します。

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さあ、最後はこれしかありません。再び、ケルントナーシュトラーセKärntner Straßeのカフェ・ハイナーCafe heinerに戻って、今度は美味しいケーキをいただきます。saraiはザッハートルテをミット・シュラーク(ホイップした生クリーム付き)でいただきます。カフェ・デーメルほどではありませんが、ここのザッハートルテも美味です。

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配偶者は、中央にこってりとしたチョコレートが詰まったケーキ(マルツィパンカルトッフェル)。

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紅茶は、とってもしっかり淹れてあり、芳醇な味わいです。それにポットで注文した紅茶はカップでたっぷり5杯分はあります。ちょっともてあますほどの分量です。二人でポット1つでよかったかも。

さきほどのウェートレスのおばさん(ここはみなチロル風の民族衣装を着ています)がまた来たのって感じでsaraiたちに笑いかけます。会計は今度はキャッシュでテーブル席で払おうとすると、あら、クレジットカードじゃなかったのってまた笑っています。もう、これでヨーロッパを離れるので余っているキャッシュを使ってもいいんです。全部で18.2ユーロ。2千円ちょっとです。まあ、リーズナブルな料金でしょう。

カフェ・ハイナーでゆっくりしていたので、もうすぐ4時です。ウィーンの最後はケルントナー通りを散策します。いつもこの通りは賑やかです。

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やがて、懐かしいウィーン国立歌劇場が見えてきます。そう言えば、ここでオペラを見たのはもう去年の6月のことです。ここでオペラを見るのは来年以降になります。

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右手のほうにはホテル・ザッハーが見えます。

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この夏の時期はウィーン国立歌劇場も楽友協会もお休みです。大きな横幕で、観光客向けのモーツァルト・コンサートをウィーン国立歌劇場と楽友協会でやっていることを告知しています。

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ウィーン国立歌劇場を横目に見ながら、通り過ぎます。

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来年はウィーンに来ることができるかな。ここ5年以上も毎年、ウィーン詣でをしていました。今年は束の間の滞在に終わってしまったので、来年こそはと思っているんですが。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
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07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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