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シューマンを堪能!ティーレマン&シュターツカペレ・ドレスデン@サントリーホール 2018.11.1

ティーレマンは最高級のレベルでシューマンの4曲の交響曲を揃えてきました。まったく、期待した通りのシューマン・ティクルスでした。とりわけ、初日の第2番が最高の出来で、続いて、今日の第4番、そして、第1番と第3番も見事な演奏でした。ティーレマンの棒の下、すっかり、手兵と化したシュターツカペレ・ドレスデンはぴったりと息の合った演奏を聴かせてくれました。特にティーレマンが金管セクションを素晴らしいバランスで響かせていたのが効果的に思えました。妙な言い方になりますが、ティーレマンのシューマンの表現はまるでオペラを演奏しているかの如く、鮮やかに情景を描いていくような感覚がありました。こういうシューマンの在り方は初めてです。

かくのごとく、素晴らしい演奏ではありましたが、オーケストラの統率がとれ過ぎた感も否めません。ある意味、緊張感には乏しい感じもありました。そのためか、いつものようなティーレマン特有のぐいぐい押してくるような圧倒的な迫力が不足している部分もありました。それが感じられたのは一番期待していた第4番の演奏です。以前、ウィーン・フィルを振ったときには、強引過ぎるほどにオーケストラをドライヴして、それが圧倒的な迫力につながっていました。それはなかなか言うことをきかないウィーン・フィルと対峙して、己の考える表現に引っ張っていったティーレマンの腕力が高い緊張感につながっていたものでした。今日の演奏はティーレマンの棒に素直に反応するシュターツカペレ・ドレスデンだったので、かえってティーレマンの音楽表現が単調になってしまったような感じです。もちろん、これは音楽演奏の高いレベル上の話であって、リハーサルをよくこなした結果、美しい演奏になったとも言えます。指揮者の棒とオーケストラがバラバラというのも困ったものですから、どこらあたりでバランスをとるべきか、難しいものです。第1番と第3番はよく練れた素晴らしい演奏になっていたと思います。ひとえに第4番が問題だったんです。

今日の演奏では、第3番の演奏が優れていました。それほど出番の多くない金管を効果的に響かせて、スケールの大きな演奏を聴かせてくれました。特に両端の楽章の歌い上げるような演奏は前述したようにまるでオペラを聴いている感じになりました。シューマンはライン川を描く情景音楽を意識的に作り上げたわけではないでしょうが、意識下には毎日のように眺めたデュッセルドルフのラインの大河が厳然と存在したのではないでしょうか。ティーレマンもそういう情景を表出したわけではないでしょうが、実に丁寧に表現した音楽からはくっきりとライン川の堂々たる流れが浮き出ていました。こう書いていて思い出しましたが、ティーレマンはシューマンの音楽を実に丁寧に演奏していたのが印象的でした。まさに1音たりとも表現の枠から抜け落ちさせないという職人的な気配りが働いていました。聴く側のこちらもすべての音を聴き洩らさないではいられないような演奏です。食い入るように聴き入りました。そういう感じで細部の仕上がり具合は完璧で、オーケストラの各セクションの微妙なバランスが見事でした。この丁寧さは第4番でも同じことで、お蔭でこちらも没入して音楽を聴くことになりました。したがって、上記に書いた迫力不足の感は些細なものと言えば、些細なものです。ウィーン・フィルとの凄い演奏を聴いていなければ、今日に演奏ですっかり満足したかもしれません。

とりとめのない感想になってしまいました。2日間の演奏はNHKがすべて収録しましたから、そのうちにテレビ放映されるでしょう。再度、最高級の演奏を楽しませてもらいましょう。


今日のプログラムは以下のとおりです。

  指揮:クリスティアン・ティーレマン
  管弦楽:シュターツカペレ・ドレスデン

  シューマン:交響曲第3番 変ホ長調「ライン」 Op.97

   《休憩》

  シューマン:交響曲第4番 ニ短調 Op.120


最後に予習について、まとめておきます。

シューマンの交響曲第3番を予習したCDは以下です。

  レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィル 全集盤 1984~85年録音
  ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮シュターツカペレ・ドレスデン 全集盤 1972年録音 ドレスデン ルカ教会

バーンスタインの演奏が素晴らしいです。それにこの有名な作品はいまさら予習でもありませんね。


シューマンの交響曲第4番を予習したCDは以下です。

  ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィル 1953年録音
  ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ルツェルン祝祭管弦楽団 1953年8月26日 ルツェルン、クンストハウス ライヴ録音
  レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィル 全集盤 1984~85年録音
  クリスティアン・ティーレマン指揮フィルハーモニア管弦楽団 2001年録音

この曲だけはフルトヴェングラー以外では聴きたくありません。ルツェルン音楽祭のライヴ演奏もAuditeが素晴らしい音質のデータをダウンロード販売してくれて、その凄い演奏を味わうことができるようになりましたが、やはり、ベルリン・フィルとの演奏は音楽を超えた何かがあり、その凄まじさにはただただひれふすのみです。これを超える演奏は不可能ですね。



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       ティーレマン,        シュターツカペレ・ドレスデン,  

ジョナサン・ノットが東響に奇跡を起こす@サントリーホール 2018.11.3

まさに絶好調の東京交響楽団をジョナサン・ノットが指揮するとこうなるのかという驚くべき演奏です。そもそも、ノットがラフマニノフの交響曲 第2番をプログラムに入れたのは何故なのか、理解に苦しむところでしたが、その演奏を聴いて、疑問が氷解したというか、その演奏のあまりのレベルの高さに驚愕しました。これって、あのラフマニノフなのって、感じです。失礼ながら、ラフマニノフでさえ、ノットが料理すると、こんなに変身するのね! というか、もう曲はどうでもよくて、オーケストラ演奏の音響のあまりの素晴らしさにただただ圧倒される思いです。日本のオーケストラでこれほどの素晴らしい響きを聴いたことはありません。もう、ドイツの一流オーケストラに並ぶレベルに思えます。あっ、一昨日聴いたティーレマン指揮のシュターツカペレ・ドレスデンは同じサントリーホールですが、今日のノット指揮の東響ほどの響きではありませんでした。恐るべし!ジョナサン・ノットの才能です。会場は演奏後、沸きに沸きました。もっともジョナサン・ノット指揮の東響のコンサートではいつもの光景です。指揮者コールは一度だけでしたが、二度、三度してもよかったと思います。実際、そのつもりでsaraiは拍手していたんですけどね。

細かい音楽の感想は不要です。素晴らしい東響の響きとそれを引き出したノットの凄さがすべてです。在りし日のチェリビダッケ指揮のミュンヘン・フィルを超える日は間近いでしょう。もっともsaraiはその実演を聴いていませんが、その悔しさをノットと東響はきっと晴らしてくれるでしょう。空席が目立ったサントリーホールでしたが、すべからく、日本の音楽ファンはこのノットと東響のコンサートに駆け付けたほうがいいでしょう。きっと伝説になるようなコンサートが連発するでしょう。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:ジョナサン・ノット
  ピアノ:ヒンリッヒ・アルパース
  管弦楽:東京交響楽団

  ブラームス:ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 Op.83
   《アンコール》
    ブラームス:3つの間奏曲 Op.117から、第1曲 アンダンテ・モデラート 変ホ長調

   《休憩》

  ラフマニノフ:交響曲 第2番 ホ短調 Op.27


最後に予習について、まとめておきます。

ブラームスのピアノ協奏曲 第2番を予習したCDは以下です。

  ルドルフ・ゼルキン、ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団 1966年録音

もっと枯れた演奏を予想していたら、ゼルキンもセルも熱くて、勢いにある演奏を聴かせてくれます。びっくりしますが、なかなかよい演奏ではあります。


ラフマニノフの交響曲 第2番を予習したCDは以下です。

  マリス・ヤンソンス指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 2010年1月 アムステルダム・コンセルトヘボウ ライヴ録音

ヤンソンスの3度目の最新録音です。1986年にフィルハーモニア管と、1993年にサンクトペテルブルグ・フィルと録音しています。この録音はハイレゾで素晴らしい音質で、よい演奏ではありますが、贅沢を言わせてもらうと、ちょっと退屈な感もあります。



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       ジョナサン・ノット,  

ツークシュピッツェ山頂!

2017年8月1日火曜日@ガルミッシュ=パルテンキルヒェン~ツークシュピッツェ~ザルツブルク/8回目

ザルツブルク音楽祭Salzburger Festspieleを1日離れて、ガルミッシュ=パルテンキルヒェンGarmisch-Partenkirchenに来ています。ツークシュピッツェ鉄道Bayerische Zugspitzbahn Bergbahnの終点駅のツークシュピッツプラットZugspitzplatt(標高2588m)から、ロープウェイのゴンドラに乗り込んでツークシュピッツェZugspitzeの山頂に向かっているところです。ゴンドラからはドイツアルプスの峰々が見渡せます。雄大な風景です。ここで急にこのツークシュピッツェがR.シュトラウスのアルプス交響曲の舞台であることを思い出しました。登頂中にPCでこのアルプス交響曲を聴くつもりだったのにすっかり失念していました。盗難にあったIPODには準備してあったのに・・・。

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遥か下方にロープウェイのツークシュピッツプラット駅が見えています。とてもちっぽけに見えます。

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どんどんツークシュピッツプラット駅が遠ざかっていきます。

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右手にはドイツとオーストリアの国境線となる稜線が見下ろせています。

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山頂駅に到着、間近です。

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山頂駅近くから見下ろしたツークシュピッツプラットの風景です。

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左側にはドイツアルプスの絶景が眺められます。

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山頂駅のプラットホームに到着です。ドイツの最高峰にあっさりと来てしまいました。

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ゴンドラを降りました。

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ロープの巻き上げ装置です。

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山頂駅のプラットホームから、眼下にアイプ湖Eibseeの美しい姿が見えています。

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ちょっと場所を変えると、アイプ湖の全景が見えます。アルプスの峰々の間に抱かれるようにアイプ湖は青々とした水を湛えています。

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アイプ湖の右手、東端にはツークシュピッツェ鉄道のアイプゼー駅Eibsee付近の建物密集地があります。

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おや、黄色いくちばしの黒い鳥が近くにいます。通称、ブラックバード、すなわち、クロウタドリでしょうか。スイスアルプスでも見かけた鳥です。

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ホームから出ると、山頂駅の屋上です。売店を覗いてみましょう。

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しばらく、山頂からの絶景を楽しみましょう。絶好の好天で眺めも最高です。



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繊細かつ充実した響き:ヴォーチェ弦楽四重奏団@鶴見サルビアホール 2018.11.5

ヴォーチェ弦楽四重奏団は初聴きです。フランスのカルテットです。ステージに登場すると、そのあまりの容姿の美しさにびっくり。3名は女性でみなさん、美女です。まあ、音楽には関係ありませんけどね。しかし、音楽もその容姿に相応しく、素晴らしい響きと高い音楽性ですっかり魅了されました。演奏した4曲とも、それぞれの様式に合わせて、違う演奏スタイルで表現しますが、それがその曲にぴったりとはまり、美しい音楽になっています。当初は変な構成のプログラムだなと思っていましたが、終わってみれば、多彩な音楽を聴けた喜びに浸ることができました。

好みで言えば、最初のモーツァルトがよかったかな。響きのよい鶴見サルビアホールでありながら、あえて、響きを抑えて、古典様式の美しい演奏を堪能させてくれました。ヴォーチェ弦楽四重奏団の演奏を聴いたというよりもモーツァルトの音楽の素晴らしさに浸ることができました。これでこそ音楽の本道ですね。それにしても、この弦楽四重奏曲 第15番 K.421は聴けば聴くほど、モーツァルトの天才を感じてしまいます。凄い作品です。そう感じさせてくれたヴォーチェ弦楽四重奏団の演奏も凄い! 第2楽章の美しさ、第4楽章の哀しみには参りました。第1ヴァイオリンの少し生硬さのある演奏も新鮮さを感じました。

好みを除いて、一番凄かったのは2番目に演奏したシュルホフの《弦楽四重奏のための5つの小品》です。こんなに素晴らしい作品だったのですね。パヴェル・ハースと同様にシュルホフもナチスの収容所で命を落としたことが悔しいです。ナチスが芸術に対して犯した罪の数々はとても許せるものではありません。これからの世界で2度とこんなことが起きないために人々は行動を起こさないといけないと思っています。今の世界は転落の方向に向かっているような気がしてなりません。ともあれ、シュルホフはモーツァルトのときと違って、ホールに素晴らしい響きが満ち渡ります。第1曲のウィンナーワルツ風、第5曲のタランテラ風の演奏がとりわけ、素晴らしかったです。不意にこのヴォーチェ弦楽四重奏団のバルトークが聴きたくなりなりました。ちなみにこの曲は配置を変えて、ヴィオラが右前で、第1ヴァイオリンが第2ヴァイオリンと交代していました。エマーソン四重奏団のように第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンがよく交代するスタイルではないような気がします。この曲に限ってのことだったんでしょう。演奏スタイルも表現主義を前面に押し出したような意欲的な演奏でした。

3曲目のトゥリーナの闘牛士の祈りは以前、都響のコンサートで弦楽合奏版を聴いたことがありますが、あれは甘い雰囲気でした。今日聴いた弦楽四重奏版は適度に厳しさもあり、ヴォーチェ弦楽四重奏団の演奏はパーフェクトに思える完成度の高さでした。オリジナルはリュートの四重奏だそうです。

4曲目のドビュッシーはよほど、ヴォーチェ弦楽四重奏団が得意にしているのでしょう。最初から確信に満ちた堂々たる演奏でした。第2楽章、第3楽章の弱音の美しさは特筆するものでした。多分、客観的に言えば、今日、最高の演奏だったでしょう。


今日のプログラムは以下です。

  弦楽四重奏:ヴォーチェ弦楽四重奏団
    サラ・ダイヤン vn   セシル・ルーバン vn ギヨーム・ベケール va   リディア・シェレー vc

  モーツァルト: 弦楽四重奏曲 第15番 ニ短調 K.421
  シュルホフ: 弦楽四重奏のための5つの小品

   《休憩》

  トゥリーナ: 闘牛士の祈り Op.34
  ドビュッシー: 弦楽四重奏曲 ト短調 Op.10

   《アンコール》
    ハムザ・エル・ディン:水車 Escalay(Waretwheel)

最後に予習について触れておきます。
1曲目のモーツァルトの弦楽四重奏曲 第15番は既に昨年末からCDを聴き続けています。
過去の記事を以下に再掲します。

----------------------------------2017.11.27

 ウィーン・コンツェルトハウス弦楽四重奏団 1952年録音
 アマデウス弦楽四重奏団(全集盤) 1966年録音
 エマーソン・カルテット 1991年録音

この曲でもエマーソン・カルテットは見事な演奏です。響きの素晴らしさはもちろん、ニ短調に似合った哀調の滲む演奏です。でも、本命はウィーン・コンツェルトハウス弦楽四重奏団の演奏ですね。最初の1小節を聴いただけで、その魅力に引き込まれます。あるべきものがあるべきところに収まっているという感じの演奏です。充足感に満たされます。一方、アマデウス弦楽四重奏団も無理のない自然であっさりした演奏で、これまた、モーツァルトの魅力がたっぷりです。この3枚はどれを聴いても満足できるでしょう。

