fc2ブログ
 
  

今年のヨーロッパ遠征・・・チェチーリア・バルトリとクルレンツィス&ムジカエテルナのオール・モーツァルト・コンサート

今年のヨーロッパ遠征の準備中です。旅そのものの準備はほぼ終えているので、準備作業は少し停滞しています。手術後の体調はほぼ復調しました。手術の傷ももう痛みはまったくありません。ただ、食事だけは栄養指導されたもの、脂が少なくて、刺激の少ない、柔らかいものを配偶者に作ってもらっています。1週間後に病院で病理検査結果が出るので、それまでは辛抱しています。もう、旅の出発まで2週間半ですが、健康管理が一番の旅の準備とも言えます。

一番、遅れていた音楽の予習も今日で4日間連続で巻き返しています。クルレンツィス&ムジカエテルナのモーツァルトのオペラ、ダ・ポンテ3部作は聴き終えて、今日は昨日チェックしたチェチーリア・バルトリのリサイタルの予習です。ルツェルン音楽祭でクルレンツィス&ムジカエテルナが伴奏する豪華なコンサートです。昨日チェックしたプログラムの内容を以下に再掲載します。

ムジカエテルナ(ピリオド楽器オーケストラと合唱団)
テオドール・クルレンツィス(指揮)
チェチーリア・バルトリ
ミンジェ・レイMingjie Lei テノール

オール・モーツアルト作品

キリエ ニ短調Kyrie in D minor, K. 341 (386a)
カンタータ 「悔悟するダヴィデ」より Excerpts from the cantata Davide penitente, K. 469

歌劇『皇帝ティートの慈悲』より、
 第1幕第4曲 行進曲March from La Clemenza di Tito, K. 621
 第1幕第5曲 合唱「保ちたまえ」Serbate, oh Dei custodi from La Clemenza di Tito, K. 621 (Chorus)
 第2幕第19曲 ロンド「この今のときだけでも」(セストのアリア)Deh per questo istante solo from La Clemenza di Tito, K. 621 (Sesto’s aria)
 序曲Overture to La Clemenza di Tito, K. 621
 第1幕第9曲 アリア「私は行く」(セストのアリア)Parto, parto, ma tu ben mio from La Clemenza di Tito, K. 621 (Sesto’s aria)

歌劇『ドン・ジョヴァンニ』より、
 序曲Overture to Don Giovanni, K. 527
 第15曲 ドンナ・エルヴィーラのアリア「ああ、神様、あの不道徳者は」 … 第21b曲「あの恩知らずの人は私を裏切った」In quali ecessi, o numi … Mi tradi aus Don Giovanni, K. 527 (Donna Elvira’s aria)

歌劇『コジ・ファン・トゥッテ』より、
 序曲Overture to Così fan tutte, K. 588
 第2幕「もうすぐ腕に抱かれ」(フィオルディリージとフェランドの二重唱)Fra gli amplessi in pochi istanti from Così fan tutte, K. 588 (duet for Fiordiligi and Ferrando)

フリーメイソンのための葬送音楽Masonic Funeral Music in C minor, K. 477 (479a)
劇唱「どうしてあなたを忘れられようか」とロンド「恐れないで、愛する人よ」Concert aria Ch’io mi scordi di te … Non temer, amato bene, K. 505


普通のリサイタルとも思えますが、クルレンツィスが構成すると、歌劇『皇帝ティートの慈悲』を中心に新たなオペラを新制作したようになるかもしれません。実際、一昨年のザルツブルク音楽祭での歌劇『皇帝ティートの慈悲』では、大ミサ曲 ハ短調 K.427(K.417a)、アダージョとフーガ ハ短調 k.546、フリーメイソンのための葬送音楽 ハ短調 K.477(479a)を挿入した重厚な内容でした。今回も同様にフリーメイソンのための葬送音楽が後半に配置されていますね。


さて、今日の予習は以下の演奏を聴きました。

キリエ ニ短調 K. 341 (386a)
 モンテヴェルディ合唱団、イングリッシュ・バロック・ソロイスツ、指揮:ジョン・エリオット・ガーディナー 1986年11月30日、ロンドン、セント・ジョンズ教会

カンタータ 「悔悟するダヴィデ」より K. 469 第8曲 不毛の悩みは遠ざかり
 チェチーリア・バルトリ、ウィーン室内管弦楽団、ジョルジー・フィッシャー(指揮) 1993年3-4月、モーツァルトザール、コンツェルトハウス、ウィーン

歌劇『皇帝ティートの慈悲』より、
 第1幕第4曲 行進曲
 第1幕第5曲 合唱「保ちたまえ」
 第2幕第19曲 ロンド「この今のときだけでも」(セストのアリア)
 序曲
 第1幕第9曲 アリア「私は行く」(セストのアリア)

 セストのアリア2曲
  チェチーリア・バルトリ、ウィーン室内管弦楽団、ジョルジー・フィッシャー(指揮) 1990年、モーツァルトザール、コンツェルトハウス、ウィーン

