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アルプス:ユングフラウ鉄道・・・アイガーグレッチャー駅に途中停車

2017年7月24日月曜日@ルツェルン~ユングフラウヨッホ~メンリッヒェン/16回目

トップ・オブ・ヨーロッパと呼ばれるヨーロッパの鉄道駅の中で最高地点にある駅、ユングフラウヨッホJungfraujochに向かって、クライネシャイデックKleine Scheideggからユングフラウ鉄道Jungfraubahnの登山電車に乗っています。クライネシャイデックを出て、草原の中の半オープン型(半地下型)のトンネルを走っています。片側は完全オープンなので、美しい草原の景色は眺められます。綺麗な花々がトンネル沿いに咲いています。

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草原の彼方には荒涼としたアルプスの岩山風景が続いています。

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トンネルの端っこあたりから眺めた草原の風景です。谷の向かい側の草原の丘の中腹あたりにはWAB鉄道の線路があります。

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右手にアイガーグレッチャーEigergletscherの氷河が迫ってきます。

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アイガーグレッチャーの手前の岩場に沿って、ユングフラウ鉄道の登山電車はゆっくりと進んでいきます。

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岩場と線路の間の狭いスペースの草原には高山植物の花が咲いています。

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真夏のこの季節には一時期に花々が一斉に咲き出すようですね。

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線路脇の花々の向こうには草原の家が見えます。牧畜を営む人の作業小屋でしょうか。この夏のひと時に牛や羊に草を食ませるのでしょう。

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のどかな牧草地帯と雪と岩の険しい風景が好対照です。

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雪と岩山の風景の上は雲で見えなくなっています。岩山の頂はユングフラウJungfrau3山の中央の峰、メンヒMönchあたりでしょうか。

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牧畜の作業小屋は岩場の縁近くに建っています。ぎりぎりの環境でアルプスの牧畜が営まれていることが実感できます。

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ユングフラウ鉄道の最初の停車駅、アイガーグレッチャーEigergletscherに着きます。駅名は氷河の名前と同じです。

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駅のホームからは目の前にアイガーグレッチャーの氷河が望めます。

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メンヒだけでなく、ユングフラウも雲に包まれて全くその姿を見ることができません。

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ここまで次々と目の前に迫りくる山々の絶景に歓声を上げながら、写真を撮りまくります。ヴェンゲンWengenから乗り込んできた日本人旅行者の男性は、今日はこの辺りをトレッキングするということでこのアイガーグレッチャー駅で降りていきます。彼の泊まっているヴェンゲンの宿の女将は今日は天気は持つと言ったとのことです。嬉しいですね。

ここまでの登山鉄道のルートを地図で確認しておきましょう。

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いよいよ、この後、登山電車はアルプスの岩塊の中をくりぬいたトンネルの中を鉄道駅の中で最高地点にある駅、ユングフラウヨッホに登っていきます。アルプス登山も最終段階です。



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テーマ : ヨーロッパ
ジャンル : 海外情報

 

アルプス:ユングフラウ鉄道・・・ユングフラウヨッホに到着

2017年7月24日月曜日@ルツェルン~ユングフラウヨッホ~メンリッヒェン/17回目

トップ・オブ・ヨーロッパと呼ばれるヨーロッパの鉄道駅の中で最高地点にある駅、ユングフラウヨッホJungfraujochに向かって、クライネシャイデックKleine Scheideggからユングフラウ鉄道Jungfraubahnの登山電車に乗っています。現在、ユングフラウ鉄道の最初の停車駅、アイガーグレッチャーEigergletscherに停まっています。眼前には岩壁とアイガーグレッチャーの氷河が見えています。大迫力です。

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駅の前にある草原では牛が放牧されています。まさか観光用のデモンストレーションではないでしょうね。

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駅前にはトレッキングコースが見えます。ユングフラウヨッホからの帰りにはこの駅で降りて、クライネシャイデックまでトレッキングする予定です。

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それにしても長閑なアルプスの放牧風景です。

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登山電車はアイガーグレッチャー駅を出て、アルプスの大岩塊に迫っていきます。

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やがて、アイガーからメンヒの下を抜けるユングフラウ鉄道トンネルに入ります。ここから先はずっと地下トンネルを通ってユングフラウヨッホを目指します。岩盤をくりぬいたトンネルの中を登山電車は進みます。ビューポイントで5分間の停車があります。アイガーヴァント駅Eigerwandです。脱兎のごとく、岩壁をくりぬいた展望窓に走ります。

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しかし、展望窓から見えるのは雲と霧だけです。天候だけが心配でしたが、その心配の通りになったようです。

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すごすごと展望窓から撤退するしかありません。

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saraiはもうとっくに状況をわきまえて、電車の中に戻っています。

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登山電車はこの地下駅にもう少し停車します。写真では分かりづらいですが、ホームはかなり傾斜しています。登山電車はトンネルの中をかなりの角度で登っていくんです。

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アイガーヴァント駅を出ると、停まる筈のもうひとつの途中駅のアイスメーア駅Eismeerには停まりません。展望が悪いからでしょうか。そのまま、最終目的地のユングフラウヨッホに到着です。さあ、張り切って降りましょう。

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乗客のみなさんも続々と降りてきます。

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登山電車には荷物車両もつながれていました。

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鉄道のホームから地下通路に進んでいきます。

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ユングフラウヨッホまでの登山電車のルートを地図で確認しておきましょう。

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さて、まずは楽しみにしていたスフィンクス展望台に向かいましょう。



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テーマ : ヨーロッパ
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宮崎音楽祭に遠征

明日から宮崎音楽祭に遠征します。10日ほど宮崎に滞在して、以下の4演目を聴く予定です。

「レジェンドの帰還 ~ チョン・キョンファのブラームス」
 ブラームス:
大学祝典序曲 作品80
交響曲第4番 ホ短調 作品98
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77

ヴァイオリン:チョン・キョンファ
指揮:下野竜也
宮崎国際音楽祭管弦楽団

「レガシー ~ 武満徹の残したもの」

ナッセン:「祈りの鐘 素描」 作品29
武満徹:「妖精の距離」
武満徹:「MI・ YO・ TA」「ぽつねん」「翼」
池辺晋一郎:「君は土と河の匂いがする」
野平一郎:「波の記憶」
湯浅譲二:「弦楽四重奏のためのプロジェクション」

ピアノ:野平一郎
ヴァイオリン:徳永二男、漆原啓子、川田知子、小林美樹
ヴィオラ:安藤裕子
チェロ:古川展生、山本裕康
フルート:高木綾子
ギター:福田進一
カウンターテナー:藤木大地


プッチーニ:歌劇『蝶々夫人』(全曲)※コンサート形式

蝶々夫人:中村恵理(ソプラノ)
ピンカートン:福井敬(テノール)
シャープレス:甲斐栄次郎(バリトン)
スズキ:山下牧子(メゾソプラノ)
ゴロー:竹内直紀(テノール)
ボンゾ:砂場拓也(バリトン)
ヤマドリ、役人:晴雅彦(バリトン)
指揮:広上淳一
宮崎国際音楽祭管弦楽団
宮崎国際音楽祭合唱団
合唱指揮:浅井隆仁

もう一つの小さな音楽会

高木綾子(フルート)
坂野伊都子(ピアノ)

チョン・キョンファのブラームスのヴァイオリン協奏曲、中村恵理のプッチーニ:歌劇『蝶々夫人』を聴くのが主な目的です。チョン・キョンファのブラームスのヴァイオリン協奏曲は10年以上前に突如、宮崎音楽祭で演奏されて以来です。

ということで今日は明日からの準備であたふた。少し前は愛車で横浜から宮崎まで高速を走りましたが、そんな馬鹿なことはもうやめました。普通に空路で往復します。

5月6日(日)のチョン・キョンファのコンサートを皮切りにレポートしますので、お楽しみに!
では、行ってきます。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

アルプス:ユングフラウヨッホは霧の中、五里霧中とはこのことか!!

2017年7月24日月曜日@ルツェルン~ユングフラウヨッホ~メンリッヒェン/18回目

トップ・オブ・ヨーロッパと呼ばれるヨーロッパの鉄道駅の中で最高地点にある駅、ユングフラウヨッホJungfraujochに向かって、クライネシャイデックKleine Scheideggからユングフラウ鉄道Jungfraubahnの登山電車に乗っていました。遂にそのユングフラウヨッホに到着しました。
鉄道ホームから地下通路を歩いています。外部を眺める窓があります。相変わらず、霧と雲でほとんど景色は望めません。

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地下通路をスフィンクス展望台に向かって歩いていきます。何故かみな無言で歩いていきます。期待と不安がないまぜになっているんでしょう。saraiとて、思いは同じです。

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アルプスの岩塊の地下に穿かれた長いトンネル通路です。

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通路の壁にアルプスの山の風景が描かれた壁画は続いています。これは360度の3Dシアタールーム「ユングフラウ・パノラマ」です。

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3Dシアタールームにはアルプスの山の色んな様子が描かれています。

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これは雲海の風景でしょうか。

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さて、いよいよ高速エレベーターに乗って、ヨーロッパ最高地点にあるスフィンクス展望台を目指します。

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1996年に完成したガラス張りのスフィンクス展望台Sphinx Terraceには高速エレベーターでたったの25秒で到達します。駅標高よりさらに108メートル高地にあるこの展望台は何と標高3571メートルです。富士山よりも少し低いくらいですが、何と言っても、まったく体力を使うことなく、登山電車とエレベーターを乗り継ぐだけの気楽さで訪れることができます。

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しかし、ご自慢の大きなガラス窓からの眺めですが、霧と雲に阻まれて何にも見えません。本当はユングフラウ、メンヒが間近に望まれる筈ですが、霧と雲に隠れて見えず、残念。

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風速と気温の気象情報が表示されていますが、曇っていてはこれらの情報は何も役に立ちません。

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こちらの壁からはすぐ近くの雪と氷の壁が見えます。何も見えないよりもましかかな・・・。

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こちらには展望景色の説明表示板があります。本来ならば、アレッチ氷河Grosser Aletschgletscherが見えるようですが、何か虚しいね。

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展望台から周りを見渡そうとしている人たちも何を見ればよいか、戸惑っているようです。それはsaraiとて同じです。

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崖の先に張り出した展望台の凄さは分かりますが、それも何か虚しい・・・。

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展望台の下に見えるユングフラウヨッホのごとごつした岩肌のみが何とか見えています。

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今は展望台の外に出て、自然の猛威を感じています。強風と寒さがアルプスに来ていることを実感させてくれています。絶景だけがアルプスではないと配偶者と二人、強がっています。それにしても変わりやすい山の天気・・・もう少し粘れば好転するかな?



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マイ・シスターズ・ローズ・ガーデン

姉が丹精している薔薇が今、満開だというので、お庭を拝見します。
まずはお庭の入り口のアーチです。ツルバラが美しく訪問者を迎えます。

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バラのアーチをくぐっていくと、メインのお庭へのアプローチが続いています。アプローチもバラが満開です。

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アプローチの家壁には美しい白薔薇が咲き乱れています。

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メインのお庭に入ります。赤いバラが壁のように多くの花をつけています。

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メインのお庭の東側には白いパーゴラがバラに装飾されて立っています。

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家の壁の軒先にも白いパーゴラが東側のパーゴラに相対していて、こちらにも白いツルバラが絡んでいます。

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東側のパーゴラの白い柱の北側にはアンジェラの赤いバラの花が密生して咲き乱れています。一体、何輪の花が咲いているんでしょう。

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アンジェラの赤いバラの下には黄色いミニバラが可憐に咲いています。

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黄色いミニバラから上を見上げるとパーゴラのフランソワ・ジュランベルのバラが青空を背景に美しい姿を見せています。

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いったん、お庭の外に出ます。お庭の外側の垣根もバラの花が咲き乱れて、道行く人の目を楽しませてくれます。ひと際、こんもりと咲いている美しいバラはサマースノーです。

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垣根を大きく彩っているバラはニュードーンです。

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大輪のピンクのバラです。ヘリテージです。

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トレリスの前にも赤いバラ。大輪がパレード、小輪がジプシーボーイです。

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再び、お庭の入り口のアーチに戻ってきます。アーチに絡んでいるツルバラはポールズ・ヒマラヤン・ムスクです。

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ポールズ・ヒマラヤン・ムスクはお庭の各所に配されています。

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アプローチの家の壁を彩るのもポールズ・ヒマラヤン・ムスクです。

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ポールズ・ヒマラヤン・ムスクは今を盛りと美しい花を誇っています。

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黄色いミニバラも綺麗です。

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存在感を放つ大輪の黄色いバラはイングリッシュローズのゴールデン・セレブレーションです。

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ピンクの大輪のバラはヘリテージ。

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最後にパーゴラに絡んでいるピンクのバラ、フランソワ・ジュランベルを見上げます。青空とのコントラストがなんともいえません。