----------------------------------2017.12.13

 ハーゲン・カルテット(全集盤) 1995年録音
 ジュリアード弦楽四重奏団 1962年録音

ハーゲン・カルテットは一昨年、来日演奏でモーツァルト・ツィクルスを聴かせてくれましたが、CDはそのときほどの素晴らしさではありません。再録音が望まれます。一方、ジュリアード弦楽四重奏団は実に端正な演奏で、これぞモーツァルトという感じです。ウィーン・コンツェルトハウス弦楽四重奏団の名演にも迫る演奏です。これはハイドン・セットをすべて聴かないといけませんね。

----------------------------------過去記事引用終了

今回はまだ聴いていないCDということで以下を聴きました。

 ジュリアード弦楽四重奏団 1977年録音

これはジュリアード弦楽四重奏団の2度目の録音です。1度目ほどの冴えた印象はありませんが、何故か、心に残る演奏です。第1ヴァイオリンのロバート・マンの力が大きいのでしょう。


2曲目のシュルホフの5つの小品は以下のYOUTUBEで予習をしました。

 マイアミ・カルテット

大変、迫力のある演奏ですが、今日のヴォーチェ弦楽四重奏団を聴いてしまうと、演奏の精度と完成度が違いますね。


3曲目のトゥリーナの闘牛士の祈りはYOUTUBEで予習をしました。

 コントラス・カルテット

これはなかなかよい演奏でした。


4曲目のドビュッシーの弦楽四重奏曲は以下を聴きました。

 ベルチャ・カルテット

これは素晴らしい演奏です。新鮮かつ完璧な響きでドビュッシーの世界を満喫させてくれます。



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ツークシュピッツェ山頂からの絶景

2017年8月1日火曜日@ガルミッシュ=パルテンキルヒェン~ツークシュピッツェ~ザルツブルク/9回目

ザルツブルク音楽祭Salzburger Festspieleを1日離れて、ガルミッシュ=パルテンキルヒェンGarmisch-Partenkirchenに来ています。ツークシュピッツェ鉄道Bayerische Zugspitzbahn Bergbahn、ロープウェイを乗り継いで、ツークシュピッツェZugspitzeの山頂に登り詰めました。
山頂駅の屋上のショップに絵葉書が並んでいます。配偶者は孫たちに送る絵葉書を選んでいます。

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山頂には4階建てほどの大きな施設がドイツとオーストリアにまたがって作られています。向かいに見えている屋上展望台はオーストリア側にあります。オーストリアから登ってくるロープウェイのゴンドラも見えています。後で行ってみましょう。

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オーストリア側の展望台の向こうにはチロルの山々が望めます。

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これはオーストリア側の施設への通路の入り口です。チロルにようこそと書いてあります。まだ、チロル側に移動します。

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山々の眺めの案内板があります。これを参考に山々を眺めます。


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チロル内の施設の案内板があります。あとでレストランも覗いてみましょう。

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チロル側にはツークシュピッツェの山頂を示す記念碑があります。ここの標高は2950mです。本当の山頂からは12mほど下に位置していますね。

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切り立つ岩山の稜線が見下ろせます。この稜線の左側にはアイプ湖Eibseeも見えています。稜線の左側も右側もドイツです。今いるところはオーストリアです。

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これが今いるオーストリア側、すなわちチロルの屋上展望台です。真夏なのに雪も残っています。

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今度は配偶者が岩山の稜線を見入っています。この切り立った岩はまさにアルプスですね。氷河が切り取ったものです。

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ドイツアルプスの峰々が遠くまで見渡せます。

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オーストリアのチロル側からのロープウェイが見えます。

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岩山の真下にはチロルの緑の村々が見えています。

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チロルの山々の眺めの案内板と実際の山々の景色が見事に重なります。

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チロルのロープウェイの先には緑の村々、その先にはチロルの峰々が連なっています。

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チロルの雄大な景色です。この向こうにスイスアルプスが続いているのですね。まさにヨーロッパの尾根の連なりです。

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ドイツの最高峰、とは言え、今はチロルにいます。ツークシュピッツェからの絶景は見飽きることがありません。なおも絶景狩りを続けます。



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ツークシュピッツェの本当の山頂は?

2017年8月1日火曜日@ガルミッシュ=パルテンキルヒェン~ツークシュピッツェ~ザルツブルク/10回目

ザルツブルク音楽祭Salzburger Festspieleを1日離れて、ガルミッシュ=パルテンキルヒェンGarmisch-Partenkirchenに来ています。今はツークシュピッツェZugspitzeの山頂からの絶景を眺めているところです。快晴の中、360度の大パノラマを楽しみます。
山頂は風は強いですが、そんなに寒くはありません。風よけを羽織る程度でOKです。山頂駅の屋上展望台を歩き回ります。
これはオーストリアのチロルの村々を見下ろす風景です。

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目を左に転じると、岩山が見えます。先ほどまでいたツークシュピッツェ鉄道Bayerische Zugspitzbahn Bergbahnの終点のツークシュピッツプラットZugspitzplatt(標高2588m)です。そこからロープウェイであっと言う間に標高差ほぼ400mの高さの山頂に登ってきましたが、稜線を自分の足で登ってくる登山客の姿も見えます。やりますね。

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これがドイツとオーストリアを隔てる、切り立った岩山の稜線の先端です。ここから岸壁が一気にチロルの緑の平原まで下り落ちています。ちなみにこの山頂駅内にも国境線がありますが、往来は自由です。

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これがチロル側の屋上展望台です。工事中のクレーンはドイツ側で進められているアイプ湖Eibseeからの長距離ロープウェイのためのものです。今年中には開通する予定です。(その後、予定通り、2017年12月に開通しました。)

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saraiは屋上に残っている真夏の雪を踏みしめてみます。さすがにアルプスですね。

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山頂駅の下には大きな複合アンテナがあります。そこにツークシュピッツプラットからの登山客が登ってきています。

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山頂駅の屋上レストランでは多くの観光客が休んでいます。絶好の天気で大勢の人たちがこのツークシュピッツェの山頂にやってきたようです。

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ここにもまた、通称、ブラックバード、すなわち、クロウタドリらしき鳥が羽を休めています。

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saraiがチロル側の山頂駅のトイレに行き、その帰りにショップを覗いてみます。登頂記念にチロル側のショップでキャップ(野球帽)を買います。チロル側ですから、帽子にはドイツではなく、チロルのツークシュピッツェと書かれています。そのまま、その帽子を被って、配偶者の前に姿を現すと、配偶者からは年寄りじみて見えるって、揶揄されます。まあ、実際、年寄りなんだから仕方がありません。意地になって、そのまま、ずっと野球帽を被っています。(日本に帰ってもその帽子を被る習慣になりましたが、翌年のヨーロッパ遠征の際にバイロイトでその帽子を置き忘れました。残念ですが、ツークシュピッツェの帽子をドイツに置き忘れても不自然ではありませんね。もちろん、その後、代わりの帽子をハイデルベルク大学のショップでゲットして、今でも日本で被っています。)

山頂駅は、相変わらず大勢の人で大賑わいです。が、本当の山頂(標高2962m)は、あと10メートルほど上で、すぐ近くに見えていますが、そこへは自力でよじ登らなければいけません。

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このあたりからはドイツアルプス、チロルの山々の連なりが素晴らしい景観を作っています。この景観を本当の山頂から眺めてみたいなあ・・・。

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山頂へは続々と登っていく人たちがいます。それなりのお年の方もチャレンジしています。岩壁の梯子を登らないといけないようです。

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チロルの帽子を被ったsaraiは羨まし気にその風景を写真に収めています。

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これが山頂駅から山頂に向かう通路です。

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山頂へはこちらという標識が我々を誘っています。

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しかし、無念ではありますが、体力のない我々は自重しましょう。転落事故でも起こしたら、とんでもない迷惑をかけますものね。その写真だけいただいて満足します。

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山頂駅はどんどん混み合ってきます。こんな眺望を楽しめる日はそんなに多くはないでしょうからね。どっと人が押しかけてきているようです。あまり、人で混み合ってしまう前に下山しましょう。十分に絶景は堪能しました。



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ツークシュピッツェの山頂からツークシュピッツプラットへ下山

2017年8月1日火曜日@ガルミッシュ=パルテンキルヒェン~ツークシュピッツェ~ザルツブルク/11回目

ザルツブルク音楽祭Salzburger Festspieleを1日離れて、ガルミッシュ=パルテンキルヒェンGarmisch-Partenkirchenに来ています。ツークシュピッツェZugspitzeの山頂の絶景を楽しみ終えて、撤収しようとしています。
山頂駅からツークシュピッツプラット駅Zugspitzplattに下りるロープウェイのゴンドラに乗り込みます。まだ、朝の10時半です。ゴンドラは結構、混み合っています。みなさんも朝早い行動だったようですね。

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ゴンドラが山頂駅を離れます。

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綺麗な青空をバックにした山頂駅の全容が見えてきます。とても大きな建物です。

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山頂駅がどんどん離れていきます。

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凄い切り立った岩壁の上に山頂駅が建っています。

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青空と岩壁、素晴らしい景色に圧倒されます。3000mには欠ける高さですが、ツークシュピッツェはやはり、れっきとしたアルプスであることを実感します。

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遠ざかっていくツークシュピッツェの景色にじっと見入っています。

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山頂駅の右手には、本当のツークシュピッツェの山頂も見えています。

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山頂駅がずい分離れたところで、登ってくるゴンドラとすれ違います。ここが中間点ということですね。

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山頂駅がちっぽけになってきます。そろそろツークシュピッツプラットへの到着が間近いようです。

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ツークシュピッツプラットの平地の上までやってきました。到着です。

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ツークシュピッツプラット駅のホームにゴンドラが入ります。このあたりはロープウェイの施設以外は荒涼とした風景です。

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ツークシュピッツプラットには雪渓が残っていて、そこで雪遊びができるようです。ここも標高2588mの高地ですし、ドイツは日本よりも緯度が高いですから、夏でもこんな楽しみがあります。

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saraiは南国育ちですから、雪の上を歩くのも珍しい体験です。あえて、雪の上を慎重に歩いてみます。頭には山頂でゲットした帽子をしっかりと被っていますよ。

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配偶者は雪国育ちですから、慣れた足取りです。この夏はユングフラウヨッホに続いて、2度目の雪歩きです。違うのはここはドイツ晴れの絶好の晴天だということです。

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人が集まっている場所があります。近寄ってみましょう。

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子供たちがそり滑りを楽しんでいます。

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親たちはもっぱら子供たちの滑り終わったそりを坂の下からせっせと運び上げています。ご苦労様。それにしてもドイツの女性は逞しいですね。

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雪見物も終わったので、そろそろ、登山電車の駅に向かいます。



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シューマンに酔う:クリストフ・プレガルディエン リートの森@トッパンホール 2018.11.9

ようやく、念願かなってクリストフ・プレガルディエンの歌唱を聴くことができました。それもシューマンの歌曲尽くしですから、こんなに嬉しいことはありません。冒頭から、その美声にうっとりと聴き入ります。最初の《5つの歌曲 Op.40》はアンデルセンの詩にシューマンが劇的な表現の歌曲を作曲したものですが、プレガルディエンはそれも多彩な表現で歌い上げます。見事ですね。しかし、続く《リーダークライス Op.39》を聴くと、そのあまりにも美しい音楽に酔ってしまいます。とりわけ、有名な第5曲の月夜は美の極致とも思える絶唱でした。

後半は大好きな《詩人の恋》です。一部、声が割れたこともありますが、美しくて、多彩な表現は素晴らしくて、本当に満足しました。第1曲の《うるわしき5月に》は期待通りの歌唱でしたし、ほかの曲も挙げていけば切りがないほどです。特にリリックな表現が素晴らしくて、テノールならでは歌唱が聴けました。満足以外の何ものでもありません。

アンコールはさらに美しい歌唱が聴けました。ハイネの詩にシューマンが曲をつけたものが続きます。そして、曲の紹介なしに歌い始めたのは、大好きなミルテの花の第1曲 献呈です。これはハイネではなく、リュッケルトの詩ですね。今回、シューマンの歌曲を予習していたときに不意にどうしようもなく、ミルテの花を聴きたくなりました。取り出したのは、バーバラ・ボニーが4曲だけ歌った録音です。献呈、くるみの木、睡蓮の花(ハスの花)、ズライカの歌。どれも澄み切った声で素晴らしい歌唱です。saraiの愛聴盤です。ミルテの花を全曲歌ってくれなかったのが残念ですが、それをもってもあまりある美しい歌唱です。特にくるみの木の素晴らしさはどうでしょう。アンコールではハイネの詩による睡蓮の花を歌うと、予想していましたが、外れました。やはり、歌うなら、シューマンが結婚のプレゼントにしたミルテの花、それも献呈が一番でしょう。ボンにあるロベルト・シューマンとクララの美しいお墓の前でも聴いて、感動しました。そのときもバーバラ・ボニーの歌でした。今日は本来の男声で聴けて、満足です。アンコールの最後にもうシューマンの曲はないと言いながら(献呈の後では歌う曲はありませんね)、彼のお気に入りのシューベルトの《夜と夢》を歌ってくれました。シューマンは特別に好きですが、シューベルトも負けず劣らず好きです。でも、この曲はsaraiの範疇にはいっていませんでした。のっけらレガートと言うよりも持続音の美しさにガーンとやられます。シューベルトにこんな美しい曲があったのですね。素晴らしいボーナスがいただけました。
今日から、クリストフ・プレガルディエンはsaraiの好きな歌手に仲間入りです。機会があれば、これからも積極的に聴きましょう。

今日のプログラムは以下です。

  テノール:クリストフ・プレガルディエン
  ピアノ:ミヒャエル・ゲース

  シューマン:5つの歌曲 Op.40(詩:アンデルセン、シャミッソー)
  シューマン:リーダークライス Op.39(詩:アイヒェンドルフ)

   《休憩》

  シューマン:詩人の恋 Op.48(詩:ハイネ)

   《アンコール》

  シューマン:リーダークライス Op.24より 第9曲 ミルテとばらの花を持って
  シューマン:5つのリートと歌 Op.127より 第2曲 あなたの顔は
  シューマン:ベルシャザル Op.57
  シューマン:ミルテの花 Op.25より 第1曲 献呈
  シューベルト:夜と夢 D827

最後に予習について、まとめておきます。

シューマンの《5つの歌曲 Op.40》を予習したCDは以下です。

  ペーター・シュライヤー、ノーマン・シェトラー 1972年録音
  ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ、クリストフ・エッシェンバッハ  シューマン歌曲大全集 1974~76年録音

若き日のシュライヤーの気持ちの乗った歌唱が素晴らしく、ピアノのシェトラーも美しい演奏を聴かせてくれます。フィッシャー=ディースカウはコメントが必要でない美しい声を聴かせてくれますが、シュライヤーほどの気持ちは感じられません。エッシェンバッハのピアノは素晴らしいです。


シューマンの《リーダークライス Op.39》を予習したCDは以下です。

  ペーター・シュライヤー、ノーマン・シェトラー 1972年録音
  ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ、クリストフ・エッシェンバッハ  シューマン歌曲大全集 1974~76年録音

上記と同じ感想です。フィッシャー=ディースカウはこちらの表現は素晴らしいです。


シューマンの《詩人の恋》を予習したCDは以下です。

  フリッツ・ヴンダーリッヒ、フーベルト・ギーゼン 1965年 ミュンヘン セッション録音
  フリッツ・ヴンダーリッヒ、フーベルト・ギーゼン 1966年9月4日、エディンバラ、アッシャー・ホール ライヴ録音
  ジェラール・スゼー、アルフレッド・コルトー 1956年 モノラル録音
  ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ、イェルク・デームス 1957年 モノラル録音
  ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ、ウラディミール・ホロヴィッツ 1976年 カーネギーホール85周年記念演奏会 ライブ録音
  ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ、アルフレード・ブレンデル 1985年 セッション録音
  ペーター・シュライヤー、ノーマン・シェトラー 1972年録音

