一番、遅れていた音楽の予習も今日で4日間連続で巻き返しています。クルレンツィス&ムジカエテルナのモーツァルトのオペラ、ダ・ポンテ3部作は聴き終えて、今日は昨日チェックしたチェチーリア・バルトリのリサイタルの予習です。ルツェルン音楽祭でクルレンツィス&ムジカエテルナが伴奏する豪華なコンサートです。昨日チェックしたプログラムの内容を以下に再掲載します。
ムジカエテルナ(ピリオド楽器オーケストラと合唱団)
テオドール・クルレンツィス(指揮)
チェチーリア・バルトリ
ミンジェ・レイMingjie Lei テノール
オール・モーツアルト作品
キリエ ニ短調Kyrie in D minor, K. 341 (386a)
カンタータ 「悔悟するダヴィデ」より Excerpts from the cantata Davide penitente, K. 469
歌劇『皇帝ティートの慈悲』より、
第1幕第4曲 行進曲March from La Clemenza di Tito, K. 621
第1幕第5曲 合唱「保ちたまえ」Serbate, oh Dei custodi from La Clemenza di Tito, K. 621 (Chorus)
第2幕第19曲 ロンド「この今のときだけでも」(セストのアリア)Deh per questo istante solo from La Clemenza di Tito, K. 621 (Sesto’s aria)
序曲Overture to La Clemenza di Tito, K. 621
第1幕第9曲 アリア「私は行く」(セストのアリア)Parto, parto, ma tu ben mio from La Clemenza di Tito, K. 621 (Sesto’s aria)
歌劇『ドン・ジョヴァンニ』より、
序曲Overture to Don Giovanni, K. 527
第15曲 ドンナ・エルヴィーラのアリア「ああ、神様、あの不道徳者は」 … 第21b曲「あの恩知らずの人は私を裏切った」In quali ecessi, o numi … Mi tradi aus Don Giovanni, K. 527 (Donna Elvira’s aria)
歌劇『コジ・ファン・トゥッテ』より、
序曲Overture to Così fan tutte, K. 588
第2幕「もうすぐ腕に抱かれ」(フィオルディリージとフェランドの二重唱)Fra gli amplessi in pochi istanti from Così fan tutte, K. 588 (duet for Fiordiligi and Ferrando)
フリーメイソンのための葬送音楽Masonic Funeral Music in C minor, K. 477 (479a)
劇唱「どうしてあなたを忘れられようか」とロンド「恐れないで、愛する人よ」Concert aria Ch’io mi scordi di te … Non temer, amato bene, K. 505
普通のリサイタルとも思えますが、クルレンツィスが構成すると、歌劇『皇帝ティートの慈悲』を中心に新たなオペラを新制作したようになるかもしれません。実際、一昨年のザルツブルク音楽祭での歌劇『皇帝ティートの慈悲』では、大ミサ曲 ハ短調 K.427(K.417a)、アダージョとフーガ ハ短調 k.546、フリーメイソンのための葬送音楽 ハ短調 K.477(479a)を挿入した重厚な内容でした。今回も同様にフリーメイソンのための葬送音楽が後半に配置されていますね。
さて、今日の予習は以下の演奏を聴きました。
キリエ ニ短調 K. 341 (386a)
モンテヴェルディ合唱団、イングリッシュ・バロック・ソロイスツ、指揮:ジョン・エリオット・ガーディナー 1986年11月30日、ロンドン、セント・ジョンズ教会
カンタータ 「悔悟するダヴィデ」より K. 469 第8曲 不毛の悩みは遠ざかり
チェチーリア・バルトリ、ウィーン室内管弦楽団、ジョルジー・フィッシャー(指揮) 1993年3-4月、モーツァルトザール、コンツェルトハウス、ウィーン
歌劇『皇帝ティートの慈悲』より、
第1幕第4曲 行進曲
第1幕第5曲 合唱「保ちたまえ」
第2幕第19曲 ロンド「この今のときだけでも」(セストのアリア)
序曲
第1幕第9曲 アリア「私は行く」(セストのアリア)
セストのアリア2曲
チェチーリア・バルトリ、ウィーン室内管弦楽団、ジョルジー・フィッシャー(指揮) 1990年、モーツァルトザール、コンツェルトハウス、ウィーン
その他のオーケストラ曲、合唱曲
