個々の演奏には触れません。オーボエダモーレの甘くて、表現力あふれる響きに魅了されました。バロックオーボエはもはや、バロック音楽には必須の基本楽器であることを認識しました。その上で、フレンチロマンティークオーボエの響きとなめらかな運指の素晴らしさを再認識しました。これがモダン楽器のオーボエの主流になっていることは十分に理解できました。
バッハのフルートソナタBWV1031の第2楽章のシチリアーノはさすがに名曲。演奏したお二人もよほど弾き込んだものとみえて、素晴らしい演奏でした。オリジナルのフルートにも対抗できるレベルの演奏です。(なお、余計なことですが、その昔、バッハのフルートソナタBWV1031はフルートで遊んでいたsaraiの愛奏曲でした。)
チェンバロ・フォルテピアノの平井千絵はフォルテピアノの名手だそうで、後半の確信に満ちたフォルテピアノの演奏には聴き入ってしまいました。それに彼女の細くて繊細な指がフォルテピアノにとても似合っていました。配偶者に彼女はピアノよりもフォルテピアノが似合う指だねって言うと、馬鹿ね、ピアノだって上手な筈よって、たしなめられました。ピアノ演奏を聴いていないので、saraiはやはり、あの美しい指はフォルテピアノにぴったりだと思っているのですが・・・。
これまで、バロックオーボエ、オーボエダモーレ、オーボエ ダ カッチャの区別が分からずにピリオド演奏を聴いていましたが、これからは聴く耳が変わりそうです。
次はバロックに絞ったオーボエリサイタルを期待します。→三宮正満様
今日のプログラムは以下です。
オーボエ:三宮正満
チェンバロ・フォルテピアノ:平井千絵
J.ヘルテル:パルティータ第3番 ニ短調 (バロックオーボエ&チェンバロ)
J.S.バッハ:カンタータ第76番《もろもろの天は神の栄光を語り》 BWV 76 第2部 第8曲 シンフォニア ホ短調 (オーボエダモーレ&チェンバロ)
J.S.バッハ:カンタータ第82番《われは満ちたれり》 BWV 82 第3曲 アリア「眠りなさい、疲れ果てた眼よ」より (オーボエ ダ カッチャ&チェンバロ)
J.S.バッハ:ソナタ 変ホ長調 BWV1031 (バロックオーボエ&チェンバロ)
《休憩》
J.ヴィダーケア:デュオソナタ 第1番 ホ短調 (クラシカルオーボエ&フォルテピアノ)
ヴェルーストゥ: ソロ・ドゥ・コンセール 第4番 Op.77 (フレンチロマンティークオーボエ&フォルテピアノ)
R.パルマ:リゴレット変奏曲 (ジャーマンロマンティークオーボエ&フォルテピアノ)
《アンコール》
モーツァルト:《アヴェ・ヴェルム・コルプス》 K.618 編曲版 (オーボエ ダ カッチャ&フォルテピアノ)
最後に予習について触れておきます。
1曲目のヘルテルのパルティータ第3番は以下のYOUTUBEで予習をしました。
Giuseppe NALIN(バロックオーボエ)Aldo FIORENTIN(オルガン)
これは素晴らしい演奏です。オルガンのオーボエ風の音色とバロックオーボエの重奏が見事に響きます。
4曲目のJ.S.バッハのソナタ 変ホ長調 BWV1031は以下のCDで予習をしました。なお、2,3曲目は事前にプログラムが公表されていませんでした。
エマニュエル・パユ(フルート) トレヴァー・ピノック(チェンバロ) 2008年1月録音 ベルリン Teldex Studio
この曲はフルートのための作品なので、第2楽章のシチリアーノを除いて、オーボエでの演奏は見つからず、いつものランパルやニコレでなく、現役のパユのフルートで聴いてみました。悪くはありませんが、やはり、ランパルやニコレには及びません。
5曲目のヴィダーケアのデュオソナタ 第1番は以下のYOUTUBEで予習をしました。6、7曲目は予習していません。
Claire Brazeau(オーボエ) Bryan Pezzone(ピアノ)
Brazeauという女性オーボエ奏者の演奏が見事です。すっかり聴き惚れました。
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