伝説のヴンダーリッヒを聴きました。青春の揺れ動く情熱、そして、情感のあふれた歌唱に感動しました。1965年のDGの録音、1966年の死の13日前のラストリサイタル、いずれも素晴らしい歌唱です。ほかにも録音が残っているようですから、もっと聴きたいものです。スゼーは古いモノラル録音ですが、音質自体はよく、これも素晴らしい歌唱に感動しました。それにコルトーのピアノが何とも素晴らしいです。フィッシャー=ディースカウも外すわけにはいきません。初めて、《詩人の恋》を聴いたのは彼のレコードでした。学生時代に第1曲の《うるわしき5月に》に憑りつかれていたのはフィッシャー=ディースカウの美しい歌唱を聴いたからです。今回は3つの録音を聴きましたが、それぞれ表現が異なりますが、美しい歌唱であることは変わりません。それにピアノがそれぞれ凄いです。イェルク・デームスの瑞々しい演奏、ホロヴィッツの硬質のタッチの誰にも真似のできない演奏、ブレンデルの美し過ぎる響きの演奏。やはり、この曲はピアノも伴奏ではなく、主役です。シュライヤーは若気の至りか、ちょっと前のめりの表現もありますが、端正な美しさは聴き惚れます。ここでもシェトラーのピアノの美しさが見事です。《詩人の恋》は素晴らしい演奏があまたあります。これでも聴き足りません。



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アイプ湖は人、人、人で大混雑・・・危うく電車に乗り遅れそうに!!! 救世主は配偶者

2017年8月1日火曜日@ガルミッシュ=パルテンキルヒェン~ツークシュピッツェ~ザルツブルク/12回目

ザルツブルク音楽祭Salzburger Festspieleを1日離れて、ガルミッシュ=パルテンキルヒェンGarmisch-Partenkirchenに来ています。ツークシュピッツェZugspitzeの山頂から下界に向かって下りているところです。ロープウェイでツークシュピッツプラット駅Zugspitzplattまで下りてきました。ちょっと雪見物をした後、登山電車の駅に向かいます。レストハウスの前までやってきました。

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レストハウスのテラス席は意外にガラガラです。まだ、昼時でもないし、途中駅でゆったりしている人はいませんね。

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このテラス席からの眺めはなかなかよさそうです。しかし、我々もここでゆったりしているわけにはいかないので、駅に向かいます。

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登山電車の駅に着きました。大きな白い犬を連れた女性がいます。ヨーロッパでは犬を連れての行動が普通ですね。

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次の電車はガルミッシュ=パルテンキルヒェン行きではなくて、アイプゼーEibseeの駅までしか行きません。ガルミッシュ=パルテンキルヒェン行きはその30分後です。途中のアイプゼーまで行って、30分間、アイプ湖Eibseeの湖畔でも散策することにしましょう。下りの電車はガラガラですが、すれ違う登りの電車はとっても込み合っています。早めの行動でよかったです。

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登山電車はツークシュピッツェの岩山の中の長いトンネルを走り続けます。アイプゼーが近づき、ようやく、トンネルを抜けて、林の中を走っていきます。

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アイプゼーの駅に到着します。駅前の大駐車場は車がびっしりと駐車しています。大変な混雑です。

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駅のホームを出ると、登山電車待ちの人が大行列。その行列の長さに、唖然とします。数時間は待たないと電車に乗れないでしょう。

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駅前からはツークシュピッツェが青空を背景にくっきりと見えています。アイプゼー駅は標高1008mなので、標高2962mのツークシュピッツェの山頂は2000mほどの高さです。

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駅からアイプ湖に向かう途中の広大な駐車場は車で満杯です。駐車場待ちの車も路上でウロウロしています。下界は大変なことになっていたのですね。アイプ湖まで下ってみますが、湖畔はカフェが陣取り、湖畔に近寄れません。ここも大勢の人で騒々しいです。何とか、カフェの横からアイプ湖をチラ見します。美しい湖面が夏の陽光に輝いています。

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湖畔のカフェは観光客でいっぱいです。とてもゆっくりできそうにありません。

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アイプ湖のボート遊びにも心惹かれますが、ボートも待ち行列ができているようです。

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ともかく、アイプ湖を間近に見たので、それで満足して、駅に戻ります。いずれにせよ、30分ほどしか時間がなかったのですけどね。急いで、駅までの坂道を上ります。
さて、ここからが大問題です。登りの電車のものすごい行列の中を、どうして下りの電車に乗れば良いのでしょう。下りの電車に乗る人のための通路はありません。

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saraiが、その旨(下りの電車に乗りたい・・・)を整理に当たっている駅員に説明しますが、当然、チケットを持って行列に並べと言われ、仕方なくスゴスゴと行列に並ぼうとします。

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その様子を見ていた配偶者はハ~!と一息ついて、行動に移ろうとします。こういうときは配偶者の出番です。saraiはからっきし、意気地がありません。
配偶者が駅員の前に行って、(山の上を指さし)・・・・ウィ、フィニッシュ!・・・(山の下を指さし)・・・ウイ、ウォントゥゴウ。
駅員は、オ~、(山の上を指さし)ユウ、フィニッシュ!と言い、だったら、ここを抜け改札を通ってホームに出てくれよと道を開けてくれます。長い行列の近くの人たちも、ユウ、フィニッシュ!かとニコニコしています。
これで1件落着です。(トリノで体得した実践英会話術が炸裂しました。こういうことでは配偶者は逞しい!)

配偶者の押しで駅のスタッフを説き伏せて、行列を迂回して、下りのホームに出ます。危ない、危ない・・・。ホームには数人しかいません。

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登りのホームは人であふれています。でも、ホームに入れた人は幸運なんです。駅の外にはホームに入れずに大行列している人たちがいますからね。

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登りの電車も下りの電車もあと数分で到着する筈です。何とか配偶者のお蔭で予定通りのガルミッシュ=パルテンキルヒェン行きの電車に乗れそうです。



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アイプ湖からガルミッシュ=パルテンキルヒェンへ

2017年8月1日火曜日@ガルミッシュ=パルテンキルヒェン~ツークシュピッツェ~ザルツブルク/13回目

ザルツブルク音楽祭Salzburger Festspieleを1日離れて、ガルミッシュ=パルテンキルヒェンGarmisch-Partenkirchenに来ています。ツークシュピッツェZugspitzeの山頂からアイプ湖Eibseeに下りて、また、アイプゼーEibseeの駅から登山電車に乗るところです。大混雑を抜けて、ホームにたどり着くことが大変でしたが、予定通り、ガルミッシュ=パルテンキルヒェンに戻る電車の到着を待っています。
先に隣のホームに山登りの電車が到着します。大変な混み合いようです。

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入ってきた山登りの電車にホームの人を乗せ、中の込み具合を見て、さらに行列の人を乗せるという調整をしています。ここから先は急な上り坂で1時間ほどかかります。もちろん立ちっぱなしです。ご苦労様!

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今度は下りの電車がホームに入ってきます。

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我々が乗るガルミッシュ=パルテンキルヒェン行きの電車です。

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無事に我々は楽々と空いた電車に乗り込みます。車窓から隣のホームに停まっている山登り電車を見ると、満員の電車の中でへたり込んでいる人たちが見えます。大変そうですね。

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順調にガルミッシュ=パルテンキルヒェン行きの電車は走り出しますが、15分ほど走って、最初の駅、グライナウGrainauに着くと意外な展開になります。何と乗客は全員、この途中の駅で降ろされます。

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最初は意味が分からずウロウロします。どうやら、この駅で、上りと下りの電車がそれぞれ折り返し運転しているようです。

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折り返しの電車はまだ、乗り継いでくる電車が来ていないので、車内はガラガラです。

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やがて、到着した折り返しの電車に乗り換えて、無事にガルミッシュ=パルテンキルヒェンに向かって、再び、走り出します。車窓にはツークシュピッツェの麓の美しい緑の村が目に入ります。

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村の向こうにはツークシュピッツェの姿が見えています。

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さきほど登ってきたばかりですが、ツークシュピッツェの姿からは目が離せません。

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沿線にはテラスに花を飾った綺麗な建物があります。いかにもバイエルンらしい建物です。

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青空と山と緑の平原・・・気持ちがいいですね。

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いつまでもツークシュピッツェの姿が見えています。

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ハンメルスバッハHammersbachの駅に到着します。ここでは電車から降ろされません。ほっとします。

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あと15分ほどでガルミッシュ=パルテンキルヒェンです。ザルツブルクへの電車に乗る前にまだ、町をぶらぶらする時間があるようです。



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庄司紗矢香、気魄のシベリウス・・サンクトペテルブルク・フィル@サントリーホール 2018.11.12

庄司紗矢香、満を持してのシベリウス。音楽と言うか、気合というか、人間の心のありったけをぶつけるような魂の叫びです。庄司紗矢香の成長は音楽家というよりも人間としての成長のようです。シベリウスの音楽を用いて、彼女自身の魂の高揚感を我々、聴衆に投げかけてきます。こちらもそのボールをしっかりと受け止めていきましょう。シベリウスを聴いているのか、あるいはバッハの無伴奏を聴いているのか、自分でも一瞬、分からなくなるような、厳しくも時にロマンあふれる演奏です。庄司紗矢香がこれまでの音楽人生で培ってきたものをすべて表現しているような気がします。凄い日本人音楽家になったものです。第1楽章の半ばに至ると、彼女の気魄に圧倒されて、感動の涙が滲んできます。こういうレベルのシベリウスを実演で聴かされるとは思っていませんでした。ところで、彼女のヴァイオリンの響きはきちんと聴こえてきますが、オーケストラの音は弱い響きでしか聴こえてきません。これでは協奏曲ではなくて、まるでオーケストラ伴奏付きのヴァイオリン幻想曲みたいです。本来、指揮するはずのテミルカーノフくらいの巨匠でないと、今日の庄司紗矢香を受けて立つことはできませんね。代演のニコライ・アレクセーエフは遠慮しながらの抑えた指揮のようです。それだけが残念ですが、逆に言えば、オーケストラの音に邪魔されないで、庄司紗矢香のヴァイオリンをたっぷりと味わうことができます。やがて、凄いレベルの演奏が続いた第1楽章が終わりました。実演では昔、ヒラリー・ハーンのパーフェクトな素晴らしい演奏を聴いたことがありますが、いまや、庄司紗矢香はそのレベルを大きく超えました。彼女は素晴らしい音楽家になりましたね。私見ですが、今、少なくともこのシベリウスの演奏で彼女に肩を並べることができるのは、リサ・バティアシュヴィリくらいなものでしょう。庄司紗矢香の禁欲的で気魄のこもった演奏に対して、バティアシュヴィリは熱いロマンの香り立つセクシーな演奏で魅了してくれます。タイプが異なりますが、いずれも世界の頂点にたつ演奏です。こうなると二人の演奏でチャイコフスキーの聴き比べをしてみたいですね。今日の演奏に話を戻します。第2楽章は一転して、静謐な演奏に変わります。しかし、後半はまた、気魄に満ちた演奏に高揚します。第3楽章はメリハリをつけて、ダイナミックな演奏です。コーダでの気魄は何ものをも圧倒する渾身の演奏です。身震いをおぼえるほどの素晴らしさに感動するのみです。超絶的で凄い演奏でした。今の彼女は何を弾かせても、向かうところ敵なしといった風情です。彼女の演奏をずっと聴き続けてきましたが、この10数年の音楽的・人間的成長は想像を超えるものでした。
ヴァイオリンの庄司紗矢香、ピアノの田部京子を聴いていれば、saraiのヨーロッパ遠征は不要とも思えます。あっ、それにノット指揮東響、ロータスカルテットという強力な団体もいます。できれば、彼らがコラボしてくれればなあ・・・。

後半はラフマニノフの交響曲第2番。これは予想外に素晴らしい演奏でした。今年はユーリ・テミルカーノフ指揮読売日本交響楽団、ジョナサン・ノット指揮東京交響楽団と凄いラフマニノフの交響曲第2番を聴きましたが、今日の演奏はロシアのオーケストラならではの演奏です。テミルカーノフはこの曲をラフマニノフの《ロシアの憂愁》と呼んでいるそうですが、saraiの言葉では《どうしようもないやるせなさ》になります。これは日本のオケではなかなか表現できません。今日のサンクトペテルブルク・フィルは第1楽章と第3楽章でこの《どうしようもないやるせなさ》を感じさせてくれました。代演のニコライ・アレクセーエフもテミルカーノフの路線を引き継いで、見事な指揮を聴かせてくれました。総合力では、ノット指揮東響のオーケストラ演奏の極致とも思える演奏が最高でしたが、ラフマニノフの真正の音楽と言う点では、今日のロシア人たちの演奏が見事でした。分厚い低弦の響きが印象的でした。これぞ、サンクトペテルブルク・フィルです。これに匹敵できるのはロイヤル・コンセルトヘボウ管くらいです。いずれも大男(+大女)たちの集団ですからね。

素晴らしいコンサートでした。そうそう、庄司紗矢香のアンコールですが、チェブラーシカより誕生日の歌ということで、あとひと月で80歳を迎えるテミルカーノフへのプレゼントだったのかな。この場に彼がいなくて、残念です。また、庄司紗矢香とテミルカーノフという最高の名コンビの演奏を聴きたいものです。テミルカーノフのご健康が回復することを願っています。

今日のプログラムは以下のとおりです。

  指揮:ニコライ・アレクセーエフ(ユーリ・テミルカーノフの代演)
  ヴァイオリン:庄司紗矢香
  管弦楽:サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団

  シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47
   《アンコール》 チェブラーシカより誕生日の歌

   《休憩》

  ラフマニノフ:交響曲第2番 ホ短調 Op.27
   《アンコール》 チャイコフスキー:『くるみ割り人形』より「トレパック」


最後に予習について、まとめておきます。

シベリウスのヴァイオリン協奏曲を予習したCDは以下です。

  リサ・バティアシュヴィリ、ダニエル・バレンボイム指揮シュターツカペレ・ベルリン 2016年7月 ベルリン

これまでのマイ・ベストはヒラリー・ハーンの演奏でしたが、このバティアシュヴィリの演奏を聴いて、これからはこれがマイ・ベストに変わりました。素晴らしく熱のこもった演奏ですし、彼女の演奏の特徴である色っぽさがあり、とても魅惑されます。とりわけ、これほどの高揚感のある第1楽章は聴いたことがありません。


ラフマニノフの交響曲第2番は今年になって、2回も実演を聴き、もう予習は十分でしょう。以前、予習した際の記事を以下に転載します。

-----------------------------------------------ユーリ・テミルカーノフ指揮読売日本交響楽団を聴いた際の予習

 アンドレ・プレヴィン指揮ロンドン交響楽団 1973年
 ウラディミール・アシュケナージ指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団 1981年
 エフゲニ・スヴェトラーノフ指揮ロシア国立交響楽団 1995年

