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河村尚子の美しき疾走 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ・プロジェクト Vol.1@紀尾井ホール 2018.6.1

河村尚子が弾くベートーヴェンのピアノ・ソナタって、どうなんだろうと軽い気持ちで聴きに行くことにしました。で、結果はと言うと、予想以上の演奏内容でした。彼女のよさがすべてその演奏に反映された感があります。その演奏を一言で表現すると、“疾走”です。そもそも、今日演奏されたベートーヴェンの初期のピアノ・ソナタ群を貫く特徴こそ、“疾走”であると思うんです。もちろん、緩徐楽章は決して疾走しませんが、それでもひたむきに前進していく姿勢は一貫しています。若きベートーヴェンの熱き思いが結実した結果こそ、“疾走”のピアノ・ソナタです。その本質を河村尚子が実に見事に表現してくれました。ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」の第1楽章の颯爽とした疾走感には驚嘆しました。また、それ以上にピアノ・ソナタ第7番の第1楽章の“疾走”こそ、今日の演奏の華でした。河村尚子のピアノの切れの良さはいつものことですが、ここまでの疾走感を表現するためには相当の弾き込みを必要としたでしょう。才能と努力がもたらした最高の結果がピアノ・ソナタ第7番の演奏でした。ピアノ・ソナタ第7番は疾走する第1楽章ばかりでなく、嘆きに包まれた第2楽章の哀しい美しさも見事に表現されていました。そして、明るい日差しを感じさせる第3楽章を経て、問いかけをしながら再び疾走していく第4楽章へと高潮して終わります。ベートーヴェンの初期の傑作をこれだけ演奏してくれるとは思っていませんでした。河村尚子の素晴らしい演奏に感銘を受けました。残りの3曲も完成度の高い演奏でした。あまりに有名な「悲愴」と「月光」ですが、それなりの独自性と無理のない演奏で納得感がありました。ピアノ・ソナタ第4番はまさに“疾走”を思わせる見事な演奏。ここまで演奏してくれれば文句ありません。

アンコールの“月の光”はベートーヴェンの音楽とは大きくかけ離れていますが、ピアノ演奏の美を感じさせてくれる柔らかなタッチに魅了されました。

今日のプログラムは以下です。

  <オール・ベートーヴェン・プログラム>

  ピアノ・ソナタ 第4番 変ホ長調 Op.7
  ピアノ・ソナタ 第8番 ハ短調 Op.13「悲愴 Pathétique」

   《休憩》

  ピアノ・ソナタ 第7番 二長調 Op. 10-3
  ピアノ・ソナタ 第14番 嬰ハ短調 Op. 27-2「月光 Mondschein」

   《アンコール》

    ドビュッシー:『ベルガマスク組曲 Suite bergamasque』より 第3曲 月の光 (Clair de Lune)

最後に予習について、まとめておきます。以下のアンジェラ・ヒューイット(「月光」だけはマリア・ジョアン・ピリス)、マウリツィオ・ポリーニ、アンドラーシュ・シフのCDを聴きました。

 アンジェラ・ヒューイット 2006年頃録音 セッション録音
  「月光」だけはマリア・ジョアン・ピリス 2000、2001年録音 セッション録音
 マウリツィオ・ポリーニ 1991、2003、2012年録音 セッション録音
 アンドラーシュ・シフ 2007年録音

当初、女流ピアニストということで、アンジェラ・ヒューイットとマリア・ジョアン・ピリスだけを聴こうと思っていました。特にアンジェラ・ヒューイットはハイレゾの素晴らしい音で聴くので、楽しみにしていたんです。ところが凄い音ではありますが、ベートーヴェンのピアノ・ソナタとしてはかなり違和感を覚えました。急遽、マウリツィオ・ポリーニのハイレゾを聴き、さすがにこれは満足しました。最後にアンドラーシュ・シフも追加で聴きました。正直、これには圧倒されました。美しい音と最高の表現・・・これ以上の演奏はないでしょう。しかし、こんなものを予習すると、本番でどんなものを聴いても不満を覚えるのではと危惧しました。しかし、河村尚子は彼女なりの納得の演奏を聴かせてくれました。よかった、よかった・・・。



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       河村尚子,  

アルプス:花を愛でるハイキング

2017年7月25日月曜日@メンリッヒェン~クライネシャイデック~グリンデルワルト~ルツェルン/3回目

アルプスのメンリッヒェンMännlichenからクライネシャイデックKleine Scheideggへのハイキングに出発したところです。先ほどまでは霧と小雨、さらには雪によって、出発が大幅に遅れ、既に11時を過ぎています。何とかハイキングの間、お天気が持ってくれればと願うばかりです。

ハイキングコースはよく整備されていて、道標を確認しながら、クライネシャイデックに向かって、ゆっくりと進んでいきます。

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まだ、お天気は不気味な感じですが、何とかもってくれています。チュッゲンTschuggenの麓の道を進みます。

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配偶者や姉は草原の花々を夢中になって眺めています。

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道端に咲く小花はとても可愛いです。

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お馴染みのアルプス・アザミもありますね。

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アザミのまわりにも小花が咲いています。

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紫のホタルブクロ、黄色いキンポウゲも咲いています。

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草原の中に可愛い池もあります。

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普通のマーガレットも咲いています。

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雨に濡れたホタルブクロが綺麗です。

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これはムシャリンドウかな。

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何となく、霧も少し晴れてきたような気もします。この調子だね。

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ピンク色の小さな花はミヤマナデシコでしょうか。

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名前の分からない花もアルプスでは風情がありますね。

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草原の花を愛でながら、チュッゲンの麓の道をぶらぶらと歩いていきます。

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天候ははっきりしないままですが、夏とは思えない涼しさのアルプスの高原の道を楽しみます。



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アルプス:花を楽しむお散歩気分

2017年7月25日月曜日@メンリッヒェン~クライネシャイデック~グリンデルワルト~ルツェルン/4回目

アルプスのメンリッヒェンMännlichenからクライネシャイデックKleine Scheideggへハイキングをしているところです。斜面の上に見える岩山は霧で霞んでいます。まあ、これでもずいぶん、先ほどよりもましな天候です。

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ハイキングの楽しみは路傍の花々です。真っ赤な可憐な花が咲いています。

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周りの霧が晴れて、美しい草原が見渡せます。

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初めて見るアルプスの花々に見入ってしまい、なかなか先に進みません。それも仕方ないかな。

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ピンク色の花が綺麗です。

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ルンルン気分で草原の道を歩きます。

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道の横から急に上っている斜面にもびっしりと花が咲いています。夏のアルプスは短い期間の花のシーズンです。

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草原には、花だけでなく、雪の花も残っています。さっきはずいぶん雪が降りましたからね。

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大きな岩の下には、まだ、こんなに雪が残っています。

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その雪と黄色い花のコントラストが何とも言えません。

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岩の間から色んな花が顔を出しています。

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斜面の上のほうにはさらに様々な夏の花が咲き乱れています。

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こちらは雪の白とピンクの花が美しい模様を作っています。

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緑の斜面の上には霧に霞んだ岩山が幻想的な風景を作っています。

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これは黄色いマーガレットかな。

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アルプスのハイキングは花を見ることが一番の楽しみのようです。っていうか、アルプスの山が見渡せないからですけどね。



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チェコ音楽の極み:プラジャーク・クァルテット@鶴見サルビアホール 2018.6.4

正直、チェコの音楽団体って不思議です。技術的にはそれほどではなくても、音楽には納得させられることが多いんです。以前、プラハで聴いたオペラがそうでした。別にチェコの本場ものでなくてもとっても気持ちよく聴けます。ましてや、チェコの本場ものをチェコの団体が演奏すると、ほかの国際的な団体のものは聴けなくなります。

今日のプラジャーク・クァルテットは最初のベートーヴェンの初期の弦楽四重奏曲も古典的な感じが出ていて、なかなかよかったんですが、2曲目のヤナーチェクになると、まるで勢いが違います。譜面を広げて演奏していますが、暗譜で演奏しているように自在な演奏です。この曲って、こんな風に弾くのって驚かされるような演奏です。物凄く突っ込んだ感じの演奏です。でも、それがいいのか悪いのかって言うと、結構、微妙なところです。素晴らしい演奏だとは思うんですが、あんまり、心に響いてきません。どうしてかと言うと、ヤナーチェクの濃密なロマンの香りがあまり感じられないからです。チェコ人の手の内にはいったような演奏ですが、日本人のsaraiが思うようなヤナーチェクではありませんでした。音楽って難しいものですね。

しかし、後半のスメタナは違いました。実に堂々とした演奏で、これこそスメタナって感じです。最高の「わが生涯より」の演奏です。しかも第4楽章の終結部の盛り上がりの素晴らしいこと、圧倒的です。そもそも、公演の途中までは第1ヴァイオリンのヤナ・ヴォナシュコーヴァの音の響きがもう一つでおとなし過ぎる感じだったのが、このスメタナの演奏になった途端、俄然、バリバリに音が響きだし、ぐっと前面に出た演奏になります。他のメンバーも入れ込み方が尋常ではなく、よほど、この曲への思い入れが強いようです。そうそう、素晴らしかったのは長大な第3楽章でした。いやはや、とても美しい演奏で感銘を受けました。

アンコールで弾いてくれたドヴォルザークの2つのワルツは初めて聴きましたが、これもお国もので素晴らしい演奏でした。オーケストラも室内アンサンブルもチェコの団体はいつ聴いても間違いなく、素晴らしい演奏をしてくれますね。

今日のプログラムは以下です。

  弦楽四重奏:プラジャーク・クァルテット
    ヤナ・ヴォナシュコーヴァ(vn) ヴラスティミル・ホレク(vn) ヨセフ・クルソニュ(va) ミハル・カニュカ(vc)

  ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第2番 Op.18-2
  ヤナーチェク:弦楽四重奏曲 第1番「クロイツェル・ソナタ」

   《休憩》

  スメタナ:弦楽四重奏曲 第1番「わが生涯より」

   《アンコール》
    ドヴォルザーク:2つのワルツ Op. 54, B. 105 より、第2番 変ニ長調


最後に予習について触れておきます。
1曲目のベートーヴェンの弦楽四重奏曲 第2番は以下のCDを聴きました。

 アマデウス弦楽四重奏団

最近になって、アマデウス弦楽四重奏団の素晴らしさに気が付き、モーツァルトやブラームスなど、よく聴きます。このベートーヴェンの初期の弦楽四重奏曲もいきいきとした演奏でしかも古典様式のつぼを外さずに見事な演奏です。

2曲目のヤナーチェクの弦楽四重奏曲 第1番「クロイツェル・ソナタ」は6枚のCDで万全の予習をしました。

 ヤナーチェク四重奏団 1963年録音 プラハ、芸術家の家、ドヴォルザークホール
 スメタナ四重奏団 1979年録音 ライヴ プラハ、芸術家の家、ドヴォルザークホール
 アルバン・ベルク・カルテット 1994年録音 ライヴ ウィーン、コンツェルトハウス、モーツァルトザール
 ベルチャ・カルテット 2001年録音 パリ、ボンセクール教会
 パーヴェル・ハース・カルテット 2007年録音 プラハ
 エマーソン・カルテット 2008年録音 ニューヨーク、クイーンズ・カレッジ、レフラック・コンサートホール

いずれの演奏も名演です。しかもそれぞれ個性があり、違った演奏を聴かせてくれます。ヤナーチェク四重奏団はつぼにはまった演奏で聴き逃がせませんが、いささか演奏スタイルが古くなったかもしれません。スメタナ四重奏団は本当に素晴らしい演奏でバランスがとれています。アルバン・ベルク・カルテットも意外と言っては失礼ですが、なかなかの好演です。抑え気味の演奏が好感を持てます。ベルチャ・カルテットはイギリスのカルテットですが、師匠筋のアルバン・ベルク・カルテットとは打って変わって、思い切った現代的な演奏です。これでいいのかは分かりませんが面白いこと、この上なしって感じです。パーヴェル・ハース・カルテットはもっとバリバリの演奏かと思いましたが、暗くてインティメットな演奏です。実に聴きごたえがあります。ベルチャ・カルテットとは両極をいったような演奏です。現代のチェコを代表する演奏でしょう。エマーソン・カルテットはさすがの演奏です。少しドヴォルザークっぽい感じがするのも面白いですね。この曲はどのCDを聴けばいいというものではなく、ほかのCDももっと聴きたくなります。音楽に奥行きがあるので、色んな演奏・解釈が可能でしょう。

3曲目のスメタナの弦楽四重奏曲 第1番「わが生涯より」は以下のCDを聴きました。

 スメタナ四重奏団 1976年録音 プラハ、スプラフォン、ジシコフ・スタジオ
 パーヴェル・ハース・カルテット 2014年録音 プラハ、ドモヴィナ・スタジオ

チェコの新旧を代表するカルテットの演奏はどちらも素晴らしいです。スメタナ四重奏団は1962年にもアナログ録音で名演を残しているようですが、聴いていません。パーヴェル・ハース・カルテットが録音したプラハのドモヴィナ・スタジオでの録音だったそうです。ちなみに今日のプラジャーク・クァルテットの演奏はこれらの演奏と優劣つけがたい素晴らしい演奏でした。



