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スイス・オーストリアの旅:ウィーンでトランジット、まだ明るいチューリッヒ空港に到着

《スイス・オーストリアの旅》を再アップ中です。

《スイス・オーストリアの旅》は2010年7月にスイスのバーゼル美術館にココシュカの最高傑作≪風の花嫁≫を見に行くという夢を現実のものにすることを第一にプラン作りを始めた旅です。さらにスイスならば、ベルンのクレーセンター、チューリッヒ歌劇場も行かねばとプランを膨らませました。そして、旅の後半はウィーン、ザルツブルク、ミュンヘンに足を伸ばし、オペラやオペレッタも楽しみ、ザルツカンマーグートのシャーフベルク鉄道、ルードヴィヒ2世の第3のお城であるヘレンキームゼー城へも行きました。その年の6月に長く務めた会社を定年退職した直後の初めての長期間のヨーロッパ遠征で初めての夏のヨーロッパでもあり、思い出深い旅になりました。
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 ウィーンでトランジット
 まだ明るいチューリッヒ空港に到着

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-スイス・オーストリアの旅
├- 企画・準備編 (24)
├- 現地報告編 (1)
└- 旅の開始~チューリッヒへGO (3)

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スイス・オーストリアの旅:チューリッヒのプチホテルSEEHOF、夕暮れのチューリッヒ湖

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《スイス・オーストリアの旅》は2010年7月にスイスのバーゼル美術館にココシュカの最高傑作≪風の花嫁≫を見に行くという夢を現実のものにすることを第一にプラン作りを始めた旅です。さらにスイスならば、ベルンのクレーセンター、チューリッヒ歌劇場も行かねばとプランを膨らませました。そして、旅の後半はウィーン、ザルツブルク、ミュンヘンに足を伸ばし、オペラやオペレッタも楽しみ、ザルツカンマーグートのシャーフベルク鉄道、ルードヴィヒ2世の第3のお城であるヘレンキームゼー城へも行きました。その年の6月に長く務めた会社を定年退職した直後の初めての長期間のヨーロッパ遠征で初めての夏のヨーロッパでもあり、思い出深い旅になりました。
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 チューリッヒのプチホテルSEEHOF
 夕暮れのチューリッヒ湖

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スイス・オーストリアの旅:ベルンヘ まずはチューリッヒ中央駅、チューリッヒからベルン中央駅に到着

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 ベルンヘ まずはチューリッヒ中央駅
 チューリッヒからベルン中央駅に到着

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 2日目:ベルンでの1日

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└- 2日目:ベルンでの1日 (2)


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スイス・オーストリアの旅:ベルンのパウル・クレー・センター

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 ベルンのパウル・クレー・センターに到着
 ベルンのパウル・クレー・センター クレーの名画・・・しかし??

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 2日目:ベルンでの1日

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スイス・オーストリアの旅:バラ園からの世界遺産ベルンの眺め

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 バラ園からの世界遺産ベルンの眺め

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スイス・オーストリアの旅:ベルンの噴水

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 ベルンの噴水

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インティメットな表現の極み:クァルテット・ベルリン=トウキョウ@鶴見サルビアホール 2019.2.7

クァルテット・ベルリン=トウキョウの演奏を聴くのはちょうど1年前にこのホールで聴いて以来、2度目です。ヴィオラが前回のケフィン・トライバーからグレゴール・フラーバルに代わっています。元々は日本人奏者だったようです。残りの3人は創設メンバーです。

前回はハイドン、バルトーク、ベートーヴェンでしたが、いずれも素晴らしい演奏で俄かファンになっていました。ですから、今日も大変、期待していました。その期待は見事に報われ、さらに期待以上のものでした。俄かファンから、本格ファンに昇格です。

そもそも、プログラムがいいですね。バッハの傑作に始まり、ベートーヴェンの中期の名作、そして、シューベルトの最後の弦楽四重奏曲で締める。共通したテーマはインティメットな名作で揃えたということで、演奏もそれにふさわしいものでした。

前半の冒頭のバッハのフーガの技法の最後の曲、コントラブンクトゥスXIVは未完の4重フーガです。曲の前半はフーガではありますが、4人の奏者が重なって演奏するとコラールの趣きがあって、心に響きます。うっとりと聴いていると、後半は至高のフーガが始まります。こうして、4本の弦楽器で4声を響かせるとフーガの極みが感じられます。クァルテット・ベルリン=トウキョウの演奏は見事としか言えません。曲の頂点で突如、音が断ち切れます。無残ではありますが、未完の美も感じます。そして、そのまま、コラール「我が心の切なる願い」が静かに始まります。まるで未完のフーガの技法を追悼するがごとく、あの優しい旋律が流れます。マタイ受難曲で受難コラールとして、何度も心を慰撫してくれる最高の旋律です。しかし、このコラールはやはり、合唱で聴くほうが好ましく思えます。クァルテット・ベルリン=トウキョウも美しい演奏なんですが、人間の声を超えるものはありません。全体としては素晴らしいバッハでした。その演奏にふさわしく、そっと拍手を送りました。

前半最後はベートーヴェンの弦楽四重奏曲 第10番「ハープ」です。それぞれの楽章にふさわしい表現の演奏に納得です。第1楽章は精妙な序奏に続き、明朗闊達な演奏。第2楽章はまさに今日のテーマ、インティメットな表現が心に沁みます。第3楽章も素晴らしい響きで、第4楽章に続きます。第4楽章は多様な表現で考え込まされます。ベートーヴェン自身もこの終楽章でどう締めくくるか、考え込みながらの作曲だったのではないかとsaraiは思っていますが、クァルテット・ベルリン=トウキョウの演奏もそれをそのまま表現するかの如くです。結局、この曲はこれでは終止しないで、後期の作品につながっていくように感じます。であるとすると、クァルテット・ベルリン=トウキョウの次回のコンサートはベートーヴェンの後期の曲のどれかということになりますね。

後半のシューベルトの弦楽四重奏曲 第15番は圧巻の演奏でした。大曲ですが、細部の隅々までじっくりと聴かせてもらいました。パーフェクト!という賛辞を送りましょう。第1楽章と第2楽章は最長であるだけに聴き応え十分でした。聴けば聴くほど、シューベルトの天才ぶりに驚嘆します。晩年に向かうシューベルトの充実ぶりが横溢しています。シューベルトの作品が素晴らしいのか、演奏したクァルテット・ベルリン=トウキョウの表現が素晴らしいのか・・・。まあ、どっちでもいいでしょう。大満足の演奏でした。でも、シューベルトの弦楽四重奏曲がこの曲で最後になったのはいかにも惜しい・・・あと、2曲ほど、遺作のピアノ・ソナタ3曲の後で書いて欲しかったものです。

今日も室内楽を聴く喜びを味わわせてもらいました。クァルテット・ベルリン=トウキョウに感謝です。

今日のプログラムは以下です。

  弦楽四重奏:クァルテット・ベルリン=トウキョウ
   守屋剛志(vn) モティ・パヴロフ(vn) グレゴール・フラーバル(va) 松本瑠衣子(vc)

   J.S.バッハ:フーガの技法 BWV1080 ~ コントラブンクトゥスXIV
         コラール「我が心の切なる願い」BWV.727
  ベートーヴェン: 弦楽四重奏曲 第10番 変ホ長調 Op.74「ハープ」

   《休憩》

  シューベルト:弦楽四重奏曲 第15番 ト長調 D.887

   《アンコール》
    ハイドン:弦楽四重奏曲第80番 変ホ長調 Hob.III:80 Op.76-6 より、第3楽章 Menuet:presto
    クルターク:オフィチウム・ブレーベ - アンドレア・セルヴァーンスキを追悼して Officium Breve In Memoriam Andreae Szervánszky Op.28 より、最終楽章

最後に予習について触れておきます。
1曲目のJ.S.バッハのフーガの技法 BWV1080は以下のCDを聴きました。

 エマーソン・カルテット 2003年録音 ニューヨーク

完璧な技術に裏打ちされた名演です。バッハの傑作を余すところなく表現しています。


2曲目のバッハのコラール「我が心の切なる願い」は以下のオルガン演奏で聴きました。

 ヘルムート・ヴァルヒャ 1970年9月 新サンピエール教会(サン・ピエール・ル・ジューヌ教会)、ストラスブール ジルバーマンのオルガン

意外にあっさりした演奏ですが、コラールはやはり心に沁みます。


3曲目のベートーヴェンの弦楽四重奏曲 第10番「ハープ」は予習は今更ですが、以下のCDを聴きました。

 ヴェラー弦楽四重奏団 1964年 ウィーン

前から聴こうと思っていたヴェラー弦楽四重奏団の演奏を聴いてみました。ヴェラー弦楽四重奏団はウィーン・フィルハーモニーのコンサートマスターであったヴァルター・ヴェラーが中心となって、1957年にウィーン・フィルの団員によって組織されましたが、わずか10年ほどで解散してしまいました。いやはや、じっくりと聴き込むとぐっと惹き付けられる名演です。とりわけ、第2楽章の美しさは格別です。


4曲目のシューベルトの弦楽四重奏曲 第15番は以下のCDを聴きました。

 アマデウス弦楽四重奏団 1965年 ハノーファー

期待していたほどの演奏ではありませんが、水準以上の演奏ではあります。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

スイス・オーストリアの旅:ベルンでクレーの畢生の名作と遂にご対面!!

