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saraiの音楽総決算2017:ピアノ・室内楽編

今年もブログの締めくくりはsarai恒例の音楽総決算です。

今年は国内・海外合わせて、厳選したコンサート・オペラに計70回足を運びました(昨年の計80回に比べると10回減りました。意図的に絞ったんです。)。それらについてはすべて当ブログで報告済みですが、今回から4回のシリーズでそれらからベストの音楽会を選んで、今年の音楽の総決算としたいと思います。
今回はピアノ・リサイタルと室内楽編です。今年もこのジャンルをたくさん聴きました。計31回です(昨年は計36回)。内、ピアノ・リサイタルが15回、弦楽四重奏曲コンサートが13回、その他の室内楽コンサートが3回です。とりわけ素晴らしいピアノ・リサイタルに恵まれました。で、今年も、ピアノ・リサイタルと室内楽コンサートに分けて、ランキングしてみます。
ちなみに昨年の結果はここです。

まず、ピアノ・リサイタル部門です。ベスト10は次の通りです。ともかく、田部京子、アンジェラ・ヒューイット、アンドラーシュ・シフの3人が圧倒的に素晴らしく、感動の涙・涙・涙・・・でした。卑怯ですが、3人のリサイタルはいずれも1位に並べさせてください。とても比べて差をつけられるようなレベルの演奏ではありませんでした。

1位 シューベルトの命日に輝く天才ピアニスト田部京子@浜離宮朝日ホール 2017.11.19
1位 涙なしに聴けない魂の演奏 The Bach Odyssey Ⅳ アンジェラ・ヒューイット@紀尾井ホール 2017.9.14
1位 未曽有の高み・・・アンドラーシュ・シフ・ピアノ・リサイタル_最終版@東京オペラシティ コンサートホール 2017.3.23
4位 歴史を刻む田部京子のシューベルト・プラス 第2回@浜離宮朝日ホール 2017.7.14
5位 感動と楽しさ・・・アンドラーシュ・シフ・ピアノ・リサイタル@東京オペラシティ コンサートホール 2017.3.21
6位 奇跡のような名演!!The Bach Odyssey Ⅱ アンジェラ・ヒューイット@紀尾井ホール 2017.5.30
7位 グリゴリー・ソコロフ・ピアノ・リサイタル@ザルツブルク祝祭大劇場 2017.8.1
8位 アンドラーシュ・シフ・ピアノ・リサイタル3@ザルツブルク・モーツァルティウム大ホール 2017.8.2
9位 さすがのパルティータ The Bach Odyssey Ⅲ アンジェラ・ヒューイット@紀尾井ホール 2017.9.13
10位 アブデル・ラーマン・エル=バシャ ピアノ・リサイタル@横浜上大岡ひまわりの郷ホール 2017.5.28

田部京子の弾いたシューベルトの詩情の深さには参りました。その上、ベートーヴェンの後期ソナタ、ブラームスの後期ピアノ曲、モーツァルトまですべてが素晴らしいという本格派。まさに日本に誕生した天才ピアニストです。彼女が来年も続けるシューベルト・プラスのシリーズは聴き逃せません。(1位と4位)

アンジェラ・ヒューイットの弾いたバッハの素晴らしさは想像以上のものでした。とりわけ、パルティータの第6番の凄さは感動以外の何ものでもありませんでした。The Bach Odysseyと題してのバッハ鍵盤独奏曲の全曲演奏シリーズが聴ける喜びはいかほどのものでしょう。来年のゴールドベルク変奏曲は記念碑的な演奏になるのは間違いありません。(1位と6位と9位)

アンドラーシュ・シフの弾くシューベルトとベートーヴェンの後期ソナタを聴けたのはsaraiにとって、忘れ得ぬ思い出になりました。感動し尽して、頭が真っ白になりました。加えて、ザルツブルク音楽祭でバッハ、バルトーク、ヤナーチェク、シューマンの連続演奏を聴けたのも幸せでした。(1位と5位と8位)

グリゴリー・ソコロフはsaraiにとって幻のピアニストでしたが、ザルツブルク音楽祭でようやく実演に接することができました。噂にたがわぬカリスマ的なピアニストでした。ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第32番のアリエッタの美しさに魅了されました。

アブデル・ラーマン・エル=バシャのこだわりのプログラム、グラナドスの組曲「ゴィエスカス」全曲の演奏は素晴らしかったです。特に第4曲、第5曲の素晴らしさはかのアリシャ・デ・ラローチャの演奏をも上回る出来でした。


次は室内楽部門です。ロータス・カルテットのベートーヴェン・ツィクルスの素晴らしかったこと。今年はそれに尽きます。ベスト5は次のとおりです。

1位 圧倒的な感動! ロータス・カルテット:ベートーヴェン・サイクル第5回@鶴見サルビアホール 2017.6.14
2位 Es muss sein! ロータス・カルテット:ベートーヴェン・サイクル第4回@鶴見サルビアホール 2017.6.13
3位 シューベルト&ショスタコーヴィチ ツィクルス III:ハーゲン・クァルテット@トッパンホール 2017.7.5
4位 瑞々しくてロマンに満ちたシューベルト:ハーゲン・クァルテット@トッパンホール 2017.7.3
5位 究極の美音:オーギュスタン・デュメイ ヴァイオリン・リサイタル@紀尾井ホール 2017.9.26

ロータス・カルテットのベートーヴェンは全曲が素晴らしかったのですが、とりわけ、後期の精神性の深い演奏にはただただ感動するだけでした。日本人女性4人がどうして、西欧音楽の中でも特に精神性が高い作品をこうも見事に演奏できるのか・・・saraiはある意味、カルチャーショックを受けました。ピアノの田部京子も同様ですが、日本人演奏家が天才的とも思える演奏をできる事実に直面して、戸惑っています。

ハーゲン・カルテットは相変わらず、素晴らしい音楽を聴かせてくれます。シューベルトの第13番と第15番はベストとも思える演奏でした。

オーギュスタン・デュメイのヴァイオリンのあまりにも美しい音色に驚愕しました。音楽には色んな要素がありますが、音の美しさだけでこんなに魅了されるものなんですね。


一応、この部門全体を通した最上位を決めておきましょう。それは以下です。

 ロータス・カルテットのベートーヴェン・ツィクルス@鶴見サルビアホール

ともかく、今年はsaraiにとって、ピアノの年と言ってもいいような年でしたが、それをはねのけるようなロータス・カルテットの圧倒的なベートーヴェン・ツィクルスでした。来年も来日して、ベートーヴェンの第15番と第14番を聴かせてくれるそうです。感動再びの予感です。

次回はオペラ編です。


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ジャンル : 音楽

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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

通りすがりさん

コメント、ありがとうございます。正直、もう2年ほど前のコンサートなので、詳細は覚えておらず、自分の文章を信じるしかないのですが、生演奏とテレビで

05/13 23:47 sarai
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