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城崎温泉の旅:嵯峨野散策

雨の時期ですが、城崎温泉でほっこりしてきましょう。京都まで新幹線で行き、京都でひと遊びしていきます。京都駅で前から気になっていた京都名物の鯖寿司をゲット。老舗のいづうの高価な鯖寿司です。これは今日の夕食のお楽しみ。
ここからJRで嵐山に移動。今日はそこからトロッコ鉄道の旅を楽しみます。
これがJR嵐山駅に隣接する嵯峨トロッコ鉄道の嵯峨駅。トロッコ鉄道の始発駅です。

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しかし、ここからトロッコ鉄道に乗車するわけではありません。嵯峨野を少し歩いた後で、ひとつ隣の駅、トロッコ嵐山駅からトロッコに乗車します。トロッコ嵯峨駅で、窓ガラスのないオープン車両『ザ・リッチ号』(5号車)の席を予約しようと思っています。これは当日しか席の予約ができません。チケット売り場は海外の観光客であふれています。

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何とか、オープン車両の端っこの席をゲット。やはり、人気があるんですね。

さて、トロッコ嵯峨駅の外に出ると、SLが展示されています。D51です。

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さて、嵯峨野散策を開始。嵐山の渡月橋から続く主要道路に出ると、さすがに観光客で賑わっています。これから、竹林の道を歩きますが、風情もあったものではありません。saraiが愚痴を言うと、配偶者から、あなたもその観光客の一人でしょうって、たしなめられます。それはそうですが・・・。

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風情はありませんが、やはり、竹林の道は素晴らしいですね。

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竹林の道を進むと、野宮神社に出ます。ここでお詣りをして、旅の成功を願います。

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さらに竹林の道を進むと、天龍寺の北門の前に出ます。こんなところにも天龍寺の入り口があるんですね。

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天龍寺は外から中を窺うだけに留めます。天龍寺のお庭の竹林も見事ですね。

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竹林の道はこの先にハイライトとでも言うべき、素晴らしいポイントが待っています。

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続いて、大河内山荘があります。ちょっと気になりますが、ここはパス。その先にトロッコ嵐山駅があります。予約したトロッコ列車の出発まで1時間ほどあります。もう一周りしてきましょう。ほぼ50年ぶりに芭蕉ゆかりの地、落柿舎に行きます。昨年は奥の細道のゆかりの地を周りましたから、今日はその仕上げです。
御髪神社の前にある小倉池に出ると、何と半夏生の群落があります。思わぬところでいいものを見ることができました。

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池の反対側の端には蓮の花が見事に咲いています。

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落柿舎に到着。50年前に配偶者とともに訪れたときのイメージが蘇ります。あたりの雰囲気も変わりませんね。

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観光客で賑わう嵯峨野ですが、なぜか、この落柿舎は我々以外の人影は見当たりません。海外の観光客も芭蕉まではカバーしていないようです。貴重な日本の独自の文化なんですね。
これが落柿舎の本庵です。どんよりとしたお天気でしたが、この時、奇跡のようにさあーっと陽光が差します。まるで、芭蕉からの歓迎のあいさつのようです。

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縁先には、訪問客が感想を書く《落柿帳(らくがきちょう)》が置いてあります。ウィットがありますね。

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お庭には句碑が並んでいます。その傍らには、季節柄、紫陽花が美しく咲いています。

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受付で記念に芭蕉の嵯峨日記(解説付き)を求めます。嵯峨日記は芭蕉が落柿舎に長期滞在したときに記したものです。それまで我々以外には訪問客はいませんでしたが、ふらっと自転車に乗った欧米人がやってきます。ここがどういうところか、知らないようです。ちょっと話すと、芭蕉の名前も知らないようなので、日本の有名な詩人のゆかりの地だと紹介すると、見ていくことにしたようです。我々は外から、落柿舎の全景を眺めて、お別れします。

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嵯峨野散策の最後は常寂光寺です。もう、ほとんど時間がありません。

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外から見るだけでパスしようと思いましたが、配偶者の強い推しでちょっとだけ中を覗くことにします。
これは門から外を眺めたところ。なかなかいいアングルです。

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お寺の境内に入りました。美しい青もみじです。

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石段を上って、本堂に向かいます。

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本堂です。

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本堂からさらに上に登ると美しい多宝塔があります。

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近くで仰ぎ見ます。

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これで嵯峨野散策は終了。急いでトロッコ嵐山駅に駆け付けましょう。



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城崎温泉の旅:保津川峡谷トロッコ鉄道

城崎温泉ほっこり旅の最中です。まずは途中下車の京都でひと遊びしています。
嵯峨野散策を終え、いよいよ、保津川峡谷トロッコ鉄道を初体験します。
嵯峨トロッコ鉄道のトロッコ嵐山駅に向かいます。駅に着くと、トロッコ列車の出発まで、まだ10分ほどありますが、驚くほど多くの人であふれかえっています。ほとんどはアジア系外国人の観光客です。配偶者が何か旅のお供を買ってから乗ろうと言いますが、適当なものがありません。saraiの気になったのは辻利の抹茶アイス最中。買ったのはいいのですが、すぐに食べたので、旅のお供にはなりません。そうこうするうちに改札口からホームへの移動が始まり、ぞろぞろと階段下のホームに行きます。どうせ全席指定席なので、慌てる必要はありません。乗るのは5両編成の最後尾のオープン車両。その位置に着きます。狭いホームは人であふれそうです。

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やがて、明るいヘッドライトを点けたトロッコ列車がホームに入ってきます。ここまではJRの線路を走ってくるんですね。

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これがトロッコ列車。乗るのが楽しみです。

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早速、オープン車両『ザ・リッチ号』(5号車)に乗り込みます。天井までガラス張りでまさにパノラマ車両。スイスのパノラマ車両みたいですね。

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発車するとすぐにトンネルに突入しますが、オープン車両は幻想的な雰囲気です。

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トンネルを抜けると、保津川の渓谷沿いに走っていきます。渓流の美しい流れは絶景です。

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対岸には嵐山温泉が見えます。現在は高級リゾートの《星のや京都》です。宿の専用の船で渡月橋付近から行く温泉です。一度泊まってみたいですね。

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保津川の流れもこのあたりはゆったりですね。

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やがて、保津川の鉄橋を渡ります。こちらが上流の亀岡方面。

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こちらは下流の嵐山方面。

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鉄橋を渡ると、先ほどまでは進行方向に向かって左側が保津川でしたが、今度は右側が保津川。トロッコ車両のどちら側の乗客にも公平な眺めが約束されています。

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やがて、JRの鉄橋の下をくぐり抜けます。

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あっという間にトロッコ鉄道の旅は終わります。たった18分ほどの乗車でトロッコ亀岡駅に到着。

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ここからはJRに乗り換えます。トロッコ亀岡駅から歩いて10分ほどでJR馬堀駅。駅前のローソンでランチのおにぎりを購入し、急いで車内で食べながら、JR亀岡駅に移動。
亀岡からは特急で城崎温泉に向かいますが、乗り換え時間を利用して、大急ぎで亀岡の町歩き。
駅前からまっすぐの道を歩いて、南郷公園へ。そこには明智光秀公の銅像が立っています。

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公園の南郷池をぐるりと迂回して、亀岡城址に向かいます。亀岡城は明智光秀が最初に築城した城ですが、現在は某宗教団体が所有しています。城址の入り口には在りし日を偲ばせる大木が立っています。

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石垣の一部も残っていますね。

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宗教団体の所有施設を勝手に歩き回るわけにもいかないので、早々に駅に引き上げます。亀岡の町歩きはほとんど挫折しました。それでも30分ほどは歩きました。

亀岡駅からは特急はしだて号に乗ります。

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1時間ほど山間部を走り、福知山へ。そこで特急こうのとり号に乗り換えます。

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また、1時間強乗って、終点の城崎温泉駅に到着。駅の改札では案内の方がいて、どこにお泊りですかと訊かれて、当惑します。どうやら、お宿のお迎えがあるようです。別にお迎えはお願いしていませんが、問われるままにお宿の名前を告げると、なんと、我々のお宿のお迎えの車も来ています。もっとも我々のお迎えではなく、ほかのお客さんのお迎えのようですが、我々も乗せていってくれるようです。ありがとうございます! ただ、駅前のスーパーで今晩の買い物をしていく予定なので、その旨を相談すると、親切にもミニスーパーの場所を教えてくれて、そこで買い物をしたら、そのお店の前で我々を拾ってくれるとのこと。急いで買い物を済ませると、ほかのお客さんを乗せた車が我々を拾ってくれました。楽ちんでお宿に運んでもらいました。
当ブログの読者のかたは気付かれたでしょうが、saraiは今年の4月の熊野・高野山の旅を最後に車を処分しました。今回の旅は車のない我々の最初の旅なんです。車なしに旅をするスタイルを確立しようとしています。そういうsaraiには、幸先のよいスタートです。車がなくても何とかなるものですね。

宿に着いて、ゆっくりしたところで夕食。リゾートマンションスタイルなので、食事は自前です。
今日のメインは京都で購入した、祇園の老舗のいづうの高価な鯖寿司です。

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もちろん、美味でした。以前、いづうから暖簾分けした、いづ松の鯖寿司を食べて、感動しましたが、やはり、同様に素晴らしい鯖寿司でした。
地ビールの城崎ビールも一緒にいただきましたが、なかなか美味しいビールです。

夕食後、温泉でまったりして、今日はお終い。これから、この城崎温泉に4泊します。しばらく、北ドイツの旅の記事は休止しますが、再開まで、しばし、お待ちください。



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城崎温泉の旅:コウノトリの舞う里

城崎温泉ほっこり旅の最中です。

今日は2日目。城崎温泉の近くの面白そうなポイントに出かけます。朝出発する時間がちょうど、年末のジョナサン・ノット指揮の東響の第9演奏会のチケット発売時間と重なり、移動中のバスの中で不安定なネット環境のために大苦戦。取れそうになったところでネット接続が切れ、結局、ネットでのチケット購入を断念。その後はひたすら携帯をかけ続けます。配偶者にも一緒に掛けてもらいますが、一向につながりません。

ところで今日の最初の目的地は玄武洞。城崎温泉駅を出発したバスは遂に目的のバス停、玄武洞前に到着。まだ、携帯はつながりません。ここからは円山川をボートで対岸に渡ります。ボートは配偶者が予約済です。バス停の近くに渡船乗り場を発見。

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川岸の乗り場に下りていくと、川の向こうからボートがやってくるのが見えます。saraiはそれどころではなく、ひたすら携帯を掛け続けます。上の空の気分でボートに乗船。ボートは対岸に向かって出発。

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ボートが対岸に着くと同時に携帯がつながります。オペレーターの女性と会話しながら、ボートを降ります。

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ようやく、無事にチケットが取れました。希望の最前列の席をゲット。やったね!
我に返って、玄武洞に向かって意気揚々で歩いていきます。玄武洞は丘の上にあるようです。石段を上っていきます。

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バス停から、ここまでの移動ルートを地図で確認しておきましょう。

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丘の上に着くと、休憩所の前にガイドのかたが立っています。どうせですから、ガイドをお願いしましょう。ガイドの先導で玄武洞の前に出ます。
うわっ、凄い! 巨大な岩壁が聳え立っています。

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岩壁の近くに寄っていきます。岸壁には複雑な柱状節理が走っています。縦、横、そして、六角形の摂理が規則的に並んでいます。

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ガイドの説明では、この岩は玄武岩なんだそうです。そして、玄武岩という岩の名称はこの玄武洞がもとになっているそうです。玄武岩は溶岩が冷え固まった岩石ですが、その過程で玄武岩にひびがはいり、このような柱状節理ができたそうです。こんなに複雑で多様な柱状節理はとても珍しいことだそうです。
六角形の柱を子細に観察して、感嘆します。

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ガイドの詳細な説明はここで繰り返すことはできませんが、とても面白くて、興味深いものでした。玄武洞を訪れてよかったと思います。ところで玄武洞という名称ですが、予備知識なしに事前には鍾乳洞のことなんだろうと思っていましたが、鍾乳石ではなくて、玄武岩でできたものです。洞窟は自然のものではなく、玄武岩を掘り出した坑道の跡なんです。現在は自然の保護のために玄武岩の掘り出しはもちろん、そこらに転がっている玄武岩の石の持ち出しも許されないそうです。唯一無二の自然の驚異ですから、当然ですね。

これで終わりかなと思うと、さらにガイドが続きます。玄武洞の先に青龍洞があります。この岩壁も玄武岩の柱状節理が見事です。自然の芸術作品ですね。

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緩やかなカーブを描く柱状節理は美しいデザインアートのようです。

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六角形の柱もくっきりと浮きだっています。

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素晴らしいものを見ました。ガイドの説明も完璧。ぜひ、今度はブラタモリで紹介してもらいたいものです。

また、帰りはボートで対岸に渡ります。

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玄武洞訪問のルートを地図で確認しておきましょう。

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この次は、こうのとりを見に行きます。でも、そんなに簡単にこうのとりを見ることができるのか半信半疑です。
まずはJR玄武洞駅に移動。バス停のすぐ近くにあります。

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無人駅です。すぐに電車がやってきます。

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車窓から、対岸の山の裾にある玄武洞が見えます。

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お隣の豊岡駅で下車。駅前でコウノトリの郷に行くバスを探します。駅前のバス停にはバスを待つ人がたむろしています。ここでコウノトリの郷へのバスについて訊くと、親切なマダムたちが次々に世話を焼いてくれます。結果、目的のバスに乗ることができます。豊岡カバンのデザインのバスです。

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かなり、郊外まで走り、コウノトリの郷公園に到着。広大な公園の一角にコウノトリ文化館があります。ここは何とすべて無料。館内を歩いていくと、多目的ホールにもうすぐ説明イベントを行う旨の案内があります。スタッフのかたに伺うと、このホールのテラスからコウノトリが見られるとのこと。遠くの巣の上にコウノトリがとまっています。野生のコウノトリだそうです。

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近くの公開飼育ケージには何羽ものコウノトリが見えます。まだ、説明開始時間までにちょっと見てきましょう。10羽ほどのコウノトリがいます。飼育中のコウノトリは羽を切っているので飛べないそうです。

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近くに寄ってみます。飼育中とは言え、大きいですね。

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これがコウノトリです。こんなにはっきりと見たことはないかもしれません。

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と、上空を野生のコウノトリが飛び回ります。

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羽を広げて飛んでいる様はとても美しいですね。

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数羽のコウノトリがひとしきり、上空を飛び回ります。

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コウノトリを追って、外の自然観察路に出ると、田んぼの先の家の屋根の上にも3羽のコウノトリが羽を休めています。

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この自然観察路を歩いてきた二人の女性と言葉を交わします。彼女たちはここにある兵庫県立大学コウノトリキャンパスの職員の方です。ひとしきり、雑談に付き合ってもらいました。楽しい会話、ありがとうございました。その間も、時折、コウノトリが上空を飛び交います。

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そうこうするうちに説明イベントの開始時間を過ぎてしまい、慌てて、多目的ホールに戻ります。数名の人が集まっていますが、まだ、説明は始まったばかり。参加させてもらい、女性スタッフの興味深い話に聞き入ります。と言っても半分ほどは質問攻めにしてしまいます。飼育ケージには野生のコウノトリも混じっているそうです。その見分け方は羽を切っているかどうか・・・何とか我々も判別できるようになります。面白かったのは、ここに生息するコウノトリ以外にも大陸から飛来するコウノトリもいて、棲みついてしまったコウノトリもいるそうです。名前はエヒメ・・・愛媛との間を往復するので、その名が付いたとのこと。そのメスはここにいるオスとつがいになって、子供もいるんだそうです。今はオスが怪我をして施設に収容されているので、独り身。可哀そうですね。コウノトリの世界にも色んな物語があるようです。
また、上空を数羽のコウノトリが飛び交います。パチリ。影が映り込みます。これは一羽です。何故でしょう。

