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小川典子、圧巻のラフマニノフ 上岡敏之&新日本フィルハーモニー交響楽団@ミューザ川崎シンフォニーホール 2019.7.28

今日はフェスタサマーミューザKAWASAKI2019のコンサートということで、本番に先立って、リハーサルが公開されます。先にプロコフィエフのバレエ音楽「ロメオとジュリエット」のリハーサル。当日直前のリハーサルですから、既に演奏は仕上がっています。さっと流して、指揮者の上岡敏之から知的なコメントが与えらえます。再練習なんてものはありませんね。続いて、今日のお目当ての小川典子がいつの間にか登場。リハーサルとは言え、素晴らしい演奏を聴かせてくれます。配偶者に「これなら本番を聴いたも同然だね!」って言うと、配偶者は呆れて絶句。

で、本番の小川典子のラフマニノフはさらなる素晴らしさ。以前、京響とのラフマニノフの《パガニーニの主題による狂詩曲》も見事な演奏を聴かせてくれましたが、今日のピアノ協奏曲 第2番は完璧に難曲を弾きこなし、どのパッセージでも聴き手を魅了してくれます。響き、タッチ、切れ味、どれをとっても満足な演奏です。上岡敏之&新日本フィルハーモニー交響楽団も美しいアンサンブルで好サポート。特に抒情的な聴かせ所でピアノとオーケストラの協奏は圧倒的でした。演奏は第1楽章がとりわけ素晴らしく、そこで突っ込んで聴き入ってしまい、後は聴く側のsaraiがエネルギー切れ。復活したのは第3楽章の終盤。小川典子のピアノが熱く盛り上がります。ピアノ協奏曲を聴いたという実感で心が満たされました。小川典子のラフマニノフ、プロコフィエフは最高です。まさに期待通りの演奏に大満足。アンコールもラフマニノフ。練習曲《音の絵》は凄い演奏でした。

後半のプログラムはプロコフィエフのバレエ音楽「ロメオとジュリエット」組曲。新日本フィルハーモニー交響楽団の演奏を聴くのはずい分久しぶり。覚えている限りでは小澤征爾が指揮したときでした。少なくとも10年以上は前のことでしょう。指揮者の上岡敏之に至っては、多分、初聴きです。さすがに在京のメジャーオーケストラは素晴らしい演奏をしますね。ほかの日本のオーケストラと同様に弦楽アンアンブルが魅力的です。特に抒情的なシーンでの弦と木管の響きに魅了されました。ジュリエットのテーマのメロディーにほろっとなります。バレエなしで音楽だけですが、1時間近い演奏をだれずに聴けたのは演奏がよかったせいでしょう。でも、正直、バレエが見たくなりました。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:上岡敏之
  ピアノ:小川典子
  管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団  コンサートマスター:崔文洙

  ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番

   《アンコール》 ラフマニノフ:絵画的練習曲《音の絵》Op.39-1 ハ短調 アレグロ・アジタート

   《休憩》

  プロコフィエフ:バレエ音楽「ロメオとジュリエット」組曲から
   モンタギュー家とキャピュレット家 (第2組曲)
   少女ジュリエット (第2組曲)
   ジュリエット (第3組曲)
   ロメオとジュリエット (第1組曲)
   僧ローレンス (第2組曲)
   タイボルトの死 (第1組曲)
   別れの前のロメオとジュリエット (第2組曲)
   ジュリエットの墓の前のロメオ (第2組曲)
   ジュリエットの死 (第3組曲)


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のラフマニノフのピアノ協奏曲 第2番を予習したCDは以下です。

 小川典子、オウェイン・アーウェル・ヒューズ指揮マルメ交響楽団 1997年5月 マルメ・コンサート・ホール

小川典子の会心の演奏です。素晴らしいピアノ、ほれぼれと聴き入りました。オーケストラのマルメ交響楽団も好演ですが、フォルテのところで音が濁ったのが残念です。録音はまあ、よい部類です。


2曲目のプロコフィエフのバレエ音楽「ロメオとジュリエット」組曲を予習したCDは以下です。

 リッカルド・ムーティ指揮シカゴ交響楽団  2013年10月 シカゴ、オーケストラ・ホール ライヴ録音

やはり、シカゴ響はよい響きを聴かせてくれます。ムーティも万全の指揮。見事な演奏です。《ジュリエットの死》だけはゲルギエフ&マリインスキー劇場管弦楽団の全曲盤から抜き出して聴きました。何故か、ミックスしたのに違和感がありませんでした。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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金婚式、おめでとうございます!!!
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京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

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じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
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07/08 15:53 じじい@

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久々のコメント、ありがとうございます。
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06/18 12:46 sarai

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06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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