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家の中の花瓶にもお庭のバラが切り取られて、花瓶にさしてあります。やはり、こうしてみると、5月のバラはお庭で見るのが最高ですね。

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家族でモンブランと紅茶をいただきながら、姉の永年の趣味と愛情で育て上げられた極上のローズガーデンの美を堪能しました。春の好日でした。

明日からは宮崎音楽祭のコンサートを楽しみます。最初はチョン・キョンファのブラームスのヴァイオリン協奏曲です。ワクワクしますね。



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テーマ : ガーデニング
ジャンル : 趣味・実用

 

恐るべし!チョン・キョンファ 圧倒的なブラームス@宮崎芸術劇場 2018.5.6

これがチョン・キョンファの本当の実力だったのか! コンサートというものは鑑賞するものだと思っていましたが、今日のチョン・キョンファのヴァイオリンの演奏には終始、圧倒される思いでした。3度目の正直でチョン・キョンファの弾くブラームスのヴァイオリン協奏曲がこんなに凄いものだと思い知らされました。思い起こせば、1度目はアムステルダム・コンセルトヘボウでコンセルトヘボウ管弦楽団との共演でのブラームスのヴァイオリン協奏曲。15年ほど前のことです。これは突然のキャンセルで結局、チョン・キョンファは聴けずじまい。2度目は捲土重来で13年前の第10回宮崎音楽祭(2005年)に突如登場したチョン・キョンファを目当てに2泊3日の強行軍で東京から飛行機に乗って駆け付けました。指揮はシャルル・デュトワ、管弦楽はN響でした。初めての宮崎芸術劇場訪問でした。演奏は期待に反して、チョン・キョンファのヴァイオリンはおとなしい抑え目の演奏で少し思いが違いましたが、後半は熱い演奏だったと記憶しています。そこそこは満足しましたがまあまあの普通の演奏でした。これがあのチョン・キョンファかと当ての外れた感じはありました。

で、今回はそれほど大きな期待はせずに(と言ってももしかしたらという思いは常にありますけどね)、コンサートに臨みます。実は予習したCD、サイモン・ラトル指揮ウィーン・フィルとの演奏が13年前の実演を思い出させるようなメランコリックな抑え気味の演奏でsaraiの好みとは離れたところにあったのも期待感を減じる一因でもありました。このCDはあまり流通していないようですが、あまり、お勧めではありません。今日の演奏を聴いた後では猶更でチョン・キョンファの実像とはかけ離れた演奏記録です。

後半のプログラムが始まり、いよいよ、チョン・キョンファの登場です。白いドレスに身を包んだ姿は以前に比べて、お年を召されていますが、その小さな体からは強いオーラを放っています。前回と違って、演奏前から、その姿を見るだけでこちらの気持ちが高揚してきます。管弦楽の長い前奏が始まります。今日の下野竜也指揮宮崎国際音楽祭管弦楽団は何故か、ブラームスらしい素晴らしい音楽的響きを奏でています。日本人指揮の日本人オーケストラでは、これまで聴いたことのないようなブラームスを実感するような響きです。この前奏だけでもさらにsaraiの心が高揚してきます。当のチョン・キョンファは指揮者やオーケストラのメンバーを眺めながら、ニヤリと笑ったり、真剣な表情になったり、まさに天衣無縫ぶりを発揮しています。そうです。これでこそチョン・キョンファです。何か起こるという予感が沸き起こります。そして、遂にチョン・キョンファのヴァイオリンがオーケストラの演奏に割って入ります。無駄のない正確なボウイングで精神性の高い響きの演奏です。前回聴いたときとはまったく別人のような演奏です。弾き進むにつれ、そのヴィルトゥオーソぶりが実感できます。現代にもこういうヴィルトゥオーソが存在しているということに驚きを禁じ得ません。これまでも様々なヴァイオリニストでこのブラームスを聴いてきました。素晴らしい演奏も数々聴きました。しかし、今日のチョン・キョンファの演奏はまったくと言っていいほど、次元の異なる演奏でほかと比較できるような演奏ではありません。熱いとか激しいとかそういう普通の表現の枠の外にあるような演奏です。音楽の女神ミューズが舞い降りてきて、チョン・キョンファに憑依したかのような究極の音楽です。そのヴィルトゥオーソぶりに圧倒されているうちに第1楽章が終わります。カデンツァの素晴らしさが耳に残りましたが、それ以外はsaraiの音楽的受容力を超えた圧倒的な演奏でした。何がどう凄かったのか・・・どうしても理解できません。そもそも鑑賞していたのではなく、ただただ、その演奏に圧倒されていたのですから当然です。それでも少しは聴き取れたことを反芻してみましょう。ヴァイオリンのテクニックと音楽表現力、さらには厳しい精神性がないまぜになった音楽であったような気がします。これまでsaraiが聴いたこともないような異次元の演奏でした。

しかし、この第1楽章の圧倒的演奏はまだ序章に過ぎませんでした。第2楽章、長いオーボエソロが続き、陶然となっていると、チョン・キョンファのヴァイオリンの高弦の美しい響きが魂を揺さぶるように抒情的な旋律を奏で始めます。恐ろしいほどに研ぎ澄まされた音楽表現です。たまらず、感動のあまり、涙が滲んできます。これほどに美しい音楽を人生で何度聴いたことがあるでしょう。時折、オーケストラとも絡みながら、息の長い抒情旋律が永遠を感じさせるように続いていきます。そして、いつしか、終焉を迎えます。

間髪を入れず、第3楽章に突入していきます。リズムと勢いに満ちた愉悦の音楽をチョン・キョンファはヴィルトゥオーソぶりを存分に発揮しながら、疾走していきます。そこにはまったく、無駄も隙もありません。達人がオーケストラを鼓舞しながら、歩を進めていくだけです。爽快であり、ロマン性に満ちた演奏に心が高揚し、短いカデンツァを経て、簡潔なフィナーレに至ります。パーフェクトな締めでした。

こんなブラームスを聴くことはきっと2度とないでしょう。素晴らしい音楽体験でした。チョン・キョンファの底知れぬ音楽的実力に酔いしれたコンサートでした。


プログラムは以下です。

 第23回宮崎音楽祭 演奏会〔3〕
 「レジェンドの帰還 ~ チョン・キョンファのブラームス」

  指揮:下野竜也
  ヴァイオリン:チョン・キョンファ
  管弦楽:宮崎国際音楽祭管弦楽団

  ブラームス:大学祝典序曲 Op.80
  ブラームス:交響曲第4番 ホ短調 Op.98

   《休憩》

  ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77

   《アンコール》

     J.C.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調 BWV1004より第5曲《シャコンヌ》

そうそう、アンコールも凄かったんです。チョン・キョンファがアンコールに先立って、スピーチを始めます。アンコール曲には2つのチョイスがあって、1つはバッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタのGマイナーの第1楽章のアンダンテ・・・あるいは・・・シャコンヌ! saraiはすぐに反応して、シャコンヌと叫びます。チョン・キョンファのスピーチはバッハとブラームスの話が延々と続きますが、やがて、ヴァイオリンを構えて、あの長大なシャコンヌを弾き始めます。こういう場面で弾くアンコール曲ではありませんね。チョン・キョンファはヴィルトゥオーソというよりも、バッハの使徒のように究極の名曲を永遠を感じさせながら演奏しました。感慨深い演奏でした。チョン・キョンファならではのバッハであったように思います。チョン・キョンファのソロ・コンサートまで聴いたような感じでとっても満足しました。


あっ、前半のプログラムに触れませんでしたね。最初の大学祝典序曲からブラームスらしさが横溢したような素晴らしい演奏でした。よく聴くとこの曲はブラームスのほかの管弦楽曲、悲劇的序曲とかハイドンの主題による変奏曲にも引けをとらない名曲ですね。あまり、よい録音がないのがもったいないことです。ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団のCDを予習しましたが、これは素晴らしい演奏でした。一聴をお勧めします。
そして、ブラームスの交響曲第4番、これは名演といっても間違いない素晴らしい演奏でした。臨時編成のオーケストラだったことがよいほうに作用したのか、はたまた、下野竜也の指揮がよかったのか、ちょっと渋めのブラームスの響きに心を揺さぶられました。久しぶりに実演でこの曲のよい演奏を聴いて、得をした気分です。だって、まったく期待していませんでしたからね。



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贅沢な音楽会 高木綾子フルート・リサイタル@宮崎音楽祭 2018.5.7

宮崎音楽祭ではホテルのレストランを借り切った贅沢なコンサートが企画されています。しかもフルートの女神のような存在、高木綾子が登場するのであれば、大枚4000円ごときははたきましょう。この料金で簡単なコース料理と音楽が楽しめます。しかも定員がたったの60名です。配偶者と母と3人で出かけます。

会場に着くと、あらかじめ決まっているテーブルに案内されます。まずは1時間かけての食事タイム。テーブルにはプログラムとメニューが合体した案内が置いてあります。

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白ワインを追加して、美味しい食事をホテルの丁寧なサービスを受けながら堪能します。ちょうど、おなか一杯になります。そして、コンサート開始時間になります。プログラムは当初と順番が少し変わって、以下のようになります。


 第23回宮崎音楽祭 もう一つの小さな音楽会
  食事と音楽のコラボレーション
  会場:ホテルニューウェルシティ宮崎

  フルート:高木綾子
  ピアノ:坂野伊都子

  フォーレ:5月 Op.1-2
  サラサーテ:カルメン幻想曲 Op.25
  フォーレ:夜明け Op.39-1
  R.シュトラウス:明日の朝Morgen! Op.27-4
  ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番 ト長調《雨の歌》 Op.78

   《アンコール》

     ブラームス:ワルツ第15番 変イ長調 Op.39-15 《4手のためのワルツ集》より


まるで結婚式のような司会で新郎新婦ならぬ、フルートの高木綾子とピアノの坂野伊都子のご入場です。高木綾子は白を基調としたお姫様ドレスがよく似合っています。もう結構、お歳の筈ですが、相変わらず、綺麗ですね。いきなり、フォーレの歌曲、5月を美しいフルートの音色で聴かせてくれます。フォーレの抒情的なメロディーが華やかに響きます。そして、高木綾子のトークです。今日は歌をテーマにした選曲だそうです。
サラサーテのカルメン幻想曲はヴァイオリン曲ですが、高木綾子は苦も無く吹きこなします。ヴァイオリンの原曲とはまた違ったよさがあります。フルートのピュアーな音色がカルメンのどろどろした筋書きを一掃して、爽やかそのものです。それに彼女のテクニックの類い稀なこと、驚異的です。saraiは昔、フルートを吹いていたことがありますが、同じ楽器だとは思えません。
続くフォーレとR.シュトラウスの歌曲はいずれも朝をテーマとした楽曲です。いずれも抒情的な雰囲気にふんわりと包まれます。R.シュトラウスの明日の朝Morgen!はsaraiの最も好きな歌と公言していますが、フルートでもその美しさには変わりありません。何十年かぶりにフルートを取り出して、吹いてみたくなりました。これくらいの曲なら、何とかなりそうかな・・・。
そして、今日のメインのブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番 ト長調《雨の歌》です。ヴァイオリンがフルートに置き換わりますが、さほど違和感はありません。ちゃんとブラームスになっています。特に第1楽章のロマンティックな雰囲気には聴き惚れてしまいました。作品番号では、昨日聴いたヴァイオリン協奏曲に続く曲ですが、この時代のブラームスの作品は素晴らしいですね。昨年のヨーロッパ遠征で訪れたオーストリア南部のヴェルター湖畔の避暑地ペルチャハで作曲された作品群です。交響曲第2番もそうですね。美しい自然の中で作曲された雰囲気が感じられます。ちなみにこのヴェルター湖畔ではマーラーも作曲小屋を構え、交響曲第5番などの名作を残しています。今日の演奏に戻りましょう。ヴァイオリンのような深みは感じられませんが、爽やかさを醸し出した素晴らしい演奏でした。こんな長い作品をきっちりとフルートで吹きこなしただけでも凄いです。

最後はアンコールでブラームスの有名なワルツを演奏して、気持ちよくリサイタルをしめてくれました。

とっても贅沢な気分に浸れたレストランでのリサイタルでした。



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アルプス:ユングフラウヨッホのスフィンクス展望台から地下世界へ

2017年7月24日月曜日@ルツェルン~ユングフラウヨッホ~メンリッヒェン/19回目

トップ・オブ・ヨーロッパと呼ばれるヨーロッパの鉄道駅の中で最高地点にある駅、ユングフラウヨッホJungfraujochに到着。その一番高いところにあるスフィンクス展望台Sphinx Terraceで周りの雲と霧に包まれた茫洋とした大気の中にいます。強風と寒気にさらされて、アルプスの自然の厳しさに茫然とするのみです。配偶者は寒さに震えあがっています。

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こちらには展望景色の説明表示板があります。北東方向には、晴れていれば、本来ならば、ヴェンゲンWengen、ラウターブルンネンLauterbrunnenの向こうにトゥーン湖Thunerseeが見える筈ですが、そもそも説明表示板自体が雪に埋もれて、よく見えません。

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展望台のバルコニーは崖の先に張り出しています。足元のグリッドメタルの下を見ると、雪山の崖がずっと下のほうに続いています。恐ろしや!