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これでコウノトリの郷の訪問はお終い。あー、面白かった。

1時間に1本のバスに乗って、豊岡の町に戻ります。ところで豊岡で気になるのは豊岡カバン。バス停のマダムからも豊岡カバンの噂はたっぷりと仕入れました。で、バスの運転手さんに豊岡カバンの店の近くで降ろしてほしいとお願いします。すると、うーんと考えて、農協会館で降りて、豊岡カバン・ストリートに行くことを勧められます。では、そうしましょう。実はこの運転手さんは途中の営業所で別の運転手さんに交代しましたが、その際にきちんと我々のことを引き継いでくれました。無事、目的のバス停で降ろしてもらい、場所も教えてもらいます。本当に豊岡の人たちの親切さには頭が下がるばかりです。バス停からカバン・ストリートに進むと、途中、石碑に巡り会います。何と、忠臣蔵の大石内蔵助の奥方のりくの生誕の地の石碑でした。そういえば、赤穂もここからそう遠くありませんね。

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肝心のカバン・ストリートですが、よい獲物がありました。PCも入るスマートな革製のリュックを配偶者に買ってもらいました。豊岡カバンの有名店Atelier nuuの逸品です。大事に使いましょう。これからのお出かけ用の万能カバンになりそうです。早速、お店でカバンの中身を入れ替えて、背中にしょっています。

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今日はなかなか、良き日でした。お天気も最後まで持ったしね。豊岡駅前から直通のバスに乗って、城崎温泉のお宿まで楽ちんで戻りました。



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城崎温泉の旅:日本海を行く~余部鉄橋、香住漁港

城崎温泉ほっこり旅の最中です。

今日は3日目。今日も城崎温泉の近くの面白そうなポイントに出かけます。お天気が崩れたら、城崎温泉巡りをするつもりでしたが、幸い、お天気が持っています。
今日は昨日のようにコンサートのチケット取りもないので、落ち着いて出発します。今日は日本海方面に出かけることにします。
まずは城崎温泉駅から出発。

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最初の目的地は余部鉄橋。ホームに電車が入ってきます。

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浜坂行の各駅停車の電車はちんたら走って、40分ほどで餘部駅に到着。

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餘部駅の横には、旧余部鉄橋につながる線路が残されています。2010年に旧余部鉄橋は現在の新余部橋梁に置き換えられました。旧余部鉄橋の一部も過去の鉄道遺産として、保存されているんです。

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餘部駅は無人駅なので、改札がなく、そのまま、下の集落へ続く道に出ることができます。

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餘部駅のホームには旧余部鉄橋から切り出した鋼材がベンチ代わりに置かれています。

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餘部駅のホームの先には空の駅という新しい施設があるそうです。ここで降りた皆さんもそちらにぞろぞろと移動していきます。

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門柱が立つ、この先が空の駅です。空の駅は旧余部鉄橋の一部が残されて、その上に作られています。

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この余部鉄橋の上から下の集落を見下ろします。日本海も見えています。40mほどの高みからの眺めです。

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これが空の駅。ちょうど線路の幅で2本の鉄路が続いています。

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空の駅からの眺めです。

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床の隙間から下を覗くと、赤く塗装された旧余部鉄橋の骨組みが見えます。旧余部鉄橋は鋼製トレッスル橋で作られていました。作られたのは1912年(明治45年)でした。100年以上も前のことです。

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この空の駅には地上からのエレベーターでアクセスできるようになっています。そのエレベーターで地上に下りましょう。

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下からエレベーターが上がってくるのを待ちます。

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上がってきたエレベーターは満員でごった返しています。どうやら、観光バスでこの空の駅に来たツアー客のようです。この空の駅は入場無料というのも人気の一因でしょう。エレベーターで地上に下ります。下からエレベーターの塔と旧余部鉄橋の橋脚を見上げます。コンクリート製の橋梁は現在の新しいものです。

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これが現在のコンクリート製の橋脚です。

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コンクリート製の橋梁の横には、かっての旧余部鉄橋の橋脚の基部が残されています。

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余部鉄橋の下には道の駅《あまるべ》があります。

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そのお隣には個人の施設のようですが、あまるべ資料館があり、余部鉄橋グッズの数々を販売しています。

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余部鉄橋の下に流れる長谷川の対岸に渡り、そこからの余部鉄橋の様子を眺めます。手前はコンクリート製の新橋梁で途中からは空の駅が併設されています。

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日本海の浜辺に出ます。穏やかな海が広がっています。背後に巨大な人工物があるのが不思議な感じです。

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海岸沿いに大きな岩壁が見えています。その岩壁のある山を鉄道の線路が貫き、その先に余部鉄橋がつながっています。

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海岸から、再び、余部鉄橋に戻ります。旧余部鉄橋の3本の赤い橋脚が見えています。これが元々11本あった橋脚のうち、残された橋脚です。残りの橋脚は解体されました。

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民家の間の狭い道を抜けて、空の駅のエレベーターのほうに向かいます。

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これが旧余部鉄橋の橋脚です。

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エレベーターを見上げます。このエレベーターの塔は通称クリスタルタワーと呼ばれています。夜はライトアップされて綺麗だそうです。このクリスタルタワーを上って、そろそろ、空の駅の上に戻りましょう。

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空の駅の上から、先ほど海岸から歩いてきた道のあたりを眺めます。

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空の駅には下を眺められるベンチが作られています。配偶者の足元はその真下が眺められる穴の開いた鉄製の板になっています。高所恐怖症の人は怖いかも・・・。

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空の駅の端の先には、旧余部鉄橋の線路が14mだけ、そのまま残されています。

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空の駅の反対の端は鉄橋部分の先の古い線路が残されています。

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空の駅は旧余部鉄橋関連の残された線路の間に挟まれた施設なんです。空の城の床面の下には今でも昔の枕木が並んでいるのが見えます。


やがて、餘部駅に電車が入ってきます。空の駅は十分に堪能しました。これから、この電車で香住に移動して、日本海の海の幸を楽しみましょう。

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香住駅に着き、10分ほど歩いて、美味しいと評判のお寿司屋さんの三七十鮨(みなとずし)に到着。

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地魚8貫盛りのおまかせ握りをいただきます。一人前2160円となかなかの料金ですが、香住漁港のすぐ近くのお店なので、とても新鮮な食材で美味しいこと、この上なし。満足です。

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お寿司を食べ終え、目の前の漁港に向かいます。

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このあたりでは有数の漁港なので、大きな漁船がずらりと停泊しています。

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漁港の中の魚介類の直売所の遊魚館で新鮮な魚をお安く購入。煮付け用のかさごやお刺身用のスズキです。地酒もゲット。今日の夕食が楽しみです。

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本当はこの後、かすみ朝市センターに行くつもりでしたが、既に新鮮な魚をゲットしたので、計画変更。ぶらぶらと海岸沿いを歩いて、香住駅に戻ります。また、漁港を抜けると、大きな公園に出ます。しおかぜ香苑です。公園と香苑の語呂を合わせたネーミングですね。しおかぜ香苑の中に続く木道を歩きます。気持ちのいい道です。

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木道はどこまでも続きます。

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木道の横には美しい日本海が広がります。

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右手のほうには先ほどの漁港が見えています。

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香住駅から電車で城崎温泉に戻り、お宿で美味しい夕食をいただき、温泉でまったり。天国、天国・・・。



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城崎温泉の旅:外湯めぐり

城崎温泉ほっこり旅の最中です。

今日は4日目。今日はいよいよ城崎温泉のメインイベント。温泉巡り、ここ城崎温泉では外湯めぐりって言うんだそうです。外湯って言うのは、温泉旅館の温泉が内湯って言って、宿泊客にだけ利用させるのに対して、誰にでも外に開かれている温泉のことで、saraiの感覚では有体に言うと、温泉銭湯みたいなものですね。ですから、それほどの豪華さには欠けますが、庶民的で気楽なものです。この外湯が城崎温泉には7つあって、ぐるっと1日、入り放題、城崎温泉外湯めぐり券が1枚1200円で販売されています。1か所単独が600円ですから、2か所入れば、元が取れます。じゃあ、もちろん、7つともはいるぞと意気込みますが、駅前にある観光案内所で訊くと、なんだか微妙な言い方。今日はこことここに入れますが、明日はこことここ・・・という感じです。実は各外湯は年中無休ではなく、週に1回、休湯の日があります。土日と祝日は休湯の外湯がないので、土日を狙えば、全部入れそうですが、saraiは今回の旅は平日だけの滞在です。で、今日は2つの外湯が休湯。最大5つしか入れません。しかも3時からしか開かない外湯もあります。外湯の場所と営業時間を考慮して、5つ制覇する計画を練ります。

まず、朝1番は鴻の湯から外湯めぐりを開始。なかなか立派な外観ですね。

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ここでまず、外湯めぐり券をゲット。

建物の内部もとても立派です。

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この外湯は今から1400年前、コウノトリが足の傷を癒したと伝わる、効能あらたかな温泉。庭園露天風呂でゆったりします。お風呂の内部撮影は厳禁なので、写真はなし。

これで外湯の一つ目を完了。
立派な外観を眺めながら、次の外湯に向かいます。

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次の外湯に行く前にこのあたりをちょっと散策。温泉寺に向かいます。

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左手を見上げると、城崎温泉ロープウェイの乗り場が見えます。当初、ロープウェイで山の上に上るつもりでしたが、配偶者から、どうせ、城崎温泉を上から眺めるだけでしょうとダメだし。反論の材料もなく、ロープウェイは断念。

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そばに城崎温泉元湯があります。ここで温泉玉子も作れるそうです。

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温泉寺は遠くから参拝するだけ・・・ごめんなさい! 外湯めぐりの体力温存です。

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さて、元に戻って、大谿川に架かる薬師橋を渡ります。

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城崎温泉の温泉街はこの大谿川に沿って、繁栄しています。川の中にはサギがすっくと立っています。そう言えば、コウノトリの郷にもサギが紛れ込んでいました。

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次の外湯は湯の里通り沿いの御所の湯です。残念ながら、ここは今日は休湯。

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次の外湯は一の湯。

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江戸時代の温泉医学者が『天下一の湯』と称賛したことから名付けられたそうです。裏山の岩肌を削った洞窟風呂が見事です。

これで外湯の二つ目を完了。
表に出ると、日本の温泉には珍しく、飲泉場があります。

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ここからは大谿川沿いを歩きます。とても美しい風情です。

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大谿川は石造りの堤が続いています。これは一昨日訪れた玄武洞の玄武岩で作られたものです。大きな地震で崩れた玄武洞に散乱した玄武岩を有効利用したそうです。その地震で城崎温泉の町も大火災となり、その復旧の一環として、大谿川も玄武岩で改修されて、現在の美しい姿になりました。

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大谿川には歩行者専用の石造りの太鼓橋が一定間隔に並んでいます。

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その橋の上からの大谿川の美しさは最高です。

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川端の柳と石橋、川沿いの温泉街の織りなす景色は素晴らしい景観です。

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次の外湯は柳湯。この外湯も今日は休湯。

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柳の下から温泉が湧いたので、柳湯と名付けられてそうです。ここには裏に足湯があるので、見に行きましょう。
何と足湯まで温泉の湯が抜かれています。完全な休湯ですね。

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再び、大谿川沿いを歩きます。

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次の外湯は地蔵湯。

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地蔵湯に入る前に駅通りの商店街にある但馬牛専門店に寄っていきましょう。城崎温泉まで来て、但馬牛を食べない法はありません。但馬牛は和牛の母牛のルーツなんだそうです。

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ショーケースを覗くと、あり得ない高額の肉が並んでいます。

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ままよっとばかりに、ステーキ肉の中で最もリーズナブルな価格のヘレステーキを求めます。saraiはてっきり1人前を二人でシェアすると思っていましたが、太っ腹の配偶者が平然と2人前、注文。今日の夕食が楽しみです。

大谿川に戻ります。

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今度こそ、地蔵湯に入りましょう。

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名前の由来は、この湯の源泉から地蔵尊が現れたという言い伝えからだそうです。《衆生救いの湯》と言われ、シンプルな内湯があるだけですが、むしろ、その有難みを感じるべきなのでしょう。

これでようやく外湯の三つ目を完了。

ここらあたりで腹ごしらえしたいところ。お蕎麦くらいで軽くと思いますが、どうせなら、名物の出石皿蕎麦をいただきたいねとお店を探しますが、唯一見つけたお店は何と臨時休業! 出鼻をくじかれて、ランチは断念。

次の外湯は駅前のさとの湯。

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これが正面です。さあ、入りましょう。

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ここは内湯はもちろん、展望露天風呂に各種のサウナを完備した総合的な温泉。ここでたっぷりと温泉を満喫・・・というよりも温泉で討ち死にあった感。湯疲れして、もう、これ以上、温泉に入る気力も体力もなくなりました。もう、この四つ目で〆にしましょう。城崎温泉で外湯巡りする際は、このさとの湯を最後にするのがいいでしょう。

外湯めぐりの後の夕食はもちろん、但馬牛のヘレステーキ。久しぶりにこんなに美味しいステーキを食べました。最高です!

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城崎温泉を満喫した一日になりました。



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城崎温泉の旅:おまけの京都散策~上賀茂

城崎温泉ほっこり旅の最中です。

今日は5日目。最終日です。いよいよ城崎温泉を引け上げます。しかし、ここですんなりと家に帰らないのがsarai流。来るときも途中下車した京都にまた、性懲りもなく、途中下車して、ひと遊びしていきます。お宿の車で城崎温泉駅まで送ってもらい、昨日食べた焼きちくわが美味しかったので、お土産に購入します。ひなびた魚屋さんの竹内魚店です。これで城崎温泉での用事はすべて完了。駅舎に入ります。

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駅舎の壁の前にこんなものがひっそりと置かれています。

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城崎温泉から京都へはJR特急きのさきで直通です。この城崎温泉が始発ですから、既にホームに入線しています。

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早速、乗り込みましょう。指定席を取っておきましたが、始発ですから、必要ありませんでしたね。

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実際、中はがらがらです。

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約2時間半の鉄道の旅で京都に到着。1番線のホームに並ぶコインロッカーは軒並み空いています。ここに荷物を預けて、さあ、束の間の京都散策に出かけましょう。
駅前のバスターミナルで4番の市バスに乗って、上賀茂神社に向かいます。始発の京都駅から終点まで延々と50分ほどバスに揺られて、賀茂川にかかる御薗橋を渡ると、上賀茂神社前のバスターミナルです。
まずは食い気・・・焼き餅《葵餅》ひとすじの名店、神馬堂を探します。あれっ、閉まってる。ショック! でも、救いの神が見えます。葵家やきもち総本舗です。

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その店に駆け込んで、白とよもぎの焼き餅を求めます。後で道々食べましたが、頬が落ちるほどの美味しさ。さすがだねって配偶者に言うと、馬鹿ね、高いのよって、いうご託宣でした。何も言えませんね。

さて、葵餅のお店から出ると、上賀茂神社の赤い鳥居が立っています。一の鳥居です。

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京都もたいていのところには行きましたが、何故か、この上賀茂神社はこれまでご縁がありませんでした。もちろん、配偶者も同様です。下鴨神社と並んで京都で最も古い神社で、平安京以前から栄えた神社を外していたとは迂闊でした。
鳥居を抜けて、長い参道を進みます。

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と、参道の右手に大きな木が立ち並びます。何か気になります。

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近づくと、何と枝垂桜です。桜の時期には見ものでしょうね。

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参道を抜けると、境内に続く赤い鳥居があります。二の鳥居です。

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鳥居を抜けて、境内に入ると、細殿の前に砂が円錐形に整えられています。立砂と言うんだそうです。

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とても印象的な立砂ですが、これは神様が降り立つ際の目印だそうです。鬼門に撒く清めの砂の起源とも言われています。砂の山の頂点には、3葉の松の葉が立てられています。左側の立砂に3つ、右側の立砂には2つと決まっているそうです。「3葉と2葉を用いているのは、陰陽道に基づいて奇数と偶数が合わさることで神の出現を願う意がある」とのことです。

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その立砂の背後に建つ細殿も美しい建物です。

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境内を進むと、朱塗りの楼門が見えてきます。

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境内には清冽な「ならの小川」が流れています。

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朱塗りの楼門の前に立ちます。驚くほどの大きさです。

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楼門を抜けると、本殿・権殿の入り口があります。

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振り返ると、くぐり抜けてきた楼門が見えます。

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これが国宝の本殿・権殿です。

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帰りにまた、「ならの小川」の前に立ちます。

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実に清々しい流れです。因みにこの小川は、藤原家隆(ふじわらのいえたか)の詠んだ有名な百人一首の歌《風そよぐ ならの小川の 夕暮れは みそぎぞ夏の しるしなりける》に詠われています。ならの小川は、奈良にある小川じゃなくて、この上賀茂神社に流れている「ならの小川」のことだったんですね。それに、《なら》はブナ科の落葉樹、ナラ(楢)の木との掛詞にもなっているんだそうです。勉強になりました。

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上賀茂神社を出て、神社から流れ出る明神川沿いに歩きます。ここには、上賀茂神社の神官の住居である社家の美しい佇まいが並びます。
30軒の社家のうち、唯一、西村家別邸のみが公開されています。入ってみましょう。

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明神川を渡った先の門をくぐると、生け垣をめぐらせた道が続きます。

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道の上には青もみじの葉が空に映えています。

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西村家別邸に上がると、広間から、美しいお庭が眺められます。

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この西村家庭園は、上賀茂神社の社家の一つ、錦部(にしごり)家の旧宅の庭園です。

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庭園には明神川から水が引き入れられ、幅広い遣水になっています。左手に平たい岩が見えますが、これは上賀茂神社の御神体山である神山(こうやま)の降臨石をかたどったと伝えられるものです。

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その岩の手前には、深さ1mほどの石組みの窪みがあります。これは水垢離(冷水を身体に浴びせて汚れを去ること)の場として用いられたものと考えられています。

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神官ならではの庭園の作りになっています。こういうお庭を拝見できるのは珍しい体験です。

西村家別邸を辞去して、明神川沿いの社家群の美しい眺めに見入ります。

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次はカキツバタの名所、太田神社を訪れます。

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赤い鳥居の周りは鬱蒼とした木々が繁っています。

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鳥居を抜けた参道の先に社殿が見えます。

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太田神社は上賀茂神社の境外摂社です。

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社殿は美しい佇まいを見せています。

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肝心のカキツバタは鳥居の手前にある池に群生していますが、残念ながら時季外れのため、カキツバタ園の入り口は固く閉じられています。

さて、束の間の京都散策の最後の目的地、京都府立植物園に向かいましょう。20分ほど歩いて、賀茂川のほとりに続く桜の名所、半木(なからぎ)の道を歩きます。

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京都府立植物園に到着。意外なことにここは有料なんですね。一人200円を払って入園。とても広い園内を隈なく歩くわけにはいきません。バラ園のほうに向かいます。この時期、意外なことに、バラが満開です。

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色とりどりのバラが咲き乱れています。

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真紅のバラもみものです。

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スケールの大きな植物園の散策道を歩きます。気持ちがいいですね。

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噴水池の向こうに北山門が見えてきます。

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植物園を出て、地下鉄の北山駅から一気に京都駅に移動。バスは50分ほど移動時間を要しましたが、地下鉄は10分ちょっとであっという間に京都駅に到着。
京都でやり残したことはひとつだげ。それは京都ラーメンを食べること。伊勢丹の10階の京都拉麺小路に上がって、さっと、有名店ますたにの前に。何と行列がありません。ラッキー! 中華そばをいただきます。

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脂がこってりしていて、期待通りの美味しさでした。

お店を出て、駅ビルの大階段を見下ろします。絶景ですね。

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9時には横浜の自宅に帰着。心配していた雨にもあわずに楽しい旅ができました。

これにて、城崎温泉の旅は完了。ご愛読、ありがとうございました。明日からは中断していた北ドイツの旅に戻ります。美しいリューベックの町です。



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リューベック散策:トラヴェ川クルーズはトラヴェ運河を行く

2018年8月20日月曜日@リューベック/4回目

トラヴェ川Traveのクルーズ船遊覧を楽しんでいるところです。クルーズ船は中洲にある旧市街に戻り、フープ橋Hubbrücke Lübeckから、中洲の東側を流れるトラヴェ運河Kanal Traveに入りました。

運河沿いのカナル通りKanalstraßeに立ち並ぶファサードの綺麗な建物群が見えてきます。

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この建物群の右手には通り過ぎたブルク門Burgtorもまだ見えています。

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さらに後ろを振り返ると、ブルク門橋Burgtorbrückeとフープ橋Hubbrücke Lübeckも見えています。

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カナル通り沿いには色とりどりの建物が建ち並んでいます。

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その建物群と立体駐車場の間から、ヤコビ教会St. Jakobi Kirche zu Lübeckの尖塔が顔を覗かせます。

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その立体駐車場の前の桟橋には白い鳥がずらりと並んでいます。我々のお出迎えと言いたいところですが、みな、そっぽを向いていますね。

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立体駐車場の前を通り過ぎると、ヤコビ教会の姿がすっきりと見通せるようになります。

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ヤコビ教会の姿を見ながら、クルーズ船は走っていきます。

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後ろを見ると、ブルク門が建物の陰に隠れようとしています。ブルク門橋もずい分遠くに離れました。

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ヤコビ教会の姿が樹木の陰に隠れると、今度はかなり遠くにマリエン教会Marienkircheの2本の尖塔、そして、その横に聖ペトリ教会St. Petri Kircheの尖塔も見えてきます。

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後ろを振り返ると、運河が湾曲していて、もはや、ブルク門橋も見えなくなりそうです。それに運河はこのあたりになると、随分、川幅が広くなってきました。

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木々の間から、時折、ヤコビ教会の尖塔が顔を覗かせます。

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クルークハーフェン橋Klughafenbrückeをくぐり抜けました。

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このクルークハーフェン橋は特異な姿をしています。川岸の両端にある大きなクレーンのようなもので橋を持ち上げています。多分、このクレーンが可動式になっていて、橋の高さを変えられるようになっているのでしょう。大きな船が通過するときには橋が高く持ち上げられるような構造です。橋のたもとに停泊している船はイタリア料理のレストランです。

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そのクルークハーフェン橋もたちまち離れていきます。クルーズ船は快調に走っていきます。

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またまた、レストラン船です。運河沿いでの食事には最高の立地ですね。

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中洲の対岸には、緑が多く、新しいモダンな建物が建っています。旧市街とは好対照です。

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ヒュクスター橋Hüxtertorbrückeをくぐり抜けました。

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ここからは川幅も狭くなり、運河の両側の岸辺は樹木に覆われて、緑あふれる雰囲気です。行く手にはまた橋が見えてきます。

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ここまでの航行ルートを地図で確認しておきましょう。

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ちょうどホルステン門の中洲の反対側のあたりまでやってきました。トラヴェ運河も中洲の半分ほど来たことになります。中洲の周りを半周したんですね。
まだまだ、トラヴェ川クルーズは続きます。



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リューベック散策:クルーズ船からの大聖堂の眺め

2018年8月20日月曜日@リューベック/5回目

トラヴェ川Traveのクルーズ船遊覧を楽しんでいるところです。クルーズ船は中洲の東側を流れるトラヴェ運河Kanal Traveの半ばを過ぎたところです。先ほどのトラヴェ川とは逆サイドから中洲の旧市街を眺めながら、クルーズ船は進みます。

運河沿いの緑の中を進んでいます。

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次の橋、レーダー橋Rehderbrückeもくぐり抜けて、既に遠く後ろに離れました。

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また、ミューレントーア橋Mühlentorbrückeをくぐり抜けました。運河の両岸は緑の樹木に覆われています。

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後ろを振り返ると、そのミューレントーア橋がどんどん遠ざかります。

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運河は緩やかなカーブを描いています。

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ここでクルーズ船はぐんぐん回頭していきます。

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右手の水路に進入していきます。

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この狭い水路は実はトラヴェ川Traveなんです。行く手には大聖堂Dom zu Lübeckの尖塔も見えてきます。

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樹木の陰から大聖堂の尖塔が1本だけ見えています。

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目の前に橋が見えてきます。これは橋と言うよりもヴァル通りWallstraßeの一部なんです。

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橋をくぐり抜けて、かなり狭くなった運河のような川をぎりぎりに進んでいきます。川岸のすぐ近くに大聖堂が見えています。

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大聖堂の対岸には川遊び用なのか、ボートが並んでいます。長閑な雰囲気の場所です。

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ようやく大聖堂の尖塔が2本とも見えます。これまでは角度的に2本が重なっていました。

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大聖堂を間近に見るあたりで、急に日が差してきて、川の水面も輝いています。気持ちのよいクルーズになります。

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大聖堂の正面近くまでクルーズ船は進んできます。

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遂に大聖堂の真正面に出ます。この眺めは昨日の地上の散策でも見なかったものです。最高の大聖堂の眺めです。

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明るい陽光に輝く大聖堂を眺めながら、クルーズは終盤に差し掛かります。

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ここまでの航行ルートを地図で確認しておきましょう。

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あと少しだけ、クルーズを楽しみます。



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リューベック散策:聖ペトリ教会の前でクルーズ旅は完了

2018年8月20日月曜日@リューベック/6回目

トラヴェ川Traveのクルーズ船遊覧を楽しんでいるところです。ホルステン門Holstentor近くから出発したクルーズ船はトラヴェ川をしばらく走った後、中洲の東側を流れるトラヴェ運河Kanal Traveを走り、再び、トラヴェ川に戻って、中洲の旧市街の周りをぐるりと一周して、大聖堂Dom zu Lübeckの前を通り過ぎました。

大聖堂の姿が少しずつ離れていきます。

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川岸沿いの通り、アン・デア・オーバートラヴェ通りAn der Obertraveの前には美しい建物が並んでいます。

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トラヴェ川はここから右に大きく湾曲していきます。

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その湾曲したトラヴェ川の行く手にダンクヴァルツ橋Dankwartsbrückeが見えてきます。

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そのダンクヴァルツ橋にどんどん近づいていきます。とても橋と水面の間が狭いように見えますが大丈夫なのでしょうか。

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どうやら、このダンクヴァルツ橋は歩行者専用の橋のようです。橋に差し掛かると、急に視界が開け、マリエン教会Marienkirche、聖ペトリ教会St. Petri Kircheの尖塔が見えてきます。

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何とかぎりぎりでダンクヴァルツ橋をくぐり抜けました。

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朝方はどんよりと曇っていた空も今では少し青空も見えています。もう、最初の乗船場所のあたりまで戻ってきました。聖ペトリ教会の尖塔、マリエン教会の2本の尖塔が見えて、美しい風景が広がっています。

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手前が聖ペトリ教会、その向こうの2本の尖塔がマリエン教会です。そのいずれにもこれから訪れる予定です。

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トラヴェ川沿いには旧市街の綺麗な建物が建ち並び、美しい町並みを形作っています。

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オーバートラヴェン橋Obertravenbrückeに差し掛かります。この橋も歩行者専用の橋です。この橋を過ぎるともう、クルーズ船乗り場です。

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オーバートラヴェン橋の下をくぐります。聖ペトリ教会の姿が一段と大きく見えてきます。

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橋をくぐり抜けて、聖ペトリ教会の前に出ます。トラヴェ川からの美しい眺めです。

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クルーズ船は航海を終えて、クルーズ船乗り場に着岸していきます。

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クルーズ船乗り場のチケット売り場の小屋が近づきます。その向こうには聖ペトリ教会の姿が見えています。

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クルーズ船のスタッフが岸に飛び移り、船をロープで引っ張ります。

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そして、船をロープで固定。

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さて、立ち上がって、下船しましょう。

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配偶者がクルーズ船から岸に上陸します。

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上陸してチケット売り場を見ると、次のクルーズは11時半という表示になっています。我々のクルーズはきっかり1時間でした。3隻のクルーズ船が1時間のクルーズと30分の休憩というサイクルで30分おきにリバークルーズを実施しているようです。ご苦労様です。

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なかなか見ごたえのある楽しいリバークルージングでした。その途中、乗り合わせた女性が、我々二人の写真を撮ってくれました。二人は幸福そうな絵顔で写真に収まっていました。ダンケ。

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このクルーズ旅の航行ルートを地図で確認しておきましょう。

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船を降りた後は、目の前に見えている聖ペトリ教会に向かいます。尖塔の上に上がって、リューベックの美しい町の景色を上から眺めます。



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天才モーツァルトと天才マーラーの最高の音楽・・・アリス=紗良・オット&インバル&ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団@東京芸術劇場 コンサートホール 2019.7.10

いやはや、音楽って素晴らしい! 天才モーツァルトはこんなにシンプルな音楽の中に芸術の神髄を詰め込んでいるし、一方、我らが天才マーラーは管弦楽法の複雑さと精緻さを極めたような恐ろしいほどの音楽を聴かせてくれます。両極端のような二人ですが、きっと、ミューズの女神に愛された二人なんでしょう。マーラーやブルックナーの大交響曲の前にモーツァルトのピアノ協奏曲が配されるプログラムは多いですが、その意味をはっきりと分からせてくれるようなコンサートでした。

まず、前半のモーツァルトのピアノ協奏曲第21番。会場の聴衆みんな、いや世界中の音楽ファンが体調を心配していただろうアリス=紗良・オットのピアノでしたが、その純度の高いピアノの響きでモーツァルトの名曲を最高に歌い上げます。これからはモーツァルト弾きに専心してもらいたいと思うほどの出来栄えでした。第2楽章の美しい抒情は彼女の少女の無垢な心を感じさせてくれます。一方、第3楽章はどこまでも澄み切った青空を飛翔するようなわくわくするピアニズム。終始、粒立ちのよい素晴らしいタッチでモーツァルトにふさわしい音色を聴かせてくれました。やはり、モーツァルトはオペラとピアノ協奏曲が一番、素晴らしいですね。最高のモーツァルトでした。

後半のマーラーの交響曲第5番は何と言っても、金管が素晴らしい。冒頭のトランペットのソロは素晴らしい演奏。安定感抜群で微塵も不安感などありません。他の奏者たちもインバルのマジックにかかったようにいきいきとした音楽を奏でます。しかし、主役は作曲した天才マーラーです。聴くだけでなく、見ていても、何と言う複雑な管弦楽の使い方でしょう。分かっていたつもりのこの曲の難しさが実感させられます。特に第3楽章はよくぞ、こんなに精緻な音楽を組み立てあげたものだと驚嘆させられます。その演奏も見事。インバルの指揮もオーケストラの演奏もよくぞと言うレベルです。そして、アダージェットに入ります。深い息を思わせる音楽、そして、実に密やかな演奏に感慨深く聴き入ります。単に美しいという言葉では片付けられない音楽と演奏。心の奥襞に沁み入ってくる魂の音楽です。久しぶりにインバルの素晴らしいマーラーを聴かせてもらい満足です。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:エリアフ・インバル
  ピアノ:アリス=紗良・オット
  管弦楽:ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団 コンサートマスター:日下紗矢子

  モーツァルト:ピアノ協奏曲 第21番 ハ長調 K.467
    《アンコール》 リスト:パガニーニ大練習曲集 第5曲「狩り」 S.141 R.3b ホ長調

   《休憩》

  マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のモーツァルトのピアノ協奏曲 第21番は本当はクララ・ハスキルのピアノで聴きたいところですが、録音がないものは仕方ありません。以下のCDで予習しました。

 クリフォード・カーゾン、ラファエル・クーベリック指揮バイエルン放送交響楽団 1976年12月16日 ライヴ録音

クーベリック指揮のバイエルン放送響の得も言われぬオーケストラの響きに心を奪われます。カーゾンのピアノの響きは期待したほどの純度の高い響きは聴けませんが、saraiの頭の中では、ハスキルのピアノの響きを想像しながら、聴いています。まあ、変な聴き方です。クーベリックとハスキルの組み合わせは最高でしたからね。それでも、第2楽章の有名な旋律が流れ出すと、カーゾンのピアノの響きも俄然よくなって、うっとりと聴き惚れます。まだ、この曲の最高の演奏には出会っていません。

