後半のプログラムは演奏機会が少ないチャイコフスキーのマンフレッド交響曲です。実演で聴くのもこれが2回目かな。これは小林研一郎の一人舞台のような演奏で、素晴らしい音響に耳を奪われました。この曲って、こんなに演奏効果が高いのですね。チャイコフスキーとは思えないような熱情的なところとチャイコフスキーらしい美しいメロディーが交錯しながら音楽が進行しますが、小林研一郎はメロディーの浮かばせ方や響きのきわだたせ方が実に巧みで、この幻想的な作品を魅惑的に聴かせてくれます。終始、読響の各パート、とりわけ、ヴィオラやチェロの低弦をうまく生かした演奏で極上の音楽を展開していきます。音楽の頂点は最後の最後にありました。ゲネラルパウゼの後、パイプオルガンの独奏が入ってきます。これが素晴らしい! オーケストラとオルガン独奏が交互に続き、最後は協奏的に曲想が盛り上がり、感動的なフィナーレです。素晴らしいマンフレッド交響曲でした。これがコバケンのチャイコフスキーですね。感動しました。
今日のプログラムは以下です。
指揮:小林研一郎
ピアノ:エリソ・ヴィルサラーゼ
管弦楽:読売日本交響楽団 長原 幸太(コンサートマスター)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 Op. 15
《休憩》
チャイコフスキー:マンフレッド交響曲 Op. 58
最後に予習について、まとめておきます。
ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番を予習したCDは以下です。
アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ、カルロ・マリア・ジュリーニ指揮ウィーン交響楽団 1979年、ライヴ録音 ハイレゾ
これは最高の名演。ミケランジェリの切れのよいピアノは素晴らしく、ジュリーニの指揮も最高のベートーヴェンです。これ以上の演奏は望むべくもありません。
チャイコフスキーのマンフレッド交響曲を予習したCDは以下です。
エフゲニ・スヴェトラーノフ指揮ロシア国立響 1992年 東京ライブ
スヴェトラーノフの爆演です。この曲を聴くのはこれしかないでしょう。
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