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今年のヨーロッパ遠征・・・準備も余裕。androidスマホのバージョンアップに貴重な時間を割きました。

今年のヨーロッパ遠征の準備中です。資料の整理を進めるくらいで若干、余裕がでてきました。配偶者は着実に荷物を作っています。

で、余裕の出たところで、長女の連れ合いから頂いたSIMなしのスマホの整備にとりかかります。XPERIAの古い機種でandroid4.2までしかサポートされていません。驚いたことにこのバージョンではLINEアプリがインストールできません。ひどいね! 
ここはネット上でandroidをバージョンアップする技を指南してもらいましょう。このXperia A( SO-04E)は海外版ではXperia ZR (C5503)と呼ばれていて、まったく同じものです。国内ではROMはandroid4.2までですが、海外のROMはandroid5.1までサポートされています。この海外版のROMをインストールしましょう。結局、四苦八苦しながら、半日以上かけて、android5.1にバージョンアップすることに成功。LINEアプリも無事にインストール。今回の旅で役立ちそうなアプリを次々とインストール。でも、使いこなせるか、不安です。

出発まであと3日。本当に最後の仕上げにかかりましょう。とは言え、まだ、何かと用事があります。最後の充実した時を過ごしましょう。



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今年のヨーロッパ遠征・・・準備は最終段階、というか、時間切れ?

今年のヨーロッパ遠征の準備中です。今日は日程表をほぼ完成。かなりの精度まで練りあがりました。もっともヨーロッパの電車はよく遅れるので、予定通りにいくとは限りません。まあ、それも旅の楽しみ。危機をどう回避していくかの醍醐味があるます。

些細な部分の仕上げにかかります。まず、サン・セバスティアンの訪問予定のバルの場所を地図に位置付けていきます。バル2つほどは旧市街の真ん中から外れているので、候補から外します。近場のバルを周るとすると、最優先候補は4つに絞り込まれます。

 Borda Berri 牛ほほ肉の赤ワイン煮込み、タコのグリル、羊チーズのリゾット、スイートクラブのラビオリ、サルモレッホ(サーモンとトマトのスープ)
 Bar Sport フォアグラ、いかのバルサミコ酢ソース、いかのから揚げ
 Txepetxa カラフル野菜のマリネのせのイワシ、ヒルダ(アンチョビと青唐辛子とオリーブの串)
 Goiz Argi 日本語メニューあり エビの串焼き、いかのガーリック焼き、酢漬けの青唐辛子とアンチョビの串刺し、青唐辛子の素揚げ

まあ、こんなに食べられないでしょうね。十分です。

パリでの楽しみは美味しいパン屋でバゲットを求めて食べること。モンパルナスの美味しいパン屋さんを見つけました。モンパルナス墓地の北側にあるBoulangerie M'seddiです。7時開店ですから、バゲットの売りきれないように8時頃には来店したいものです。これでふっと思い出したのが、クララ・ハスキルはモンパルナス墓地に眠っていること。サルトルとボーヴォワール夫妻もこの墓地に眠っています。ちょうど8時には開園するので、パン屋さんの帰りにお参りしてきましょう。お墓の位置もちゃんと確認しました。

パン屋さんと言えば、2度目のパリのホテルからそんなに遠くないところに有名なパン屋さんのレジス・コランがあります。ここのバゲットも食してみたいですね。ホテルからまあまあ近いところに眺めが評判のベルヴィル公園もあります。ここも是非行きたいところです。パリの予定もだんだん決まります。でも、せめて、オルセー美術館には人生最後の訪問を果たしたいですね。


出発は明後日。明日は性懲りもなく、コンサートに出かけますが、その前に荷物を完成するというお達しが配偶者からありました。もう、このあたりで、旅の準備は収束しましょう。



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ベルクとマノンの精神に報いる素晴らしい演奏・・・ヴェロニカ・エーベルレ&大野和士&東京都交響楽団@東京文化会館大ホール 2019.9.3

明日は長期のヨーロッパ遠征に出発ですが、ほぼ、荷物も作り終えて、壮行演奏会のつもりで余裕でコンサートに出かけます。配偶者も気持ちよく送り出してくれました。

ヴァイオリンの若手奏者、ヴェロニカ・エーベルレには何かと縁があって、このところ聴く機会が多々あります。これまではもう一つの音楽表現だという印象が強く、今日もあまり期待していませんでした。しかし、才媛は突然、豹変します! 何とも瑞々しいロマンにあふれるベルクのヴァイオリン協奏曲を聴かせてくれました。大野和士の指揮も大変、精度が高く、見事なアンサンブルを展開してくれます。これが最高のベルクのヴァイオリン協奏曲とまでは言いませんが、こんなに魅力にあふれた演奏に接したのは初めてです。これがCD化されたなら、間違いなく、愛聴CDになるでしょう。第1楽章の無調の音列の旋律の繊細で気品にあふれた表現には絶句します。その後は無調とは思えない瑞々しいロマンティックな演奏が続きます。第2楽章にはいると、18歳で突然逝った美しきマノンへのベルクの哀歌がエーベルレの密やかな表現で粛々と表現されていきます。saraiの脳裏には2度もお墓参りしたウィーンのマノン・グロピウスの可愛いお墓のイメージが蘇ります。今週末には久しぶりのウィーンですが、あのマノンやアルマ、そして、マーラーが眠るグリンツィング墓地の静かな佇まいが懐かしく感じてしまいます。そう言えば、日曜日にはグリンツィングのホイリゲにでも行こうと思っています。マノンのお墓参りもいいかな。話が逸れてしまいましたが、そういう妄想を呼び起こすようなエーベルレの素晴らしい演奏でした。エーベルレの演奏はそれほど、自己主張が強くなくて、心の内をシャイな感じで表現するというのが特徴だと感じました。ですから、曲目によって、合うものとそうでないものが出てきます。誤解されるかもしれませんが、ムッターとは正反対のところにあるような人ですね。今日のベルクの遺作のヴァイオリン協奏曲はぴったり、彼女に合っていました。

後半はブルックナーの遺作、交響曲第9番。今日のプログラムはウィーンを中心に活躍した作曲家の遺作つながりだったんですね。演奏は素晴らしかったです。とりわけ、都響の弦は素晴らしく、弦のアンサンブルのパートには聴き惚れてしまいました。大野和士の丁寧な指揮も好感を持てました。大野和士はすっかり、都響を掌握したようです。やはり、聴きどころは第3楽章。ブルックナーが完成させた最後の楽章です。そして、ブルックナーの最高の音楽です。それなりのオーケストラが演奏すれば、うっとりと聴き惚れるような名曲です。大野和士&東京都交響楽団の純日本人コンビがここまでのレベルのブルックナーを演奏できたのは素晴らしいことです。感銘を受けるような第3楽章の演奏でした。

週末からのウィーンでは、この最後の作品を書いたベルヴェデーレ宮殿内のブルックナーの家にも詣でましょう。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:大野和士
  ヴァイオリン:ヴェロニカ・エーベルレ
  管弦楽:東京都交響楽団  コンサートマスター:四方恭子

  ベルク:ヴァイオリン協奏曲《ある天使の思い出に》
《アンコール》 プロコフィエフ : 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 Op. 115より 第2楽章

   《休憩》

  ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調 WAB109(ノヴァーク版)


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のベルクのヴァイオリン協奏曲を予習したのは以下です。

 イザベル・ファウスト、アンドリス・ネルソンス指揮ルツェルン祝祭管弦楽団 2014年4月6日 ルツェルン・クンストハウス・コンサートホール ~クラウディオ・アバド・メモリアル・コンサート~ 映像
 
アバドがいかにリスペクトされていたかが感動的に映し出された映像作品。演奏はとてもヒートアップしたものです。


2曲目のブルックナーの交響曲第9番も映像作品で予習しました。

 ギュンター・ヴァント指揮北ドイツ放送交響楽団 2001年7月8日 ムジーク&コングレス・ハレ、リューベック シュレースヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭 ライヴ収録

崇高な演奏です。それが神に捧げようが、大自然への敬意に満ちていようが、高齢のヴァントの最後に行き着いた境地がいかばかりのものか、感動なくして、聴けません。ヴァントの強い目の光が印象的でした。このとき、ヴァントは89歳。この半年後にこの世を去りました。



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今年のヨーロッパ遠征・・・いざ、出発

今年のヨーロッパ遠征の開始です。今、成田空港のターキッシュエアラインズの搭乗口。搭乗5分前です。まずはイスタンブールに向かいます。それなりに空港に早く行きましたが、何と出発時刻が30分も早まるそうです。最後の晩餐は天ぷら蕎麦。しばらく食べられないですからね。

自宅を出発前も大騒ぎ。念のために郵便物をチェックすると、イスタンブールでキャッシングするために申し込んだカードが届いたそうです。本人限定なので、配達を依頼しないといけませんが、何と依頼の締め切り時刻が既に30分過ぎています。郵便局に何とか事情をお話しして、出発時刻までに届けてもらうことになり、無事、受け取りました。郵便局に感謝。

さらに来シーズンの東響の定期演奏会の継続確認の郵便が届いており、その期限は9月17日。危ない、危ない。早速、FAXしました。ぎりぎり、セーフです。

最後までバタバタですが、ともかく、飛行機に乗ってしまえば、旅がスタートします。

では、現地からのレポートをお楽しみに。




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イスタンブールに到着

無事、イスタンブールに早朝というか、真夜中に到着。現地時間でまだ、3時過ぎ。ATMでキャッシングして、最低の現地通貨をゲットして、バス乗り場へ。イスタンブールカードを自動販売機で買い、最低額をチャージして、バスに乗り込みます。真っ暗なブルーモスク前に到着。迷いながらホテルに行き、無料で朝食をいただき、今、部屋に入りました。これから、1日ツアーのガイドさんに連れられて、イスタンブールに出かけます。


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イスタンブールの旧市街を観る

朝9時に日本語ガイドのBaþakさんとホテルのロビーで落ち合います。彼女はアンカラ大学を出た才媛で日本語は達者ですが、日本には行ったことがないそうです。彼女のガイドでウォーキングツアー。ツアー参加者はsarai夫婦二人だけ。ラッキーです。ブルーモスクの名前で親しまれるスルタンアフメット・ジャーミィを皮切りに、念願のアヤソフィアに入ります。ガイドさんの誘導でスムーズに入場できます。アヤソフィアはテレビでもよく見知ったモスクですが、さすがに実物の壮大なスケールには圧倒されます。キリスト教芸術とイスラム芸術の融合した素晴らしさに感銘を受けます。

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2階のギャラリーにも上がって、しばし、昔日の美に魅了されます。

続いて、トプカプ宮殿へ。実に広大な敷地の中に宮殿があります。というか、そのいくつもの中庭こそが宮殿ですね。宮殿の一番奥の中庭からは金角湾とボスポラス海峡が見渡せます。ガイドさんに教えてもらったカフェでゆったりとボスポラス海峡を眺めます。チャイをいただきながら、海峡を行き交う船と海峡の先のアジア、そして、海峡に架かるボスポラス大橋という絶景を堪能します。

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宮殿内の宝物を眺めた後はランチ。オスマン・トルコ料理のレストランでランチ・コースを美味しくいただきます。イメージしていたトルコ料理とはまったく異なる料理にびっくりでした。

ランチの後、地下の貯水池(5世紀のビザンチン時代の遺産)やモスクを巡り、最後はグランドバザール。旅の始めから、ハードな日程になり、ホテルに戻り、ぐっすりと休み、夜になって、夜景を楽しみにまた、ブルーモスクとアヤソフィアに参上。

イスタンブールを満喫した1日でした。



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イスタンブール2日目:ボスポラス海峡クルーズ・・・あわや

イスタンブールの2日目。今日は夕方の便でウィーンに飛びます。午後ちょっと過ぎまで、これが最初で最後のイスタンブール観光を楽しみましょう。
ということで、朝は早起きして、朝食後、さっさとホテルをチェックアウトし(ターキッシュエアラインズのご厚意で完全無料ですけどね)、トラムに乗って、ボスポラス海峡クルーズの船着き場(金角湾)に到着。しかし、船の発着する桟橋が多く、目的のボスポラス海峡クルーズが見つかりません。出航時刻も迫り、予定の船会社とは別の高額クルーズにいったんはお金も支払って、乗りかかります。しかし、よく、そのチケット売り場のお兄さんに内容をきくと、何と出航時刻が1時間遅く、戻りの時間は1時間半遅いとのこと。それではウィーンへの飛行機に間に合いません。すんでのところでキャンセルし、ちゃんとお金も返してもらいます。しかし、予定の出航時刻までの時間がもう10分を切っています。慌てて、予定のボスポラス海峡クルーズを探します。もしかしてと思って、橋の反対側に行ってみると、見つかりました! でも、出航時刻までにもう3分。急いでチケット売り場に行くと、世話役のおじさんが誘導してくれて、チケットも買わせ、乗り場に連れていってくれます。このクルーズは500円弱の超格安クルーズです。結局、我々が最後の乗客でした。
クルーズは最高! 海峡を吹き抜ける爽やかな風で心地よく、海峡の絶景を楽しめました。これはアジアとヨーロッパをつなぐボスポラス大橋の雄姿です。橋の上は驚くほどたくさんの車が行き交っています。

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クルーズの後は食い気。クルーズ船乗り場のお隣には、イスタンブール名物の鯖サンドのお店が並んでいます。鯖を焼いているのは金角湾に係留された船の上。陸上から注文すると、焼き鯖をフランスパンに挟んだ一品が供されます。旨いかどうかは個人の感想ですが、saraiは普通に美味しかったです。まさに普通の焼き鯖です。一緒に挟んである野菜も美味しく、レモン汁をふりかけていただきます。

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さて、もう、ちょっとだけ時間があります。昨日のガイドさんに推薦されたのはトプカプ宮殿とは別の宮殿。4.5tの巨大シャンデリアが凄いそうです。しかし、ガイドブックを見ると、それはバカラ製。何となく興ざめです。saraiとしては在りし日のコンスタンティノープルでジェノヴァ商人が活躍したガラタ塔に行きたくなります。歴史のロマンです。さて、PCを開いて、ガラタ塔への行き方をチェックします。金角湾をトラムで渡って、そこから少し歩けばいいことが分かります。トラム乗り場に向かう途中、客待ちのタクシーが目に入ります。あまり、時間もないので、思わず、運転手さんにガラタ塔に行ってくれるかと話しかけてしまいます。運転手は快諾。いやはや、タクシーは渋滞する車の列をぎりぎりにすり抜けて、狭い道も何のその。スリル満点の運転でガラタ塔のすぐ近くに運んでくれます。思わず、チップを張り込みます。ガラタ塔を間近に見上げます。

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しかし、ガラタ塔に上る人の大行列ができています。しばらく、行列に並びますが、このままではウィーンへの飛行機に間に合わないと大人の判断。撤退します。急いでトラム乗り場に向かいます。ここで活躍するのは初使いのスマホ。MAPS.MEなるアプリで迷うことなく、トラム乗り場へ。ホテルに取って返し、荷物を受け取り、また、タクシーで空港シャトルバス乗り場に急行。バスの出発は少し待ちますが、いったん出発したバスは渋滞の道路を抜けた後は高速を順調に飛ばし、ほぼ1時間でイスタンブール新空港に到着。余裕でウィーン行の飛行機にチェックイン。しかし、その後にごたごたがあり、最後は汗をかいて、ラストコールの航空機に滑り込み。
無事に懐かしのウィーンに到着。ウィーンは迷うことはありません。さっと予約したホテルにチェックイン。今、デラックスな部屋でリラックスしています。やっぱり、ウィーンはいいなあ!! ウィーン訪問はこれで16回目になります。意外に少ないですね。それでも1回あたり1週間の滞在だとして、16週、すなわち、4カ月はウィーンに滞在したことになります。そんなに滞在した町は日本でも5つくらいしかありません。
明日からは早速、音楽三昧です。



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ウィーン2日目:ホテルで静養

ウィーンの2日目。今日はクルレンツィスのオペラの前にベルヴェデーレ宮殿に散策がてら、クリムトとシーレの名画を鑑賞に行くつもりでした。しかし、朝からsaraiのお腹具合が悪く、とてもそんな気分じゃありません。午後4時にウィーンのお友達と会って、一緒にウィーン・コンツェルトハウスまで行く予定なので、それまでは自重して、ホテルで静養。配偶者は今、一人で必要な買い物に出かけています。