2曲目のマーラーの交響曲第5番を予習したCDは以下です。

 レナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィル 1963年1月、ニューヨーク ハイレゾ

バーンスタインのマーラーの5番と言えば、後のウィーン・フィルとの名演が有名ですが、バーンスタインがマーラーを世界に紹介したのはニューヨーク・フィルとの一連のマーラーの録音(第2番だけはロンドン響との演奏)でした。一昨年、マーラーがこの第5交響曲を作曲したヴェルター湖畔のマイヤーニックの作曲小屋を訪れた際に、そこで聴かせてもらったアダージェットがこのバーンスタインの旧盤でした。バーンスタインのマーラー交響曲全集(ニューヨーク・フィルとの旧盤)が置いてあった中の一枚でした。今回、その演奏をハイレゾで懐かしく聴かせてもらいました。啓蒙的ですが、よくスコアを読み込んだと思われる演奏で、とても新鮮に感じました。もちろん、バーンスタインらしく熱さもあり、ユダヤ的な粘りもあります。なぜか、昔、ベルティーニ指揮の都響ですみずみまで磨き上げられた演奏を聴いたときと同様の感動が蘇りました。これでまた、バーンスタインがウィーン・フィルを振ったときの演奏を聴き直すと、別の感慨がありそうです。ところで、アダージェットはとても素晴らしかったです。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

読響の実力が発揮されて、バルトークの難曲も余裕の演奏 ヘンリク・ナナシ&読売日本交響楽団@サントリーホール 2019.7.11

うーん、日本のオーケストラの実力もなかなかですね。バルトークの管弦楽のための協奏曲と言えば、オーケストラ能力の試金石みたいなものの一つですが、読響は余力を残した演奏。指揮者がもっと厳しい要求をしても応えられたでしょう。まあ、金管で問題もありましたが、弦楽アンサンブルの演奏能力は驚異的です。指揮者のヘンリク・ナナシはハンガリー出身ですから、お国ものとも言えるバルトークは音響的な面よりも音楽的な面を重視した指揮に思えました。ある意味、おとなしい演奏です。もしかしたら、指揮者のヘンリク・ナナシは読響に初めての客演で、少し、遠慮気味だったんでしょうか。いずれにせよ、なかなか素晴らしいバルトークに感銘を覚えました。とりわけ、この曲の肝とも思える第3楽章(管弦楽のための協奏曲は5楽章でいわゆるアーチ形の構造になっていて、その中心楽章が第3楽章)はバルトークらしい薄明を思わせる音楽ですが、その無気味な雰囲気がひたひたと伝わってきます。バルトークのオペラ《青ひげ公の城》を連想する味わいが素晴らしいです。さらに第5楽章のダイナミックで壮大な音楽作りも成功していたと思います。

前半のコダーイのガランタ舞曲もハンガリーのお国もの。チャルダッシュを思わせるロマ風の音楽がきびきびと切れがよく奏されました。好演です。
前半のもう一つのサン=サーンスのピアノ協奏曲第5番ですが、フランスの新進気鋭のピアニスト、リュカ・ドゥバルグが華麗な演奏を聴かせてくれました。アンコールのサティも見事な演奏でしたから、フランスものの演奏には大いに期待が持てそうです。ラヴェルあたりを聴いてみたい逸材です。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:ヘンリク・ナナシ
  ピアノ:リュカ・ドゥバルグ
  管弦楽:読売日本交響楽団 長原 幸太(コンサートマスター)

  コダーイ:ガランタ舞曲
  サン=サーンス:ピアノ協奏曲第5番 ヘ長調 作品103「エジプト風」

   《アンコール》 サティ:グノシエンヌ第1番

   《休憩》

  バルトーク:管弦楽のための協奏曲

最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のコダーイのガランタ舞曲を予習したCDは以下です。

 イヴァン・フィッシャー指揮ブダペスト祝祭管弦楽団 1998年1月、ブダペスト、イタリアン・インスティテュート

イヴァン・フィッシャーの自在な指揮が光ります。決定的な演奏でしょう。


2曲目のサン=サーンスのピアノ協奏曲第5番を予習したCDは以下です。

 パスカル・ロジェ、シャルル・デュトワ指揮ロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団 1978年
 
パスカル・ロジェとシャルル・デュトワの息の合った演奏で素晴らしい音楽を奏でてくれます。サン=サーンスのピアノ協奏曲全集という価値もあります。


3曲目のバルトークの管弦楽のための協奏曲を予習したCDは以下です。

 イヴァン・フィッシャー指揮ブダペスト祝祭管弦楽団 1997年

イヴァン・フィッシャーのバルトークは格別です。自由奔放の中にバルトークへのシンパシーが感じられます。



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中村 恵理のリューに酔う、テオリンも絶唱:オペラ《トゥーランドット》@東京文化会館 2019.7.12

中村 恵理のリューが聴きたくて、国内で久しぶりに舞台演出のオペラを聴くことにしました。これが大当たり。今日は一連のオペラ《トゥーランドット》公演の初演日ですが、その完成度の高さに感銘を受けました。国内のプロダクションでも、これだけのキャスト、スタッフを用意すると、海外でのオペラ公演にも匹敵するレベルのオペラが上演できるんですね。今後もこういう取り組みを続けてほしいものです。高額のチケットにも関わらず、座席はほぼ埋まっていました。みなさん、何に魅かれての来場だったんでしょう。saraiは最初に書いた通り、中村恵理のリューと、そして、タイトルロールのテオリンです。

書きどころ満載の感じでしたが、要点だけに絞ります。まずは中村恵理のリュー、最後に死ぬシーンでのアリア《氷のような姫君》でのピュアーな歌唱、最高でした。このシーンがプッチーニの絶筆だったわけですが、saraiの心の中でも、今日のオペラはここで終わったも同然。あたかもイゾルデの愛の死を連想させるがごとくです。プッチーニ的にはそうじゃなくて、ミミの死だと思い返します。いずれにせよ、このオペラはプッチーニの死でここで未完となったわけですが、saraiの妄想では、プッチーニはここでちゃんとけじめをつけて、彼のオペラ作曲はここで完結したような思いにもかられます。スカラ座での初演でもトスカニーニがこのリューの死のシーンで演奏を止めて、ここで先生はお亡くなりになりましたとスピーチしたそうですが、なんだか、それがこのオペラの正しい終わり方にも思えます。プッチーニには、トゥーランドットではなく、やはり、リリックなリューが似合います。そして、現代の最高のリューの歌い手が中村恵理です。

急にこれ以上、書きたくなくなりましたが、それもわがまま。テオリンの歌うトゥーランドットは素晴らしかったです。もしかしたら、テオリンを生で聴くのは初めてだったでしょうか。ちょっと調べてみると、5年前、バルセロナのリセウ劇場でのワルキューレで彼女のブリュンヒルデを聴いていました。道理で今日の第2幕の最後のシーンで彼女が「見も知らぬ異邦人に私を与えないでください」と歌ったとき、デジャヴのようにワルキューレでブリュンヒルデが「私を通りすがりの男に与えるのは止めてください。火の壁を通り抜けることのできる英雄だけに私を得られるようにしてください」と父ヴォータンに哀願するシーンを連想してしまったわけです。ちなみに彼女のブリュンヒルデは素晴らしかったことを思い出しました。そのとき、saraiが書いたブログ記事を読み返すと、現在最強のブリュンヒルデと絶賛していました。同じ言い方で言えば、今日のテオリンは現在最強のトゥーランドットだと思いました。歴史を通じても、最高のトゥーランドット歌いと賞賛されているビルギット・ニルソンにも肉薄する出来栄えに思えました。

カラフを歌ったテオドール・イリンカイも見事な歌唱で合格点。《誰も寝てはならぬ》は素晴らしい歌唱で聴き入りました。それに今日は合唱の合同チームが凄い歌唱を聴かせてくれました。これ以上の合唱はないでしょう。舞台に階段を多用し、その上に並んで大合唱団が歌ったのも成功の一因です。

最後に演出についてですが、舞台装置の素晴らしさも含めて、現代的な演出の中に音楽面の配慮もみられる、納得できるものでした。問題はフィナーレの演出。まだ、これからご覧になる方もいるでしょうから、詳細は述べませんが、びっくりするような終わり方でした。賛否両論あるでしょうが・・・。


プログラムとキャストは以下です。

  指揮:大野 和士
  演出:アレックス・オリエ
  管弦楽:バルセロナ交響楽団
  合唱:新国立劇場合唱団、藤原歌劇団合唱部、びわ湖ホール声楽アンサンブル
  児童合唱:TOKYO FM少年合唱団

 トゥーランドット姫              イレーネ・テオリン
 中国の皇帝アルトゥーム         持木 弘
 ティムール                  リッカルド・ザネッラート
 名前の知れない王子(実はカラフ)   テオドール・イリンカイ
 リュー、若い娘               中村 恵理
 ピン、皇帝に仕える大蔵大臣      桝 貴志
 パン、内大臣                与儀 巧
 ポン、総料理長               村上 敏明
 役人                     豊嶋 祐壹


最後に予習について、まとめておきます。

予習したCDは以下です。

 フランチェスコ・モリナーリ・プラデッリ指揮ローマ歌劇場  1965年録音
   ビルギット・ニルソン、フランコ・コレッリ、レナータ・スコット

何と言う名盤でしょう。まず、トゥーランドット役と言えば、昔から、この人。ビルギット・ニルソン。マリア・カラスという対抗馬はいますが、美しい声、そして、強くて伸びる声量は不世出でしょう。しかし、やはり、カラフ役のフランコ・コレッリが素晴らしい! この人の歌唱には賛否両論あるようですが、saraiは若い頃から彼のカッコ良さに同性ながら、参っています。史上最高のイタリアン・テノールだと信じています。やはり、素晴らしい歌唱を聴かせてくれます。ニルソンとコレッリの2重唱の凄さには絶句します。さらにリューはレナータ・スコット。この人もリリックなソプラノ役では図抜けた存在です。ですから、これは最高のキャストですね。カラスの録音がステレオならば、これに匹敵したかもしれません。映像版はレヴァイン指揮のMETでエヴァ・マルトン、プラシド・ドミンゴ、レオーナ・ミッチェルの3人が揃った素晴らしい公演をいつも聴いています。マルトンが最高です。ミッチェルのリューも素晴らしい。今回は聴きませんでした。



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       中村恵理,  

オーケストラの響きに魅了される・・・ロレンツォ・ヴィオッティ&東京交響楽団@東京オペラシティコンサートホール 2019.7.13

絶好調の東響の素晴らしい響きに終始、魅了されました。

前半のブラームスのピアノ四重奏曲は冒頭が少しアンサンブルが乱れましたが、すぐに素晴らしい響きを取り戻し、予習で感じていた管弦楽版の違和感を忘れさせる高いレベルの演奏になります。圧巻だったのは第3楽章。祝祭的で魅惑的な音楽が高らかに響き渡ります。東響の弦と木管を中心にした美しいアンサンブルをロレンツォ・ヴィオッティの熱い指揮が盛り立てます。この壮大なスケール感はオリジナルの室内楽版では出せないでしょう。初めて、シェーンベルクの編曲の意図が分かったような気がします。第4楽章は速いパッセージが勢いよく奏でられて、ヴィオッティの指揮はさらに熱く燃え上がります。第3楽章、第4楽章の演奏は素晴らしいもので、高揚した気持ちで全曲を聴き終えます。

後半のドヴォルザークの交響曲 第7番は前半の演奏以上に東響のアンサンブルがより美しく、響き渡ります。この素晴らしい音響を聴いているだけでも満足です。第8番、第9番ほど耳慣れしていないせいか、実に耳に新鮮に響きます。あまりの心地よさに時折、ふーっと意識が遠のくほどです。強烈な響きにホールの空気がびりびりと振動することもしばしばですが、それがうるさくないのは東響のアンサンブルがきっちりしているからです。ヴィオッティの若々しい感性の直線的な指揮も好感が持てます。いずれ、熟成の時を迎えるでしょうが、それまでは元気のよい音楽を聴かせてくれればいいでしょう。

最後はブラームスの名作をアンコール曲にして、素晴らしいコンサートをしめくくってくれました。なお、若き指揮者ヴィオッティの東響の舞台への登場はこれが4回目だそうです。前回のヴェルディのレクイエムも素晴らしい演奏でした。今後も楽しみですね。


  指揮:ロレンツォ・ヴィオッティ
  管弦楽:東京交響楽団 コンサート・マスター:水谷晃

  ブラームス:ピアノ四重奏曲 第1番 ト短調 op.25
         (シェーンベルクによる管弦楽版)

   《休憩》

  ドヴォルザーク:交響曲 第7番 ニ短調 op.70

   《アンコール》
     ブラームス:ハンガリー舞曲第1番 ト短調


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のブラームスのピアノ四重奏曲 第1番(シェーンベルクによる管弦楽版)を予習したCDは以下です。

 クリストフ・エッシェンバッハ指揮ヒューストン交響楽団 1995年
 
堅実な演奏ですが、正直言って、オリジナルの室内楽版が聴きたくなりました。


2曲目のドヴォルザークの交響曲 第7番を予習したCDは以下です。

 ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団 1960年 ハイレゾ

これは予想を上回る素晴らしい演奏。聴けば聴くほど、このコンビの演奏はどれも素晴らしいです。その中でも、この演奏は最高に素晴らしいもののひとつです。



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リューベック散策:聖ペトリ教会の塔の上からの絶景

2018年8月20日月曜日@リューベック/7回目

トラヴェ川Traveのクルーズ船遊覧を終えて、今度は地上でのリューベックLübeck散策に移ります。遊覧船乗り場の目の前に見えている聖ペトリ教会St. Petri Kircheに向かいます。

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狭い路地のパゲニエン通りPagönnienstraßeを抜けていくと、聖ペトリ教会の尖塔の姿がだんだん大きくなります。

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すぐに煉瓦塀に突き当たります。煉瓦塀に沿って、コルク小路Kolkが続いています。

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そのコルク小路を進みます。右手には人形劇博物館TheaterFigurenMuseumと人形劇劇場があります。これは昨日も見ました。

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路地をぐるっと周り込むと、聖ペトリ教会の真ん前に出ます。

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教会の尖塔が空を突く差すように聳え立っています。これから、あの尖塔に上って、リューベックの町の風景を眺めてみましょう。

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入り口から教会の内部にはいりましょう。

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内部は白が基調となったゴシック風の空間が広がっています、

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聖ペトリ教会の塔の上まではエレベーターで昇れるので楽ちんです。大人一人4ユーロですが、楽できるから仕方ありません。

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行列に並んで、ショップでチケットを買い求めます。

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エレベーターで早速、塔の上に上がります。そして、塔の上からのリューベックの絶景に歓声を上げます。リューベックの旧市街すべてが視界に収められます。赤い三角屋根の家々の連なりはとても美しいです。先ほど、クルーズしたトラヴェ川の川面も美しく輝いています。

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視線を左に移すと、大聖堂Dom zu Lübeckも見えています。

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じっくりと腰を据えて、リューベックの町の景観を楽しむことにしましょう。


(今日はちょっとショートバージョンで失礼します。ウィンブルドンテニスの男子シングルス決勝に釘付けになっていました。フェデラーもジョコヴィッチも素晴らしいプレーを展開しましたね。東京オリンピックのテニス決勝戦のチケットが落選して残念です。)



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リューベック散策:聖ペトリ教会の塔の上から、旧市街の眺めを満喫

2018年8月20日月曜日@リューベック/8回目

トラヴェ川Traveのクルーズ船遊覧を終えて、地上でリューベックLübeck散策しています。現在、聖ペトリ教会St. Petri Kircheの塔の上からの眺めを楽しんでいるところです。360度、リューベックの旧市街すべてが見渡せます。西のほうには町のシンボルとも言えるホルステン門Museum Holstentorが見えています。オレンジ色の三角屋根の町並みとマッチして、まるでおとぎの国のようです。

