一昨日からオペラ・コンサートの予習をしています。
まずは、クルレンツィス&ムジカエテルナのモーツァルトのオペラ、ダ・ポンテ3部作を聴いています。《フィガロの結婚》、《ドン・ジョヴァンニ》と聴いてきて、3日目の今日は最後の《コジ・ファン・トゥッテ》を聴きます。これはクルレンツィス&ムジカエテルナのモーツァルトのオペラ、ダ・ポンテ3部作の2番目の録音です。昨日、《ドン・ジョヴァンニ》の究極の演奏を聴いていたので、この《コジ・ファン・トゥッテ》は当然あるべきレベルの演奏として受け入れました。それにしても、このクルレンツィス&ムジカエテルナのモーツァルトのオペラ、ダ・ポンテ3部作は現代の音楽演奏に燦然と輝く金字塔と言えるでしょう。過去の演奏とは次元の異なる演奏と思えます。
予習した曲とキャストは以下です。
モーツァルト:歌劇『コジ・ファン・トゥッテ』 K.588 全曲
ジモーネ・ケルメス(フィオルディリージ)
マレーナ・エルンマン(ドラベッラ)
クリストファー・マルトマン(グリエルモ)
ケネス・ターヴァー(フェランド)
アンナ・カシヤン(デスピーナ)
コンスタンティン・ヴォルフ(ドン・アルフォンソ)
ムジカエテルナ(ピリオド楽器オーケストラと合唱団)
テオドール・クルレンツィス(指揮)
録音時期:2013年1月9-13日
録音場所:ロシア、ペルミ、チャイコフスキー記念国立オペラ&バレエ劇場
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
クルレンツィス&ムジカエテルナのモーツァルトのオペラ、ダ・ポンテ3部作の第1弾の《フィガロの結婚》の2012年9月の録音の直後に、この《コジ・ファン・トゥッテ》は録音されました。クルレンツィスらしい隅々まで徹底したこだわりの演奏です。スタイルは《フィガロの結婚》とほぼ同じですが、ソット・ヴォーチェを駆使して、音楽の精度はさらに向上しています。この後に続く《ドン・ジョヴァンニ》と同じレベルの素晴らしさです。ただ、演奏は美しいのですが、若干、上滑り気味でこのオペラの持つ真の深みが感じられないのが残念です。これから先は実演に期待しましょう。ウィーン・コンツェルトハウスとルツェルン音楽祭で聴きます。とりわけ、チェチーリア・バルトリがデスピーナを歌う贅沢なルツェルン音楽祭の公演はどんな演奏になるか、楽しみです。今年のルツェルン音楽祭の千秋楽の公演です。
ルツェルン音楽祭及びウィーン・コンツェルトハウスでのキャストは以下です。(日本語のみの表示はCDと同一キャスト)
Nadezhda Pavlovaナデージダ・パヴロヴァ, Fiordiligi
Paula Murrihyポーラ・マリヒー, Dorabella
Konstantin Suchkovコンスタンティン・スチコフ, Guglielmo
Mingjie Leiミンジェ・レイ, Ferrando
アンナ・カシヤン(デスピーナ) *チェチーリア・バルトリ(ルツェルン音楽祭のみの特別出演)
コンスタンティン・ヴォルフ(ドン・アルフォンソ)
新たなキャストでは、バルトリは別格として、ドンア・アンナも歌うフィオルディリージ役のナデージダ・パヴロヴァとケルビーノも歌うドラベッラ役のポーラ・マリヒーの出来がこのオペラの成功の鍵になりそうですね。グリエルモ、フェランドを歌うコンスタンティン・スチコフとミンジェ・レイも未知数です。意外にアンサンブル・オペラとして、まとまりのあるものになるかもしれません。クルレンツィスの手腕に期待しましょう。歌手ごどうこうではないかもしれません。
これで一番重要な予習は完了。ルツェルン音楽祭ではクルレンツィス&ムジカエテルナが伴奏を務めるチェチーリア・バルトリのリサイタルという番外編もあります。そのプログラムをチェックしてみました。以下の内容です。
ムジカエテルナ(ピリオド楽器オーケストラと合唱団)
テオドール・クルレンツィス(指揮)
チェチーリア・バルトリ
ミンジェ・レイMingjie Lei テノール
オール・モーツアルト作品
キリエ ニ短調Kyrie in D minor, K. 341 (386a)
カンタータ 「悔悟するダヴィデ」より Excerpts from the cantata Davide penitente, K. 469
歌劇『皇帝ティートの慈悲』より、
第1幕第4曲 行進曲March from La Clemenza di Tito, K. 621
第1幕第5曲 合唱「保ちたまえ」Serbate, oh Dei custodi from La Clemenza di Tito, K. 621 (Chorus)
第2幕第19曲 ロンド「この今のときだけでも」(セストのアリア)Deh per questo istante solo from La Clemenza di Tito, K. 621 (Sesto’s aria)
序曲Overture to La Clemenza di Tito, K. 621
第1幕第9曲 アリア「私は行く」(セストのアリア)Parto, parto, ma tu ben mio from La Clemenza di Tito, K. 621 (Sesto’s aria)
歌劇『ドン・ジョヴァンニ』より、
序曲Overture to Don Giovanni, K. 527
第15曲 ドンナ・エルヴィーラのアリア「ああ、神様、あの不道徳者は」 … 第21b曲「あの恩知らずの人は私を裏切った」In quali ecessi, o numi … Mi tradi aus Don Giovanni, K. 527 (Donna Elvira’s aria)
歌劇『コジ・ファン・トゥッテ』より、
序曲Overture to Così fan tutte, K. 588
第2幕「もうすぐ腕に抱かれ」(フィオルディリージとフェランドの二重唱)Fra gli amplessi in pochi istanti from Così fan tutte, K. 588 (duet for Fiordiligi and Ferrando)
フリーメイソンのための葬送音楽Masonic Funeral Music in C minor, K. 477 (479a)
劇唱「どうしてあなたを忘れられようか」とロンド「恐れないで、愛する人よ」Concert aria Ch’io mi scordi di te … Non temer, amato bene, K. 505
このプログラムでは、ダ・ポンテ3部作に含まれない歌劇『皇帝ティートの慈悲』が中心の構成になっています。特にバルトリが歌うセストのアリア2曲が楽しみです。きっと、クラリネット奏者と絡んでの歌唱になるのでしょう。ちょっと驚くのは、ドンナ・エルヴィーラとフィオルディリージをあえて歌うことです。ソプラノ役ですからね。コンサートアリアK.505も楽しみです。
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