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アルプス:美しいお花畑に歩が進まず

2017年7月25日月曜日@メンリッヒェン~クライネシャイデック~グリンデルワルト~ルツェルン/5回目

アルプスのメンリッヒェンMännlichenからクライネシャイデックKleine Scheideggへハイキングをしているところです。岩の間から草花が顔を出しています。紫色のホタルブクロも見えますね。

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これもピンク色のホタルブクロですね。

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斜面に広がる草原の美しい花々に魅了されるのみです。

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これはあまり見ない花ですね。

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実に様々な花が咲いています。

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アルプスの花の咲く草原ですっかりと足が止まっています。

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このアルプスの草原の前で30分近い時間を過ごしています。

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小石の間から頭を出している草花も可憐です。

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ハイキング道の下に広がる草原もすっかりと霧が晴れて、美しい姿を見せています。

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しかし、相変わらず、グリンデルワルトGrindelwaldは雲と霧の海の中に沈んでいます。

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ハイキング道の向かう先のクライネシャイデックのほうにはアイガー北壁が見える筈ですが、霧で真っ白です。まあ、正確に言うと、アイガー北壁の裾野の岩壁は少しだけ見えています。

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また、近くの草原の花に視線を戻します。小さな白い花が咲いています。

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これはクイーンアンズレースですね。

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花びらの落ちたガクに雪が氷となって張り付いて、氷の花になっています。

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氷の花の近くには黄色い花が突き出しています。

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アルプスの花に見とれて、一向に歩みが進んでいませんでしたが、ようやく、順調に歩き始めます。



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アルプス:正面にアイガー北壁を見ながらのハイキング 2017年7月25日月曜日@メンリッヒェン~クライネシャイデック~グリンデルワルト~ルツェルン/6回目

アルプスのメンリッヒェンMännlichenからクライネシャイデックKleine Scheideggへハイキングをしているところです。雪が氷となって草花に彩を与えています。紫色のホタルブクロも見えます。

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ハイキング道の行く手には下から雲が沸き起こり、上には厚い雲が垂れ込めたアイガー北壁が部分的に見えています。

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やがて、ハイキング道の先は柵で閉じられています。動物止めですね。

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周辺の草原にはピンク色の花が咲いています。

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柵を開けて、また、しっかりと閉じておきます。山のルールですね。saraiは山荘ホテルの売店で求めた透明なポンチョを身にまとっています。これで雨対策はほぼ十分です。

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これはムシャリンドウですね。

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斜面には白い小花が咲き乱れています。

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アイガー北壁の岩肌が少しはっきりと見えてきます。この調子で霧が晴れてくれることを願います。

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道の傍らには花が咲き、周りは美しい草原が広がります。アルプスのハイキングを満喫します。

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正面に見えるアイガー北壁です。霧がかかる岩壁も美しいねって、強がりながらのハイキングです。

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様々な色の花が美しい模様になっています。

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先ほどまでの雨で濡れているハイキング道をアイガー北壁に向かって、ひたすら歩きます。平坦な道で、気候も夏とは思えない涼しさなので、楽なハイキングです。

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ハイキング道の周りの霧はすっかり晴れました。雲海の下にはグリンデルワルトGrindelwaldがある筈です。

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花を見ながら、ゆったり気分のハイキングです。

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アイガー北壁を眺めながらのハイキングは続きます。

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歩くペースがゆっくりなので、目的地のクライネシャイデックはまだまだ先です。



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アルプス:草原の中のハイキングは続く

2017年7月25日月曜日@メンリッヒェン~クライネシャイデック~グリンデルワルト~ルツェルン/7回目

アルプスのメンリッヒェンMännlichenからクライネシャイデックKleine Scheideggへハイキングをしているところです。草花が美しく生い茂る草原の中を歩いていきます。

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道沿いの斜面の岩の間からは綺麗な花が顔を出しています。

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ピンク色の花も咲いています。

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アルプスの広大な自然を満喫しながらのハイキングです。

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砂利交じりの上り坂に差し掛かります。ここまではずっと平坦な道でした。

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おっと、大きな岩がゴロゴロしています。

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植生は相変わらず美しいです。

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アルプスの高原にはなだらかな草原がどこまでも広がっています。

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少し起伏のある道を進んでいきます。正面に見えるアイガー北壁にかかる霧が濃くなってきます。なかなかすっきりした天気になりません。

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やがて、また、道はがれ場に差し掛かります。

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そのがれ場にも草花は生命力を発揮しています。

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がれ場の周りの斜面にも草原が広がっています。

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がれ場に咲く黄色い花です。

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花だけでなく、豆の鞘も実っています。

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だんだんとお天気が怪しくなってきますが、行く手に建物が見えてきます。ハイキング道で初めて遭遇する建物です。

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とりあえず、あの建物までは急いで歩きましょう。



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アルプス:花や鳥を楽しむゆったりしたハイキング

2017年7月25日月曜日@メンリッヒェン~クライネシャイデック~グリンデルワルト~ルツェルン/8回目

アルプスのメンリッヒェンMännlichenからクライネシャイデックKleine Scheideggへハイキングをしているところです。雪の名残の露をまとったホタルブクロが美しい姿を見せています。

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色とりどりの花が目を楽しませてくれます。

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道の傍らの岩の間からも草花が咲いています。

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ハイキング道にまた動物止めの柵が設置されています。その先に建物が見えています。

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また、草原に霧が這い上がってきます。天候も悪化してきます。

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丘の斜面の上のがれ場にはまだ霧は出ていないのが救いです。そうそう、写真は撮れませんでしたが、先ほどは崖の上を歩くアルプスの珍獣にも出会いました。アルプスアイベックスだったようです。

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また、マーガレットの花です。

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これも黄色いマーガレットですね。

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おや、黄色いくちばしの黒い鳥が近くに寄ってきます。通称、ブラックバード、すなわち、クロウタドリでしょうか。

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我々の前を悠々と歩いていきます。

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ブラックバードらしき鳥は小屋の前に歩いていきます。この小屋はハイカー用の休息所です。小さなトイレも付属しています。我々もここでしばし休息します。

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さあ、天気もまあまあになったところで出発です。少し休んだので元気いっぱいです。アイガーはすっかり雲の中で残念ではあります。

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ただ、アイガーの麓は霧の中から少しだけ見えています。雪と岩の厳しい風景です。

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一転して、近くの草原にはキンポウゲの花が咲き乱れています。美しいアルプスの風景です。

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霧がかかってきた草原の中を歩いていきます。

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もうハイキングを始めて1時間半ほどです。本来なら、クライネシャイデックに着いていていい時間ですが、花を楽しみながらのゆったりしたハイキングなので、こんなものでしょう。



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アルプス:ハイキングも終盤へ

2017年7月25日月曜日@メンリッヒェン~クライネシャイデック~グリンデルワルト~ルツェルン/9回目

アルプスのメンリッヒェンMännlichenからクライネシャイデックKleine Scheideggへハイキングをしているところです。ハイキング道の周りにはアルプスの花がよく咲いています。これはクイーンアンズレースですね。

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正面にはアイガー北壁の麓の雪が見えています。

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後ろを振り返ると、メンリッヒェンが遠くに高く聳えています。ずい分、歩いてきましたね。もう1時間半以上も歩きました。

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再び、クイーンアンズレースの群落が見えます。

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ハイキング道の横に珍しくベンチがあります。その向こうにはメンリッヒェンの山が見えます。

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アイガーらしき姿を正面に見ながらのハイキングが続きます。

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メンリッヒェンの姿がだんだんと遠ざかっていきます。

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ちょっとした沢を越していきます。アルプスの水が少しだけ流れています。

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また、お馴染みの紫色のホタルブクロが咲いています。

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メンリッヒェンの山がなだらかな緑の斜面の向こうに消えようとしています。

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美しい緑の丘に沿って歩き続けます。

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その緑の丘にアルプスの花々が彩を添えています。

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ピンク色の花が綺麗です。

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ハイキング道に注意の標識が立っています。この先のがれ場の落石注意ですね。気を付けて歩きましょう。

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ここでふとメンリッヒェンのほうに視線を向けると、既にメンリッヒェンの山は雲に覆われて見えなくなっています。

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もうクライネシャイデックも近いはずです。



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フランチェスカ・デゴ ヴァイオリン・リサイタル@横浜上大岡ひまわりの郷ホール 2018.6.10

正直、あんまり、期待していなかったけど、今日のヴァイオリン・リサイタルは音楽もヴィジュアルも素晴らしかったんです。

まず、何と言っても、このフランチェスカ・デゴのヴァイオリンの音色の素晴らしいこと、超満足です。ヴァイオリンはかのグァルネリ・デル・ジェスです(と思っていましたが、実際は1897年製のルジェーリでした)。ありきたり?のストラディバリウスよりもよい音色です。その力強い響きが圧巻です。とりわけ、G線の音のたっぷりしていて美しいことに驚愕します。ですから、低域中心の部分ではとても聴き映えします。その素晴らしい音に加えて、きっちりしたアーティキュレーションができているので、それだけで音楽が美しく聴こえます。前半のベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」は聴き飽きるほど聴いた名曲中の名曲ですが、その有名曲が何の抵抗もなしにするりと耳に入ってきます。とても見事な演奏でしたと言いたいところですが、不満は1点だけあります。フランチェスカ・デゴの魂の燃焼があまり感じられないことです。気魄に欠けると言ってもいいかもしれません。これは演奏者だけの責任ではなく、聴衆の緊張感も足りなかったのかもしれません。スーパーAクラスの名演が聴けたかもしれないのにちょっと残念でした。フランチェスカ・デゴの実力を出し切った演奏を聴きたいですね。ところで彼女はヴィジュアル的にも素晴らしいものがあります。とても容姿が美しいんです。ヴェルサーチから衣装提供を受けているそうなので、今日の素敵なドレスもヴェルサーチなのかしらね。その容姿と力強くて美しいヴァイオリンの音色を合わせると、ヴァイオリンの新女王って感じです。ヴァイオリンの女王は無論、ムターでしたが、そろそろ世代交代かもしれません。そうは言っても新旧女王は双方頑張ってほしいですね。

後半はストラヴィンスキーのイタリア組曲で始まります。ストラヴィンスキーと言っても、新古典主義のノーブルな雰囲気の作品です。フランチェスカ・デゴは気品あふれる演奏でした。有名な第1曲、第2曲は魅了されて、聴き入りました。しかし、この日、本当に素晴らしかったのはこの後からです。カステルヌーヴォ=テデスコ編曲のロッシーニのオペラ「セルビアの理髪師」からの2曲を演奏するに当たって、まず、譜面台をさっと片づけます。ここからは暗譜での演奏です。イタリア人のヴァイオリニストにとって、このロッシーニの有名なアリアはきっと子供のころから馴染んだものでしょう。ヴァイオリンの演奏には違いありませんが、まるでオペラの歌手が歌っているような感じです。素晴らしい演奏に聴き入ってしまいました。この日、最高の演奏です。特に2曲目のフィガロ!のアリアが最高でした。続いて、最後の曲、ラヴェルのツィガーヌもそのまま暗譜で演奏します。これは凄い演奏でした。まさに低弦の豊かなグァルネリ・デル・ジェス(と思っていましたが、実際は1897年製のルジェーリでした)をたっぷりと鳴らして、凄い迫力です。ピアノが参加してくるまでのヴァイオリンのソロの凄い演奏に圧倒されました。これまで聴いた最高のツィガーヌでした。

アンコールは2曲。お楽しみは最後まで残っていました。フォーレの《夢のあとに》の心のこもった飛びっきり美しい演奏に感動しました。これが今日の最高の演奏でした。フランチェスカ・デゴは気持ちがのってくれば、途轍もない素晴らしい演奏を聴かせてくれます。最後のフォーレの《夢のあとに》を聴くために今日のリサイタルがあったようなものでした。満足!満足!