 その他のオーケストラ曲、合唱曲
  RIAS室内合唱団、フライブルク・バロック・オーケストラ、ルネ・ヤーコプス(指揮) 2005年 セッション録音

歌劇『ドン・ジョヴァンニ』より、
 序曲
 第15曲 ドンナ・エルヴィーラのアリア「ああ、神様、あの不道徳者は」 … 第21b曲「あの恩知らずの人は私を裏切った」

  バルトリの録音が見つからなかったためにパス(その後、発見したので、後日、聴く予定)

歌劇『コジ・ファン・トゥッテ』より、
 序曲
 第2幕「もうすぐ腕に抱かれ」(フィオルディリージとフェランドの二重唱)

  バルトリの録音が見つからなかったためにパス

フリーメイソンのための葬送音楽 K. 477 (479a)
 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団、ラファエル・クーベリック(指揮) オットー・クレンペラー追悼コンサート 1974年1月14日 ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ロンドン ライヴ録音
 
劇唱「どうしてあなたを忘れられようか」とロンド「恐れないで、愛する人よ」 K. 505
 チェチーリア・バルトリ、アンドラーシュ・シフ、ウィーン室内管弦楽団、ジョルジー・フィッシャー(指揮) 1990年、モーツァルトザール、コンツェルトハウス、ウィーン


以上のようにバルトリの歌唱を中心に聴きましたが、おそらく、真ん中の休憩前、前半の最後に歌われるセストのアリア「私は行く」はクラリネットと絡んでの絶唱です。バルトリならではのアジリタも素晴らしく、この1曲を聴くだけでも、このコンサートを聴く甲斐があると思いました。それに今回はクルレンツィスとの初めての共演という期待もあります。後半の最後のコンサートアリアK.505も素晴らしい歌唱。アンドラーシュ・シフのベーゼンドルファーの美しいピアノの響きも素晴らしいです。今回のリサイタルでは、モダン・ピアノではなく、フォルテピアノの演奏になるんでしょうね。saraiとしては、誰か有名ピアニストがサプライズ登場して(バルトリつながりではシフ、クルレンツィスつながりではメルニコフ)、モダン・ピアノで演奏してくれたほうが嬉しいのですが・・・。
カンタータ 「悔悟するダヴィデ」 K. 469については、第8曲 不毛の悩みは遠ざかり だけがバルトリの歌唱で録音されていました。若い頃のバルトリは今以上の澄み切った美声で、とてもバルトリとは分からないような歌唱でびっくりです。セストのもう一つのアリアもアジリタがないせいか、すっきりと美しい歌唱です。ほぼ30年前の歌唱ですからね。

バルトリが歌わないクルレンツィス&ムジカエテルナの演奏は、既に聴き終えた歌劇『ドン・ジョヴァンニ』と歌劇『コジ・ファン・トゥッテ』以外はクルレンツィス&ムジカエテルナの録音が見当たりません。で、なるべく、ピリオド奏法の録音を聴きます。キリエK.341はガーディナー他のものを聴きましたが、荘重な演奏です。クルレンツィスはもっと軽快な演奏になるのかな。歌劇『皇帝ティートの慈悲』は名匠ルネ・ヤーコプスの演奏。断片的に聴いたわけですが、素晴らしい演奏です。傾向的にはクルレンツィスと似た傾向の演奏と受け止めました。フリーメイソンのための葬送音楽は名指揮者の追悼によく演奏されるんですね。フルトヴェングラーの葬儀の際はヨッフム指揮のベルリン・フィル、カール・ベームの追悼コンサートではヨッフム指揮のウィーン・フィル、そして、今回聴いたのはオットー・クレンペラーの追悼コンサートをクーベリックが指揮したものです。いずれも巨匠ゆかりのオーケストラが他の巨匠に指揮されるという類似点があります。この曲はそういう位置づけの曲なのですね。クーベリックの指揮は見事です。あまり、彼のモーツァルトは評価されていないようですが、とても素晴らしいです。そう言えば、クーベリックはクララ・ハスキルとの幻に終わったモーツァルトのピアノ協奏曲全集というのがありました。二人は熱望していましたが、クーベリックがデッカ所属、ハスキルがフィリップス所属という壁に阻まれて、実現しませんでした。それどころか、彼らのモーツァルトの共演はまったく録音として残されていません。全集が実現していれば、音楽史上、輝くべき成果になったことは間違いありません。結局、彼らの共演はシューマンとショパンの協奏曲だけが残されています。もちろん、素晴らしい演奏です。ともかく、クーベリックのモーツァルトはいいです。

予習も残り4回分になって、半分は終わり、少し、目途が付いてきました。ほかの準備も進めないといけません。

連日、内容のないブログ記事が続き、申し訳けありませんが、ご愛読と人気ランキングのプチをよろしくお願いします。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!







テーマ : ヨーロッパ
ジャンル : 海外情報

       クルレンツィス,
人気ランキング投票、よろしくね
ページ移動
プロフィール

sarai

Author:sarai
首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

来訪者カウンター
CalendArchive
最新記事
カテゴリ
指揮者

ソプラノ

ピアニスト

ヴァイオリン

室内楽

演奏団体

リンク
Comment Balloon

金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR