今日、12月7日はsaraiの最愛のピアニスト、クララ・
ハスキルが57年前に亡くなった日です。今年もこの日が巡ってきました。
現在、クララ・
ハスキルのモーツァルトの全録音を聴いています。ピアノ協奏曲はほぼ聴き終えました。彼女の作品別の録音は以下のとおりです。
ピアノ協奏曲第9番変ホ長調『ジュノーム』 K.271
(1)...52/05/23、シュトゥットガルト カール・シューリヒト、シュトゥットガルト放送交響楽団(Hanssler Swr Music)
(2)...53/06/19、プラド パブロ・カザルス、プラド音楽祭管弦楽団(THARA)
(3)...54/03/01、ハーグ オイゲン・ヨッフム、バイエルン放送交響楽団(THARA)
(4)...54/06/11、ケルン オットー・アッカーマン、ケルン放送(WDR)交響楽団(MEDICI MASTERS、MUSIC&ARTS)
(5)...54/10/08-10、ウィーン パウル・ザッハー、ウィーン交響楽団(Philips)
(6)...55/06/08、ローザンヌ イーゴル・マルケヴィッチ、フランス国立管弦楽団(INA)
ピアノ協奏曲第10番変ホ長調 K.365
(1)...54/10/18、チューリッヒ ゲザ・アンダ(第2ピアノ)、パウル・ブルクハルト、ベロミュンスタースタジオ管弦楽団(THARA)
(2)...56/04/24-26、ロンドン(EMIアビー・ロード・スタジオ) ゲザ・アンダ(第2ピアノ)、アルチェロ・ガリエーラ、フィルハーモニア管弦楽団(EMI)
(3)...57/08/04、ザルツブルク音楽祭(モーツァルテウム) ゲザ・アンダ(第2ピアノ)、ベルンハルト・パウムガルトナー、カメラータ・ザルツブルク(Orfeo)
ピアノ協奏曲第13番ハ長調 K.415
(1)...53/03/30、ベルリン フェレンツ・フリッチャイ、RIAS交響楽団(Memories、URANIA)
(2)...60/05/05-06、ルツェルン(ルーカス教会ゲマインデザール) ルドルフ・バウムガルトナー、ルツェルン祝祭管弦楽団(DGG)
ピアノ協奏曲第19番ヘ長調 K.459
(1)...50/09/23-24、ヴィンタートゥール ヘンリー・スヴォボダ、ヴィンタートゥール交響楽団(Westminster)
(2)...52/05/30、ケルン フェレンツ・フリッチャイ、ケルン放送(WDR)交響楽団(MEDICI MASTERS)
(3)...53/01/20、ベルリン フェレンツ・フリッチャイ、RIAS交響楽団(THARA,AUDITE)
(4)...55/09/21-22、ベルリン フェレンツ・フリッチャイ、ベルリン・フィル(DGG)
(5)...56/07/04、ルドヴィクスブルク カール・シューリヒト、シュトゥットガルト放送交響楽団(Hanssler Swr Music)
(6)...56/09/06、ブザンソン(市立劇場) イェジー・カトレヴィッツ、パリ音楽院管弦楽団(THARA,INA)
(7)...57/10/04、ローザンヌ ヴィクトル・デザルツェンス、ローザンヌ室内管弦楽団(Claves)
(8)...59/02/19、パリ(シャンゼリゼ劇場) コンスタン・シルヴェストリ、フランス国立管弦楽団(INA、SPECTRUM国内盤)
ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
(1)...48/07/25、エキサン・プロヴァンス エルネスト・ブール、パリ音楽院管弦楽団(INA)
(2)...50/09/23-24、ヴィンタートゥール ヘンリー・スヴォボダ、ヴィンタートゥール交響楽団(Westminster)
(3)...52/12/19、チューリッヒ ハンス・シュミット・イッセルシュテット、ベロミュンスタースタジオ管弦楽団(THARA)
(4)...54/01/10、ベルリン(オイローパ宮) フェレンツ・フリッチャイ、RIAS交響楽団(Audite)
(5)...54/01/11-12、ベルリン(イエス・キリスト教会) フェレンツ・フリッチャイ、RIAS交響楽団(DGG)
(6)...54/10/11、ウィーン ベルンハルト・パウムガルトナー、ウィーン交響楽団(Philips)
(7)...56/01/28、ザルツブルグ ヘルベルト・フォン・カラヤン、フィルハーモニア管弦楽団(ORF)
(8)...56/11/06、ボストン シャルル・ミュンシュ、ボストン交響楽団(MUSIC&ARTS)
(9)...57/09/27、モントルー音楽祭 パウル・ヒンデミット、フランス国立管弦楽団(INA)
(10)...59/09/08、ルツェルン オットー・クレンペラー、フィルハーモニア管弦楽団(URANIA)
(11)...60/11/14-18、パリ イーゴル・マルケヴィッチ、コンセール・ラムルー管弦楽団(Philips)
ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
(1)...53/06/25、ルガーノ オトマール・ヌシオ、スイス・イタリア語放送管弦楽団(Ermitage)
(2)...54/10/08-10、ウィーン パウル・ザッハー、ウィーン交響楽団(Philips)