この日のプログラムは以下の内容です。

 ヴァイオリン:フランチェスカ・デゴ
 ピアノ:フランチェスカ・レオナルディ

 ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調 Op.47 「クロイツェル」

  《休憩》

 ストラヴィンスキー:イタリア組曲
 カステルヌーヴォ=テデスコ:ロッシーニのオペラ「セルビアの理髪師」より
                  ロジーナのカヴァティーナ:今の歌声は / フィガロ!
 ラヴェル:ツィガーヌ

  《アンコール》

    ブゾーニ:4つのバガテル Op. 28 より 第2番
    フォーレ:夢のあとにop.7-1

最後に予習について触れておきます。
1曲目のベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」は以下のCDを聴きました。

 ヴォルフガング・シュナイダーハン、カール・ゼーマン 1959年 ステレオ録音

実はこの定評のある演奏は今回初めて聴きました。ウィーン風の端正な演奏を予想していたら、とても熱い演奏です。いやはや、素晴らしい演奏に今更ながら出会いました。これからはこれが愛聴盤になるでしょう。音質も上々です。

2曲目のストラヴィンスキーのイタリア組曲は以下のCDを聴きました。

 ヴィクトリア・ムローヴァ、カティア・ラベック 2005年録音 パリ

意外にイタリア組曲のよいCDはありませんが、この演奏はとても美しくて満足できます。ムローヴァのヴァイオリン、なかなかいいですね。

3曲目の「セルビアの理髪師」は以下のCDを聴きました。

 ヤッシャ・ハイフェッツ、ミルトン・キー 1944年録音

ハイフェッツの古い録音ですが、さすがの演奏。見事です。ただし、フィガロ!だけです。まあ、それで十分でしょう。

4曲目のラヴェルのツィガーヌは以下のCDを聴きました。

 デュメイ、ピリス 1993年録音 ミュンヘン

これはフランクやドビュッシーのヴァイオリン・ソナタとカップリングされたCDです。デュメイの美しいヴァイオリンの音色にうっとりします。



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アルプス:クライネシャイデックに到着するも再び深い霧

2017年7月25日月曜日@メンリッヒェン~クライネシャイデック~グリンデルワルト~ルツェルン/10回目

アルプスのメンリッヒェンMännlichenからクライネシャイデックKleine Scheideggへハイキングをしているところです。ハイキング道の周りにクイーンアンズレースの大群落があります。

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クイーンアンズレースがとてもよく咲いていますね。

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道標があります。これがクライネシャイデックに着く前の最後の道標でしょうか。

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近くにもう一つ案内板があります。クライネシャイデックの駅まで、あと10分と表示されています。メンリッヒェンの山頂駅までのロープウェイの最終出発時刻も表示されています。グリンデルワルトGrindelwaldからもヴェンゲンWengenからも17時半が最終便だと表示されています。一方、ここからメンリッヒェンまでは歩いて1時間15分と表示されています。なかなか情報が豊かです。

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やがて、山荘レストランの前に出ます。いかにもクライネシャイデックに近づいたということですね。

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鉢植えのマーガレットの綺麗なポットが店先に置いてあります。

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カウベルが飾ってあります。そう言えば、ハイキングしている間、草原から盛んにカウベルの音も聞こえて、のどかなアルプスを感じていました。

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レストランの横には遊具も設置してあります。砂場もあって、ちょっとした子供向けの公園です。ファミリーで楽しむアルプスのハイキングですね。

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またまた、クイーンアンズレースの群落です。

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ピンク色の綺麗な花も咲いています。

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アルプスの花園のようなところを過ぎていきます。

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草原に少し霧が出てきます。

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小雨まで降ってきます。どうやらクライネシャイデック付近に着いたようで、団体ツアーの観光客が集まっています。

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レストランの庭には牛さんの等身大の置物があります。観光用なんでしょうね。

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どうやら、ここはアイガー北壁Eiger Nordwandの展望スペースのようです。アイガーの眺めの説明板だけがむなしく立っています。急に霧が深くなってきて、アイガーはまったく見えません。

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それでも、ここまではいったん霧が晴れていたので、正面にアイガー北壁を眺めながらの楽しいハイキングでした。時折、小雨に見舞われましたが、路傍の可愛い草花を楽しみながら、充実した時間を持てました。コースはだらだら下りの楽なコースです。肌寒いくらいの温度で汗もかかずにスイスイ歩けました。周りのなだらかな草原も美しく眺められました。ガイドブックでは1時間20分の行程となっていましたが、結局、この目的地のクライネ・シャイデックに着いたときには予定を1時間もオーバーしていました。あまりにもたくさんの草花が咲き乱れているので、写真を撮るために立ち止まることが多かったからです。
さて、ここからどうしましょう。こんなに霧が深くてはどうしようもありませんね。ところがここで奇跡が起こるんです。



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何という《春の祭典》・・・ロト、レ・シエクル@東京オペラシティ コンサートホール 2018.6.12

前半のドビュッシー、ラヴェルも素晴らしかったんですが、後半のストラヴィンスキーのバレエ音楽《春の祭典》を聴くと、このコンビ、指揮者のフランソワ=グザヴィエ・ロトと管弦楽のレ・シエクルはこの曲を演奏するためだけに存在するのかと思ってしまいます。

ちょっと、話は飛びますが、今日のロト&レ・シエクル、来年のクルレンツィス&ムジカ・エテルナ、これは日本の音楽ファンは決して聴き逃がせませんね。それにこの2つが聴けるのは何という喜びなんでしょう。誤解のないように言っておきますが、saraiは決してピリオド奏法の信奉者ではありません。ピリオドとかモダンとか、そういうことではなくて、ただただ、よい音楽が聴きたいだけなんです。指揮者ではティーレマン、ハイティンク、ラトルなど、オーケストラではウィーン・フィル、コンセルトヘボウ、シュターツカペレ・ドレスデンなど旧世代の精度の高いアンサンブルも大好きで聴き逃がせません。しかし、旬と言えば、ロト&レ・シエクル、クルレンツィス&ムジカ・エテルナはまさに今、聴きたいんです。saraiの年齢ではぎりぎりセーフで聴けたって感じです。

さて、今日の肝心の演奏についてですが、後半のストラヴィンスキーのバレエ音楽《春の祭典》は前半の演奏から一段も二段もギアを上げたということで、アンサンブルも音楽の中身も別次元のものでした。ですから、あえて、《春の祭典》に絞って、感想を書かせてもらいます。もちろん、ロト&レ・シエクルの話題になったCDはずっと前に購入済でしたが、これまで実はまだ聴いていませんでした。あえて、今回のコンサートの直前まで聴くのを控えていました。聴いてみると意外におとなしい演奏で拍子抜け。もっともsaraiはあまりストラヴィンスキーのよい聴き手ではありません。中学・高校を過ごした地方都市で唯一のクラシックレコード屋さんのお馴染みになった店員のお兄さんからはいつもsarai君はストラヴィンスキーよりもショスタコーヴィチだよねってからかわれるくらい、20世紀の音楽ではショスタコーヴィチに入れ込んでいました。思い出すと、地方都市では20世紀のモダンな作品って言えば、当時はストラヴィンスキーかショスタコーヴィチだったんですね。まだ、マーラーやR.シュトラウスは視野に入っていませんでした。saraiがようやくバルトークに入れ込み始めたのは大都市の大学に進学した後のことだし、マーラー、ブルックナー、R.シュトラウスはずっと後です。で、今でもそんなにストラヴィンスキーには入れ込んでいないのが実情です。ですから、《春の祭典》にあれこれ言う資格はないにも等しいのですが、今日の《春の祭典》は凄かったです。最初は初演当時の楽器だとか、スコアということに気を取られていましたが、そんなことよりも耳に聴こえてくる音楽がどうかということが重要でしょう。オーケストラのアンサンブルの精度で言えば、もっとうまいオーケストラはあるでしょう。もしかしたら、日本のトップオケならば、よりよいアンサンブルで演奏するかもしれません。でも、心に迫ってくる緊張感や迫力は大変なものでした。これが初演に近い演奏かどうかはsaraiには知る由もありませんが、ともかく、凄まじい迫力の音楽でした。ありきたりかもしれませんが、変拍子のリズム感、間の取り方、弱音と強音のダイナミズム、それらを複合したバーバリズムの迫力と緊張は最高でした。どこかCDの録音のおとなしく感じた印象とは様変わりです。CDの聴き方を誤ったのかな。今日の演奏はパーフェクトの上に、いまだコンテンポラリーの音楽でありつづけるという緊張感がみなぎっていました。まさに期待を裏切らなくて、ライヴならでは一発勝負の演奏を聴かせてもらって感謝です。

これからはロトとクルレンツィス、それにミンコフスキの時代なのかな。

今日のプログラムは以下です。

  指揮:フランソワ=グザヴィエ・ロト
  管弦楽:レ・シエクル

  
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
    ドビュッシー:バレエ音楽《遊戯》
    ラヴェル:ラ・ヴァルス

     《休憩》

    ストラヴィンスキー:バレエ音楽《春の祭典》

     《アンコール》
       ビゼー:「アルルの女」第1組曲 より アダージェット

最後に予習について触れておきます。
1/2曲目のドビュッシーの牧神の午後への前奏曲、バレエ音楽《遊戯》は以下のCDを聴きました。

 ピエール・ブーレーズ指揮ニューフィルハーモニア管 1966、68年録音
 ピエール・ブーレーズ指揮クリーヴランド管弦楽団 1991年録音

ブーレーズの新旧録音です。当時はブーレーズがロトのような立場の新鋭だった筈ですね。とりわけ、1960年代は尖った演奏を聴かせてくれていました。しかし、今回、新旧を合わせて聴くと、音質はもちろん、1991年の新録音の完璧さが強く感じられました。今日のロトと比べると、クリーヴランド管弦楽団のアンサンブル力の見事さが際立っています。ロト&レ・シエクルも万全の準備をすれば、もっと素晴らしい演奏が可能でしょう。

3曲目のラヴェルのラ・ヴァルスは以下のCDを聴きました。

 ピエール・ブーレーズ指揮ニューヨーク・フィル 1973,74年録音
 ピエール・ブーレーズ指揮ベルリン・フィル 1993年3月録音 ベルリン、イエス・キリスト教会

これもブーレーズの新旧録音です。1970年代のニューヨーク・フィルとの油ののった演奏も素晴らしいです。しかし、新旧を合わせて聴くと、音質はもちろん、ベルリン・フィルとの1993年の新録音が高いレベルです。ラ・ヴァルスのモダンさが最高に表現されています。今日のロトはウィーンへの哀感よりもグロテスクさを前面に打ち出した個性的な演奏で、それに対する評価は分かれるかもしれません。ラヴェルの真意はどこにあったのでしょうか。saraiはウィーンへの思いをパリ風にオシャレに表現しながら、ハプスブルク帝国の栄光の挽歌にするというスタンスが思い描きやすいのですが、果たしていかがでしょう。

4曲目のストラヴィンスキーのバレエ音楽《春の祭典》は以下のCDを聴きました。

 ピエール・ブーレーズ指揮クリーヴランド管弦楽団 1969年録音
 ピエール・ブーレーズ指揮クリーヴランド管弦楽団 1991年録音
 フランソワ=グザヴィエ・ロト指揮レ・シエクル 2013年
 テオドール・クルレンツィス指揮ムジカエテルナ 2013年 スタジオ録音 ドイツ、ケルン

ブーレーズの新旧録音はドビュッシー、ラヴェルの場合とそう感覚が違いませんが、ただ、旧録音はLPレコード、新録音はハイレゾで聴いたという違いはあります。どちらも素晴らしい演奏です。ロトとクルレンツィスは1913年の初演の100年後ということでの録音です。ロトは資料的価値はありますが、saraiはあまりピンとこない録音です。今日の演奏をCDにしてもらったほうがよい感じ。そうすると、クルレンツィスのCDといい勝負になります。クルレンツィスの演奏は一聴の価値のある凄まじさです。弱音パートの緊張感ある演奏も魅了されました。ストラヴィンスキーご本人指揮のCDとイーゴリ・マルケヴィチのCDも合わせて聴くべきでした。すると、saraiもストラヴィンスキーについて、もう少し、語れるかな・・・。



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       ロト,  

アルプス:アイガー北壁の麓が霧の中から出現

2017年7月25日月曜日@メンリッヒェン~クライネシャイデック~グリンデルワルト~ルツェルン/11回目

アルプスのメンリッヒェンMännlichenからクライネシャイデックKleine Scheideggへハイキングをしているところです。ようやく、2時間以上もかけて、クライネシャイデックに到着しました。到着したクライネシャイデックは霧に包まれています。ここがクライネシャイデックであることを示す道標が立っています。標高が2070mと表示されています。ここからメンリッヒェンまで1時間半かかることが表示されています。

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霧の先にクライネシャイデックの駅が見えます。

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その駅舎の向こうの山は霧に覆われています。案内板によると、天気が良ければ、すぐそばにアイガー北壁が見える筈なんですけどね。

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クライネ・シャイデックは霧に煙っていて、アイガーの麓の雪と岩の一部だけが見えます。まわりの風景は何も見えません。

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恨めしく霧を眺めるだけです。

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しかし、心なしか、少し、周りが明るくなってきたような気もします。希望的観測なんでしょうか。

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まだ、小雨が降り続いていますが、このあたりを少し、ぶらついてみましょう。

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山の麓だけははっきりと見えるようになってきます。

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周りの牧草地で草を食む牛たちが見えます。

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近くの丘の上の展望台に登って、風景を眺めます。おっ、少し霧が晴れてきたかな。

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丘の斜面の草原には花々が咲いています。

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ところがです。急に霧が晴れてきます。

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山頂こそ見えませんがアイガーの麓の岩壁が目の前に聳え立ちます。昨日、ここでユングフラウ鉄道に乗り換えたときには気が付きませんでしたが、クライネ・シャイデックはアイガー北壁の麓の駅だったんですね。

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展望台の丘の周りの風景はこんな感じです。

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丘の下にはクライネシャイデックの駅前の山荘がぽつぽつと建っています。

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そろそろ、登山電車に乗って、グリンデルワルトGrindelwaldに向かいましょう。



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アルプス:WAB鉄道でグリンデルワルトへ

2017年7月25日月曜日@メンリッヒェン~クライネシャイデック~グリンデルワルト~ルツェルン/12回目

メンリッヒェンMännlichenからクライネシャイデックKleine Scheideggへハイキングをして、到着したクライネシャイデックでちょっとぶらついています。クライネシャイデックは少しだけ霧が晴れたので、saraiは丘の上から、アイガー北壁の麓の岩壁を眺めています。