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霧の向こうにうっすらと岩山が見えています。視界は極めて限られています。

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スフィンクス展望台の露天の屋上のバルコニーでは大勢の人たちが寒さに凍えながら、記念のひと時を過ごしています。

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遂に寒さと強風に耐えかねて、スフィンクス展望台の内部に入ります。ここには安全で平和な人工的な居心地のよさがあります。

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これ以上、視界ゼロの展望台にいても仕方がないので、アレッチ氷河Grosser Aletschgletscherの地下にあるアイスパレスなどの天候に左右されない施設で楽しむことにします。こういう天候不良に備えて、優しいスイス人が慰めのような施設を作ってくれています。地下の洞窟の壁には雪の結晶をイメージした光が投影されています。

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幻想的な雰囲気です。

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ユングフラウヨッホをイメージしたジオラマです。

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何やら風景が壁に描かれた地下トンネルにさしかかります。

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登山家がアレッチ氷河を眺めている風景です。実際の風景は見られませんでしたが、こんな雰囲気なのね。トホッ。

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これが次の風景。ファンタスティックです。

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これが次の風景。メンヒとユングフラウでしょうか。

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次の風景は山の頂からアルプスの風景を見渡しているものです。

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次は実写の写真が2枚。左はユングフラウトンネルの掘削している様子でしょうか。

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地下トンネルを歩きながら、氷の宮殿:アイスパレスに向かっていきます。



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アルプス:ユングフラウヨッホのアイスパレスからプラトーへ

2017年7月24日月曜日@ルツェルン~ユングフラウヨッホ~メンリッヒェン/20回目

トップ・オブ・ヨーロッパと呼ばれるヨーロッパの鉄道駅の中で最高地点にある駅、ユングフラウヨッホJungfraujochでその地下施設内を巡っているところです。アイスパレスEispalastに向かう地下トンネルを進みます。

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ようやく、アイスパレスの入り口に着きます。アイスパレスはアレッチ氷河Grosser Aletschgletscherの地下の氷をくり抜いたトンネルです。自然の氷河の下を歩くのは初体験です。

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つるつるの氷のトンネルの中をこわごわと歩きます。

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みなさんも自然に歩みがのろくなります。何か不思議な感じです。

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トンネルが広くなっている場所もあります。氷河の中でこんなに大きな穴を開けても危険はないんでしょうか。氷河は少しずつ移動するはずですが、トンネルが崩壊することはないんでしょうか。

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まるで鍾乳洞のようになっているところもあります。氷柱が成長しているんでしょうか。

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氷の板にトップ・オブ・ヨーロッパという標語が刻んであります。

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広い氷のトンネルが続きます。床面がピカピカです。これは氷ではなさそうな感じです。氷だったら絶対に滑りますものね。でも氷なのかなあ?

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氷の彫刻があります。動物たちですね。

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これは白クマ? アルプスにはいませんよね。だとすると単なる熊でしょうか。

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ペンギンもいます。アルプスとは関係なく、氷に関係する動物たちですね。

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氷の動物彫刻ギャラリーが終わります。

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氷の大きなブロックのなかに植物が埋め込まれています。薔薇の花でしょうか。アルプスだからアルペン・ローズ?

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アイスパレスを抜けると、プラトー・テラスPlateau Terraceがガラス越しに見えます。

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屋外に出ます。プラトーは自然の雪原です。真夏ですが、真冬のようなアルプスの雪原です。標高3454mのアルプスの高山の雪を自分の足で踏みしめるという稀有な体験に嬉しくなってしまいます。

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雪には不慣れなsaraiですが、しばらく、この貴重な体験を楽しみましょう。



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アルプス:ユングフラウヨッホのプラトーで雪原歩きに挑戦

2017年7月24日月曜日@ルツェルン~ユングフラウヨッホ~メンリッヒェン/21回目

トップ・オブ・ヨーロッパと呼ばれるヨーロッパの鉄道駅の中で最高地点にある駅、ユングフラウヨッホJungfraujochでその施設内を巡っているところです。プラトー・テラスPlateau Terraceでアルプスの高所の雪原に足を踏み入れました。このプラトーはヨーロッパの分水嶺になっています。ここに降った雪は溶けると北斜面からは北海へ、南斜面からは地中海に流れ落ちていきます。雪原は霧で煙っています。

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まだ、出てきたトーチカのような頑強な建物のすぐ近くにいます。雪原の中に踏み出していく自信がありません。

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思い切ってロープ沿いに少し雪原を歩いてみます。建物の出入り口からは少し離れました。

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少しずつ雪原を歩いていきます。

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プラトーの雪原を恐る恐る歩きながら、ようやく雪原の端まで歩いてきました。ここからはユングフラウやメンヒが見える筈ですが霧で何も見えません。

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出入り口のほうを見ると、そのさきに岩峰が見えます。この岩峰の頂上にスフィンクス展望台Sphinx Terraceがある筈ですが、霧で隠れています。

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出入り口の右下にはアレッチ氷河Grosser Aletschgletscherがある筈ですが、これもまったく見えませんね。

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プラトーの雪原を端まで歩けたので、それでよしとしましょう。雪原を歩くだけでも滑りそうで怖かったんです。saraiは九州の南国育ちですからね。
また、安全で心地よい屋内に避難します。

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最後に安全な屋内の窓からプラトーを眺めます。アルプスの厳しい自然の様子が広がっています。

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ユングフラウヨッホの広大な施設の案内図があります。現在、アイスパレス、プラトーの近くにいます。

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ユングフラウヨッホでやるべきことはもう何もないので、ランチでもいただくことにしましょう。レストランエリアはすぐ近くです。
セルフサービスのレストランでランチをいただくことにします。限られたメニューですが、贅沢は言えません。

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アルプスの高山にしてはまあまあの食事です。

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カレーライスなんてものもあります。ただ、ずいぶん、高額な食事になりました。有り得ないような高額とも言えますが、ユングフラウヨッホの記念と思えば、納得もできます。

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料金的に超豪華なランチをいただきました。まだ、予約したユングフラウ鉄道の登山電車にはたっぷり時間があるので、ぶらぶらとお土産屋をのぞき、孫たちに、野球帽を買い求めます。ヨーロッパ最高峰のユングフラウヨッホの銘が入っています。
さて、帰りの電車の時間が近づきます。今度は指定席チケットを買ってある電車に乗車します。これが指定席チケットです。12時43分発です。

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指定席と言っても座席番号が指定されていません。どういう仕組みなのかが分かりません。とにかくユングフラウ鉄道のホームに行ってみます。すると、乗車口が指定席とそれ以外で分かれています。saraiは指定席乗車口の先頭に立ちます。発車時間の15分ほど前です。

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どうやら、1列車限定48枚の指定席チケットを持った乗客は電車に先に乗車して、好きに座席が選べるようです。指定席チケットというよりも優先乗車チケットのようです。始発駅に限定したサービスなんですね。この指定席チケットは一人5スイスフランですが、上りと下りの両方の電車の指定席チケットをセットで購入することが義務付けられています。saraiは上りでは使わなかったので、結局は下りの指定席チケットを10スイスフランで買ったのと同じことになりました。乗車口が開くのを待ちます。



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藤木大地の絶唱! 高木綾子の超絶技巧!@宮崎芸術劇場演劇ホール 2018.5.11

「レガシー ~ 武満徹の残したもの」と題されて、武満徹と彼の仲間たちの作品が11人の日本を代表する演奏者たちによって熱演されました。
とりわけ、前半のプログラムの演奏が心に残りました。

1曲目は武満徹のオーケストラ作品の指揮で定評のあるオリヴァー・ナッセンが武満徹の死を悼んで作曲した「祈りの鐘 素描」です。ピアノ独奏曲です。以前、ナッセンが都響を指揮して武満徹の《精霊の庭》を演奏したのを聴きましたが、あれは12音の音列によるテーマが精妙に変容する作品でした。ナッセンが作曲したこの「祈りの鐘 素描」はそもそも、武満徹がピーター・ゼルキンのために同一の題名で作曲する予定だったそうで、彼の死で作曲されなかったそうです。ナッセンはあえて同一の題名で武満徹を哀悼して作曲したんだそうです。で、この作品も《精霊の庭》を思い起こさせるように、12音のセリー風の主題がピアノの音色の変化をつけながら変容していく楽曲です。ナッセンの武満徹への敬愛が滲み出るような作品でした。野平一郎のピアノもそのあたりを見事に表出させていました。

2曲目は武満徹の初期の作品である「妖精の距離」です。シュールレアリスムの詩人、瀧口修造の同名の詩に触発されて作曲されたそうです。ヴァイオリンとピアノのために書かれた作品ですが、そもそもシュールレアリスム音楽なるものはこれまで聴いたことがありません。今回のコンサートのために初めて、この作品を聴きましたが、シュールレアリスムというよりもフランスの印象派、それもドビュッシーを連想するような作品です。息の長い、たおやかなテーマが変容していく様は近代フランス音楽のエスプリを感じます。武満徹自身も原詩に透明性を感じ取ったそうですが、ドビュッシーの1級の作品に見られる透明性がこの作品にも感じられます。ドビュッシーのヴァイオリン作品のCDの中にこの作品が紛れ込んでいたら、saraiはドビュッシーの作品だと信じてしまうかもしれません。ヴァイオリンの徳永二男とピアノの野平一郎は素直な音楽表現で、武満徹の若き日のリリシズムを余すところなく感じさせてくれました。武満徹の原点のような作品が聴けて、満足です。

3曲目以降は武満徹の声楽作品《Songs》からの数曲です。カウンターテナーの藤木大地はその類稀なる美声と音楽への強い感情移入によって、共感できる素晴らしい歌唱を聴かせてくれました。とりわけ、最初の「MI・ YO・ TA」はまったくの初聴きでしたが、聴いていて、胸の熱くなるような歌唱でした。武満徹の若い修行時代に支援をした黛敏郎が、その修行時代に武満徹が書いたメロディーを覚えていて、武満徹の葬儀の際に口ずさんだのがこの曲だったそうです。それを聴いた詩人の谷川俊太郎が感銘を受けて、後付けで詩を付けたそうです。ですから、武満徹の死後に作られた曲ですね。谷川俊太郎の詩は秀逸で武満徹への愛情に満ちています。気心の知れた芸術家仲間が心を共有して作り上げた魂の音楽です。その魂が藤木大地の美しくも哀惜極まりない声で蘇ります。これを聴いて、感動せずにいられる音楽愛好家はいないでしょう。まさに一期一会のような絶唱でした。絶唱と言えば、最後にアンコールとして歌った「死んだ男の残したものは」は凄絶とも思える歌唱でした。静かに歌い始めましたが、次第に高潮していき、後半では立ち上がっての絶唱。最後はまた静かにパウゼを何度もはさみ、途切れ途切れに心を込めた圧巻の消え入るようなピアノでのしめくくり。今の時代にベトナム反戦歌を歌うことの意義を十分に感じさせてくれました。感動しました。

後半のプログラムは前半ほどの盛り上がりに欠けたのが残念です。

それでも1曲目の池辺晋一郎の「君は土と河の匂いがする」は室内楽の醍醐味を感じさせるような見事な演奏でした。何と言っても、メインのメロディー楽器を受け持った高木綾子のフルートの完璧なテクニックとアーティキュレーション、それに最高に美しい響きが音楽を聴く喜びを満喫させてくれました。変わった編成の室内楽ですが、フルート五重奏、あるいはギター伴奏付のフルート四重奏、あるいはギター伴奏付のフルートと弦楽三重奏と言った風情の作品で、池辺晋一郎としてもなかなかの作品でした。フルートの魅惑的な響きを中心にとても聴き映えのする作品でした。こういうフルートを聴くと、高木綾子のフルートで武満徹のフルート作品を聴きたくなってしまいます。今回、どうして、武満徹のフルート作品を演奏しなかったんでしょう。最後の湯浅譲二の弦楽四重奏の作品よりも高木綾子の演奏する武満徹の作品で締めたほうが聴衆の満足度は高かったと思いますけどね。野平さん、どうなんでしょう。

プログラムは以下です。

 第23回宮崎音楽祭 演奏会〔4〕エクスペリメンタル・コンサート
  「レガシー ~ 武満徹の残したもの」

  ナッセン:「祈りの鐘 素描」 Op.29
   ピアノ:野平一郎
  武満徹:「妖精の距離」
   ヴァイオリン:徳永二男
   ピアノ:野平一郎
  武満徹:「MI・ YO・ TA」「ぽつねん」「翼」
   カウンターテナー:藤木大地
   ギター:福田進一
   《アンコール》 武満徹:「死んだ男の残したものは」