昨日と一昨日はイスタンブールで歩き回り、少し、疲れも出ているので、よい休養になりそうです。それにホテルの部屋は頗る気持ちがいいんです。なお、お腹の具合が悪いのは決して盲腸炎の後遺症ではありません。

クルレンツィス指揮ムジカエテルナのモーツァルトのオペラ《ドン・ジョヴァンニ》は鑑賞後、感想をアップしますね。



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歴史に名を刻む天才クルレンツィス モーツァルトのオペラ《ドン・ジョヴァンニ》@ウィーン・コンツェルトハウス 2019.9.7

ルツェルン音楽祭の予習のつもりで聴いたら、物凄い演奏。ともかく、モーツァルトの音楽でこのような音楽的精度の高い演奏を聴いたのは初めてです。今まで、綺羅星のような巨匠たちが演奏したオペラ《ドン・ジョヴァンニ》は何だったのかと問いたくなるような、別次元の演奏です。

クルレンツィス&ムジカエテルナはルツェルン音楽祭でモーツァルトのオペラ、ダ・ポンテ3部作を演奏しますが、それに先立って、ウィーン・コンツェルトハウスでもダ・ポンテ3部作を演奏しています。既に《フィガロの結婚》の演奏は終わっていて、今日は2回目の《ドン・ジョヴァンニ》です。

キャストは以下です。(ルツェルン音楽祭と共通)

 モーツァルト:歌劇『ドン・ジョヴァンニ』 K.527 全曲

 ディミトリス・ティリアコス(バリトン/ドン・ジョヴァンニ)*
 ロバート・ロイド(バス/騎士長)
 ナデージダ・パヴロヴァ(ソプラノ/ドンナ・アンナ)
 ケネス・ターヴァー(テノール/ドン・オッターヴィオ)*
 フェデリカ・ロンバルディ(ソプラノ/ドンナ・エルヴィーラ)
 カイル・ケテルセン(バリトン/レポレッロ)
 ルーベン・ドローレ(バリトン/マゼット)
 クリスティーナ・ガンシュ(ソプラノ/ツェルリーナ)*
 ムジカエテルナ
 ムジカエテルナ合唱団
 テオドール・クルレンツィス(指揮)
 ニーナ・ヴォロビオヴァ(演出)
  *クルレンツィスのCDでも同一キャスト


第1幕序盤はあれっというくらい、普通に音楽が進行します。もちろん、クルレンツィスの音楽的精度は驚異的ではあります。第1幕の後半でドンナ・アンナのアリアから音楽が高潮します。ナデージダ・パヴロヴァは透明な澄み切った声で潤いも感じさせる美声でとても魅力的。他のキャストも素晴らしいのですが、彼女がピカ一です。しかし、すべてはクルレンツィスの音楽作りの一環に組み込まれています。続くドン・オッターヴィオのアリアも素晴らしいです。続くドン・ジョヴァンニの「シャンパンの歌」もムジカエテルナの素晴らしい演奏も相俟って、見事な歌唱です。終幕は主要キャスト7人による重唱。ともかく、クルレンツィスの才能が爆発して、驚異的な音楽レベルに上り詰めます。もう、ここでオペラが終わっても満足という素晴らしさです。

第2幕序盤もまた、淡々と進みます。クルレンツィスの音楽の精度の高さは当たり前に思えてきます。この幕でもドンナ・アンナを歌うナデージダ・パヴロヴァの歌唱が最高です。ケネス・ターヴァーの歌うドン・オッターヴィオのソット・ヴォーチェのアリアも見事です。そして、いよいよ、終盤の地獄落ち。クルレンツィス&ムジカエテルナの凄まじい音響と音楽が炸裂します。こんな地獄落ちはかって、あったでしょうか。身震いを覚えるような迫力です。そして、終幕。あれっ、地獄落ちでこのオペラは終わってしまうの。聴衆も戸惑っています。saraiは呆然としてしまいます。既に舞台にはクルレンツィスはいません。やがて、拍手が起こります。saraiも不承不承、拍手。考えてみれば、このオペラは地獄落ちで終わるのが自然かもしれないなと自分を納得させます。舞台上には今日の出演者が並び、大拍手を受けます。最後にクルレンツィスが登場すると、満場、スタンディングオベーション。と、クルレンツィスがさっと向きを変えて、ムジカエテルナを指揮して、音楽を奏で始めます。一瞬、あれっ、アンコール曲?と思いますが、実はこれは地獄落ちの後のエピローグの音楽。クルレンツィスのやりたい放題のふるまいにすっかりと騙されてしまいました。そして、本当の終幕。そういうことだったんですね。今日はコンサート形式ではありましたが、色んな演出があり、まさにクルレンツィスのやりたい放題の音楽でした。それがぴたっとはまっているのが凄い! クルレンツィスはモーツァルトのオペラに関する限り、不世出の存在になったようです。これからのモーツァルトのオペラはこのクルレンツィスの演奏を抜きにしては語れません。


予習したCDはもちろん、クルレンツィス。キャストは以下です。

 ディミトリス・ティリアコス(バリトン/ドン・ジョヴァンニ)
 ヴィート・プリアンテ(バリトン/レポレッロ)
 ミカ・カレス(バス/騎士長)
 ミルト・パパタナシュ(ソプラノ/ドンナ・アンナ)
 ケネス・ターヴァー(テノール/ドン・オッターヴィオ)
 カリーナ・ゴーヴァン(ソプラノ/ドンナ・エルヴィーラ)
 グイード・ロコンソロ(バリトン/マゼット)
 クリスティーナ・ガンシュ(ソプラノ/ツェルリーナ)
 ムジカエテルナ
 テオドール・クルレンツィス(指揮)

 録音時期:2015年11月23日~12月7日
 録音場所:ペルミ国立チャイコフスキー・オペラ&バレエ劇場
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

(以下の内容は既に書いたものです。自分の文章をパクりました。ごめんなさい。)
クルレンツィス&ムジカエテルナのモーツァルトのオペラ、ダ・ポンテ3部作の第1弾の《フィガロの結婚》の録音は2012年9月でしたから、3部作の締めくくりになる、この《ドン・ジョヴァンニ》はその3年後ということになります。この3年の間のクルレンツィス&ムジカエテルナの躍進ぶりがこの録音に現れています。きびきびした序曲の開始は同じですが、その演奏精度の向上がはっきりと分ります。妙にデモーニッシュになり過ぎず、その明快ですっきりした演奏に魅惑されます。序曲が終わり、ドン・ジョヴァンニとレポレッロが登場しますが、その明暗がくっきりとした上質とも思える演奏に驚愕します。モーツァルトでこんな演奏が可能なんですね。ドン・ジョヴァンニは終始、ソット・ヴォーチェを駆使して、その色男ぶりを強調します。ドンナ・アンナとドン・オッターヴィオの美男美女を思わせる美声コンビの歌唱も見事。《フィガロの結婚》では若干、違和感を感じたフォルテピアノもこのオペラでは実に有効に機能します。そう言えば、一昨年のザルツブルク音楽祭で聴いた《皇帝ティトの慈悲》でもフォルテピアノが見事でした。記憶が蘇ってきます。こんなに繊細さを極めたような《ドン・ジョヴァンニ》は初めて聴きます。実に新鮮で、かつ、このオペラの本質を突いているように感じます。第1幕のフィナーレの7重唱を聴いていると、saraiの頭が混乱してきます。えっ、こんな曲だったっけ? 何という発想の演奏でしょう。複雑かつ究極の精度の恐るべき演奏です。結局、この高い精度を保って、第2幕も素晴らしい演奏が続きました。これまで聴いてきた《ドン・ジョヴァンニ》とは、一線を画す演奏です。というよりも、モーツァルトのオペラで、こういう演奏が可能だったとは予想だにできなかった演奏です。一昨年のザルツブルク音楽祭での《皇帝ティトの慈悲》でsaraiの音楽の価値観がひっくり返された意味がじわっと分かってきたような気がします。やはり、これまでの音楽演奏とは、まったく次元の異なる演奏です。やはり、クルレンツィスの音楽の原点はモーツァルトのオペラにこそ、ありそうです。



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       クルレンツィス,  

ウィーン3日目:懐かしのベルヴェデーレ、カフェ・ハイナー、そして、夜はホイリゲ

ウィーンの3日目。昨日のクルレンツィスの興奮も醒めやりませんが、昨日は体調が絶不調だったんです。それを吹き飛ばすような会心の演奏でした。ウィーンの聴衆も観光客などはいなくて、気持ちよく鑑賞できました。一夜明け、バッファリンが効いたのか、体調はほぼ回復しました。ただ、お腹が緩いのは続いています。いけませんね。

今日は昨日出かける筈だったベルヴェデーレ宮殿に行きます。ホテルから歩いてすぐです。大きな植物園の中を抜けるとベルヴェデーレ宮殿の上宮の横手に出ます。上宮の先にあるチケット売り場の前には長い行列ができています。今日は日曜ですからね。気長に行列に並びます。上宮のシニアチケットを購入。最近は入場時間制になったようで、入館時間は30分後です。構いません。暇人です。それまでベルヴェデーレ宮殿の美しい庭園を鑑賞。もちろん、恒例のタッチもします(笑い)。

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庭園内をうろうろしていると、配偶者から、いきなり、入館5分前という指摘。慌てて、入館口に行くと、既に並んでいる人たちがいます。整理のおじさんに一応、チケットを見せると、何と日本語で「はーい、あなたの時間です。」。行列している人たちを尻目にさっと入館。目指すはクリムトとシーレ。勝手知ったる美術館です。2階にあがり、右手の部屋の進みます。ありました! クリムト、シーレや世紀末芸術の傑作揃いです。圧巻の展示にまたまた感銘を受けます。
さて、美術を堪能した後はグルメでしょう。トラムに乗って、町の中心、ケルントナー通りに向かいます。ウィーン国立歌劇場の姿を横目に見ながら、一目散にsaraiのお気に入りのカフェ、L.ハイナーへ急ぎます。到着後、さっと2階に上がると、結構、空席があります。ポット入りの紅茶を頼み、ケーキはケースに並んでいるものから、ハウストルテ(チェコレートトルテです)と配偶者ご指定のアプフェルシュトゥルーデルをお願いします。

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いあや、やはり、美味しいですね。これも4年ぶりに味わいます。満足です。

ホテルで一休みした後、先ほど、ネットで予約したグリンツィングのホイリゲにトラムを乗り継いで向かいます。1時間弱で無事到着。スマホの道案内アプリがまた助けてくれます。ホイリゲはツム・マルティン・ゼップ。入り口にモスト、シュトルムの看板が下がっています。これはシュトルムを飲まないとね。シュトルムは葡萄を収穫後、葡萄ジュースから発酵途上のワインです。この時期しか飲めません。料理は具材たっぷりのビーフ・コンソメスープ。古きウィーン風のスープとメニューに書かれています。それにビュッフェで肉や野菜を指さしながら注文。とっても美味しい夕食になります。

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最後はアコーディオン奏者にチップをはずみ、《ウィーン、わが夢の街》Wien、du Stadt meiner Träumeを演奏してもらいます。とても洒落っ気のあるロマンティックな演奏を披露してくれました。ウィーンに来たら、この歌を聴かないとね。ついでに日本人向けに《上を向いて歩こう》。途中で歌詞を口づさんでいます。あれっ・・・トヨタ、ミツビシ・・・。楽しいホイリゲ訪問でした。

明日はまた、クルレンツィス指揮ムジカエテルナのモーツァルトのオペラ《コジ・ファン・トゥッテ》です。楽しみです。ウィーン滞在も実質、明日1日になります。もっとも、また、今月末にパリから戻ってきますけどね。



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ウィーン4日目:モーツァルトの跡を尋ねて

ウィーンの4日目。今日もはっきりしないお天気です。晴れたり曇ったりですが、雨が降ることはありません。少し、肌寒さを感じますが、まだまだ、冬は到来していません。今日も夜のクルレンツィス指揮ムジカエテルナのモーツァルトのオペラ《コジ・ファン・トゥッテ》までは全くのフリー。配偶者が近くのスーパーに買い出しに行った朝食をぱくつきながら、今日の予定を考えます。久しぶりの中央墓地でも行ってみましょうか。このホテルからはSバーンでちょっと行くだけです。それとも・・・
そうだ、モーツァルトのウィーン市内の史跡巡りというのもありますね。ほとんどは行ったところですが、まとめて行ったことはありません。

身支度を整えて、まずはシュテファンプラッツへ。

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この大聖堂もモーツァルトゆかりの場所ですが、それは後からにして、モーツアルトがウィーンでのキャリアを始めたドイツ騎士団の家へ向かいます。ここでそれまで仕えていたザルツブルク大司教のコロレド伯爵と決定的な仲違いをして、モーツァルトは自由の身になります(つまり、クビになったわけです)。モーツァルト25歳のときです。これから、彼の早過ぎる死までの10年間をウィーンで過ごします。今回はさすがにいっぺんに全部周るわけにはいきませんが、半分ほど周りましょう。詳細は後でブログ記事にします。今回、初めて見つけたところをご紹介します。ドイツ騎士団の家には小さな教会がありますが、その建物内に小さなホールがあります。中庭からは鉄格子のはまった窓越しに覗けます。ここで時折、観光客向けにモーツァルトのコンサートをやっているそうです。いい雰囲気ですね。(saraiは行きませんけどね)

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モーツァルト博物館(フィガロハウス)はこのドイツ騎士団の家の間近です。結局、モーツァルトはこのあたりのウィーンのど真ん中で生活し続けたのですね。都会好きの若者だったわけです。そこから、路地を抜けると、聖シュテファン大聖堂の裏に出ます。大聖堂の外側に錬鉄製の門のある小さな礼拝堂がくっついています。この場所で不滅のW. A.モーツァルトの遺体は、1791年12月6日に最終的な祝福を受けました。

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礼拝堂の内部の壁の十字架の下に記念のプレートがあります。花が一輪、手向けてありますね。

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これがプレート。MOZARTの文字が見えます。1791年12月6日と言う埋葬の日が刻まれています。亡くなった翌日です。

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ここから遺体はザンクト・マルクス墓地に運ばれました。
大聖堂の中ではおりしもミサが執り行われています。ここはモーツァルトがコンスタンツェとの結婚式を行ったところで、二人の子供も洗礼を受けています。
次はモーツァルトが亡くなった場所です。もう、その建物はなく、今はシュテッフルデパートになっています。とってもお洒落なデパートです。モーツァルトはここにあった建物の広々とした4部屋のアパートメントに住んでいました。エレベーターで最上階の7階まで上ってみました。ウィーン市内の建物の屋根屋根が見渡せます。モーツァルトの雰囲気を感じさせるものは微塵もありません。何と、このデパートのお隣がsaraiのお気に入りのカフェ、L.ハイナーです。何か因縁じみたものを感じます。
ここから、モーツァルトが住んだ跡を尋ねて、グラーベン通りの29番地と17番地に行って、今回のモーツァルトの跡を尋ねる散策は終了。実に狭いエリア内であることに驚きます。ベートーヴェンとは大違いです。おかげでsaraiの足には優しいですけどね。

さて、これから、クルレンツィス指揮ムジカエテルナのモーツァルトのオペラ《コジ・ファン・トゥッテ》を聴きにコンツェルトハウスに向かいます。



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クルレンツィスは進化する!モーツァルトのオペラ《コジ・ファン・トゥッテ》@ウィーン・コンツェルトハウス 2019.9.9

