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気ままに箱根:ポーラ美術館の名作展・・・6回目

箱根ポーラ美術館で開館15周年を記念した《100点の名画でめぐる100年の旅》と題した大コレクション展を鑑賞中です。
第17セクションは1930-1940年代の作品群《実りの季節 マティスとピカソ》と題されています。

アルベール・マルケが1930年に描いた《ブーローニュ=シュル=メール港の眺め》です。アルベール・マルケは、フォーヴィスム(野獣派)に分類されるフランスの画家です。ブーローニュ=シュル=メールはフランスのベルギー国境に近い避暑地の港町で、ここからは英仏両国を結ぶ船が発着します。19世紀半ばには鉄道も開通しています。マルケはこの町に滞在し、借りた部屋からの港の眺めを描きました。遠景は霞にたゆたう古い町、手前には蒸気機関車が明確に描かれ、その対比が面白い画面を形作っていますね。全体的にはとても穏やかな風景で心が休まります。

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ピエール・ボナールが1946年頃に描いた《ミモザのある階段》です。南仏のカンヌ近郊の町、ル・カネにある自邸付近の風景を描いています。ミモザの咲く階段の上に自邸の庭があるそうです。画面ではミモザの花はほとんど形をなしていなくて、色彩としっかりしたタッチだけがミモザの花を感じさせます。抽象性の高い作品です。

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アンリ・マティスが1936年に描いた《襟巻の女》です。大胆な色遣いと画面構成で華やぎに満ちた女性像を描き出しているのはマティス流って感じです。雑なようで完璧な感じもしますが、いずれにせよ洒脱な作品です。

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アンリ・マティスが1943年に描いた《リュート》です。この作品は今回の展示会のポスターの絵にもなっています。今回見た作品中、一番、saraiの心を捉えた絵画です。オレンジ色でまとめられた色彩、女性が左に配置されて、中央にテーブルと大きな花が置かれた安定感のある構図、そして、壁や絨毯に施された文様のもたらす効果、十分に考え抜かれた完璧な絵画です。マティスの心の中で作り上げたイメージの美しさは形而上的な美的完成度に達しています。これこそ芸術ですね。大変な感銘を受けて、じっと見入ってしまいます。この作品が撮影可で本当に良かった!!

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ラウル・デュフィが1937年に描いた《パリ》です。これも素晴らしい作品です。アンリ・マティスの《リュート》がなければ、この展示会の最高の作品と評するところでした。4面の大きな縦長の絵が並んだ西洋屏風のような作品です。各面190.0 x 49.8 cmという大きな人間くらいの絵が並び、壮観です。絵の内容は説明する必要もありませんね。パリの名所四景です。昼から夜への時間経過が描かれています。装飾性の高い絵画ですが、デュフィの素晴らしいところは色彩感覚のバランスがよいところです。対象モティーフの色とは無関係に画面全体で色がグラデーションしていく美しさにはうっとりとさせられます。才人デュフィの名作です。

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このセクションでもピカソやブラックの作品は撮影不可です。

第18セクションはシャガールやレオナール・フジタの素晴らしい作品がありますが撮影不可です。

第19セクションは日本人画家の洋画がありますがあまり興味を惹かないのでパス。

最後の第20セクションはシャガールとポール・デルヴォーのいい作品がありますが撮影不可です。

ということで最後はばたばたっと終わります。

しかし、実は終わっていませんでした。最後の100枚目は番外特別編です。

ワシリー・カンディンスキーが1923年に描いた《支え無し》です。カンディンスキーらしい訳の分からない絵です。ミュンヘンを中心に活躍した青騎士のリーダー格の画家です。そう言えば、このポーラ美術館のコレクションには青騎士の作品がありませんでしたね。この美術館は印象派の作品が中心で抽象絵画はほとんどありません。その中でこのカンディンスキーの抽象絵画を最後の100枚目に据えたということは今後、ポーラ美術館が抽象絵画のコレクションに乗り出すという決意表明なのでしょうか。カンディンスキー、クレー、モンドリアンあたりの作品が近い日に見られるのでしょうか。あるいは青騎士の作品に力を入れるということでしょうか。楽しみに待ちましょう。さて、この作品はカンディンスキーの抽象絵画の中では色彩も華やかで比較的分かりやすい作品です。とりわけ、幾何学的な形のオブジェクトが明確に描かれていて、整理された構図になっています。

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この作品だけは特別に凝った展示をしています。その幾何学的なオブジェクトが1個ずつ取り出されて、立体的に天井から吊り下げられて、構成されています。どうやら、その幾何学的なオブジェクトが空間にリズミカルに配置されているということを示そうとしているようです。それでカンディンスキーの抽象絵画論が理解できるわけではありませんが、遊びとしては面白いですね。

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これでこの展示会は本当に終わりです。最後まで付き合ってくれた方はご苦労様でした。ペコッ!

ポーラ美術館の最後のお楽しみは館外に広がる森の散策です。「風の遊ぶ散歩道」と名付けた森の遊歩道を2013年にグランドオープンしました。実はそれに先立って、プレオープンした遊歩道を2012年に歩きましたが、グランドオープン後の遊歩道を歩くのは初めてです。いったん、美術館の外に出て、美術館の裏手にある遊歩道に出ます。そうです。この遊歩道は無料なんです。
森の中の美しい遊歩道が始まります。

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木道が森の中に誘います。

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美しい樹木が立ち並びます。自然の力なのか、人の手で管理されているのか、いずれにせよ、自然の芸術と言えます。

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樹木の木肌は抽象絵画を思わせる雰囲気です。

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ヒメシャラやブナの美しい木々が目を楽しませてくれます。

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これはブナの大木かな。

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このあたりは赤いツルツルの木肌のヒメシャラが目立ちます。緑の木肌の木はヤマボウシでしょうか。

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森の中に一本の清流が流れています。早川からの支流でしょうか。

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美しい清流沿いに歩きます。

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清流の上を木道が渡っていきます。

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木道の橋の上から眺めた清冽な流れです。

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森の小径の散策を終えました。森に別れを告げます。

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箱根で過ごした5日間は心が癒されるような日々でした。



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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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ありがたいコメント、嬉しいです。マーラーのファンのかたにこそ、読んでいただきたかったので、気持ちを共有できた思いです。自然の中にこそ、マーラーの音楽の本質はあり

04/23 23:45 sarai

マーラーの作品を聴きながら、ブログを読ませていただいています。
読みながら画像を見て、マーラーの過ごした風景に想いを馳せて楽しんでいます。
素敵なブログをありがと

04/23 21:47 

マーラー6番ですか・・・ハンマー打撃は勘弁してほしいものです。あったとしても、3回目の打撃だけは・・・

04/11 18:10 sarai

まさにマーラー6番な状況です笑

04/11 17:51 kico

お互い、残念でしたね。今年でヨーロッパ遠征を終わりにする予定でしたが、悲劇的な状況になりました。天はまだ我に旅を続けよというご託宣を与えたのでしょうか。1年延期

04/11 03:13 sarai

以前にもコメントさせていただいた者です。来ましたね、楽友協会からのメール。私たちはとりあえず1年延期としましたが、どうでしょうね。困っている人が多い中贅沢な悩み

04/11 00:33 kico

お返事ありがとうございます。
本当に!私もレイルジェットや美術館の手配もしているので、祈るような気持ちです。

03/10 19:06 kico
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