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スイス・オーストリアの旅:ベルンでスイス料理のランチ

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圧巻の日本デビュー!クルレンツィス&ムジカエテルナ コパチンスカヤもハチャメチャの快演 @Bunkamuraオーチャードホール 2019.2.10 プレミアムパーティー付き

凄い!!!! やはり、クルレンツィスは音楽の世界を変える。
ヴァイオリン協奏曲でのコパチンスカヤとの超高度な演奏による、めくるめく音楽を聴かせてくれたかと思うと、交響曲第6番では正面から正攻法で熱く燃え上がる音楽を聴かせてくれました。この超人の底知れぬ実力を見せつけられて、言葉を失うばかりです。
彼はある日、譜面から、ほかの人とは違う何かを読み取れる力が自分にあることに気が付いたそうですが、まさにクルレンツィスがどんな音楽を聴かせてくれるかは凡人たるsaraiには予想もできません。超有名曲のチャイコフスキーの交響曲第6番をどのように仕立て上げてくるのか、固唾を飲んで聴きましたが、両端楽章の凄まじい気魄の演奏は圧倒的でした。とりわけ、終楽章のディープな表現、真っ向から悲劇に突っ込んでいく真摯な姿勢には、ただただ、音楽を愛する者として、心の底からリスペクトの念を禁じ得ませんでした。

もう、これ以上書いても、賛辞の嵐だけになりそうですが、クルレンツィス&ムジカエテルナの初めての来日公演は今日が初日。saraiは東京での残りの2公演も聴きます。最後のサントリーホールでの公演を聴いた後で、総括します。今日の演奏にもう少し、触れておきましょう。

前半はパトリツィア・コパチンスカヤをヴァイオリン独奏に迎えて、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲で、この記念すべき初来日コンサートを幕開けします。クルレンツィスが初来日でどんな演奏を聴かせてくれるのかが最大の関心事ですが、こと、このヴァイオリン協奏曲に関しては、パトリツィア・コパチンスカヤの天衣無縫とも思える演奏が素晴らしく、文句なしに彼女が主役です。どのフレーズをとってみても、コパチンスカヤの独特でありながら、音楽的に納得できる演奏が輝きます。真の意味で彼女の奏でる音楽に聴き惚れました。彼女もクルレンツィスと同様に、楽譜から、ほかの人には読み取れない音楽を汲み上げる能力が備わっているようです。これまで聴いたことのないようなチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を聴かせてくれました。自在のテンポ転換、究極の弱音表現、圧倒的なダイナミズム、それらがピタッとはまって、緊張感のある音楽世界を構築していきます。第1楽章が終わった時点で、これまで音楽を聴いてきて、味わったことのないような感覚に襲われます。脳の深部がジーンと痺れるような感覚です。新しい感動の形なのかもしれません。あっ、書き忘れましたが、クルレンツィス&ムジカエテルナもコパチンスカヤの演奏に連動するかのごとく、物凄い演奏をしてくれました。オーケストラ全体がひとつの有機体のようにコパチンスカヤのハチャメチャとも思える自在な演奏に対して、パーフェクトに絡み合っていきます。クルレンツィスの指揮能力は異次元レベルです。こんな繊細な指揮って、初めて見ました。コパチンスカヤがどんなに勝手な演奏をしても、クルレンツィスは即座に応答します。というか、クルレンツィスがコパチンスカヤのやりたい放題を助長して、協奏曲の奥義を極めているような感さえ覚えます。
第2楽章にはいると、コパチンスカヤはヴァイオリンの響きを極限まで抑えて、弱音で奏で始めます。静謐というよりも、弱音による緊張感の増大です。無論、クルレンツィスもオーケストラの響きをコパチンスカヤ以上に抑えて、まるで聴力検査のような緊張状態を醸し出します。普通の演奏は美しいメロディーを歌い上げるところですが、彼らは異形の演奏を続けます。正直、これが正解の演奏かどうかは即断できませんが、聴き入ってしまったのは事実です。
第3楽章はコパチンスカヤの独壇場。これでもか、これでもかと、彼女しか表現できないような独特のフレーズを投げかけてきます。その圧倒的な音楽性に驚嘆するだけです。目まぐるしいテンポの変化とそれに見事に呼応するクルレンツィス指揮下のムジカエテルナのスリリングな音楽の魅力にとらわれているうちに、いつしか、音楽は高揚して、大団円を迎えます。圧倒的な盛り上がりのコーダにまたも、脳の深部がうずきます。異次元の音楽でした。
アンコールは3曲。まるでコパチンスカヤのミニコンサートのようになりました。素晴らしい演奏だったことは言うまでもありません。リゲティが聴き応えがありましたし、3曲目はコパチンスカヤの声入りの大熱演。クルレンツィスは初来日にあえて、コパチンスカヤを同道した意味が分かったような気がしました。

後半はチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」。前半のコパチンスカヤとの協奏曲を聴いた後では、えらく、普通の演奏に聴こえてしまいますが、ある意味、正統派の演奏と言えるかもしれません。ただし、徹底的に練り上げた完璧主義者のクルレンツィスだけがなしうる演奏です。第1楽章から全開モードで、悲痛な叫びが聴こえてきます。とても突っ込んだ演奏です。この「悲愴」からはクルレンツィスお得意のオーケストラ奏者が立っての演奏スタイルですが、奏者たちがあまり体をゆすらないで演奏しているのに驚きます。以前はクルレンツィスの体の動きに連動して、全員が体をゆすっていましたが、この曲の深刻さに鑑みて、生真面目に演奏しているんでしょうか。
第2楽章、第3楽章は抑え気味の演奏です。まるで来たるべき第4楽章にエネルギーを溜め込んでいるかのようです。
第4楽章は冒頭から、物に憑かれたような凄い演奏が始まります。クルレンツィスはこの第4楽章にすべてをかけているようです。悲痛で深刻な音楽がディープに奏でられます。クルレンツィスは全身全霊を傾けて、音楽を高潮させていきます。人間の避けることのできない死に向かって、抗うのか、あるいは突き進むのか、熱くて力強い推進力の音楽を激しい気魄で歌い上げます。消え去るようなフィナーレではなくて、何かの思いを秘めたようにぷっつりと曲を閉じます。それは再生への思いなのか、永遠の闇への思いなのか・・・長い長い静寂の時が続きます。ふと、saraiは思います。いつか、クルレンツィスはマーラーの交響曲第9番を演奏するとき、第4楽章をどう閉じるのか。どういう思いで閉じるのか。恐ろしいほど長い静寂の時間を演奏者と聴衆が共有しました。これがチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」ですね。

この記念すべきコンサートの終了後、プレミアムパーティーに参加しました。クルレンツィスの生真面目極まりないスピーチの後、彼の『カンパイ』の音頭でワイングラスを掲げました。チャーミングなコパチンスカヤとも長身のクルレンツィスとも握手を交わせて、saraiはご機嫌モード。配偶者は優しく見守っていてくれました。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:テオドール・クルレンツィス
  ヴァイオリン: パトリツィア・コパチンスカヤ
  管弦楽:ムジカエテルナ

  チャイコフスキー: ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
   《アンコール》
     ミヨー: ヴァイオリン、クラリネット、ピアノのための組曲 op.157bから 第2曲
       (ムジカエテルナ首席クラリネット奏者とデュオで)
     リゲティ: バラードとダンス(2つのヴァイオリンのための編曲)
       (ムジカエテルナ・コンサートマスターとデュオで)
     ホルヘ・サンチェス=チョン:クリン(コパチンスカヤに捧げる)

   《休憩》

  チャイコフスキー: 交響曲第6番 ロ短調 Op.74 「悲愴」

最後に予習について、まとめておきます。

チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は以下のCDを聴きました。

 ワディム・レーピン、ヴァレリー・ゲルギエフ指揮キーロフ管弦楽団 2002年7月2~4日、フィンランド、ミッケリ音楽祭 マルティ・タルヴェラ・ホール ライヴ録音

ともかく、色んな意味でバランスに優れた演奏です。レーピンは安定感もありますが、野性味もあり、第3楽章の迫力は凄まじいものです。特筆されるのはゲルギエフのチャイコフスキーの深い解釈で感銘を受けます。にもかかわらず、何となく、この演奏を最高だと感じないのは何故でしょうか。やはり、ヴァイオリンの響きに人を惹き付けてやまない魅力がもう一つということでしょうか。

 ヤッシャ・ハイフェッツ、フリッツ・ライナー指揮シカゴ交響楽団 1957年録音 ハイレゾ

やはり、ハイフェッツは天才ヴァイオリニストであることを痛感しました。ハイレゾの素晴らしい音で聴くと、彼が持てる最高の技量のすべてをチャイコフスキーの傑作音楽のために捧げていることがしっかり実感できます。すべての楽章が最高の演奏でsaraiの感性が刺激され尽くします。とりわけ、第2楽章の中間の木管ソロとの競演はシカゴ響の名人たちとの凄すぎる響きに呆然としてしまいます。これぞ天国の音楽です。ハイフェッツの魅力を堪能できる最高の1枚です。

 アンネ・ゾフィー・ムター、アンドレ・プレヴィン指揮ウィーン・フィル 2003年9月、ムジークフェライン ライヴ録音

これは隠れた名盤ですね。ちょっと聴くとムターのくせのある弾き方が気になりますが、だんだんと彼女の素晴らしい響きと音楽の魅力に惹き付けられていきます。ともかく、カラヤン自身の音楽は好みませんが、カラヤンが見出した音楽家はすべて素晴らしいです。そういうカラヤンの音楽家を見出す力は天才的とも思えます。もちろん、ムターはカラヤンとの録音もありますが、それは聴いていません。ちなみにカラヤンが見出した才能の一人がミレッラ・フレーニです。話をムターの演奏に戻しましょう。この演奏はすべての楽章において魅力的ですが、特に第3楽章のフィナーレの凄まじさには心躍るものがあります。ウィーン・フィルはさすがの演奏です。

 リサ・バティアシュヴィリ、ダニエル・バレンボイム指揮シュターツカペレ・ベルリン 2015年6月 ベルリン

バティアシュヴィリの官能的な美音が聴きものですが、ザルツブルク音楽祭で聴いた実演と比べると、恍惚的な陶酔感は味わえません。やはり、彼女はライヴでのみ、その本質が聴けるヴァイオリニストです。その点、ムター姉御はセッション録音でも毒をはらんだ魅力を発散してくれます。いやはや、音楽は難しい。

 アイザック・スターン、ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団 1958年3月録音 セッション録音

セッション録音の素晴らしさを満喫させてくれます。録音も演奏も最高水準です。やはり、アイザック・スターンは名人ですね。ライヴのようなスリル感はありませんが、それはないものねだりでしょう。

 ダヴィッド・オイストラフ、ロジェストヴェンスキー指揮モスクワ・フィル 1968年 ライブ録音

スターン盤がセッション録音の最高水準をいくものだとすれば、このオイストラフ盤はライヴ録音の素晴らしさを満喫させてくれます。そのたっぷりしたスケール感のある演奏は他のヴァイオリニストとの格の違いを見せつけるかのごとく、これぞヴィルトゥオーゾという極上の演奏です。これは何度聴いても、また、聴きたくなるような最高の演奏です。もっともsaraiが聴き馴染んできたのはオイストラフがオーマンディと組んで演奏したセッション録音盤です。あれも素晴らしいんですが・・・。