音楽的には、一昨日の《ドン・ジョヴァンニ》以上の演奏に思えました。作品自体もモーツァルトのオペラの最高傑作だと確信させる素晴らしいレベルの演奏です。歌手ではフィオルディリージ役を歌うナデージダ・パヴロヴァがドンナ・アンナに続く素晴らしい歌唱。クルレンツィスはどえらい逸材を発掘しましたね。現在、これ以上のモーツァルトのオペラを歌うソプラノはいないでしょう。《フィガロの結婚》でも伯爵夫人を歌ってもらいたいくらいです。そのナデージダ・パヴロヴァを中心に素晴らしいアンサンブルの歌唱でした。もちろん、クルレンツィスがすべてを仕切っています。歌手もオーケストラも自由に演奏しているような雰囲気を醸し出していますが、すべてはクルレンツィスの掌の中にあるのは明らかです。CDでは少々の不満がありましたが、この実演では音楽の精度が磨き抜かれ、まさに天才モーツァルトがこのオペラで意図した音楽はこういうことだったのかと目を開かれる思いです。モーツァルトのオペラの集大成の作品であることが実感できました。アリアを少なめにして、アンサンブルとしてのオペラで音楽の純度を高めた作品です。それを天才クルレンツィスは見事に再現してみせました。歌と器楽の融合体としてのオペラはこういうものなのですね。今回のキャストはCDとは主要な4人を総入れ替えして、若返りを図りました。クルレンツィスの意図は、声の透明性が高く、ソット・ヴォーチェを有効に歌える歌手を選定したものと思われます。クルレンツィスの音楽の本質がそこにあるからです。オーケストラの演奏も同じく、透明性が高く、特に弱音の効果を高めた演奏が基本に思えます。オーケストラと言えば、管楽器の鄙びた音色がモーツァルトのオペラにピタッとはまっていました。それに《ドン・ジョヴァンニ》のときに書くのを忘れていましたが、フォルテピアノのマリア・シャバショワは美貌だけでなく、素晴らしい演奏を聴かせてくれます。クルレンツィスの音楽には欠かせない逸材です。天才クルレンツィスのもとには、続々と高い音楽性を持つ人材が参集しているようです。

演奏の内容にも若干触れておきます。上に述べたようにナデージダ・パヴロヴァが素晴らしく、第1幕と第2幕で歌ったアリアは最高。第2幕のドラベッラとグリエルモの2重唱はうっとりするようなラブソング。同じく第2幕のフィオルディリージとフェランドの2重唱はぞくぞくするような愛の成就に魅了されました。他も聴きどころ満載で書き切れません。

なお、今回のモーツァルトのオペラ・チクルスはホールの中央の座席の一部を取り払って、録音機材が並べられていました。ライヴ録音した模様です。そのうちにCD化されるのでしょう。前回のCDの録音から5年も経っていませんが、クルレンツィスの音楽的進化は明らかです。みなさんも自身の耳で確かめられるでしょう。

キャストは以下です。(デスピーナ役がチェチーリア・バルトリに変わる以外はルツェルン音楽祭と共通)

 モーツァルト:歌劇『コジ・ファン・トゥッテ』 K.588 全曲


 ナデージダ・パヴロヴァ(フィオルディリージ)
 ポーラ・マリヒー(ドラベッラ)
 コンスタンティン・スチコフ(グリエルモ)
 ミンジェ・レイ(フェランド)
 アンナ・カシヤン(デスピーナ)*
 コンスタンティン・ヴォルフ(ドン・アルフォンソ)*
 ムジカエテルナ
 ムジカエテルナ合唱団
 テオドール・クルレンツィス(指揮)
 ニーナ・ヴォロビオヴァ(演出)
  *クルレンツィスのCDでも同一キャスト


予習したCDはもちろん、クルレンツィス。キャストは以下です。

 ジモーネ・ケルメス(フィオルディリージ)
 マレーナ・エルンマン(フィオルディリージ)
 クリストファー・マルトマン(グリエルモ)
 ケネス・ターヴァー(フェランド)
 アンナ・カシヤン(デスピーナ)
 コンスタンティン・ヴォルフ(ドン・アルフォンソ)
 ムジカエテルナ(ピリオド楽器オーケストラと合唱団)
 テオドール・クルレンツィス(指揮)

 録音時期:2013年1月9-13日
 録音場所:ロシア、ペルミ、チャイコフスキー記念国立オペラ&バレエ劇場
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)


(以下の内容は既に書いたものです。今回も自分の文章をパクりました。ごめんなさい。)
クルレンツィス&ムジカエテルナのモーツァルトのオペラ、ダ・ポンテ3部作の第1弾の《フィガロの結婚》の2012年9月の録音の直後に、この《コジ・ファン・トゥッテ》は録音されました。クルレンツィスらしい隅々まで徹底したこだわりの演奏です。スタイルは《フィガロの結婚》とほぼ同じですが、ソット・ヴォーチェを駆使して、音楽の精度はさらに向上しています。この後に続く《ドン・ジョヴァンニ》と同じレベルの素晴らしさです。ただ、演奏は美しいのですが、若干、上滑り気味でこのオペラの持つ真の深みが感じられないのが残念です。これから先は実演に期待しましょう。



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       クルレンツィス,  

御礼(ぺこっ):ブログランキングの目覚ましいランクアップ

ヨーロッパに旅立って以来の急速なランクアップ。読者の皆様の熱いご支援、大変、ありがとうございます。遠くヨーロッパの地より、深く深く御礼を申しあげます。実に久しぶりの15位です。以前、最高ランクは10位を記録したこともありますが、その後は鳴かず飛ばず。すべてはブログ記事の内容の低さが原因で、ブロガーたるsaraiは深く反省はするものの筆力の限界も感じていました。しかるに、このように1日に20人近くの読者の方からプチを頂き、嬉しさに思わず、笑いがこみあげてしまう単純居士のsaraiです。こうなれば、さらなるご支援で再び、夢の10位復帰を後押しいただければ、なおさら、ブログを書く元気も倍増します。よろしくお願いしまーす!


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フンデルトヴァッサーのお伽の世界のような温泉

ウィーンの5日目。今日は朝、早起きして、ウィーンを旅立ちます。目指すはブルマウ温泉。ウィーンからはグラーツ方向に3時間ほど移動したところにある、建築界の鬼才フンデルトヴァッサーがいかにも彼らしい幻想イメージを温泉としてリアル化したテーマパークです。

電車を3本乗り継いで、単線の無人駅に着くと、駅までブルマウ温泉のスタッフが車で迎えに来ていてくれました。メールで依頼していたんです。駅前は何にもないところでタクシーももちろんいません。迎えに来てもらうしか、ブルマウ温泉に行く手段がありません。もっとも駅からはブルマウ温泉のフンデルトヴァッサーらしい奇抜な建物は遠くに見えていましたが、とても歩ける距離ではありません。それに旅の大きなスーツケースも2個持っているので、身動きとれません。しっかりと約束通り、迎えに来てくれた誠実さに感謝。それにさっさと2つのスーツケースも引っ張ってくれました。車で走るとあっという間にブルマウ温泉に到着。レセプションに行くと、担当スタッフが妙な顔をしています。それにパスポートを見せろと言います。結局はこのレセプションは実はホテルのレセプションだったんです。日帰り温泉(日本風に言えば)の受付は別のところだそうです。そこに行くと、また、ここではないわと言われます。そこはイブニングチケット(夜は照明してて綺麗)でsaraiの予約したデイチケットは歩いて10分ほど先だそうです。また、思い荷物を引っ張って、その受付に向かいます。受付の建物に到着。ここもフンデルトヴァッサーの世界です。

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ようやく受付できます。お作法はほかのヨーロッパの温泉と同様です。手首にチップ入りのバンドを巻いて、水着になります。着替えのロッカーは男女一緒でオープン。ここで恥ずかしいと思ったら、ヨーロッパの温泉には入れません。早速、水着で色んな温泉プールを楽しみます。

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水着で温泉プールを楽しんだ後は、いよいよお楽しみのサウナ。サウナは水着を脱ぎ捨て、男女混合ですっぽんぽん。日本の混浴なんて比べ物にならないオープンさです。もちろん、日本人はsaraiたちだけ。アジア人種もいません。しかし、誰も好奇の視線を向けません。そういう文化ですね。アウフグス Aufgussの儀式を楽しみにしていましたが、どのサウナでもやっていません。たっぷり、汗を流したところでお終いにしようと、日光浴の場所(ここもすっぽんぽん。まるでヌーディストキャンプみたいですね。)を覗いてみると、何とここにもサウナ小屋があり、高温(90度~)のフィンランド式サウナがあります。そこでちょっとだけ、汗を流して出てくると、棒の先にタオルを付けたスタッフを発見。すかさず、配偶者がアウフグス Aufgussかと訊くと、そうだとのこと。これは入るしかありません。スッポンポンでサウナ小屋に入ると、既に20~30人のスッポンポンの男女がサウナ内にびっしりと集まっています。何とか隙間に潜り込んで、いよいよ、アウフグス Aufgussの開始。熱い窯に水がかけられます。すると熱い水蒸気がふわっと流れてきます。これは熱い! 100度くらいの感覚です。さらにその熱い空気を我々にタオルを振り回して、送ってきます。熱くて、一気に汗が全身から吹き出します。これを何度も繰り返して、我々はその苦行を耐え忍びます。一段落して、そのスタッフに一同から拍手が送られます。これで終わったと思ったら、そうではありません。今度はスタッフがガラスの茶碗にはいった茶色の液体をお盆にのせて、配り始めます。ご褒美のお茶かと思って飲もうとしたら、どろっとした液体です。これは体に塗り付ける蜂蜜だったんです。以前、塩を塗ったことはありますが、蜂蜜は初めて。ということはまだ、アウフグス Aufgussの儀式は終わっていなかったんです。全員が蜂蜜を身体に塗ると、また、さっきと同じく、窯に水をかけて、熱い水蒸気を上げて、タオルで熱い空気を送る儀式が再開。また、どっと汗が出ます。ようやく、アウフグス Aufgussの儀式が終わり、体から悪いものはすべて出ていきました。サウナ小屋を出ると、すっぽんぽんの男女が小さなプールに浸かっています。配偶者はすぐに察したようですが、これは温泉ではなく、冷水のプール。恐る恐る我々もその冷たい水に浸かります。冷たいのですが、何とか入れます。これも修行ですね。熱くなった体には心地よくも感じます。これにて、今回の旅の温泉体験は終了。ヨーロッパの温泉はくせになります。
再び、車で駅まで送ってもらいます。駅前のバス停をお願いすると、ドライバーが我々を車に残し、バスの時刻表をチェック。その後、我々を乗せて、再び、走り出します。どうやら、バス停が違ったようです。全然、違う場所にあるバス停で降ろしてくれました。ご親切に感謝。これから、バスを乗り継いで、グラーツに向かうんです。すぐにポストバスがやってきて、グラーツ行のバスが出るバス停で降ろしてくれました。かなり待つとグラーツ行のバスが到着。しかし、グラーツ行ではありますが、目的のグラーツ中央駅までは行かないようです。市内の何タラ広場が終着です。手持ちの地図で調べると、グラーツの旧市街の中心近くのようです。一安心です。1時間以上、平原や山道を走って、グラーツに到着。旧市街の中心のハウプト広場まで歩きます。広場には市庁舎の壮麗な建物が夕陽を浴びて、輝いています。

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この広場は市内交通の要所でもあります。自動販売機で24H乗り放題チケットを購入し、トラムで中央駅に移動。6時半ころにようやくホテルにチェックインできました。
また、トラムでハウプト広場まで取って返し、美味しい夕食をいただき、長い一日が終了。ふーっ・・・。

明日はグラーツの街を散策し、夕方の飛行機でチューリッヒに飛び、電車でルツェルンに入ります。いよいよ、ルツェルン音楽祭モードになります。



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束の間のグラーツで美しい中庭に出会う

グラーツの2日目。今日は朝から快晴です。軽く半日、初めてのグラーツの街を散策します。ところが旅のガイドブックはウィーンの情報は詳しくてもグラーツの情報は極めて希薄です。こういうときに頼りになるのは、ツーリストインフォメーション。グラーツのインフォメーションは旧市街の中心のハウプト広場の市庁舎のお隣の州庁舎の建物にあります。駅前のホテルをチェックアウトしてトラムでハウプト広場に向かいます。チケットは昨日、24H乗り放題チケットを購入したので、どこへでも行けます。ハウプト広場でトラムを降りて、早速、インフォメーションに向かいます。インフォメーションでシティマップをもらった後、スタッフのお姉さんに町をぶらつきたいけど、何か情報がないかと訊きます。しかし、これがなかなか意味が分かってもらえずに何度も説明します。すると、ようやく分かってもらえて、あなたはどこの国から来たのって訊かれます。日本だというと、いったん、席を外して、何かを探しにいってくれます。そして、小冊子を持って帰ってきます。何と日本語の資料です。《グラーツ観光名所 グラーツの歴史的かつモダンな町並みを楽しむ散策》という、まさに求める情報そのものの資料です。ありがたく頂戴します。無論、無料。冊子内には3つの散策コースが紹介されています。とりあえず、最初の旧市街散策コースを歩きましょう。
まずは旧市街にある中庭を巡ります。手始めはインフォメーションがある州庁舎の中庭。イタリアルネッサンス様式で中庭の周りの建物はポルティコが続いています。多くの観光客が押しかけています。

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続いて、大通りのヘレン通りを渡って、ジェネラリホーフとヘルツォークホーフの中庭。建物のアーチを抜けると別世界が広がっています。

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中庭はまた狭い路地につながっていて、格別の雰囲気を醸し出しています。建物の壁はフレスコ画の淡い色彩で飾られています。うーん、ロマンティックですね。
ハウプト広場に戻り、ルエッグハウスの壁に施された漆喰装飾に魅了されます。色んな建物を巡り、宮廷御用達のパン屋さん、エッデッガー・タックスで《シシーのキス》という美味しいカルメラ風のお菓子を買い求めます。試食販売でした。
次は王宮。なぜか無料です。それもその筈。まとまった形で往時の王宮が残っているわけではなく、ただ、ゴシック末期の石工技術の傑作である2重螺旋階段が残っています。今は州政府が使っているので、出入り自由です。隣り合う王宮庭園の薔薇と緑を楽しみ、大聖堂に向かいます。大聖堂は修復中で内部見学は不可。その代わりに隣り合う霊廟を見学。ハプスブルク家の霊廟ですが、豪華絢爛なバロック教会にしか見えません。ただ、建物の一番奥まったところに死せるキリストのような足をこちらに向けた横たわって息絶えたキリスト像があり、その地下に霊廟が見えます。地下に直接降りることはできないようですね。
さらにグラーツの旧市街の世界遺産を巡る散策コースは続きますが、ほぼ、見たいものは見たので、この辺りで最初の散策コースは終了。
次はシュロスベルクの丘に上るコースに移ります。眺めを楽しみながら、ランチでもいただきましょう。ヤコミニ広場からトラムに乗って、シュロスベルクに上るケーブルカー乗り場に移動。ケーブルカー乗り場のチケット窓口で訊くと、乗り放題チケットはこのケーブルカーにも有効だそうです。無料で楽ちんでシュロスベルクの上に上ります。そこにある眺めのよいレストランは眺めのよい席がすべて埋まっています。仕方がないので、次善の策として、冊子で紹介されている、もう一つのレストランに移動。ここは眺めのいいテラス席が空いていましたが、ウェイターに料理を注文しようとすると、今日はキッチンがクローズしているので、喫茶メニューのみだそうです。残念! アイスコーヒーを飲みながら、眺めを楽しみます。と、隣の席の地元の青年が日本語で話しかけてきます。びっくりです。日本のことが好きで2回、日本を訪れたそうです。奇遇ですね。なにかと話に花が咲きます。この好青年とお別れして、シュロスベルクの散策も切り上げ、丘を下ります。美しいヘルベルトシュタイン庭園を通り抜けて、260段のシュロスベルク階段を下ります。眼前にはグラーツの旧市街の美しい眺めが広がります。散策の最後を締めくくるのにふさわしい絶景に出会えました。

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駅前に出て、美味しいランチ。フライ・ド・シャンピニオンと七面鳥のシュニッツェルが絶品でした。シュロスベルクのレストランでランチできなかった分を取り返した思いです。さあ、少し早いですが、用心して、グラーツ空港に向かいましょう。ホテルに預けてあった荷物を受け取って、グラーツ中央駅からSバーンに乗ります。空港はすぐの筈です。ところが、ここでsaraiがかん違い。最初は電車で10分だと思っていたのに、資料を読み違え、20分かかると思い込み、空港の最寄り駅で降り損ねます。電車が動きだした瞬間に誤りに気が付きますが、電車はどんどん加速します。結局、次の駅で降りて、15分後の逆方向の電車に乗り換えて、空港へ向かいます。念の為に余裕の時間に乗ったのが正解で、大事には至りません。グラーツからチューリッヒへのスイス航空機は順調なフライトで予定通りの到着。ここからは電車でルツェルンに移動ですが、余裕の1時間の乗り換え時間をとっていたので、問題なく、ルツェルンへ到着。もう、夜の10時半。バスに飛び乗り、ホテルの最寄りのバス停で下車。ところが夜道で暗くて、ホテルが見つかりません。うろうろしていると、自転車で通り掛かった現地の青年が声を掛けてきます。ホテルのアドレスを言うと、親切にも道案内してくれます。彼にどこから来たのか訊かれて、日本だと答えると、何と彼ももうすぐ日本に観光に出かけるそうです。沖縄、大阪、京都、東京を周るとのこと。これも奇遇でした。途中、ホテルのスタッフから携帯に電話が入ります。実は今日はホテルと言っても、アパートメントに泊まるので、レートチェックインになってしまったんです。それでなかなか到着しないので、しびれを切らしての電話でした。今、向かっているところだと答えると、アパートメントの建物の前で待っていてくれました。ここで道案内してくれた親切な青年に大いに感謝して、別れます。何とか、ルツェルンのアパートメントスタイルのホテルにチェックインできました。みなさんの親切に感謝です。旅慣れている筈のsaraiですが、こんなに苦労するようになりました。自分が情けない思いです。でも、何とか切り抜けられて、明日からのルツェルン音楽祭を迎えられるようになりました。ふーっ・・・。



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ピラトゥス山からのユングフラウ3山の眺め

ルツェルンの2日目。今日は朝から雲一つない青空です。今日こそ、一昨年の借りを返すためにピラトゥス山に上ります。と言っても、夜は大事なオペラがあるので、さっと行ってさっと帰ってきます。ルツェルン駅のツーリストインフォメーションに行って、そこでピラトゥス山周遊チケットを買います。最初は湖船で行くことを勧められますがそれでは時間がかかるので、電車にしてもらいます。その後、登山電車でピラトゥス山に上がり、帰りはロープウェイと市内バスで帰ってくるというルートです。もちろん、案内ガイドのパンフレットもいただきます。登山電車の駅でチケットに交換するんだそうです。ついでに今のピラトゥス山の山頂の様子をWEBカメラで見せてもらいます。素晴らしい天気です。楽しんできてねと笑顔で送り出されます。しかし、ここに大きなトラブルの種が潜んでいましたが、そのときは知る由もありません。
インフォメーションのスタッフのおばさんの丁寧な案内のお蔭で登山電車の駅では一番でチケットを交換し、次の登山電車を待つ行列の先頭に立ちます。旧角度で斜面を登る登山電車の先頭の席を確保し、素晴らしい眺めを楽しみながらの登山。頂上駅に着き、快晴の空の下に立ちます。ここで帽子(ハイデルベルク大学で買った野球帽)をホテルに置いてきてしまったことに気が付きます。配偶者からピラトゥス山登山記念にまた帽子を買えばいいじゃないと言われ、その気になって、お土産品屋を覗くと、ちょっとお高いですが、なかなかいい帽子があります。これにしましょう。キャッシャーに行き、クレジットカードでお願いと言って、財布を出すと、先ほど、インフォメーションで周遊チケットを買ったときも使ったクレジットカードが見つかりません。その場は配偶者のカードを使いますが、これはまずい! カバン中探しますが出てきません。またやトラブル発生。どこかで落としたのかな。まあ、とりあえず、後でインフォメーションに寄って、クレジットカードがなかったか訊いてみましょう。その上で日本のカード会社に電話して、利用停止の手続きをとりましょう。
気を取り直して、エーゼル峰に登ります。10分ほどで登れるようです。ピラトゥス山の2つの峰の一つです。エーゼル峰の頂上に上がると、まさに360度パノラマです。とりわけ、アルプスの峰々が快晴のもと、はっきりとした姿で見えています。もしかしたら、ユングフラウも見えるのかなと軽い気持ちで探してみると、遠くにアイガー、メンヒ、ユングフラウの3山の美しい姿がはっきりと見えています。やったね!

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山頂にいる間、ずっとユングフラウの姿ははっきりと見えています。その姿を見ながら、ランチをいただきます。アルプスに乾杯!

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帰りはロープウェイ。最初は大きなゴンドラの先頭席に陣取り、ルツェルンの町を眼下に眺めます。その後は4人乗りの小型のゴンドラに乗り換えて、ルツェルン市内に戻ります。美しい草原の上を気持ちよくゴンドラは進みました。
で、駅のインフォメーションに戻り、窓口でクレジットカードはなかったか、訊いてみます。名前を確認して、裏の方に消えていきます。ウーン、すぐにそんなものはないとは言わなかったな・・・手に白い大きな封筒を持って、スタッフが戻ってきます。

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この封筒の中から、マイVISAカードが出てきました。ダンケ・シェーン!
早速、駅地下のCOOPのスーパーで買い物を済ませて、ホテルに帰着。仮眠をとって、夜のオペラへ出発です。



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素晴らしきクルレンツィスの世界、開幕 モーツァルトのオペラ《フィガロの結婚》@ルツェルン音楽祭 2019.9.12

既にウィーンでクルレンツィスのダ・ポンテ3部作のうち、《ドン・ジョヴァンニ》と《コジ・ファン・トゥッテ》を聴いて、究極とも思える音楽的な精度の高さに驚嘆していました。しかし、本番ともいえるルツェルン音楽祭のクルレンツィスの公演が《フィガロの結婚》で開幕して、クルレンツィスの作り出すモーツァルトのオペラの凄さがさらに実感できました。無茶無茶、勢いの良い序曲から圧倒されます。モーツァルトのオペラ、ここにありという感じです。

基本的なスタイルは《ドン・ジョヴァンニ》と《コジ・ファン・トゥッテ》と同じです。いまさらながら、クルレンツィスのモーツァルトへのシンパシーとリスペクトの思いが実感されます。まるでモーツァルトの魂がクルレンツィスに乗り移って指揮しているんじゃないかと錯覚します。モーツァルトのオペラも新時代を迎えました。モーツァルトの音楽の深さが再発掘されたという思いでいっぱいになります。モーツァルトの音楽の天才性はこのクルレンツィスの天才の登場を待って、明らかにされたという感です。音楽のちょっとした端々の微妙なニュアンスに込めたモーツァルトの深い音楽性は驚異的であり、それをとことん追求したのがクルレンツィスです。今までの指揮者はただただ譜面の表面だけをなぞっていたのかという疑念さえ湧いてきます。アリアや重唱はクルレンツィス自身が個々の歌手の喉を使って、歌っているかのようです。実際、彼は声を出さずに歌っています。彼の感じた歌を歌手がクルレンツィスの意向に沿って歌っています。かって、カラヤンも同様の試みをしていましたが、明らかに資質が違います。同じアプローチでも、クルレンツィスの天才性が光ります。譜面の読み込みの深さが常人とは明らかに異なるレベルです。譜面を通して、作曲家モーツァルトの精神に到達したかの如くです。こういうことを書いていたら、切りがありません。ここらで今日の演奏内容に触れましょう。

今日も女声陣が素晴らしいです。主要なキャストのスザンナ、伯爵夫人、ケルビーノは際立っていましたし、マルチェリーナ、バラバリーナも見事な歌唱。男声陣はと言えば、これも素晴らしい。特にフィガロ、伯爵の渋くて、ダイナミックな歌唱が見事です。結局、どこにも隙のない歌唱で、これだけの歌手を揃えた公演は史上最強ではないかと思います。ピカ一だったのは伯爵夫人を歌ったエカテリーナ・シチェルバチェンコ。ドンナ・アンナ、フィオルディリージを歌ったナデージダ・パヴロヴァが最強のモーツァルト歌いと書きましたが、クルレンツィスはさらにこのエカテリーナ・シチェルバチェンコという隠し球も持っていたようです。いかにもクルレンツィス好みの透明な響きの声とソット・ヴォーチェの静謐な歌唱が素晴らしいです。第3幕のアリアで冒頭の旋律がソット・ヴォーチェで繰り返されるところで、あまりの美しさにsaraiは感動のあまり、涙が出ました。ドラベッラを歌ったポーラ・マリヒーのケルビーノも最高です。第2幕のアリアはこれまで聴いたケルビーノの中で最高レベル。細かい装飾音符の歌い方がピタッとはまっています。きっと、クルレンツィスがこだわって、熱血指導した賜物でしょう。あと、第3幕での伯爵夫人とスザンナのデュエットの見事な歌唱にも絶句しました。いちいち書いていたら、切りがあありませんね。それでも一番の聴きものだったオーケストラと声楽のアンサンブルの素晴らしさは讃えないといけないでしょう。各幕の終盤の凄まじい盛り上がりは尋常ではありませんでした。フォルテピアノ、オーボエの見事の技も忘れられません。

ともかく、これまでの音楽演奏とは別次元の世界をクルレンツィスは築き上げました。恐るべき才能としか、言えません。4日間連続公演の初日を聴いて、早くも無理してきてよかったという感慨がいっぱいです。

そうそう、公演終了後、席を立ち、ホールから出ようと歩いていると、チャーミングな女性と目が合ってしまいました。saraiが思わず、コパチンスカヤ・・・と言葉を漏らすと、彼女はにっこりとほほ笑んでくれます。思わず、手を差し出すと、暖かい手で握手してくれました。よく考えたら、彼女とは今年、2回目の握手です。彼女は覚えていないでしょうが、クルレンツィスとの日本公演の初日のパーティーで握手したんです。あのときも今日と同じチャーミングな笑顔でした。だから何って言わないでくださいね。

今日のキャストは以下です。

 モーツァルト:オペラ《フィガロの結婚》

 アンドレイ・ボンダレンコ(バス・バリトン:アルマヴィーヴァ伯爵)*
 エカテリーナ・シチェルバチェンコ(ソプラノ:伯爵夫人ロジーナ)
 アレックス・エスポジト(バス・バリトン:フィガロ)
 オルガ・クルチンスカ(ソプラノ:スザンナ)
 ポーラ・マリヒー(メゾ・ソプラノ:ケルビーノ)
 ダリア・チェリャトニコヴァ(メゾ・ソプラノ:マルチェリーナ)
 エウゲニ・スタビスキー(バス:バルトロ)
 クリスティアン・アダム(テノール:ドン・バジーリオ)*
 ファニー・アントネルー(ソプラノ:バルバリーナ) (CDではスザンナを歌っていた)
 ガリー・アガザニアン(バス:アントニオ)
 ムジカエテルナ
 ムジカエテルナ合唱団
 テオドール・クルレンツィス(指揮)
 ニーナ・ヴォロビオヴァ(演出)
  *クルレンツィスのCDでも同一キャスト



予習したCDはもちろん、クルレンツィス。キャストは以下です。

 アンドレイ・ボンダレンコ(バス・バリトン:アルマヴィーヴァ伯爵)
 ジモーネ・ケルメス(ソプラノ:伯爵夫人ロジーナ)
 クリスティアン・ヴァン・ホルン(バス・バリトン:フィガロ)
 ファニー・アントネルー(ソプラノ:スザンナ)
 マリー=エレン・ネジ(メゾ・ソプラノ:ケルビーノ)
 マリア・フォシュストローム(メゾ・ソプラノ:マルチェリーナ)
 ニコライ・ロスクトキン(バス:バルトロ)
 クリスティアン・アダム(テノール:ドン・バジーリオ)
 ムジカ・エテルナ(ピリオド楽器オーケストラと合唱団)
 テオドール・クルレンツィス(指揮)

 録音時期:2012年9月24日~10月4日
 録音場所:ペルミ国立チャイコフスキー・オペラ&バレエ劇場
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

(以下の内容は既に書いたものです。今回も自分の文章をパクりました。ごめんなさい。)
オペラですから、本来は映像付きがよいのですが、《フィガロの結婚》だと、CDで聴いていても、映像が頭に浮かびます。saraiのお気に入りの3大オペラの一つですからね。実演でも10回以上は聴いています。
で、肝心の演奏ですが、予想通り、序曲からきびきびしたテンポで展開していきます。素晴らしいのは、音楽が活き活きしていて、CDでありながら、実演を聴いている感覚に陥ることです。それにオーケストラの演奏だけでなく、アリアの歌わせ方がとても見事です。ケルビーノの2つのアリア、フィガロの《もう飛ぶまいぞ、この蝶々》、伯爵夫人ロジーナの第3幕のアリア、スザンナのアリアと伯爵夫人とのデュエットなど、とりわけ、有名アリアが素晴らしいです。ずっと聴き惚れていましたが、やはり、フィナーレでアルマヴィーヴァ伯爵が『Contessa,perdono!』と伯爵夫人に許しを乞う歌唱では、強い感銘を受けて、うるっとします。この後、伯爵夫人が『Più docile io sono, e dico di sì.』と優しく許しを与えると、もう、たまりません。saraiの感情が崩壊します。その後のトゥッティも素晴らしいです。もう天国の世界です。そして、トゥッティがそのまま、テンポアップして、勢いよく、素晴らしいオペラを締めます。この実演を聴いたら、オペラ終了後、しばらく、立てなくなりそうです。ルツェルン音楽祭の本番はコンサート形式ですが、そんなことは関係ありません。究極のオペラが聴けそうです。長年、ヨーロッパ遠征してきて、音楽を聴いてきた集大成になるでしょう。



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       クルレンツィス,        コパチンスカヤ,  

失意のバーゼル、再生のベルン

ルツェルンの3日目。今日も朝から雲一つない青空のお出かけ日和です。今日はsaraiの最愛の絵画、ココシュカの《風の花嫁》に会いに出かけましょう。それはバーゼル美術館にあるので、ベルンのクレーと合わせて、バーゼル、ベルンと巡ってきます。
ルツェルンからバーゼルまで約1時間。今日はファーストクラスの1日乗り放題チケットなので、快適な鉄道旅です。
バーゼルに着いて、トラム乗り場の自動販売機でチケットを買い、トラムに乗ります。バーゼル美術館へは1番か2番のトラムです。美術館前に着いたと思ったら、停まらずにすっと走っていきます。そういえば、ストップボタンを押すのを忘れていました。一駅先まで行って、そこから歩いて戻ります。途中、ライン川に架かる橋があるからです。久しぶりのバーゼルのライン川。快晴の陽光を受けて、川面が輝いています。川縁にはバーゼル大聖堂の2本の尖塔。川を渡るとすぐ正面がバーゼル美術館です。さあ、《風の花嫁》に再会しましょう。チケットを買い、荷物をロッカーに入れて、まず、《風の花嫁》に再会すべく、その展示場所をスタッフに尋ねます。すると、彼は《風の花嫁》は2階なんだけど、2階はフロア全体がクローズしてるんだよね。1階のこのへんにもいい絵があるよって、破壊的な発言。saraiは泣きそうになり、わざわざ、この絵を見に日本から来たって言うと、彼は冷静にPCの画面で再度確認した上で、申し訳ないけど、やはり、クローズしているので見られないと言って、それ以上は話が進みません。saraiは力が萎えて、ロビーのソファーに座り込みます。この美術館は何度も来たし、今更、《風の花嫁》以外の絵を見ても虚しくなるだけです。心を決めて、スタッフにチケットの払い戻しをお願いすると、快く応じてくれます。人生最後の《風の花嫁》との対面は果たされませんでした。そういう運命だったとあきらめるしかありません。人生最後になるであろうバーゼル訪問は実に残念な形で無残に終わりました。すぐにトラムで駅に戻り、第2の訪問地ベルンに赴き、パウル・クレー・センターでクレーの絵画群を鑑賞し、今日のツアーは完了。そのパウル・クレー・センターで見た、今日の一枚。天使シリーズの一作です。

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ご覧の通り、極端にシンプルな絵です。クレーが没する1940年の前年、1939年に描かれた《泣いている》です。今日のsaraiの心情にあまりに寄り添ってくれる作品です。クレー自身は最後の創作意欲を高めて、こういう名作を量産しました。亡命先のスイスで体調もすぐれない中、生命の最後の炎を燃やした作品群の中の名作で、心に迫るものがあります。パウル・クレー・センターは1939年を中心とした優れた天使シリーズの世界最上のコレクションを誇ることで知られています。クレー好きにはたまらない魅力があります。そういうことを言っていると、クレー好きを自任する配偶者から、あなたはいつからクレー好きになったのって、揶揄されます。だって、こういう素晴らしい作品を描いたクレーを好きでないわけはないでしょう。

