思い起こせば、初めて、モイツァ・エルトマンを聴いたのはマーラーの交響曲第4番でした。そのときにあまりに美しい声にガーンとなりました。次はわざわざ、アムステルダムまでベルクの《ルル》を聴きに行って、期待通りの歌唱に満足。そのときのサイン会で彼女から「今年の秋に日本に行って歌うわ・・・スズキさんと・・・」って聞いたのが彼女のBCJとの初共演のことでした。バッハの結婚カンタータはもちろん聴きました。そして、しばらくぶりに聴いたのが今日です。ですから、これまで聴いたのがマーラー、ベルク、バッハ、モーツァルトです。実に幅広いレパートリーです。どれも第1級の出来でした。次はBCJとのモーツァルトのレクイエムになります。期待できそうです。
前半のメンデルスゾーンもよかったのですが、メンデルスゾーンの歌曲自体をあまり聴き込んでいないためか、もうひとつぴんときませんでした。もっぱら、彼女の美しい声を楽しんだだけかも。
後半のモーツァルトは最初の《満足》からその端正な美しさに酔いました。モーツァルト12歳の作品《歓喜に寄す》のようなシンプルな作品でも彼女の美しい声が冴え渡ります。最後の2曲、《春へのあこがれ》と《ラウラに寄せる夕べの想い》は晩年のモーツァルトの素晴らしさが十全に表現されていて、大変な感銘を受けました。最後に歌ったモーツァルトのコンサート・アリアは大変な絶唱で、まさにオペラのアリアを1曲聴いた思いです。ラストにふさわしい力演でした。
エルトマンはやはり、ルルが最高ですが、モーツァルトもいいね。
今日のプログラムは以下です。
ソプラノ:モイツァ・エルトマン
ピアノ:ゲッツ・ペイヤー
メンデルスゾーン 歌曲
新しい恋Op.19a-4
ふたつの心が離れるとOp.99-5
ズライカOp.34-4
恋する女は綴るOp.86-3
葦の歌Op.71-4
月Op.68-5
ズライカOp.57-3
歌の翼にOp.34-2
さいしょの菫Op.19a-2
あいさつOp.19a-5
花束Op.47-5
春の歌Op.47-3
《休憩》
モーツァルト 歌曲
満足KV349
すみれKV476
寂しい森でKV308
魔法使いKV472
ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いたときKV520
静けさはほほえみつつKV152
歓喜に寄すKV53
春へのあこがれKV596
ラウラに寄せる夕べの想いKV523
モーツァルト コンサート・アリア
さらば我が麗しの恋人~とどまれ、いとしき人よKV528
《アンコール》
メンデルスゾーン:夜の歌Op.71-6
モーツァルト:歓喜に寄すKV53
最後に予習ですが、メンデルスゾーンもモーツァルトも大好きなバーバラ・ボニーのCDを聴きました。
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