こういうことを言うと、本当のラフマニノフ好きの方には叱られそうですが、この曲とかピアノ協奏曲第2番とかはそれなりに甘い調べを聴かせてくれる演奏が好みです。そういう面ではアシュケナージは失格。意外にスヴェトラーノフが甘い音楽を聴かせてくれます。とりわけ、第3楽章はしびれます。録音も最高です。甘さも熱さも兼ね備えて聴きやすいのはプレヴィンです。彼の聴かせ上手ぶりは無類のものです。特にこういう曲は素晴らしいですね。古い録音ですが、SACDで音の輝きが際立つようになりました。

-----------------------------------------------ジョナサン・ノット指揮東京交響楽団を聴いた際の予習

  マリス・ヤンソンス指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 2010年1月 アムステルダム・コンセルトヘボウ ライヴ録音

ヤンソンスの3度目の最新録音です。1986年にフィルハーモニア管と、1993年にサンクトペテルブルグ・フィルと録音しています。この録音はハイレゾで素晴らしい音質で、よい演奏ではありますが、贅沢を言わせてもらうと、ちょっと退屈な感もあります。

-----------------------------------------------引用終わり

実は今回もゲルギエフ指揮ロンドン交響楽団の演奏を聴く準備はしていましたが、バタバタしているうちに聴き損ねました。いつか聴いてみましょう。



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       庄司紗矢香,  

さらば、ツークシュピッツェ

2017年8月1日火曜日@ガルミッシュ=パルテンキルヒェン~ツークシュピッツェ~ザルツブルク/14回目

ザルツブルク音楽祭Salzburger Festspieleを1日離れて、ガルミッシュ=パルテンキルヒェンGarmisch-Partenkirchenに来ています。ツークシュピッツェZugspitzeの山頂に登った後、また、ツークシュピッツェ鉄道Bayerische Zugspitzbahn Bergbahnの登山電車に乗って、ガルミッシュ=パルテンキルヒェンに戻っている途中です。
ハンメルスバッハHammersbachの駅のホームからはツークシュピッツェの姿を眺めることができます。

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ホームからは沿線の綺麗な家も見えます。

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山を背景にした家もとても綺麗です。美しい村ですね。

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ハンメルスバッハを出発した電車は美しい緑の野原の中を走っていきます。

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山の麓に広がる草原の中をガルミッシュ=パルテンキルヒェンに向かっていきます。

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次の駅、クロイツエックバーン/アルプシュピッツバーンKreuzeck-/Alpspitzbahnに到着します。駅前の駐車場は車で一杯です。

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ここからもツークシュピッツェの姿を望むことができます。素晴らしい風景です。

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クロイツエックバーンの駅を出ると、また、美しい風景の中を走ります。

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遠くに見えているツークシュピッツェの姿をズームアップして撮影します。異様で近寄りがたい山に見えます。先ほど登った山とは思えません。

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山から、だんだんと遠ざかっていきます。

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電車は牧草地の中を順調に走ります。

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ガルミッシュ=パルテンキルヒェンの一つ手前の駅、ハウスベルクHausberg駅に停車します。駅前の牧草地には牛が草を食む姿も見えます。

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青空、山、草原、素晴らしい風景です。

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その草原では牛たちが黙々と草を食んでいます。長閑な風景です。

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ツークシュピッツェの姿も遠い彼方です。

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ガルミッシュ=パルテンキルヒェンはもうすぐです。



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ガルミッシュ=パルテンキルヒェンに帰着・・・R.シュトラウス研究所は空振り

2017年8月1日火曜日@ガルミッシュ=パルテンキルヒェン~ツークシュピッツェ~ザルツブルク/15回目

ザルツブルク音楽祭Salzburger Festspieleを1日離れて、ガルミッシュ=パルテンキルヒェンGarmisch-Partenkirchenに来ています。ツークシュピッツェZugspitzeからツークシュピッツェ鉄道Bayerische Zugspitzbahn Bergbahnの登山電車でガルミッシュ=パルテンキルヒェンに戻ってきました。
ガルミッシュ=パルテンキルヒェンの駅に着くと、ここでもチケット窓口に大行列ができています。電車を降りた人たちは、顔を見合わせて、ほっと安堵の表情です。

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朝はガラガラだった駐車場も満車。今日はどこも1日中大混乱でしょう。早起きは三文以上のお得でした。その行列を横目に見ながら、ドイツ国鉄DBの駅のほうに向かいます。

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この後、ミュンヘン経由でザルツブルクに戻ります。駅の出発時刻表には、一番下に我々が乗る予定のムルナウMurnau経由ミュンヘン・パージングMünchen-Pasing行きの2時7分発の電車が表示されています。

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まだ、1時間20分ほどあります。この乗り換え時間を使って、ガルミッシュ・パルテンキルヒェンにあるR.シュトラウス研究所にちょっとだけ寄っていきます。駅前にそのR.シュトラウス研究所Richard-Strauss-Institutの位置を示す案内板があり、びっくり。そんなにメジャーな施設なのでしょうか。

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配偶者は相変わらず、駅前にあった花屋さんの店先を眺めています。

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と、店先の一角にエーデルワイスの鉢植えがあるのを発見して大喜び。これが日本なら、即、お買い上げでしょうが、ここから日本に連れて帰るわけにはいきません。残念でした。

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駅前からまっすぐに伸びるバーンホフ通りBahnhofstraßeを歩いていきます。すぐにパートナッハ川Partnachを渡ります。この川は清冽な流れです。

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バーンホフ通りを進んでいくと、やがて、R.シュトラウス研究所は右に曲がれという案内板があります。この先の交差点で右折するようです。

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だだっ広い通りで右に曲がります。ハウプト通りHauptstraßeです。

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ここでちょっとR.シュトラウス研究所の場所が分からなくなりますが、ハウプト通りを渡って、左手に少し入ったところにR.シュトラウス研究所を発見します。無駄にした時間は5分ほどです。

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R.シュトラウス研究所の前は美しい公園になっています。

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R.シュトラウス研究所に入りましょう。ところが研究所の扉は固く閉じられています。張り紙があります。何と今日は臨時の休館のようです。

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そんなあ・・・何とか時間を作ってきたのにね。残念ですが仕方がありません。扉の隙間から、中をうかがうと、何やらシュトラウスらしき彫像も見えます。

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なおも中をうかがい続けますが、それ以上は見えません。

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研究所の周りの公園、クアパーク・パルテンキルヒェンKurpark Partenkirchenにはとってもきれいな花壇があります。

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公園をブラブラしてから、駅に戻りましょう。



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堅実な演奏:クレンケ・クァルテット@鶴見サルビアホール 2018.11.15

クレンケ・クァルテットは結成27年の四重奏団ですが、初来日。もちろん、初聴きです。ドイツの女性4人組のカルテットです。まあ、最近、どのカルテットを聴いてもみな上手いですね。このクレンケ・クァルテットも文句ない演奏です。では、どのあたりに差が出るかと言えば、プログラムの構成とその楽曲に対するアプローチに違いが出るんだと思います。今日のプログラムでは、前半のハイドンで超絶的な演奏をして、後半のチャイコフスキーでびしっと決めるというところに注目しました。

前半の最初のボッケリーニは宮廷音楽のような雅な感じが出ていて、聴いている自分も中世の王侯貴族になったような気がするような、いい感じの演奏です。この調子で次のハイドンも素晴らしい演奏を期待します。しかし、悪くはないけれども凡庸な演奏です。ハイドンを演奏するのならば、やはり、高いレベルでやってもらわないとね。別の楽曲を選んだほうがよかったでしょう。

後半はストラヴィンスキーの珍しい曲で始まります。演奏は及第点です。聴き応えがありました。ストラヴィンスキーも挑戦的な音楽を作っていたのですね。
次はチャイコフスキーの弦楽四重奏曲 第3番です。構成力に優れた美しい作品です。これはかなり美しい演奏でした。とりわけ、第3楽章はとても美しい演奏で、第4楽章の終盤も見事な演奏でした。あと一歩で素晴らしい演奏になるところでしたが、つまらないアンサンブルの乱れもあり、完ぺきに魅了してくれるところまではいきませんでした。このあたりが一流のカルテットとの差なんでしょうか。最後の最後まで詰めを怠ってはいけませんね。少々、欲求不満の感です。

アンコールのヘンリー・パーセルのシャコンヌは魅惑的な素晴らしい演奏でした。これが今日の一番の演奏だったような・・・。

今日のプログラムは以下です。

  弦楽四重奏:クレンケ・クァルテット
    アネグレート・クレンケ vn   ベアテ・ハルトマン vn イヴォンヌ・ウールマン va   ルート・カルテンホイザー vc

  ボッケリーニ:弦楽四重奏曲 Op.2-1(G.159)
  ハイドン:弦楽四重奏曲 第24番 Op.20-6

   《休憩》

  ストラヴィンスキー:弦楽四重奏のための3つの小品
  チャイコフスキー:弦楽四重奏曲 第3番 Op.30

   《アンコール》
    ヘンリー・パーセル:シャコンヌ ト短調 Z.730

最後に予習について触れておきます。
1曲目のボッケリーニの弦楽四重奏曲 Op.2-1(G.159)は以下のCDを聴きました。

 アレア・アンサンブル 2006年録音

この曲はほとんど録音がありません。アレア・アンサンブルが作品2の6曲の弦楽四重奏曲をきちっとした演奏で録音してくれているのは貴重です。ほかに比較するものもないので評価は難しいですが、楽しんで聴けます。


2曲目のハイドンの弦楽四重奏曲 第24番は以下のCDで予習をしました。

 キアーロスクーロ・カルテット 2015年12月録音 ブレーメン、センデザール

キアーロスクーロ・カルテットはアリーナ・イブラギモヴァが第1ヴァイオリンを弾いている注目のカルテットです。ハイドンの作品20の太陽四重奏曲6曲をまとめて録音しています。やはり、イブラギモヴァの表現力豊かなヴァイオリンが素晴らしいです。ただ単に美しいだけではない味わいの深さが見事です。こういう演奏で予習したので、今日の演奏は聴き劣りしてしまいました。


3曲目のストラヴィンスキーの弦楽四重奏のための3つの小品は以下のCDで予習をしました。

 東京カルテット 1987年2月2日 ライヴ録音

これは素晴らしい演奏でした。さすがに東京カルテットですね。この時期は2代目の第1ヴァイオリンのピーター・ウンジャンが弾いていた筈です。あのベートーヴェンの全集を完成させた時期の演奏です。


4曲目のチャイコフスキーの弦楽四重奏曲 第3番は以下のCDで予習をしました。

 ボロディン弦楽四重奏団 1993年録音

やはり、ロシアものはこのボロディンに限ります。素晴らしい演奏です。ロシアの憂愁さえも感じます。



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ガルミッシュ=パルテンキルヒェン:R.シュトラウス研究所前の公園から駅へ

2017年8月1日火曜日@ガルミッシュ=パルテンキルヒェン~ツークシュピッツェ~ザルツブルク/16回目

ザルツブルク音楽祭Salzburger Festspieleを1日離れて、ガルミッシュ=パルテンキルヒェンGarmisch-Partenkirchenに来ています。ツークシュピッツェZugspitzeからガルミッシュ=パルテンキルヒェンに戻った後、ザルツブルクへの電車への1時間ほどの乗り継ぎ時間を利用して、R.シュトラウス研究所Richard-Strauss-Institutを訪れましたが、臨時の閉館のため、残念ながら、入館できません。駅に戻る前に研究所の周りの公園、クアパーク・パルテンキルヒェンKurpark Partenkirchenをブラブラします。
研究所の建物沿いも綺麗な花壇になっています。

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おや、公園の一角ではうら若き乙女たちがランチ中です。何か、しみじみとしたお話をしているようです。

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花壇と樹木の茂る綺麗な公園を一巡りしました。そのためにここに来たわけじゃありませんけどね。

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再び、通りに出て、駅のほうに向かいます。

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駅に向かうバーンホフ通りBahnhofstraßeには、壁にフレスコ画が描かれた古いバイエルンの建物が並んでいます。

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黄色い壁の大きな建物にも、ちょっとだけ、フレスコ画の絵が描かれています。

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その建物の隣は大きな広場になっていて、ベンチで寛ぐ人もいます。暑い夏の日中です。日本人ならば、みな、日差しを避けるところですが、ヨーロッパは短い夏の太陽を大事にします。

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こちらのベンチでも何をするでもなく、陽光を浴びる人がいます。

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駅前に戻ったところで、まだ、電車の時間に早いので、カフェらしきところのテラス席で休みます。もちろん、日本人の我々は日陰の席を選びます。

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バッファローの頭の絵が描かれた妙なウェスタン・カフェ・バーです。

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暑いので、冷たい飲み物があるかと訊いたら、アイスクリーム入りのコーヒーを勧められます。ドイツでは定番ですね。アイスクリームを溶かし込むと何とか冷たくなります。

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駅前にはどーんと大きな建物があります。郵便局です。

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その建物の前にある駅舎を抜けて、プラットホームに出ます。まだ、電車の出発時刻までは10分以上ありますが、どうせ暇ですからね。

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ホームの表示板には、ミュンヘン・パージングMünchen-Pasing行きの2時7分発の電車が表示されています。

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やがて、出発時刻の10分少々前に電車がホームに入線してきます。

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いよいよ、2日間の短いガルミッシュ=パルテンキルヒェン滞在を終えるときがきました。



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オーボエのデパート!三宮正満 オーボエリサイタル@鶴見サルビアホール 2018.11.17

先日聴いたバッハ・コレギウム・ジャパンでの三宮正満の危うげとも思える、なよやかなオーボエの響きに魅せられて、今日のリサイタルを聴いてみることにしました。結果的には、極小のホールで聴く彼のオーボエの響きはしっかりと力強くて、パーフェクトで、ある意味、期待とは大きく異なることになりました。それでも、今回は三宮正満はすべての曲で異なるオーボエを吹くという超人的な技を見せてくれ、とてもオーボエの勉強になりました。彼の吹いたオーボエの種類は下のプログラムの内容をご参照ください。なお、バロックオーボエが2度使われましたが、素材が縞黒檀と柘植で異なるものです。アンコールのオーボエ ダ カッチャは最初に使った18世紀のものではなく、形状も異なる、より新しい時代のものです。プレトークで演奏したチャルメラとショーム、それに太くて音域の低いトルコ?のダブルリードの楽器を合わせると、計11種類のオーボエとオーボエの前身のダブルリード楽器を演奏してくれました。すべて、完ぺきに吹きこなしていましたから、これは単なるオーボエ奏者の域を超えています。超人オーボエ奏者、オーボエのデパート、三宮正満、ここにありというリサイタルでした。

個々の演奏には触れません。オーボエダモーレの甘くて、表現力あふれる響きに魅了されました。バロックオーボエはもはや、バロック音楽には必須の基本楽器であることを認識しました。その上で、フレンチロマンティークオーボエの響きとなめらかな運指の素晴らしさを再認識しました。これがモダン楽器のオーボエの主流になっていることは十分に理解できました。

バッハのフルートソナタBWV1031の第2楽章のシチリアーノはさすがに名曲。演奏したお二人もよほど弾き込んだものとみえて、素晴らしい演奏でした。オリジナルのフルートにも対抗できるレベルの演奏です。(なお、余計なことですが、その昔、バッハのフルートソナタBWV1031はフルートで遊んでいたsaraiの愛奏曲でした。)

チェンバロ・フォルテピアノの平井千絵はフォルテピアノの名手だそうで、後半の確信に満ちたフォルテピアノの演奏には聴き入ってしまいました。それに彼女の細くて繊細な指がフォルテピアノにとても似合っていました。配偶者に彼女はピアノよりもフォルテピアノが似合う指だねって言うと、馬鹿ね、ピアノだって上手な筈よって、たしなめられました。ピアノ演奏を聴いていないので、saraiはやはり、あの美しい指はフォルテピアノにぴったりだと思っているのですが・・・。