そうそう、ベルンからルツェルンに帰る電車の車窓から、また、アルプスの雪をかぶった連峰を見ることができました。快晴ですからね。もちろん、その中心には、アイガー、メンヒ、ユングフラウの3山も望むことができました。



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バルトリとクルレンツィス、世紀の共演@ルツェルン音楽祭 2019.9.13

チェチーリア・バルトリとクルレンツィスの初共演とのことです。歴史に残る公演に立ち会えただけでも嬉しく思いますが、その演奏たるや、驚異的なものでした。不世出の希代のメゾ・ソプラノのバルトリは常に驚異的な超絶技巧の歌唱を聴かせてくれるので、とりたて、今日の歌唱だけを讃えるものではありません。一方、クルレンツィスの天才はいつも別次元の音楽を聴かせてくれます。その二人が共演するとどうなるか・・・結果は最高のものでした。互いがリスペクトし合いつつも、己の音楽を貫きとおし、天才同士ならではの未曽有の音楽を作り出しました。先に演奏したのはクルレンツィス。壮麗かつ精度の高い音楽を展開します。冒頭のキリエは初めて聴く音楽のような新鮮さと活力に満ちて、新たなモーツァルト像を提供してくれます。続くカンタータ 「悔悟するダヴィデ」でも、深い音楽性に満ちた合唱で始まります。そこへ初共演のバルトリが加わります。最初は彼女がクルレンツィスに息を合わせます。しかし、彼らの音楽性は基本的に同じ基盤に立っているような気がします。基本的に静謐な弱音をもとに音楽を組み立てて、ここぞというところで一気に音楽を爆発させます。ですから、無理のない形でお互いを意識し過ぎずに個性的な音楽をそれぞれ展開していきます。そもそも、天才指揮者クルレンツィスは共演相手が勝手気ままに演奏してもぴたっとオーケストラをつけていくことは、コパチンスカヤのヴァイオリンでも実感しています。ましてや、百戦錬磨のバルトリは個性的なアジリタを展開しつつもアンサンブルはしっかりと合わせていきます。曲が変わるたびに次第に自在な音楽が響き合い、強烈な個性を帯びた最高級の音楽が展開されていきます。クルレンツィスはいつか、後ろに下がり、アンサンブルの基盤をささえ、バルトリが思いっきり、歌唱していくという構図が出来上がっていきます。バルトリがメゾの曲だけでなく、ソプラノの曲も楽々と歌い込んで、しかも並みのソプラノ歌手では真似のできない骨太の歌唱を展開していく様に驚嘆するのみです。ドンナ・エルヴィーラのアリアをこんな風に歌った歌手はいまだかって知りません。フルトヴェングラーのもとでドンナ・エルヴィーラを歌ったシュヴァルツコップを凄いと思っていましたが、バルトリは別次元の歌唱。コロラトゥーラならぬアジリタの歌唱が素晴らしいです。圧巻だったのは最後のコンサートアリア。こんなにアジリタが炸裂する歌唱は初めて聴きました。凄い!! そして、感動はまだありました。アンコールの「エクスルターテ・ユビラーテ」の《アレルヤ》はやりたい放題のアジリタ尽くし。バルトリ・ワールドを満喫しました。バルトリ抜きの曲目でのクルレンツィスはどれも音楽的な精度を磨き抜いたモーツァルトを聴かせてくれました。明日以降のモーツァルトの予告編ですね。まったく、クルレンツィスはモーツァルト像を新たに書き換えてくれました。恐るべし、クルレンツィス。そして、素晴らしきかな、バルトリ。

今日のプログラムとキャストは以下です。

ムジカエテルナ(ピリオド楽器オーケストラと合唱団)
テオドール・クルレンツィス(指揮)
チェチーリア・バルトリ(メゾ・ソプラノ)
ミンジェ・レイ(テノール〉

オール・モーツアルト作品

キリエ ニ短調Kyrie in D minor, K. 341 (386a)
カンタータ 「悔悟するダヴィデ」より Excerpts from the cantata Davide penitente, K. 469
 第1曲 合唱とソプラノ「私は弱々しい声で主を呼びました」 Andante moderato ハ短調 Coro : Alzai le flebili voci
 第2曲 合唱「神の栄光を歌おう」 Allegro vivace ハ長調 Coro : Cantiam le glorie
 第3曲 アリア(ソプラノ)「不毛の悩みは遠ざかり」 Allegro aperto ヘ長調 Aria Soprano II : Lungi le cure ingrate

歌劇『皇帝ティートの慈悲』より、
 第1幕第4曲 行進曲March from La Clemenza di Tito, K. 621
 第1幕第5曲 合唱「保ちたまえ」Serbate, oh Dei custodi from La Clemenza di Tito, K. 621 (Chorus)
 第2幕第19曲 ロンド「この今のときだけでも」(セストのアリア)Deh per questo istante solo from La Clemenza di Tito, K. 621 (Sesto’s aria)
 序曲Overture to La Clemenza di Tito, K. 621
 第1幕第9曲 アリア「私は行く」(セストのアリア)Parto, parto, ma tu ben mio from La Clemenza di Tito, K. 621 (Sesto’s aria)

  《休憩》

歌劇『ドン・ジョヴァンニ』より、
 序曲Overture to Don Giovanni, K. 527
 第21b曲 ドンナ・エルヴィーラのレシタティーヴォとアリア「あの恩知らずの人は私を裏切った」In quali ecessi, o numi … Mi tradi aus Don Giovanni, K. 527 (Donna Elvira’s aria)

歌劇『コジ・ファン・トゥッテ』より、
 序曲Overture to Così fan tutte, K. 588
 第2幕第29曲「もうすぐ腕に抱かれ」(フィオルディリージとフェランドの二重唱)Fra gli amplessi in pochi istanti from Così fan tutte, K. 588 (duet for Fiordiligi and Ferrando)

フリーメイソンのための葬送音楽Masonic Funeral Music in C minor, K. 477 (479a)
劇唱「どうしてあなたを忘れられようか」とロンド「恐れないで、愛する人よ」Concert aria Ch’io mi scordi di te … Non temer, amato bene, K. 505

  《アンコール》

モテット「エクスルターテ・ユビラーテ」 K.165 (158a).より、第3楽章 アレグロ ヘ長調 《アレルヤ》


さて、今日の予習は以下の演奏を聴きました。

キリエ ニ短調 K. 341 (386a)
 モンテヴェルディ合唱団、イングリッシュ・バロック・ソロイスツ、指揮:ジョン・エリオット・ガーディナー 1986年11月30日、ロンドン、セント・ジョンズ教会

カンタータ 「悔悟するダヴィデ」より K. 469 第8曲 不毛の悩みは遠ざかり
 チェチーリア・バルトリ、ウィーン室内管弦楽団、ジョルジー・フィッシャー(指揮) 1993年3-4月、モーツァルトザール、コンツェルトハウス、ウィーン

歌劇『皇帝ティートの慈悲』より、
 第1幕第4曲 行進曲
 第1幕第5曲 合唱「保ちたまえ」
 第2幕第19曲 ロンド「この今のときだけでも」(セストのアリア)
 序曲
 第1幕第9曲 アリア「私は行く」(セストのアリア)

 セストのアリア2曲
  チェチーリア・バルトリ、ウィーン室内管弦楽団、ジョルジー・フィッシャー(指揮) 1990年、モーツァルトザール、コンツェルトハウス、ウィーン

 その他のオーケストラ曲、合唱曲
  RIAS室内合唱団、フライブルク・バロック・オーケストラ、ルネ・ヤーコプス(指揮) 2005年 セッション録音

歌劇『ドン・ジョヴァンニ』より、
 序曲
 第21b曲「あの恩知らずの人は私を裏切った」

  バルトリの録音が見つからなかったためにパス。

歌劇『コジ・ファン・トゥッテ』より、
 序曲
 第2幕「もうすぐ腕に抱かれ」(フィオルディリージとフェランドの二重唱)

  バルトリの録音が見つからなかったためにパス。

フリーメイソンのための葬送音楽 K. 477 (479a)
 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団、ラファエル・クーベリック(指揮) オットー・クレンペラー追悼コンサート 1974年1月14日 ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ロンドン ライヴ録音
 
劇唱「どうしてあなたを忘れられようか」とロンド「恐れないで、愛する人よ」 K. 505
 チェチーリア・バルトリ、アンドラーシュ・シフ、ウィーン室内管弦楽団、ジョルジー・フィッシャー(指揮) 1990年、モーツァルトザール、コンツェルトハウス、ウィーン

(以下の内容は既に書いたものです。今回も自分の文章をパクりました。ごめんなさい。)
以上のようにバルトリの歌唱を中心に聴きましたが、おそらく、真ん中の休憩前、前半の最後に歌われるセストのアリア「私は行く」はクラリネットと絡んでの絶唱です。バルトリならではのアジリタも素晴らしく、この1曲を聴くだけでも、このコンサートを聴く甲斐があると思いました。それに今回はクルレンツィスとの初めての共演という期待もあります。後半の最後のコンサートアリアK.505も素晴らしい歌唱。アンドラーシュ・シフのベーゼンドルファーの美しいピアノの響きも素晴らしいです。今回のリサイタルでは、モダン・ピアノではなく、フォルテピアノの演奏になるんでしょうね。saraiとしては、誰か有名ピアニストがサプライズ登場して(バルトリつながりではシフ、クルレンツィスつながりではメルニコフ)、モダン・ピアノで演奏してくれたほうが嬉しいのですが・・・。
カンタータ 「悔悟するダヴィデ」 K. 469については、第8曲 不毛の悩みは遠ざかり だけがバルトリの歌唱で録音されていました。若い頃のバルトリは今以上の澄み切った美声で、とてもバルトリとは分からないような歌唱でびっくりです。セストのもう一つのアリアもアジリタがないせいか、すっきりと美しい歌唱です。ほぼ30年前の歌唱ですからね。

バルトリが歌わないクルレンツィス&ムジカエテルナの演奏は、既に聴き終えた歌劇『ドン・ジョヴァンニ』と歌劇『コジ・ファン・トゥッテ』以外はクルレンツィス&ムジカエテルナの録音が見当たりません。で、なるべく、ピリオド奏法の録音を聴きます。キリエK.341はガーディナー他のものを聴きましたが、荘重な演奏です。クルレンツィスはもっと軽快な演奏になるのかな。歌劇『皇帝ティートの慈悲』は名匠ルネ・ヤーコプスの演奏。断片的に聴いたわけですが、素晴らしい演奏です。傾向的にはクルレンツィスと似た傾向の演奏と受け止めました。フリーメイソンのための葬送音楽は名指揮者の追悼によく演奏されるんですね。フルトヴェングラーの葬儀の際はヨッフム指揮のベルリン・フィル、カール・ベームの追悼コンサートではヨッフム指揮のウィーン・フィル、そして、今回聴いたのはオットー・クレンペラーの追悼コンサートをクーベリックが指揮したものです。いずれも巨匠ゆかりのオーケストラが他の巨匠に指揮されるという類似点があります。この曲はそういう位置づけの曲なのですね。クーベリックの指揮は見事です。あまり、彼のモーツァルトは評価されていないようですが、とても素晴らしいです。そう言えば、クーベリックはクララ・ハスキルとの幻に終わったモーツァルトのピアノ協奏曲全集というのがありました。二人は熱望していましたが、クーベリックがデッカ所属、ハスキルがフィリップス所属という壁に阻まれて、実現しませんでした。それどころか、彼らのモーツァルトの共演はまったく録音として残されていません。全集が実現していれば、音楽史上、輝くべき成果になったことは間違いありません。結局、彼らの共演はシューマンとショパンの協奏曲だけが残されています。もちろん、素晴らしい演奏です。ともかく、クーベリックのモーツァルトはいいです。



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       クルレンツィス,  

ルツェルン市内散策・・・ワグナー博物館、ローゼンガルト・コレクション

ルツェルンの4日目。今日も朝から雲がどんよりと立ち込めています。雨にはなりそうにはありませんが、リギ山もピラトゥス山もまったく見えません。朝、駅前で待ち合わせた友人と相談して、リギ山に上るのは断念。代案のワグナー博物館とローゼンガルト・コレクションを中心に軽く町歩きをすることにします。まずは教会巡り。ロイス川を渡った先にあるホーフ教会、そして、ロイス河畔のイエズス教会のお隣のフランシスコ教会を訪れます。いずれも豪華な内装の教会でした。
続いて、ローゼンガルト・コレクション。この美術館は当たりでした。ピカソとクレーの膨大なコレクションが展示されています。とりわけ、パウル・クレーのコレクションが素晴らしいです。配偶者に言わせると、すべてのクレーが素晴らしかったとのことですが、saraiはとりわけ、5点ほどの素晴らしい作品が心に残りました。是非、このコレクションの素晴らしさをブログでお伝えしようと思い、ローゼンガルト・コレクションのほとんどの作品が収められている分厚くて重い画集を購入しました。写真撮影は不可だったんです。配偶者は不承不承、重い荷物を購入することに同意してくれました。
最後はワグナー博物館。駅前からバスで移動。フィーアヴァルトシュテッテ湖(ルツェルン湖)のほとりのトリプシェンの丘の上にその建物は佇んでいます。

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ワグナーはこの地で1866年から1872年まで愛妻コジマと過ごしました(正確にはここに住んでいるときに正式に結婚)。楽劇《ニュルンベルクのマイスタージンガー》もここで書かれました。そして、この建物内の階段でジークフリート牧歌が演奏されたのは有名な話ですね。これがその階段。ロマンティックな思いにかられます。

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この博物館で時間を過ごすうちに雲が晴れてきて、あのリギ山もピラトゥス山も顔を出します。山の天気はそうしたものですね。湖畔から見たリギ山です。

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湖と山の美しい風景に包まれた贅沢なところにワグナーは暮らしていました。湖畔から見上げたワグナーが暮らした家(今は博物館)です。

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ワグナーはこの地からバイロイトに居を移して、約10年後に亡くなります。ルツェルンのこの家では長男のジークフリートも生まれました。

これで今日のお昼の散策は終了。思った以上に実のあるものになりました。夜はまた、クルレンツィスのモーツァルトのオペラ《ドン・ジョヴァンニ》です。



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クルレンツィスが目指す道 モーツァルトのオペラ《ドン・ジョヴァンニ》@ルツェルン音楽祭 2019.9.14

ウィーンのコンツェルトハウスで物凄い演奏を聴いたばかりのオペラ《ドン・ジョヴァンニ》ですが、無論、クルレンツィスはさらに完成度を高めた演奏を聴かせてくれました。

クルレンツィスは意外にも、オーケストラ以上に歌手の歌唱に気を配っています。ウィーンでの演奏を踏まえて、歌手の歌唱のレベルの等質化を図ったように感じます。男声陣では、ドン・ジョヴァンニ、レポレッロ、マゼットという3人のバリトンが渋みを増した張りのある歌唱にレベルアップ。一昨日聴いた《フィガロの結婚》でのバリトン歌手たちのレベルの高い歌唱と並ぶものです。女性陣では素晴らしかったドンナ・アンナ役のナデージダ・パヴロヴァがさらに際立った歌唱を聴かせてくれます。また、ドンナ・エルヴィーラがウィーンとは見違えるような素晴らしい歌唱。とっても重要な役どころですから、クルレンツィスが磨きをかけたに相違ありません。さらにツェルリーナ役のクリスティーナ・ガンシュが本来の実力を発揮して、透明で美しい響きの歌唱を聴かせてくれます。ウィーンでの歌唱を上回るものです。結局、ソプラノ3人、バリトン3人の素晴らしい歌唱でウィーン以上に完成度の高い演奏になりました。テノールのケネス・ターヴァーはウィーンと同様の素晴らしい歌唱です。
オーケストラもさらに鮮鋭さを増した究極の響き。序曲冒頭のシリアスで劇的な響きは驚異的。途中で切り換わる軽快に疾走する表現も戦慄を覚えるほどです。

一体、クルレンツィスはどれほどの高みの演奏を目指しているんだろうと驚きを禁じ得ません。クルレンツィス以前はモーツァルトのオペラと言えば、ちょっと言い過ぎかもしれませんが、軽妙で気楽に聴く音楽の代表のようなものであったように思います。しかし、クルレンツィスはその価値の転換を図り、精妙で深さのある音楽、ある意味、聴くものにとって、その中身を理解するのがとても難しい音楽に変質させてしまいました。今日の《ドン・ジョヴァンニ》だけのことを言っているのではなく、ダ・ポンテ3部作のすべて、あるいはモーツァルトのオペラすべてがそうです。そういうことを感じながら、それでも、まだ、クルレンツィスの天才はどこにあるのかをsaraiは考え続けています。

今日のキャストは以下です。(ウィーン・コンツェルトハウスと共通)

 モーツァルト:歌劇『ドン・ジョヴァンニ』 K.527 全曲

 ディミトリス・ティリアコス(バリトン/ドン・ジョヴァンニ)*
 ロバート・ロイド(バス/騎士長)
 ナデージダ・パヴロヴァ(ソプラノ/ドンナ・アンナ)
 ケネス・ターヴァー(テノール/ドン・オッターヴィオ)*
 フェデリカ・ロンバルディ(ソプラノ/ドンナ・エルヴィーラ)
 カイル・ケテルセン(バリトン/レポレッロ)
 ルーベン・ドローレ(バリトン/マゼット)
 クリスティーナ・ガンシュ(ソプラノ/ツェルリーナ)*
 ムジカエテルナ
 ムジカエテルナ合唱団
 テオドール・クルレンツィス(指揮)
 ニーナ・ヴォロビオヴァ(演出)
  *クルレンツィスのCDでも同一キャスト


第1幕ではドンナ・エルヴィーラ役のフェデリカ・ロンバルディの深い響きの歌唱が印象的でした。しかし、それ以上にムジカ・エテルナの響きの豊かさ(あらゆる意味で)が驚異的なレベルに達していました。ゾーンに入った演奏で、どこをとってみても文句のつけようがないどころか、どうしてこんな音楽表現ができるのか、saraiの理解をはるかに超えた超絶的な演奏です。終幕の7重唱は歌唱もオーケストラも最高の音楽に昇華しています。しかし、聴く側のsaraiも疲れる!!

