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直球勝負の名曲アワー 原田慶太楼&NHK交響楽団@ミューザ川崎シンフォニーホール 2019.8.3

今日もフェスタサマーミューザKAWASAKI2019のコンサートです。NHK交響楽団と初顔合わせの原田慶太楼と人気ピアニストの反田恭平の登場です。この二人はsaraiも初聴きです。ただ、今日のプログラムは有名曲を並べた名曲アワーなのが少々、残念ではあります。

今日は本番に先立って、30分間の室内楽コンサートがあります。木管3重奏(オーボエ、クラリネット、ファゴット)と弦楽四重奏です。フェスタサマーミューザらしいお楽しみです。

さて、本番が始まります。最初はヴェルディの歌劇「運命の力」序曲です。おっ、いきなり、強い響きの金管です。原田慶太楼の思い切った表現です。結局、そのまま、なかなかよい演奏になりました。原田慶太楼の指揮は若さにあふれたものでそのストレートな表現には好感が持てます。むしろ、初顔合わせのN響がその原田慶太楼の指揮に敏感に反応できていない印象で、その面が残念です。
2曲目は反田恭平のピアノでガーシュウィンのラプソディ・イン・ブルー。反田恭平のピアノはよく響き、鋭い演奏で見事です。ただ、ガーシュウィンらしい切れが少し物足りない感じが残ります。アメリカのジャズ的な要素を除けば、万全の演奏ではありました。予習で聴いたマイケル・ティルソン・トーマスのピアノがあまりに素晴らし過ぎたので、つい、それと比較してしまいます。これはちょっと酷だったかもしれません。オーケストラは弦が少し物足りません。金管は万全でした。

後半はまさに名曲アワー。次から次へと有名曲が流れます。最後のエルガーの行進曲「威風堂々」 第1番の冒頭の雄々しい演奏が素晴らしいです。中間部のあの美しい旋律に精彩を欠いたのが残念ですが、とてもダイナミックな演奏で最後をしめました。

原田慶太楼の直球勝負の若々しい指揮に好印象を覚えました。諸所に見られたティーレマンのような指揮も微笑ましいですね。これからの活躍が楽しみな人です。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:原田慶太楼
  ピアノ:反田恭平
  管弦楽:NHK交響楽団  コンサートマスター:伊藤亮太郎

  ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲
  ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー

   《アンコール》 ショパン:ワルツ第6番 変ニ長調 Op. 64-1 「子犬のワルツ」

   《休憩》

  ボロディン:歌劇「イーゴリ公」から だったん人の踊り
  ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
  ブラームス:ハンガリー舞曲集から 第1番、第5番、第6番
  エルガー:行進曲「威風堂々」 第1番 Op.39-1

   《アンコール》
     ヒナステラ:バレエ音楽「エスタンシア」組曲Op. 8a から「マランボ」


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のヴェルディの歌劇「運命の力」序曲を予習したCDは以下です。

 ジュゼッペ・シノーポリ指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1983年11月 ウィーン

いやあ、ほれぼれとする演奏ですね。シノーポリの颯爽とした指揮が目に浮かびます。それに何と言っても、ウィーン・フィルの響きが素晴らしいです。一度、ウィーンのシュターツオーパーで「運命の力」を聴いたことがありますが、そのときのオーケストラの素晴らしい演奏を思い出しました。と言っても27年前のことです。この録音はさらにその9年前ですね。


2曲目のガーシュウィンのラプソディ・イン・ブルーを予習したCDは以下です。

 マイケル・ティルソン・トーマス(ピアノ&指揮)ニュー・ワールド交響楽団 1997年1月26ー27日、フロリダ、フォートローダーデール、ザ・プロワード・センター・フォー・ザ・パフォーミング・アーツ

マイケル・ティルソン・トーマスはピアノも指揮も最高です。これでこそ、ガーシュウィン。バーンスタイン盤を上回る(かもしれない)会心の演奏です。それにしても、MTTのピアノは上手過ぎる。


3曲目のボロディンの《だったん人の踊り》を予習したCDは以下です。

 ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団/フィラデルフィア・メンデルスゾーン・クラブ合唱団 1971年1月13日 フィラデルフィア、スコティッシュ・ライト・カテドラル

それほどの思い入れはなくて、聴きましたが、驚くほど素晴らしい演奏。音質もいいです。オーマンディ&フィラデルフィア管弦楽団のイメージが変わりました。これから、注目して聴くべきコンビです。


4曲目のラヴェルの《亡き王女のためのパヴァーヌ》を予習したCDは以下です。

 シャルル・ミュンシュ指揮ボストン交響楽団  1962年

いい演奏ではありますが、期待したほどの出来ではありません。


5曲目のブラームスのハンガリー舞曲集を予習したCDは以下です。

 イヴァン・フィッシャー指揮ブダペスト祝祭管弦楽団 1998年11月 ブダペスト、イタリアン・インスティテュート

イヴァン・フィッシャーの超個性的な表現を期待して聴きましたが、意外に正統的で重厚な演奏。それはそれで見事な演奏です。


6曲目のエルガーの行進曲「威風堂々」 第1番を予習したCDは以下です。

 ジュゼッペ・シノーポリ指揮フィルハーモニア管弦楽団 1991年2月 ワトフォード・タウンホール

イギリス人ではないシノーポリですが、その外連味のない表現は見事で、この有名な作品を熱い演奏で聴かせてくれます。聴いている自分がイギリス人になったような錯覚させ覚えさせる素晴らしい演奏。大満足です。やはり、シノーポリの音楽性は直線的です。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

通りすがりさん

コメント、ありがとうございます。正直、もう2年ほど前のコンサートなので、詳細は覚えておらず、自分の文章を信じるしかないのですが、生演奏とテレビで

05/13 23:47 sarai
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