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そのホルステン門の右手には、トラヴェ川沿いに5つ星ホテルのラディソン ブルー セナター ホテル リューベックRadisson Blu Senator Hotel、大きなコンサートホールの建物であるムジーク&コングレス・ハレMusik- und Kongresshalle Lübeckが並んで見えています。

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トラヴェ川沿いには旧市街の町並みがずっと続いています。

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さらに右に視線を転じると、北のほうには、これまた、町のシンボルのマリエン教会Marienkircheの2本の尖塔が見えます。その右手奥には、カタリーネン教会Katharinenkircheも見えています。

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マリエン教会の右手前には、旧市庁舎Historische Rathaustreppe Lübeckとその手前のマルクト広場Markt Lübeckが見えます。このあたりが旧市街の中心で、リューベックがハンザ同盟Hanzaの盟主だったころの重厚な雰囲気が感じられます。

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再び、北の方角のトラヴェ川とマリエン教会に挟まれた町並みを眺めます。立派な町並みが続いています。ハンザ同盟の商人たちの豪壮な館が夢の跡のように建ち並んでいます。

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その旧市街の向こうには緑が広がっています。その先は見えませんが、ハンザ同盟の商人たちが活躍したバルト海(読者の方からのご指摘で訂正)はすぐ近くにあります。

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聖ペトリ教会の真下を見下ろします。ホルステン門からマルクト広場へ続くホルステン通りHolstenstraßeには人が豆粒のように見えています。

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東のほうを眺めると、聖エギディエン教会Ägidienkircheの尖塔が見えます。本当にこの町には大きな教会が林立しています。

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再び、マリエン教会の美しい姿に視線が吸い寄せられます。手前の旧市庁舎と合わせて、やはり、旧市街の華とも言える存在です。

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旧市街の眺めもぐるっと一周して、南に見える大聖堂Dom zu Lübeckに戻ります。

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南の大聖堂と東の聖エギディエン教会を眺めます。昨日、散策したコースの教会を今日は上から眺めています。復習しているようなものです。

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先ほどまでクルーズしていたトラヴェ川を見下ろします。最後にくぐり抜けた歩行者専用のオーバートラヴェン橋Obertravenbrückeが見えています。川面には周りの風景が映り込んでいます。

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オーバートラヴェン橋の周りの水辺の風景はとても美しいですね。

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再び、大聖堂の姿を眺めます。大聖堂の周りは緑に覆われています。大聖堂の手前に見える教会の塔は聖心教会Propsteikirche Herz Jesuです。

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今度は西のほう。ホルステン門の先のリューベック中央駅Lübeck Hbfの近くを眺めます。ここにも大きな教会が見えています。聖ローレンツ教会Kirchengemeinde St. Lorenzです。

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ホルステン門も子細に眺めます。大勢の観光客で賑わっています。後で行ってみましょう。

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ホルステン門とそれに隣接する塩倉庫Salzspeicherです。

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聖ペトリ教会の塔の上からの眺めは絶景でした。グルリと地球の丸ささえも感じられました。リューベックの町の向こうはどこまでも続く大平原です。じっくりと眺めさせてもらいました。

地図で旧市街の様子を確認しておきましょう。

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さあ、また、地上に降りてきました。聖ペトリ教会の塔を見上げます。

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トラヴェ川・運河からの眺め、聖ペトリ教会の塔の上からの眺めを楽しんだ後は、実際に地上を歩いて、美しい旧市街を散策しましょう。



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知的で静謐、かつ日本人的な味わい・・・宮田大&小泉和裕&東京都交響楽団@東京文化会館大ホール 2019.7.16

音楽には色々な形があります。豪快で熱い演奏、緻密さを極めるような演奏、音楽性に満ちた演奏、等々、いずれもその道を極めれば、聴衆をうならせることができるでしょう。そして、今日の演奏はタイトルに書いたように知的で静謐な演奏、誤解を恐れずに言えば、伝統的な日本人の精神性に基づく、深い味わいの音楽でした。そこには興奮も熱狂もありませんが、まるで能楽でも聴いているような奥深い精神の緊張感に満ちていました。かくのごとく感じたのは、後半のブラームスではなくて、前半のドヴォルザークでした。こういう味わいのドヴォルザークは初めて聴きました。きっと、日本人でなければ表現できず、日本人でなければ味わうことができないでしょう。民俗音楽の代表的な作曲家とも言えるドヴォルザークですが、ボヘミアや訪問地のアメリカの音楽がベースであっても、こうして異国の日本のテースト、文化というフィルターを通した演奏が可能であること、それもとびっきり、高いレベルでなしうることは驚くべきことではないでしょうか。再現芸術という形をとる音楽の無限の可能性を再認識させられました。

少し、中身に立ち入ってみましょう。まずは独奏チェロの宮田大の熟成した音楽を賞賛すべきでしょう。ともすれば、若いチェリストならば、熱い共感に満ちたドヴォルザークの音楽を表現することが多いわけですが、宮田大はその若さにもかかわらず、実に知的で精緻、そして熟成した音楽を聴かせてくれます。知的でありながら、決して、冷たくはならず、熱い心は内に秘めたような、見事な演奏です。精神の深いところでは日本人の心がいい意味で息づいています。その宮田大のチェロをサポートする小泉和裕の見事な指揮には脱帽の感に至ります。協奏曲の指揮でここまでのレベルの音楽を聴いたことはありません。そもそも、何と彼は暗譜で指揮しています。どれほどスコアを読み込んだんでしょう。そして、彼がオーケストラで表現する音楽は独奏チェロの宮田大の音楽を独奏者以上に理解していると言っても過言でないほど、単なるサポートではなく、独奏チェロの表現をさらに敷衍・拡大し、深い味わいをもたらします。その指揮者の指示を見事に表現する都響のアンサンブルも見事です。聴きどころ満載でしたが、第2楽章の独奏チェロと木管の絡みが素晴らしくて、深い味わいに満ちていたことだけを書くにとどめます。
協奏曲での独奏者と指揮者の在り方は様々ですが、今日のように指揮者が独奏者の意図・表現を高みから見据えて、音楽的にアウフヘーベンしたかのような統合的な境地に至るということは信じられないような体験でした。しかもそれが日本文化に根差したような音楽表現とはね・・・。

となると、後半のブラームスへの期待も高まります。日本人的な表現のブラームスというのも想像はできます。しかし、演奏水準は高かったものの期待したような意味での演奏ではありませんでした。まあ、都響の素晴らしいアンサンブルで、ブラームスの中でも好きな作品である交響曲第2番が聴けただけで満足ではありました。

今日はドヴォルザークのチェロ協奏曲での宮田大の素晴らしく個性的な演奏、そして、それ以上に個性的で深い味わいの表現を聴かせてくれた小泉和裕の指揮に強い感銘を受けました。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:小泉和裕
  チェロ:宮田大
  管弦楽:東京都交響楽団  コンサートマスター:矢部達哉

  ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 op.104 B.191

   《休憩》

  ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 op.73


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のドヴォルザークのチェロ協奏曲を予習したCDは以下です。

 ピエール・フルニエ、ジョージ・セル指揮ベルリン・フィル 1962年6月 ベルリン、イエス・キリスト教会 ハイレゾ
 
昔から聴いている演奏。今回、ハイレゾで聴き直しましたが、昔、アナログのLPレコードで聴いていた音を思い出しました。心にしっくりとくる演奏です。ちらっとロストロポーヴィチ&カラヤン盤を聴こうという気持ちもありましたが、この曲はこれでよし。


2曲目のブラームスの交響曲第2番を予習したCDは以下です。

 ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団 1967年1月6日 クリーヴランド、セヴェランス・ホール

素晴らしい演奏ではありますが、なんだか、心の収まるべきところにきっちりとは入りません。やはり、ハイティンク&ロンドン交響楽団の冒頭を聴いてみましたが、ブラームスはこうでなくてはとの感があります。フルトヴェングラー&ベルリン・フィルは別格の演奏です。通常はハイティンクで決まりでしょう。



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リューベック散策:マルクト広場と雰囲気のある旧市庁舎

2018年8月20日月曜日@リューベック/9回目

リューベックLübeckの旧市街を散策しています。聖ペトリ教会St. Petri Kircheの塔の上からの眺めを楽しんだ後、次は旧市街の中心にあるマルクト広場Markt Lübeckに向かいます。マルクト広場の前の通り、コールマルクトKohlmarktに出ると、大きな花屋が配偶者の目を惹きます。

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おーっ、エリカの花がありますね。北ドイツはエリカの季節です。明日はいよいよリューネブルガー・ハイデLüneburger Heideにエリカの大群落を見に出かけます。ここでエリカの花を見かけるのは幸先よいですね。

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どうです。ここにもちょっとしたエリカの群落があります。

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エリカの花をじっくりと眺めたところでマルクト広場に入ります。

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マルクト広場に入ると、そこには旧市庁舎Historische Rathaustreppe Lübeckの建物とその先にマリエン教会Marienkircheの2本の尖塔が見えます。

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広場には名産品のお店も出ています。

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特有の色彩の市庁舎の建物に感嘆します。

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何ともかっての繁栄の時代の雰囲気が充満しています。

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ここには多くの観光客が詰めかけています。

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アーチの柱の連なる建物は美しさにあふれています。

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再び、旧市庁舎の建物を見上げます。その磁力のような魅力に惹き付けられます。

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配偶者は広場に出ている露店市場のほうが気になるようです。

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美味しそうなリンゴが並んでいます。

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saraiはまだ、こだわって、旧市庁舎の建物を離れたところから眺めます。実に美しいですね。

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古い雰囲気の旧市庁舎とその前の広場の露店は面白い組み合わせです。

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なまめかしい美女の絵が描かれた車に積まれた現代的なコーヒーマシンのお店が印象的です。

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このあたりの露店はさほど賑わっていませんね。

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旧市庁舎の建物の下を抜けて、マルクト広場から外の通りに出ます。商店街の立ち並ぶブライテ通りBreite Straßeです。目の前には、名物菓子のマルチパン(マジパン)の有名店、ニーダーエッガーNiedereggerがあります。後で寄ってみましょう。

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ニーダーエッガーのお店の通りを挟んだ反対側は今、マルクト広場から眺めていた旧市庁舎の裏側が見えます。こちら側も素晴らしい出窓風の建物になっています。

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ブライテ通りをちょっと進んで、見かけた大きな本屋さん、Pressezentrum Lübeckに入ってみます。

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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お店に入ると、まずは漫画コーナーに目がいきます。もちろん、並んでいるのは日本の漫画です。この漫画コーナーは日本が占拠しています。日本の漫画はすごい文化ですね。と、saraiが大ピンチ。お腹が緩くなってきます。いつものことですが、困ったもんだと配偶者が呆れていますが、saraiはそれどころじゃありません。こちらには日本のようにやたらとトイレはありません。トイレのあるカフェにでも駆け込むしかありません。うー、焦る!!



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リューベック散策:美味しいマジパン、そして、マリエン教会の巨大なパイプオルガン

2018年8月20日月曜日@リューベック/10回目

リューベックLübeckの旧市街を散策しています。本屋さんの中でsaraiのお腹が緩くなり、大ピンチ。予定を早めて、名物のマジパンのカフェに駆け込みます。ニーダーエッガーNiedereggerの旧市庁舎の建物の1階のアーケードにあるカフェArcades Cafeです。

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とるものもとりあえず、カフェのスタッフのお姉さんにトイレの場所を訊き、ようやく、用を足します。これで落ち着きます。さあ、マジパン入りのトルテをいただきます。アーモンドの粉を練りあげたマジパンはこのリューベックの名物です。紅茶で頂きましょう。マジパンのほんのりとした香ばしさを引き立たせる優しい甘さのケーキで大満足です。

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とても美味しいので、マジパンをお土産にしましょう。と、いきなり雨が降り出し、大騒ぎです。私たちはカフェの店内にいるので、なんの問題もありません。ゆったりとお茶を楽しんでいるうちに、雨は上がります。人騒がせな通り雨ですね。日差しも出てきたので、街歩き再開です。まずは、すぐ目の前のマジパンのショップ、ニーダーエッガーNiedereggerに行きます。

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観光客でいっぱいです。人をかき分けて、店内に入ります。

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美味しそうなマジパンが並んでいます。お土産にマジパン各種を購入。

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可愛い動物の形をしたマジパンは孫たちのお土産に購入します。

さあ、お店を出て、散策を再開します。

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お店の前には賑やかな通り、ヒュシ通りHüxstraßeがあります。ちょっと気を引かれますが、次はマリエン教会に行くので、この通りはパス。

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ブライテ通りBreite Straßeを進みます。すると、素晴らしいアーチの通廊があります。

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この通廊を歩いていきます。何とも言えない、昔を思わせる雰囲気です。

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通廊の先には、町一番の教会、マリエン教会Marienkircheが見えてきます。

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これは教会の後ろからの眺めですが、ゴシック様式の美しい教会ですね。

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これが今まで歩いていたアーチの柱の連なる通廊です。

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マリエン教会の側面に入り口が見えます。早速、中に入りましょう。

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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教会の内部に入ると、まずはお目当てのパイプオルガンが目に入ります。

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この教会のパイプオルガンを弾くブクステフーデに感銘を受けて、毎日、バッハが通い詰めたという昔話にsaraiはとても興味を惹かれていたんです。とりあえず、パイプオルガンを目にしたので、安心して、次は主祭壇のほうを眺めます。ゴシック様式の素晴らしい空間です。外からの光が燦燦と差し込んでいます。

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しかし、主祭壇自体はさっぱりしたものです。やはり、第二次世界大戦の戦禍で破壊されて後に再建されたせいでしょうか。あるいはドイツのプロテスタント的な質素さなんでしょうか。

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もう一度、パイプオルガンを主祭壇の前からしっかりと眺めます。

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8512本のパイプを持つ、世界最大級のパイプオルガンです。そして、何よりもこのオルガンを弾いていたのは、偉大なオルガニスト・作曲家のブクステフーデです。

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さあ、しばらく、この教会の重厚な内部空間を見て回ります。



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リューベック散策:マリエン教会の美しい内部空間

2018年8月20日月曜日@リューベック/11回目

リューベックLübeckの旧市街を散策しています。
現在、リューベックの町一番の教会、マリエン教会Marienkircheの内部空間を眺めています。天井を見上げると、身廊のヴォールトの連なりが美しいです。

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その天井の先にはパイプオルガンが見えます。

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側廊の窓が見えますが、この教会の窓にはステンドグラスがありませんね。教会の修復で最も難しいのはステンドグラスなんでしょう。戦災を受けたヨーロッパの教会はいずれもステンドグラスの修復では苦戦しています。修復と言うよりも新しく作成することしかできないようです。

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ゴシック様式の巨大な内部空間を支える頑強な柱です。

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その柱にこの教会の守護聖人である聖母マリアと幼子イエスの聖母子像があります。清楚な美しさです。

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身廊と側廊の間に林立する柱はそのスケールも装飾も素晴らしいです。

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身廊の一番後ろに立って、内部空間全体を見渡します。荘厳なゴシック空間です。よくこんなに立派に修復しましたね。

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側廊の床面は煉瓦が敷き詰められています。これが北ドイツ風なのでしょうか。

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キリストの十字架像のある礼拝堂です。

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北側の側廊から身廊を眺めています。美しい3廊式の空間です。

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北側の側廊の主祭壇に近いところに天文時計があります。教会の内部には珍しいですね。ちなみにこの天文時計も戦禍に合い、破壊されたそうですが、ほぼ、一から修復したそうです。ドイツ人の熱意に脱帽。

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内陣との仕切りの柵は美しい装飾が施されています。

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その仕切りの柵の下にはレリーフが彫られています。左は最後の晩餐、右は香油の女でしょうか。聖書の物語ですね。

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これが主祭壇です。小さいけれども凝った彫刻です。近づけないので内容は分かりません。きっと聖母マリアに関するものなのでしょう。

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また、キリストの磔刑像があります。これも戦禍で痛んでいますが、ここまで修復したようです。腕の先が欠けているのはむしろメッセージ性を感じます。

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最後に柵越しにブクステフーデゆかりのパイプオルガンを眺めます。生の音が聴けなかったのが残念です。

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きっと教会のショップにこの教会のパイプオルガンのCDがあるだろうと期待していたら、やはり膨大に置いてあります。ブクステフーデのオルガン全集は7枚シリーズです。決して安くはないので、記念にその中の1枚をゲット。これで満足です。

マリエン教会を出て、リューベックの散策を続けます。



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今日も絶好調、リゲティとシュトラウス・・・ジョナサン・ノット&東京交響楽団@サントリーホール 2019.7.20

何とも驚くべきプログラム。この内容だけでも聴くべき価値があるコンサートです。一言で言えば、チャレンジャブル。さすがに今日の客席には空席も目立ちましたが、そこは気にしないでノット&東響はこの路線で頑張ってほしいですね。多分、リゲティのレクイエムが今日のプログラムの肝ですが、ノットはリゲティのスペシャリストなので、それは当たり前として、他の曲を何にするか・・・ある意味、正反対とも思えるヨハン・シュトラウス2世はないでしょう。これは笑ってしまい、その上で凄いと感心します。リゲティとヨハン・シュトラウス2世ですよ、あなた! そして、最後の締めはR.シュトラウスです。これって、シュトラウスつながり? さらに生誕514年のタリス。これはノットと同じイギリス人だからかしら。東響の定期演奏会なのにオーケストラなしのア・カペラの合唱曲です。まさにジョナサン・ノットが凝りに凝ったプログラムです。これはウィーンでもなかなか聴けないプログラムです。こういうコンサートをやってくれるノットは得難い宝物だと信じています。

で、まずは人を食ったようなプログラムのJ.シュトラウスⅡの芸術家の生涯です。これは冒頭のオーボエ独奏の美しい演奏からして、通常のウィンナーワルツとは異なります。何という演奏でしょう。J.シュトラウスⅡが後期ロマン派の音楽に変身したような演奏が続きます。最後はめでたく普通の気持ちのよいウィンナーワルツに復帰します。今日のプログラムに合わせたスペシャルなJ.シュトラウスⅡの演奏でした。ノットの知的なアプローチに魅了されました。

次は最も期待したリゲティのレクイエムです。いやはや、これが本物のリゲティなんですね。東響コーラスと独唱者二人の素晴らしい歌唱です。ですが、さすがにCDで聴いたノット&ベルリン・フィルには及びません。一言で言えば、少し突っ込みが足りませんでした。その結果、戦慄を覚えるような演奏までには至りませんでした。もしかしたら、明日の川崎定期では物凄い演奏になるかもしれません。残念ながら、明日はバレエ公演を見るので、川崎定期には行きません。

後半のプログラムはタリスの40声の合唱曲で始まります。これは東響コーラスが期待以上の素晴らしい歌唱を聴かせてくれました。特にソプラノパートの美しい声の響きは圧巻でした。本場イギリスの合唱団にも優るとも劣らない素晴らしい歌唱です。こういう音楽が聴けるのもノットを音楽監督に招いた成果ですね。saraiはタリスは初聴きです。こんな素晴らしい音楽があったんですね。

最後はR.シュトラウスが若い頃に書いた《死と変容》です。これはまさに豊穣の響き。圧倒的なフィナーレは極美の世界。予習で聴いたチェリビダッケ&ミュンヘン・フィルと並び立つような美しさ。ジョナサン・ノット&東京交響楽団は着実に前進しています。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:ジョナサン・ノット
  ソプラノ:サラ・ウェゲナー
  メゾソプラノ:ターニャ・アリアーネ・バウムガルトナー
  合唱:東響コーラス
  管弦楽:東京交響楽団  コンサートマスター:グレブ・ニキティン

  J.シュトラウスⅡ:芸術家の生涯 op.316
  リゲティ:レクイエム

   《休憩》

  タリス:スペム・イン・アリウム(40声のモテット)
  R.シュトラウス:死と変容 op.24


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のJ.シュトラウスⅡの芸術家の生涯を予習したCDは以下です。

 ヴィリー・ボスコフスキー指揮ウィーン・フィル 1958年、ウィーン、ゾフィエンザール セッション録音
 
ボスコフスキー、ウィーン・フィルとくれば、もう何も言うことのない美しい演奏。ただただ、その響きに心も体も委ねるだけ。


2曲目のリゲティのレクイエムを予習したCDは以下です。

 ジョナサン・ノット指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 2001年
   カロリーネ・シュタイン(ソプラノ)、マルグリート・ファン・レイセン(メゾ・ソプラノ)、ロンドン・ヴォイセズ(合唱)

リゲティ・プロジェクトと題した5枚組のリゲティ作品集の中の一枚。リゲティが関わっただけに、ノットはベルリン・フィルと素晴らしい仕事を成し遂げています。


3曲目のタリスのスペム・イン・アリウムを予習したCDは以下です。

 タリス・スコラーズ(TALLIS SCHOLARS) 1985年 マートン・カレッジ・チャペル オックスフォード

いやはや、究極のア・カペラです。この上もなく美しい。ただ、それだけです。


4曲目のR.シュトラウスの死と変容を予習したCDは以下です。

 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ウィーン・フィル 1950年録音
 セルジュ・チェリビダッケ指揮ミュンヘン・フィル 1979年2月17日 ヘラクレス・ザール、ミュンヘン ライヴ録音

フルトヴェングラーならでは演奏。誰にも真似できない魂の燃焼があります。
チェリビダッケはミュンヘン・フィルの首席指揮者に就任する直前の演奏。この4カ月後、チェリビダッケは正式にミュンヘン・フィルの首席指揮者に就任します。後のこのコンビの大躍進が確信できるような凄まじい演奏です。



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テーマ : クラシック
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       ジョナサン・ノット,  

究極のバレエ作品!!エイフマン・バレエ《アンナ・カレーニナ》@東京文化会館 2019.7.21

ほぼ、4年ぶりのバレエです。最後にバレエを見たのはロパートキナが極上のオデットを踊ったマリインスキー・バレエの《白鳥の湖》でした。もう、これ以上のバレエを見ることはないと思い、しばらく、バレエは封印していました。

しかし、今日は現代の伝説ともいえるエイフマン・バレエの何と21年ぶりの来日公演です。しかも演目は日本初登場のアンナ・カレーニナです(日本でも新国立劇場バレエ団の上演はあったようですが。)。saraiは日本でも上演された2012年にウィーン国立歌劇場のバレエで見ました。日本もウィーンもエイフマンの指導と振付だったので、内容はほぼ同じです。それは美しいバレエでため息の出るようなものだったので、本家本元の上演で見られるのならと今回、会場にはせ参じました。

やはり、最初から最後まで息の抜けないシーンの連続で、とりわけ、saraiの大好きなリフトの連続が素晴らしく美しく、もうバレエの醍醐味に魅了され続けました。
若きプリマドンナ、ダリア・レズニクの完璧で超美しいソロとデュエット、とりわけ、リフトされたときの姿の美しさは魅惑的でした。それでいて、まだまだ、伸びしろに感じられる余裕は何なんでしょう。スーパースターに上り詰める逸材です。
セルゲイ・ヴォロブーエフも最高でした。見事なカレーニンを踊ってくれました。イーゴリ・スボーチンも見事な踊り。
ともかく、主役の3人がまったく隙のない最高の演技と踊りで魅了してくれました。
群舞も凄い踊り。恐ろしいほどです。その迫力たるや、圧倒的です。
と、これ以上は書くことがありません。まあ、内容的には、以前、ウィーンで見たものとほぼ同じなので、自分の記事をパクって、おおよそのところを書いておきましょう。

第1幕はチャイコフスキーの弦楽セレナードのとても美しい演奏のもと、舞踏会のシーンでアンナ役のダリアの美しい体の線、そして、夫カレーニン役のセルゲイとのデュエットで早速、魅了されます。その後、アンナが密会するヴロンスキーとの絡みの美しいこと、ダリアもイーゴリも最高で、うっとりし続けです。
そして、最高潮に達するのがチャイコフスキーの交響曲第6番《悲愴》の第1楽章の演奏でダリアとイーゴリのデュエットの美しさ。バレエの美しさを最高に極めたものです。特に見たことのないような高度で美しいリフトの数々、それがパーフェクトに決まり、その姿の美しいこと、まるで夢の世界のようです。これが如何に素晴らしいか、確信を込めて、賛美できます。
古典的なバレエと違って、全編、息抜く暇のない、凝縮した踊りの連続、3人のダンサーだけでなく、群舞のダンサー達も体力・技術の限りを尽くし、観るものを圧倒し続けます。

休憩になり、いったん、疲れた目を休めます。そして、第2幕です。
第2幕もダリアの美しさが光ります。アンナとヴロンスキーがイタリアに駆け落ちし、ヴェネチアでの仮面舞踏会。このシーンでの仮面を付けた群舞の凄まじさには圧倒されるのみです。とても美しく、爽快感のあるダンスシーンです。
イタリアでヴロンスキーがアンナをモデルに絵を描くシーンも、とても愛に満ちたというよりも、愛に燃え上がる感じが素晴らしく、またしても、ダリアの美しさに魅せられます。やがて、イタリアでの生活にピリオドを打ち、ロシアに戻った二人は舞踏会に登場。そして、最高潮に達するのがチャイコフスキーの交響曲第6番《悲愴》の第3楽章に乗って、狂おしいダンスが踊られるシーンです。
この後はアンナの転落の詩集です。どこまでも落ちていくアンナ。ダリアが渾身のダンスで表現していきます。
それでも、チャイコフスキーの幻想的序曲《ロミオとジュリエット》の美しい音楽で踊られるダリアの秀逸で美しいダンスで救いも感じます。何故、こうも美しいのか・・・。
最後はホール全体が振動するほどの機関車のダッダッという響きと群舞の中、アンナが身を投げて、轢死し、フィナーレ。実際に高いところからダリアが身を投げたようなのですが、この最高のシーンは照明がブラックアウトして、saraiの目には見えませんでした(予習したヴィデオではちゃんと見えました)。このまま、終わりでもいいかなと思いましたが、短いエピローグでしめくくります。

ともかく、全編、美しいソロ・デュエット・群舞の連続で、バレエ好きにはたまらない究極の作品です。しかし、真の主役はボリス・エイフマンでした。

ところで、今日のエイフマン・バレエで残念な点が一つだけありました。ウィーンで見たときはウィーン国立歌劇場管弦楽団(つまり、ウィーン・フィルそのもの)の生演奏が素晴らしかったんです。特にコンミスのダナイロヴァのヴァイオリン独奏の美しかったこと。今日はテープ。味気ないです。やはり、バレエはオーケストラの生演奏がsaraiの趣味に合います。音楽芸術と身体表現の芸術の融合こそがバレエの真髄だと信じています。


今日のプログラム・キャストは以下です。

  バレエ:アンナ・カレーニナ

 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
   原作:トルストイ
   振付・演出:ボリス・エイフマン
   管弦楽:マリインスキー歌劇場管弦楽団

   アンナ:ダリア・レズニク
   カレーニン:セルゲイ・ヴォロブーエフ
   ヴロンスキー:イーゴリ・スボーチン


  使用楽曲 オール・チャイコフスキー

  <第1幕>
   弦楽セレナーデ ハ長調 Op.48より第1楽章
   組曲第1番 ニ短調 Op.43 序曲とフーガ
   交響的バラード「ヴォエヴォーダ」Op.78
   組曲第1番 ニ短調 Op.43 間奏曲
   なつかしい土地の思い出 Op.42 スケルツォ ハ短調
   交響曲第6番 ロ短調 Op.74「悲愴」より第1楽章
   交響曲「マンフレッド」Op.58 レント・ルグーブレ
   幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」Op.32
   弦楽六重奏曲「フィレンツェの想い出」ニ短調 Op.70(弦楽合奏版)
  <第2幕>
   交響曲第2番 ハ短調 Op.17より第4楽章
   幻想序曲「ハムレット」Op.67a
   組曲第3番 ト長調 Op.55 主題と変奏
   組曲第3番 ト長調 Op.55 悲歌
   交響曲第6番 ロ短調 Op.74「悲愴」より第3楽章
   なつかしい土地の思い出 Op.42 瞑想曲 ニ短調
   幻想曲「テンペスト」Op.18
   幻想序曲「ロメオとジュリエット」

予習はもちろん、エイフマン・バレエ。ヴィデオで見てもため息の出るような美しさですが、やはり、実演は最高です。



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リューベック散策:美しい通りや路地を抜けて、トラヴェ川へ

2018年8月20日月曜日@リューベック/12回目

リューベックLübeckの旧市街を散策しています。
現在、リューベックの町一番の教会、マリエン教会Marienkircheの美しい内部空間を眺め終えて、教会を出ると、旧市議会場Stadtverwaltung Hansestadt Lübeckの重厚な建物が目の前です。これはマルクト広場Markt Lübeckの反対側から眺めたものです。

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おや、教会の前に可愛い悪魔の像がありますね。なにやら、教会建設時に逸話の残る有名な悪魔だそうです。建設の邪魔をしたそうですが、教会の近くに酒場を作ると約束すると、無事、和解したそうです。じゃあ、悪魔というより、ただの酒飲み親父みたい。ともあれ、有名な悪魔とめでたくツーショット。

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旧市議会場を眺めながら、ブライテ通りBreite Straße沿いの美しいアーチの通廊に移動。

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アーチの通廊を歩いて、メンク通りMengstraßeのほうに移動します。すると、緑の樹木の先に白亜の館が見えてきます。

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トーマス・マンゆかりのブッデンブロークハウスBuddenbrookhausです。トーマス・マンの祖父母の家でマンも頻繁に訪れたそうです。現在はトーマス・マン兄弟の記念館になっています。小説《ブッデンブローク家の人々》の舞台にもなっています。

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ブッデンブロークハウスは外から拝見するだけにします。

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このメンク通りにはファサードの美しい建物が並んでいます。それらの多くはかってのハンザ商人の館だったそうです。

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また、先ほどのアーチの通廊の前に戻ります。アーチの通廊の端のファサードは時計塔のような美しい佇まいです。

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ここから、また、ブライテ通りを北に進みます。通りの先にはヤコビ教会St. Jakobi Kirche zu Lübeckの尖塔が見えています。

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ブライテ通りを進むと、だんだん、ヤコビ教会の姿が大きくなります。

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途中で右に曲がり、カタリーネン教会Katharinenkircheに向かいます。
と、花屋さんがあり、配偶者の観察が始まります。

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この花屋さんにもエリカの花が並んでいます。

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カタリーネン教会の前に到着。

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残念ながら、ここは今日は休館でした。今日は月曜ですからね。ティントレットの絵を見られずに残念。

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昨日は見つからなかったギュンター・グラス・ハウスGünter Grass Houseを探してみましょう。グロッケンギーサー通りGlockengießerstraßeに入ります。

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今日は首尾よく、発見します。グロッケンギーサー通り21番地です。

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ショーウィンドウを覗き込みます。フォトカードがたくさんぶら下がっています。

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が、これも外から拝見しただけ。このリューベックはトーマス・マンとギュンター・グラスという二人のノーベル文学賞受賞者を輩出しています。
グロッケンギーサー通りには美しいファサードの家々が建ち並んでいます。見物している人たちもいます。

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グロッケンギーサー通りを少しうろつきますが、そろそろ、戻りましょう。美しい通りでした。

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また、ブライテ通りに戻り、そこを突っ切って、ベッカーグルーベ通りBeckergrubeに入ります。大きな劇場があります。テアター・リューベックです。

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フュンフハウゼン通りFünfhausenを横切るとき、通りの先を見ると、マリエン教会Marienkircheの塔が見えます。

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次の路地を左に入ります。ブロックスクアー通りBlocksquerstraßeです。アーチ風の支え柱が路地の上に架かっていて、なかなかの風情です。

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路地を抜けると、ブッデンブロークハウスのあったメンク通りに出ます。また、マリエン教会の尖塔が見えます。