(3)...59/06/29、ディボンヌ・レ・バン音楽祭 ピエール・コロンボ、ジュネーブ室内管弦楽団(INA) **未入手**
(4)...59/09/15、モントルー シャルル・ミュンシュ、パリ国立管弦楽団(MUSIC&ARTS)
ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491
(1)...55/12/08、パリ(シャンゼリゼ劇場) アンドレ・クリュイタンス、フランス国立管弦楽団(INA)
(2)...56/06/25、ローザンヌ ヴィクトル・デザルツェンス、ローザンヌ室内管弦楽団(Claves)
(3)...60/11/14-18、パリ イーゴル・マルケヴィッチ、コンセール・ラムルー管弦楽団(Philips)
ピアノ協奏曲第27番変ロ長調 K.595
(1)...56/09/09、モントルー オットー・クレンペラー、ケルン放送(WDR)交響楽団(MUSIC&ARTS)
(2)...57/05/07-09、ミュンヘン(ヘラクレスザール) フェレンツ・フリッチャイ、バイエルン国立管弦楽団(DGG)LP
ピアノと管弦楽のためのロンド イ長調 K.386
(1)...54/10/08-10、ウィーン ベルンハルト・パウムガルトナー、ウィーン交響楽団(Philips)
以上ですが、ピアノ協奏曲第23番 K.488の(3)だけ、未入手です。ずい分探しましたが、どうしても見つかりません。所在をご存じのかたはご一報ください。
ハスキルが全曲を録音しなかったのは残念です(ラファエル・クーベリックの指揮で全曲録音を検討していましたが、所属レコード会社の違い(
ハスキルはフィリップス、クーベリックはデッカ)で実現しませんでした。実現していれば、どんなに素晴らしかったでしょう。クーベリックが後にクリフォード・カーゾンと共演した素晴らしい録音を聴いて、その思いは募ります。)。 しかし、残された8曲の録音を聴けるだけでも幸せなのかもしれません。とりわけ、第20番の11録音、第19番の8録音、第9番の6録音は
ハスキルが得意にした曲で、充実した演奏が聴けます。第23番、第24番、第27番も最高の名演が残されています。
今日はこれまで聴いたうちで第9番から第19番までの録音の中で、選りすぐりのCDを聴くことにします。以下のプログラムの仮想コンサートをsaraiのオーディオルームで開催することにします。
・ピアノ協奏曲第13番ハ長調 K.415
ルドルフ・バウムガルトナー、ルツェルン祝祭管弦楽団
・ピアノ・ソナタ第2番ヘ長調 K.280
・「ああ、ママに言うわ」による12の変奏曲ハ長調(キラキラ星変奏曲) K.265
・ピアノ協奏曲第19番ヘ長調 K.459
コンスタン・シルヴェストリ、フランス国立管弦楽団
最初の3曲は以下のCDです。

1960年5月5日-6日、ルツェルン(ルーカス教会ゲマインデザール)でのセッション録音 DG ステレオ録音
併録はクララ・
ハスキル、フェレンツ・フリッチャイ指揮RIAS交響楽団で
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
1954年1月11日-12日、ベルリン(イエス・キリスト教会)でのセッション録音 モノラル
最後の1曲は以下のCDです。

1959年2月19日、パリ(シャンゼリゼ劇場)でのライヴ録音 INA原盤によるSPECTRUM国内盤(平林直哉氏によるリマスター)
併録はコンスタン・シルヴェストリ指揮フランス国立管弦楽団で
ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調「新世界」Op.95
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
ラヴェル:ボレロ
ピアノ協奏曲第13番ハ長調 K.415は最晩年の素晴らしい演奏です。音質も最高です。なんと言ってもステレオ録音ですからね。ハスキルの格調が高く、澄み切ったピアノの音色は天使が奏でるような響きです。バウムガルトナー指揮のルツェルン祝祭管弦楽団(実際は弦楽セクションのみ)もハスキルにぴったりの透き通るような響きの演奏でサポートします。
同時に録音されたピアノ・ソナタ第2番ヘ長調 K.280もハスキルのピアノの響きが見事です。とりわけ、短調の第2楽章の美しさには魅了されるだけです。
「ああ、ママに言うわ」による12の変奏曲ハ長調(キラキラ星変奏曲) K.265はもちろんシンプルな曲ですが、ハスキルが弾くと格調が高くなります。
ピアノ協奏曲第19番ヘ長調 K.459はハスキルが亡くなる前の年の録音ですが、同曲の最後の録音で、最高の名演です。破格の演奏に耳を奪われます。終楽章の切れのよい高い技巧の演奏にはただただ聴き惚れるだけです。録音も臨場感のある素晴らしい音質です。平林直哉氏によるリマスターも見事です。
いずれもsaraiの愛聴盤となっています。
ハスキルの素晴らしいピアノが聴けて、幸せな「ハスキルの日」になりました。
なお、ピアノ協奏曲第19番までの全録音の感想記事は別稿でアップします。
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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