第2幕では、ドン・ジョヴァンニのセレナードが素晴らしくてうっとり。そして、ドンナ・アンナを歌うナデージダ・パヴロヴァの歌唱がウィーンでの歌唱をさらに超えて、異次元のレベル。その澄んだ透明な声の響きの美しさ、そして、コロラトゥーラの超絶技巧の限りを尽くした歌唱は驚異的です。これからのモーツァルトのオペラは彼女の存在を抜きにしては語れないでしょう。大変なソプラノ歌手が出現したものです。これが聴けただけでもルツェルン音楽祭に足を運んだ甲斐がありました。こういう歌手を抜擢し、その歌唱と音楽表現を指導したクルレンツィスは音楽界のカリスマであるだけでなく、新時代の帝王にふさわしい逸材と言えるでしょう。

今日も終盤の地獄落ちで、クルレンツィス&ムジカエテルナの凄まじい音響と音楽が炸裂します。身震いを覚えるような迫力で、終幕。ウィーンと同様にウィーン版のエンディングです。やがて、カーテンコールで満場、スタンディングオベーション。と、クルレンツィスがプラハ版のエンディングの演奏を始めるかと思うと、さにあらず。騎士長役のロイドを指さすと、ロイドがウィーン版のエンディングでしたとコール。そうです。ここはウィーンではないので、ウィーン版の説明が必要とクルレンツィスが考えたのでしょう。で、プラハ版のエンディングの演奏が始まります。
やはり、プラハ版のエンディングは必要です。ドンナ・アンナを歌うナデージダ・パヴロヴァの美しい歌唱が再び聴けるからです。あらゆる意味で、満足しました。

予習したCDはもちろん、クルレンツィス。キャストは以下です。

 ディミトリス・ティリアコス(バリトン/ドン・ジョヴァンニ)
 ヴィート・プリアンテ(バリトン/レポレッロ)
 ミカ・カレス(バス/騎士長)
 ミルト・パパタナシュ(ソプラノ/ドンナ・アンナ)
 ケネス・ターヴァー(テノール/ドン・オッターヴィオ)
 カリーナ・ゴーヴァン(ソプラノ/ドンナ・エルヴィーラ)
 グイード・ロコンソロ(バリトン/マゼット)
 クリスティーナ・ガンシュ(ソプラノ/ツェルリーナ)
 ムジカエテルナ
 テオドール・クルレンツィス(指揮)

 録音時期:2015年11月23日~12月7日
 録音場所:ペルミ国立チャイコフスキー・オペラ&バレエ劇場
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

(以下の内容は既に書いたものです。自分の文章を2度もパクりました。ごめんなさい。)
クルレンツィス&ムジカエテルナのモーツァルトのオペラ、ダ・ポンテ3部作の第1弾の《フィガロの結婚》の録音は2012年9月でしたから、3部作の締めくくりになる、この《ドン・ジョヴァンニ》はその3年後ということになります。この3年の間のクルレンツィス&ムジカエテルナの躍進ぶりがこの録音に現れています。きびきびした序曲の開始は同じですが、その演奏精度の向上がはっきりと分ります。妙にデモーニッシュになり過ぎず、その明快ですっきりした演奏に魅惑されます。序曲が終わり、ドン・ジョヴァンニとレポレッロが登場しますが、その明暗がくっきりとした上質とも思える演奏に驚愕します。モーツァルトでこんな演奏が可能なんですね。ドン・ジョヴァンニは終始、ソット・ヴォーチェを駆使して、その色男ぶりを強調します。ドンナ・アンナとドン・オッターヴィオの美男美女を思わせる美声コンビの歌唱も見事。《フィガロの結婚》では若干、違和感を感じたフォルテピアノもこのオペラでは実に有効に機能します。そう言えば、一昨年のザルツブルク音楽祭で聴いた《皇帝ティトの慈悲》でもフォルテピアノが見事でした。記憶が蘇ってきます。こんなに繊細さを極めたような《ドン・ジョヴァンニ》は初めて聴きます。実に新鮮で、かつ、このオペラの本質を突いているように感じます。第1幕のフィナーレの7重唱を聴いていると、saraiの頭が混乱してきます。えっ、こんな曲だったっけ? 何という発想の演奏でしょう。複雑かつ究極の精度の恐るべき演奏です。結局、この高い精度を保って、第2幕も素晴らしい演奏が続きました。これまで聴いてきた《ドン・ジョヴァンニ》とは、一線を画す演奏です。というよりも、モーツァルトのオペラで、こういう演奏が可能だったとは予想だにできなかった演奏です。一昨年のザルツブルク音楽祭での《皇帝ティトの慈悲》でsaraiの音楽の価値観がひっくり返された意味がじわっと分かってきたような気がします。やはり、これまでの音楽演奏とは、まったく次元の異なる演奏です。やはり、クルレンツィスの音楽の原点はモーツァルトのオペラにこそ、ありそうです。



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       クルレンツィス,  

クルレンツィスは最高の演奏で閉幕 バルトリはデスピーナでもアジリタ全開 モーツァルトのオペラ《コジ・ファン・トゥッテ》@ルツェルン音楽祭 2019.9.15

ルツェルン音楽祭を通して、今日の《コジ・ファン・トゥッテ》が最高の演奏でした。モーツァルトのオペラの最高峰にふさわしい驚異的なレベルの演奏です。何と言っても、3人の女声歌手が究極の歌唱を聴かせてくれました。まずはフィオルディリージ役を歌うナデージダ・パヴロヴァが今日も会心の歌唱。彼女の透き通った潤いのある声を聴いているだけで幸せです。ウィーン、ルツェルンで計4回聴きましたが、今や、現役のソプラノでは一番のお気に入りです。モーツァルトのオペラしか聴いていませんが、評判の高いタチアーナも素晴らしい歌唱なんでしょう。彼女は抒情的な歌唱も見事ですが、力のある声の響きも持ち、超絶的なコロラトゥーラも聴かせてくれます。ルチアの狂乱の場なんかも聴きたいところです。ともかく、今回のヨーロッパ遠征でこの素晴らしいソプラノと出会えたのは望外の喜びです。唯一の問題は彼女の名前が舌を噛みそうな覚えにくさ。
バルトリのデスピーナ! 彼女が今後歌う機会があるのでしょうか。バルトリはデスピーナを歌っても自然にアジリタします。彼女でないと歌えないデスピーナ。こんなスーパーキャストで聴けるのもルツェルン音楽祭ならではです。しかも、デスピーナ役にバルトリ以上の適任はないと断じられるような素晴らしい歌唱でした。
ドラベッラ役のポーラ・マリヒーはウィーンでの歌唱もよかったのですが、今日の歌唱は絶好調。安定した中音域から澄み切った高音域までむらのない響きの歌唱で、特にナデージダ・パヴロヴァとの2重唱の美しいこと。恐れ入りました。
女声の3人は絶対的なレベルの歌唱で、今後、これ以上のキャストでの《コジ・ファン・トゥッテ》は登場しないのではないかと思わせるような完璧の演奏でした。
男声3人も素晴らしい歌唱でしたが、女声のあまりの素晴らしさに比すものではありません。
クルレンツィス指揮のムジカエテルナの音楽的な精度の高さはこの4日間を通じてのものですが、聴けば聴くほど、その演奏の細かいところまで磨き抜かれたところに絶句するだけです。それにモーツァルトの音楽に対してのリスペクトと愛情の強さも尋常ではなく、実に丁寧で誠実な演奏です。歌手に合わせて、オーケストラの響きを変えていたのは、モーツァルトの楽譜に書かれていることなのか、どうかはsaraiはよく知りませんが、こんな演奏を今まで聴いたことがないのは確かです。ピチカートとかチェロを床に叩きつけるとか、足を踏み鳴らすとか、普通のオーケストラではやらないことを多用しており、それが演奏効果として、有効に機能していました。

演奏の個々に触れる必要はないでしょう。すべてが素晴らしかったんですからね。それでも、いくつかは触れておきましょう。第2幕のフィオルディリージの長大なアリアにはとりわけ、魅了されました。第2幕の2組の仮のカップルのラヴソングは最高。特にフィオルディリージとフェランドのかりそめの恋愛が真実の恋愛に成就する(saraiはそう解釈しています)ところはモーツァルトの音楽が素晴らしいのですが、それをきちんと演奏で実現しているのは素晴らしく、うっとりを通り越して、魅了され尽くしました。第1幕、第2幕の終幕の5重唱、6重唱のオーケストラと一体化した凄まじい高揚感はあきれるばかりです。短いパウゼを置いた急速なテンポの変化も素晴らしかったです。そうそう、序曲もそうでしたが、アップテンポのオーケストラの疾走感は素晴らしいです。特に古楽器を使っている管楽器がその急速なテンポで見事な演奏を聴かせてくれたのが印象に残りました。オーボエ、フルートをはじめとした名人たちの演奏に魅惑されました。レシタティーボで伴奏パートを務めた通奏低音、特にフォルテピアノのマリア・シャバショワは美貌だけでなく、素晴らしい演奏を聴かせてくれました。

キャストは以下です。(デスピーナ役がチェチーリア・バルトリに変わった以外はウィーン・コンツェルトハウスと共通)

 モーツァルト:歌劇『コジ・ファン・トゥッテ』 K.588 全曲


 ナデージダ・パヴロヴァ(フィオルディリージ)
 ポーラ・マリヒー(ドラベッラ)
 コンスタンティン・スチコフ(グリエルモ)
 ミンジェ・レイ(フェランド)
 チェチーリア・バルトリ(デスピーナ)
 コンスタンティン・ヴォルフ(ドン・アルフォンソ)*
 ムジカエテルナ
 ムジカエテルナ合唱団
 テオドール・クルレンツィス(指揮)
 ニーナ・ヴォロビオヴァ(演出)
  *クルレンツィスのCDでも同一キャスト


今回のダ・ポンテ3部作を総括すると、モーツァルトのオペラはその真の姿を現すために、240年ほどの時を経て、天才クルレンツィスの登場を待っていたということになるでしょうか。saraiはその歴史的な場面に立ち会わせてもらいました。そして、モーツァルトの天才の真の意味を知ることになりました。2人の天才にダブルで感謝することになったルツェルン音楽祭でした。1954年8月22日、あの素晴らしいフルトヴェングラー指揮フィルハーモニア管弦楽団のベートーヴェンの交響曲第9番が演奏されて以来の画期的なコンサートと言えるでしょう。(アバドのファンの方、ごめんなさい)

予習したCDはもちろん、クルレンツィス。キャストは以下です。

 ジモーネ・ケルメス(フィオルディリージ)
 マレーナ・エルンマン(フィオルディリージ)
 クリストファー・マルトマン(グリエルモ)
 ケネス・ターヴァー(フェランド)
 アンナ・カシヤン(デスピーナ)
 コンスタンティン・ヴォルフ(ドン・アルフォンソ)
 ムジカエテルナ(ピリオド楽器オーケストラと合唱団)
 テオドール・クルレンツィス(指揮)

 録音時期:2013年1月9-13日
 録音場所:ロシア、ペルミ、チャイコフスキー記念国立オペラ&バレエ劇場
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)


(以下の内容は既に書いたものです。今回も自分の文章をパクりました。ごめんなさい。)
クルレンツィス&ムジカエテルナのモーツァルトのオペラ、ダ・ポンテ3部作の第1弾の《フィガロの結婚》の2012年9月の録音の直後に、この《コジ・ファン・トゥッテ》は録音されました。クルレンツィスらしい隅々まで徹底したこだわりの演奏です。スタイルは《フィガロの結婚》とほぼ同じですが、ソット・ヴォーチェを駆使して、音楽の精度はさらに向上しています。この後に続く《ドン・ジョヴァンニ》と同じレベルの素晴らしさです。ただ、演奏は美しいのですが、若干、上滑り気味でこのオペラの持つ真の深みが感じられないのが残念です。これから先は実演に期待しましょう。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       クルレンツィス,  

ルツェルンでの休日

ルツェルンの5日目。今日は快晴ですが、昨夜、ブログ執筆と国内のチケットのネット購入のために就寝は深夜になりました。また、ルツェルン音楽祭は今日閉幕ですが、日曜のせいか、夕方4時からに公演です。こちらは日曜は安息日。スーパーなどのお店も軒並み休業。郷に入れば郷に従えで、saraiもなにもしない休日にしましょう。お昼ごろにふらっとロイス川の河畔に出て、すこしぶらぶら。
堰を抜けた川の水は白濁して、勢いに満ちています。

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営業していたカフェのテラス席で朝昼兼用のご飯をいただきます。一応、ブレックファストです。saraiは野菜入りのオムレツ。配偶者はパンケーキ(チョコかけ)。チャイ・ラッテなるドリンクもいただきます。

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とても充実した朝食。満足して、ホテルに戻り、1時間ほどの午睡をして、最後のルツェルン音楽祭に出かけます。感動のモーツァルトでした。

明日は5日間滞在したルツェルンを離れ、アルプスをハイキングした後、ゴールデンパスラインに乗って、最愛のピアニストのクララ・ハスキルが人生の最後の住まいにしたレマン湖のほとりのヴヴェイの町を訪れます。とても大変な日程です。早朝から起きて、夜まで行動します。山の天気が良くて、アイガー、メンヒ、ユングフラウの3山が間近に見えればよいのですが・・・。



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テーマ : ヨーロッパ
ジャンル : 海外情報

 

アルプスの大パノラマ、そして、レマン湖のほとり、クララ・ハスキルの住んだ家へ

ルツェルンの6日目。今日は超早起きして、大観光に出かけます。アルプスのハイキングとスイスの鉄道の華の一つ、ゴールデン・パスラインの2本立て。それに一番、大事な最愛のピアニストが晩年まで暮らしたヴヴェイ訪問もあります。実に盛沢山。