 パトリシア・コパチンスカヤ、テオドール・クルレンツィス指揮ムジカエテルナ 2014年5月、ペルミ国立チャイコフスキー・オペラ&バレエ劇場

今回、聴くコパチンスカヤとクルレンツィスのコンビでの演奏です。正直、唖然としてしまいました。配偶者はこれは同じチャイコフスキーの協奏曲なのって、訊くくらいです。もちろん、賛否両論あるでしょう。明らかにコパチンスカヤが主導権を持った演奏ですが、その天衣無縫とも言える演奏にぴったりとオーケストラをつけるクルレンツィスも凄い。終いには両者がやりたい放題にやって、楽趣は尽きることがありません。saraiはやりたい放題でありながら、音楽性を失わない、こういう演奏は好きですよ。一体、生での演奏はどうなるのか、楽しみです。おとなしく合わせるのか、もっと、ばりばりと演奏して、崩壊するのか、予測はできません。


チャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」はもちろん、予習は不要ですが、これだけは聴いておかねばという以下のCDを聴きました。

 テオドール・クルレンツィス指揮ムジカエテルナ 2015年2月9-15日録音 フンクハウス・ベルリン・ナレーパシュトラッセ

コパチンスカヤとのヴァイオリン協奏曲を聴いた後でこれを聴くと、あまりに普通の演奏に聴こえてしまいます。やはり、コパチンスカヤが加わるととんでもないことになるようです。とはいえ、この演奏も第4楽章に至ると、普通聴く、深刻な音楽とは一線を画します。芯の通った強さがずっと持続します。人は強く前を向いて、己の厳しい人生に立ち向かっていくというメッセージ性も感じます。しかし、そういうことではなく、不要な人間ドラマを排して、音楽の高みを目指した演奏なのかもしれません。クルレンツィスの音楽への精進のようなものが実演で聴けるのでしょうか。



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       クルレンツィス,        コパチンスカヤ,  

伝説に残るクルレンツィスのチャイコフスキー コパチンスカヤも最高! @すみだトリフォニーホール 2019.2.11

昨日の日本デビューも鮮烈でしたが、今日のクルレンツィス&ムジカエテルナは伝説に残るに違いない、最高のチャイコフスキーを聴かせてくれました。コパチンスカヤも昨日と同様に素晴らしく個性的な名演です。今日のコンサートはあり得ないようなレベルの音楽で、saraiはただただ、満足にため息をもらすばかりでした。

前半は昨日と同じチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲です。昨日だけ聴いた人、今日だけ聴いた人は同じくらいの感動を得られたでしょう。いずれも最高水準の演奏でしたからね。昨日は初日のコンサート、しかもクルレンツィス&ムジカエテルナの日本デビューのコンサートということで、とても緊張感の高い演奏でした。パトリツィア・コパチンスカヤは音楽の自由人、常に己の思うがままの音楽を奏でます。したがって、彼女はさほど、異なる演奏をしたわけではありません。昨日の演奏ではクルレンツィスがコパンスカヤのやりたい放題の演奏を細心の気配りで受け止めて、ぴったりとオーケストラをコパチンスカヤのヴァイオリンに合わせていたんです。それは完璧なオーケストラのドライブでした。で、今日はクルレンツィスの高性能の脳細胞にきっちりと昨日のコパチンスカヤの演奏の残像が残っていて、それほどの神経を使うことなく、やすやすとコパチンスカヤの演奏にオーケストラを合わせることができていました。その分、クルレンツィスは思うが儘の音楽を展開することができて、昨日以上にオーケストラからリッチな響きを引き出すことができていたように思えます。音楽的には今日の演奏のほうが幾分、高いレベルにありましたが、昨日の緊張感に満ちた演奏も捨てがたいとは思います。聴く立場のsaraiも今日はリラックスして聴けましたから、より楽しめましたが、昨日のような脳の深部が痺れるような極上の感覚が薄れたのも確かです。しかし、何度聴いても凄い演奏で、聴き飽きることはありません。演奏の細部に関する感想は昨日の記事をご参照ください。基本的にはほぼ同じ演奏ではありました。まあ、こんな凄い演奏が毎日きっちりとなし遂げられるのは驚異的ではあります。
コパチンスカヤのアンコールは何と昨日とまったく同じ3曲でした。昨日同様、パーフェクトな演奏でした。しかし、やりたい放題の演奏でありながら、しっかり、音楽になっているんですから、彼女は天性の音楽家なんですね。

後半はチャイコフスキーの交響曲第4番。saraiが生涯で聴いてきたチャイコフスキーの音楽の最高峰とも言える演奏でした。交響曲第5番・第6番なども含めての評価です。冒頭の運命の動機の序奏を聴いただけで、途轍もない演奏になる予感が走ります。主部が始まり、何とも憂鬱な雰囲気の音楽が展開されていきます。ロシアの大地に根差すような、やるせなさに心が震えます。さらにチャイコフスキーのオペラを思い起こさせるような演劇的なイメージが脳裏をよぎります。運命に翻弄される人間の絶望感、それでいて希望にすがりたいという心情がオペラの背景のように音楽の中に浮かび上がります。《エウゲニ・オネーギン》か《スペードの女王》かな。第1楽章ではなく、第1幕を聴いている錯覚に陥ります。ここで思い当たりますが、このオーケストラはやはりロシアのオーケストラ。しかもオペラハウスのピットに入っているオーケストラです。これまで聴いたのはザルツブルク音楽祭でしたから、あまり、ロシアのイメージはありませんでしたが、もしかしたら、正統的なロシアの音楽伝統を継承しているのでしょうか。そういうことをちらっと思いつつ、ロシア的な憂鬱な響きに集中して、心が高潮していきます。繰り返し現れる運命の動機に聴く者の心も翻弄されます。第1幕、いや違った、第1楽章は圧倒的な高みでフィナーレを迎えます。長大な楽章でした。
第2楽章は哀愁を帯びながら、沈潜した音楽が進行していきます。オペラで言えば、主人公の鬱屈した心の独白ですが、そこには甘い思いも含まれています。複雑なもつれるような表情をクルレンツィスは抑えた美しい響きの中に込めて、聴く者を魅惑します。これも長大な楽章ですが、最上級の音楽がそこにあります。
第3楽章は人々のざわめきのような響きが支配します。オペラのような雰囲気は続いています。そう言えば、以前、と言っても30年ほども前ですが、ウィーン国立歌劇場で《スペードの女王》を振った小澤征爾が、このオペラは《エウゲニ・オネーギン》と同様に、歌付きの交響曲のようなものだという意味のことを言っていたことを思い出します。saraiはそれを思い出しながら、逆にチャイコフスキーの交響曲は歌なしのオペラのようなものだという感懐に思い至ります。チャイコフスキーはマーラーのように交響曲にドラマの要素を持ち込んだ作曲家なのでしょうか。ざわめきが続きながら、この短い楽章は終わります。
第4楽章は圧倒的な響きで幕を開けます。ムジカエテルナの大編成のオーケストラの響きの素晴らしさは極上のレベルです。とりわけ、立奏している弦楽器パートのさざめきたつような響きはほかでは聴けないような独特の響きです。しかも完璧主義者のクルレンツィスが鍛え上げた強靭なアンサンブルはかってのムラヴィンスキーが鍛え上げたレニングラード・フィルを想起させます。もちろん、響きの質は違い、現代流のしなやかさを持つアンサンブルですけどね。祝典ムード風の音楽が華やかに展開されますが、クルレンツィスはきっちりと陰影を付けて、深い音楽を味わわせてくれます。そして、再び、第1楽章冒頭の運命の動機が回帰するところへの誘導の素晴らしさに感じ入ります。運命に翻弄される人間の悲劇性を歌い上げつつ、圧巻のフィナーレ。深く、深く、感動しました。

saraiは結局、ムラヴィンスキーもスヴェトラーノフも実演では聴いていませんが、録音での演奏から推定して、今日のクルレンツィス&ムジカエテルナは日本でのチャイコフスキー演奏の頂点をなすものであると実感しました。伝説として、語り継がれることになるでしょう。もっとも、まだ、サントリーホールの公演は残っているので、その後に今回のクルレンツィス&ムジカエテルナの意義はいかなるものであったのかを考えてみましょう。

あっ、まだ、アンコールがありました。これってアンコールなのっていうレベルの超素晴らしい幻想序曲「ロメオとジュリエット」でした。初めて、こんな名曲であることを認識しました。冒頭では何の曲か、分からず、聴いたことにない曲だと思うほど、素晴らしい響きの連続。途中で有名な旋律が流れて、初めて、曲を認識できました。相当に弾き込んだに違いない演奏でした。サントリーホールでは、地味な曲が演奏されると思っていましたが、この幻想序曲「ロメオとジュリエット」を聴くに及び、俄然、期待感がつのります。でも、サントリーホールではアンコール曲はどうするんだろう? 入らぬ心配をしてしまいました。ちなみにこれでサントリーホールへの予習が一つ終わりましたね。組曲第3番が交響曲並みに長いので、何とか、それを明日聴きましょう。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:テオドール・クルレンツィス
  ヴァイオリン: パトリツィア・コパチンスカヤ
  管弦楽:ムジカエテルナ

  チャイコフスキー: ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
   《アンコール》
     ミヨー: ヴァイオリン、クラリネット、ピアノのための組曲 op.157bから 第2曲
       (ムジカエテルナ首席クラリネット奏者とデュオで)
     リゲティ: バラードとダンス(2つのヴァイオリンのための編曲)
       (ムジカエテルナ・コンサートマスターとデュオで)
     ホルヘ・サンチェス=チョン:クリン(コパチンスカヤに捧げる)

   《休憩》

  チャイコフスキー: 交響曲第4番 へ短調 Op.36

   《アンコール》
     チャイコフスキー: 幻想序曲「ロメオとジュリエット」


最後に予習について、まとめておきます。

チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は以下のCDを聴きました。(前日の内容と同じですが、参考のために掲載します。)

 ワディム・レーピン、ヴァレリー・ゲルギエフ指揮キーロフ管弦楽団 2002年7月2~4日、フィンランド、ミッケリ音楽祭 マルティ・タルヴェラ・ホール ライヴ録音

ともかく、色んな意味でバランスに優れた演奏です。レーピンは安定感もありますが、野性味もあり、第3楽章の迫力は凄まじいものです。特筆されるのはゲルギエフのチャイコフスキーの深い解釈で感銘を受けます。にもかかわらず、何となく、この演奏を最高だと感じないのは何故でしょうか。やはり、ヴァイオリンの響きに人を惹き付けてやまない魅力がもう一つということでしょうか。