   《休憩》

  池辺晋一郎:「君は土と河の匂いがする」
   フルート:高木綾子
   ギター:福田進一
   ヴァイオリン:小林美樹
   ヴィオラ:安藤裕子
   チェロ:山本裕康
  池辺晋一郎:「スパイ・ゾルゲ 」(当日追加)
  野平一郎:「波の記憶」
   ギター:福田進一
  湯浅譲二:「弦楽四重奏のためのプロジェクション」
   ヴァイオリン:漆原啓子、川田知子
   ヴィオラ:安藤裕子
   チェロ:古川展生

今年の宮崎音楽祭もsaraiが聴くのはプッチーニの歌劇『蝶々夫人』だけになりました。今、一番、気に入っているソプラノの中村恵理が聴けるのがとても楽しみです。きっと、感動させてくれるでしょう。



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アルプス:ユングフラウヨッホからグリンデルワルトへ

2017年7月24日月曜日@ルツェルン~ユングフラウヨッホ~メンリッヒェン/22回目

トップ・オブ・ヨーロッパと呼ばれるヨーロッパの鉄道駅の中で最高地点にある駅、ユングフラウヨッホJungfraujochでの滞在を終え、ユングフラウ鉄道Jungfraubahnの登山電車に乗り込もうとしています。駅のホームからは先ほどまでのユングフラウヨッホ施設内の喧騒が遠くに見えています。

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指定席チケットを持っているので、指定席乗車口の先頭で待っています。まだ乗車時間まで少しあるせいか、ほかには誰もこの指定席乗車口にはいません。

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指定席チケットなしの乗車口には大勢の人が並んでいます。

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時間になり、指定席乗車口から優先乗車し、好きな座席を確保します。電車はクライネシャイデックKleine Scheideggに向かって発車します。途中の停車駅、アイガーグレッチャーEigergletscherで下車して、そこからハイキングする予定です。乗車後、車掌さんが検札に周ってきて、何故か、記念にチョコレートを1枚ずつ配ってくれます。ダンケ・シェーン。

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ほかの乗客もむしゃむしゃとチョコレートを食べています。我々もいただきましょう。

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やがて、下車予定のアイガーグレッチャー駅に着きますが、ひどく雨が降っています。とてもハイキングできる状態ではありません。それに霧で眺望も悪いです。残念ながら、ハイキングは断念して、このまま電車に乗って、クライネシャイデックまで行きます。

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強く雨が降る中、クライネシャイデックが近づいてきます。

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雨粒の付いた車窓からはクライネシャイデックもはっきりと見えないくらいです。朝来たときには雨がすっかり上がっていたのにね。

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クライネシャイデックに到着。早速、ヴェンゲルンアルプ鉄道Wengernalpbahn(略してWAB鉄道)に乗り換えましょう。

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グリンデルワルトGrindelwald行きのWAB鉄道の登山電車に乗り込みました。グリンデルワルトまで行って、街散策でもしようかなと思いますが、こんな天気のままでは仕方がありませんね。ホームには傘の花が咲いています。

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WAB鉄道の電車が発車。雨ですが、車窓から見える緑の斜面には綺麗な花々が咲いています。

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美しい緑の斜面に沿って、電車はゆっくりと走り出します。

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空を見上げると、雲間に少しだけ青空も見えています。何とかお天気が回復することを祈る気分です。

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車窓にはまだ雨粒が付いていますが、周辺の緑の野原はとても綺麗です。

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緑の草原の中をグリンデルワルトに向かって走っていきます。丘の上のほうは霧で煙っていますね。天気が大いに心配です。

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グリンデルワルトまではあと30分ほどです。



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想像を絶する感動!中村恵理の『蝶々夫人』@宮崎芸術劇場 2018.5.13

胸を熱くさせるソプラノにようやく出会えました。中村恵理の圧倒的な歌唱には言葉もありません。第1幕の登場シーンから第3幕の自死での終幕まで、こんなに心が燃え上がり続けたのは記憶にありません。彼女の渾身の歌唱が聴けるのなら、もう、ネトレプコもフリットリもデノケも聴けなくてもいいって感じです。saraiの最愛のソプラノ、ミレッラ・フレーニの歌唱を聴いて以来の感動が心の奥底を貫きました。人生でこんなに胸が熱くなったソプラノは26年前から実演を6回聴いたフレーニと今日の中村恵理の二人だけです。

もう一度、今日のプッチーニの歌劇『蝶々夫人』の公演を振り返りながら、中村恵理の感動の歌唱を思い起こしてみましょう。第1幕、ホール横の扉のほうから美しい声が聴こえてきます。ふと、そちらに目をやると、真っ白な花嫁衣裳風のドレスに身を包んだ中村恵理がそっと、抑えた歌唱で登場します。抑えていてもその美声は耳に心地よく響いてきます。ホール内の通路をゆっくりと歩きながら、なおも抑えた歌唱です。この時点でもうすっかりと彼女の存在に心を奪われます。やがて、ステージに上がり、テノールの福井敬が歌うピンカートンと寄り添いながら、スープレット風の可愛い歌声をベースにプッチーニの甘美な音楽を表現していきます。広上淳一のダイナミックな指揮とタレント揃いの宮崎国際音楽祭管弦楽団も素晴らしい響きでプッチーニの世界を彩ります。中村恵理の高潮した歌唱も素晴らしく、どこまでも澄み切っていながらもホールの空気をつんざくような圧倒的な歌唱にsaraiも我を失っていきます。そして、第1幕終盤のピンカートンと蝶々夫人の愛の2重唱の熱い歌唱に深く魅了されます。終わってみれば、体が打ち震え、涙が滲んでいます。何という素晴らしいソプラノなんでしょう。素晴らしい美声と高いレベルの音楽的な表現力はありえないようなオーラを放っていました。第2幕までの休憩時間中も興奮状態はおさまらず、じっと席で金縛り状態が続きます。

第2幕はメゾソプラノの山下牧子が歌うスズキと中村恵理の歌唱が中心です。すぐにアリア《ある晴れた日に》が歌われます。最高の名唱でした。涙なしには聴けませんでした。切々とけなげな女心が歌われて、魂に直接訴えかけてくるようです。そして、高らかに絶唱するところでは大きな感動を受けます。本当は10分くらい拍手したいくらいの凄さでしたが、周りの聴衆が早々と拍手をやめるので、sarai一人で拍手を送れなかったのが残念です。それから紆余曲折がありますが、中村恵理はますます好調な歌唱を続けます。第2幕終盤でピンカートンの乗る軍艦が長崎港に入港するあたりからのスズキと蝶々夫人の感動の歌唱は涙なしには聴けません。中村恵理の異次元の歌唱に感動しながら、山下牧子の真に迫った演技と歌唱にも心が動かされます。もうsaraiの体の震えは止まりません。これ以上聴いていると死んでしまいそうです。最高の感動に涙も枯れ果てます。

第3幕はスズキとピンカートンとシャープレスの感動的な3重唱で始まります。バリトンの甲斐栄次郎(シャープレス)も見事な歌唱を聴かせてくれるし、山下牧子の涙あふれる名演技も素晴らしいです。しかし、その後の中村恵理の哀惜極まりない絶唱には、ただただ、感動して聴き入るのみです。もう、流すべき涙は枯れ果てていますが、胸が張り裂けんばかりの思いでその圧倒的な歌唱に魅了され尽くします。そして、アリア《かわいい坊や》が歌われ始めます。この日の中村恵理のすべてがここに凝縮されています。哀惜さも甘美さもすべてが込められた絶唱です。これを聴いて感動しなかった人はいないでしょう。そして、蝶々夫人の愛の死です。

歌劇『蝶々夫人』を実演で聴くのは26年前のベルリンでの公演以来、2度目です。プッチーニのオペラでは《トスカ》は7回、《ラ・ボエーム》は5回も聴いたのに、何となく、敬遠していました。中村恵理の絶唱で聴いて、歌劇『蝶々夫人』の真価を今更ながら実感できました。愛の心のひたむきさが描かれた、途轍もない傑作であることが初めて分かりました。

ソプラノ、中村恵理、恐るべし!!!

プログラムは以下です。

 第23回宮崎音楽祭 演奏会〔5〕 プッチーニの世界「ある晴れた日に」

  プッチーニ:歌劇『蝶々夫人』(全曲) コンサート形式
   蝶々夫人:中村恵理(ソプラノ)
   ピンカートン:福井敬(テノール)
   シャープレス:甲斐栄次郎(バリトン)
   スズキ:山下牧子(メゾソプラノ)
   ゴロー:竹内直紀(テノール)
   ボンゾ:砂場拓也(バリトン)
   ヤマドリ、役人:晴雅彦(バリトン)
   ケイト、蝶々夫人の母:中原ちふみ∗
   指揮:広上淳一
   宮崎国際音楽祭管弦楽団
   宮崎国際音楽祭合唱団(宮崎県合唱連盟有志∗)
   合唱指揮:浅井隆仁

今年の宮崎音楽祭はこれで打ち止め。チョン・キョンファの素晴らしいヴァイオリンで幕を開け、ソプラノの中村恵理の圧倒的な歌唱で幕を閉じました。来年もまたきっと、感動のコンサートが期待できそうです。また、横浜から駆け付けましょう。中村恵理さん、来年も素晴らしい歌声を聴かせてくださいね!



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       中村恵理,  

アルプス:クライネシャイデック~グリンデルワルト・グルント

2017年7月24日月曜日@ルツェルン~ユングフラウヨッホ~メンリッヒェン/23回目

ユングフラウヨッホJungfraujochから下りてきましたが、悪天候のため、ハイキングを断念し、クライネシャイデックKleine Scheidegg経由でWAB鉄道の登山電車に乗って、グリンデルワルトGrindelwaldに向かっているところです。すぐに車掌さんが検札にまわってきます。ルツェルンからクライネシャイデックまでの往復チケットを提示すると、それでOK。既にクライネシャイデックからの復路区間に入っています。

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美しい緑の草原の中を電車は走っていきます。

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草原には小さな花々が咲いていて綺麗です。

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やがて、最初の停車駅、アルピグレンAlpiglenに到着。

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アルピグレンを出ると、また、花々が咲き乱れる草原が広がります。

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色んな花が咲いています。

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次の停車駅のブランデックBrandeggを過ぎると、サイクリングをしている人たちが見えます。ハイキングコースがあるようです。

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線路の傍らにはスイス風の山小屋があります。

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美しい草原の向こうには霧に煙る林が見えます。素晴らしい景色なのですが、天気が悪いのが困ります。

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やがて、行く手の下ったところに大きな村が見えてきます。グリンデルワルトのようです。

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しかし、ますます、雨足が強くなってきます。こんな天気でグリンデルワルトを散策しても面白くありません。直接、今夜のホテルに向かうことにします。今夜のホテルはメンリッヒェンMännlichenの山の上の山荘です。グリンデルワルトの一つ手前の駅、グリンデルワルト・グルントGrindelwald Grundから、ロープウェイで登った先にあります。まだ、2時過ぎで早いのですが、ロープウェイの最終時刻は5時なので、乗り遅れる心配をするのも嫌ですから、天気も悪いので、早く行って休みましょう。今日は朝早い行動だったので、ゆっくりするのもいいでしょう。グルント駅に着き、電車を降りました。駅前の道路は雨で濡れています。はて、ロープウェイ乗り場はどこでしょう。ここで方向を見定めます。

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川にかかる橋の手前に道標を見つけます。ゴンドラの絵とメンリッヒェンMännlichenという文字が書かれています。道路を右のほうに歩くようです。川には白濁した水が轟轟と流れています。グレッチャーシュルフトという氷河からの雪融け水です。

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凄い流れなので、橋の上から眺めてみましょう。こちらは上流です。

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こちらは下流。凄まじい勢いで流れています。

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しばらく橋の上で川の流れを見ていましたが、そろそろロープウェイ乗り場に向かいましょう。橋のたもとにロープウェイ乗り場への道標があります。道路の先の大きな建物はグルント駅です。

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ここまでの登山鉄道のルートを地図で確認しておきましょう。

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アルプス:グルントからヨーロッパ最長のロープウェイのゴンドラに乗る

2017年7月24日月曜日@ルツェルン~ユングフラウヨッホ~メンリッヒェン/24回目

アルプスの高み、ユングフラウヨッホJungfraujochから登山電車で下りてきましたが、悪天候が続き、グリンデルワルトGrindelwaldでの街歩きはあきらめて、手前の駅、グリンデルワルト・グルントGrindelwald GrundでWAB鉄道の電車を降りて、そこからロープウェイで今日宿泊するメンリッヒェンMännlichenの山の上の山荘に向かうことにします。
グルント駅から川沿いをロープウェイ乗り場に向かって歩いていきます。

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やがて、左に折れる道へ誘導する道標あります。ロープウェイ乗り場は結構遠いですね。

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だだっ広い駐車場に出ます。こんなに車が押しかけることがあるんでしょうか。今日は駐車している車はちらほらです。

