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デュッセルドルフK20州立美術舘:エルンストのシュールな作品群、そして、ミロ、クレーの超傑作

2018年8月14日火曜日@デュッセルドルフ/11回目

デュッセルドルフDüsseldorfのK20州立美術舘K20, Kunstsammlung Nordrhein-Westfalenで20世紀の名画を鑑賞中です。


マックス・エルンストの《愚か者》です。1961年、エルンスト70歳頃に制作された作品です。エルンストは老境に至ってもユーモラスな彫刻作品を創り続けます。作品の意図は己に向けたものか、世間に向けたものか、それともいずれにも該当するのか。何となく、同じ年齢層に達したsaraiには、その屈折したアーティストの気持ちが分かるような気がします。少し、エルンストへの尊敬の念が沸き起こる感じです。

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ジョアン・ミロの《夜の女たちと鳥たち》です。1945年、ミロ52歳頃に描かれた作品です。白い背景の上に何とも楽し気な光景が描かれています。ミロの傑作の一枚です。

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マックス・エルンストの《愛のカルマニョール》です。1926年、エルンスト35歳頃に描かれた作品です。カルマニョールと言うのは、フランドル風にギャロップで踊られる輪舞のことです。フランス革命 (1789年) のとき,バスティーユが陥落した際にパリで踊られた事実が知られています。黒い男と白い女が踊り狂う様子が表現主義風に描かれています。

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マックス・エルンストの《最初の明確な言葉》です。1923年、エルンスト32歳頃に描かれた作品です。シュールレアリスムの作品です。女性の手が右の窓の開口部から手を差し伸べています。彼女は2本の交差した指の間に赤いボールをつまんでいるので、滑り落ちる恐れがあります。ボール自体は、壁の2本の釘の上を通り、壁の左端にある狭い壁の部分から細い「絹」の糸にぶら下がっています。このバッタのような生き物は、手のちょっとの緩みのせいで、指を開いてボールを落とすと、それがバッタを引き裂くことになります。明解なシーンですが、実にシュールです。

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マックス・エルンストの《エディプス I》です。1934年、エルンスト43歳頃に制作された作品です。父親を殺し母親と結婚したギリシア神話のエディプス (オイディプス) 王をテーマにしていますが、そんなに深刻なイメージの作品ではありません。むしろ、エディプス・コンプレックスという
精神分析の用語をイメージした、男子が母親に性愛感情をいだき,父親に嫉妬する無意識の葛藤感情を想起させます。あくまでも無邪気なユーモラスな性格の彫像です。

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パウル・クレーの再登場です。《黒い領主schwarzer Fürst》です。1927年、クレー48歳頃に描かれた作品です。邪悪な王様(ヒットラー?)を描いたものかもしれませんが、あまりに芸術的に昇華した傑作になっています。漆黒の表現がとても美しいですね。

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マックス・エルンストの《揺らぐ女》です。1923年、エルンスト32歳頃に描かれた作品です。シュールレアリスムの作品ですが、表現主義的な傾向もあります。「揺れる女」は人間とオートマトンの間の存在として描かれています。超現実の世界でのみ、存在できる自由な半人間の形態です。おぞましくもあり、超越的でもあります。

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マックス・エルンストの《我々の後の母性》です。1927年、エルンスト36歳頃に描かれた作品です。エルンストにとって、芸術創作の初期から、鳥は重要な要素でした。この作品では、鳥と人間の遷移状態、すなわち、鳥人間(ロップロップLoplop)が幻想的な画面に描かれています。これも彼のシュールレアリスムの世界です。鳥人間が抱く子供の姿はある意味、聖母子に通じるのでしょうが、ファンタジックともグロテスクとも言えます。世界が病んでいるのか、画家自身が病んでいるのか、捉えがたい世界です。

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K20州立美術館の20世紀美術コレクションでエルンストも重要な存在です。何故ならば、彼もナチスに退廃芸術の烙印を押され、辛酸を味わったからです。退廃芸術のすべからくがこの美術館ではレゾン・デートルの位置を占めます。過去の清算なしには未来がないからです。また、クレーの1点が登場しましたが、いよいよ、クレーの傑作群が最後の輝きを放ちます。ご期待作品ですが、



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テーマ : ヨーロッパ
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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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はじめまして。ブログ拝見させていただきました。私は、個人ブログを運営しているyuichironyjpと申します。フリーランサーとして活動しており、フリーランスで稼ぐ方法や、

06/14 23:46 Yuichironyjp

ありがたいコメント、嬉しいです。マーラーのファンのかたにこそ、読んでいただきたかったので、気持ちを共有できた思いです。自然の中にこそ、マーラーの音楽の本質はあり

04/23 23:45 sarai

マーラーの作品を聴きながら、ブログを読ませていただいています。
読みながら画像を見て、マーラーの過ごした風景に想いを馳せて楽しんでいます。
素敵なブログをありがと

04/23 21:47 

マーラー6番ですか・・・ハンマー打撃は勘弁してほしいものです。あったとしても、3回目の打撃だけは・・・

04/11 18:10 sarai

まさにマーラー6番な状況です笑

04/11 17:51 kico

お互い、残念でしたね。今年でヨーロッパ遠征を終わりにする予定でしたが、悲劇的な状況になりました。天はまだ我に旅を続けよというご託宣を与えたのでしょうか。1年延期

04/11 03:13 sarai

以前にもコメントさせていただいた者です。来ましたね、楽友協会からのメール。私たちはとりあえず1年延期としましたが、どうでしょうね。困っている人が多い中贅沢な悩み

04/11 00:33 kico
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