 ヤッシャ・ハイフェッツ、フリッツ・ライナー指揮シカゴ交響楽団 1957年録音 ハイレゾ

やはり、ハイフェッツは天才ヴァイオリニストであることを痛感しました。ハイレゾの素晴らしい音で聴くと、彼が持てる最高の技量のすべてをチャイコフスキーの傑作音楽のために捧げていることがしっかり実感できます。すべての楽章が最高の演奏でsaraiの感性が刺激され尽くします。とりわけ、第2楽章の中間の木管ソロとの競演はシカゴ響の名人たちとの凄すぎる響きに呆然としてしまいます。これぞ天国の音楽です。ハイフェッツの魅力を堪能できる最高の1枚です。

 アンネ・ゾフィー・ムター、アンドレ・プレヴィン指揮ウィーン・フィル 2003年9月、ムジークフェライン ライヴ録音

これは隠れた名盤ですね。ちょっと聴くとムターのくせのある弾き方が気になりますが、だんだんと彼女の素晴らしい響きと音楽の魅力に惹き付けられていきます。ともかく、カラヤン自身の音楽は好みませんが、カラヤンが見出した音楽家はすべて素晴らしいです。そういうカラヤンの音楽を聴く力は天才的とも思えます。もちろん、ムターはカラヤンとの録音もありますが、それは聴いていません。ちなみにカラヤンが見出した才能の一人がミレッラ・フレーニです。この演奏はすべての楽章において魅力的ですが、特に第3楽章のフィナーレの凄まじさには心躍るものがあります。ウィーン・フィルはさすがの演奏です。

 リサ・バティアシュヴィリ、ダニエル・バレンボイム指揮シュターツカペレ・ベルリン 2015年6月 ベルリン

バティアシュヴィリの官能的な美音が聴きものですが、ザルツブルク音楽祭で聴いた実演と比べると、恍惚的な陶酔感は味わえません。やはり、彼女はライヴでのみ、その本質が聴けるヴァイオリニストです。その点、ムター姉御はセッション録音でも毒をはらんだ魅力を発散してくれます。いやはや、音楽は難しい。

 アイザック・スターン、ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団 1958年3月録音 セッション録音

セッション録音の素晴らしさを満喫させてくれます。録音も演奏も最高水準です。やはり、アイザック・スターンは名人ですね。ライヴのようなスリル感はありませんが、それはないものねだりでしょう。

 ダヴィッド・オイストラフ、ロジェストヴェンスキー指揮モスクワ・フィル 1968年 ライブ録音

スターン盤がセッション録音の最高水準をいくものだとすれば、このオイストラフ盤はライヴ録音の素晴らしさを満喫させてくれます。そのたっぷりしたスケール感のある演奏は他のヴァイオリニストとの格の違いを見せつけるかのごとく、これぞヴィルトゥオーゾという極上の演奏です。これは何度聴いても、また、聴きたくなるような最高の演奏です。

 パトリシア・コパチンスカヤ、テオドール・クルレンツィス指揮ムジカエテルナ 2014年5月、ペルミ国立チャイコフスキー・オペラ&バレエ劇場

今回、聴くコパチンスカヤとクルレンツィスのコンビでの演奏です。正直、唖然としてしまいました。配偶者はこれは同じチャイコフスキーの協奏曲なのって、訊くくらいです。もちろん、賛否両論あるでしょう。明らかにコパチンスカヤが主導権を持った演奏ですが、その天衣無縫とも言える演奏にぴったりとオーケストラをつけるクルレンツィスも凄い。終いには両者がやりたい放題にやって、楽趣は尽きることがありません。saraiはやりたい放題でありながら、音楽性を失わない、こういう演奏は好きですよ。一体、生での演奏はどうなるのか、楽しみです。おとなしく合わせるのか、もっと、ばりばりと演奏して、崩壊するのか、予測はできません。


チャイコフスキーの交響曲第4番は以下のCDを聴きました。

 ジョス・ファン・インマゼール指揮アニマ・エテルナ 2000年9月6日ブリュッセル ライヴ録音

この曲はまだ、クルレンツィスは録音していないと思うので、同じく、オリジナル派のインマゼール指揮アニマ・エテルナを聴いてみました。でも、多分、クルレンツィスとはかなり、傾向が違うと思われる演奏です。非常にノーブルで端正とも思える表現です。運命の嵐が吹き荒れるという風情ではなく、落ち着いた演奏で、抒情さえ漂います。全体にバレエ音楽を感じてしまうような、きめ細かい表情の音楽です。ある意味、新鮮に感じる演奏です。ムラヴィンスキー流の演奏とは対極にあると言えるのかもしれませんが、妙に説得力はあります。クルレンツィスはそれらの中間くらいの演奏なのか、あるいは激しく燃え上がる演奏なのか、興味は尽きません。



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       クルレンツィス,        コパチンスカヤ,  

スイス・オーストリアの旅:ベルンからチューリッヒに帰還、そしてオペラ

《スイス・オーストリアの旅》を再アップ中です。

《スイス・オーストリアの旅》は2010年7月にスイスのバーゼル美術館にココシュカの最高傑作≪風の花嫁≫を見に行くという夢を現実のものにすることを第一にプラン作りを始めた旅です。さらにスイスならば、ベルンのクレーセンター、チューリッヒ歌劇場も行かねばとプランを膨らませました。そして、旅の後半はウィーン、ザルツブルク、ミュンヘンに足を伸ばし、オペラやオペレッタも楽しみ、ザルツカンマーグートのシャーフベルク鉄道、ルードヴィヒ2世の第3のお城であるヘレンキームゼー城へも行きました。その年の6月に長く務めた会社を定年退職した直後の初めての長期間のヨーロッパ遠征で初めての夏のヨーロッパでもあり、思い出深い旅になりました。
既にお読みの方も再度、新編集の記事をお読みくださいね。

今日は以下の記事を再アップしました。次をクリック!

 ベルンからチューリッヒに帰還、そしてオペラ

あるいは以下をクリックすると1日分全体を一括して読めます。

 2日目:ベルンでの1日

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-スイス・オーストリアの旅
├- 企画・準備編 (24)
├- 現地報告編 (1)
├- 旅の開始~チューリッヒへGO (5)
└- 2日目:ベルンでの1日 (9)


2014年10月に突然以前のブログサイトがクローズしたために現在のFC2ブログサイトへの引っ越しを余儀なくされました。以前の旅の記事は手作業で再アップしなければならず、順次、作業しています。

なお、再アップにあたっては以下のように記事の見直しをはかっています。

 1.基本として、旅の1日分をまとめて読むことができるように再編成します。ストラスブール散策のように2日にまたがる場合には、2日分をまとめます。
   左側のメニューにあるカテゴリで読みたい日をクリックして頂ければ、その日の分がまとめて読めます。

 2.以前の記事には地図がなかったので、散策ルートが分かりづらくご不便をおかけしました。再編成にあたり、地図を新規挿入します。

 3.記事を見直して、細かい修正を行います。特に地名などは原語表記も併記します。



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チャイコフスキーの音楽の本質を描き尽したクルレンツィス&ムジカエテルナ@サントリーホール 2019.2.13

3回にわたるクルレンツィス&ムジカエテルナの日本デビュー公演を聴き終えて、最高の充足感にふけっています。当初、彼らの日本デビューがオール・チャイコフスキーのプログラムであると聞いたときは、何で?と思ったのは事実ですし、招聘元も「2019年はクルレンツィスがチャイコフスキーに集中する年ということでクルレンツィスの意向なんです」と言い訳っぽい説明をしていたことを思い出します。ちょうど1年前の話です。公演を聴き終わった今、何故、チャイコフスキーだったのか、それなりに理解できました。そもそも、チャイコフスキーでどこが不満と思ったのか、自分に問いかけたい思いです。ともあれ、クルレンツィスをザルツブルク音楽祭で昨年、一昨年と聴いた上で、今回の来日公演でチャイコフスキーの音楽をじっくりと聴いたので、クルレンツィスとは何者かということがおぼろげながら分かってきました。

当たり前のことですが、クルレンツィスは音楽に真正面から取り組む、生真面目過ぎるほどの人だということを感じました。オリジナル演奏で超個性的な音楽を表現するというのも彼の音楽へのアプローチ姿勢の一面が現れたものでしょう。今回のチャイコフスキーの音楽表現では、コパチンスカヤと共演した演奏での超個性的な音楽もありましたが、あれはコパチンスカヤのスタイルによるところが大きく、それ以外では、真正面からチャイコフスキーの音楽に取り組んだ、ある意味、ノーマルなスタイルの表現が支配的でした。その上で、クルレンツィスの音楽表現が深くて、美しいことに驚きました。チャイコフスキーの演奏では、これまで、ムラヴィンスキーやスヴェトラーノフが神格化されていて、もちろん、saraiも大好きですが、そういう、言わば正統的なチャイコフスキーの表現者たちと、正面から堂々と渡り合い、あるいは凌駕するレベルにクルレンツィスが達しているとsaraiは感じたんです。もちろん、これはクルレンツィスが持っている音楽能力の一部をチャイコフスキーの音楽で示しただけのものです。しかし、これが示していることはとても重要です。一気に飛躍して、結論を言えば、クルレンツィスはオリジナル演奏で頭角を現した個性的な音楽家という枠を大きく超えて、どんなジャンルの音楽でも、今後の音楽界で最高の逸材であり続けるだろうということです。数十年に一人の逸材(百年に一人と書きたいところですが、そこまでsaraiの人生は長くない)であることは間違いありません。これから、クルレンツィスを中心にクラシック音楽が発展していくと言ったら言い過ぎでしょうか。そこまで言うのは、クルレンツィスが実績を積んできたオペラという世界があり、さらにはモーツァルトのオペラという鉄板があるからです。そういう世界をこのチャイコフスキー、さらには、マーラー、ショスタコーヴィチまで広げてきた事実を踏まえると、あながち、saraiの世迷い言でもないかもしれません。そういうことをsaraiに思わしめたクルレンツィスの素晴らしい来日公演でした。