朝6時の電車でルツェルンからインターラーケンに向かいます。ゴールデン・パスラインの1区間でもあり、パノラマ列車ですが、生憎、外は真っ暗。途中で夜が白み始めます。そうこうするうちにブリエンツ湖が見えてきます。すぐにインターラーケン・オストに到着。今日がここが最大の難関。10分の乗り換え時間で大きなスーツケースをコインロッカーに預けないといけません。そのためにコインはしっかりとため込みました。大きなロッカーは7フラン。5フランと2フランが必要です。念の為にこの7フランのセットを二組用意して、コインロッカーに急行。駅舎のホーム側にあります。やはり、大きなロッカーでも2つのスーツケースは入らず、二つのロッカーを利用することになります。今度はラウターブルンネン行の電車に向かいます。セーバーデイパスのファーストクラスを買ってあるので、楽観していたら、意外にファーストクラスも混んでいます。ともかくラウターブルンネンに行き、4分でミューレンに向かうロープウェイに乗り換えますが、実は電車が早く着き、余裕で乗り換え。グリュッチアルプに到着後、BLM鉄道に乗り換えてミューレンへ。この頃には既に快晴の下、アイガー北壁、メンヒ、ユングフラウはくっきりと視界に収まっています。ミューレン村をちょっと散策して、また、BLM鉄道で戻りますが、友人のアドバイスで途中駅で下車し、15分後に来る後続電車を待つ間、アイガー、メンヒ、ユングフラウの3山の絶景を楽しみます。ラウターブルンネンからはヴェンゲンまで登山電車に乗り、そこから、メンリッヒェン行のロープウェイに乗ります。あらかじめ予約してあった、ゴンドラの展望席(ゴンドラの屋上)からの360度の景色を楽しみます。これは絶対にお勧めです。メンリッヒェンの駅に到着後、メンリッヒェンの山頂に向かいます。既に3山はくっきりと見えており、一昨年の何も見えなかったときのリベンジを果たせます。山頂に上るのは大変で休み休み上ります。その苦労は報われて、素晴らしいパノラマが楽しめます。これが3山の眺め。左から、アイガー、メンヒ、ユングフラウです。

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しばらく山頂で楽しみ過ぎたため、予定時間をオーバー。急いでクライネシャイデックへのハイキングを敢行しましょう。まさに絶景のハイキングになりました。温度も上昇し、脱げるものはすべて脱ぎ、Tシャツ1枚でガンガン歩きます。アイガー北壁は常に見え、メンヒもほぼ見えています。ユングフラウは時折、山影に隠れますが、ここぞというときには美しい姿を見せます。同時にユングフラウヨッホの姿もくっきりと見えています。真夏ほど、花は咲いていませんが、草原の美しさも最高。放牧されている牛のカウベルの音もずっと聞こえています。素晴らしいハイキングを終えて、クライネシャイデックに着く頃には、3山の山頂は少し雲に巻かれていますが、それまでに十分過ぎるほどに見たので構いませんよ。

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クライネシャイデックには予定の電車の出発時刻の30分前に着いたので、グリンデルワルトまでのチケットを購入し(この区間はセーバーデイパスの有効区間に含まれていません)、レストランで特急でランチをいただきます。グリンデルワルトを経由し、インターラーケン・オストに戻り、コインロッカーから荷物を出して、いよいよ、ゴールデン・パスラインの鉄道旅の開始です。美しい山間の風景を楽しみながら、乗換駅のツヴァイジンメンへ。ここからはMOBご自慢のクラシック車両に乗り込みます。まるでオリエントエキスプレスの雰囲気です。となれば、祝杯も挙げたくなります。豪華にシャンパンとそのおつまみセット(チーズ、生ハム、燻製の肉など)を頼み、にわかの祝宴です。したたか飲んだせいで、途中からはぐっすりと寝込み、レマン湖が見えてきたところで配偶者に起こされます。美しい景色が広がっています。すぐにモントルーに到着。さっと、ジュネーヴ行の電車に乗り換えて、たった7分でヴヴェイに到着。ホテルに荷物を置き、PCにヘッドフォンをつなぎ、クララ・ハスキルが亡くなる直前にこのヴヴェイでセッション録音したベートーヴェンのピアノ・ソナタを聴きながら、レマン湖畔を歩いて、クララ・ハスキルが晩年を過ごしたアパートメントに向かいます。すぐに建物は見つかります。通りの名前はクララ・ハスキル通り、バス停もクララ・ハスキルです。建物の壁にはクララ・ハスキルの記念の銘板がふたつ飾られています。

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ハスキルのベートーヴェンは演奏はもちろん、音質も素晴らしいものです。故吉田秀和氏がハスキルはシューマンはよいが、ベートーヴェンは女性だから力強さに欠けると書いていましたが、彼は一体何を聴いていたのかと不思議になります。まあ、好みの問題かもしれませんが、saraiのような素人と違って、評論家は影響力がありますから、よくよく聴き込んだうえでの意見を発してもらいたいものです。そう言えば、彼はハスキルのモーツァルトはあまり聴き込んでいないようでした。PHILIPSの正規録音しか聴いていないようでした。そのレベルでの迂闊な発言だったと受け止めています。ともかく、力強さはもとより、深い音楽性の演奏でした。それを聴いていて、最近、誰か、似たような演奏をしていた記憶が戻ります。ああ、そうです。河村尚子のベートーヴェン。彼女はクララ・ハスキル・ピアノ・コンクールで優勝していますね。もしかして、ハスキルの演奏も聴いたのかしらね。そんなことをつらつら思いつつ、夕暮れの美しいレマン湖畔を散策しました。この風景はクララ・ハスキルも見た風景ですね。

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明日はローザンヌを経由して、スイスを後にして、フランスのリヨンに入ります。長いフランスの旅の開始です。



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テーマ : ヨーロッパ
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       ハスキル,  

リヨンの人気ブションで美味しい夕食

最愛のピアニスト、クララ・ハスキルが晩年まで暮らしたヴヴェイを発って、ローザンヌへ。駅構内のツーリスト・インフォメーションで町歩きの地図をもらって、メトロに乗ります。しかし、そのメトロ乗り場が見つからなくて、右往左往。結局、駅と通りを隔てた向かいにあることが分かり、チケットを自動販売機で購入して、乗車。運転間隔が短くて便利です。まずは大聖堂(カテドラル)に向かいます。最寄りのメトロ駅から石段を上っていくと、その姿を現します。素晴らしく複雑で美しい姿のノートルダム大聖堂です。

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内部も大きなバラ窓を始めとしたステンドグラスが見事です。大きなパイプオルガンがありますが、よく見るととても新しいものです。2003年にできた5代目のパイプオルガンだそうです。鐘楼に上ると美しい景色が眺められるようですが、昨日、アルプスのハイキングで相当に疲れており、ここは自重します。
大聖堂から下って、中世の趣きを残す旧市街を散策。最後は眺めのモンブノン公園へ。レマン湖が眼下に見渡せます。さて、次はそのレマン湖畔に行きましょう。公園から抜け出すことができず、うろうろしていると、上品なマダムが英語を思い出しつつ、アドバイスしてくれます。その通りに歩いていくと、途中で分からなくなり、困っていると、配偶者からスマホのマップアプリを見ればいいじゃないというナイスアドバイス。スマホを見ると、何とローザンヌ駅のすぐ近くでした。また、メトロに乗り、レマン湖畔へ移動。もう、あまり時間もなく、疲れていたので、手近な湖畔の公園で一休みして、湖の眺めを満喫。一羽の白鳥が優雅な姿を見せていました。

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ローザンヌ駅にとってかえし、ジュネーヴに移動。ジュネーヴからはフランス国鉄のTERでリヨンまで2時間弱の鉄道旅。前回のリヨンでは原因不明の高熱でうなされた苦い記憶があります。今回は大丈夫。リヨン駅から旧市街のホテルまではメトロを乗り継いでの移動。夕刻のラッシュに巻き込まれ、大きなスーツケースを持って、満員電車に乗ります。乗換駅でちょっと迷っていたら、今度はリヨンのマダムがアドバイスしてくれて、正しいホームに行き着けることができました。ホテルにチェックインすると、予約していたブションの時間が迫っています。少し休息しただけで、10分ほど歩いて予約していたブション、ダニエル・エ・デニーズへ。お店はすぐに見つかり、入店すると、何とsaraiたちが今夜の一番乗りのようです。予約確認の上、テーブルに案内されます。お店はブションらしく簡素な作りです。まずはブションのお作法通り、アペリティフをお願いしますが、なぜかオーダーは通ったのにアペリティフは出てきませんでした。その代わり、お通しの美味しかったこと。カリカリに焼いたラスクのようなパンにクリームチーズを塗って食べますが、そのクリームチーズの美味しいこと、この上なし。オーダーはまず、ワイン。フランスですから、ブルゴーニュのシャブリをいただきます。もちろん、文句のない美味しさ。料理はメインだけ注文します。saraiは鴨が食べたかったので、訊いてみるとないとのこと。代わりに七面鳥をローストして、色んな食材のソースをかけたものを勧められます。それにしましょう。それに定番のカワカマスのクネルを注文。料理を待っている間、次々と客が入店。予約のない客は断られています。最後は予約客で全席が埋まります。相当の人気店ですね。料理がいよいよ運ばれてきます。皿の上に大きな丸いかたまりがあり、その上に濃いソースがかかっていて、見ただけでは何なのか、分かりません。お蔭でsaraiと配偶者の料理を最初は取り違えてしまいました。
これは七面鳥のロースト。

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これはカワカマスのクネル。

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どちらの料理も濃厚で深い味のソースで今まで味わったことのないもの。正直言って、美味しいとかなんとか、判断はつきかねますが、これがリヨン料理なのですね。二人とも完食しました。つきあわせのポテトとペンネももちろん、美味しかったのですが、量的に多く、少し残してしまいます。リヨン料理とワインを堪能し、満足し、ホテルに着くなり、ベッドに倒れ込みます。2時間ほど寝て、また、起き出して、この記事を書いています。フランスの旅は始まったばかりですが、上々の滑り出しです。

明日は午前中、リヨンの旧市街を散策し、その後、TGVに乗って、カルカッソンヌの城塞都市を訪れます。



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世界遺産のカルカソンヌの城塞都市ラ・シテ

リヨンの2日目です。前回はフラヴィエールのノートルダム大聖堂を訪れただけで、リヨンの町自体はほとんど見ていません。午前中、旧市街を散策します。と言っても、たまった疲れから、早起きできず、ホテルから町歩きに出発したのはほぼ10時。11時過ぎには駅にむかって出かけないといけないので、1時間強のミニ町歩き。まずはローヌ川を渡って、サン・ジャン大聖堂へ。とても大きなゴシック様式の教会です。バラ窓も綺麗です。さすがにリヨンを代表する教会。ここからサン・ポール教会まで古い雰囲気と活気のあるショップが絶妙のバランスを持つ町並みを歩きます。パリと似たような美しい町並みに魅了されます。どの街角も絵になります。気持ちよい散策もいつしかサン・ポール教会の尖塔が見えてきて終了。ここからはローヌ川を再び渡って、リヨン美術館のある一角に向かいます。だんだん、時間も残り少なくなってきます。リヨン美術館の前の大きな広場、テロー広場は改修工事中。リヨン美術館の壮麗な建物を見ながら、やはり、テロー広場に面する市庁舎の大きな美しい建物に向かいます。さらに市庁舎の横を抜けて、オペラ座の前に出れば、今日の散策は終了。急いでホテルに戻りましょう。メトロのC線を1区間乗ろうとしたら、今日は運休中。ならば、バスに適当に乗りましょう。ちょうどきたC13番のバスに飛び乗ると、次はメトロの駅。ここで降りればよかったのですが、もう一区間乗ろうと欲が出ます。あれあれ、バスはなかなか停まらずにソーヌ川を渡ってしまいます。次のバス停で降りて、戻ればいいでしょう。しかし、バスの行先を見ると、何とポール・ボキューズ市場の名前があります。リヨンに来て、これは見逃せませんね。えーい、行っちゃえ。バス停を降りると目の前がポール・ボキューズ市場のモダンな建物。朝からやっているのか心配ですが、扉を開けると、あらゆる食材のお店が整然と軒を並べています。さっと見て回ります。よだれが流れそうですが、時間もないので、見るだけで目を楽しませます。さあ、今度こそ急いでホテルに戻りましょう。逆方向のバスがなかなか来ないのでイライラ。タクシーも探しますが見当たりません。やがて来たバスに飛び乗り、ホテルに直行と言いたいところですが、最寄りのバス停からの道が途中分からなくなり、また、スマホの地図ソフトの厄介になります。ホテルに着いた時点でもう11時半。12時10分のTGVに乗るためにはタクシーに乗るしか選択肢はありません。ホテルのお姉さんにタクシーを呼んでもらうと、あと1分でホテルの前に来るわよっていうことです。メルシー! ホテルの前の一方通行の狭い道でタクシーを待ちますが、5分経っても来ません。配偶者からホテルのお姉さんをせっつくように言われます。その時、つかつかと寄ってきたおじさんがタクシーを待っているなら、ここへは来ないから表通りに出た方がいいよってアドバイスしてくれます。saraiはタクシーを呼んであるよって答えたら、そのおじさん曰く、俺がそのタクシーだよって・・・。うーん、絶句。お前の部屋は502だろうって畳みかけてきます。どうやら、道路事情でこの狭い道路にタクシーが周り込めなくて、表通りに停車してきたようです。配偶者の荷物をひっぱってくれて、そのタクシーに向かいます。無事にリヨン・パール・デュー駅に到着。たっぷり、チップをはずんでタクシーを降ります。お昼用のパンとコーヒーをスタバで購入して、TGVに飛び乗ります。5分以上も余裕があり、sarai的には結局、何も問題なし。
TGVは次の訪問地カルカソンヌへの直通です。いったん、地中海まで出て、カルカソンヌに周り込みます。3時間半の鉄道旅でカルカソンヌに到着。ホテルは駅から離れた城塞都市ラ・シテの中にあります。事前にホテルに問い合わせたところ、駅前にタクシーがいるから、それに乗ってきてくれとのこと。でも、ネットの情報ではタクシーがいなかったという話が多く、かなり心配です。この心配は現実のものとなります。駅前には全然、タクシーの影さえありません。駅のスタッフに訊くと、あそこがタクシーというところに行くと確かにタクシー乗り場になっており、数人がタクシーを待っている気配。仕方がないので携帯でホテルに連絡しようとしますが、一向に通じません。やがて、1台のタクシーがやってきて、客を乗せます。そのドライバーにsaraiはこんなに客が待っているから、ほかのタクシーを呼んでくれと依頼します。どうやら通じたようで連絡しています。saraiはさらにタクシー会社にも電話して、駅前で待っていると依頼。さらにホテルにもようやく携帯が通じ、駅前はノータクシーだよって叫ぶと絶句しただけ。結局、3台目のタクシーに乗車できましたが、これが依頼したものかどうかは不明。しかし、あとで気が付くと、ホテルからショートメイルでタクシーを手配したとのことでした。多分、saraiが乗ったタクシーはホテルが手配したものよりも先に来たタクシーのようです。まだ、タクシー乗り場にはタクシー待ちの長い行列ができています。タクシーの中から再度、ホテルに電話して、タクシーでラ・シテに向かっているので、ピックアップしに来てほしいと連絡。OKとのこと。城塞都市ラ・シテの中には車が乗り入れられないので、城門の前で降りて、ホテルに向かうしかありませんが、荷物が重いので城塞都市の中の石畳みの道を歩くのは大変です。で、ホテルにピックアップをお願いしました。城門前にタクシーが着くと同時にタクシーの後ろにホテルのカート(ゴルフカートかな)がぴったりと停められます。ホテルの女主人が迎えに来てくれました。彼女と強い握手。実際、ほっとしました。荷物と我々を乗せたカートは石畳みの狭い道を観光客をよけながら進んでいきます。観光客は奇異の目で我々を眺めています。saraiは荷物がカートから落ちないように抑えながら、自分も落ちないように、まるで乗馬している気分です。一大アトラクションが終わり、ホテルに到着。
さて、部屋に落ち着くとまだ5時。今日のうちにコンタル城を見ておきましょう。ホテルからコンタル城はすぐ近くです。歩いていると、ホテルの女主人が女友達と談笑しているのに出くわします。何とそこでお酒のショップもやっているそうです。だから、ホテルには常駐していないので、電話が通じなかった模様。彼女にコンタル城の方向を訊いて、無事、迷わずにコンタル城に到着。チケット売り場でクローズ時間が迫っていることを確認させられた上でチケットを売ってもらえます。まずはコンタル城に入門。