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あまりアイガー北壁全体は見えていませんが、先ほどはこの景色すら霧で真っ白で何も見えなかったんです。

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ひとしきり、アイガーの雄姿を仰いでいました。見えると見えないでは大違い。見えないと、どんな風に見えるのか想像もできませんが、目の前に迫るアイガーの雄姿は凄いです。が、一瞬にして、また霧に包まれて、何もなかったごとく消えてしまいます。
クライネシャイデックでは、登山電車の乗り換えの時間を利用して、ツアー観光客が大勢歩いています。彼らの多くは何も見ずに立ち去っていきました。彼らを呼び戻してあげたいところです。それほど瞬時にアイガーは見え隠れするのです。

さあ、次はクライネシャイデックを後にして、WAB鉄道でグリンデルワルトGrindelwaldに向かいます。昨日もここから同じ区間、登山電車に乗りました。ルツェルンからクライネシャイデックまでの往復チケットはその区間を利用済なので、もう一度、この区間の乗車券を駅の窓口で購入します。もちろん、スイス半額カードSwiss Half Fare Cardを提示して、半額で購入します。購入した乗車券はこれです。半額でも15.5スイスフランですから、このあたりの乗車券は高額です。

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さあ、WAB鉄道のグリンデルワルト方面の登山電車に乗りましょう。これはユングフラウ鉄道の登山電車ですね。こんな悪天候でまたユングフラウヨッホに行っても仕方ありません。

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WAB鉄道のホームに行くと、既に電車が待っています。

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早速、乗り込みます。車窓からは小雨で霧に包まれた風景が見えます。

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車内はまあ空いています。このお天気ですからね。

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電車は雨の降りしきるクライネシャイデックの駅を出ていきます。

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車窓の風景は霧に包まれています。

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少し走ると、緑の草原が見えてきます。アイガーの反対側は霧が晴れていますね。

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草原には放牧している牛が見えます。

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ところで、この辺りの車窓から見える、放牧してある牛さんたちについて、同行者たちと妙な議論になります。同行者はあの牛の集団の中で本物は数匹だという意見なんです。そんなことはないだろうと反論しますが、よ~く見ると、確かに変です。もともと、そんなに動き回るわけではなく、草を食べているだけなのですが、それにしてもジッと動かない牛が多いです。置物のようです。アルプスの雰囲気を演出しているのでしょうか。もし、そうなら、有難いような、だまされたような・・・。

車窓には、小雨の中、ハイキングしている大勢の観光客が見えます。ご苦労様・・・っていうか、我々もついさっきまでハイキングしていましたね。

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また、進行方向の先は霧が濃くなってきます。今日はずっとこんな天気が続くようです。たまりませんね。

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深い霧の中に置物のような牛さんがぼんやりと見えています。本物の牛さんかしらね。

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深い霧の中をWAB鉄道の登山電車はのろのろと走っていきます。

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これではまったく気勢が上がりません。ひたすら、グリンデルワルトを目指すのみです。



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アルプス:グリンデルワルトで遂にアイガーが見えた!

2017年7月25日月曜日@メンリッヒェン~クライネシャイデック~グリンデルワルト~ルツェルン/13回目

ハイキングで到着したクライネシャイデックKleine ScheideggからWAB鉄道でグリンデルワルトGrindelwaldに向かっているところです。先ほどまでは真っ白な霧の中でしたが、その先は霧の晴れた緑の草原が広がっています。ただし、雨粒のかかった車窓ごしの風景です。

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草原の中にマッチ箱のような可愛い家が点在しています。

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さらに車窓の風景がくっきりと見えてきます。アルプスの美しい風景です。

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だんだん、グリンデルワルトが近づいてきて、家々が増えてきます。

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やがて、昨日、降車したグリンデルワルト・グルントGrindelwald Grundの駅に到着。線路を見ると、リッゲンバッハ式 (Riggenbach)のラックレールの歯車が見えます。スイスはラックレールの本場です。

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雨もほぼ止んだようようです。

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グルントの駅前広場には大型バスがずらりと駐車しています。

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おおっ、大きな山が見えています。アイガーEigerかな。ちょとだけ雲がかかっていますが、よく見えています。

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やがて、グリンデルワルトの駅に到着。まだ、少し雨が残っています。

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これが今まで乗ってきたWAB鉄道の登山電車です。WAB鉄道はここが終点です。

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ホームの向かいにはベルナーオーバーラント鉄道Berner Oberland Bahn(略してBOB鉄道)の登山電車が停車しています。インターラーケン・オスト駅Interlaken Ost行きですね。

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ホームの先には大きな岩山が聳えています。メッテンベルクMättenbergでしょうか。

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グリンデルワルトの駅前に出ます。駅前の通りにはホテルやお土産物屋さんなどが並んでいます。

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町は切り立ったアルプスの山々に囲まれています。本来はここからフィルスト展望台までロープウェイで上って、そこで2時間のハイキングを楽しむ予定でしたが、時間的にも、眺望の悪さからも、さらには天候もよくないために計画は断念します。代わりにグリンデルワルトの街並みをちょっと拝見しましょう。駅前からは賑やかな町並みが続いています。バス乗り場の場所を示す案内板には日本語の表記があります。びっくりです。

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駅前のドルフ通りDorfstrasseを少し進むと、大きなバスターミナルに出ます。そこから一挙に視界が開けます。すると、おおーっ!!! 昨日から見えそうで見えなかったアイガーの全景が丸見えです。何と何と山頂まで見えています。

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最後の最後でアルプスはその姿を見せてくれました。感動の絶景に大はしゃぎです。しばらく、この絶景を眺めていましょう。(しかし、この後にさらなるサプライズ。素晴らしい絶景が見られるんです!))



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アルプス:アイガーの絶景

2017年7月25日月曜日@メンリッヒェン~クライネシャイデック~グリンデルワルト~ルツェルン/14回目

グリンデルワルトGrindelwaldでアイガーEigerの雄姿を望むことができて、感動しているところです。アイガーの左側にはメッテンベルクMättenbergが見えています。アイガーとメッテンベルクの間にはクライン・フィッシャーホルンKlein Fiescherhornが雲の中にうっすらと見えています。

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すぐ近くに日本語観光案内所があります。そのスタッフのかたと一言二言、言葉を交わします。あの山がアイガーであることを確認して、安心します。

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再び、アイガーの姿を眺めます。正確には左側がミッテルレギmittellegiでその稜線の先の右側の峰がアイガーです。残念ながら、アイガーの山頂はちょっとだけ雲がかかっていますね。

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今いる広場はアイガーを背景に記念撮影するスポットのようです。アイガーEigerと記された岩が鎮座しています。観光地なんですね。

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この広場には日本とスイスの記念碑が立っています。旧安曇村、現松本市とグリンデルワルトが姉妹提携している記念碑で永遠の友情と刻まれています。日本とスイスは山国同士の交流が盛んなんですね。

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相変わらず、右側の峰、アイガーの山頂は雲に隠れています。

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メッテンベルクを背景にグリンデルワルトの町並みが続いています。メッテンベルクの左側の雲がかかった山はヴェッターホルンWetterhornのようです。

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このあたりのショップをしばらく覗いて、再び、アイガーに目をやると、何と雲間からアイガーの山頂が見えています。ヤッタネ!

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しばらく、この状態が続いています。何と青空も見えてきます。

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街並みも見たし、そろそろ帰ろうかと思っていましたが、アイガーが見えているので、今は帰れませんね。

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アイガーとメッテンベルクの間もかなり見渡せます。ウンタラーグレッチャーUnterer Gletscher(グリンデルワルト下氷河)が見えています。

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アイガーの右側には青空が広がってきます。

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青空がだんだんアイガーのほうに迫ってきます。期待感が高まります。

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おおっ、もう少しです。

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ほぼ青空を背景にアイガーの山頂が綺麗に見えています。満足の気持ちでいっぱいです。

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この奇跡のような絶景が見られるとは・・・しばらく、この絶景を眺めます。予定していた電車の時間が迫りますが、それどころではありません。



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アルプス:青空の中、陽光を浴びるアイガーを満喫

2017年7月25日月曜日@メンリッヒェン~クライネシャイデック~グリンデルワルト~ルツェルン/15回目

グリンデルワルトGrindelwaldで青空を背景にアイガーEigerが眺められそうな状況になってきました。一番右端に見えている峰がアイガーの山頂ですが、既にその右側は青空になっています。

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さらに山頂の上も青空が広がってきます。

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山頂はほぼ青空で覆われました。これで十分でしょう。

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山頂をズームアップします。峰の右側が北壁です。大きくえぐれた垂直な壁です。

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急に太陽が顔を出し、広がった青空です。みるみるうちにアイガーにかかっていた雲が流れていき、青空を背景にアイガーの山全体がくっきりと見えています。

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アイガーの美しい絶景に息を呑みます。

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岩肌や麓の緑まで、陽光を浴びて、美しく輝いています。

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まだ、青空に映えているアイガーですが、右側の空から雲が迫ってきます。

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これが青空を背景にしたアイガーの最後の姿です。

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遂に右側の稜線に雲がかかってきます。

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アイガー山頂のまわりの青空はあっという間に雲に覆われました。山の天気は急変します。

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アイガーの左後方には山の頂がくっきりと見えています。クライン・フィッシャーホルンKlein Fiescherhornでしょうか。

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そのクライン・フィッシャーホルンの手前にはウンタラーグレッチャーUnterer Gletscher(グリンデルワルト下氷河)が見えています。

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ぐっと視線を左側に移すと、ヴェッターホルンWetterhornも雲間から顔を出しています。

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ヴェッターホルンとアイガーの間にはメッテンベルクMättenbergがくっきりと見えています。

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最後の最後にアルプスの山々の雄姿を望めて満足です。これで気持ちよく帰れます。



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アルプス:グリンデルワルトを後にインターラーケンへ

2017年7月25日月曜日@メンリッヒェン~クライネシャイデック~グリンデルワルト~ルツェルン/16回目

ようやくグリンデルワルトGrindelwaldで青空の中のアイガーEigerの絶景を眺めることができました。再び、ヴェッターホルンWetterhornに目をやると、これも山頂を眺めることができます。

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アイガーの山頂はちょうど雲に隠れたところです。青空の中にくっきりと山頂が望めたのは一瞬のことでした。今思えば、あれは幻だったのかと疑うほどです。

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クライン・フィッシャーホルンKlein Fiescherhornもまさに雲に隠れようとしています。

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近くにそびえるメッテンベルクMättenbergだけはいつまでもくっきりと見えています。

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アイガーは山全体が雲に覆われようとしています。

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ヴェッターホルンも雲がかかってきました。

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予定していた電車を1本遅らせて、絶景を楽しむことができましたが、そろそろ、頃合です。お暇しましょう。最後の最後に青空のアルプスを眺めることができたのは僥倖でした。これで心おきなく、ルツェルンに戻れます。それにしても、山の天気は一瞬一瞬、変わるものなんですね。青空のアイガーを眺められたのもほんの15分ほどだったでしょうか。
ドルフ通りDorfstrasseを少し進むと、すぐにグリンデルワルトの駅前に到着です。

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駅前には綺麗なアルプスの花々が飾ってあります。嬉しい配慮ですね。

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ホームに出て、インターラーケン・オスト駅Interlaken Ost行きのBOB鉄道の登山電車の到着を待ちます。

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ホームから後ろを振り返ると、くっきりとしたメッテンベルクと雲に覆われたヴェッターホルンが見えます。アイガーは駅舎の陰に隠れています。

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やがて、BOB鉄道の登山電車がホームに入ってきます。

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ここからはルツェルン‐クライネシャイデック間の往復チケットの復路分を使って帰ります。電車に乗車して、すぐに車窓は霧の風景になります。本当にグリンデルワルトの青空は奇跡のようなものでした。

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グリンデルワルトの次の駅、シュヴェンディSchwendi bei Grindelwaldです。駅の周りは霧で真っ白です。

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我々のチケットの検札をしている車掌さんは空いたファーストクラスのシートにどっかりと腰掛けています。

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グリンデルワルトから30分ほどでインターラーケン・オスト駅に到着です。せっかくですから、インターラーケンの町を少しぶらついて、レストランで夕食でもいただきましょう。その前に駅の窓口でルツェルン行きの電車の時刻表をもらっておきます。無駄な待ち合わせ時間はなしにしたいですからね。これがその時刻表です。もらっておいて正解です。ルツェルン行は1時間に1本だけです。

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さあ、インターラーケンの町に繰り出しましょう。初めての町ですから、興味津々です。



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見事なR.シュトラウス尽くし 読売日本交響楽団@サントリーホール 2018.6.19

冒頭は6月16日に亡くなったゲンナジー・ロジェストヴェンスキー氏への哀悼のためのチャイコフスキーを神妙な気持ちで聴かせてもらいました。昨年、ミンコフスキが都響とブルックナーの交響曲第3番を演奏した折のブログ記事に以下のようにロジェストヴェンスキーのことを取り上げたばかりでした。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐2017.07.10の記事を引用