さて、今日の公演にも軽く触れておきましょう。前半のチャイコフスキーの組曲第3番は初聴きです。と言うか、恥ずかしながら、こういう曲があることすら知りませんでした。管弦楽のための組曲は全部で4作あるんですね。しっかり予習して、曲の概要はつかみました。でも、そういうことですから、あまり、突っ込んだことは言えません。第1曲のエレジーは実に整った演奏で、長大な第4曲の主題と変奏は壮大な演奏だったということくらいです。
驚きだったのは、その曲の終了後、拍手を制して、別の曲が演奏され始めたことです。あれっ、後半の曲は休憩なしに演奏されるんだっけ? ん、なにかおかしい・・・あれっ、ヴァイオリンの独奏が始まった! 何と、1日目、2日目に演奏されたヴァイオリン協奏曲じゃ、ありませんか。でも、ここにはコパチンスカヤはいない。ヴァイオリンの独奏は今回初めて登場した、もう一人のコンサートマスターです。意味が分からない。まさか、これって、演奏会の途中でのアンコール曲? 結局、ヴァイオリン協奏曲の第3楽章だけが演奏されました。このコンサートマスターもなかなか上手かったけど、あの超個性的だったコパチンスカヤの演奏が耳にまだ残っています。一体全体、クルレンツィスはどういうつもりで、ここでコパチンスカヤ抜きでヴァイオリン協奏曲の一部を披露したんでしょう? 意味分かりません。仮説はいろいろ考えられるけど、いずれにせよ、クルレンツィスは個性的な謎の人物だということです。普通はこういう行動はとりませんよ。我が人生で初の椿事です。分けの分からないアンコールが演奏されたということです。さらにこのコンサートマスターはイザイのソナタまで弾いてしまいました。どういうこと? 結局はこのヴァイオリン協奏曲が本当にアンコール曲だったようで、コンサート終了後にはアンコールはありませんでした。もしかしたら、今日はコパチンスカヤはいないけど、今日だけ聴く聴衆のために1日目、2日目に演奏されたヴァイオリン協奏曲を聴かせてあげようというサービスだったの? 今日はコパチンスカヤはどこにいるんだろう?

後半はチャイコフスキーの幻想曲、幻想序曲。幻想序曲「ロメオとジュリエット」と 幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」は姉妹曲のようによくCDでも組み合わせられる曲ですね。幻想序曲「ロメオとジュリエット」は既に2日目のアンコール曲として演奏されましたが、今日もほぼ同じ演奏でした。ただ、アンコール曲ではないので、聴く側の心構えが違い、落ち着いて、きっちりと聴きとりました。ロマンティックな美しい演奏でした。交響曲第6番「悲愴」、交響曲第4番と共通して、過酷な運命にさらされる人間の生き様が色濃く表現されます。クルレンツィスはチャイコフスキーの音楽の中でも、運命をテーマにしたものを集中的に取り上げたようです。深刻な限界状況の中で実存としての人間が強く、美しく生き、そして、死ぬということを音楽として、昇華させるというクルレンツィスの挑戦は素晴らしく輝きました。
その集大成が最後の幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」です。前半とフィナーレは過酷な運命が激しく演奏されましたが、その運命に挟まれた生命の輝きの美しかったこと! まるで佳人フランチェスカの類稀なる美しさが音楽として輝いたような極上の世界が現出しました。クルレンツィスの見事な指揮、ムジカエテルナの美しいアンサンブルが最高に発揮されました。運命が如何に過酷であろうとも、その状況下を生き抜く人間の素晴らしさが賛歌として表現されました。クルレンツィスがチャイコフスキーの音楽から汲み取ったものは人間賛歌だったのでしょうか。3回のコンサートの後半のプログラムはこの共通的なテーマで統一されていたように感じました。

さて、クルレンツィスは日本で今度は何を聴かせてくれるでしょう。クルレンツィスが日本で演奏するのはまさに音楽的な事件にほかなりません。それもとびきり素晴らしい事件です。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:テオドール・クルレンツィス
  管弦楽:ムジカエテルナ

  チャイコフスキー: 組曲第3番 ト長調 Op.55

   《アンコール》
    チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35より第3楽章
    イザイ:ヴァイオリン・ソナタ第2番より第1楽章
     (ヴァイオリン・ソロ:アイレン・プリッチン(ムジカエテルナのコンサートマスター))

   《休憩》

  チャイコフスキー: 幻想序曲「ロメオとジュリエット」
  チャイコフスキー: 幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」 Op.32


最後に予習について、まとめておきます。

チャイコフスキーの組曲第3番は以下のCDを聴きました。

 エフゲニ・スヴェトラーノフ指揮ロシア国立交響楽団 1985年

曲の性格もあるのかもしれませんが、意外におとなしくて、繊細な演奏です。聴き込むと、演奏の機微が分かってくるのかもしれませんが・・・。

 アンタル・ドラティ指揮ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 1966年8月録音 ワットフォード・タウン・ホール ロンドン郊外

メリハリのきいた明快な演奏です。入門用にはもってこいの演奏と言えます。


チャイコフスキーの幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」は以下のCDを聴きました。

 レナード・バーンスタイン指揮イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団 1979年10月 テル・アヴィヴ ライヴ録音

さすがにバーンスタインらしい熱のある演奏です。すっかり、聴き惚れました。

 レナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルハーモニック 1989年10月

バーンスタイン指揮のイスラエル・フィルのCDを聴いた後で、バーンスタインがニューヨーク・フィルと再録音していたことに気が付きました。それもバーンスタインが亡くなる、ちょうど1年前。彼は自分の死期が近いことは自覚していた筈です。そういうことを考えながら聴いたので、演奏の壮絶さに圧倒されました。確か、バーンスタインがニューヨーク・フィルとこの曲を最初に録音したのは1960年。この録音のほぼ30年前です。少なくとも3回は録音したのですね。彼にとっても思い入れのある曲なんでしょう。バーンスタインはマーラーを振るような熱っぽさでチャイコフスキーを演奏しているのが興味深いところです。

 エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団 1977年 ライヴ録音

チャイコフスキーと言えば、やはり、ムラヴィンスキーも聴かないといけないでしょう。これはライヴで、ムラヴィンスキーらしいストレートな表現とロシアの大地を感じさえる雰囲気にあふれた、素晴らしい演奏です。これは決定盤でしょう。実はスヴェトラーノフも聴くつもりで用意していましたが、時間切れで聴けませんでした。スヴェトラーノフの「ロメオとジュリエット」も同様に時間切れ。残念。


チャイコフスキーの幻想曲「ロメオとジュリエット」は一昨日のアンコール曲で演奏されたので、それで最上の予習は終えましたが、それでも以下のCDを聴きました。

 レナード・バーンスタイン指揮イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団 1979年10月 テル・アヴィヴ ライヴ録音

これも幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」と同様の傾向の素晴らしい演奏です。

 レナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルハーモニック 1989年10月

これも「フランチェスカ・ダ・リミニ」と同様に再録音されていました。それも同時期の録音です。亡くなる1年前です。濃厚なロマンに満ちた素晴らしい演奏です。



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       クルレンツィス,  

吉右衛門の迫真の演技 玉三郎の美しさ 二月大歌舞伎@歌舞伎座 2019.2.14

久しぶりの歌舞伎鑑賞です。もっと見たいのですが、あまりにコンサートに行き過ぎるので、なかなか行く機会に恵まれません。それでも毎年1回くらいは歌舞伎に足を運んでいましたが、とうとう昨年は1回も見ず仕舞い。今日は2年ぶりの歌舞伎です。配偶者からの玉三郎が出るという情報で、それならと見に行くことにしました。吉右衛門も別の演目で出るので、それも見たかったしね。

二月の歌舞伎座はまだ新春の名残があります。館内を見渡すと、玉三郎目当てなのか、女性客が目立ちます。配偶者のお友達も玉三郎が出るということで、ご一緒します。
二月大歌舞伎は2月2日(土)~26日(火)という日程ですから、今日はほぼ中日です。客席はほとんど埋まっています。配偶者は張り切って、着物を着ています。saraiはリラックスしたセーター姿。昨日までのクルレンツィスのコンサートはちゃんとブレザーを着ていましたが、歌舞伎はリラックスして見ましょう。

夜の部は4時半開始ですが、その前にレストランの予約を済ませ、プログラムであらすじを確認しながら、開演を待ちます。今日の演目はすべて、初めて見るものです。

1番目の演目は一谷嫩軍記熊谷陣屋(くまがいじんや)です。主役の熊谷直実は吉右衛門が演じますから、大いに期待できます。
あらすじはホームページに以下の内容が記載されています。

源氏方の武将熊谷直実が自らの陣屋に戻ってくると、妻の相模が息子小次郎の初陣を案じ待っています。小次郎の様子と、平家の公達敦盛を討ったことを明かす直実。そこへ敦盛の母藤の方が現れ、直実に斬りかかりますが、これをなだめた直実は敦盛の立派な最期を語って聞かせます。やがて源義経が現れ、敦盛の首実検が行われますが…。

上記のあらすじには肝心の内容が書かれていません。直実は後白河院のご落胤だった敦盛を討たずに、代わりに自分の息子の小次郎の首を切ったという衝撃の内容がこの歌舞伎の底辺にずっと流れています。最初に直実を演じる吉右衛門が花道から入場しますが、この出から、吉右衛門は無言で物凄い形相です。ですが、このあたりではsaraiもまだ平静に芝居を見ることができます。クライマックスは敦盛の首実検を源義経が行う場面です。義経役は菊之助ですが、声色も明快でいい役者さんになりましたね。これからの歌舞伎を引っ張っていく存在になりそうです。この首実検で敦盛の首ではなく、小次郎の首であることが分かりますが、一同はあえて、敦盛の首だということで通します。小次郎の母、相模の嘆きようはいくばくかという場面です。で、最後は我が子を手にかけた直実は義経に暇乞いを願い、僧侶姿に身を変えて、小次郎の菩提を弔う旅に出発します。吉右衛門が花道に出るところで、菊之助(義経)が呼び止めて、最後に小次郎の首をかざします。吉右衛門はたまらず、その場に崩れ落ち、深い嘆きの迫真の演技。たまりませんね。そのまま、幕が引かれますが、花道手前の吉右衛門だけが幕の前に立っています。すると三味線弾きが登場し、片足を椅子の上に上げて、まるでギターをかき鳴らすように三味線を弾きます。その伴奏にのって、吉右衛門は深い嘆きとともに花道を駆け抜けていきます。何とも素晴らしい幕切れです。そのカッコよさに感嘆しながら、感動を覚えます。こういう歌舞伎を見て、理解でき、感動できる・・・日本人に生まれてよかった! ちなみにこのお芝居のテーマは今日的なテーマ、平和への希求です。