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駐車場の奥にロープウェイ乗り場があります。メンリッヒェン・ロープウェイMännlichenbahnと大きく書かれています。

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ロープウェイ乗り場に近付きます。山小屋風の建物です。

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ようやくロープウェイ乗り場に到着。風も強いので、ゴンドラの運行の方も心配です。

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チケット売り場もガラーンとしています。こんな天気なので、ロープウェイに乗る人もいないようです。

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とりあえず、窓口でチケットを購入しましょう。特に何も言われずにチケットが買えます。どうやら、ゴンドラは運行しているようです。

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ここのゴンドラ券は大変高額です。30スイスフランもします。しかし、ここで効力を発揮するのはスイス半額カードSwiss Half Fare Cardです。このゴンドラ券も半額の15スイスフランで購入できました。もっとも、このロープウェイはヨーロッパ最長のロープウェイでグルント駅から山頂駅のメンリッヒェンまで標高差1295m、距離にして6.2㎞もあり、延々30分もかかりますから、決して高くはないのかもしれません。これが半額で購入したゴンドラ券です。

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これがロープウェイのパンフレットにあったルートマップです。左端のグルント駅からホーレンシュタインHolensteinを経由して、山頂駅のメンリッヒェンまで行きます。

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さて、ゴンドラ乗り場のほうに向かいます。

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乗り場の入り口です。

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乗り場に入ると、小さなゴンドラが次々とやってきます。

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空いているので、どれでも乗り放題です。姉たちとは分かれて、配偶者と2人で1台のゴンドラを占領することにします。

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このゴンドラに乗り込みます。

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ゴンドラが何とか運行していて、とっても空いていたのはラッキーです。ところがこの後、とんでもない恐怖体験を味わうことになります。



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アルプス:揺れるゴンドラに乗って、メンリッヒェンの山頂に到着

2017年7月24日月曜日@ルツェルン~ユングフラウヨッホ~メンリッヒェン/25回目

アルプスの高み、ユングフラウヨッホJungfraujochからユングフラウ鉄道Jungfraubahn、WAB鉄道を乗り継いで、グリンデルワルト・グルントGrindelwald Grundで下車。そこからロープウェイで今日宿泊するメンリッヒェンMännlichenの山の上の山荘に向かいます。グルントのロープウェイ乗り場でゴンドラに乗り込んだところです。

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まだ、ゴンドラのドアが閉まらずにホーム内をゴットンゴットンと動いています。

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後続のゴンドラに姉と姪も首尾よく乗り込みました。

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ゴンドラが乗り場の建物から外に出ました。ゴンドラのガラスが雨粒に濡れています。

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大変な風雨の中をゴンドラはゆっくりと進んでいきます。

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パノラマ風景が見える筈ですが、雨のためにとても視界が悪いです。

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緑の草原らしきところを進みます。本来ならば、綺麗な景色なんでしょう。

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グルントの村の家々がおぼろげに見えています。

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ゴンドラに乗って、15分ほどです。行程の半分くらい進みました。風雨はますます激しさを増し、ゴンドラが揺れに揺れます。とりわけ、鉄塔を過ぎる際は鉄塔にぶつかるのではないかと怖い思いをするほど揺れます。まるで遊園地の絶叫マシンです。

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ゴンドラの下には草原が広がり、ハイキング道も見えますが、風景を楽しむ気分ではありません。

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草原で草を食む家畜が見えます。アルプスの牧場ですね。羊か牛か判別も難しい感じです。

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メンリッヒェンに近くなったとき、横に見える看板の中に日本語(快適なドライブを)を見つけて、ほっこりします。

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ようやく、メンリッヒェンの山頂駅に到着。大変な恐怖体験でした。こんなに揺れるゴンドラに乗ったのは人生で初めてです。ゴンドラから降りて、後続のゴンドラを待ちます。

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後続のゴンドラはホームでガクンとスピードが落ちます。

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ゴンドラのドアが開き、姉たちが顔を見せます。

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悪天候で失意のまま、グリンデルワルト・グルントから30分もゴンドラに揺られましたが、とりあえず、全員無事に今日の目的地に到着できて、ほっとします。さあ、山荘ホテルに向かいましょう。



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アルプス:霧に包まれたメンリッヒェンの山荘ホテル

2017年7月24日月曜日@ルツェルン~ユングフラウヨッホ~メンリッヒェン/26回目

グリンデルワルト・グルントGrindelwald Grundからロープウェイで今日宿泊するメンリッヒェンMännlichenの山頂に到着したところです。メンリッヒェンの山荘ホテル、ベルクハウス・メンリッヒェンBerghaus Männlichenに赴くと、あたり一帯は霧に包まれて、小雨も降っています。見えるはずのユングフラウ、メンヒ、アイガーの3山はおろか、周りの風景すら何も見えません。山の天気はどうしようもありませんね。ホテルのウッドデッキにエーデルワイスの可憐な花が咲いています。アルプスらしくて、いいですね。

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山荘ホテルのチェックインはレストラン内です。山のホテルらしいですね。

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こんな天候の日はレストランも客がほとんどいません。大きな窓ガラスからは霧に煙る景色が見えています。

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早速、今日宿泊する部屋に行きます。三角屋根の下の部屋ですが、ベッドは清潔感にあふれています。

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部屋の窓からの景色も真っ白です。

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三角屋根の下の部屋はトイレのドアも変形ドアです(笑い)。

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こんなに外が天気が悪くては、山荘ホテルの部屋で寛ぐしかありません。4人でおかきを食べながら、ゆったりします。

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ところが神は我を見捨てません。配偶者が急にあっと叫び声を上げます。いつの間にか霧が晴れ始めて、山荘ホテルの周辺の草原が姿を現します。

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だんだん、霧が晴れていき、あたりの風景が見えてきます。

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山荘ホテルの外に出てみましょう。周りの山並みが霧の中から浮かび上がっています。でも、肝心のアルプスの名峰3山は厚い雲に覆われています。

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草原には小さな花々が咲いています。綺麗ですね。

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色んな花が咲いています。

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山の麓の村も見えています。ヴェンゲンWengenでしょうか。

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麓はさらに霧が晴れていきます。遠くに湖も見えてきます。トゥーン湖Thunerseeでしょうか。

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近くの景色はばっちり見えています。三角屋根で高いアンテナの立っている建物はヴェンゲンからのロープウェイの山頂駅ですね。

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しばらく、山荘ホテルの周りを散策しましょう。まだ、夕方の5時頃です。



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伊藤恵 ピアノ・リサイタル@横浜上大岡ひまわりの郷ホール 2018.5.20

この1週間で4回のピアノ・リサイタルを聴きます。その皮切りが今日の伊藤恵のピアノ・リサイタルです。

久しぶりに伊藤恵のピアノを聴きましたが、その演奏は期待以上のものでした。ベートーヴェンもシューマンもショパンも同様に最高水準の演奏で、とても満足できました。驚くべきことにどの作曲家の作品も演奏スタイルはほぼ同じです。作曲家自体の作品が独自の個性を持っているので、同じスタイルで演奏すると、どうしてもどこかに違和感が残るはずですが、このピアニストの場合はまったくそういうことがありません。彼女の演奏スタイルは実にオーソドックスだから、こういうことが可能になるんでしょう。普通、オーソドックスな演奏はえてして、つまらないものになることが多いのですが、彼女の場合、この若さで既に巨匠の風格すら感じさせられます。その演奏のベースは深々とした柔らかい響きです。saraiは硬質のピュアーなタッチを好みますが、そういう好みを超えて、納得させられる響きです。その響きにふさわしい、ゆったりとしたテンポのピアニズム。しかし、決して遅すぎないテンポです。テクニックはきっちりしていて、完ぺきにインテンポで進んでいきます。アーティキュレーションも素晴らしく、聴きごたえがあります。その安定したピアニズムのなかで強い感情移入もみられます。彼女の音楽表現にこちらも次第に音楽世界に没入していきます。
前半のプログラムのベートーヴェンはその正統的な表現にとても感銘を受けました。「ワルトシュタイン」は終盤の盛り上がりが見事でした。短い第2楽章の表現も素晴らしかったです。しかし、さらに素晴らしかったのはアパッショナータです。第1楽章の序奏から緊張感の高い演奏で、聴き慣れた曲であるにもかかわらず、飽きることのない高い音楽表現です。ベートーヴェンをここまで弾ける人が世界にどれだけいるでしょう。第1楽章の堂々とした輝かしい演奏。第2楽章の深い精神性。第3楽章の終盤のスリリングで緊張感高い演奏。名人クラスの素晴らしい演奏でした。

後半のプログラムの最初はシューマンのアラベスク。これはベートーヴェンの演奏を上回るような素晴らしい演奏でした。シューマンの本質を突いた見事な演奏。どこか懐かしさを感じさせるような演奏、そして、シューマンならではの曲想の転換の見事さ、さらにはフィナーレのロマンティックな夢見るような表現には大変な感銘を受けました。
最後はショパンの12のエチュード Op.25です。これは正直言って、あまり、期待していませんでした。むしろ、シューマンのクライスレリアーナでも聴きたかったなあと思っていました。しかし、これも予想を覆す見事な演奏でした。とりわけ、最後の4曲は鳥肌の立つような凄い演奏。名曲《木枯らし》の素晴らしさには言葉もありません。圧巻の演奏でした。

この日のプログラムは以下の内容です。

 ピアノ:伊藤恵

 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第21番ハ長調 Op.53「ワルトシュタイン」
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第23番ヘ短調 Op.57「熱情(アパッショナータ)」

  《休憩》

 シューマン:アラベスク Op.18
 ショパン:12のエチュード Op.25

  《アンコール》

    シューマン:子供の情景 Op.15 より 第7曲 トロイメライ(夢) ヘ長調

明日1日置いて、3日間連続でピアノを聴きます。アンジェラ・ヒューイットの大プロジェクトのバッハ全曲演奏シリーズも全12回のうち、第5回、第6回のコンサートです。これで半分になります。今回は平均律クラヴィール曲集第1巻、ゴルトベルク変奏曲という傑作中の傑作です。期待するなというほうが無理です。CDで予習する限り、ヒューイットの演奏は素晴らしいです。プロコフィエフのスペシャリスト、トラーゼのリサイタルも楽しみです。ピアノ好きには大変な1週間です。



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       伊藤恵,  

アルプス:メンリッヒェンの山荘ホテルからの山の景色の変化

2017年7月24日月曜日@ルツェルン~ユングフラウヨッホ~メンリッヒェン/27回目

メンリッヒェンMännlichenの山頂にある山荘ホテル、ベルクハウス・メンリッヒェンBerghaus Männlichenに着いたとき、あたり一帯は霧に包まれて、景色は一切見えない状態でした。ユングフラウJungfrau、メンヒMönch、アイガーEigerの3山はもちろん見える筈はありません。しかし、到着後、数時間で急に霧が晴れてきて、まわりの景色が見えてきました。依然として、ユングフラウ3山は望めませんが、とりあえず、山荘ホテルの近辺を散策することにします。
これが山荘ホテル、ベルクハウス・メンリッヒェンの全景です。大きなガラス窓はレストランの窓ですね。メンリッヒェン山頂近くの草原の中に佇む素晴らしいホテルです。

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こちらは先ほど、グリンデルワルト・グルントGrindelwald Grundから登ってきたロープウェイの山頂駅です。登ってきたときには霧で見えませんでした。山頂駅の前には変な木製の巨大な牛があります。

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こちらは山荘ホテルを正面から眺めた全景です。犬を連れた人の木彫像が立っています。アルプスでは何でも木製ですね。

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こちらはメンリッヒェンの山頂でしょうか。まだ霧で全景は見えません。

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こちらはグリンデルワルトGrindelwaldの方向です。グリンデルワルトの先にある山々はまだ霧で煙っています。しかし、光も差してきています。

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これ以上、霧が晴れそうにもないので、いったん、部屋に撤退します。
部屋の窓から、外の様子をときどき観察します。グリンデルワルトの左手の先の方の山の頂が雲の中から頭を出しています。この調子で眺望が開けるといいのですが。

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ズームアップしてみると、アルプスらしい切り立った岩山が見えています。

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岩山の間にはなだらかな緑の斜面が広がっています。美しい景色です。

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さらに左のほうまで見えてきます。美しい高山の緑の草原が広がっています。時々刻々と眺めが変わっていきます。

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ラウターブルンネンLauterbrunnenの方角に目をやると、湖らしきものが見えています。トゥーン湖Thunerseeのようですね。

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山荘ホテルの屋根の先にヴェンゲンWengenの向こう側の山の景色も見えてきます。

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ただ、その左手の方のユングフラウ方向はまだまだ厚い雲に覆われています。

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それからしばらくして、部屋のバルコニーに出て、グリンデルワルト方面を眺めると、結構、山々が見渡せます。

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ふと、名峰3山の方に目をやると、なんとアイガーの岩壁が雲間から姿を現しています。おおーっ、さっきまで霧で真っ白だったのに・・・感動です。