これまで、バロックオーボエ、オーボエダモーレ、オーボエ ダ カッチャの区別が分からずにピリオド演奏を聴いていましたが、これからは聴く耳が変わりそうです。
次はバロックに絞ったオーボエリサイタルを期待します。→三宮正満様

今日のプログラムは以下です。

  オーボエ:三宮正満
  チェンバロ・フォルテピアノ:平井千絵

  J.ヘルテル:パルティータ第3番 ニ短調 (バロックオーボエ&チェンバロ)
  J.S.バッハ:カンタータ第76番《もろもろの天は神の栄光を語り》 BWV 76 第2部 第8曲 シンフォニア ホ短調 (オーボエダモーレ&チェンバロ)
  J.S.バッハ:カンタータ第82番《われは満ちたれり》 BWV 82 第3曲 アリア「眠りなさい、疲れ果てた眼よ」より (オーボエ ダ カッチャ&チェンバロ)
  J.S.バッハ:ソナタ 変ホ長調 BWV1031 (バロックオーボエ&チェンバロ)

   《休憩》

  J.ヴィダーケア:デュオソナタ 第1番 ホ短調 (クラシカルオーボエ&フォルテピアノ)
  ヴェルーストゥ: ソロ・ドゥ・コンセール 第4番 Op.77 (フレンチロマンティークオーボエ&フォルテピアノ)
  R.パルマ:リゴレット変奏曲 (ジャーマンロマンティークオーボエ&フォルテピアノ)

   《アンコール》
    モーツァルト:《アヴェ・ヴェルム・コルプス》 K.618 編曲版 (オーボエ ダ カッチャ&フォルテピアノ)

最後に予習について触れておきます。

1曲目のヘルテルのパルティータ第3番は以下のYOUTUBEで予習をしました。

 Giuseppe NALIN(バロックオーボエ)Aldo FIORENTIN(オルガン)

これは素晴らしい演奏です。オルガンのオーボエ風の音色とバロックオーボエの重奏が見事に響きます。


4曲目のJ.S.バッハのソナタ 変ホ長調 BWV1031は以下のCDで予習をしました。なお、2,3曲目は事前にプログラムが公表されていませんでした。

  エマニュエル・パユ(フルート) トレヴァー・ピノック(チェンバロ) 2008年1月録音 ベルリン Teldex Studio

この曲はフルートのための作品なので、第2楽章のシチリアーノを除いて、オーボエでの演奏は見つからず、いつものランパルやニコレでなく、現役のパユのフルートで聴いてみました。悪くはありませんが、やはり、ランパルやニコレには及びません。


5曲目のヴィダーケアのデュオソナタ 第1番は以下のYOUTUBEで予習をしました。6、7曲目は予習していません。

 Claire Brazeau(オーボエ) Bryan Pezzone(ピアノ)

Brazeauという女性オーボエ奏者の演奏が見事です。すっかり聴き惚れました。



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       バッハ・コレギウム・ジャパン,  

ナビル・シェハタ コントラバス・リサイタル@横浜上大岡ひまわりの郷ホール 2018.11.18

昨日のバロックオーボエ・オーボエダモーレのコンサートに続き、今日はコントラバスのコンサート。マイナーな楽器の演奏を連日聴きます。その代わり、昨日も今日も達人です。ナビル・シェハタは以前はベルリン・フィルの首席奏者だった名人です。今日もその名人ぶりをたっぷりと聴かせてくれました。ただし、マイナーな楽器にはそのために書かれた楽曲が少ないという問題があります。昨日のオーボエもフルートの曲を演奏していましたが、今日もチェロやホルンの曲をコントラバスに編曲して弾きます。コントラバス用に書かれた楽曲は聴いたことのない曲ばかりです。

まずはバッハの無伴奏チェロ組曲 第1番です。原曲のト長調よりも2度上(7度下)のイ長調で弾きましたが、そのせいか、原曲よりも穏やかに感じます。もっとも穏やかに感じたのはその演奏によるものだったのかもしれません。温厚なお人柄のとおり、激しく突っ込んだ演奏ではありません。チェロに比べて、演奏は難しいでしょうが、微塵もそれを感じさせない演奏です。ある意味、物足りなさも残りますが、こういうおおらかな演奏もいいでしょう。テンポは普通でした。
ボッテジーニの2曲はコントラバス用に書かれた技巧的な作品だそうですが、これもなんなく弾きこなします。これみよがしな技巧などはこれっぽちもひけらかさない自然で穏やかな演奏です。「夢遊病の女」の有名なアリアのところは楽しく聴かせてもらいました。

後半はベートーヴェンのホルン・ソナタをコントラバスに置き換えたものです。原曲のホルンソナタよりも、ベートーヴェン初期のヴァイオリンソナタを想起させられるような演奏です。楽器が変われば、ずいぶん印象が変わります。ピアノの実兄のカリム・シェハタの切れのいい演奏が光りました。
ブルッフのコル・ニドライは抒情的な美しい演奏。クーセヴィツキーの小さなワルツは滑らかで気持ちよく聴けました。グリエールの間奏曲とタランテラも余裕たっぷりな落ち着いた演奏です。アンコールのアヴェマリアはとても美しい曲で誰の曲かと思っていたら、なんとピアソラとのこと。ピアソラもこんな抒情的な作品を書いたんですね。原曲は歌曲で、後に映画音楽として、オーボエ用に編曲したものだそうです。それをコントラバスに編曲したんですね。イタリアの歌姫ミルヴァが歌っているそうですから、一度聴いてみましょう。

この日のプログラムは以下の内容です。

 コントラバス:ナビル・シェハタ
 ピアノ:カリム・シェハタ

  J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番 BWV1007(コントラバス版 イ長調)
  ボッテジーニ:グランド・アレグロ「メンデルスゾーン風協奏曲」
  ボッテジーニ:ベッリーニのオペラ「夢遊病の女」による幻想曲

  《休憩》

  ベートーヴェン:ホルン・ソナタ ヘ長調 Op.17(コントラバス版)
  ブルッフ:コル・ニドライ Op.47
  クーセヴィツキー:小さなワルツ Op.1-2
  グリエール:間奏曲とタランテラ Op.9

  《アンコール》

    ピアソラ:アヴェマリア(コントラバス版)

最後に予習について触れておきます。

1曲目のJ.S.バッハの無伴奏チェロ組曲 第1番は以下のCDで予習をしました。

 エドガー・メイヤー 2000年録音

これは聴き惚れました。チェロでの演奏に並ぶ名演です。チェロに比べて、深い響きがします。音楽性も優れています。


4曲目のベートーヴェンはホルン・ソナタは以下のCDで予習をしました。なお、2,3曲目は予習していません。

   バリー・タックウェル(ホルン)、ヴラディーミル・アシュケナージ(ピアノ) 1974年録音 イギリス

この曲は原曲のホルン版しか入手できなかったので、タックウェルのホルンで聴きました。ホルンもいいのですが、アシュケナージのピアノが冴え渡っていました。とてもよい演奏です。


5曲目のブルッフのコル・ニドライは以下のCDで予習をしました。

 ピエール・フルニエ(チェロ)、ジャン・マルティノン指揮コンセール・ラムルー管弦楽団 1960年5月録音 パリ

これもオリジナルのチェロ版で聴きました。予想通り、フルニエの格調高い演奏ですが、静かな中に熱さも秘めた演奏です。


7曲目のグリエールの間奏曲とタランテラは以下のCDで予習をしました。6曲目はCDが入手できずに聴いていません。

 ウィース・ド・ブフWies de Boevé (コントラバス)、高橋朋子(ピアノ) 2015年11月録音 ベルリン

ウィース・デ・ブーフェは2016年のミュンヘン国際音楽コンクールとボッテジーニコンクールの両方で優勝した逸材です。演奏もコントラバスとは思えない素晴らしいテクニックで、美しい響きの演奏です。



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ガルミッシュ=パルテンキルヒェンからミュンヘンを経て、ザルツブルクへ

2017年8月1日火曜日@ガルミッシュ=パルテンキルヒェン~ツークシュピッツェ~ザルツブルク/17回目

ザルツブルク音楽祭Salzburger Festspieleを1日離れて、ガルミッシュ=パルテンキルヒェンGarmisch-Partenkirchenに来ています。ツークシュピッツェZugspitzeに登った後、ガルミッシュ=パルテンキルヒェンに戻り、ミュンヘン経由でザルツブルクに帰ろうとしているところです。
ホームの向かいには国境を越えて、チロルに向かう電車が停車しています。これに乗って、インスブルック経由でザルツブルクに戻ることもできますが、ミュンヘン経由のほうが少し到着時間が早いんです。

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ミュンヘン・パージングMünchen-Pasing行きの2時7分発の電車が入線しましたが、ホームの端のほうに停まりました。待っていた人たちと一緒にぞろぞろと移動して、乗り込みます。

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電車のチケットは昨日と同じく、ネットで購入したバイエルンチケットです。もちろん、セカンドクラスの格安チケットです。

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ミュンヘン・パージング行きの電車は定刻に発車。車窓にはドイツアルプスの峰々が見えています。

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駅の構内を出て、緑の草原の中に出ます。アルプスの岩山がくっきりと見えています。

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バイエルンの綺麗な野原の中をミュンヘンに向かって走っていきます。

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今日は午前中、慌ただしく過ぎてしまい、まだ、昼食も食べていません。ガルミッシュ=パルテンキルヒェンの駅舎の中にあったバーガーキングのお店で調達したワッパーとコーラで遅いランチをいただきます。

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ムルナウMurnauを過ぎ、ヴァイハイムWeilheimを出たところです。林を抜けて、綺麗な野原に出てきます。

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トゥッツィングTutzingを過ぎると、シュタルンベルク湖Starnbergseeの湖面が車窓に広がります。

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シュタルンベルク湖の北端のシュタルンベルクStarnbergの船着き場です。

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湖畔の野原では、残り少ない夏の陽光を浴びる人たちが水着姿で日光浴を楽しんでいます。

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シュタルンベルク湖がよく見えます。対岸まで見通せます。対岸にあるベルク城はルードヴィヒ2世が非業の死を遂げた舞台です。時間をやりくりして、その現場を見に行こうと配偶者に提案してみましたが、却下されました。配偶者はルードヴィヒのファンなのにね。

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やがて、シュタルンベルク湖から線路は離れていきます。これでシュタルンベルク湖を見ることもないかもしれません。

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ミュンヘン・パージング駅でSバーンの電車を乗り継ぎ、ミュンヘン・オスト駅München Ostでザルツブルク中央駅Salzburg Hbf 行きの電車に無事、乗り換え完了。
やがて、遠くにキーム湖Chiemseeが見えてきます。来るときにも見たのですが、あれが昨日のことだったとは思えないほど、色んなことがありました。

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すぐにキーム湖の姿は見えなくなり、畑が広がります。キーム湖はこの先にある筈ですが、樹木に遮られて、その姿を見ることはできません。

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ザルツブルクまで、もう1時間足らずです。



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ガルミッシュ=パルテンキルヒェンからザルツブルクに帰着・・・早速、ソコロフのピアノを聴く

2017年8月1日火曜日@ガルミッシュ=パルテンキルヒェン~ツークシュピッツェ~ザルツブルク/18回目

ザルツブルク音楽祭Salzburger Festspieleを1日離れてのガルミッシュ=パルテンキルヒェンGarmisch-Partenkirchenへの小旅行を終えて、ザルツブルクに帰ろうとしているところです。既にミュンヘンを過ぎて、電車はキーム湖Chiemsee近くを走っています。キーム湖と言えば、ルードヴィヒ2世が建設した3つのお城のひとつ、ヘレンキームゼー城Schloss Herrenchiemseeが湖の中央に浮かぶヘレン・インゼルHerreninsel(男島)にあることで有名です。先ほども彼が非業の死を遂げたシュタルンベルク湖Starnbergseeを通り過ぎてきたばかりですが、バイエルン州にはルードヴィヒに関係する史跡が多く残っています。ちなみにノイシュヴァンシュタイン城、リンダーホーフ城もルードヴィヒが建設したお城です。
実は以前、ルードヴィヒのファンである配偶者と意見が一致して、10年に渡る旅でルードヴィヒの3つのお城を訪れたことがります。最後に訪れたのがヘレンキームゼー城でした。2010年のことです。滞在していたザルツブルクから電車でプリン・アム・キームーゼー駅Prien am Chiemseeまで行き、SLとクルーズ船に乗って、お城のあるヘレン・インゼルを訪れた思い出があります。
ちょうど、今、そのプリン・アム・キームーゼー駅に到着。目の前にSLのキームゼー鉄道Chiemsee-Bahnのプリン駅の駅舎が見えます。

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その駅舎の左に視線を移すと、まさにSLが出発するところです。saraiの乗っている電車の到着時刻に合わせているのかもしれません。

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観光客がそのSLを取り巻いています。

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キームゼー鉄道のプリン駅の建物の端の方は樹木の繁る中に埋もれるような感じです。自然と共生しています。

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懐かしいキームゼー鉄道に別れを告げます。

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プリン・アム・キームーゼーを出て、緑の平原の中を走ります。平原の先にはキーム湖がある筈ですが、まったく見えませんね。

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野原の中の道を気持ちよさそうにサイクリングしている女性がいます。

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平原の彼方にちらっとキーム湖の湖面が光ります。

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すぐにキーム湖は姿を隠します。

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次の停車駅、ベルナウ・アム・キームゼーBernau a Chiemseeに到着。駅の看板にはキーム湖Chiemseeでのレジャー風景が宣伝されています。

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キーム湖を過ぎて、美しい緑の野原の中、電車は一路、ザルツブルクに向かいます。

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無事、ザルツブルクに戻ります。バイエルン・チケットを使った格安の運賃での鉄道旅でした。
ザルツブルク中央駅の構内にあるスーパーで、お持ち帰りのお寿司をゲットして、ホテルに向かいます。
昨日の朝チェックアウトしたホテルに再度、チェックインして、部屋で一休み。今夜から、また、ザルツブルク音楽祭で音楽三昧です。

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今夜は9時から、祝祭大劇場でグリゴリー・ソコロフのピアノ・リサイタルです。彼は2000年以降は来日していない、日本人にとっては幻のピアニストとなっています。saraiは初聴きなんです。ホテルからは岩山のトンネを抜けると、すぐに祝祭大劇場です。開演30分ほど前には、また、正装して出かけます。早めにスタンバイして、習慣化しているカフェ・トマッセリのアイスクリームをいただきます。

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遂に実演でソコロフの演奏を聴きました。流石の演奏で会場は大盛り上がり。ヨーロッパでは破格の人気のピアニストなんですね。後半のプログラムのベートーヴェンのソナタは素晴らしい演奏でした。
このコンサートの詳細な記事はここに既にアップ済みです。


明日はガルミッシュ=パルテンキルヒェンへの小旅行の疲れをとる日にしましょう。また、夜はシフの3回目のピアノ・リサイタルを楽しみます。きっと素晴らしい演奏を聴かせてくれるでしょう。