ここで休憩。予約していた、美味しい夕食をいただきます。食事が終わると、すぐに次の演目です。

2番目の演目は新春の華やかを踊る、當年祝春駒(あたるとしいわうはるこま)です。
あらすじはホームページに以下の内容が記載されています。

初春を迎えた工藤祐経の館に、親の仇である祐経を討とうと曽我十郎と五郎の兄弟が春駒売りに姿を変えて入り込みます。賑やかに春駒の踊りを披露する兄弟は祐経との対面を果たしますが、祐経は兄弟の正体に気づいており…。

これは曽我兄弟と工藤祐経の対面する有名な場面です。寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)という歌舞伎にもなっています。今回の舞踊では、最後に工藤祐経が富士山麓での巻狩りの通行手形を曽我兄弟に投げ渡し、そこで討たれる覚悟であることを語ります。ちなみに曽我兄弟の演目は江戸時代から新春には欠かせないものだったそうです。

再び、休憩です。休憩後、いよいよ、玉三郎の登場と相成ります。

3番目の演目は初世尾上辰之助三十三回忌追善狂言と銘打った、名月八幡祭(めいげつはちまんまつり)です。
あらすじはホームページに以下の内容が記載されています。

越後の実直な行商人縮屋新助は、深川芸者の美代吉に惚れ込んでいます。しかし美代吉は旦那もちで、さらには船頭三次という情夫までいる奔放な女。美代吉は、深川大祭に必要な100両が用意できずに困ると、金の工面を新助にすがります。新助は故郷の家や田畑を売り払って金を工面しますが、旦那からの手切れ金が届いて金の心配がなくなった美代吉は態度を一変、新助の相手をしなくなります。裏切られ狂乱した新助は…。

この深川芸者の美代吉に扮するのが玉三郎。その情人の船頭三次が仁左衛門。この二人の自堕落さが名優の二人で見事に演じ切られます。玉三郎の艶やかさがまだまだ健在でした。玉三郎がこの美代吉を演じるのは何と32年ぶりだそうです。その時よりさらに4年前、すなわち今から36年前は相手役の縮屋新助は初世尾上辰之助。彼は40歳で亡くなり、今年が三十三回忌だそうです。今回の相手役の縮屋新助は初世尾上辰之助の息子の尾上松緑。その機縁で玉三郎と仁左衛門(彼も36年前に船頭三次役を演じ、当時はまだ片岡孝夫と名乗っていました。その時以来の36年ぶりの船頭三次役。本人はもうこの役をやることはないだろうと思っていた由。)という名優が顔を出してくれたようです。お二人はお歳を感じさせない若々しい演技で楽しませてくれました。初世尾上辰之助三十三回忌追善狂言で実現した夢の豪華配役でした。

結局、4時半に始まった夜の部も終わってみれば、9時頃の長丁場になりました。たっぷりと久しぶりの歌舞伎を楽しみました。次に歌舞伎を見るのはいつのことだろう・・・。


今日の公演内容は以下です。

《夜の部》

1.一谷嫩軍記熊谷陣屋(くまがいじんや)

    熊谷直実   吉右衛門
    藤の方    雀右衛門
    源義経    菊之助
    亀井六郎   歌昇
    片岡八郎   種之助
    伊勢三郎   菊市郎
    駿河次郎   菊史郎
    梶原平次景高 吉之丞
    堤軍次    又五郎
    白毫弥陀六  歌六
    相模     魁春


2.當年祝春駒(あたるとしいわうはるこま)

    工藤祐経  梅玉
    曽我五郎  左近
    大磯の虎  米吉
    化粧坂少将 梅丸
    曽我十郎  錦之助
    小林朝比奈 又五郎

3.初世尾上辰之助三十三回忌追善狂言
  名月八幡祭(めいげつはちまんまつり)

    縮屋新助    松緑
    芸者美代吉   玉三郎
    魚惣      歌六
    船頭長吉    松江
    魚惣女房お竹  梅花
    美代吉母およし 歌女之丞
    藤岡慶十郎   梅玉
    船頭三次    仁左衛門



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スイス・オーストリアの旅:チューリッヒからバーゼルへ

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《スイス・オーストリアの旅》は2010年7月にスイスのバーゼル美術館にココシュカの最高傑作≪風の花嫁≫を見に行くという夢を現実のものにすることを第一にプラン作りを始めた旅です。さらにスイスならば、ベルンのクレーセンター、チューリッヒ歌劇場も行かねばとプランを膨らませました。そして、旅の後半はウィーン、ザルツブルク、ミュンヘンに足を伸ばし、オペラやオペレッタも楽しみ、ザルツカンマーグートのシャーフベルク鉄道、ルードヴィヒ2世の第3のお城であるヘレンキームゼー城へも行きました。その年の6月に長く務めた会社を定年退職した直後の初めての長期間のヨーロッパ遠征で初めての夏のヨーロッパでもあり、思い出深い旅になりました。
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スイス・オーストリアの旅:バーゼル市立美術館、あちゃー・・・

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スイス・オーストリアの旅:ココシュカの「風の花嫁」、遂に感動の日 ~ ライン川の渡し船

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スイス・オーストリアの旅:バーゼル大聖堂からの美しい眺望

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究極のピアニズム! ユリアンナ・アヴデーエワ ピアノ・リサイタル@東京オペラシティ コンサートホール 2019.2.19

ユリアンナ・アヴデーエワのソロ・ピアノ・リサイタルはおよそ2年半ぶりに聴きます。その間、グリーグのピアノ協奏曲とブラームスのピアノ協奏曲第1番は聴きましたから、ちゃんと毎年、彼女のピアノ演奏には接しています。それにしても、聴くたびにそのピアノ演奏に感銘させてくれるアヴデーエワは凄すぎるピアニストです。今日も素晴らしい演奏に恐れ入りました。ショパンも最高だし、シューマンも見事だし、シューベルトも聴き応え十分。さらにアンコールも素晴らしい。これ以上の満足はないピアノ・リサイタルでした。

前半のショパンはまさに有無を言わせぬ極上の素晴らしさ。マズルカ第36番Op.59-1の冒頭の美しいタッチの響きを聴いただけで心をどこかに持っていかれます。そもそもsaraiはそれほどのショパンのファンでないのに、この演奏を聴いていると、俄かのショパンのファンになってしまいます。本当はショパンって、こんな音楽なのねって再認識してしまいます。マズルカ第36番のロマンティックな美しさ、第37番の流れるような高揚、第38番はあの有名な旋律が魅惑的に響きます。繊細で微妙なルパートに心を奪われる思いです。それにしてもアヴデーエワのピアノの響きは美し過ぎます。神によって、無限の天分を与えられたピアニストとしか表現のしようがありません。
次のピアノ・ソナタ第3番はさらに素晴らしい演奏。生涯最高のショパンを聴きました。とりわけ、第1楽章の素晴らしさ。下降音型の第1主題の劇的な表現の後に演奏される第2主題のロマンティックな響きには心が溶けていきそうです。ロマンを極め尽くすような音楽に魅了されます。軽やかな第2楽章に聴き入っていると、休みなしに第3楽章の導入部に入ってしまいます。そして、実に抒情的な主題が美しく歌われます。長大な中間部も抒情を極めますが、その後に回帰する最初の主題が左手の印象的なバスを伴って、美しさの限りを極めていきます。何という素晴らしい演奏でしょう。これがショパンの音楽なのですね。第4楽章も間を置かずに続きます。高揚感のある見事なフィナーレでした。これ以上のショパンを聴くことはないと思わせるような究極の演奏でした。

後半はシューマンです。シューマンがクララに愛を捧げ始めていた頃の作品のひとつです。幻想小曲集はその題名のごとく、シューマンのロマンが結実したような作品です。アヴデーエワは抒情と情熱の交錯する複雑な音楽を素晴らしいピアニズムで表現していきます。8曲とも集中力の高い演奏で見事としか言いようがありません。第1曲の《夕べに》の美しい響きにはうっとりと聴き入りました。第3曲の《何故?》の繊細さを極めた抒情はピアノ演奏の奥義を見た思いです。第5曲の《夜に》の熱い思いはシューマンのクララへの愛ゆえかと想像させられるような情熱的な表現の演奏です。第8曲の《歌の終わり》のフィナーレの静謐さは実に微妙な表現の演奏によって、聴く者の心を酔わせます。素晴らしいシューマンでした。そう言えば、彼女のシューマンを聴くのは初めてです。これからはどんなシューマンを聴かせてくれるのでしょう。

最後はシューベルトの幻想曲ハ長調「さすらい人」です。テンションの高い素晴らしい演奏でした。しかし、予習に聴いた田部京子nの演奏が素晴らし過ぎて、それには及ばない感じです。やはり、シューベルトには詩情が感じられないと感動できません。そのsaraiの気持ちを見透かしたようにアンコールで素晴らしい楽興の時第3番を演奏してくれました。こんな素敵な楽興の時を聴いたことがありません。力が抜けた美しい響きでシューベルトの奥深さを表現してくれます。有名な通俗曲をこういう高いレベルで芸術的に演奏するのは並みのピアニストにできることではありません。やはり、アヴデーエワは天才的なピアニスト! バッハのイギリス組曲第2番の第5曲のブレーは前回のブラームスの協奏曲のアンコールでも聴きました。何度聴いても素晴らしいです。バッハ弾きに特化しても素晴らしいピアニストになりそうですが、多才過ぎて、そうもいかないのが残念ではあります。で、最後のシメはやはりショパン。とっても素敵なマズルカでした。

今回もアヴデーエワは最高のピアノを聴かせてくれました。できれば、毎年、日本でソロのリサイタルを開いてもらいたいですね。 → KAJIMOTO殿


今日のプログラムは以下です。

  ショパン:3つのマズルカ Op.59
  ショパン:ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 Op.58

   《休憩》

  シューマン:幻想小曲集 Op.12
  シューベルト:幻想曲 ハ長調 D760「さすらい人」

   《アンコール》

    シューベルト:楽興の時 D 780 から 第3番ヘ短調
    バッハ:イギリス組曲第2番 イ短調 BWV 807 から ブレーI アルテルナティヴマン (Bourrée I alternativement)
    ショパン:マズルカ 第7番 ヘ短調 Op.7-3