ブルックナーの1873年初稿版のCDはほとんどありません。インバル盤、シモーネ・ヤング盤というところなので、手持ちのインバル盤を聴こうかとも思いましたが、伏兵とも思えるロジェストヴェンスキーのブルックナー完全全集なるなるものに心が動きました。第8番第1稿を除いて、録音当時存在していた複数ヴァージョンをすべて網羅したという鬼のような全集です。もちろん、第3番の1873年初稿版も含まれています。第2稿も第3稿もあります。なんだか奇妙な響きの演奏でしたが、興味津々の演奏ではありました。先日、読響でスクロヴァチェフスキがブルックナーの第5番を指揮するとのことで聴きに行くつもりでしたが、残念ながら健康上の理由でスクロヴァチェフスキの来日が取りやめになり(その後、スクロヴァチェフスキはお亡くなりなりました。合掌)、代わりにロジェストヴェンスキーが指揮をすることになり、結局、saraiは聴きにいかなかったんです。しかし、これは後で考えると残念なことでした。何とロジェストヴェンスキーは悪名高きシャルク版で第5番を演奏したそうです。ある意味、これは聴きものだったようです。因みにロジェストヴェンスキーのブルックナー完全全集には第5番は原典版のみでシャルク版は含まれていません。シャルク版はシャルクが第5番を初演したときのもので、大幅なカットや改変をほどこし、シンバルが鳴り別働隊のブラスが加わるという大変興味深いものです。ロジェストヴェンスキーって、変人ですね。ともかく、変人ロジェストヴェンスキーで予習をしましたが、今日のフランスの才人ミンコフスキの演奏はとってもまっとうなものでした。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐引用終わり

昨年はスクロヴァチェフスキが亡くなったので聴きそびれ、代演したロジェストヴェンスキーも聴きそびれ、結局、そのロジェストヴェンスキーも急にお亡くなりになりました。上記の引用記事にあるロジェストヴェンスキーのブルックナー完全全集を追悼のために聴かないといけませんね。合掌。

本編はR.シュトラウス尽くしのプログラムです。いずれも名曲揃いで端然として聴かせてもらいました。何も言うことのない素晴らしい演奏で、R.シュトラウスの音楽の素晴らしさが魂に響いてきました。これにメタモルフォーゼンでもさらに聴かせてもらえば最高でした。

交響詩「ドン・キホーテ」は大傑作の交響詩「英雄の生涯」に先立つ作品で、「英雄の生涯」と並び立つような素晴らしい作品です。マイスターの指揮する読響はその素晴らしい音響世界を余すところなく演奏してくれました。とりわけ、終曲の美しい演奏にはため息が出るほどでした。後期ロマン派の匂い立つような香気の何と魅惑的なことか。楽劇《薔薇の騎士》を急に聴きたくなります。

歌劇「カプリッチョ」からの前奏曲と月光の音楽は全編、晩年のR.シュトラウスが到達した孤高の境地を味わうのみです。前奏曲の弦楽六重奏曲の深いロマン、月光の音楽の抒情。大変、感銘を受けました。マイスターがここまで素晴らしいR.シュトラウスを聴かせてくれるとは・・・。絶句です。

歌劇「影のない女」による交響的幻想曲もとても素晴らしい演奏でした。何と形容したらいいのか、適当な言葉を思いつきません。ただただ、うっとりとR.シュトラウスの残してくれた音楽に耳を傾けるのみでした。

マイスターが大変な力量を示してくれて、読響が最高のアンサンブルを発揮した、最高のR.シュトラウス尽くしでした。

今日のプログラムは以下です。

  指揮:コルネリウス・マイスター
  チェロ:石坂 団十郎
  ヴィオラ:柳瀬 省太(読響ソロ・ヴィオラ)
  管弦楽:読売日本交響楽団 小森谷 巧(コンサートマスター)

  チャイコフスキー:バレエ音楽《くるみ割り人形》から「情景/冬の松林」 ゲンナジー・ロジェストヴェンスキーへの哀悼
  R.シュトラウス:交響詩「ドン・キホーテ」 Op.35

   《休憩》

  R.シュトラウス:歌劇「カプリッチョ」 から前奏曲と月光の音楽
  R.シュトラウス:歌劇「影のない女」 による交響的幻想曲


最後に予習について、まとめておきます。

交響詩「ドン・キホーテ」を予習したCDは以下です。

  ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィル、ピエール・フルニエ、ジュスト・カッポーネ 1965年
  ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィル、ムスティスラフ・ロストロポーヴィッチ、ウルリヒ・コッホ 1975年

カラヤンを好まないsaraiですが、この両方の演奏とも素晴らしい演奏ですね。R.シュトラウスの交響詩だけはやはりカラヤンを聴いてしまいます。

歌劇「カプリッチョ」からの前奏曲と月光の音楽を予習したCDは以下です。
まず、前奏曲は以下です。 

 クリスティアン・ティーレマン指揮ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団 1995年
 アンドレ・プレヴィン指揮ウィーン・フィル 1992年
 アマデウス弦楽四重奏団、セシル・アロノヴィッツ、ウィリアム・プリース 1971年 ロンドン

月光の音楽は以下です。

 アンドレ・プレヴィン指揮ウィーン・フィル 1992年
 ジョルジュ・プレートル指揮ウィーン・フィル 2008年 ウィーン、シェーンブルン宮殿野外コンサート

さすがにウィーン・フィルの魅惑的な演奏には聴き惚れます。しかし、前奏曲はアマデウス弦楽四重奏団の演奏が最高です。やはり、室内楽的な響きが素晴らしいんです。

歌劇「影のない女」による交響的幻想曲を予習したCDは以下です。

 クリスティアン・ティーレマン指揮ウィーン・フィル 2002年 ウィーン ライヴ録音

ティーレマン、ウィーン・フィルとくれば、何の文句もない最高の演奏です。



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アルプス:インターラーケン散策は収穫なし

2017年7月25日月曜日@メンリッヒェン~クライネシャイデック~グリンデルワルト~ルツェルン/17回目

グリンデルワルトGrindelwaldからインターラーケン・オスト駅に帰ってきました。インターラーケンの町をちょっと歩きます。駅を出ると、ヘーエ通りHöhewegの美しい緑の並木が続いています。

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夕食に適したレストランを探しながらヘーエ通りを歩きます。通りに面して堂々としたホテルがあります。5つ星のリンドナー グランド ホテル ボー リヴァージュLindner Grand Hotel Beau Rivageです。こんな立派なところで夕食を食べる気にはなれません。

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さらに通りを進むと、左手に何と日本庭園があります。友好の庭(日本庭園インターラーケン)Japaniscer Garten Interlakenです。

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案内板を見ると、日本の大津市とインターラーケンが姉妹都市になっていて、その記念に1995年にこの庭園が造られたそうです。もちろん、日本の作庭家が派遣されたそうです。

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日本庭園の向こうにカトリック教会の尖塔が見えるのはやはり、ヨーロッパの風景です。

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日本庭園の向かいには4つ星ホテルのホテル ロイヤル サン ジョルジュ インターラーケンHotel Royal St Georges Interlakenの瀟洒な佇まいが見えます。

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近くに寄ってみると、壮大な建築物です。

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このホテルのレストランもなんだか敷居が高そうです。通りの先にも立派な建物が続きますが、リーズナブルなレストランは見当たりません。

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手前ににチャイニーズレストランがありますが、ここまで来て中華料理を食べる気にもなれません。その隣には先ほどの5つ星のリンドナー グランド ホテル ボー リヴァージュが見えます。これはさらに敷居が高いですね。

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このあたりでレストランを探すのをあきらめて、駅のほうに戻り始めます。インターラーケンは町並み散策だけにとどめて、ディナーはルツェルンでいただくことにします。やがて、アーレ川を渡る橋、ボリヴァーゲ橋Beaurivage-Brückeがあります。橋を渡った先にはケーブルカーも見えます。時間があれば、そっちにも行きたいところです。

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橋の前には綺麗な花壇があります。

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イギリス公園沿いに駅のほうに向かいます。右手に見えている並木の通りはウンターレ・ベーニッヒ通りUntere Bönigstrasseです。駅前の通りです。

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そのウンターレ・ベーニッヒ通りに入って、駅に向かいます。

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インターラーケン・オスト駅の前に出ます。ルツェルン行きの電車の発車時刻の10分ほど前です。

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ホームに出ます。BOB鉄道の登山電車が見えます。

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ルツェルンLuzern行きのツェントラルバーンZentralbahnの展望列車は既に入線中です。

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早速、電車に乗り込んで、また、ゴールデン・パス・ラインのルートを楽しみます。



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アルプス:美しきブリエンツ湖

2017年7月25日月曜日@メンリッヒェン~クライネシャイデック~グリンデルワルト~ルツェルン/18回目

インターラーケンInterlakenの町でのレストラン探しは不調に終わり、早めにルツェルンLuzern行きのツェントラルバーンZentralbahnの電車に乗ります。電車は定刻通りに出発し、アルプスの山々に別れを告げます。

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電車はすぐに湖畔に出ます。美しい緑の湖面を見せているのはブリエンツ湖Brienzerseeです。

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電車はブリエンツ湖に沿って走っていきます。

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対岸のイゼルトヴァルトIseltwaldの町が見えています。

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アルプスの湖の多くと同じく、ブリエンツ湖は細長く伸びています。ですから、しばらくは湖畔を走ります。

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湖畔には可愛い家々が並んでいます。

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電車は湖畔の丘の上を走ります。

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どこまでも湖の美しい景色は続きます。

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やがて、湖の東端のブリエンツ駅Brienzに停車。隣接するフェリーターミナルには湖船が停泊中です。この湖船でブリエンツ湖をクルーズするというプランもありましたが、時間的に無理をしないために断念しました。

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ブリエンツを出ても、少しだけはまだ湖畔を走ります。ブリエンツ湖は西の方に長く伸びています。雲越しの夕日が湖面にきらきらと輝いています。

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外は小雨模様になってきます。

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車窓からは雲海の上に高い山が聳える姿が見えます。

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アーレ川の向こうに草原が広がっています。

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草原の先の山の崖の上からは勢いよく滝が流れ落ちています。これもアルプスらしい風景です。

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電車はアーレ川沿いにマイリンゲンMeiringenに向かっていきます。

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ここは昨日もルツェルンから早朝に走ったあたりですが、そのときは爆睡中でまったく景色を見ていなかったんです。しばらく、快適なファーストクラスの車窓の夕景を楽しみましょう。ここはゴールデン・パス・ラインを構成するインターラーケン~ルツェルン間の区間です。



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改訂版 シューベルトとシューマン、極上!の素晴らしさ 田部京子@浜離宮朝日ホール 2018.6.22

今日も田部京子は音楽の神に選ばれた天才ピアニストぶりを遺憾なく発揮しました。シューベルトが素晴らしいのはもちろんで、もう驚きもしませんが、シューマンのこんなに素晴らしい演奏を聴くのは我が人生で初めてのことです。前回のリサイタルで聴いたベートーヴェン、ブラームスの最高の演奏とあわせると、ドイツ・オーストリア音楽では世界で最高の実力を持つピアニストであることを実感しました。そうそう、前回聴いたモーツァルトも素晴らしい演奏でしたから、ドイツ・オーストリア音楽では無敵のピアニストですね。saraiが実際に聴いたピアニストで匹敵できるのはアンドラーシュ・シフだけです。

今回のピアノ・リサイタルは田部京子が満を持して開始したシューベルト・プラスというコンサートシリーズの第4回です。田部京子と言えば、シューベルト。シューベルトと言えば、田部京子です。(今日まではそう思っていましたが、シューマンの凄い演奏を聴いて、その確信が揺らいでいます。) 第1回の幻想ソナタ(第18番)は残念ながら聴き逃しましたが、第2回の遺作ソナタ、ハ短調 D. 958、第3回の遺作ソナタ、イ長調 D.959は最高の演奏でした。そのときのリサイタルの記事はここここです。

以下に前前回書いた田部京子の特徴についての記事を再度掲載しておきます。彼女のピアノについてはこれ以上は書けません。

------------------ここから引用開始-----------------------
いつも書くことですが、素晴らしい演奏を言葉で表現することは大変難しいことです。何とか表現してみましょう。田部京子の演奏は素晴らしいテクニックをベースとして、実に丁寧なアーティキュレーションとフレージングの表現が見事で、聴くものがその音楽にぐっと惹きつけられます。しかし、本当に凄いのはそういうことではなくて、彼女の優しく心の襞を撫でてくれるような深い詩情、あるいは味わい(初めて経験するような感覚なので適用な言葉が思い当たりません)に満ちた演奏です。
------------------ここまで引用終了-----------------------