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アイガーの山頂は雲に覆われていますが、ほぼ見えかけていますね。あの邪魔な雲をふーっと吹き飛ばしたい欲求にかられます。

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しばらく、霧が晴れていくことを期待しながら、山の景色を眺めていましょう。



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圧巻のロ短調フーガ:平均律クラヴィーア曲集第1巻 The Bach Odyssey Ⅴ アンジェラ・ヒューイット@紀尾井ホール 2018.5.22

アンジェラ・ヒューイットの“バッハ オデッセイ”の5回目。平均律クラヴィーア曲集第1巻の全曲演奏です。

昨年の素晴らしかったパルティータ全曲に続いて、この平均律クラヴィーア曲集に期待感が高まってきていました。そして、その期待は叶えられました。

前半の第12曲までの演奏は何か、沈んだ印象があります。長調の曲もどこか哀調をたたえて、まるで短調の曲のように思えます。しかし、何か元気のない演奏ですね。その代わり、短調の曲は恐ろしいほどの美しさを感じさせる凄い演奏です。とりわけ、第4曲、第8曲、第10曲、第12曲の美しさは無類のものでした。第8曲のプレリュード、そして、フーガは凄まじい美しさに包まれていて、うっとりと聴き入りました。

後半に入り、ほんのわずかな印象ですが、アンジェラ・ヒューイットは勢いを取り戻した演奏に変わります。長調は弾むような感じで弾き切り、短調は力強くて、フーガは構築力に優れた演奏になります。ただ、前半のような短調の曲の凄絶な美しさは感じられません。第20番のイ短調はそれなりに美しい演奏ではありましたけどね。しかし、終盤に向けて、演奏は徐々に高潮していきます。いつしか、終曲の第24番のロ短調のプレリュードが始まります。切れ味のよい素晴らしい演奏です。その魅力にあふれる音楽にじっと聴き入っていしまいます。大変、感銘を受けます。そして、最後のフーガです。静かに始まり、魂の込められたフーガが深く沈潜しながら続いていきます。その究極を思わせるフーガに身も心もすっかり囚われてしまします。アンジェラ・ヒューイットがここまでで使い残したすべての力を注ぎこんで演奏に没頭している姿に心を打たれます。バッハのフーガも凄い曲ですが、演奏するアンジェラ・ヒューイットの集中力も物凄いです。いきおい、聴いているsaraiものめりこんで聴き入ります。今日の平均律クラヴィーア曲集第1巻の全曲演奏はただ、このフーガを演奏し、それを聴くという1点に集約されます。そして、フィナーレ。高らかにフォルティシモに上り詰めて、ただただ感動するのみです。会場も一瞬、息を呑んだような静寂が広がります。バッハの最高のフーガを聴いた思いです。曲を閉じた後、帰路につくときもsaraiの頭の中ではあの究極のフーガが鳴り続けていました。

今回もあまりに素晴らしいアンジェラ・ヒューイットの“バッハ オデッセイ”でした。もしかしたら、今日のアンジェラ・ヒューイットは体調が悪かったのかもしれませんが、それをはねのけるような演奏を聴かせてくれました。頭が下がる思いです。

今日のプログラムは以下です。

ピアノ:アンジェラ・ヒューイット
 
J.S.バッハ・プログラム Odyssey Ⅴ

平均律クラヴィーア曲集第1巻 第1曲~第12曲 BWV846~857

  《休憩》

平均律クラヴィーア曲集第1巻 第13曲~第24曲 BWV858~869


最後に予習したCDですが、最近、既に以下のCDを聴いていました。

 スヴャトスラフ・リヒテル、1970年7月、セッション録音、ザルツブルク、クレスハイム宮およびエリーザベト教会
 スヴャトスラフ・リヒテル、1973年、ライヴ録音、インスブルック
 フリードリヒ・グルダ、1972年、セッション録音
 アンドラーシュ・シフ、2011年、セッション録音、スイス、ルガーノ

いずれも素晴らしい演奏ですが、とりわけ、グルダはフーガを恐ろしくスローに、しかも明晰に弾き、顕微鏡的な演奏を聴かせてくれます。リヒテルのインスブルック・ライヴも最高に素晴らしい演奏で音質も上々です。第8番や第24番のフーガは感銘して聴き入ってしまいました。
そして、もちろん、アンジェラ・ヒューイットのCDも予習しました。

 アンジェラ・ヒューイット、2008年、セッション録音

これはファツィオリのピアノで弾いた新盤です。1997年のスタインウェイで弾いた旧盤以上に生命力を感じさせてくれる素晴らしい演奏です。

いよいよ、明後日はこのアンジェラ・ヒューイットの“バッハ オデッセイ”で一番楽しみにしていたゴルトベルク変奏曲です。きっと素晴らしい演奏を聴かせてくれるでしょう。



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       アンジェラ・ヒューイット,  

奇人・変人・超人トラーゼ 豪快なプロコフィエフ@トッパンホール 2018.5.23

異形のピアニスト、アレクサンドル・トラーゼのすべてを味わい尽くすようなピアノ・リサイタルでした。実に変わった人ですね。天衣無縫とでも言えばいいのでしょうか。その人間性と音楽が直結しているのも面白いところです。そもそもは彼がプロコフィエフ、とりわけ、ピアノ協奏曲に一家言あることを知り、そのCDを聴き始めていたので、彼のリサイタルに足を運んだのですが、その変わった人間性と音楽に驚愕することになりました。

前半のプログラムは軽くハイドンのピアノ・ソナタから始まります。実にユニークなハイドンです。新古典的な演奏と言えばいいのでしょうか。圧倒的な技巧で見事な指回し。ハイドンの美しいメロディーを独特の節回しである意味、好き勝手にあしらっていきます。それが十分にハイドンの音楽になっているところがさすがではあります。まあ、正統的な演奏ではありませんが、きっとご本人もそれを承知の上で現代のピアニストはこういう弾き方もできるよとデモンストレーションしているのでしょう。もちろん、今日のテーマはプロコフィエフですから、彼の新古典的なアプローチの原点はここにあるということも言いたいのでしょう。ユニークな演奏ですから、退屈する暇もありません。楽しいハイドンでした。

続くプログラムは本命のプロコフィエフのピアノ・ソナタ第7番です。これは素晴らしい演奏です。もちろん、この曲を取り上げるピアニストはたいてい、凄い演奏をします。自信のない人は恥ずかしくて、取り上げられませんからね。そういう点を考えた上でも凄い演奏です。単純な爆演ではありませんが、フォルティシモのときはピアノが轟音を上げて、床鳴りがするほどの大音響です。音量の差が大きなダイナミックな演奏ですが、弱音から強音への切り替えのスイッチの速さに驚嘆します。saraiが好む演奏スタイルはクリアで切れ味鋭いタッチでぐいぐい進んでいく演奏ですが、トラーゼはそういうタイプではなく、もっと強靭でエネルギー感に満ちたパワーあふれる演奏です。こういうタイプの演奏を初めて聴きますが、こういうプロコフィエフも説得力があります。高速ジェット機的な演奏もいいですが、こういう重戦車的な演奏もいいですね。プロコフィエフの世界を堪能しました。

後半のプログラムはプロコフィエフのピアノ協奏曲尽くしです。ピアノ・リサイタルとしては異例のプログラムです。まずはアレクサンドル・トラーゼが最も得意とするピアノ協奏曲第2番です。第1楽章のカデンツァを聴かせてくれます。この曲はトラーゼが独自の解釈を行ったことで知られています。プロコフィエフの友人の音楽家マクシミリアン・シュミットゴフの拳銃自殺を悼み、そのレクイエムとして全曲が構成されているというトラーゼの解釈がとても有名です。カデンツァは第1主題が静かに何度も繰り返されながら進行していきます。そして、最後は高潮して、大轟音で圧倒され、また、静かに収斂します。途轍もない演奏です。ピアノという楽器の限りない可能性を知りました。人類が作り出した究極の楽器です。ピアノ1台でオーケストラも凌駕できます。細かい感想などは不要の圧倒的な演奏でした。

最後は2台のピアノによるプロコフィエフのピアノ協奏曲第3番です。耳馴染んだ名曲ですが、オーケストラ抜きの演奏を聴くのは初めてです。この2台のピアノのための楽譜はプロコフィエフ自身が書いたものだそうです。第1楽章はやはり変な感じです。独奏ピアノの部分は普通ですが、オーケストラ部分を受け持つ第2ピアノはやはり違和感があります。あの独特の色彩感が欠如しています。第1楽章の途中でトラーゼが立ち上がって、ピアノをチェックしています。第1楽章が終わったところで演奏がストップ。真ん中のペダルがおかしいそうです。調律師が登場します。ピアノをチェックして、俄か修理が始まります。その様子を心配そうに見ていたトラーゼが一言、ピアノを壊しちゃったと言って、聴衆を笑わせます。そりゃ、こんなにピアノを痛めつけるほど、叩きまくれば、ピアノも壊れるでしょう。トラーゼは人生で何台のピアノを壊したんでしょう。まあ、調律師が無事に壊れた部品を交換して、演奏再開です。第2楽章以降はまた、物凄い大音響の演奏が続きました。2台のピアノによる演奏の是非はともかく、トラーゼの独奏ピアノは凄い迫力でした。この人のプロコフィエフはピアノ協奏曲でもっとも光を放つことが体感できました。

アンコールで再び、先ほどピアノが不調だったピアノ協奏曲第3番の第1楽章をフルに弾きなおしてくれました。これは素晴らしい演奏でした。第2ピアノのキム・シウォンも本来の力を発揮して、色彩感あふれるピアノでオーケストラが不要に思えるような演奏。これならば、2台のピアノ版もなかなかいいなと納得です。最後は第3楽章も部分的にアンコール演奏。耳がプロコフィエフで充満してしまいました。大満足です。

今日のプログラムは以下のとおりでした。

  ピアノ:アレクサンドル・トラーゼ

  ハイドン:ピアノ・ソナタ第49(59)番 変ホ長調 Hob.XVI-49
  プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番 変ロ長調 Op.83《戦争ソナタ》

   《休憩》

  プロコフィエフ(トラーゼ編):ピアノ協奏曲第2番 ト短調 Op.16より 第1楽章 カデンツァ
  プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 Op.26[第2ピアノ:キム・シウォン]

   《アンコール》

  プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 Op.26より 第1楽章[第2ピアノ:キム・シウォン]
  ストラヴィンスキー:《ペトルーシュカ》からの3楽章より 第1楽章 ピアノ:キム・シウォン
  プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 Op.26より 第3楽章(一部分)[第2ピアノ:キム・シウォン]


最後に予習についてまとめておきます。

まず、ハイドンのピアノ・ソナタ第49(59)番 Hob.XVI-49は以下のCDを聴きました。

 アンドラーシュ・シフ 1997年

素晴らしく美しい演奏です。こんな演奏を聴くとハイドンにはまってしまいそうです。このCDボックスにはハイドンの後期のソナタが中心に9曲も収められています。まだ、3曲しか聴いていません。すべて聴く価値がありそうです。

次はプロコフィエフのピアノ・ソナタ第7番ですが、これは以下のCDを聴きました。

 マッティ・ラエカリオ プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ全集 1989~1999年

ラエカリオのプロコフィエフは初めて聴きましたが、評判通りの素晴らしさ。それにこのクリアでシャープな演奏はsaraiの好みです。ワクワクするような素晴らしい演奏です。早く全ソナタを聴きましょう。

最後にプロコフィエフのピアノ協奏曲です。これはもちろん、トラーゼのCDを聴きました。

 プロコフィエフ・ピアノ協奏曲全集 アレクサンドル・トラーゼ、ワレリー・ゲルギエフ&マリインスキー歌劇場管弦楽団 1995年

何の文句もない名演奏です。役者が揃っていますが、とろわけ、トラーゼのピアノが素晴らしいです。



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人生で一度きりのコンサート:ゴルトベルク変奏曲 The Bach Odyssey Ⅵ アンジェラ・ヒューイット@紀尾井ホール 2018.5.24

アンジェラ・ヒューイットの“バッハ オデッセイ”の6回目。ゴルトベルク変奏曲の全曲演奏です。

人生で一度しかコンサートが聴けないとしたら、迷うことなく、今日のこのコンサートを選ぶでしょう。まさにsaraiにとって、かけがいのない価値があるコンサートでした。

バッハは偉大です。そのバッハには、マタイ受難曲、ロ短調ミサ曲という西欧音楽の最高峰とも思える大傑作がありますが、saraiは器楽曲も愛してやみません。無伴奏ヴァイオリン・ソナタ/パルティータ、無伴奏チェロ組曲もあるし、鍵盤曲では最愛のパルティータ全6曲もありますし、平均律クラヴィーア曲集全2巻もあります。しかし、やはり、ゴルトベルク変奏曲は特別な作品であることが今日、はっきりと認識できました。意思薄弱なsaraiは明日になると、また、別のことを思うかもしれませんが、きっと、今日のアンジェラ・ヒューイットが弾いたゴルトベルク変奏曲はsaraiの音楽体験の中で燦然と輝き続ける究極のコンサートになるでしょう。それほど素晴らしい音楽だったし、演奏でした。

