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モーツァルト・マチネ 第37回@ミューザ川崎シンフォニーホール 2019.8.24

毎回1時間ほどのプログラムで休憩もない軽いマチネです。次回はジョナサン・ノットも登場するので、このモーツァルト・マチネを聴くことにしました。9月のヨーロッパ遠征を控えて、このコンサートを聴くと、残りは1回だけ。遠征の前日です。最後まで粘るsaraiです。ということで、今日はヨーロッパ遠征の準備作業は一時休止。かなり、目途がたってきましたからね。

オペラ『ドン・ジョヴァンニ』とオペラ『コジ・ファン・トゥッテ』はヨーロッパ遠征で聴くクルレンツィス&ムジカエテルナの演目なので、よい予習になります。東響の演奏は特にオペラ『コジ・ファン・トゥッテ』の序曲のアンサンブルが素晴らしく、聴き応えがありました。森 麻季はもちろん、その実力を発揮して、堂々の歌唱。しかし、彼女の声質はスープレット的なので、ドン・ジョヴァンニのドンナ・アンナのアリアではパワー不足を感じます。むしろ、ツェルリーナのアリアでも歌ってくれたほうがよかったでしょう。その点、コジ・ファン・トゥッテのフィオルディリージのアリアのほうが合っていましたが、これはもっと透明な声を聴かせてもらいたかったところです。

交響曲 第40番には期待しましたが、本当にエンジンがかかったのは第4楽章。これは東響らしい素晴らしいアンサンブルを聴かせてくれました。沼尻竜典の指揮はもっと、古典派のポリフォニーをきっちりと聴かせてほしかったところです。全体には素晴らしい演奏でした。予習で聴いた1970年のセルの演奏が素晴らし過ぎたので、ちょっと辛口の聴き方になってしまいました。

それにしても、1時間強の短いコンサート。交響曲第40番の前に短くても休憩がほしいですね。次回はジョナサン・ノットが交響曲第41番《ジュピター》を聴かせてくれます。楽しみです。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:沼尻竜典
  ソプラノ:森 麻季
  管弦楽:東京交響楽団  コンサートマスター:青木尚佳

  <オール・モーツァルト・プログラム>
  オペラ『ドン・ジョヴァンニ』 K. 527
   序曲、アリア「むごい女ですって」(第2幕、ドンナ・アンナのレシタティーヴォとアリア)

  オペラ『コジ・ファン・トゥッテ』 K. 588
   序曲、アリア「恋人よ、許してください」(第2幕、フィオルディリージのアリア)

  交響曲 第40番 ト短調 K. 550


最後に予習について、まとめておきます。

オペラ『ドン・ジョヴァンニ』とオペラ『コジ・ファン・トゥッテ』はヨーロッパ遠征に向けて、クルレンツィス&ムジカエテルナの演奏を聴いたばかりなので、省略。


最後の交響曲 第40番を予習したCDは以下です。

 ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団 1970年5月22日、東京文化会館ライヴ、NHK録音

これは素晴らしい演奏です。いわゆる「悲しみの疾走」というイメージでは捉えられない音楽自身の持つ魅力に満ちています。モーツァルトと言えば、オペラとピアノ協奏曲に尽きると思っていましたが、この演奏を聴いて、モーツァルトは交響曲の分野でポリフォニーを完成したことが実感できました。常に複数の声部の旋律やリズムが明確に聴こえて、どの声部もいきいきと輝いています。この演奏はセルの最晩年の来日コンサートのライヴ録音です。彼はこの2カ月後に亡くなります。saraiは当時、京都で学生時代を過ごしていました。とても東京までの旅費やコンサート費用を捻出できる状態ではありませんでしたが、こういう素晴らしい演奏を聴き逃がしたことが残念です。しかし、録音の状態も素晴らしく、最晩年のセルの深い味わいと当時のクリーヴランド管弦楽団の演奏レベルの高さを実感できます。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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金婚式、おめでとうございます!!!
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京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
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クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
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07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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