さて、今日の演奏をまとめてみましょう。

まず、何故か、メインである筈のシューベルトの4つの即興曲 D935が最初に演奏されます。本来は今回のリサイタルでシューベルト・プラスのコンサートシリーズでまだ弾かれていない遺作のピアノソナタ第21番 変ロ長調 D960が弾かれるべきところでしたが、それは先延ばしになって、シューベルトでは即興曲 D935だけが今回のプログラムに組み込まれました。即興曲 D935も大傑作の作品なので十分、今回のメインになる曲目なのに最後に演奏するプログラムにならなかったのが不思議です。プログラムの順番のことはさておいて、saraiの心の内では今日のメイン曲のつもりで聴き入ります。
この即興曲は名前こそ即興曲になっていますが、ロベルト・シューマンは実質、4楽章のソナタと同一視できると指摘しているほど、充実した内容になっています。とりわけ、第1曲のヘ短調のアレグロ・モデラートは構築性の高いソナタ形式(展開部は欠きますが)になっていて、田部京子の演奏も冒頭から堂々たる表現で圧倒的です。第2主題にはいると抒情的な雰囲気が醸し出されて、ロマンの香気がたちのぼります。全体に甘いロマンは排して、構築性の高さを前面に押し出した禁欲的な表現の見事な演奏です。
第2曲の変イ長調のアレグレットは抒情性の高い名曲中の名曲です。シューベルトのピアノ曲の中でsaraiが最も愛する曲です。これはとても美しい演奏でした。中間部の三連符のアルペジョも魅惑的です。うっとりしているうちに終わってしまいます。
第3曲の変ロ長調のアンダンテは劇付随音楽『キプロスの女王ロザムンデ』の有名な主題に基づく変奏曲です。冒頭の主題は格調高く弾かれます。安定したテンポ感もつぼにはまっています。第1変奏の付点のリズムが心地よく響きます。音楽の流れも美しいです。第2変奏の装飾音が宝石のようにきらきらと輝きます。ショパンでも聴いている雰囲気ですが、納得できる格調の高さの演奏になっています。第3変奏は暗いデモーニッシュな感じでダイナミックな表現で圧倒的です。第4変奏は軽く過ぎて、第5変奏の上下行する音階がきらめくような表現で美しさの限りです。最後に主題に戻って、簡潔なシメで長大な変奏曲を静謐な雰囲気で閉じます。
第4曲のヘ短調のアレグロ・スケルツァンドは終曲にふさわしいアップテンポの切れの良い音楽です。最初、少し、もたついたような印象を覚えましたが、すぐにシャープな演奏になります。軽快にかつ爽快に音楽が進行し、フィナーレは壮大に急下降し、圧倒的な幕切れ。この第4曲が最高の演奏でした。
今日はもう、これだけ聴けば、帰ってもいいかなと思うほどでしたが、実はそれは早とちりだったんです。

休憩にはいったところで次回のリサイタルのチケットを求めて、走りましたが、遅れをとり、30~40人に先行されました。それでも何とか、そこそこの席のチケットをゲット。次回はシューベルト・プラスのコンサートシリーズの特別編で田部京子のCDデビュー25周年記念リサイタルなんだそうです。ともあれ、遂にそのリサイタルで遺作のピアノソナタ第21番 変ロ長調 D960が弾かれます。さらにシューマンの交響的練習曲も弾かれます。絶対に聴き逃がせないコンサートです。これで遺作ソナタの全3曲を聴くことができます。もちろん、田部京子のCDでも聴くことができますが、それらが録音されたときとは彼女の音楽的な熟成度が違います。それにライヴの素晴らしさも加わるのですから、とても楽しみです。ところでまだ演奏されていないアレグレット ハ短調D.915と3つの即興曲 D.946はどうなるんでしょう。実は来年の7月にシューベルト・プラスのコンサートシリーズの第5回が告知されました。そこで弾くのかな。因みにCDデビュー25周年記念ということで、25年前のデビューCDは何だったのか、調べてみました。何とショパンの名曲集でした。シューベルトのCDは翌年の3枚目のCDでようやく登場しています。そのCDでいきなり遺作ソナタの第21番 変ロ長調 D960が録音されました。つまり、彼女のCDは何と24年前の若き日の記録です。早々に再録音が期待されますね。

ともあれ、後半の演奏が始まります。

最初はメンデルスゾーンの「夏の名残のばら」による幻想曲という珍しい曲です。しかし、彼女はCDにも録音しているので、得意にしているのでしょう。「夏の名残のばら」というのは早い話がアイルランド民謡「庭の千草」のことです。耳慣れたメロディーが格調高く演奏されます。超絶技巧的な早いパッセージがそのメロディーに続いて演奏されます。天才ピアニストの田部京子はそれをいとも簡単に弾きこなします。演奏する姿を見ると、何とうつむいて目を閉じて演奏しています。一体どれだけ、練習したのか・・・それとも天才のなせる業なのか! 小曲ですが、素晴らしい演奏でした。

次は最後の曲。シューマンの謝肉祭です。順番から言えば、これが今日のメインの曲になります。リラックスしながら聴き始めましたが、中盤から、そのあまりに見事な演奏に唖然となります。これがあの聴き慣れた謝肉祭なんでしょうか。今まで、この曲の何たるかを知らずに聴いていた思いにかられます。シューマンらしい、ある意味、支離滅裂さに幻惑されていましたが、すべての曲、すべてのパッセージは急に生き生きと意味付けられて、何という統一性を持って、saraiの心に響いてくるのでしょう。音楽というものは作曲家が書きつけた譜面を演奏者が再現することによって成立する芸術です。優れた演奏者がその音楽の本質を理解・解釈して、我々、凡人たる聴衆に提示して、その音楽の何たるかを表現してくれるわけですが、シューマンのような、一見すると分かりにくい音楽は田部京子のような天才ピアニストの存在なしには、凡人のsaraiには決して、その本質は理解できなかったでしょう。今日、パーっと霧が晴れたようにシューマンの音楽の実像が見えた思いです。そのシューマンの音楽があり得ないほどに魅惑的なこと・・・素晴らしいです。シューベルトの素晴らしい音楽に続いたシューマンの本当の素晴らしさを初めて実感できました。謝肉祭の終盤では、気持ちが高潮して、大きな感動に包まれました。田部京子のピアノで是非、クライスレリアーナや幻想曲も聴きたいという強い思いになりました。今日のメインはまさしく、このシューマンの謝肉祭でよかったんですね。

前回もそうでしたが、もう、アンコールは不要です。何を弾いても野暮になります。でも、拍手に応えて、田部京子はピアノの前に座ります。流れてきたのは、とっても美しい曲。聴き覚えはありますが、何の曲かは思い出せません。シューマンの交響的練習曲でした。それもブラームスが校訂した第3版で追加された遺作の変奏曲の5曲の最後の曲。これは次回のリサイタルの予告ですね。この遺作の5曲はいつも演奏順が話題になります。ピアニストの意思でどこに挿入してもよいからです。で、田部京子はどうするのか、ちょっと調べてみました。彼女の過去のCDに答えがありました。練習曲9と練習曲10の間に遺作の5曲を順序通りに挿入するようです。まとめて順序通りに挿入するというのはポリーニと同じですが、挿入場所が異なります。田部京子と同じやりかたのピアニストはいるのでしょうか。
アンコールの最後はトロイメライ。美しい演奏です。『子供の情景』全曲が想像されます。素晴らしい演奏になるでしょう。聴きたい! シューベルト・プラスの次は是非ともシューマン・プラスをお願いします。

今日のプログラムは以下です。

  田部京子シューベルト・プラス 第4回

  ピアノ:田部京子
 
  シューベルト:4つの即興曲 D935 Op.142

  《休憩》

  メンデルスゾーン:「夏の名残のばら」による幻想曲 ホ長調 Op.15
  シューマン:謝肉祭 「4つの音符による面白い情景」Op.9

  《アンコール》

   シューマン:交響的練習曲 遺作 変奏5
   シューマン:『子供の情景』Op.15より、第7曲『トロイメライ』

いやはや、田部京子って、何て凄いピアニストなんでしょう。

最後に予習について、まとめておきます。

シューベルトの4つの即興曲 D935を予習したCDは以下です。

 ヴィルヘルム・ケンプ 1965年 ハノーバー、ベートーヴェンザール
 アルフレード・ブレンデル 1974年 ロンドン
 マレイ・ペライア 1980年 30番街スタジオ ニューヨーク セッション録音
 マリア・ジョアン・ピリス 1997年 リスボン
 アンドラーシュ・シフ 1998年
 アンドラーシュ・シフ 2015年 フォルテピアノ ハイレゾ
 田部京子 2000年

いずれも選び抜いたCDですから悪いはずがありません。ケンプは最初からの愛聴盤。ブレンデルはそれに次ぐもの。1988年に再録音しています。今回も聴きたかったのですが、時間切れ。1974年が出色の出来なので、まあいいでしょう。ペライアはやはり美しい響きの素晴らしい演奏。ピリスは夢見る乙女のような憧れに満ちた演奏。こういう演奏は彼女だけです。とってもロマンチックです。シフの旧盤はシフにしては少し不満が残りますが、他と比べても遜色はありません。もっと弾けるはずだということです。新盤はフォルテピアノなので音が痩せています。高音の繊細さはいいのですが、日々、聴く気にはなれません。モダンピアノ(ベーゼンドルファー)での再録音が望まれます。ライヴが最高でしょう。田部京子のCDは真打ちです。素晴らしい。古いところで、シュナーベル、エドウィン・フィッシャー、クリフォード・カーゾンあたりも聴きたかったところです。そうそう、ラドゥ・ルプーも欠かせなかったですね。

メンデルスゾーンの「夏の名残のばら」による幻想曲を予習したCDは以下です。

 ハワード・シェリー 2013年 ロンドン

どうだこうだと言う演奏ではありません。特に問題ない演奏です。本当は田部京子の録音で聴きたかったのですが、CDを未入手です。

シューマンの謝肉祭を予習したCDは以下です。

 ユーリ・エゴロフ 2008年 ベルリン、シャウシュピールハウス ライヴ録音

なかなか独特の演奏で惹き付けられる部分も多い演奏です。全体的にはもうちょっとという感じも残ります。シューマンの奔放さと構成の妙のバランスがもうひとつです。しかし、水準以上の優れた演奏ではあります。やはり、田部京子のCDを購入すべきかもしれません。今日の演奏を聴いた後ではなおさらです。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       田部京子,  

シューマン夫妻の珍しい作品を堪能・・・アムラン&秋山和慶&東京交響楽団@サントリーホール 2018.6.23

東京交響楽団のコンサートでは次々と珍しい作品が聴けます。前回は日本初演のウド・ツィンマーマンの歌劇「白いバラ」でとても素晴らしい出来でした。
今日はクララ・シューマンとロベルト・シューマンの珍しい作品が聴けました。次回はエルガーのオラトリオ「ゲロンティアスの夢」ですから、初聴きの作品のオンパレードです。こういうチャレンジャブルなプログラムは大歓迎です。因みにその後の定期演奏会は普通のプログラムです(笑い)。

前半のプログラムはクララ・シューマン/ユリウス・オット・グリム編の行進曲で始まります。この曲はドレスデン時代のシューマン夫妻の友人の金婚式のプレゼントのために書かれた曲で原曲はピアノ曲です。そして、そこで用いられているメロディーは亡き夫ロベルト・シューマンが作曲したデュエット歌曲(テノールとソプラノ)、家族の肖像Familiengemälde Op.34-4です。この曲が使われた理由は歌詞を見れば、分かります。冒頭の歌詞を以下に示します。引用元:梅丘歌曲会館の家族の肖像

Großvater und Großmutter,
die saßen im Gartenhag;
Es lächelte still ihr Antlitz,
Wie'n sonniger Wintertag.

(訳)
おじいさんとおばあさん
ふたりは座ってる 庭の生け垣のところ
穏やかに微笑んだ顔つきで
それはまるで晴れた冬の陽だまりのよう


素敵な老夫婦を愛情豊かに描いた作品です。お友達の老夫婦へのプレゼントにはこれ以上のものはないでしょう。このロベルト・シューマンが作曲したデュエット歌曲をもとにクララがピアノ曲の行進曲に仕立て上げました。いわば、金婚式行進曲ですね。お友達はこのプレゼントをいたく喜んだそうです。そして、この曲がクララの最後の作曲した曲になりました。その後、ユーリウス・オット・グリムが1888年のクララのフランクフルトでの演奏家60周年記念のために管弦楽用に編曲しました。これもクララへのサプライズプレゼントだったようです。
長くなりましたが、今日の演奏は晴れやかでありながらもしっとりと抒情深いものでなかなかの好演でした。クララの作品ですが、亡き夫ロベルトとの合作のようなものですね。いいものを聴かせてもらいました。夫婦間の深い愛情に包まれた作品がぐっと心に迫ってきました。

前半の2曲目は未完成に終わったシューマンのツヴィッカウ交響曲です。ツヴィッカウはシューマンが生まれた地であるとともに、この曲の初演が行われた地でもあります。この2楽章だけの作曲で終わった交響曲はその後、シューマンが手を付けることはありませでした。結局、完成した形の交響曲は約8年後の交響曲第1番まで待つことになります。しかし、4曲の交響曲の傑作を残したシューマンが初めに手掛けた交響曲がどんなものであったのかは興味深いところです。今日の演奏では、特に第1楽章にシューマンらしい、爽やかなロマンが感じられて、聴きごたえがありました。全部で20分ほどの作品ですが、この演奏機会の少ない作品が聴けて、とても満足です。今秋のティーレマン率いるシュターツカペレ・ドレスデンのシューマン・チクルスでの全交響曲演奏を控えて、これまた、よいものを聴かせてもらいました。

