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高級ホテル滞在顛末記

一昨日はサントリーホールで読響の定期公演。早目に南北線の六本木一丁目の駅に到着し、いつもはサントリーホールのあるアークヒルズに向かいますが、今日はちょっと違います。駅の改札を抜けた後、泉ガーデンの横の長いエスカレーターを乗り継いで泉ガーデンの上の丘の上に出ます。泉屋博古館分館の脇の抜けて、さらに駐日スペイン大使館の前の閑静な通りに出ます。通りの先には駐日スウェーデン大使館もありますが、、このスペイン大使館とスウェーデン大使館に挟まれて通りを左のほうに向かいます。すると、前方の右手に古い大きな建物が見えてきます。ホテルオークラ東京 別館です。正面入口に近づいていくと、ホテルのベルボーイが目ざとく、近寄ってきます。saraiがガラガラ引いているRIMOWAのスーツケースをさっと引き取ってくれます。入口から内部に案内しながら、ちょっと疑わしそうな感じで「ご宿泊ですか?」と訊いてきます。オイオイ、こんなスーツケースを持って、ホテルに宿泊目的以外で来る人間なんか、いるのかいって絡みそうになりますが、ここはぐっと抑えて、「そうです」って丁寧に答えます。すると、内部の別の女性スタッフに引き継いで、レセプションに誘導してくれます。saraiが比較的カジュアルな服装ですが、これでも某有名ブランドのお洒落な高級品なんです。きっと、そうは見えなかったんでしょうね。配偶者も同じブランドの高級服なんです。ブレザーでも羽織っていれば、扱いは違っていたかもしれません。ともあれ、レセプションの若い女性スタッフに名前を告げると、ちゃんとコンピューターの予約者リストからsaraiの名前を発見してくれます。ここでsaraiが一般予約ではなく、バーゲン価格での宿泊者であることがばれてしまいます。正規料金の半額以下での宿泊なんです。我が家の財政状況では、この日本のトップクラスのホテルに通常料金で泊まれる筈はありません。そういう事情もうすうす分かっている筈なのに、チェックインが意外に手間取ります。挙句の果てに部屋のアップグレードを提案されます。ジュニアスイートはいかがでしょうとのことです。一応、料金を聴くと、今日のバーゲン価格の宿泊料のゆうに倍はする価格なので、丁重にお断りします。で、ようやく、チェックイン完了。高層階の10階の部屋です。高級ホテルですから、女性スタッフがスーツケースとルームキーを持って、ご案内です。エレベーターでロビー階から10階まで上がり、エレベーターホールのすぐ近くの部屋でカードキーを差し込んでドアを開けてくれます。部屋のグレードはスイートには劣りますが、スーペリアダブルで、40㎡のゆったりした部屋です。クイーンサイズの大きなダブルベッド、ソファの先には大きな窓から六本木の界隈が一望できます。

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スーツケースを部屋に運び入れてくれた女性スタッフが部屋の説明をしようとしますが、ざっと見たところ、それほど変哲のない部屋なので、説明は辞退します。海外では、ここでチップを払う場面ですが、日本では不要ですよね。日本の高級ホテルに宿泊したことのないsaraiには判じかねますが、海外のような微妙な間合いもなく、女性スタッフはルームキーを机の上に置いて、さっと退散していきます。

ところで、このホテルオークラに泊まることについては、ちょっとしたいきさつがあります。それは28年前、saraiも配偶者もまだまだ若かったころに遡ります。時は日本中が浮かれていたバブルの真っ最中です。密かにいつかは一生に一度はウィーンでオペラを見たいと思っていたsaraiは日々、レーザーディスクでヨーロッパのオペラを視聴しながら、見果てぬ夢を増殖させていました。それとなく、配偶者にもsaraiの夢を吹き込んでいた毎日でした。で、遂にその日が来ました。超贅沢なヨーロッパ・オペラツアーに貯金をはたいて出かけることにしました。当時、この手のツアーでは実績ナンバーワンの郵船トラベルのオペラツアーです。そして、無事にウィーン国立歌劇場で、歌劇「エウゲニ・オネーギン」、歌劇「愛の妙薬」、楽劇「ばらの騎士」を聴いて感激した次第です。そのとき、同行した裕福な方々のなかでも最も裕福な方の知遇を得ました。首都圏で大きな病院を経営している院長夫妻です。奥さんのおっしゃることには、ツアーの出発前日はサントリーホールでコンサートがあったそうで、ご自宅には戻らずにホテルオークラに宿泊し、そこから、直接、成田空港に来られたそうです。そのときのsaraiにはこれがどういうことか、正直言って、ピンと来ませんでした。サントリーホールにも行ったことないし、ホテルオークラがどこにあって、どれほどのホテルか、知らなかったんですからね。saraiはアラフォーの貧しいサラリーマンでした。地方出身者のsaraiは日々の仕事で精一杯で高額なコンサートに通うお金も暇もありませんでした。後日、サントリーホールの常連になり、サントリーホールの丘の上にホテルオークラがあることも知りました。そして、ホテルオークラに泊まって、サントリーホールの公演を聴くことがどんなに贅沢なことかを悟り、いつかはsaraiも背伸びをしてみたいと夢想していました。機会はやがてやってきました。2011年3月にヨーロッパ遠征をすることになり、何とその出発前日がサントリーホールのコンサートです。早速、ホテルオークラの宿泊プランをチェックすると、夜11時以降のチェックインならば格安の宿泊ができることを知りました。早速、予約。成田空港へのリムジンバスも予約しました。
2011年3月11日の未曽有の東日本大震災が発生!・・・コンサートはすべて中止になりました。サントリーホールも例外ではありません。やむなく、ホテルオークラの宿泊予約はキャンセル。ヨーロッパ遠征には予定通り、行きました。オペラチケットも飛行機のチケットもホテルの予約もすべて完了していましたからね。ウィーンでは東日本大震災チャリティーコンサートにも参加しました。ただ、ホテルオークラの宿泊は露と消えてしまったんです。