演奏が始まる前は頭の中に不安感が渦巻いていました。1時間を超える長大な作品を集中力を切らさずに聴き続けられるかということです。また、一昨日のコンサートで少し体調が悪そうに思えたアンジェラ・ヒューイットがこの長大な作品を休憩なしで最高のパフォーマンスで弾き切ることができるのかということもありました。まずはステージに登場したアンジェラ・ヒューイットの様子を見て、一安心です。一昨日とは打って変わって、とても元気そうです。弾き始めたアリアの美しいこと。インテンポの演奏は格調の高さが感じられます。上々の滑り出しです。変奏が続きますが、何とかsaraiも集中力を保っています。最初の山は第9変奏です。3度のカノンの美しさが心に沁みます。第12変奏の4度の反行カノンも見事な演奏です。そして、期待していた第13変奏はゆったりとした素晴らしい演奏です。本当に美しい演奏に魅了されます。saraiの集中力も高まっていきます。続く第14変奏も素晴らしくて、いよいよ、前半の最後の第15変奏に入ります。最初のト短調の変奏で5度の反行カノンです。哀調を帯びた旋律に酔わされます。ここまでが前半ですが、アンジェラ・ヒューイットの演奏は次第に精度の高い演奏になってきました。それにライヴとは思えないパーフェクトな演奏です。音の美しさも最高です。

後半、と言っても前半からそのまま連続して続きますが、第16変奏のフランス風序曲が荘重に奏でられます。この後、後半はすべての変奏が素晴らしくて、saraiの集中力も高まる一方です。アンジェラの演奏は第20変奏、第23変奏という、チェンバロの2段鍵盤の曲で冴え渡ります。耳だけでなく、目でもその超絶的な技巧が楽しめます。ト短調の残りの2つの変奏、第21変奏も第25変奏も美しくも哀しい演奏でうっとりと聴き惚れます。特に第25変奏が安っぽいロマンに走らずに格調高く弾かれたので、納得できました。第26変奏以降は水際立った凄い演奏です。2段鍵盤の曲を苦も無く、弾き切ります。そして、その技巧以上に素晴らしい音楽性に魅了されました。だんだん、終局に近づきます。第29変奏のトッカータ風のダイナミックな演奏を聴いて、気持ちが高揚していきます。そして、最後の第30変奏のクオドリベットで俗謡をベースにした演奏で曲調が変わります。懐かしさにあふれるようなフレーズで心が癒されるようです。フィナーレの高まりでsaraiも感極まります。感動の頂点です。最終音が長く引き伸ばされます。感動の心のままで最後のアリアが弱音で美しく始まります。アリアでさらに感動が高まり、音楽と心が一体化した思いです。何という音楽、何という演奏でしょう。アリアはスローダウンして静かに終わります。そして、長い長い静寂が続きます。saraiは感動のあまり、涙が流れます。CDを聴いていては味わえない音楽体験です。ライヴで聴いてこそのゴルトベルク変奏曲でした。

コンサートが終わっても、saraiの感動は続いていて、言葉さえ発することができません。同行の友人と駅で別れるまで無言のままでした。友人には申し訳ない態度を取ってしまいました。ブログを通じて、お詫びする次第です。ごめんなさい。

今日のプログラムは以下です。

ピアノ:アンジェラ・ヒューイット
 
J.S.バッハ・プログラム Odyssey Ⅴ

ゴルドベルク変奏曲(アリアと30の変奏曲)ト長調BWV988

 《休憩なし》《アンコールなし》


最後に予習したCDですが、最近、ロバート・ヒルのチェンバロのリサイタルに向けて、チェンバロ演奏のCDを聴いています。以下、再掲します。

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予習は夭逝した天才チェンバロ奏者スコット・ロスの残した晩年の2つの録音を聴きました。

 スコット・ロス 1985年 ライヴ録音 ERATO
 スコット・ロス 1988年 セッション録音 EMI

いずれも素晴らしい演奏ですが、1988年の録音がsaraiの長い間の愛聴盤です。よりテンポがゆっくりでかみしめるように弾いています。
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ピアノ演奏のCDですが、実は今日、本番前の最終予習でまだ半分しか聴いていなかったアンジェラ・ヒューイットの旧盤を聴き、あんまり納得がいかなかったので、再度、新盤も聴いてしまいました。したがって、今日はアンジェラ・ヒューイットのゴルトベルク変奏曲を3回も聴いたんです(笑い)。今日のコンサートへのsaraiの思い入れが分るでしょう。今日聴いたアンジェラ・ヒューイットのCDは以下です。

 アンジェラ・ヒューイット、1999年、セッション録音、スタインウェイのピアノ
 アンジェラ・ヒューイット、2015年、セッション録音、ファツィオリのピアノ

再度聴き直した新盤の演奏は素晴らしいです。後述しますが、アンドラーシュ・シフの新盤、マレイ・ペライアと合わせて、2000年以降に録音された最高の3枚です。

アンジェラ・ヒューイット以外の予習CDは以下です。

 クラウディオ・アラウ、1942年、セッション録音、モノラル
 グレン・グールド、1955年、セッション録音、モノラル
 グレン・グールド、1981年、セッション録音
 ウラディーミル・フェルツマン、1991年、ライヴ録音、モスクワ音楽院大ホール
 マレイ・ペライア、2000年、セッション録音、スイス
 アンドラーシュ・シフ、2001年10月30日、ライヴ録音、スイス、バーゼル

いずれも素晴らしい演奏です。まず、ゴルトベルク変奏曲と言えば、再び、グレン・グールドの旧盤と新盤を聴いてみないといけないでしょう。saraiが初めてゴルトベルク変奏曲を聴いたのはこの旧盤。次に聴いたのは新盤。つまり、ゴルトベルク変奏曲はグレン・グールドがすべてだったんです。今再び聴いてみると、やはり、天才グレン・グールドでしか弾けないと思うところも多くあります。しかし、現在のsaraiの耳ではやりすぎに思える部分も多々あります。その中ではやはり、新盤に軍配を上げます。クラウディオ・アラウは今回初めて聴いてみましたが、これがアラウらしい構えの大きい素晴らしい演奏です。古い録音ですが、音の状態は十分、鑑賞に堪えます。晩年に再録音してくれなかったのは残念ですが、この録音でも十分に満足できます。マレイ・ペライアは何と言ってもその美音で魅了してくれます。すべての変奏がすべてベストではありませんが、変奏によってはベストと思えるものも多くあります。そして、最高の演奏はアンドラーシュ・シフの新盤(2001年)です。ライヴとは思えない素晴らしい音と演奏。パーフェクトです。今回、1982年録音の旧盤を聴く時間はありませんでしたが、この新盤を聴いてしまうとそれで満足してしまいます。1969年録音のヴィルヘルム・ケンプはアリアだけ聴きましたが、節回しが好みでなかったのでパス。1982年録音のソコロフもアリアだけ聴きましたが、これは美しい演奏。全曲聴く時間がなかったのが残念です。チェンバロもレオンハルト(1976年録音)くらいは聴きたかったのですが、これも時間切れ。若干、予習が不足気味ではありますが、今日の演奏が素晴らしかったので、まあ、いいでしょう。



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       アンジェラ・ヒューイット,  

アルプス:メンリッヒェンからのアイガー、メンヒの眺め?

2017年7月24日月曜日@ルツェルン~ユングフラウヨッホ~メンリッヒェン/28回目

メンリッヒェンMännlichenの山頂にある山荘ホテル、ベルクハウス・メンリッヒェンBerghaus Männlichenに着いたときの霧に包まれた状況が好転し、次第に霧が晴れてきました。アイガーEigerの岩壁がはっきりと見えてきました。山頂が見えないのは残念ですが、先ほどの絶望的な状況とは大違いです。
何と眼下にグリンデルワルトGrindelwaldもはっきりと見えています。

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アイガーは岸壁のほとんどは見えていますが、山頂だけは雲に隠れています。

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アイガーをずっと眺めています。すると、次第に山頂の雲が動き、期待感が高まります。

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アイガーばかり眺めていても面白くないので、再び、グリンデルワルトを眺めます。相変わらず、綺麗に見渡せています。

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視線をさらに左方に動かすと、グリンデルワルトの北側の山々はすっかり霧が晴れています。

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さっきから10分ほど経ちました。アイガーの状況は少しだけ好転しましたが、どうしても山頂だけは見えません。

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おっ、もう少しで見えそうです。

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アイガーのほうをズームアップします。おーっ、今度はアイガーの右手のほうにメンヒMönchもうっすらと顔を出してきます。

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今度はむしろメンヒのほうが気になってきます。そちらに目が釘付けになります。

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ほー、ほぼ、メンヒの山頂が見えますね。

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一進一退で状況が刻々と変わっていきます。

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アイガーの山頂もほぼ見えています。すっきりと見えないのが残念ではあります。

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雰囲気としては、アイガーとメンヒの山の形がはっきりと分るようにはなってきました。

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メンヒの右側にユングフラウJungfrauもうっすらと見えてきます。

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アイガーとメンヒはすっきりと雲が晴れませんが、ほぼ見えてはいます。

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そろそろ、また、山荘ホテルから外に出撃しましょう。いつ名峰三山が顔を現わしても不思議ではない状況です。



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感銘!歌劇「白いバラ」日本初演・・・飯森範親&東京交響楽団@サントリーホール 2018.5.26

日本初演のウド・ツィンマーマンの歌劇「白いバラ」、とても素晴らしい出来に大変な感銘を受けました。このオペラはナチスの統治していた戦争中のドイツ・ミュンヘンで実際に起きた「白いバラ」事件をもとにした現代オペラです。ウド・ツィンマーマンが1985年に改訂した第2版のオペラです。「白いバラ」事件はかいつまんで言うと、ナチスの支配に反対したミュンヘンの大学生たちが拘束され、4日後に裁判で死刑判決を受け、即日、ギロチンで処刑を受けたというものです。オペラの主人公は若くして処刑された兄妹、ハンス・ショルとゾフィー・ショルでその二人だけがオペラに登場します。ソプラノとバリトンが交互にその心理的な内面を語るという形で進行するシンプルなオペラです。はっきりとした外面的な筋書きはありません。「白いバラ」事件のことを頭に入れておかないと、オペラの内容も意味も分からないかもしれません。もしかしたら、「白いバラ」事件という具体的な事案はどうでもよくて、不正な社会に対する個人一人ひとりのありかたをその個人の内面を描くことで訴えるということなのかしら・・・。そうすると、急に今日の日本の様々な事象、政治、スポーツ、企業の問題にも直結するのではないかと感じます。ある意味、遠い時代の外国の事件を取り扱ったという第3者的な態度でのうのうと聴いていられるオペラではないのかもしれません。

オペラ自体はやはり、指揮の飯森範親の音楽的な把握・構成能力を評価しないといけないでしょう。本邦初演なので、saraiの把握力もおぼつきませんが、見事な音楽に仕上がっていました。本来は15人の室内アンサンブルで演奏するそうですが、飯森範親は弦楽五重奏の部分を弦楽アンサンブルに拡大して演奏しました。要所要所は本来の弦楽五重奏での演奏でしたが、増量した弦楽アンサンブルの迫力は効果十分でした。それに飯森範親の前説が秀逸なものだったので、ぐっと前のめりになって聴けたこともよかったと思います。いずれにせよ、こういう現代曲では東京交響楽団の優秀なアンサンブルが素晴らしく冴え渡ります。フルート、ヴァイオリン、打楽器のソロも見事でした。さらにソロの歌唱ではバリトンのクリスティアン・ミードルの美声と気持ちのこもった表現が最高に素晴らしかったです。ソプラノの角田祐子も秀演ではありましたが、バリトンのクリスティアン・ミードルの域にまでは達していなかったかな。ともかく、とても日本初演とは思えない完成度の高い演奏、それにオペラ自体の素晴らしさも相まって、大変な感銘を受けました。少々、感傷的になって聴いたきらいはありますが、熱い思いで聴けたのですから、それでもいいでしょう。昨年のメシアンの《アッシジの聖フランチェスコ》と言い、日本でこういう素晴らしいオペラが聴けるのは音楽ファンとして、嬉しい限りです。

今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:飯森範親
  ソプラノ:角田祐子
  バリトン:クリスティアン・ミードル
  管弦楽:東京交響楽団

  ヘンツェ:交響的侵略 ~マラトンの墓の上で~

   《休憩》

  ウド・ツィンマーマン:歌劇「白いバラ」 【演奏会形式/字幕付・日本初演】

予習はいずれもYOUTUBEで聴きました。

 交響的侵略 ~マラトンの墓の上で~:ペーター・ルジツカPeter Ruzicka指揮北ドイツ放送交響楽団
 歌劇「白いバラ」:2015年リンツ国際ブルックナー音楽祭Internationales Brucknerfest Linz
  指揮:Thomas Kerbl
  ソプラノ:Ran Seo-Katanic
  バリトン:Rastislav Lalinsky
  室内アンサンブル:Instrumentalensemble der Anton Bruckner Privatuniversität