最後に今回の予習について、まとめておきます。

ショパンの3つのマズルカ Op.59は、以下のCDで予習しました。

  マルタ・アルゲリッチ 1965年録音 ハイレゾ
  
1965年のショパン・コンクールを制した直後の録音です。清新な演奏ですが、アルゲリッチにしては、まだ、演奏に磨きがかかったというレベルではありません。

  アルトゥール・ルービンシュタイン 1965年12月27~30日、1966年 1月3日、ニューヨーク、ウェブスター・ホール

いかにも手の内にはいっているという感じの明快な表現の納得の演奏です。やはり、ルビンシュタインはショパンの達人ですね。反面、スリリングな魅力には欠けますが、まあ、そういうものでしょう。これから、ルビンシュタインの演奏もぽちぽち聴いていきましょう。


ショパンのピアノ・ソナタ第3番は以下のCDで予習しました。

  マルタ・アルゲリッチ 1967年録音

さきほどの1965年のショパン・コンクールを制した直後にも録音していますが、これはその2年後の録音です。わずか2年で驚異的な進化を果たしています。見事な演奏です。

  アルフレッド・コルトー 1933年録音

これは昔から有名な録音です。細部まで磨き上げたインスピレーションに満ちた名演です。


シューマンの幻想小曲集 Op.12は以下のCDで予習しました。

  マルタ・アルゲリッチ 1978年5月7日 アムステルダム・コンセルトヘボウ ライヴ録音

アルゲリッチでライヴということでとっても熱い演奏です。アルゲリッチのこの曲への愛が感じられるような演奏に痺れます。

 クラウディオ・アラウ 1972年3月 ドイツ セッション録音

アラウらしい重厚でゆったりとした、素晴らしい響きの演奏です。不協和音を明確に響かせているのが印象的です。これはこれで聴き惚れてしまいます。

 アルフレッド・ブレンデル 1982年3月23-27日  ロンドン セッション録音

ブレンデルの繊細で軽いタッチで極めて美しい響きの演奏が光ります。アルゲリッチの熱さともアラウの重厚さとも異なるウィーン風とでもいうような素晴らしい演奏です。


シューベルトの幻想曲ハ長調「さすらい人」は以下のCDで予習しました。

  田部京子 2002年10月6-8日 群馬 笠懸野文化ホール

シューベルトと言えば、田部京子。詩情にあふれた素晴らしい演奏です。これを聴くと、アヴデーエワの本番が聴けなくなりそうです。

 アルフレッド・ブレンデル 1971年11月13日~19日 ザルツブルク、モーツァルテウム

美しい響きのいい演奏ですが、田部京子の最高の演奏を聴いてしまうと何か、ものたりない感じになります。




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スイス・オーストリアの旅:バーゼルのランチはイタリアン ~ バーゼルからチューリッヒへ帰還、そしてまたオペラ

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《スイス・オーストリアの旅》は2010年7月にスイスのバーゼル美術館にココシュカの最高傑作≪風の花嫁≫を見に行くという夢を現実のものにすることを第一にプラン作りを始めた旅です。さらにスイスならば、ベルンのクレーセンター、チューリッヒ歌劇場も行かねばとプランを膨らませました。そして、旅の後半はウィーン、ザルツブルク、ミュンヘンに足を伸ばし、オペラやオペレッタも楽しみ、ザルツカンマーグートのシャーフベルク鉄道、ルードヴィヒ2世の第3のお城であるヘレンキームゼー城へも行きました。その年の6月に長く務めた会社を定年退職した直後の初めての長期間のヨーロッパ遠征で初めての夏のヨーロッパでもあり、思い出深い旅になりました。
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 バーゼルのランチはイタリアン
 バーゼルからチューリッヒへ帰還、そしてまたオペラ

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 3日目:バーゼルで憧れの絵に感動!

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スイス・オーストリアの旅:チューリッヒ湖畔を薔薇の街ラッパーズヴィルへ

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《スイス・オーストリアの旅》は2010年7月にスイスのバーゼル美術館にココシュカの最高傑作≪風の花嫁≫を見に行くという夢を現実のものにすることを第一にプラン作りを始めた旅です。さらにスイスならば、ベルンのクレーセンター、チューリッヒ歌劇場も行かねばとプランを膨らませました。そして、旅の後半はウィーン、ザルツブルク、ミュンヘンに足を伸ばし、オペラやオペレッタも楽しみ、ザルツカンマーグートのシャーフベルク鉄道、ルードヴィヒ2世の第3のお城であるヘレンキームゼー城へも行きました。その年の6月に長く務めた会社を定年退職した直後の初めての長期間のヨーロッパ遠征で初めての夏のヨーロッパでもあり、思い出深い旅になりました。
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名曲、ブルックナーの交響曲第7番 ツァグロゼク&読売日本交響楽団@サントリーホール 2019.2.22

久しぶりにブルックナーを聴くような気がしましたが、実際は昨年、ノット&東響で素晴らしい第9番、ブロムシュテット&ウィーン・フィル(ザルツブルク音楽祭)で最高の第4番、ゲルギエフ&ミュンヘン・フィルで不完全燃焼の第9番を聴いていました。ただ、第7番は2015年10月のハイティンク&ロンドン交響楽団以来聴いていません。あの演奏は凄かった! saraiが第7番はこういう音楽だと勝手に思っているものが、そのまま、そして、さらに高められて提示されました。あの演奏を超えるものを聴くことは今後ないと思っていますが、果たして、今日はどんな演奏になるのか、期待して、サントリーホールにやってきました。

ブルックナーに先立って、現代音楽のリームのIns Offene...が演奏されます。これはsaraiは門外漢です。雰囲気は味わえますが、理解はできないし、大きな興味を持つこともありません。まず、その前に12音技法のウィーン学派を完全制覇するほうが先でしょう。旋律もなく、リズムもない・・・あるのは、音響的な場での原初的とも言える先鋭的な響きの変化・変容です。こういう音楽もあるのでしょうが、そこまで自分の領域を広げていくと、際限もないことになります。こういうコンサートの場でちょっとだけ聴いて、ああそうなのねって、頭に収めておくだけにしましょう。ところで、タイトルのIns Offene...をGOOGLE自動翻訳にかけると、英訳では、Into the Open...となります。どうして、タイトルが日本語訳されないのか、疑問ですが、《解放された場の中に...》となるのかな。コンサートホールを境界のない開かれた音響の場として、変容する響きをその中に漂わせるということだと理解しましたが、違うのでしょう。ステージ上の奏者以外に5人の奏者が客席の周囲に立って、響きを客席の場の中に漂わせていました。理解はできませんでしたが、延々と続く音の響きの雰囲気は楽しみました。

後半は期待していたブルックナーの交響曲第7番です。第1楽章の冒頭は素晴らしいです。特に弦楽器が弱音で静謐に美しい旋律を奏でるあたりでは、ワーグナーの《痛みの音楽》を思わせます。この調子で全編続けば、大名演になるところでしたが、フォルテの音の純度が低くて、ブルックナーの美しさが損なわれます。全般的には、とてもよいブルックナーでしたし、実際、最後まで集中して聴けましたが、肝心のアンサンブルの精度が少し不足していたようです。指揮者のローター・ツァグロゼクと読響はこれが2度目の顔合わせだそうですが、今後、関係を続けていけば、もっと素晴らしい演奏が期待できそうな予感はあります。名曲、ブルックナーの交響曲第7番を聴けたので、よしとしておきましょう。かなり、楽しめました。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:ローター・ツァグロゼク
  管弦楽:読売日本交響楽団 日下 紗矢子(コンサートマスター)

  リーム:Ins Offene...(第2稿/日本初演)

   《休憩》

  ブルックナー:交響曲 第7番 ホ長調 WAB.107


最後に予習について、まとめておきます。

リームのIns Offene...を予習したCDは以下です。

 ゲルト・アルブレヒト指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 1995年録音

世界初演を謳ったCDです。耳慣れない現代音楽ですが、なかなか美しい音質でその音響的な響きを楽します。しかし、こういうCDはなかなか売れないでしょうね(笑い)。


ブルックナーの交響曲第7番を予習したCDは以下です。

オイゲン・ヨッフム指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団 1970年3月15日、ライヴ録音

ヨッフムの緊張感漲るブルックナーは何も言うことのない素晴らしさ。ヨッフムのブルックナーの中では何と言っても、この第7番がとどめを刺すというのがsaraiの意見です。ヨッフムのどのCDも第7番は素晴らしいです。なかでもこのCDはアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団ならではの素晴らしい低弦が響きます。saraiが聴いているのは、オイゲン・ヨッフム指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の第4番~第8番のライヴ録音がセットになった2016年のTahraのリマスター盤です。

  ヘルベルト・ブロムシュテット指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 2006年11月23~25日 ライヴ録音

某ネットサイトで激賞していたので、試しに聴いてみました。ブロムシュテットらしい丁寧で美しい演奏です。悪くはありませんが、まあ、普通でしょうか。やはり、チェリダッケのように超個性的か、ハイティンクのように作曲家崇拝型のほうがsaraiの好みです。ブロムシュテットは旧盤のシュターツカペレ・ドレスデンでも聴き直してみましょうか。



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スイス・オーストリアの旅:ラッパーズヴィルの丘の上を散策

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ゆるぎない自己 日下紗矢子 ヴァイオリンの地平 4─近現代@トッパンホール 2019.2.24

コパチンスカヤとセットで購入したリサイタルです。コパチンスカヤに続き、バルトークが聴けるのも期待できます。それに日下紗矢子は読響のコンミスとしてはいつも満足の演奏を聴かせてくれています。ソロ演奏は2015年にチェロとの2重奏を聴いて以来、2度目です。そのときが日下紗矢子の演奏を最初に聴いたときで、高音の美しい響きが印象に残っています。シュルホフの演奏が素晴らしかったです。そのときの記事はここです。