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ザルツブルク音楽祭:町でぶらぶら、お買い物

2017年8月2日水曜日@ザルツブルク/1回目

旅の14日目、ザルツブルクSalzburgの通算7日目です。

今日はガルミッシュ・パルテンキルヒェンGarmisch-Partenkirchenへの小旅行の疲れもあり、また、それ以上にここ数日の30度を超える猛暑もあり、予定していたヴェルヒェンWerfenの氷窟探索は中止。ザルツブルクでゆっくりと過ごすことにします。
朝はホテルの近くのスーパーのシュパーSPARに朝食の買い出しに出かけます。朝から日差しが強いので、日陰を選んで歩きます。

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スーパーにはパックされた魚が並んでいます。美味しそうですが、生ものは買えませんね。

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サンドイッチやカットされた果物があります。このあたりがよさそうです。

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首尾よく牛乳やパンや果物を仕入れることができました。ホテルの部屋に戻って、購入した品を机の上に並べます。

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ホテルの部屋での朝食後、ザルツブルクの町に出かけます。ホテルから町に出るのは、メンヒスベルクMönchsbergの岩山をくり抜いたトンネルを通ります。猛暑の中でもトンネルに入るとひやっとします。天然の冷房ですね。このトンネルはとても便利で、旧市街にも出られますが、直接、祝祭大劇場Großes Festspielhaus、モーツァルト劇場Haus für Mozart、フェルゼンライトシューレFelsenreitschuleの会場にもつながっています。もちろん、スタッフが見張っていて、チケットのチェックをするので、チケットがなければ入れません。ホテルから会場まで雨にも濡れず、天然冷房の通路を抜けて5分ちょっとで行けるのは贅沢の極みです。
で、トンネルを抜けて、旧市街に抜けます。左にはフェルゼンライトシューレの建物が見えています。

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フェルゼンライトシューレの建物の壁には、メンヒスベルクの丘に登る石段があります。この後、そこを登ることになりますが、この時点では未定でした。

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ザルツブルク大聖堂Dom zu Salzburgの前の大聖堂広場Domplatzに出ます。広場は音楽祭の会場になっていて、《イェーダーマン》が公演されます。仮設の観客席が造られています。

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大聖堂広場の本当の主役は聖母像Mariensäuleですが、仮設の観客席の中にひっそりと埋没しています。

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実はザルツブルク大聖堂の裏にある郵便局に、孫に出す絵葉書の切手を買いに来たんです。持参した絵葉書のほかに予備の切手も買っておきましょう。とってもきれいな切手と外国郵便であることを示すシールもセットでいただけます。しっかりした仕事ぶりですね。お誕生日が近いお嫁さんへの誕生日カードもゲットです。郵便局と言っても、色んな雑貨が並べてあります。

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saraiは、不便していたPCのイヤホンをここで見つけて、ゲットしてルンルン。これで後日、予定しているヴェルター湖Wörther See訪問の際にマーラーとブラームスの音楽を聴けるでしょう。

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次にレジデンツ広場Residenzplatzにあるオーストリア名物のマナーMANNERの直営店に行き、ちゃちゃっとお土産を購入。

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可愛くパッケージしてくれます。これで堂々と日本に帰れます。
次の課題はザルツブルク音楽祭記念のワインを買いに行くこと。モーツァルテウムの近くのワイン屋さんにある筈です。メインストリートのゲトライデ通りGetreidegasseを抜けていきます。

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モーツァルトの生家Mozarts Geburtshausの前はいつも観光客で混み合っています。

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その右隣りはお馴染みのレストラン、ノルドゼーNORDSEEですね。

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モーツァルトの生家の建物の1階にはスーパーのシュパーSparのお店が入っています。

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ついでにちょっとお店の中を覗いていきましょう。



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素晴らしき隠れ合唱隊?・・・フランコ・ファジョーリ・リサイタル@東京オペラシティ コンサートホール 2018.11.22

カウンター・テナーの若手の代表格、フランコ・ファジョーリが遂に初来日。素晴らしい声、アジリタを聴かせてくれました。4年前に一度、ザルツブルグ精霊降臨音楽祭でのリサイタルを聴いていますが、そのときは最後のカストラート、Vellutiをテーマにしていました。で、そのVellutiのために書かれたマイヤベーアとロッシーニのオペラからのレシタティーボとアリアが歌われました。今日はオール・ヘンデルです。ザルツブルクのモーツァルテウム大ホールでは2階席の一番後ろで聴いたこともあり、あまり、響きがよくなかったのですが、今日は最高でした。ヘンデルの名アリアを8曲、アンコールを入れると10曲も歌ってくれたのが嬉しいところです。ヘンデルの作った旋律はとても美しいですからね。ともかく、ザルツブルクを大きく上回る歌唱に大満足でした。観衆も東京の観衆は最高です。ファジョーリもとても喜んでいました。

早速、1曲目は歌劇『ロデリンダ、ロンバルドの王妃』より「あなたはどこにいるのか、愛しい人よ?」で美しくて、抒情的な表現で魅了してくれます。
2曲目の歌劇『オレステ』より「激しい嵐に揺り動かされても」ではアジリタが爆発! 素晴らしいテクニックです。男バルトリと異名をとるのもわかりますね。
3曲目の歌劇『リナルド』より「愛しい妻、愛しい人よ」では、また、しっとりとした歌声を聴かせてくれます。曲も最高にいいです。
4曲目の歌劇『リナルド』より「風よ、暴風よ、貸したまえ」では、この日一番のアジリタが炸裂し、会場も大盛り上がりです。

後半は、5曲目の歌劇『イメネーオ』より「もしも私の溜息が」のしみじみとした歌いまわしに惹きこまれます。
6曲目の歌劇『忠実な羊飼い』より「この心にきらめくのを感じる」では終盤の見事な高音の歌唱に圧倒されます。
7曲目の歌劇『アリオダンテ』より「嘲るがいい、不実な女よ、情人に身を委ねて」はこの日、最高の歌唱でした。騎士アリオダンテの一途な思いがひたひたと伝わってきます。こんなに素晴らしいのだから、ファジョーリのアリオダンテでこの歌劇『アリオダンテ』全体を聴きたいものです。声の質、響きがこのアリオダンテ役にぴったりです。ちなみにこの歌劇『アリオダンテ』はsaraiが初めて実演で聴いたヘンデルのオペラです。もちろん、バロックオペラも初めてでした。そういうわけで思い入れも一入なんです。
最後の歌劇『セルセ』より「恐ろしい地獄の残酷な復讐の女神が」はファジョーリの気魄のこめられた歌唱が圧巻でした。

アンコールは嬉しいことに、素晴らしかった歌劇『アリオダンテ』よりのアリアです。うーん、やっぱり、いいね。
アンコール2曲目は2階席から手製の団扇で声援を送る女性によほど感銘を受けたのでしょう。どうやら、団扇にはヴィンチの歌劇『アルタセルセ 』が描かれていたようです。即席で伴奏もなしにアリアの一部を披露して、やんやの喝采を受けます。そういえば、以前、ヨーロッパでジャルスキー、ツェンチッチ、サバドゥス、ファジョーリ、ミネンコの5人の人気CTがこの歌劇に出演して、話題になりましたね。
で、アンコールのシメはお馴染みの「私を泣かせてください」。ファジョーリが客席にドゥー・ユー・ノウ?と訊くと、間髪を入れずにイエスの声がこだまします。1コーラスはファジョーリが歌い、何と2コーラス目は客席の観衆が歌います。まるでプロの女性合唱団のような美声です。この曲はソプラノの曲ですから、やはり、女性が歌うと素晴らしいですね。saraiは聴き惚れてしまいました。最後の3コーラス目はファジョーリと隠れ女性合唱隊の歌声。まるでリハーサルでもやったかのように決まっていました。日本の音楽水準も上がりましたね。それに若い女性にこんなにCTファン、バロックファンがいることが分かり、熟年男性としては嬉しい限りです。そのうちに日本でも、スーパーキャストのヴィンチの歌劇『アルタセルセ 』が聴けるんじゃないでしょうか。熟年のsaraiも駆け付けますよ。

今日のキャストとプログラムは以下です。

  カウンター・テナー:フランコ・ファジョーリ
  古楽器オーケストラ:ヴェニス・バロック・オーケストラ
  

  ヴィヴァルディ:シンフォニア ト長調 RV146
  ヘンデル:歌劇『ロデリンダ、ロンバルドの王妃』より「あなたはどこにいるのか、愛しい人よ?」
  ヘンデル:歌劇『オレステ』より「激しい嵐に揺り動かされても」
  ヴィヴァルディ:コンチェルト ト短調 RV156
  ヘンデル:歌劇『リナルド』より「愛しい妻、愛しい人よ」
  ヘンデル:歌劇『リナルド』より「風よ、暴風よ、貸したまえ」

   《休憩》

  ヘンデル:歌劇『イメネーオ』より「もしも私の溜息が」
  ヘンデル:歌劇『忠実な羊飼い』より「この心にきらめくのを感じる」
  ヴィヴァルディ:歌劇『ジュスティーノ』よりシンフォニア ハ長調 RV717
  ヘンデル:歌劇『アリオダンテ』より「嘲るがいい、不実な女よ、情人に身を委ねて」
  ジェミニアーニ:コンチェルト・グロッソ ニ短調(コレッリのヴァイオリン・ソナタ「ラ・フォリア」op.5-12による)
  ヘンデル:歌劇『セルセ』より「恐ろしい地獄の残酷な復讐の女神が」

   《アンコール》
  ヘンデル:歌劇『アリオダンテ』より「暗く不吉な夜の後で」
  ヴィンチ:歌劇『アルタセルセ 』よりアリアの一部
  ヘンデル:歌劇『リナルド』より「私を泣かせてください」

予習はフランコ・ファジョーリのヘンデル・アリア集のCDで聴きました。素晴らしいCDです。
オーケストラの予習はイ・ムジチ合奏団の色んなCDから聴きました。やはり、イ・ムジチの演奏は明るくて、颯爽としています。イタリアの青空を吹き抜ける風のようです。



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名人たちの饗宴、クリスマス・オラトリオ バッハ・コレギウム・ジャパン@東京オペラシティ コンサートホール:タケミツメモリアル 2018.11.23

いやはや、これほどの演奏が聴けるとはね。クリスマス・オラトリオはマタイ受難曲のようなドラマチックさはありませんが、その代わり、多彩な音楽が満載でとても楽しめます。それを分からせてくれる素晴らしい演奏でした。
まずはいつもながら、バッハ・コレギウム・ジャパン(以下、BCJと略します)の合唱が素晴らしいです。マタイ受難曲と同様にコラールの美しさが格別です。マタイ受難曲のように劇的要素がないにもかかわらず、胸にジーンと迫るものがあり、癒される思いになります。それにマタイ受難曲と違って、様々な形式のコラールが楽しめます。
独唱は4人とも絶好調でしたが、ソプラノのハナ・ブラシコヴァの透明で可憐な歌唱に魅了されました。いっぺんにファンになってしまいました。昔、レコードで聴いたレリ・グリストのことを思い出しました。テノールのザッカリー・ワイルダーの力の抜けた柔らかい歌唱にも好感が持てました。
BCJの弦と管の奏者たちの名人芸は恐れ入りました。オブリガートの美しさはたとえようのない素晴らしさ。いつものBCJのメンバーに加えて、エキストラのメンバーも豪華でした。ヴァイオリンの若松夏美、フラウト・トラヴェルソの菅きよみとオーボエの三宮正満は名人です。三宮正満のオブリガートはオーボエ・ダモーレだったのかな。魅惑的な音色でした。
BCJの弦楽合奏も美しさの極みでした。
全体を束ねる鈴木雅明はまさに人間国宝並みの貫禄で、文句なし。

楽曲の演奏内容は聴きどころ満載で何を書いたらいいのか分かりません。冒頭の第1曲 合唱「歓呼の声を放て、喜び踊れ」でトランペットを含めた祝祭的な高揚感で盛り上がります。第5曲 コラール「如何にしてわれは汝を迎えまつり」で感銘を受け、第9曲 コラール「ああ、わが心より尊びまつる嬰児イエスよ」で感動的に第1部が終了。
第2部は第10曲 シンフォニアの素晴らしい演奏で始まり、コラールやアリアで感銘を受け続けます。この調子で最後の第6部の第64曲 コラール「今や汝らの神の報復はいみじくも遂げられたり」の輝かしい管弦楽としみじみしたコラール合唱まで名演が繰り広げられました。バッハを思いっ切り、満喫し、これ以上の満足感はないほどです。
昨日も同じ東京オペラシティ コンサートホールでファジョーリの歌唱でヘンデルを満喫しましたが、今日のバッハはさらに素晴らしいものでした。日本でこれほどのコンサートが続くとは、音楽ファンにとって、幸せ以上のものです。

今日のプログラムは以下です。

  指揮:鈴木雅明
  ソプラノ: ハナ・ブラシコヴァ
  アルト: クリント・ファン・デア・リンデ
  テノール: ザッカリー・ワイルダー
  バス: クリスティアン・イムラー
  合唱・管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン
   コンサート・マスター:若松夏美
   フラウト・トラヴェルソ:菅きよみ
   オーボエ:三宮正満
   ホルン:福川伸陽
   トランペット:ギイ・フェルベ?

  J.S.バッハ:クリスマス・オラトリオ BWV248 全6部(計64曲)

   第3部と第4部の間に《休憩》

最後に予習について、まとめておきます。

 カール・リヒター指揮ミュンヘン・バッハ管弦楽団&合唱団 1965年
  グンドゥラ・ヤノヴィッツ,クリスタ・ルートヴィヒ、フリッツ・ヴンダーリヒ,フランツ・クラス
  トランペット:モーリス・アンドレ

本命盤です。とりあえずはこれを聴いておかないとね。何と言っても、フリッツ・ヴンダーリヒが素晴らしい。ピリオド演奏が全盛の現代でも、この名演の価値は不変です。


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       バッハ・コレギウム・ジャパン,  

ザルツブルク音楽祭:ザルツブルク音楽祭記念のワイン

2017年8月2日水曜日@ザルツブルク/2回目

今日はザルツブルクでゆっくりと過ごすことにして、街でお買い物を兼ねて、ぶらぶらしています。今はモーツァルトの生家Mozarts Geburtshausの前に来ています。その右隣りはどこの町でも見かけるレストラン、ノルドゼーNORDSEEですが、このザルツブルクならではのものが、お店の壁の上にある鉄飾りです。

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モーツァルトの生家の建物の1階にあるスーパーのシュパーSparのお店の中を偵察してみましょう。低いアーチの天井の下に商品が綺麗に並んでいます。普通のスーパーとは品揃えが違うようです。お土産物も並んでいます。町のど真ん中にあるスーパーだからでしょう。

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おっ、お寿司コーナーも充実していますね。今度はここでお買い物しましょう。

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スーパーを出ると、ゲトライデ通りGetreidegasseは観光客でひどい混雑です。

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さて、ワイン屋さんに向かう途中で、ヤギのミルクから作ったアイスクリームを販売するお店、Eisl Eisを偶然発見。

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お店を覗くと、たくさんの種類のジェラートが並んでいます。

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お試しにそのヤギのミルクのジェラートを購入してみます。

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が、我々の舌では味の違いはよく分かりません。でも、美味しいことは美味しいです。
さて、ザルツブルク音楽祭記念のワインを売っているワイン屋さんに向かいましょう。
ザルツァッハ川の前に出て、鍵がびっしりと付いたマカルト橋Makartstegを渡ります。

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橋の上は大変混み合っています。そこで作業車を押す人に遭遇。馬糞のお掃除をする人です。こういう地道な努力が観光地には必要ですね。ご苦労様です。