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これが今、抜けてきた路地、ブロックスクアー通りです。

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メンク通りはトラヴェ川Traveの岸辺に続いています。さっと見渡しますが、さほどの魅力がないので、さらに真っ直ぐに向かいの路地を抜けていきます。

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路地を抜けると、アルフ通りAlfstraßeに突き当たります。今度はほぼ正面にマリエン教会が見えます。

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このあたりは再開発中らしく、工事現場になっています。美しい町が再建されるのでしょう。

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アルフ通りを歩いて、トラヴェ川に出ます。

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トラヴェ川沿いのアン・デア・ウンタートラヴェ通りAn der Untertraveには、重厚な建物が並んでいます。

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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この後は最後にホルステン門を見ておきましょう。リューベック散策も終わりが近づきます。



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リューベック散策:重厚で美しいホルステン門

2018年8月20日月曜日@リューベック/13回目

リューベックLübeckの旧市街を散策しています。
リューベックの町界隈を歩き回った末に、たどり着いたのは、やはり、トラヴェ川Traveの岸辺。対岸には、有名なコンサートホール、ムジーク&コングレス・ハレMusik- und Kongresshalle Lübeckが見えています。前にも書きましたが、巨匠ギュンター・ヴァント指揮、北ドイツ放送響によるライヴ映像のシュレースヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭(2001年)でのブルックナーの交響曲第9番の素晴らしい演奏が思い出されます。ちなみにシュレースヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭の会場は大聖堂Dom zu Lübeckも使われています。ヴァントの大聖堂でのライヴ映像も残されています。

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少し遅れて付いて来た配偶者が車の往来の多いアン・デア・ウンタートラヴェ通りAn der Untertraveを渡ろうとしています。配偶者の後ろには通り沿いに北ドイツらしい色彩の建物が並んでいます。いずれの建物もファサードが大きくて立派です。

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ここからトラヴェ川沿いにホルステン門Museum Holstentorに向かいます。まだ、間近で見物していませんでしたからね。すぐに旧市街のある中洲とホルステン門を繋ぐホルステン通りHolstenstraßeに着き、トラヴェ川に架かる短い橋、ホルステン橋Holstenbrückeを渡ります。橋の上から、トラヴェ川を眺めます。すぐ左手には、5つ星ホテルのラディソン ブルー セナター ホテル リューベックRadisson Blu Senator Hotelが見えています。

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ホルステン門の前に出ます。ホルステン門は明るい光の中で堂々としています。

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ホルステン門に近づいていきます。実にどっしりしています。saraiがドイツ音楽で感じる重心の低い重厚さを建築物で表現したかのようです。

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間近でホルステン門を見上げます。雄大です。

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ホルステン門のアーチの上には、金文字で《1477 S.P.Q.L. 1871》と書かれています。ホルステン門は1469年から1477年にかけて建造されました。最初の《1477》はホルステン門の完成した年を表します。次の《S.P.Q.L.》はラテン語で《Senatus Populusque Lubecensis》の略で、《参事会およびリューベック市民》という意味です。元々は古代ローマ帝国が用いていたラテン語の《S.P.Q.R.》:《Senatus Populusque Romanus》(元老院とローマの市民)をもじって、リューベックの誇りと栄光を表したものです。最後の《1871》はドイツ帝国Deutsches Kaiserreichの成立した年です。プロイセン王国によるドイツの統一が成った年とも言えます。プロイセン国王ヴィルヘルム1世をドイツ皇帝に戴きました。なお、ドイツ帝国はプロイセン、バイエルン、ヴュルテンベルク、ザクセンの4王国を中心とした連邦国家であり、リューベックは自由都市として、連邦の一翼を担っていました。因みにリューベックのほかの自由都市はハンブルクとブレーメンの2つでした。これから訪問予定の北ドイツの町です。

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ホルステン門をくぐると、広大な緑の広場が続いています。ここからがリューベックの城門外になります。

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ホルステン門を振り返ると、アーチの上にラテン語で《CONCORDIA DOMI FORIS PAX》と書かれています。《(門の)内(リューベック)は結束、(門の)外には平和を》という意味です。いかにもハンザ同盟盟主のリューベックらしい言葉ですね。いずれにせよ、古代ローマ帝国、神聖ローマ帝国の栄光を継承する気概が見えます。

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城門外から、ホルステン門の威容を眺めます。

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ホルステン門の右手には、塩倉庫Salzspeicherが並び、絶景を成しています。

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さて、このあたりでホルステン門鑑賞を切り上げましょう。リューベック散策もここで完了。じっとホルステン門を見つめます。

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頑強で分厚い城門を抜けていきます。

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ホルステン門の城門を抜けると、尖塔が青空の中に聳えている聖ペトリ教会St. Petri Kircheが見えてきます。

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右横を見ると、塩倉庫が存在感を発揮しています。リューベックの美しさが心に沁みてきます。

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塩倉庫を横目に旧市街に再び、足を踏み入れようとします。

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トラヴェ川を再び渡り、中洲の旧市街に入ります。

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トラヴェ川を渡ると、荷物を預けているホテル、リングホテル イェンゼンRinghotel Jensenです。

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これにて、リューベックの2日に渡る散策は完全終了。素晴らしい町歩きでした。

ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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町歩きも終了したので、午後2時過ぎとまだちょっと早いですがハンブルクに移動しましょう。



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リューベックを発って、ハンブルクへ

2018年8月20日月曜日@リューベック/14回目

リューベックLübeckの旧市街を散策しました。美しい町を歩けて、大満足です。これからリューベック中央駅からハンブルク中央駅まで鉄道移動です。
ホテルで荷物を受け取り、駅に向かいます。再び、トラヴェ川Traveを渡り、中洲の旧市街にお別れします。トラヴェ川は明るい陽光に輝いています。

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ホルステン門Museum Holstentorの横を通り過ぎます。振り返ると、ホルステン門、塩倉庫Salzspeicher、さらには、旧市街のマリエン教会Marienkircheや聖ペトリ教会St. Petri Kircheの尖塔も見えています。

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振り返りながら、ゆっくりと歩いていきます。後ろ髪を引かれる思いです。塩倉庫の後ろには聖ペトリ教会の塔が突き出ています。

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最後にホルステン門とマリエン教会の姿を眺め、美しいリューベックの町の思い出を脳裏に刻み付けます。

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やがて、トラヴェ川から分岐して並行して流れる運河、シュタットグラーベンStadtgrabenを渡ります。これでホルステン門のある中洲ともお別れします。

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運河に架かる橋を渡り終えて、後ろを振り返ると、ホルステン門と聖ペトリ教会がまだ、大きく見えています。で、これがリューベックの町との最後のお別れになりました。

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橋の前のロータリーのあるリンデン広場Lindenplatzの先には綺麗な並木道が駅前まで続いています。その途中に銅像があります。なんとビスマルク像Bismarckdenkmalです。写真を撮ろうとすると台座に座っていたおじさんがどいてくれて、パチリ。

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そのおじさんが、反対側にも銅像があるよと教えてくれるので、その騎馬像をパチリ。でも、これは誰だか分かりません。(後で調べると、初代のドイツ皇帝になったプロイセン国王ヴィルヘルム1世の騎馬像Kaiser Wilhelm I. Denkmalでした。)

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並木道の先にリューベック中央駅が見えてきます。

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ごみごみした駅前に近づきます。

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リューベック中央駅の堂々たる建物です。考えてみれば、昨日の夕方、この駅に降り立ってから、まだ、20時間ほどしか経っていません。夢のような20時間を過ごしました。

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駅の正面に立ちます。

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素晴らしい駅ですね。信号の変わるのを待って、道路を横断して、駅舎に向かいます。

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駅舎に入ると、次のハンブルク行きの2時43分電車は5分ほどで発車です。saraiはスーツケースを引っ張って、急いで移動します。

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あと5分を切りました。ダッシュ。

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エーと、このホームじゃありませんね。もっと奥のホーム(右の方)に電車が既に停車中です。

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無事、2階建て車両の電車に乗り込めました。2階席に落ち着いたのは発車1分前。セーフ。飲み物を買う余裕もありませんでした。

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チケットはネットで購入済。予定した電車の2時間半前の電車です。このチケットは通常チケットですから、別の電車に乗るのはOKです。張り込んでファーストクラスのチケットです。

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電車はすぐに発車します。

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さあ、北ドイツの次の町、ハンブルクに向かいましょう。



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ハンブルクに到着・・・ハンブルクは大都会!!

2018年8月20日月曜日@ハンブルク/15回目

ほぼ1日滞在したリューベックLübeckから、今度はハンブルクHamburgに向かいます。ハンブルク行きの電車がリューベック中央駅Lübeck Hbfを出ようとしています。

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もう一度、車窓からリューベックの町を見ようと頑張ります。遠くに見えるのはマリエン教会Marienkircheと聖ペトリ教会St. Petri Kircheでしょうか。

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すぐに樹木が邪魔して、リューベックの町は見えなくなります。

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今日の電車は昨日と違い、リューベックとハンブルク間の電車なのに凄く立派で、ファーストクラスは二階です。荷物を持ちあがるのに苦労しましたが、明るくて見晴らしも良く快適です。そして、乗客は我々だけ。静かで快適な鉄道の旅になります。ただ一つだけ残念だったのは時間がなくて、飲み物を調達できなかったことです。

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10分ほど走って、最初の停車駅、ラインフェルト Reinfeldに到着。そう言えば、昨日はハンブルクからリューベックまでノンストップでしたね。

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電車は広々とした農地の間を走っていきます。

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今度は5分ほどで2番目の停車駅、バート オルデスロー Bad Oldesloeに到着。名前からして、温泉地なんでしょうね。

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そう大きな温泉地ではないらしく、乗降客は少しです。

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今度は緑の大平原の中を走ります。

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そして、10分ほどで、3番目の停車駅、アーレン スブルク Ahrensburgに到着。この次はもう、ハンブルク中央駅Hamburg Hbfです。

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ハンブルク中央駅に到着です。電車を降りると、電車の行先は既にリューベック中央駅に変わっています。たった40分の距離のハンブルクとリューベックの間をほぼ30分間隔で電車が往復してるんですね。じゃあ、昨日の夕方の電車の混雑は何だったんでしょう。昨日が日曜というのがよくなかったのかな。

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ともあれ、今日は快適な鉄道の旅でした。電車の横を通り過ぎて、ホームを歩いていきます。

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ハンブルク中央駅はとても規模の大きな駅ですね。昨日は急いでいたので、それどころではありませんでした。実質、今日がこの駅の初体験です。26年前にハンブルクを訪れたときは空港利用でした。

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ホームから上のデッキに上がるエスカレーターにたどり着きます。

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いやはや、駅の中は大混雑です。

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ハンブルクがあまりの大都会なのにビックリ。つい先ほどまで、リューベックの街の繁栄を示す数々に驚いていたのに、ハンブルクの現在の繁栄とは、比べようもありません。人ごみにうんざりしながら、駅前にあるホテルに向かいます。ちょっとだけ、うろうろしますが、すぐにホテルを発見。中に入ります。

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このホテル、ホテル アルト ニュルンベルク Hotel Alt Nürnbergは立地のよい便利なプチホテルなのですが、エレベータがないとのことなので、1階をお願いしてあります。元気の良いおじいさんが出迎えてくれます。きっちりと的確な説明をしてくれて、チェックイン完了。

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ホテルのロビーにはこぶりのレストランも併設しています。

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さて、約束通り、1階の部屋を用意してくれてますが、日本と違い、1階ということは2階ということです。レセプションのスタッフはおじいさんだけですが、彼がさっさと配偶者の小さいほうのスーツケースを持って、階段を上がっていきます。配偶者にサポートしてもらいながら、何とかsaraiも大きいほうのスーツケースを持ってこれに続きます。荷物を持って上がるだけで、大仕事を完了の気分です。部屋にはバスタブがあること、お水もタダで追加も自由、湯沸かしもあるので、コーヒーや紅茶も飲んでよいとのこと。サ-ビス満点です。
さて、予定よりも大幅に早く着いたので、早速、ハンブルクの街歩きを始めましょう。



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飛翔する詩情、シューマンの幻想曲 田部京子@浜離宮朝日ホール 2019.7.26

この田部京子のシューベルト・プラスというコンサートシリーズも今回で第5回となり、既にシューベルトの遺作ソナタ3曲も弾き終わり、田部京子の演奏もシューベルトからシューマンへシフトしている感があります。シューマンの謝肉祭は素晴らしい演奏でしたし、前回の交響的練習曲はもう一つの出来ではありましたが、遺作変奏曲は素晴らしく美しい演奏でした。そして、今日はいよいよ期待の幻想曲です。いつか、幻想曲とクライスレリアーナを聴きたいと念願していたら、早くも今日、幻想曲が聴けます。田部京子がCDもまだ出していない作品です。

うーん、田部京子のシューマン、最高! 第1楽章、第2楽章と素晴らしく輝きに満ちたロマンティックなシューマンの演奏が続きます。しかし、本当に素晴らしかったのは、第3楽章です。深い、深い詩情に満ちた、その演奏を聴いていると、心が自由になり、高く飛翔してしまいそうです。終盤はさらに精度も純度も高まって、シューマンの若き心の感動が伝わってきます。最高の幻想曲を聴きました。次回のシューベルト・プラスのコンサートでは、シューマンの《子供の情景》が聴けます。これは田部京子が既に録音していますね。既に録音したものでは、アラベスクとパピヨンが残っている筈ですが、是非、このシリーズで愛するクライスレリアーナも弾いてほしいものです。
ところで田部京子の幻想曲が最高と書きましたが、ザルツブルク音楽祭で聴いたアンドラーシュ・シフの幻想曲も素晴らしかったんです。シフの幻想曲の第3楽章では、《愛》を感じました。それぞれの個性です。

前半のベートーヴェンのピアノ・ソナタ第8番《悲愴》はしっかりした演奏でしたが、田部京子だったら、もっと弾けるでしょうという感じ。saraiの集中力も欠けていましたけどね。シューベルトのピアノ・ソナタ第13番はさすがの演奏。田部京子のシューベルトは素晴らしいの一語。シューベルトの人懐こい優しさにあふれた演奏です。こういうシューベルトも好きです。シューベルトもこの何年か後には遺作ソナタの深い世界に入るということが信じられない感じではあります。

今日も田部京子は音楽の神に選ばれた天才ピアニストぶりを遺憾なく発揮し、シューベルトと同じ最高のレベルでシューマンを聴かせてくれました。日本には最高のシューマン弾きが二人もいて、日本人のsaraiは幸運を感じています。その二人とは、田部京子と伊藤恵です。これからも彼女たちのシューマンをたくさん聴かせてもらいましょう。


今日のプログラムは以下です。

  田部京子シューベルト・プラス 第5回

  ピアノ:田部京子
 
  べートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番ハ長調 Op.13
  シューベルト:ピアノ・ソナタ第13番イ長調 Op.120 D664

  《休憩》

  シューマン:幻想曲ハ長調 Op.17

  《アンコール》
   グリーグ:抒情小曲集より、ノクターン Op.54-4
   シューマン:『子供の情景』Op.15より、第7曲『トロイメライ』


次回はシューベルトの晩年の傑作、アレグレットが登場します。聴き逃がせませんね。残す晩年の作品はいよいよ、3つの即興曲だけですね。シューマンの《子供の情景》も演奏されます。これも待ちに待ったものです。saraiが大好きな作品です。若きブラームスの書いたピアノ・ソナタ第3番は田部京子がまだ録音していない筈です。この熱くロマンティックな作品を田部京子がどう弾くのかも楽しみです。
   