今日は近現代がテーマで20世紀初頭のウィーン学派の12音のノントナール音楽に始まり、1960年以降のポストモダーンの音楽というなかなかの難物を構成したプログラムです。そのため、しっかり、予習して、コンサートに臨みます。日下紗矢子はしっかり、プログラムを考えたようで、ウェーベルン、バルトークはその真骨頂とも言える難しい作品をラインアップしています。ポストモダーンは比較的聴きやすい曲をセレクトしてくれました。彼女の優しさをありがたく受け止めさせてもらいます。したがって、今日はシュニトケを聴くのが楽しみです。ちなみに今回のリサイタルは日下紗矢子の4回にわたる《ヴァイオリンの地平》というシリーズの最終回なのだそうです。これまでの3回は聴き逃がしました。1回目のバロック、2回目の古典派、3回目のドイツ・ロマン派と続いてきたようです。でも、これまでもそれほどの有名曲は取り上げてこなかったようですから、彼女の音楽に向かう姿勢が感じられます。

まず、個々の演奏にはいる前に総評を書きます。すべてが完璧ではありませんでしたが、大変、レベルの高い、素晴らしい演奏でした。一番素晴らしかったのは、3曲目のシュニトケです。2曲目のバルトークもよかったのですが、演奏のノリが部分的に今一つの感じるとことがありました。これは後述しますが、予習したイザベル・ファウストのCDが素晴らし過ぎたことが要因です。1曲目のウェーベルン、4曲目のジョン・アダムズも高レベルの演奏で十分に楽しめましたが、まあ、曲が曲なので、そんあところでしょう。日下紗矢子の演奏は常にゆるぎない自己を基盤として、作品とほどよい距離を置いた知的な演奏だと言えます。テクニック、ヴァイオリンの響き、音楽性は非常に高いレベルにあります。以前も書きましたが、同世代には優秀な女性ヴァイオリニストがひしめきあっています。
saraiが大好きな庄司紗矢香の輝くような個性とはまた違ったタイプですが、室内楽では安定した演奏が持ち味で、そのクレバーさが光ります。ちなみに庄司紗矢香よりも4歳年上ですが、パガニーニ国際コンクールで庄司紗矢香が1999年に史上最年少で優勝した翌年の2000年に惜しくも第2位になり、キャリア的には遅い登場となりました。ヒラリー・ハーン、リサ・バティアシュヴィリとは同い年。ジャニーヌ・ヤンセンは1歳上。パトリシア・コパチンスカヤは2歳上。ユリア・フィッシャーは庄司紗矢香と同い年で4歳下。国内外、この世代のヴァイオリニストは才能がひしめいています。


ウェーベルンの4つの小品 Op.7は本格的な無調音楽で、かつ、凝縮した音楽です。集中して聴く曲です。日下紗矢子と言えば、自分を失うことなく、過度の緊張感はなく、余裕でこの難曲を弾き切ります。素晴らしいのですが、こういう曲はムターのようにもう少し噛み砕いて演奏してくれれば、もっとよかったかな。

続いて、期待のバルトークの無伴奏ソナタです。素晴らしい響きですが、結構、普通の演奏。コパチンスカヤほどの個性とは言いませんが、もう少し突っ込んでほしいと思っていたら、第1楽章の終盤の美しい抒情に聴き惚れます。エンジンがかかったかなと思っていたら、第2楽章はまた普通の演奏、これも後半はヒートアップした素晴らしい演奏。結局、第3楽章も第4楽章も同じような展開です。どういうことなのでしょうか。各楽章、最初からノリのよい演奏をしてくれればと思いました。もっとも、やはり、予習で聴いたイザベル・ファウストの精度の高い演奏と比べると、物足りなかったのは事実で、これは仕方ありませんね。

後半のシュニトケのヴァイオリン・ソナタ第2番《ソナタ風》。これは超素晴らしい演奏でした。あの素晴らしかったクレーメルも真っ青というレベルの凄い演奏でした。力感もありますが、全体としてが十分に脱力して、ゆるぎない自己の元、しなやかな演奏を聴かせてくれました。こういう音楽を聴くと、こちらもインスパイアされて、生きる力を与えられます。行き詰ったときには、是非、この音楽で立ち直り、勇気を与えてもらいたいものです。そういう意味では、是非、CDに録音してほしいですね。そうすれば、いつでも聴けますからね。

最後のジョン・アダムズのロードムービーは典型的なミニマルミュージック。まるでゲーム音楽でも聴いているような、ノリのよさです。きっと、ポストモダーンの音楽の中でも聴きやすい音楽をセレクトしてくれたんだろうなあと彼女の優しさに感謝します。実際、アンコールの際のお話で、「難しい音楽なのに大勢の聴衆が来てくれて、演奏の間、身じろぎもせずに聴き入ってくれて、ありがとうございます。」と言う異例の言葉がありました。ずい分、聴衆に気を遣っている様子が分かり、ほほえましく思いました。

最後のアンコールのバッハで気がやすんだのは事実です。。

この日のプログラムは以下の内容です。

 ヴァイオリン:日下紗矢子
 ピアノ:ビヨルン・レーマン

  ウェーベルン:4つの小品 Op.7(1910)
  バルトーク:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ Sz117(1944)

  《休憩》

  シュニトケ:ヴァイオリン・ソナタ第2番《ソナタ風》(1968)
  ジョン・アダムズ:ロードムービー(1995)

  《アンコール》

    ミヒャエル・フォークト:ゲノフェーファ ヴァイオリン・ソナタ(日下紗矢子のために)Genoveva v. St. für Sayako Kusaka 世界初演
    J.S.バッハ:ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 BWV1023より 第3楽章 アルマンド


最後に予習について触れておきます。


1曲目のウェーベルンの4つの小品 Op.7は以下のCDで予習をしました。

  ギドン・クレーメル、オレグ・マイセンベルク 1994年5月 ドイツ、ノイマルクト

曲自体の性格のせいですが、少々、難解な演奏です。曲の把握が難しいので、別の演奏を聴くことにします。

  アンネ=ゾフィー・ムター、ランバート・オーキス 2000年5月 ライヴ録音

期待通り、ムターはできる範囲内で分かりやすい演奏を聴かせてくれます。ムターが十分に消化した素晴らしい演奏です。


2曲目のバルトークの無伴奏ヴァイオリン・ソナタは以下のCDで予習をしました。

  ギドン・クレーメル 2006年12月 ベルリン・フィルハーモニー ライヴ録音

ベルリン・フィルハーモニーでのアルゲリッチとのコンビのリサイタルの2枚組CDの中の1曲です。これはクレーメルの突っ込んだ演奏ではありますが、saraiにはこれがバルトークの無伴奏ヴァイオリン・ソナタとはどうしても思えません。全然、印象が異なります。最初は間違ったCDを聴いてしまったと思ったほどです。これも別のCDで聴き直しましょう。

  ユーディ・メニューイン 1947年6月

この曲はメニューインがバルトークに委嘱した作品で、もちろん、メニューインが初演し、病魔に苦しんでいたバルトークも一時的に体調がよく、初演に立ち会っており、その演奏を大変評価したそうです。この演奏は初演の2年半ほど後のもので、最初の録音です。確か、メニューインはこの後、2回ほど録音を残しています。バルトークのお墨付きの演奏(この録音時にはバルトークは他界していますが)ですから、まさにバルトークの無伴奏ヴァイオリン・ソナタそのものです。しかし、録音も古く、今一つ、演奏も納得できません。何か力み過ぎのような気がします。熱いエネルギー感にはあふれているんですけどね。クレーメルのどこか、醒めたような演奏に比べると、断然、素晴らしいので、この演奏で打ち止めでもいいんですが、誰か、ほかの演奏を探してみましょう。

  イザベル・ファウスト 1996年6月 フランス放送局106スタジオ、パリ

この演奏には度肝を抜かれました。完璧に楽譜を読み込んだと言える最高の凄い演奏です。細部の仕上がりの素晴らしさはもちろん、熱いエネルギー感も湛えています。イザベル・ファウストのCDの中でも、これまで聴いた最高の演奏です。もちろん、バッハの無伴奏ソナタ&パルティータをはるかにしのぐ演奏です。ヴァイオリンの響きも美し過ぎるほどです。奇跡の名演と呼んで、差し支えないと断言できます。しかし、こんなものを予習で聴くと、誰の演奏を聴いても満足できなくなりそうです。それにしてもバルトークの無伴奏がバッハの無伴奏に匹敵する傑作であることを初めて実感できました。


3曲目のシュニトケのヴァイオリン・ソナタ第2番《ソナタ風》は以下のCDで予習をしました。

  ギドン・クレーメル、アンドレイ・ガヴリーロフ 1979年録音

ウェーベルン、バルトークで満足できなかったクレーメルの演奏ですが、このシュニトケは最高に素晴らしいです。これ以上の演奏は考えられないほどです。クレーメルと言えば、シュニトケの伝道者のような人ですから、当然なのかもしれません。これは他のCDを聴く必要はありません。


4曲目のジョン・アダムズのロードムービーは以下のCDで予習をしました。

 リーラ・ジョセフォウィッツ、ジョン・ノヴァチェク 2003年7月28,29日、ロンドン、エアー・スタジオ

これは大変聴きやすく、そして、素晴らしい演奏です。ミニマルミュージックにふさわしく、小気味よい演奏が心地よく聴けます。



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スイス・オーストリアの旅:ラッパーズヴィルのバラ園

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スイス・オーストリアの旅:ラッパーズヴィルの木橋

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スイス・オーストリアの旅:チューリッヒの有名チョコレート店「シュプリュングリ」でランチ

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2014年10月に突然以前のブログサイトがクローズしたために現在のFC2ブログサイトへの引っ越しを余儀なくされました。以前の旅の記事は手作業で再アップしなければならず、順次、作業しています。

なお、再アップにあたっては以下のように記事の見直しをはかっています。

 1.基本として、旅の1日分をまとめて読むことができるように再編成します。ストラスブール散策のように2日にまたがる場合には、2日分をまとめます。
   左側のメニューにあるカテゴリで読みたい日をクリックして頂ければ、その日の分がまとめて読めます。

 2.以前の記事には地図がなかったので、散策ルートが分かりづらくご不便をおかけしました。再編成にあたり、地図を新規挿入します。

 3.記事を見直して、細かい修正を行います。特に地名などは原語表記も併記します。



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テーマ : ヨーロッパ
ジャンル : 海外情報

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Author:sarai
首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

通りすがりさん

コメント、ありがとうございます。正直、もう2年ほど前のコンサートなので、詳細は覚えておらず、自分の文章を信じるしかないのですが、生演奏とテレビで

05/13 23:47 sarai
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