前半のワーグナーのヴェーゼンドンク歌曲集は、メゾ・ソプラノのエドナ・プロホニクのしみじみとした歌唱に大変な感銘を受けました。心の深いところからの表現が魂に響いてきました。こんなワーグナーが聴けるとは思っていませんでした。第3曲の《温室にて》はトリスタンとイゾルデの第3幕を彷彿とさせて、夢心地に誘ってくれましたし、第5曲の《夢》も同じく、トリスタンの世界に誘って、魅惑的なこと! 8月のヨーロッパ遠征で聴いたバイロイト音楽祭を思い出させてくれました。
今日のプログラムは以下のとおりでした。
指揮:ダン・エッティンガー
メゾ・ソプラノ:エドナ・プロホニク
管弦楽:東京交響楽団
ワーグナー:ヴェーゼンドンク歌曲集
《アンコール》
R.シュトラウス:8つの歌 Op.10-1 「献呈」
シューベルト:音楽に寄せて D.547(レーガー編曲)
《休憩》
ベルリオーズ:幻想交響曲 Op.14
最後に予習について、まとめておきます。
ワーグナーのヴェーゼンドンク歌曲集を予習したCDは以下です。
キルステン・フラグスタート、ハンス・クナッパーツブッシュ指揮ウィーン・フィル 1956年5月録音 ウィーン、ゾフィエン・ザール
絶世期は過ぎていたかもしれませんが、希代のワーグナー歌手、フラグスタートの味わい深い歌声は最高です。モノラル録音もありましたが、これは初期のステレオ録音というのも嬉しいところです。それにやはり、クナッパーツブッシュ指揮のウィーン・フィルは素晴らしいです。
ベルリオーズの幻想交響曲を予習したCDは以下です。
ダニエル・ハーディング指揮スウェーデン放送交響楽団 2015年10月録音 ストックホルム、ベルワルド・ホール
もう、さんざん、定番のシャルル・ミュンシュのパリ管とボストン交響楽団のCDは聴いたので、最近のCDを聴いてみました。すると、これが当たりでした。ハーディングの指揮がとても見事です。青春の恋の痛みが清冽に表現されていて、これこそ、ベルリオーズが意図した音楽ではないかと心が高揚します。自分の若い頃を思い出して、甘酸っぱい思いに駆られました。スウェーデン放送交響楽団もハーディングの棒に応えて、なかなか素晴らしい演奏です。
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