後半のプログラムは普通です(笑い)。ブラームスの初期の名曲、ピアノ協奏曲第1番です。交響曲とも思える作品ですが、今日の東響の演奏は控えめな響きです。よくある重厚で強烈な演奏ではありません。この控えめな演奏はそれはそれでロマンの香りが感じられて、好感できます。このオーケストラの演奏スタイルのせいか、ピアノのアムランも若干、抑え気味の演奏です。第1楽章はおおむね、この爽やか路線の演奏です。今日の白眉は第2楽章でした。深い抒情に満ちた演奏は若きブラームスの繊細な魂を思わせるものでした。師と仰いでいたシューマンの死への哀悼というよりも、クララ・シューマンへの静かな愛情と賛美を感じさせるようなピアノの静謐な響きでした。アムランの心のこもった表現に強く心を打たれました。一転して、第3楽章の切れ味のあるダイナミックな演奏は圧倒的でした。東響も抑えを開放して、豊かな響きで演奏し、アムランも激しいタッチでピアノを響かせます。第2楽章と第3楽章の対比の妙が見事でした。終演後、会場は万雷の拍手。とてもよい演奏でした。
アムランのアンコール曲はなんと昨日、田部京子の素晴らしい演奏で聴いたシューベルトの即興曲です。ピアニストはみなさん、この曲が好きなようです。アムランの演奏も実に心が込められた、美しい演奏でした。saraiも大好きな曲ですから、毎日聴いても飽きることはありません。満足できる出来栄えの演奏でした。

ところで今日聴いたブラームスのピアノ協奏曲第1番は来週もアヴデーエワのピアノ、フルシャ指揮バンベルク交響楽団の演奏で、同じこのサントリーホールで聴きます。もっと素晴らしい演奏になるのではないかと期待しています。

今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:秋山和慶
  ピアノ:マルカンドレ・アムラン
  管弦楽:東京交響楽団

  クララ・シューマン/ユリウス・オット・グリム編:行進曲 変ホ長調
  シューマン:交響曲 ト短調 「ツヴィッカウ」 (未完成交響曲)

   《休憩》

  ブラームス:ピアノ協奏曲 第1番 ニ短調 Op.15

   《アンコール》
     シューベルト:4つの即興曲 D935 Op.142から第2曲 変イ長調 アレグレット (ピアノ・アンコール)


最後に予習について、まとめておきます。

クララ・シューマンの行進曲 変ホ長調を予習したCDは以下です。

  ヨーゼフ・デ・ベーンハウアー C. シューマン:ピアノ作品全集より 1990年 オランダ

原曲のピアノ版で聴きました。クララが最初の4手用から書き直したピアノ・ソロ用の演奏です。明快な演奏でその晴れやかさが伝わってきました。

シューマンの交響曲「ツヴィッカウ」を予習したCDは以下です。

 ハインツ・ホリガー指揮ケルンWDR交響楽団 (シューマン交響曲全集)2015年

このハインツ・ホリガー指揮ケルンWDR交響楽団のシューマン交響曲全集は交響曲第4番の初稿(1841年版)/改訂稿(1851年改訂版)の両方を含むもので、演奏も質の高いものです。シューマン研究家の音楽評論家、舩木篤也氏にこのCDの面白さを教えていただきました。ツヴィッカウ交響曲も丁寧な演奏で聴きごたえがありました。

ブラームスのピアノ協奏曲第1番は以下です。

 エレーヌ・グリモー、クルト・ザンデルリンク指揮ベルリン・シュターツカペレ 1997年 ベルリン、シャウシュピールハウス ライヴ録音

エレーヌ・グリモーがまだ27歳頃の若き日の演奏記録です。ドイツ・ロマン派を得意とする彼女のピアノが聴きものです。ザンデルリンクの重厚なブラームスはさすがの貫禄です。当時、ザンデルリンクは既に85歳頃です。引退する5年ほど前の貴重な記録です。



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アルプス:マイリンゲン~ルンゲラー湖

2017年7月25日月曜日@メンリッヒェン~クライネシャイデック~グリンデルワルト~ルツェルン/19回目

インターラーケンInterlakenからツェントラルバーンZentralbahnの電車に乗って、ルツェルンLuzernに向かっているところです。電車は美しい草原の中、マイリンゲンMeiringenに近づいていきます。

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インターラーケン・オスト駅からルツェルン中央駅の鉄道の旅はファーストクラスで快適な移動です。車両の上部にはパノラマ窓もあり、展望が素晴らしい列車です。

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やがて、標高595mのマイリンゲンの駅に到着。

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このマイリンゲンの駅で電車は進行方向が反転します。駅を出た電車はマイリンゲンの車両基地の前を通過していきます。

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また、美しい草原の中を電車は走っていきます。草原の中に見えている線路は先ほどまで走ってきた線路です。現在、あの線路とは逆方向に走っています。

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電車は丘の上を走りながら、だんだんと標高を上げていきます。

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やがて、ブリューニック・ハスリベルク駅Brünig-Haslibergに到着します。この区間の最高地点です。標高1001.9メートルもあります。ここを過ぎると、今度は急こう配を下っていきます。上空は青空と黒い雲が混在しています。

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森の樹木の中を抜けると、不意に美しい湖が見えてきます。ルンゲラー湖Lungerer Seeです。

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森の中を湖に向かって、どんどんと下っていきます。

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森の先にはルンゲラー湖が見えています。

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ルンゲラー湖の南端付近まで下りてきました。ルンゲルンのカトリック巡礼教会Pfarrkirche Lungernが見えています。

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その教会を眺めながら、美しい草原の丘の上を走っていきます。

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湖の向こうには山の上から流れ落ちる滝が見えています。ドゥンデルバッハ滝Dundelbachfallですね。2段になって流れ落ちています。その水はルンゲラー湖に流れ込んでいます。

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やがて、電車はルンゲラー湖の南端の町ルンゲルンLungern駅に到着。ルンゲルン駅は標高751mですから、ブリューニック峠Brünigから250mほど下ってきたことになります。駅前からルンゲラー湖のほうにルンゲルンの町並みが続いていて、可愛い家々が立ち並んでいます。

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駅のホームからは先ほどのドゥンデルバッハ滝がよく見えています。

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ズームアップして眺めてみましょう。

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ここまでがルツェルンまでの区間の半分ほどです。この先、電車はルンゲラー湖に沿って、北上していきます。



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アルプス:ルンゲラー湖の美しい眺め

2017年7月25日月曜日@メンリッヒェン~クライネシャイデック~グリンデルワルト~ルツェルン/20回目

インターラーケンInterlakenからツェントラルバーンZentralbahnの電車に乗って、ルツェルンLuzernに向かっているところです。電車はルンゲラー湖Lungerer Seeの南端の町ルンゲルンLungern駅を出て、湖畔の丘を走ります。

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ルンゲラー湖のエメラルドグリーンの湖面が美しいですね。

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ルンゲラー湖はそう大きな湖ではありませんが、南北に細長く伸びています。その湖畔を北上していきます。

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夕日が西の山に落ちていきます。強烈な日差しが眩しく感じられます。

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ルンゲラー湖の美しい眺めに見入ってしまいます。

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ルンゲラー湖の素晴らしい景観を眺めながら、湖畔の線路を進んでいきます。

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やがて、ルンゲラー湖の北端に達します。

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ここで電車はルンゲラー湖の最後の姿を見ながら、速度を落とします。

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カイザーシュトゥール駅Kaiserstuhl OWに到着。この駅は標高697メートルです。先ほどのルンゲルン駅から50mほど標高を落として、下ってきました。

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カイザーシュトゥール駅はルンゲラー湖の北端に位置し、既にルンゲラー湖の姿は視界から消えています。遠くにアルプスの峰々が眺められます。

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カイザーシュトゥール駅を出た電車は美しい草原を見下ろしながら、丘の上を走っていきます。

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やがて、草原の先にギスヴィルGiswilの村の家並みが見えてきます。

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後方を振り返ると、綺麗な山並みが見えています。アルプスの高い峰々はもう視界からは外れました。

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どんどんギスヴィルの村が近づいてきます。

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やがて、標高484メートルのギスヴィル駅Giswilに到着します。カイザーシュトゥール駅から200mほど下ってきました。

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ルツェルンまで、残りは3分の1ほどです。この後もザルナー湖Sarnerseeやフィアヴァルトシュテッテ湖 Vierwaldstattersee、通称ルツェルン湖Lake Lucerneの美しい景観が眺められますが、既に昨日、車窓からの眺めを楽しんだばかりなので、ルツェルン到着まで、しばしの休息に入ります。今日も1日、フル活動しましたから、疲れました。
それでも、車窓からは次々と美しい景色が見えて、アルプスの旅の最高の総仕上げとなりました。



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ピアニッシモが心に沁みるブラームスのピアノ協奏曲・・・アヴデーエワ&フルシャ&バンベルク交響楽団@サントリーホール 2018.6.26

今日は久しぶりにお気に入りのピアニスト、ユリアンナ・アヴデーエワの演奏を聴きました。彼女はこれまであまりブラームスのピアノ協奏曲は弾いてこなかったそうですが、よほど、この日に向けて、この曲を研究し、練習してきたんでしょう。素晴らしい仕上がりぶりでした。
長大な第1楽章のどのパッセージも魅惑的な演奏で、そのロマンティックさときたら、これまで聴いたことがない素晴らしさ。かと言って、メロー過ぎるわけではなく、若き日のブラームスの音楽の枠にきっちりと収まっています。その美しさの極みのようなピアノにぴったりとオーケストラパートを寄り添わせるヤクブ・フルシャの指揮も見事です。バンベルク交響楽団はこれまで色んな事情があって、生で聴くのは多分、今日が初めてのような気がします。ブロムシュテットとのブルックナーの印象が強いせいか、ドイツ的な重心の低い響きを予想しましたが、モダンで美しい響きなのでびっくりです。次第に3者の息がぴったりと合ってきて、えもいわれぬブラームスのロマンティックな音楽が展開されます。いつもはこの曲はシュトルム・ウント・ドランクを思わせる強烈さと勢いを感じさせられますが、アヴデーエワが主導するロマンの香りの高い音楽で違う曲を聴いているように感じます。こんなに美しい第1楽章は初めて聴きました。そして、第2楽章に入ります。アヴデーエワの繊細さを極めつくしたようなピアニッシモの微妙な響きにただただ魅了されます。そのアヴデーエワのピアニッシモ以上に、フルシャはバンベルク響から抑えたピアニッシモの極みのような、かすかに聴こえるか、聴こえないような極上の響きを引き出します。音楽の美しさはピアニッシモにこそあると言ったのは故吉田秀和氏だったでしょうか。彼はそのピアニッシモをウィーン風と表現していました。ピアニッシモの競演が続く第2楽章は祈りの音楽というよりも、ブラームスのロベルト・シューマンへの哀悼の気持ちだけでなく、悲しみにくれるクララ・シューマンへの密やかな思いがやるせなく詰め込まれた愛情表現のように感じてしまいます。アヴデーエワはきっと、そんな風にピアノを弾いていたんではないかしら。第3楽章に入っても、この素晴らしかった第2楽章との心の切り換えができません。それはアヴデーエワも同じではなかったんでしょうか。第3楽章も半ばになって、ようやく、ノリの良い音楽にスイッチがはいります。ピアノとオーケストラが一緒になって、推進力のある音楽を展開していきます。フィナーレはピアノとオーケストラのかけあいが圧巻でした。
期待はしていましたが、アヴデーエワがここまでブラームスを弾きこなすとは思っていませんでした。素晴らしいブラームスが聴けました。先週も同じ曲を聴きましたが、完成度も音楽性もまるで比べ物になりません。現在、saraiの中ではピアノの3強はアンドラーシュ・シフ、田部京子、アンジェラ・ヒューイットですが、アヴデーエワも肉薄しています。来春、待ちに待ったアヴデーエワの来日ピアノ・リサイタルがあるとのこと。聴き逃がせません。そうそう、アヴデーエワがアンコールで弾いたバッハのイギリス組曲、とっても凄かった! こんなノリでバッハを弾けるのはアンデルジェフスキーくらいですが、さらに魅惑的です。アヴデーエワもどんどんレパートリーが広がりますね。

後半のドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」ですが、以前、フルシャがそのときの手兵だったプラハ・フィルと演奏したコンサートを聴いたことが思い出されます。今日のバンベルク響とはオーケストラのアンサンブル力が比べ物になりませんが、プラハ・フィルは何と言うか、ひたむきさがありました。音楽を超える何かです。今日のバンベルク交響楽団も素晴らしい演奏でしたが、まだ、フルシャがドライブしきれていないようにも感じました。ただ、今日のsaraiは体調があまりよくなくて、前半のブラームスで体力を使い果たして、後半は集中力の切れた状態でした。これ以上の感想は明後日に横浜みなとみらいホールで第8番、第9番を聴いた後で書くことにします。ところで今日の第2楽章冒頭でのイングリッシュ・ホルンの見事な独奏は若い日本人女性でしたね。あれは誰?