RIAS室内合唱団、フライブルク・バロック・オーケストラ、ルネ・ヤーコプス(指揮) 2005年 セッション録音
歌劇『ドン・ジョヴァンニ』より、
序曲
第15曲 ドンナ・エルヴィーラのアリア「ああ、神様、あの不道徳者は」 … 第21b曲「あの恩知らずの人は私を裏切った」
バルトリの録音が見つからなかったためにパス(その後、発見したので、後日、聴く予定)
歌劇『コジ・ファン・トゥッテ』より、
序曲
第2幕「もうすぐ腕に抱かれ」(フィオルディリージとフェランドの二重唱)
バルトリの録音が見つからなかったためにパス
フリーメイソンのための葬送音楽 K. 477 (479a)
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団、ラファエル・クーベリック(指揮) オットー・クレンペラー追悼コンサート 1974年1月14日 ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ロンドン ライヴ録音
劇唱「どうしてあなたを忘れられようか」とロンド「恐れないで、愛する人よ」 K. 505
チェチーリア・バルトリ、アンドラーシュ・シフ、ウィーン室内管弦楽団、ジョルジー・フィッシャー(指揮) 1990年、モーツァルトザール、コンツェルトハウス、ウィーン
以上のようにバルトリの歌唱を中心に聴きましたが、おそらく、真ん中の休憩前、前半の最後に歌われるセストのアリア「私は行く」はクラリネットと絡んでの絶唱です。バルトリならではのアジリタも素晴らしく、この1曲を聴くだけでも、このコンサートを聴く甲斐があると思いました。それに今回はクルレンツィスとの初めての共演という期待もあります。後半の最後のコンサートアリアK.505も素晴らしい歌唱。アンドラーシュ・シフのベーゼンドルファーの美しいピアノの響きも素晴らしいです。今回のリサイタルでは、モダン・ピアノではなく、フォルテピアノの演奏になるんでしょうね。saraiとしては、誰か有名ピアニストがサプライズ登場して(バルトリつながりではシフ、クルレンツィスつながりではメルニコフ)、モダン・ピアノで演奏してくれたほうが嬉しいのですが・・・。
カンタータ 「悔悟するダヴィデ」 K. 469については、第8曲 不毛の悩みは遠ざかり だけがバルトリの歌唱で録音されていました。若い頃のバルトリは今以上の澄み切った美声で、とてもバルトリとは分からないような歌唱でびっくりです。セストのもう一つのアリアもアジリタがないせいか、すっきりと美しい歌唱です。ほぼ30年前の歌唱ですからね。
バルトリが歌わないクルレンツィス&ムジカエテルナの演奏は、既に聴き終えた歌劇『ドン・ジョヴァンニ』と歌劇『コジ・ファン・トゥッテ』以外はクルレンツィス&ムジカエテルナの録音が見当たりません。で、なるべく、ピリオド奏法の録音を聴きます。キリエK.341はガーディナー他のものを聴きましたが、荘重な演奏です。クルレンツィスはもっと軽快な演奏になるのかな。歌劇『皇帝ティートの慈悲』は名匠ルネ・ヤーコプスの演奏。断片的に聴いたわけですが、素晴らしい演奏です。傾向的にはクルレンツィスと似た傾向の演奏と受け止めました。フリーメイソンのための葬送音楽は名指揮者の追悼によく演奏されるんですね。フルトヴェングラーの葬儀の際はヨッフム指揮のベルリン・フィル、カール・ベームの追悼コンサートではヨッフム指揮のウィーン・フィル、そして、今回聴いたのはオットー・クレンペラーの追悼コンサートをクーベリックが指揮したものです。いずれも巨匠ゆかりのオーケストラが他の巨匠に指揮されるという類似点があります。この曲はそういう位置づけの曲なのですね。クーベリックの指揮は見事です。あまり、彼のモーツァルトは評価されていないようですが、とても素晴らしいです。そう言えば、クーベリックはクララ・ハスキルとの幻に終わったモーツァルトのピアノ協奏曲全集というのがありました。二人は熱望していましたが、クーベリックがデッカ所属、ハスキルがフィリップス所属という壁に阻まれて、実現しませんでした。それどころか、彼らのモーツァルトの共演はまったく録音として残されていません。全集が実現していれば、音楽史上、輝くべき成果になったことは間違いありません。結局、彼らの共演はシューマンとショパンの協奏曲だけが残されています。もちろん、素晴らしい演奏です。ともかく、クーベリックのモーツァルトはいいです。
予習も残り4回分になって、半分は終わり、少し、目途が付いてきました。ほかの準備も進めないといけません。
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