最後に予習について、まとめておきます。

べートーヴェンのピアノ・ソナタ第8番を予習したCDは以下です。

 エミール・ギレリス 1980年9月 ベルリン、イエス・キリスト教会 セッション録音

ギレリスのセッション録音のベートーヴェンはすべて、素晴らしい演奏です。この《悲愴》ソナタも同曲演奏の録音の中ではピカ一です。


シューベルトのピアノ・ソナタ第13番を予習したCDは以下です。

 田部京子 1999年3月30日~4月2日 豊田市コンサートホール

もう20年ほど前の録音ですが、今日の演奏と同様に郷愁に満ちた満足できる演奏です。


シューマンの幻想曲ハ長調を予習したCDは以下です。

 スヴャトスラフ・リヒテル 1980年 ブダペスト ライブ録音

音質は今一つですが、リヒテルらしくスケールの大きな演奏です。それにじっくりと落ち着いた演奏です。



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       田部京子,  

Thunderbirds Are Go! ジョナサン・ノット&東京交響楽団@ミューザ川崎シンフォニーホール 2019.7.27

ジョナサン・ノットはプログラムだけでも楽しませてくれます。今日も何とも驚くべきプログラムです。クラシックのコンサートなのに冒頭は、子供の頃に楽しんだイギリスのSF冒険ドラマ《サンダーバード》の音楽です。いやはや、懐かしかった・・・内容はまあ、コメントしません。東響の演奏は見事でしたけどね。
ところで今日のコンサートはフェスタサマーミューザKAWASAKI2019のオープニングコンサートです。これから丸2週間、ミューザ川崎でオーケストラの祭典が続きます。saraiはその中の主要なものを聴きます。

前半の2番目はリゲティのピアノ協奏曲。リゲティのスペシャリストといえるノットが東響の音楽監督になってくれたお蔭で次々とリゲティの作品が聴けます。先週はレクイエムでしたが、今日の演奏のほうがのびのびと自由闊達に演奏しているような感じです。ピアノ協奏曲といっても、オーケストラの編成が小さく、その分、ノットのドライブもスムーズです。響きもリズムも完璧な演奏です。ピアノの独奏のタマラ・ステファノヴィッチもこの難しい曲を完璧に弾きこなします。曲の構成は5楽章でいわゆるアーチ形の構造をとっています。曲想はまったく違いますが、リゲティの同郷の先輩であるバルトークがしばしば用いた形式です。ポリリズムの形式による複雑なリズムの曲が第1楽章、第3楽章、第5楽章で展開されますが、実に小気味よい演奏です。まだ、リゲティの本質がどのあたりにあるのか、把握しきれていませんが、ノットは今後もリゲティの作品を演奏してくれるでしょう。勉強させてもらいましょう。

後半のプログラムはベートーヴェンの交響曲 第1番。驚異的に素晴らしい演奏でした。ノットは現代音楽から、ベートーヴェン、モーツアルトという古典主義の作品まで、幅広くカバーしますが、とりわけ、古典主義作品の現代的な演奏にかけては、最高の音楽を聴かせてくれます。東響の精度の高いアンサンブルもノットの棒に敏感に反応しながら、素晴らしい演奏を聴かせてくれます。ノットと東響の絶好調コンビの演奏はあり得ない高みに到達しています。ノットは凄い指揮者ですね。こういう音楽が日本で聴けるのは幸運としか言いようがありません。演奏の中身について、深くは触れませんが、ともかく、アーティキュレーションが最高で、まるで、1800年頃のウィーンの街にタイムスリップしたかのような錯覚を覚えるくらい、このベートーヴェンの音楽の本質を突いたと感じてしまうような凄過ぎる演奏でした。今年はベートーヴェンの交響曲第7番も素晴らしい演奏でしたし、年末には交響曲第9番も聴けます。奇数番号の残りの交響曲、第3番と第5番も是非、聴きたいところです。多分、既に演奏済みかもしれませんが、再び、演奏してもらいたいな! そう念願してしまうほど、素晴らしい交響曲第1番でした。(この交響曲を聴いていると、何故か、モーツァルトのオペラの最上の響きを連想してしまいました。)


今日のプログラムは以下です。

  指揮:ジョナサン・ノット
  ピアノ:タマラ・ステファノヴィッチ
  管弦楽:東京交響楽団  コンサートマスター:水谷晃

  バリー・グレイ:「ザ・ベスト・オブ・サンダーバード」〜ジョナサン・ノット スペシャル・セレクション(オリジナル・サウンドトラックより)
  リゲティ:ピアノ協奏曲

   《休憩》

  ベートーヴェン:交響曲 第1番 ハ長調 Op.21


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のサンダーバードはもちろん予習していません。


2曲目のリゲティのピアノ協奏曲を予習したCDは以下です。

 ピエール=ロラン・エマール、ラインベルト・デ・レーウ指揮ASKOアンサンブル 2000年

リゲティ・プロジェクトと題した5枚組のリゲティ作品集の中の一枚。これがピアノ協奏曲かと驚かされますが、そのジャズっぽい作風は聴きやすさがあります。でも、このシンコペーションのかたまりのような曲はジャズではなくて、ポリリズムなんですね。複数のリズムと旋律線が同時進行しているようです。でも、ピアニストもオーケストラもこんな難しい曲をよく演奏しますね。


3曲目のベートーヴェンの交響曲 第1番を予習したCDは以下です。

 サイモン・ラトル指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団  2002年4月29日~5月17日 ウィーン、ムジークフェラインザール ライヴ録音

ラトルがベルリン・フィルの音楽監督に就任する直前にウィーン・フィルとベートーヴェン交響曲全集をライヴ録音したCDの1枚を聴きました。ノットにとってはイギリス人指揮者の先輩になるラトルの演奏を聴いてみたわけです。まずはウィーン・フィルの響きが素晴らしいですが、その中でラトルも引き締まったモダーンなスタイルの演奏表現を志向して、ラトルらしい個性を発揮している見事な演奏です。この全集の中ではこのスタイルの演奏が成功しているものだと思います。



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       ジョナサン・ノット,  

小川典子、圧巻のラフマニノフ 上岡敏之&新日本フィルハーモニー交響楽団@ミューザ川崎シンフォニーホール 2019.7.28

今日はフェスタサマーミューザKAWASAKI2019のコンサートということで、本番に先立って、リハーサルが公開されます。先にプロコフィエフのバレエ音楽「ロメオとジュリエット」のリハーサル。当日直前のリハーサルですから、既に演奏は仕上がっています。さっと流して、指揮者の上岡敏之から知的なコメントが与えらえます。再練習なんてものはありませんね。続いて、今日のお目当ての小川典子がいつの間にか登場。リハーサルとは言え、素晴らしい演奏を聴かせてくれます。配偶者に「これなら本番を聴いたも同然だね!」って言うと、配偶者は呆れて絶句。

で、本番の小川典子のラフマニノフはさらなる素晴らしさ。以前、京響とのラフマニノフの《パガニーニの主題による狂詩曲》も見事な演奏を聴かせてくれましたが、今日のピアノ協奏曲 第2番は完璧に難曲を弾きこなし、どのパッセージでも聴き手を魅了してくれます。響き、タッチ、切れ味、どれをとっても満足な演奏です。上岡敏之&新日本フィルハーモニー交響楽団も美しいアンサンブルで好サポート。特に抒情的な聴かせ所でピアノとオーケストラの協奏は圧倒的でした。演奏は第1楽章がとりわけ素晴らしく、そこで突っ込んで聴き入ってしまい、後は聴く側のsaraiがエネルギー切れ。復活したのは第3楽章の終盤。小川典子のピアノが熱く盛り上がります。ピアノ協奏曲を聴いたという実感で心が満たされました。小川典子のラフマニノフ、プロコフィエフは最高です。まさに期待通りの演奏に大満足。アンコールもラフマニノフ。練習曲《音の絵》は凄い演奏でした。

後半のプログラムはプロコフィエフのバレエ音楽「ロメオとジュリエット」組曲。新日本フィルハーモニー交響楽団の演奏を聴くのはずい分久しぶり。覚えている限りでは小澤征爾が指揮したときでした。少なくとも10年以上は前のことでしょう。指揮者の上岡敏之に至っては、多分、初聴きです。さすがに在京のメジャーオーケストラは素晴らしい演奏をしますね。ほかの日本のオーケストラと同様に弦楽アンアンブルが魅力的です。特に抒情的なシーンでの弦と木管の響きに魅了されました。ジュリエットのテーマのメロディーにほろっとなります。バレエなしで音楽だけですが、1時間近い演奏をだれずに聴けたのは演奏がよかったせいでしょう。でも、正直、バレエが見たくなりました。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:上岡敏之
  ピアノ:小川典子
  管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団  コンサートマスター:崔文洙

  ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番

   《アンコール》 ラフマニノフ:絵画的練習曲《音の絵》Op.39-1 ハ短調 アレグロ・アジタート

   《休憩》

  プロコフィエフ:バレエ音楽「ロメオとジュリエット」組曲から
   モンタギュー家とキャピュレット家 (第2組曲)
   少女ジュリエット (第2組曲)
   ジュリエット (第3組曲)
   ロメオとジュリエット (第1組曲)
   僧ローレンス (第2組曲)
   タイボルトの死 (第1組曲)
   別れの前のロメオとジュリエット (第2組曲)
   ジュリエットの墓の前のロメオ (第2組曲)
   ジュリエットの死 (第3組曲)


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のラフマニノフのピアノ協奏曲 第2番を予習したCDは以下です。

 小川典子、オウェイン・アーウェル・ヒューズ指揮マルメ交響楽団 1997年5月 マルメ・コンサート・ホール

小川典子の会心の演奏です。素晴らしいピアノ、ほれぼれと聴き入りました。オーケストラのマルメ交響楽団も好演ですが、フォルテのところで音が濁ったのが残念です。録音はまあ、よい部類です。


2曲目のプロコフィエフのバレエ音楽「ロメオとジュリエット」組曲を予習したCDは以下です。

 リッカルド・ムーティ指揮シカゴ交響楽団  2013年10月 シカゴ、オーケストラ・ホール ライヴ録音

やはり、シカゴ響はよい響きを聴かせてくれます。ムーティも万全の指揮。見事な演奏です。《ジュリエットの死》だけはゲルギエフ&マリインスキー劇場管弦楽団の全曲盤から抜き出して聴きました。何故か、ミックスしたのに違和感がありませんでした。



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今年のヨーロッパ遠征・・・ルツェルン音楽祭とイスタンブール

今年のヨーロッパ遠征はほぼ9月の1か月間という長丁場になります。もう出発まで1か月と少しになったのに準備が滞っています。今日からは本格的に旅の詳細を詰めていきます。連載中の昨年のザルツブルグ/バイロイト音楽祭・北ドイツの旅は今年の旅の目途が付くまで、休止します。ご理解くださいね。

本ブログでも3月に一度、今年のヨーロッパ遠征について触れました。もともとは今年はヨーロッパには行かないつもりでした。その気持ちを覆したのは、2月のクルレンツィス&ムジカエテルナの来日公演です。ありえないレベルのチャイコフスキーの3回のコンサートでした。その折、クルレンツィスがチェチーリア・バルトリとルツェルン音楽祭でモーツァルトのオペラ、ダ・ポンテ三部作とバルトリのアリア・コンサートの計4回のコンサート(オペラもコンサート形式)をやるというビッグニュースを知り、いてもたってもいられなくなったんです。そういうsaraiの心の動きを配偶者は優しく察知してくれました。よし、ともかく、ルツェルン音楽祭のチケットを何としてもゲットするぞ。そして、早くも3月には首尾よくチケットを入手。それから、今年のヨーロッパ遠征の企画を始めました。

まずは日本からヨーロッパへの格安の航空券の手配です。色んなルートを検討した結果、今まで乗ったことのないターキッシュエアラインズを選択。南周りは敬遠していたので、初めての南周りです。選択のポイントはもちろん、格安ということもありますが、一生に一度はイスタンブールに行ってみたいと配偶者と意見が一致したんです。我々にとってはイスタンブールというよりも、コンスタンティノープルという意識が強いんです。1000年の栄華を誇るビザンティン帝国(東ローマ帝国)の首都だったコンスタンティノープルです。アヤソフィアを始めとする大モスク、ヨーロッパとアジアを分けるボスポラス海峡だけは何としても見ておきたいです。1453年のコンスタンティノープルの滅亡で、saraiの頭はストップしています。あの大攻防戦の舞台をこの目で見ておきたいので、イスタンブールでストップオーバーします。

で、イスタンブールからはsaraiの大好きなウィーンを久々に訪れます。ウィーンから先は次回で。



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今年のヨーロッパ遠征・・・ウィーン~グラーツ~ルツェルン~ゴールデン・パスライン~リヨン

今年のヨーロッパ遠征の準備中です。9月の1か月間、目玉はクルレンツィスとチェチーリア・バルトリのルツェルン音楽祭でのモーツァルトのオペラ、ダ・ポンテ三部作とバルトリのアリア・コンサートの計4回のコンサートです。そこに向けて、イスタンブール経由でウィーンに入ります。久しぶりのウィーンで4泊。

ウィーンでは、クルレンツィス&ムジカエテルナのルツェルン音楽祭の予習も兼ねて、ウィーン・コンツェルトハウスでクルレンツィス&ムジカエテルナの《ドン・ジョヴァンニ》と《コジ・ファン・トゥッテ》を見ます。懐かしのウィーンをゆったり、ぶらぶらしましょう。

次いで、オーストリアの主要な町で行ったことのないグラーツに行ってみます。途中、希代の建築家フンデルトヴァッサーが設計したブルマウ温泉を楽しみます。グラーツで一泊した後、グラーツの町を散策。夕方、グラーツ空港からチューリッヒ空港に飛び、いよいよ、ルツェルンへ入ります。もちろん、LCCです。

翌日から、ルツェルン音楽祭での黄金の4夜が続きます。お昼はスケジュールが空いているので、1日はスイス国鉄の1日乗り放題チケットでバーゼル、ベルンと一巡り。生涯で最後になるであろう、最愛の絵画、バーゼル美術館の至宝、《風の花嫁》に会いに行きます。お天気次第ですが、ピラトゥス、リギにも登りたいですね。

ルツェルン音楽祭の後はフランスの西部へ向かいます。その前にルツェルンからモントルーまでゴールデン・パスラインでスイスのパノラマ鉄道の旅を楽しみます。途中、インターラーケンで半日ほどの乗り換え時間を作ったので、これまた、お天気次第ですが、一昨年の散々だったアルプスのハイキングに再挑戦予定です。レマン湖畔では最愛のピアニスト、クララ・ハスキルが晩年を過ごしたヴヴェイの町に一泊。

翌日は同じくレマン湖畔の町、ローザンヌを散策し、その後、ジュネーヴ経由でフランスのリヨンに入ります。ここからがフランスの旅のスタートです。



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今年のヨーロッパ遠征・・・リヨン~カルカッソンヌ~ルルド~サン・セバスティアン

今年のヨーロッパ遠征の準備中です。ウィーン~グラーツ~ルツェルン~ゴールデン・パスライン~リヨンと巡って、いよいよ、フランスの旅がスタート。

リヨンは苦い思い出があります。パリからリヨンに美味しいフランス料理を食べるために行ったら、そこで原因不明の高熱。幸運にも1日で奇跡的に回復しましたが、予約していたレストランはキャンセル。美味しいものどころか、飲まず食わずのリヨンでした。今年こそはリヨンで美味しいものをいただきましょう。リヨンの旧市街をちょっと散策して、次はフランス屈指の観光地、カルカッソンヌに移動。城塞都市の中のホテルに泊まり、ミディ運河のミニクルーズを楽しみます。
カルカッソンヌからはキリスト教の巡礼地、ルルドに向かいます。ルルドへはトゥールーズ経由、アンテルシテ(=インターシティ)に乗ります。このアンタルシテの座席指定に手間取り、最後はクレジットカードが通らず、今夜は鉄道チケットが買えず、無駄な一夜になりました。また、明日、再挑戦です。
ルルドの聖地を見た後は、一気に大西洋岸のバスク地方に向かいます。目的地はサン・セバスティアン。スペインです。バルの一夜を楽しむ計画です。ですが、国境越えになるために移動ルートがややこしい。いったん、国境の町、エンダイヤまで行き、ここからはバスク鉄道でサン・セバスティアンへ。それでも3時間半くらいの移動です。ここまで調べたところで朝が白み始めました。また、明日、準備作業を加速しましょう。



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Author:sarai
首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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