シュテファン・ツヴァイク・センターStefan Zweig Centreで展示の数々を見ているところです。
次はいよいよ、ブラジル時代の展示です。ツヴァイクの余命も少なくなります。ツヴァイクの最後の悲劇の日々です。

ブラジルに旅立つ前、1939年の小説『心の焦燥』Ungeduld des Herzensです。イギリス滞在時代ですから、英語の表題Beware Of Pityもあります。この小説は最近ヒットした映画《グランド・ブダペスト・ホテル》が作られる契機になったそうです。アンダーソン監督がパリの古本屋でこの小説を偶然手に取って、興味を抱き、さらに『昨日の世界』を読み、映画化に踏み切ったとのことです。

ブラジルに旅立つ直前、1940年のシュテファン・ツヴァイクと2番目の妻ロッテがバースの家で寛ぐ写真です。ロッテとは前年の1939年に再婚しました。写真の右にはシュテファンが妻ロッテに宛てた手紙があります。何故か、英語で書かれています。

1940年にアメリカに移り、翌1941年に最期の地ブラジルに移住します。そこで『未来の国ブラジル』Brasilienを書き上げます。今でもブラジルではよく読まれているようです。

そして、自伝的回想録『昨日の世界』Die Welt von Gesternが1942年に彼の記憶だけで書かれます。saraiの愛読書です。saraiがこの本に夢中になったのと同様にアンダーソン監督もこの本の虜になって、映画《グランド・ブダペスト・ホテル》が生まれました。

そして、1942年2月22日にヨーロッパ文化の未来を絶望して、希代の文化人シュテファン・ツヴァイクは妻ロッテとブラジルのペトロポリスで服毒自殺を遂げます。まるで古き良きヨーロッパ文化の終焉みたいに思えます。合掌・・・。
センター内のツヴァイクの展示を見終わって、受付で販売している小冊子と絵葉書を記念にいただきます。
これが1枚目の絵葉書。ザルツブルク音楽祭のリハーサル風景です。指揮しているのはアルトゥーロ・トルカニーニ。客席に座っているのは音楽祭を取り仕切るマックス・ラインハルト。客席に入ろうとしているのはシュテファン・ツヴァイクです。

これが2枚目の絵葉書。最初の妻フリデリケ・フォン・ヴィンターニッツとシュテファン・ツヴァイクです。1920年に最初の結婚をしました。彼女はなかなかの美人ですね。それに才媛だったようです。

これが3枚目の絵葉書。2番目の妻ロッテとシュテファン・ツヴァイクです。

これは無料の栞みたいなものです。『昨日の世界』Die Welt von Gesternと書かれているので、愛読書『昨日の世界』の栞に使用しましょう。

これは小冊子「シュテファン・ツヴァイクのザルツブルク」Das Salzburg des Stefan Tweigです。

貴重な写真がたくさん掲載されています。これはカプチーナベルク5番地Kapuzinerbergのパッシンガー城Paschinger Schlösslを門から見たところです。ザルツブルクでの住居です。

これがパッシンガー城。大きな屋敷ですね。

これは屋敷の一室です。陽光が燦燦と降り注ぎ、明るい室内です。

これは書斎。重厚です。いかにも作家の書斎です。

センターのスタッフの女性にカプツィーナー山にあるツヴァイクのヴィラの場所も教えてもらったので、時間があれば、見に行きましょう。中には入れないので、外から様子を伺うだけですけどね。
ということで、シュテファン・ツヴァイク・センターを辞去します。そうそう、もう一度、トンネルの入り口をチェックしに行きましょう。
↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね
いいね!