今回のホテルオークラの宿泊は28年来の夢、そして、2011年のリベンジでした。感慨深く、部屋をチェックします。洗面台には豊富なアメニティ用品が並んでいます。

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ゆったりしたバスタブもあります。このバスタブの秀逸なのはバスタブの縁が広くて、腰かけて、髪や体を洗えることです。

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無料のミネラルウォーター、電気ケトル、コーヒー・紅茶もあります。

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大きな窓からはサントリーホールのあるアークヒルズが見渡せます。都心の風景は格別です。

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大きなディスクには大型液晶テレビもあり、持参したノートPCも楽に広げられます。もちろん、無料のWIFI接続も可能です。有線LANならば高速インターネットも可能なようです。さらに驚いたことには各国語対応のスマホが置いてあります。自由に使っていいそうです。宿泊中は持ち出しも可。国内はもちろん、海外も電話は無料だそうです。こういうサービスは海外でも知りません。saraiのようにガラホの人間には助かりますね。海外からのお客さんは無料でのインターネット接続も助かるでしょう。

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これがクイーンサイズのベッドです。ベッドの広さはW160~180×L215cm 2台だそうです。

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まだ、サントリーホールでの公演開始には時間があるので、ホテルの周辺を散策してみましょう。ホテルのある界隈は虎ノ門です。ホテルオークラ東京 別館の建物を出ると、現在、建て替え中のホテルオークラ東京 本館が見えます。完成はまだ来年の9月とのこと。カーテンウォールの現代的なビルで風情がありませんが、内部はかっての本館の佇まいが残されるんだとか。機会があれば、見学したいものです。格安プランは別館だから実現したので、本館では無理でしょうね。

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虎ノ門3丁目の先には最近できた虎ノ門ヒルズがあります。前面に緑地が広がり、巨大な人間の形のオブジェが異彩を放っています。

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虎ノ門ヒルズの本館は超高層のビルです。

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てっきり、六本木ヒルズのようなところだと思って、中に入ると、何もありません。これは期待を裏切られました。虎ノ門ヒルズを出て、虎ノ門の雑然とした食べ物屋さんの通りで、とあるカフェにはいり、リーズナブルな価格のケーキセットをランチ代わりにいただきます。これで散策はおしまい。
高級ホテルの部屋に戻り、短い午睡を取って、英気を取り戻します。時間になり、アークヒルズ3階で天ぷら定食をいただいて、サントリーホールでの読響のコンサートを楽しみました。

コンサート後、いつもは2時間近くかけて、横浜の自宅に戻りますが、今日は余裕です。近くのコンビニでお茶を買って、5分も歩けば、ホテルです。
ゆっくりとお風呂に浸かり、コンサートの記事をブログにアップ。ゆったりしたサイズのベッドでぐっすりと休みました。

翌朝、気持ちよくお目覚めです。今日はこれからリムジンバスで羽田に向かい、九州の実家に向かいます。N響のコンサートツアーを聴くんです。
まずはホテルで朝食。宿泊プランには朝食込みです。ロビー階の広い朝食ルームは10時までなので、30分ほど前に行くと、お客さんでいっぱいです。スタッフに案内されて窓際の席に着けました。ヨーロッパのホテルと同様のブッフェスタイルです。違うのは和食も少し用意されていることくらい。それでもたっぷりと朝食をいただきました。
朝食後、ホテルのショップで帰郷のお土産を購入し、ホテルでの用事は完了。

羽田へのリムジンバスは何と1日2便のみです。ぎりぎりの11時55分を予約します。部屋のチェックアウトはスーペリアダブルの場合はレイトチェックアウトが可能で12時です。そこそこの時間にチェックアウトし、リムジンバスに乗ります。雨のため、バスが10分ほど延着しましたが、予定の飛行機にはギリギリセーフ。少し気をもみますが、これって、saraiの旅ではいつものことです。

無事に高級ホテルの贅沢体験を終えて、今は九州の実家にいます。日本中、大雨災害で大変なようですが、何とか、実家で落ち着いています。天気は回復傾向ですね。しばらく、老母との生活を楽しみます。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

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じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
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07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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