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ティーレマンのシューマンは凄かった!・・・シュターツカペレ・ドレスデン@サントリーホール 2018.10.31

やっぱり、ティーレマンの指揮は凄い。8月にバイロイト音楽祭で聴いたばかりですが、何はともあれ、ティーレマンは必ず、満足させてくれます。ロマンティック過多とか、大袈裟過ぎるとか、非難されることも多い指揮者ではありますが、これほどの音楽を聴かせてくれる指揮者が今も昔もどれだけいたでしょう。とりわけ、実演での圧倒的な迫力にはひれふすのみです。今日のシューマンもすっかり魅了されました。以前、ウィーン楽友協会でティーレマン指揮ウィーン・フィルでシューマン尽くし(第1番、第4番ほか)を聴いたときの凄い響きはこのサントリーホールの音響レベルでは残念ながら味わうことはできませんが、その代わり、シュターツカペレ・ドレスデンとの完成度の高い演奏がシューマンの交響曲の素晴らしさを実感させてくれました。交響曲第1番 「春」を聴き終えて、シューマンのオーケストラ曲の最高の楽しさを味わえました。その楽しさはウィーン・フィルとの演奏のとき以上です。一言で言えば、《満足》以外の何ものでもありません。しかし、交響曲第2番の演奏はさらにそれを上回るものです。第1楽章のいきいきとした演奏に心躍り、第2楽章の充実した響きを味わい、第3楽章にはいると、シューマンの暗く沈んだ抒情に心打たれます。そして、シュターツカペレ・ドレスデンの美しい響きに心が熱くなります。第4楽章はシューマンらしい祝祭的な高揚が存分に発揮されながら、どんどん、熱く燃え上がるような演奏が展開されていきます。コーダの美しさと同居した迫力には圧倒されて、ただただ、感動します。究極のシューマンを聴かせてもらいました。シューマニアーナの一人として、こんなに素晴らしい演奏を聴かせてくれたティーレマンシュターツカペレ・ドレスデンの感謝するのみです。シューマンは歌曲、ピアノ曲も最高ですが、交響曲もベートーヴェン、シューベルトからの流れを引き継ぎ、来たるべきブラームスに至るドイツ・オーストリア音楽の本流の重要な位置を占めていることが実感できるコンサートでした。明日は大好きな第4番が聴けます。大変な名演の予感がします。


今日のプログラムは以下のとおりです。

  指揮:クリスティアン・ティーレマン
  管弦楽:シュターツカペレ・ドレスデン

  シューマン:交響曲第1番 変ロ長調「春」 Op.38

   《休憩》

  シューマン:交響曲第2番 ハ長調 Op.61


最後に予習について、まとめておきます。

シューマンの交響曲第1番を予習したCDは以下です。

  ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ウィーン・フィル 1951年10月29日 ミュンヘン、ドイツ博物館コングレスザール ライヴ録音
  レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィル 全集盤 1984~85年録音
  ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮シュターツカペレ・ドレスデン 全集盤 1972年録音 ドレスデン ルカ教会
  クリスティアン・ティーレマン指揮フィルハーモニア管弦楽団 2001年録音

フルトヴェングラーは第4番の凄い演奏とは比べられませんが、これも素晴らしい演奏です。バーンスタインのCDは久しぶりに聴いてみましたが、大変な名演です。以前聴いたときにはまだ、シューマンの交響曲の素晴らしさ自体が分かっていませんでした。ウィーン・フィルの演奏も流石です。シュターツカペレ・ドレスデンの演奏も聴いておかねばと思って聴きました。この後、シノーポリとの録音もありますが、評判の高いサヴァリッシュの指揮を聴きました。角のとれたまろやかな演奏で、こういうシューマンもいいですね。ティーレマンの録音も聴いてみました。実演で聴いたウィーン・フィルとの演奏に比べると、もう一つ、突っ込みが足りない感じです。再録音が望まれます。


シューマンの交響曲第2番を予習したCDは以下です。

  レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィル 全集盤 1984~85年録音
  ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮シュターツカペレ・ドレスデン 全集盤 1972年録音 ドレスデン ルカ教会
  クリスティアン・ティーレマン指揮フィルハーモニア管弦楽団 1996年録音

いずれの演奏も感想は上に書いた第1番と同様です。バーンスタインの演奏を聴いていれば、満足できます。サヴァリッシュも十分、鑑賞にたえるいい演奏です。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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金婚式、おめでとうございます!!!
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京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

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クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
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07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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