アンコールは予期したスラヴ舞曲ではなく、ハンガリー舞曲。今日演奏されたオーケストラ版のドヴォルザークの編曲したものかな? だから、ドヴォルザークの交響曲の後でアンコール曲にしたのかしら。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:ヤクブ・フルシャ
  ピアノ:ユリアンナ・アヴデーエワ
  管弦楽:バンベルク交響楽団

  ブラームス:ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 Op.15
   《アンコール》
     J.S.バッハ:イギリス組曲第2番 イ短調 BWV807より第5曲ブーレ(ピアノ・アンコール)

   《休憩》

  ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 Op.95 「新世界より」

   《アンコール》
     ブラームス:ハンガリー舞曲第17番 嬰ヘ短調
     ブラームス:ハンガリー舞曲第21番 ホ短調 – ホ長調

最後に予習について、まとめておきます。

ブラームスのピアノ協奏曲第1番を予習したCDは以下です。

  エレーヌ・グリモー、クルト・ザンデルリンク指揮シュターツカペレ・ベルリン 1997年 ベルリン、シャウシュピールハウス ライヴ録音
  エミール・ギレリス、オイゲン・ヨッフム指揮ベルリン・フィル 1972年

グリモー盤はハイレゾで、ギレリス盤はLPレコードで聴きました。演奏は悪くはないですが、満足もしていません。今日のアヴデーエワの演奏が上回ります

ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」を予習したCDは明後日の横浜みなとみらいホールでのコンサートの記事でまとめてご紹介します。



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       アヴデーエワ,  

ルツェルンでスイス料理の美味しいディナー

2017年7月25日月曜日@メンリッヒェン~クライネシャイデック~グリンデルワルト~ルツェルン/21回目

インターラーケンInterlakenからツェントラルバーンZentralbahnの電車に乗って、ルツェルンLuzernに戻ってきました。アルプス遠征に出かけたのが、つい1日前だったとは信じられない思いです。残念ながら順調な旅ではありませんでしたが、それなりに印象深いアルプス体験にはなりました。
ルツェルンに戻ると、そこは快晴で涼しい気候に変わっていました。ルツェルン駅を出て、ロイス川Reuss沿いにホテルに向かいます。昨日チェックアウトしたばかりのホテルに再びチェックインするためです。荷物も預けてあります。ロイス川には、もう見慣れた風景があります。カペル橋Kapellbrückeです。

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カペル橋は夕陽を浴びて、美しく輝いています。昨日見たときとはまったく異なる風景です。昨日は早朝の薄暗闇の中で明かりがロイス川の水面に映り込んでいました。

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昨日まで宿泊していたホテル、ガルニ ホテル ドライ ケーニゲGarni Hotel Drei Königeにすぐ到着します。再度、チェックインします。とりあえず、預けていた荷物に無事再会し、それを持って、今日から宿泊する部屋に移動します。前回とほぼ同じような明るい部屋です。

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エアコンはなく、扇風機があります。この涼しさでは必要なさそうです。

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さて、夕食に出かけましょう。結局、インターラーケンでは適当なレストランを見つけられなかったですからね。ホテルのレセプションのお姉さんにレコメンドしてもらっていたレストランに出かけます。ヴィルツハオス・タオベWirtshaus Taubeというスイス料理のレストランです。ロイス川近くにあります。

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入口はそんなに広くないのに、お店は奥の方に広がっていて、地元客でいっぱいです。人気店なのでしょうね。予約なしでしたが、運よくテーブルを確保できました。

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まずはイタリアのヴェネト産の白ワインをいただきます。よく冷えていて、とても美味しいです。最高です。地元スイス産がないのは残念でしたけどね。まあ、イタリアのヴェネトも近いので、それも地元みたいなものです。

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テーブルはこんな風に壁で仕切られて、プライバシーが守られています。

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料理に先立って、パンとバターが出てきます。ワインのおつまみにしましょう。

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やがて、料理が運ばれてきます。
これはビーフをスモークベーコンで巻いた料理です。

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これは生ハムとチーズの盛り合わせです。

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ほかにチロル風のハッシュドポテトの上に目玉焼きののったフライパンの料理など、美味しい料理をたくさんいただきます。今日はお昼抜きでしたからね。
最後はシメにデザートをいたたきます。シャーベットです。

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明日は標高2100mのピラトゥス山Pilatusに登る予定ですが、あまり天気がよくないようです。予報通り天気が悪ければ、計画変更して、ルツェルンの街歩きでもしましょうか。お昼過ぎにはルツェルンから電車に乗って、夜遅くには、いよいよ最終目的地のザルツブルクに到着予定です。ザルツブルク音楽祭での音楽三昧が始まります。



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精緻を究めたフルシャ指揮の新世界交響曲・・・バンベルク交響楽団@横浜みなとみらいホール 2018.6.28

前半のプログラムのドヴォルザークの交響曲第8番は悪くはないが、普通の出来に思えます。1昨日のサントリーホールでのドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」のときと同じような印象に思えます。実はsaraiは今日も集中力が欠けていたので、そんな風に聴こえたのかもしれません。

集中力を取り戻した後半、フルシャは凄い指揮ぶりを見せて(聴かせて)くれました。何と言っても、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」への細部へのこだわりが尋常ではありません。まるでマーラーの交響曲でも演奏しているかの如く、テンポの細かい揺れ、強弱の変化、アーティキュレーションの限りを尽くします。多分、リハーサルでもバンベルク交響楽団のメンバーにこの細かい指示を出していたのでしょうが、本番ではさらに要求レベルを上げているような感じです。このフルシャの指揮にオーケストラもよく対応しています。さすがにドイツの一流オーケストラです。しかし、フルシャの要求レベルの高さにパーフェクトに応じられるわけがありません。それほどの指揮の精度の高さなんです。オーケストラの演奏はパーフェクトではないとしても仕上がった音楽は超ど級のレベルに達しています。一昨日のサントリーホールで感じたのはこの指揮とオーケストラ演奏のちょっとした乖離を違和感として受け止めてしまったようです。つまり、演奏は素晴らしいのだけれども、まだ、さらなる飛躍の可能性を秘めているという感じなんです。フルシャの無限の才能はさらなる進化を遂げていく中で、このバンベルク交響楽団の枠内で収まりきれるかというと疑問も残ります。フルシャの才能ある指揮を受けてたてるのはもしかしたら、ベルリン・フィルクラスのオーケストラかもしれません。例えにならないかもしれませんが、フルトヴェングラーの指揮が最高に発揮できたのはウィーン・フィルとベルリン・フィルだったわけですからね。これから、フルシャの挑戦は続くでしょう。今日の演奏で指揮とオーケストラがぴたりとはまったのは、第2楽章の終盤、弦楽八重奏から弦楽三重奏に移り、また、弦楽合奏に戻った個所です。ここはぞくりとくるほどの衝撃的な演奏でした。テンポの変化、パウゼのタイミング、ピアニッシモも効果的な美しさ、それらが完璧に決まり、あり得ないほどの素晴らしさ。フルシャの精緻を究めた指揮が完璧に機能したとき、曲全体がこの第2楽章の終盤と同様のレベルに達するのでしょう。そのとき、我々はあの聴き慣れたドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」から、その究極の姿を体験するのだと思います。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:ヤクブ・フルシャ
  管弦楽:バンベルク交響楽団

  ドヴォルザーク:交響曲 第8番 ト長調 Op.88 「イギリス」

   《休憩》

  ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 Op.95 「新世界より」

   《アンコール》
     ブラームス:ハンガリー舞曲第17番 嬰ヘ短調
     ブラームス:ハンガリー舞曲第21番 ホ短調 – ホ長調

最後に予習について、まとめておきます。

ドヴォルザークの交響曲第8番を予習したCDは以下です。

  ラファエル・クーベリック指揮指揮ベルリン・フィル 1966年 ハイレゾ
  ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団 1958年 ハイレゾ
  ジョージ・セル指揮チェコ・フィル 1969年8月30日 ルツェルン音楽祭 ライブ録音
  ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団 1970年4月 セヴエランス・ホール ハイレゾ

今回のドヴォルザークの交響曲2曲の予習は今更何を聴くのかという名曲です。そこで特にチェコ、ハンガリー出身の指揮者がドイツやアメリカのオーケストラを振った録音を抽出しました。今回のコンサートがチェコ出身のフルシャがドイツのバンベルク交響楽団を振るからです。ひとつだけ、チェコ・フィルが混ざりましたが、これは忘れられない名盤だし、セルをまとめて聴きたかったからです。ハイレゾにもこだわってみました。素晴らしい音質に満足です。
クーベリックがベルリン・フィルの高機能性を遺憾なく活かした演奏は見事としか言えません。クーベリックの最高の1枚です。セルの3枚の録音はそれに対抗して余りある素晴らしい演奏です。音楽の完成度とバランスでは1958年、硬軟取り混ぜての熱演では1969年の奇跡のコンサート、そして、成熟して燃焼度の高いのは亡くなる3か月前の1970年となり、どれも聴き逃がせない名演です。

ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」を予習したCDは以下です。

  フェレンツ・フリッチャイ指揮ベルリン・フィル 1959年
  ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団 1959年 ハイレゾ
  イシュトヴァン・ケルテス指揮ウィーン・フィル 1961年 ハイレゾ
  ラファエル・クーベリック指揮指揮ベルリン・フィル 1972年 ハイレゾ

上記の第8番と同様ですが、最後に聴いたフリッチャイの気宇壮大な演奏は凄まじいばかりです。フルトヴェングラー亡き後にベルリン・フィルをこんなに響かせた指揮者はいないでしょう。ゆったりとしたテンポでためを作っての演奏はフリッチャイならではの演奏です。この人だけにはもっと長生きしてほしかったとしみじみ思いました。ケルテスは良くも悪くもウィーン・フィルならでは音楽です。セルとクーベリックはやはり、別格の素晴らしさです。あとはアンチェルを聴けば、もう十分かもしれません。それにしても名人たちの演奏がハイレゾでよみがえるのは嬉しいですね。



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ルツェルン散策:ルツェルン・カルチャーコングレスセンター

2017年7月26日火曜日@ルツェルン~ザルツブルク/1回目

旅の7日目、ルツェルンLuzernの通算4日目です。

今日はルツェルン、そして、スイスの最終日。ピラトゥス山Pilatusに登るべく、昨夜から計画を練っていました。朝起きると、微妙な天気。雨は降っていないものの、どんよりと曇っています。これでは山頂からの眺望は望めませんね。残念ですが、ピラトゥス山はすっぱりとあきらめましょう。計画変更して、ルツェルンの街歩きをします。午後3時半の電車でザルツブルクに向かうので、それまでの間、散策します。
まずはホテルで朝食。普通の朝食ですが、朝からシャンパンというのはヨーロッパならではの贅沢です。

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ゆったりとした朝食を終える頃には朝食ルームは既に閑散としています。さあ、そろそろ出かけましょう。

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荷物をまとめて、ホテルをチェックアウトします。荷物はホテルのレセプションに預けます。ホテルを出て、美しい並木道を歩きます。

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ロイス川近くのバス停、カセルネンプラッツKasernenplatzにやってきました。ロイス川越しに旧市街の尖塔や丘の上の城壁も見えています。

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ここでバス1日乗車券を購入します。タッチパネル式の自動券売機で英語表記ができます。小銭がなくてもクレジットカードが使えます。

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ルツェルン駅行きのバスを待ちます。とりあえず、ルツェルン駅で街歩きの情報を収集するつもりです。

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バス停の前にはルツェルン自然史博物館Natur-Museum Kanton Luzernの優美な建物が見えています。

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通りの上にはトロリーバス用のケーブルが巡らせてあります。これも排気ガス対策の一環でしょうか。

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やがて、バスに乗車して、ルツェルン駅に移動。ルツェルン駅の隣にあるルツェルン・カルチャーコングレスセンター(Kultur- und Kongresszentrum Luzern、略称KKL)を外から眺めます。ここはルツェルン音楽祭のメイン会場です。こんなにモダンな建物だったんですね。それにルツェルン湖畔という立地が素晴らしいです。

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せっかくですから、もっと近くに寄ってみましょう。この建物は2000年に完成したそうですから、フルトヴェングラーが活躍した頃の建物ではありません。詳しくは分かりませんが、この同じ場所にクンストハウスKunsthausという旧コンサートホールがあったようです。

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これが入り口の正面です。プールのような池がありますね。

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池の前から正面入り口を眺めます。

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ルツェルン・カルチャーコングレスセンターの先はルツェルン湖です。正確に言えば、フィーアヴァルトシュテッテ湖Vierwaldstätterseeです。ここはロイス川の河口をちょっと出たあたりになります。

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ルツェルン・カルチャーコングレスセンターの入り口前には噴水もあります。このヴァーゲンバッハ噴水Wagenbachbrunnenは昔からある歴史的なもので、1934年に作られました。

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ルツェルン湖のフェリー乗り場もすぐ前にあります。

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もう一度、湖を眺めます。ルツェルン湖の見納めかもしれません。

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ルツェルン・カルチャーコングレスセンターの正面入り口前を通過します。中に入れないかと思いますが、何かイベントの準備中のようで閉鎖されています。そのイベントとはスイスで最大規模を誇る音楽とアート祭「ブルーボールズ・フェスティバル(Blue Balls Festival)」とのことです。ルツェルン音楽祭はこの後、8月~9月に開催されます。

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また、ルツェルン駅に戻って、ツーリストインフォメーションを訪れます。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

通りすがりさん

コメント、ありがとうございます。正直、もう2年ほど前のコンサートなので、詳細は覚えておらず、自分の文章を信じるしかないのですが、生演奏とテレビで

05/13 23:47 sarai
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