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アルプス:精一杯のアイガー、メンヒ、ユングフラウの眺め

2017年7月24日月曜日@ルツェルン~ユングフラウヨッホ~メンリッヒェン/29回目

メンリッヒェンMännlichenの山頂にある山荘ホテル、ベルクハウス・メンリッヒェンBerghaus Männlichenで次第に霧が晴れてきた風景を眺めているところです。名峰三山のうち、アイガーEigerとメンヒMönchがほとんど見えてきました。山頂だけははっきりと見えませんが、先ほどまでの霧に包まれた状況とは大違いです。再び、山荘ホテルの部屋を出て、屋外での景色を楽しむことにします。
ホテルの前に出ると、名峰三山の案内板があります。本来、ユングフラウJungfrau、メンヒ、アイガーの3山がここから見える筈なんです。

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すぐ手前にはチュッゲンTschuggenの岩と緑の山頂が立ち、その向こうに左にアイガーとメンヒ、右にユングフラウの名峰三山が山頂こそ見えませんが、姿を現しています。

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ユングフラウの峰は厚い雲で覆われていますが、何となく、山の形は分かります。

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こちらはユングフラウの右手、すなわち、西側のほうの山々です。結構、見渡せています。

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こちらはヴェンゲンWengenの方向です。ヴェンゲンの向こうの山がはっきりと見えています。

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グリンデルワルト・グルントGrindelwald Grundからのロープウェイの山頂駅の前にある大きな木製の牛の上が見晴台になっています。その上に上って、景色を眺めましょう。左に山荘ホテル、目の前に山頂駅が見えています。

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山頂駅の右手にはアイガーの左の稜線が見えています。

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見えたりかくれたり激しく変化する山々をきゃっきゃ言いながら楽しみます。
これはユングフラウです。巨大な氷河が凄い迫力です。

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これはメンヒです。4000m級の山の迫力十分です。

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これはアイガーです。北壁の切り立った岩盤がこれほどのものとは生で見るまでは分かりませんでした。圧倒的な存在感で自然の偉大さを見せつけます。
山頂が雲に覆われてはいましたが、何も見えないところから、よくぞ姿を現してくれました。自然へ感謝するのみです。

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大きな牛の形の見晴台を下りて、雄大なユングフラウを眺めます。もう少し、霧が晴れてくれればよかったのにね。

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これが木製の牛の見晴台です。グルリと360度の景色が楽しむことができる優れものです。その左の建物がロープウェイの山頂駅です。再び、名峰三山は雲がかかってきました。もう、ホテルに戻りましょう。

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ホテルのレストランで夕食をいただきます。ここからは名峰三山が見える筈でした。ちなみにメンリッヒェン山荘ホテルからの名峰3山の眺望はこんな感じだそうです。左から、アイガー、メンヒ、ユングフラウです。手前の山はチュッゲンの山頂です。青空を背景に見たかったものです。

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夕食はスープから始まります。

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メインはそれぞれの好みで選びます。
saraiはステーキです。アルプスと言えば、やはり、牛ですからね。

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配偶者はハンバーグです。これももちろん、牛です。

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名峰三山はすっきりとは見えませんでしたが、不思議なことに、くっきりと湖が見えています。このホテルでお知り合いになった日本人の宿泊客がインターラーケンだと教えてくれます。多分、トゥーン湖Thunerseeですね。

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夕食の後、その日本人のご夫婦と楽しくおしゃべりをしました。彼らは一週間、この辺りに滞在し、山々を楽しむそうです。
部屋に戻っても山の中ですから何もすることがありません。外を眺めると、グリンデルワルトGrindelwaldの明かりだけが見えています。

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明日はハイキングできるほどのお天気ならいいのですが・・・。さあ、今日は早く休みましょう。



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アルプス:メンリッヒェンの朝は霧の中

2017年7月25日月曜日@メンリッヒェン~クライネシャイデック~グリンデルワルト~ルツェルン/1回目

旅の6日目、メンリッヒェンMännlichenの2日目です。

昨日から初めてのアルプス訪問中です。残念ながら、悪天候にたたられましたが、それでも何とか霧に包まれながらもユングフラウJungfrau、メンヒMönch、アイガーEigerの名峰3山のおぼろげな姿は拝ませてもらいました。

今日はアルプスのメンリッヒェンの山荘ホテルで朝を迎えます。一人早起きした配偶者は、ブログの原稿を書きながら天候をチェックします。今朝も雲は出ていますが、まあまあの眺めです。

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さて、問題のアイガーですが、下のほうの岩肌はなんとか見えていますね。

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グリンデルワルトは雲がかかっています。

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すぐ近くのチュッゲンTschuggenの山頂はよく見えています。アイガー、メンヒの山肌は霧の向こうにうっすらと見えています。頂上は雲の中ですが、空には雲間に青い部分も見えるような気がします。一瞬、日も差したような気がします。

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が、saraiが起きだすころには、残念ながら、霧と小雨でまわりの景色が霞んでいます。

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次第に深い霧の中に風景は沈んでいきます。

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とりあえず、ゆっくり、アルプスの朝食を頂きます。

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ハイキングに出かけられるように、雨が止み、霧が晴れるタイミングを待ちます。部屋で様子を見ていると、雨の止み間に何組かが出発していきます。我々も出かけましょう。しっかり服装を整えてチェックアウトするころには、またまた雨が降り出しました。先ほど出かけなくてよかったと思いながら、食堂で待機です。この間に孫たちに絵葉書を出します。切手も販売しており、食堂にあるポストに投函しておけばよいようです。それっ、投函!

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手袋までは不要と旅に出かける直前の荷物チェックで、手袋を持つことはあきらめたのですが(なぜならいつものオペラの服装に加え、ハイキングの準備も必要で、カバンのスペースに余裕がない)、この天気では手袋は必要のようです。食堂のおばさんのアドバイスを受けながら手袋を購入します。

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ひたすら、食堂で待機です。

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少し霧が晴れてきました。もう少しで出発できるかな。

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とりあえず、ちょっと外に出てみましょう。霧に包まれたユングフラウを背景に記念撮影です。

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今度は山荘ホテル、ベルクハウス・メンリッヒェンBerghaus Männlichenを背景に記念撮影です。

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メンリッヒェンの草原には夏の花々が咲いて美しいこと、この上ありません。

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美しい草原を眺めながら、出発の時を待ちます。

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そろそろ出発しようと思っていたら、とんでもない天候に見舞われることになります。



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圧倒的かつ精妙なショスタコーヴィチ第5番 読売日本交響楽団@サントリーホール 2018.5.30

後半のプログラムのショスタコーヴィチの交響曲第5番は音楽的な内容をうんぬんする以前に読売日本交響楽団のアンサンブルのあまりの凄さに終始、圧倒されました。とりわけ、後半に向かって、調子をどんどん上げていった弦楽アンサンブルの精度の高さはパーフェクトと思えました。弱音の弦楽の各セクションのバランスの精妙さ、フォルティシモの圧倒的な迫力。言うことがありません。ショスタコーヴィチの交響曲第5番と言えば、とかく、その音楽的な解釈がとりざたされることが多いですが、今日に限ってはただ譜面に書かれている音楽をシンプルに、そして、素晴らしいアンサンブルの響きで演奏するのみで十分という感じでした。音楽的な感動はそれほどではありませんでしたが、やはり、音楽の基本はアンサンブルと音響だということが痛感できた素晴らしいコンサートになりました。

前半のプログラムのバーンスタインの交響曲 第2番「不安の時代」は読響のアンサンブルの素晴らしさはともかくとして、河村 尚子のピアノのクリアーな響きに魅了されました。特に第5楽章《仮面劇》でのジャズの、のりのりの演奏は予想外の素晴らしさでした。彼女の古典からモダンまでの幅広い適応能力の高さには感心するばかりです。

今日のプログラムは以下です。

  指揮:イラン・ヴォルコフ
  ピアノ:河村 尚子
  管弦楽:読売日本交響楽団 長原 幸太(コンサートマスター)

  プロコフィエフ:アメリカ序曲 変ロ長調 Op.42
  バーンスタイン:交響曲 第2番「不安の時代」

   《休憩》

  ショスタコーヴィチ:交響曲 第5番 ニ短調 Op.47


最後に予習について、まとめておきます。

プロコフィエフのアメリカ序曲を予習したCDは以下です。

  ウラディーミル・アシュケナージ指揮サンクトペテルブルク・フィルハーモニー管弦楽団 2002年、ロシア、サンクトペテルブルク・フィルハーモニー大ホール

いかにもプロコフィエフらしい雰囲気でありながら、アメリカ的な要素もふんだんに込められた演奏です。今日の読響は残念ながら、そのような雰囲気に欠ける、悪い意味でインターナショナルな演奏でした。

バーンスタインの交響曲 第2番「不安の時代」を予習したCDは以下です。

 レナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィル ピアノ:フィリップ・アントルモン 1965年、ニューヨーク、マンハッタン・センター
 レナード・バーンスタイン指揮イスラエル・フィル、ピアノ:ルーカス・フォス 1977年、テルアヴィヴ、フレデリック・R.マン・オーディトリアム

新盤は安定性が高い演奏で録音もよいのですが、旧盤の生きのいい演奏のほうが素晴らしいです。アントルモンのピアノも冴えがあります。

ショスタコーヴィチの交響曲第5番を予習したCDは以下です。

 ヴァレリー・ゲルギエフ指揮マリインスキー劇場管弦楽団 2012年、ロシア、サンクトペテルブルク、マリインスキー劇場コンサートホール

ヴァレリー・ゲルギエフ指揮マリインスキー劇場管弦楽団の新盤です。ハイレゾで聴きました。音響の素晴らしさは外面的な美しさよりも内面的な深さを聴くものに訴えかけてきます。今まで、色んな演奏を聴いてきた人にも自信を持ってお勧めできる演奏です。



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アルプス:メンリッヒェンからクライネシャイデックへのハイキングに出発

2017年7月25日月曜日@メンリッヒェン~クライネシャイデック~グリンデルワルト~ルツェルン/2回目

滞在中のアルプスのメンリッヒェンMännlichenの山荘ホテルからクライネシャイデックKleine Scheideggへのハイキングに出かけようとしているところです。先ほどまでの霧と小雨が収まりつつある状況です。しかし、そこからなかなか天候が好転しません。その後、雨の上がるどころか、雪まで降り出します。真夏の雪って、人生で初体験です。アルプスって凄いなあと驚くばかりです。

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ウッドデッキの上に小雪の粒が落ちています。しかし、積もるほどにはなりません。

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草原にも雪の粒がまばらに落ちています。

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ウッドデッキの上の雪はこれくらいで落ち着きます。

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空は雪雲でどんよりしています。

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雪が草原の上に舞い落ちています。

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雪は大したことはなく、すぐにやみます。しかし、こんな天気ではハイキングのためにはポンチョも必要ですね。ポンチョは山荘ホテルの売店に簡易なものがあったので購入します。霧で何も見えないのは危ないし楽しみもないのでジッと我慢して待ちます。結局、出かけたのは11時過ぎです。もう1時間待っても出かけるタイミングがなければ、ハイキングは断念しようと思っていました。
メンリッヒェンからクライネ・シャイデックへの初心者コースのハイキングの開始です。山荘ホテルで買い込んだポンチョと手袋を装着して、いざ、出発。

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これがハイキングコースを紹介しているガイドブックの内容です。6か国語で簡単な説明があります。日本語もあるのが嬉しいですね。1時間20分の下り坂のコースです。

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ハイキングコースにはしっかりと道標が立っています。安心ですね。

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グリンデルワルトGrindelwaldへと続くロープウェイのゴンドラの下をくぐって歩いていきます。

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歩いていく方向のすぐ先にあるチュッゲンTschuggenの山頂は霧で煙っています。悪天候がまだ心配です。

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グリンデルワルト方面も霧で煙っています。すぐ近くの草原が見えているのが救いです。

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チュッゲンの山の麓に差し掛かります。近づくと岩でごつごつしています。とても夏とは思えない風景です。

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左手のグリンデルワルト方面の草原が美しいのが嬉しいですね。綺麗な花々も咲き誇っています。

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美しい草原を眺めながら、ポンチョを身にまとってのハイキングを楽しみます。

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天気はともかく、夏とは思えない涼しい空気の中のハイキングは体力的には楽です。さあ、クライネシャイデック目指して歩きましょう。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

通りすがりさん

コメント、ありがとうございます。正直、もう2年ほど前のコンサートなので、詳細は覚えておらず、自分の文章を信じるしかないのですが、生演奏とテレビで

05/13 23:47 sarai
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