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マカルト広場Makartplatzに出ると、モーツァルトの家Mozart-Wohnhausの前に出ます。ここは当時はハンニバル広場と呼ばれていたそうです。モーツァルト一家がゲトライデ通りにあったモーツァルトの生家が手狭になったために引っ越した家です。部屋が8つあり、かなり広いものでした。この家はもともと宮廷舞踏教師が住んでいた家で『舞踏教師の家(Tanzmeister Haus)』と呼ばれていました。

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広場の東には、三位一体教会Dreifaltigkeitskircheの姿が見えます。

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マカルト広場にちょうどトロリーバスがやってきます。この広場は大きなバスターミナルとしての役割も担っています。

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三位一体教会の建物を左に迂回して、その北側の路地にはいると、目的のワイン屋さんを発見。ワインショップ・ド・グスティブスWine shop De Gustibusです。

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お店の前のテントの横から入店します。

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店内の棚にはワインのボトルが所狭しとびっしり並んでいます。

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お目当てのザルツブルク音楽祭記念のワインを店の店主がすぐに紹介してくれます。お店の中には、ワインを飲んでいる人がいて、今日は暑いねと声をかけてきます。店主がテイスティングをするかいと勧めてくれますが、余計暑くなるから遠慮するというと、飲んでいる客は、スッキリして爽やかになるよと言います。もう上機嫌ですね。ワインもすんなりと買えました。今日からホテルでいただくことにします。ここでしか手に入らないワインです。

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さて、用事はみな終わったので、ランチでもいただきましょう。



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ザルツブルク音楽祭:美味しいランチはよかったけど、少しワインを飲み過ぎて、ふらふら・・・

2017年8月2日水曜日@ザルツブルク/3回目

今日はザルツブルクでゆっくりと過ごしています。街でのお買い物をもお目当てのザルツブルク音楽祭記念のワインを首尾よく入手して、完了。
そろそろ、ランチをいただきます。ネットで評判のお店でランチをいただくことにします。そのお店はミラベル宮殿Mirabell Palaceの前を通り過ぎて、ちょっと北に行ったところのフランツ・ヨーゼフ通りFranz-Josef-Straßeに入った緑の多いあたりにあります。カフェ・フィンガーロスCafe Fingerlosというお店です。

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外から見ると、特徴のない外装ですね。でも、お店の前には日陰になったテラス席があるので、暑さを凌げるでしょう。

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早速、テラス席のお店の建物に近い奥まったところに陣取ります。お昼下がりの時間は結構空いています。

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暑いので、まずは飲み物。配偶者はアプフェルザフト、要はリンゴジュースです。たっぷりと氷をコップに入れてもらいます。saraiはいつも通り、よく冷えた白ワイン、リースリンクをいただきます。

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料理が届く間、リースリンクを調子よくいただきます。これがよくなかった。

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料理の最初はスープから。たっぷりと野菜のはいったスープです。

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配偶者は物珍しさから、みそスープを頼みます。要するに味噌汁ですね。

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メイン料理はザワークラウトを添えたソーセージ。

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配偶者はザルツブルク風のオムレツ。どこがザルツブルク風か分かりません。生野菜がたっぷり添えられているのがいいですね。

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なかなか美味しいランチです。日陰のテラス席でゆったりしながら、いただきます。

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ランチをいただいていると、お店のスタッフが寄ってきて、二人の写真を撮ってくれます。サービスがなかなかよろしいですね。

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さらにsaraiの白ワインの空いたグラスを見て、なんだか言ってます。適当に美味しかったとか相槌を打っていたら、お変わりのワインが届きます、で、saraiはワインを飲み過ぎてしまいます。頭がぼーっとしてきます。いつの間にか、まわりの客も増えてきました。そろそろ、酔いをさますためにも、席を立ちましょう。

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ふらふらしながら、ザルツァッハ川のほうに向かいます。なるべく、木陰を選んで歩きます。それくらいの意識ははっきりしています。

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あれあれ、何か見覚えがあると思ったら、ザルツブルクに着いたときに2泊したホテル、ヴィッラ・カールトンですね。そう言えば、ここはミラベル宮殿の裏ですからね。

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ザルツァッハ川の川べりに出ます。

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川べりの道を歩きながら、酔いをさましましょう。ベンチで一休みというのもいいかもしれません。



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ザルツブルク音楽祭:酔い醒ましのザルツァッハ川岸散策

2017年8月2日水曜日@ザルツブルク/4回目

今日はザルツブルクでゆっくりと過ごしています。ランチでワインを飲み過ぎて、酔い覚ましにザルツァッハ川の川べりをブラブラします。

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いつもはあまり歩かない下流の方の川べりを歩いています。

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で、いつもと違う対岸の景色を楽しみます。メンヒスベルクMönchsbergの丘の北の端に聖アウグスティヌス教会Maria Himmelfahrt, heiliger Augustinus, heiliger Alexius von Romが見えています。教会の向こうには、見えてはいませんが、ミュルン修道院Kloster Mülln(今はその役目を終えています)とそれに付属するアウグスティナー醸造所Augustinerbräuがあります。1621年以来のビールの製法を守っている老舗です。ケラーレストランもあるので、いつかは行ってみたいのですが、夜はコンサートかオペラなので、なかなか機会がありません。

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ザルツァッハ川に架かる歩道者用の橋が近づいてきます。ミュルナー橋Müllner Stegです。

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ミュルナー橋の向こうに見える丘はメンヒスベルクの丘の北端です。

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ミュルナー橋を渡って、対岸の旧市街に向かいます。メンヒスベルクの丘の上には、ホテル シュロス メンヒシュタインHotel Schloss Mönchsteinsが見えています。このホテルにも、いつかは行ってみたいものです。お城を改装した超一流のホテルですが、レストランの利用のみもできるようです。

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橋の上からザルツァッハ川の下流(北)方向を眺めます。見えている橋は鉄道橋です。右に行けば、すぐザルツブルク中央駅です。

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反対側を眺めると、ホーヘンザルツブルク城Festung Hohensalzburgが見えます。

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ミュルナー橋を渡り終えるところです。聖アウグスティヌス教会が近くに見えてきます。

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ミュルナー橋を渡り終え、ザルツァッハ川の西側の岸辺の道、カイプロムナーデKaipromenadeを旧市街のほうに向かって歩きます。saraiはまだ、ワインのせいでフラフラしています。

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正面の風景をズームアップすると、ホーヘンザルツブルク城やザルツブルク大聖堂などの壮麗な建築物が建ち並んでいます。

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対岸の風景です。福音教会Evangelische Pfarrgemeinde Salzburg Christuskircheが目立っています。

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川べりの散策道は緑の樹木で日陰ができていて、涼しくて助かります。

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それでも、暑いことは暑いんです。そのあまりの暑さに休憩したいのですが、日陰のベンチは空いていません。考えることは皆同じです。子供たちは元気に児童公園の遊具で遊びまわっています。

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錠前鍵がびっしりと取り付けられたマカルト橋Makartstegまでやってきました。橋の向こうにはホテル・ザッハーHotel Sacherの美しい建物が見えています。

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だんだん酔いも醒めてきたので、今日の最後の目的のシュテファン・ツヴァイク・センターStefan Zweig Centreにこのまま向かうことにしましょう。



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圧倒的な響きで魅了:ダンテ・クァルテット@鶴見サルビアホール 2018.11.27

ダンテ・クァルテットは2年前にこの同じ鶴見サルビアホールで聴きました。そのとき、初めて、この鶴見サルビアホールに足を踏み入れました。そういう意味では記念すべきクァルテットです。そのときもこのクァルテットの響きのよさに驚きましたが、そもそも、この鶴見サルビアホールの響きの素晴らしさを知りませんでしたから、十分に経験を積んだ上で、今日、このクァルテットの響きをじっくりと聴かせてもらいます。

いやはや、このクァルテットは舌を巻くほどうまいです。というか、次々とこのホールに登場するクァルテットはどれもうまいというのが正直なところです。ハーゲン・クァルテットやエマーソン・クァルテットだけがうまいんじゃなくて、世界には、うまいクァルテットがどれほどあるのか、驚かせられます。その中でも今日のダンテ・クァルテットは最上級です。とりわけ、テクニックが素晴らしくて、響きが圧倒的でとてもダイナミックな演奏です。そういう意味で、今日のプログラムの選曲は当たりです。ショスタコーヴィチの初期の傑作とベートーヴェンの中期の傑作は彼らの美質を最高に引き出せます。もっとも前回聴いたベートーヴェンの弦楽四重奏曲 第13番のカヴァティーナもとっても美しい演奏でした。

前半のハウエルズのオードリー夫人の組曲は作曲家のハーバート・ノーマン・ハウエルズはその名前も初めて聞くくらいで、まったく知らない曲です。イギリスのカルテットならではの選曲ですね。前回のスタンフォードの弦楽四重奏曲もそうでしたが、珍しいイギリス人の作曲した曲が聴けるのは嬉しいですが、あまりにマニアックですね。曲自体は聴きやすい綺麗な音楽ですが、突然、こんなものを聴かされても今後、2度と聴かないし、とっかかりがまったくないので、前回、スタンフォードの弦楽四重奏曲についてのレクチャーをしてくれたように今日もレクチャーしてくれれば、まだ、よかったのに・・・。ぶつぶつ・・・。

前半の2曲目はショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲 第3番です。これは凄い演奏でした。これまでアトリウム・カルテット、パシフィカ・クァルテット、ハーゲン・カルテットで聴きましたが、いずれも素晴らしい演奏。しかし、今日の演奏も優るとも劣らない凄い演奏で、圧倒されました。第1楽章は軽妙な旋律の音楽が展開されます。その響きの美しさが見事です。この単純で明快な主題を聴いていると、人がてくてくと歩いている場面が目に浮かびます。ある意味、平穏な日常を表現しているかのようです。逆に言えば、不穏な状況の幕上げを告げているような感じもあります。そう感じさせるのも圧倒的なテクニックの演奏があるからです。あっ、忘れないうちに書いておきますが、この曲は何故か、第1ヴァイオリンがオスカー・パークスに交代しました。曲想的に若い奏者でもよかったのかな。やはり、第2ヴァイオリンばかり弾くのは地味だから、嫌なんでしょうね。よくカルテットの内輪もめの原因だと言われますね。第3楽章はスターリンを密かにパロディったとも言われる楽章ですが、激しい気魄の演奏で、圧倒的です。平和な日常風景が突如、戦争の場面に変わったような感じです。実際、この曲はいわゆる戦争交響曲(第7番~第9番)の直後に作曲されましたから、戦争、あるいは人類の絶望を描いたとも言えると思いながら聴いていました。そういう想像やイメージを触発してくれるような高潮感に満ちた演奏です。第4楽章ではその戦争への追悼とも思える厳かな演奏が続き、最後はチェロのソロで静かに終わり、休みなく、次の楽章に移ります。第5楽章はまた激しい演奏となり、もう、訳が分からなくなりますが、ともかく、凄い盛り上がりぶりです。最後は第1楽章の冒頭のメロディーが回想され、音楽も沈静し、とりあえず、かりそめの平穏な日常に戻ったという感じです。第1ヴァイオリンのピチカートが3度鳴らされて、静かに曲を閉じます。大変、感銘を受けました。今や、この曲は第8番、第9番と並び立つ名作の座についたようです。

後半はベートーヴェンの弦楽四重奏曲 第9番「ラズモフスキー第3番」です。これも素晴らしい凝縮力に満ちた演奏です。ベートーヴェンの想像力が頂点に達した中期の傑作のひとつであることをまざまざと実感させてくれるようなダイナミックな演奏です。第1楽章の精妙な序奏に始まり、第4楽章の圧倒的な高揚に至る、堂々とした演奏にとても魅了されました。これくらいの演奏をしてくれれば、満足です。素晴らしい「ラズモフスキー第3番」を聴かせてもらいました。

アンコールのチャイコフスキーのアンダンテ・カンタービレはとってもメローな演奏でした。それでいいでしょう。

ところで、今月は今日のコンサートで大台の二けたになりました。今週も今日を入れて、5回のコンサート。来週も4回のコンサート。忙しくて、予習が大変です。河村尚子、ユジャ・ワン、ヒラリー・ハーンと注目のコンサートが続き、シメはジョナサン・ノット指揮の東響のダ・ポンテ3部作のラストを飾る《フィガロの結婚》です。久しぶりにミア・パーションの美声が聴けるのが楽しみです。キャンセルしないでね。

今日のプログラムは以下です。

  弦楽四重奏:ダンテ・クァルテット
    クリシア・オソストヴィッツ vn オスカー・パークス vn 井上祐子 va リチャード・ジェンキンソン vc

  ハウエルズ:オードリー夫人の組曲 Op.19
  ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第3番 ヘ長調 Op.73

   《休憩》

  ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第9番 ハ長調 Op.59-3「ラズモフスキー第3番」

   《アンコール》
    チャイコフスキー:弦楽四重奏曲 第1番 Op.11より、第2楽章 アンダンテ・カンタービレ

最後に予習について触れておきます。
1曲目のハウエルズのオードリー夫人の組曲はどう探しても音源が見つかりません。仕方なく、予習はパス


2曲目のショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲 第3番は以下のCDで予習をしました。

 ブロドスキー・カルテット 1989年録音 全集盤 ベルリン、TELDECスタジオ

これは胸のすくような会心の演奏です。全集盤ですが、どの曲も素晴らしい演奏です。ルビオ・カルテットと並び立つ名演です。しかしながら、ブロドスキー・カルテットは2016年に全集盤を27年ぶりに再録音したんですね。どういう演奏に変わったのか、聴いてみたい。ちなみに第1ヴァイオリンがマイケル・トーマスからダニエル・ローランドに交代しています。他の3人のメンバーは同じです。


3曲目のベートーヴェンの弦楽四重奏曲 第9番は以下のCDで予習をしました。

 エマーソン・カルテット 1994年録音 全集盤

実に鮮やかな演奏です。切れ味鋭いエマーソン・カルテットならではの演奏です。現代を代表する名演です。



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モーツァルトのハ長調の協奏曲に感動! 読売日本交響楽団@サントリーホール 2018.11.28

最初と最後は現代音楽で、その真ん中は古典中の古典のモーツァルトという変わった構成のプログラムです。現代音楽は何とも感想が書けませんが、その凄まじい音響はいたく、耳を刺激しました。まあ、それでいいのかもしれません。ジョン・アダムズのシティ・ノワールはシンフォニック・ジャズの現代版っていうところでしょうか。金管楽器が奏するブルース調の響きが印象的でした。

真ん中で演奏されたモーツァルトのフルートとハープのための協奏曲はソリストにベルリン・フィルの首席奏者を招いてのものでしたが、そのソロの演奏も読響のアンサンブルも見事なもので、あまりの素晴らしさに胸が熱くなりました。圧巻だったのは第2楽章。第2楽章はヘ長調ですが、この調はフルートがよく響きます。オーケストラもこのアンダンティーノの楽章は弦楽器だけの演奏とシンプルでフルートとハープがさらによく響きます。モーツァルトの長調はその純粋な美しさが極まると、哀しみ色に染まります。幸福感にあふれていながら、何故か哀しくなります。今日の素晴らしい演奏も胸に迫ってきて、感動の極致に至りました。旅の音楽家、モーツァルトが3度目のパリ訪問時に作った傑作です。モーツァルトは22歳。求職中の身の上でしたが、前途洋々の思いを持った青年になっていました。しかし、この曲を作った2~3カ月後、彼を襲ったのは一緒に旅をしていた母の突然の死でした。もちろん、そういう不幸を予感して作った曲ではありませんし、あふれんばかりの幸福感に満ちた作品です。でも、つい、saraiは感傷的になって、この作品を聴いてしまいます。第1楽章と第3楽章のシンプルなハ長調の出来栄えはどうでしょう。今日の演奏はそれを十全に示してくれました。フルートのパユとハープのラングラメに感謝です。

今日のプログラムは以下です。

  指揮:デニス・ラッセル・デイヴィス
  フルート:エマニュエル・パユ
  ハープ:マリー=ピエール・ラングラメ
  管弦楽:読売日本交響楽団 長原 幸太(コンサートマスター)

  スクロヴァチェフスキ:ミュージック・アット・ナイト
  モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299(297c)
   《アンコール》 イベール:フルートとハープのための間奏曲

   《休憩》

  ジョン・アダムズ:シティ・ノワール


最後に予習について、まとめておきます。

スクロヴァチェフスキのミュージック・アット・ナイトは予習なし。スクロヴァチェフスキが指揮活動以外に作曲していたことさえ知りませんでした。読響ではしばしば自作を指揮していたんですね。

モーツァルトのフルートとハープのための協奏曲を予習したCDは以下です。

 クリストファー・ホグウッド指揮エンシェント室内管弦楽団(AAM)、リザ・ベズノシウク(フルート)、フランシス・ケリー(ハープ) 1986年録音

リザ・ベズノシウクはバロックのピリオド奏法のスペシャリストのフルート奏者ですが、その音色の玉を転がすような絶妙な響きに驚かされます。このフルートを聴くだけでもこのCDを聴く価値があります。全体の演奏も極上です。この曲はランパル、ラスキーヌ、パイヤールという鉄板の演奏をいつも聴いていますが、予習なので別の演奏を聴こうと思ったら、当たりの演奏でした。

ジョン・アダムズのシティ・ノワールを予習したCDは以下です。

デイヴィッド・ロバートソン指揮セントルイス交響楽団 2013年改訂版 2013年録音 セントルイス、パウエルホール

2009年に作曲された現代音楽ですが、最近の現代音楽に共通する特徴である聴きやすさに満ちています。初めて聴きましたが、無理なく、するっと耳に入ってきました。初演したドゥダメルの演奏が聴きたかったのですが、音源が入手できませんでした。比較はできませんが、このCDの演奏も水準以上のものです。



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神宮外苑の大いちょう並木

昨日はサントリーホールで読響の定期演奏会。夜7時からなので、配偶者が今日こそ、神宮外苑の大いちょう並木を見に行こうと前々からの計画についての念押しがあります。お天気が心配なので、ネットで予報をチェックすると、夜は雨模様ですが、夕方までは少なくとも雨は降らないようです。よし、出かけましょう。近隣の地図をネットから印刷して、脱兎のごとく、出かけます。地下鉄の青山1丁目駅に向かいます。電車乗り継ぎで1時間ほどで到着。大きなビルが林立する青山通りを歩きます。こんな近代的な通りにあの大きな神宮外苑があるのかと思っていると、突如、神宮外苑の大いちょう並木が右手に登場します。さすがに多くの人で賑わっています。早速、大いちょう並木の入り口付近からパチリ。

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並木道の中央の車道は片側が規制されていて、歩行者が歩けるようになっています。なかなか、粋なはからいですね。もっとも、見物客が車道に飛び出して、写真を撮ると危険ですから、当然と言えば、当然の処置です。その車道を絵画館のほうに向かって歩いていきます。まわり中、外国人ばかりなのも今どき当たり前の光景です。日本人は2割ほどでしょうか。大いちょう並木通りを半分ほど進んだところで、車道の規制が変わります。この先は全面、通行止めで完全に歩行者天国になります。車はここでUターンさせられています。そのUターン場所だけは歩行者が歩けなくなっていて、ぽっかりと人のいない場所になっています。恰好の撮影場所です。ここでまた、パチリ。

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青空に黄色く染まった銀杏が綺麗です。歩道から周り込んで歩行者天国に進出します。ここでまた、パチリ。

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通りの左手には、ハンバーガーの有名店のシェイクシャックがあります。ここに立ち寄るのもいいですね。でも、明るいうちにいちょう並木を見ておこうとシェイクシャックは後回しにします。傾きかけた陽光は右手のいちょう並木を照らしています。

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ちょっと歩道の中も歩いてみましょう。落ち葉のじゅうたんが思ったほどではありません。配偶者によると、子供たちが落ち葉をかき集めているからだと言いますが、そうなのでしょうか。いずれにせよ、やはり、車道からの景色のほうが見事です。

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車道に戻って、今度は青山通りのほうを眺めます。やはり、絵画館のある風景のほうが風情があります。

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いちょう並木を抜けて、絵画館の手前の広場で開催中のいちょう祭りを覗きます。全国のB級グルメの店が並んでいます。試しに広島焼きを食べますが、こういうところで美味しいものがあるわけないですね(笑い)。それにしても平日のせいか、どのお店もほとんど行列がなくて、がらがらです。

再び、いちょう並木に復帰します。既に日は落ちかけて、直射日光は並木に当たらない状況です。それでも樹々の間を抜ける光がいちょうを明るく照らしています。不思議な感じです。

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歩道のいちょうもまだまだ明るく輝いています。

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今度こそ、シェイクシャックのハンバーガーを食べましょう。そこそこの行列です。ただし、注文後、ハンバーガーが出来上がるまでに15分ほどかかるようです。なんとか、いちょう並木が見えるテラス席を確保して、しばらくすると、呼び出しがあります。チキンとビーフのハンバーガーの向こうは美しいいちょう並木です。

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歩道側のいちょうはこんな感じ。既に照明が少しはいっています。

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ハンバーガーはさすがに美味しかったです。高価ではありますが、そこそこの価格(700~800円)ではあります。さっきの広島焼きとは比べ物になりません。お店を出ると、シェイクシャックは照明で明るく輝いています。

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いちょう並木はもう宵闇に包み込まれようとしています。

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さて、いちょう並木を後にしようと歩き出した瞬間、突然、まわりがぱっと明るくなります。ライトアップが点灯した瞬間でした。ライトアップしたいちょうは明るく輝きます。

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すぐさま、撮影スポットに戻って、ライトアップしたいちょう並木をパチリ。

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薄暮に明るく浮かび上がるいちょう並木の絶景でした。

実は神宮球場には行ったことがありますが、神宮外苑のいちょう並木を見るのは初めてのことでした。人生の黄昏時にさしかかり、これからは見逃しているものを拾い集めないといけませんね。

で、今日もこれからコンサート。河村尚子のベートーヴェンのピアノ・ソナタ・シリーズの2回目です。中期の傑作をどう聴かせてくれるでしょう。



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河村尚子の迸るパトス ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ・プロジェクト Vol.2@紀尾井ホール 2018.11.29

前回、河村尚子が弾くベートーヴェンのピアノ・ソナタを聴いて、予想以上の演奏内容に驚嘆しました。彼女の演奏の特徴を一言で表現すると、“疾走”でした。文句なしに彼女のベートーヴェン:ピアノ・ソナタ・プロジェクトを聴き続けることにして、今日は2回目のリサイタルです。いやはや、前回以上にその素晴らしさに感嘆しました。どれだけ弾き込み、どれだけアナリーゼしたんでしょうか。とんでもない努力と才能の賜物が今日の演奏に結実していました。
(今回、河村尚子をユーザータグに登録しました。本文中で河村尚子にリンクを張ったので、クリックすると、過去、河村尚子が演奏した記事のすべてが表示されます。現在、計7記事です。)

最初の第18番 変ホ長調 Op.31-3はその素晴らし過ぎる演奏に驚愕。出だしこそ、少し硬かったのですが、その後の音の響きの美しさ、タッチの切れのよさ、考え抜かれたアーティキュレーションには圧倒されました。正直なところ、大好きな《テンペスト》を演奏してくれないことは残念でしたが、この第18番がこれほどの完成度で演奏されたことは嬉しいです。とりわけ、第4楽章の圧倒的な迫力には脱帽です。

そして、今日の極め付きだったのは次に演奏されたピアノ・ソナタ 第21番「ワルトシュタイン」です。最初の入りが凄く早いので、大丈夫かなと思っていたら、それでよかったんです。確かに完璧な演奏ではなかったかもしれませんが、音楽って、完璧に演奏すればいいものじゃありません。しかもこれは実演です。彼女の熱いパトスの迸りを感じるためにはこのテンポが必要でした。まさに一期一会とも思える凄い演奏に感動しました。第1楽章も凄かったけど、第3楽章の凄さといったら、言葉では表せません。河村尚子の人生を賭けたような演奏にこちらも人生を賭けて聴き入りました。そこには音楽を超えた何かが確かに存在しました。魂同士がつながるような凄まじい演奏にインスパイアされました。これ以上は書く言葉が見つかりません。しかし、疲れた! 聴いていたsaraiもアドレナリンが出尽くした感じです。河村尚子もそうだったんじゃないでしょうか。

後半はピアノ・ソナタ 第24番「テレーゼ」が美しく演奏されます。アドレナリン不足のsaraiも何とか、ついていけます。パーフェクトとも思える演奏があっと言う間に終わります。拍手を受けた河村尚子はそのままピアノの前に座り、じっと集中した後、ピアノ・ソナタ 第23番「熱情」を弾き始めます。見事な演奏ではありますが、先ほどの「ワルトシュタイン」のパトスは蘇りません。もっとも、こちらのアドレナリンも復活しませんから、集中力に欠けています。フツーに素晴らしい「熱情」でした。

結局、今日は「ワルトシュタイン」の日でした。忘れられない感動の演奏でした。

次回から、いよいよ、後期のピアノ・ソナタに突入します。そして、来年11月の4回目、ラストの後期の大傑作の3曲はどんな演奏になるんでしょう。楽しみですが、不安でもあります。日本人ピアニストでは田部京子という大天才が素晴らしい演奏を聴かせてくれていますが、河村尚子がどこまで肉薄できるでしょうか。

今日のプログラムは以下です。

  <オール・ベートーヴェン・プログラム>

  ピアノ・ソナタ 第18番 変ホ長調 Op.31-3
  ピアノ・ソナタ 第21番 ハ長調 Op.53「ワルトシュタインWaldstein」
   《休憩》

  ピアノ・ソナタ 第24番 嬰ヘ長調 Op.78「テレーゼTherese」
  ピアノ・ソナタ 第23番 ヘ短調 Op.57「熱情(アパッショナータ)Apassiponata」

   《アンコール》

    バガテル『エリーゼのためにFür Elise』 イ短調 WoO59

最後に予習について、まとめておきます。以下のCDを聴きました。

 エミール・ギレリス 
  ピアノ・ソナタ 第18番 1981年10月録音
  ピアノ・ソナタ 第21番「ワルトシュタイン」1972年1月録音
  ピアノ・ソナタ 第23番「熱情」1973年6月録音
 マウリツィオ・ポリーニ
  ピアノ・ソナタ 第24番「テレーゼ」 2002年録音

予習ではありますが、以前、ピアノ・ソナタ 第23番「熱情」をまとめて、33枚聴いた際に最高と思えた演奏がエミール・ギレリスでした。ですから、今回は楽しみも含めて、彼のピアノで中期のピアノ・ソナタを聴いてみることにしました。しかし、残念ながら、ピアノ・ソナタ 第24番「テレーゼ」は録音を残してくれませんでした。第32番も見録音でしたが、他にこの第24番と第1番, 第9番, 第22番も未録音のまま、68歳で亡くなってしまいました。亡くなる年に録音した第30番、第31番は素晴らしい演奏でしたから、ベートーヴェンの全集を完成できなかったことは誠に残念の極みです。今回聴いた3曲はテクニック、音の響き、タッチ、アーティキュレーションなどどれをとっても最高です。予習というよりも名演鑑賞になってしまいました。で、ピアノ・ソナタ 第24番「テレーゼ」は天才ポリーニにご登場願いました。これはパーフェクトな演奏です。非の打ちどころのない演奏とはこのことです。後でアンドラーシュ・シフも聴けばよかったと思いましたが、また、名演鑑賞会を開きましょう。



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       河村尚子,  

ザルツブルク音楽祭:苦難のシュテファン・ツヴァイク・センターへの道

2017年8月2日水曜日@ザルツブルク/5回目

今日はザルツブルクでゆっくりと過ごしています。ランチの後の酔い覚ましのザルツァッハ川の川べり散策を終えようとしています。
ザルツァッハ川は快晴の空の下、穏やかな顔を見せています。

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今日の総仕上げはトンネル内でみつけたシュテファン・ツヴァイク・センターStefan Zweig Centreを訪問することです。なにしろ、saraiは今や、シュテファン・ツヴァイクが心の友と思えるほどに大ファンです。それにナチスの迫害を逃れるためにこのザルツブルクを去るまでの間、彼はこの地を終の棲家のようにして、カプツィーナーの丘Kapuzinerbergのお屋敷に住み、ザルツブルク音楽祭に訪れる音楽家たちを招いて親しくしていました。ザルツブルク音楽祭とは縁の深かった人です。そのシュテファン・ツヴァイク・センターは午後2時~4時の間しか公開していないんです。今はもう午後3時過ぎです。急いでメンヒスベルクMönchsbergの岩山のトンネルに向かいます。祝祭大劇場の横手にある自動車道路のジークムントシュトンネルSiegmundstor Tunnelの入り口に到着。

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このジークムントシュトンネルの横に歩行者用のトンネルの入り口があります。早速、中に入りましょう。

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やがて、シュテファン・ツヴァイク・センターへ上るトンネル内のエレベーターの入り口の扉の前に到着。

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ところが、この扉が閉まっていて頑として開きません。

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扉の横には懐かしいシュテファン・ツヴァイクの写真もあるので、確かにここで間違いありません。扉の横にあるインターホンに呼びかけますが応答もありません。

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ここであきらめるわけにはいかないので、トンネルを出て、フェルゼンライトシューレFelsenreitschuleの建物の壁に取り付けられている岩山に上る階段をふーふー言いながら上ります。このクレメンス・ホルツマイスター階段Clemens-Holzmeister-Stiegeを上りきると、大聖堂も眺められます。

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ようやく、岩山の上のシュテファン・ツヴァイク・センターの入り口につくと、そこの扉はちゃんと開いています。

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扉の先の石段をまた上っていきます。疲れますね。

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石段の上には何とも瀟洒なシュテファン・ツヴァイク・センターの建物があります。

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シュテファン・ツヴァイク・センターの横はメンヒスベルクの丘の斜面になっています。山際に建てられています。

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シュテファン・ツヴァイク・センターの前庭からはザルツブルクの旧市街が見渡せそうです。

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建物の扉に近づくと、そこから入るのではなく、建物の左側に周り込むようです。

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ようやく入り口を発見。ここから建物に入って、右側に進むとシュテファン・ツヴァイク・センターがあるようです。建物全体はザルツブルク大学の色んな組織が入っていて、一部がシュテファン・ツヴァイク・センターになっているようです。

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遂にシュテファン・ツヴァイク・センターのエントランスロビーに到着。

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シニアチケットを購入するついでに、受付の女性に苦情を言うと、おかしいわね、横のボタンを押すとちゃんと入り口は開くはずよ。でも、ごめんなさいねって言われます。後でもう一回チェックしてみましょう。さあ、貴重な展示を拝見しましょう。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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金婚式、おめでとうございます!!!
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京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

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