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コンタル城に来た目的はその城を見学するためではなく、城塞都市を取り囲む城壁の上に出るためです。その目的は達せられます。

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城壁の上からは雄大な眺めが望めます。カルカソンヌの町、その向こうにはスペインへと続く平原。そして、遠くに山並みが見えます。あの向こうはスペインでしょうか。

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入り組んだ城壁や塔の景観は世界遺産にふさわしいものです。たっぷりと城壁の上の散策を楽しみました。
城壁を降りて、下から城壁を眺めます。凄いですね。ラ・シテは2重の城壁に囲まれて、その城壁は3㎞に及びます。ヨーロッパ最大規模の城塞です。

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夜はホテルの女主人に紹介してもらったレストランで夕食。カルカソンヌ名物の煮込み料理、カスレを楽しみました。ホテルに戻り、また、ワインの酔いも回り、一寝入り。目が覚めると、外は雨音に雷光。久しぶりの雨ですが、今のところ、何の影響もありません。雨音をききながら、このブログ記事を書いています。

明日は天気さえよければ、ミディ運河クルーズに出かけ、その後、聖地ルルドに向かいます。



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快晴のミディ運河クルーズ、そして、聖地ルルドの感動のロウソク行列

今、聖地ルルドでのロウソク行列に参加して、戻ってきたところです。キリスト教信者ではありませんが、風にゆらめくロウソクを闇の中にかざして、声を合わせて讃美歌を歌えば、いやでも高揚感に浸ります。アヴェ、アヴェ、アヴェマリア・・・。こういう経験を続けると、いつかキリスト教の洗礼を受けてしまうかもしれませんね。聖地ルルドのロザール大聖堂、無原罪のお宿り聖堂を仰ぎ見ながら、多分、1万人以上の大群衆が心に一つにして、祈りを捧げる光景は圧巻です。

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聖地ルルドはキリスト教信者ならぬとも一度は訪れるべき場所かもしれません。風で消えたローソクの火を皆で分かち合うとき、一体感はいやまします。こういうローソク行列が毎晩続けられて、年間500万人が訪れるというのですから、凄い。ルルドにはそういう訪問者を収容する、パリに匹敵するだけのホテルがあるそうです。

話を今日の朝に戻しましょう。カルカソンヌの2日目です。昨夜は大粒の雨と雷光でしたが、朝は曇っているものの雨は上がっています。予定通り、朝10時からのミディ運河クルーズに出かけましょう。昨日と同様、ホテルの女主人の運転するカートに乗って、城塞都市ラ・シテのナルボンヌ門前のタクシー乗り場まで送ってもらいます。タクシーはホテルの女主人に呼んでもらったので、すぐに迎えに来てくれます。大きな荷物があるので、駅前のクルーズ船乗り場に直接行かずに駅近くのホテルに行ってもらいます。そこで有料で荷物を預かってもらいます。カルカソンヌ駅にはコインロッカーがないので、ツーリストインフォメーションのHP(何と日本語表示あり)で駅近辺のホテルで荷物預かりサービスをやっているのを紹介しています。荷物を預け(2個で10ユーロ)、身軽になって、駅前のクルーズ船乗り場へ。ミディ運河クルーズは2社が運航しており、運河を挟んだ両岸にチケット売り場があります。午前中は10時と10時半に出航するクルーズがあります。もちろん、10時からのクルーズを選びます。クルーズ時間は2時間です。クルーズが始まると青空が広がってきて、陽光が差してきます。意外にミディ運河は幅が広く、両岸にはプラタナスの並木が立ち並びます。17世紀に作られたときの雰囲気がそのまま残っていて、ゆったりした船旅を満喫します。

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水門も2つ通過して、運河ならでは体験もします。きっちり2時間後の12時に駅前のクルーズ船乗り場に戻ってきました。
電車でルルドに移動するまで、まだ、3時間半あります。駅前から、下町バスティード・サン・ルイをぶらぶら散策しながら、オード川まで行きましょう。途中、カルノ広場では朝市がたっています。生産者が直接持ち込む生鮮な食料品が美味しそうです。配偶者はカリフラワーとインゲンの新鮮さに感動しています。見るだけというのが辛いところ。オード川に架かる旧橋ポン・ビューに辿り着きます。19世紀まで下町とラ・シテをつなぐ唯一の手段だった橋はその歴史を感じさせる重量感のある趣きです。

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この旧橋からの城塞都市ラ・シテの眺めは壮観です。丘の上一体に城壁が続く光景は驚異的です。昨日はラ・シテの内部を見ましたが、外部からの眺めは必見でした。

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さて、下町散策中に見つけた美味しそうなレストランで昼夜兼用のランチをいただきます。今日はお昼ですからワインは控えて、エビアンだけ。毎日、エビアンを飲み続けています。本場で飲むエビアンは一味違うような気がします。料理は昨日に続き、カスレ。同じカスレと言っても豆の煮込みという点は一緒ですが、今日はソーセージ乗せです。このソーセージが抜群に美味しいです。もう一品は豚ひれ肉のオーブン焼き。これが絶品でした。添えられていたベビーリーフのドレッシングの美味しいこと。初体験の味。ジャガイモのキッシュも一気に食べてしまう美味しさ。最後にカフェオレを頼むと、ノーマルかと訊かれます。まさかプティというのもおかしいので、そのまま頼みます。巨大なカフェオレが出ると思ったら、意外に普通サイズ。たしかにノーマルです。意外だったのは、ブラックコーヒーと泡立てたミルクが別に出てきて、自分で配合すること。ミルクを二人で分かち合い、全部投入すると、レストランのおばさんがミルクをもっと欲しい?と言いながら、また、お代わりを持ってきます。ミルクたっぷりの最高のカフェオレ。カフェオレが美味しいだろうと睨んで注文した甲斐がありました。

ホテルに預けた荷物を引き取り、カルカソンヌ駅に戻り、ルルド行の電車を待ちます。昨日リヨンから乗ってきたTGVに再び乗って、トゥールーズまで行き、そこから、アンタルシテでルルドに向かうんです。ところがTGVが30分以上遅れて、トゥールーズでのアンタルシテの接続失敗。ルルドに行く今日最後のアンタルシテでしたが、1時間後に出発するTERに乗車して、全体で1時間半の遅れ。仕方ありませんね。混雑するTERで座席を確保できたので、まあまあのリカバリでしょう。到着したルルドで駅前のホテルにチェックインして、上述した夜9時からのローソク行列に参加しました。

明日の午前中は再び、ルルドの聖域を見学して、その後、スペイン・バスク地方の美食の町サン・セバスティアンに移動して、バル巡りに挑戦します。毎日がバタバタ続きで疲れますが、だんだん、そのペースに慣れてきました。



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恐るべし!サン・セバスティアン、まさに食のテーマパーク

聖地ルルドの2日目。今日もルルドの聖域を見学します。ホテルから坂道をぶらぶらと15分ほど歩くと聖域の入り口の到着。昨夜の真っ暗な中とは印象が異なります。今日も朝から大勢の信者が詰めかけています。観光客とみられる人もちらほらいます。まずは教会の見学。教会は2層構造になっていて、下の教会はロザール大聖堂、上の教会は無原罪のお宿り聖堂。いずれもゴシック様式の厳かな教会です。これは無原罪のお宿り聖堂の威容です。

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信者の邪魔にならないように慎重に行動します。幸い、教会内でのミサは行われていなかったので、すべて見ることができます。なお、ミサは昨夜のロウソク行列のミサと同様に教会前の広場で行われています。大勢の信者に対応するためには野外のほうがいいのでしょうか。教会の見学に引き続いて、1858年に14歳の少女ベルナデットの前に聖母マリアが現れたという奇跡が起こったマッサビル洞窟を眺めます。折悪しく、この洞窟前でミサが行われており、洞窟をすぐ近くで見ることはできませんが、その様子は見て取れます。この洞窟のある岩盤上に教会が建設されています。洞窟内の奇跡の泉から引かれた水は近くに並んでいる蛇口から自由に飲むことができます。saraiと配偶者もこの奇跡の水を口に入れますが、すすぐだけに留めます。ここ1週間ほど歯茎が腫れているsaraiはこの霊験新たかな聖水で治癒することを願うと配偶者に揶揄されます。信ぜよ、さらば救われん・・・。教会前の芝生の地下には2万人以上の信者を収容する聖ピオ10世地下聖堂があります。その規模の大きさには度肝を抜かれます。これでルルドの聖域の見学は完了。
聖域を出て、奇跡を体験した少女ベルナデットの生家を見学。水車小屋だったという家は想像以上に大きな家です。しかし、少女がここで暮らしたのは10歳まででその後は貧困から元牢獄だった家に移ったそうです。奇跡を体験するためには試練が必要だったのでしょう。これでルルドの見学は終了。お昼過ぎの電車に乗って、バスク地方に向かいます。

まず、ルルドからアンタルシテに乗って、フランス・バスク地方の町バイヨンヌまで移動。途中、アンタルシテの進行方向が変わったのには仰天。何かトラブルかと思いますが、アンタルシテは順調に走り、バイヨンヌに到着。ここでスペインとの国境の町アンダイエへ向かうTERに乗り換えます。アンダイエに到着後、隣接するバスク鉄道に乗り換えますが、乗り換え時間はわずか5分。その間、バスク鉄道のチケットも購入する必要があります。重い荷物を引っ張って、バスク鉄道の駅に着き、手に握りしめた6ユーロのコインを自動販売機に投入し、何とかチケットを購入。そのチケットで自動改札を抜けて、バスク鉄道の電車に乗り込んだのは発車1~2分前。ぎりぎりセーフでした。30分後の電車になることも覚悟していましたがラッキー! バスク鉄道は新型のメトロのような車両で実際、時折、地下も走行します。40分ほどでアマラ駅に到着。一つ手前の駅で近くの乗客から、どこで降りるのかと訊かれて、アマラと答えると、次の駅だと親切に教えてくれます。さらにアマラがサン・セバスティアンであることも付け加えてくれます。saraiは事前調査で知っていますが、こういう親切はありがたいものです。この旅では、現地のみなさんの親切さに触れることが多いです。無事、アマラの駅で降車。ここまで来れば、もう安心です。ホームで電車の写真などをsaraiが撮っていたら、配偶者に現地の人が出口はあっちで出たら右のほうへ行きなさいとご指導があったそうです。またしても現地のかたのご親切。しかし、駅を出て、広々とした広場でバス乗り場がどこか判然としません。地図を検討して、右前方と見極めて歩いていると、その道路の反対側を乗るべきバスの28番が通り過ぎます。お蔭でバス停の場所が分かります。そのバス停に移動し、次の28番のバスに乗車。チケットは運転手から購入。二人で3.5ユーロ。安いですね。3つ目のバス停で下車。サン・セバスティアンはとても大きな町です。バスが頻繁に走っているので、町の移動は楽です。降りたバス停は旧市街の入り口です。旧市街の狭い路地を進むと、奇跡的にホテルの場所を迷わずに発見。入り口のブザーを押すと、ホテルのスタッフがドアを解錠してくれます。広場に面した古い建物の一部が今日のホテルになっています。スムーズにチェックインできました。狭い部屋ですが、旧市街のど真ん中にある便利なホテルです。今日はバル巡りが目当てなので、狭くても泊まれれば十分。部屋でちょっと休息した後、早めにバル巡りに出かけます。遅くなるとバルが混み合うので、面倒です。狙いは人気のバルですからね。狙いをつけた人気バルは次の4つ。

 Borda Berri 牛ほほ肉の赤ワイン煮込み、タコのグリル、羊チーズのリゾット、スイートクラブのラビオリ、サルモレッホ(サーモンとトマトのスープ)
 Bar Sport フォアグラ、いかのバルサミコ酢ソース、いかのから揚げ
 Goiz Argi 日本語メニューあり エビの串焼き、いかのガーリック焼き、酢漬けの青唐辛子とアンチョビの串刺し、青唐辛子の素揚げ
 Txepetxa カラフル野菜のマリネのせのイワシ、ヒルダ(アンチョビと青唐辛子とオリーブの串)

お店をチェックに行くと、Bar Sport以外はまだ閉店しています。とりあえず、Bar Sportに入店。スペインのバルは初めてではありませんが、カウンター前に立って食べるのは初体験。緊張します。まずは店のスタッフにチャコリを注文。白ワインを高いところからグラスに注ぎ入れてくれます。泡立つワインが美味しいです。次いでピンチョスを注文しようと検討していると、何とさきほどのお店のスタッフがほらとメニューを渡してくれます。そのメニューにはスペイン語のほかに日本語も併記してあります。で、スタッフが日本語で挨拶してくれます。こちらの名前も訊かれ、saraiだと言うと、あとはすぐsaraiさん、ティッシュはカウンターの下にあるよとか、いろいろと世話を焼いてくれます。バルの実質初体験はこうして順調にスタート。このバルの名物のフォアグラ焼きの何と美味しいことか。こんなに美味しいフォアグラは初めて食べました。それでいて、たった3.7ユーロ。

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エビの串焼きも絶品。バカラウ(タラ)のフリットも身がふわふわで美味しいです。このお店で食べ続けたい欲望にかられますが、今日のミッションは4店食べ歩き。このあたりで清算します。よく覚えているもんだと感心するくらい、すぐに料金を言ってくれます。13ユーロほどでした。このお店には次々と日本人観光客がやってきます。saraiも先輩面して、この日本語メニューをどうぞとか、フォアグラが絶品だったとか吹聴。ほとんどが男女のカップルか、女性の二人連れ。楽しい会話も弾みました。皆に別れを告げて、次のお店へ向かいます。と言っても、当初の候補のうちの3店はまだ閉店中か、開店準備中。リストアップしていたお店の中から次の2店にしぼり、お店を探します。

 Ganbara ポルチーニのソテーと卵の黄身、チャングロ蟹のタルト
 Gandarias ソロミージョ(ヒレのステーキ)、羊のチーズ(イディアサバル)、イベリコの生ハム、サーロインステーキ

1店は閉店中ですが、Gandariasは開店しています。即、入店。今度はアルコール抜きのモストを注文。ウィーンのモストと同じでただのブドウジュースではあります。ピンチョスはソロミージョとウニのはいったすり身のようなものをいただきます。ソロミージョは本格的なヒレのステーキでこぶりですが、最高に美味しい。

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これで2店目制覇。

次はまた、先ほどの界隈に戻り、候補の3店舗をチェック。すると、Goiz Argiが開いており、既に満員の盛況。構わずに入り込み、カウンターの一角を確保。また、モストを注文。どうやら、バルツアーの一団が来ており、ガイドが英語で説明しています。配偶者が日本語メニューはあるのって訊くと、後ろを指さされます。壁に大きなメニュー表があり、日本語も書かれています。驚いたね。二人で入念にチェックし、まずはイカのガーリック焼きを注文。次いで、チャングロ蟹のタルト。そして、目の前に置かれていたアンチョビとツナと青唐辛子の酢漬け。蟹はみそと身がないまぜになった蟹、蟹、蟹の美味しさ! アンチョビはさすがにスペインの誇る絶品。そして、最後に出てきたイカのガーリック焼きはオリーブオイルがたっぷりで頬のとろけるような美味しさ。こんなに美味しいイカは滅多に食べられません。

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ここで配偶者はもうお腹いっぱい状態。でも、これはまだ3店目ですよ。

次はもう一番のお目当てだったBorda Berriの開店を待って、牛ほほ肉の赤ワイン煮込みを食べないと、この地を去れません。開店準備中のお店先で待つことしばし。やがて、店先のライトが点灯し、シャッターが開けられます。saraiと配偶者が一番客で入店。saraiがセルベッサ・コン・リモンCerveza con Limonというビールをレモンソーダで割ったもの、配偶者はモストを注文。ピンチョスは牛ほほ肉の赤ワイン煮込みとタコのグリルを注文。残念ながら、タコのグリルはないそうです。もうsaraiもお腹が満杯なので、ピンチョスは1品にしておきましょう。ほろほろの牛肉が満腹の状態でも舌を楽しませてくれます。

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カウンター席はたちまち満席状態。後から来た日本人の男女に席を詰めて、入れてあげます。美人の女性はビジネスでやってきている社長さん。また、楽しい会話が弾みます。我々はピンチョス1品だけで早々にお暇します。これで目標のバル4店巡りのミッションを達成。噂に違わず、サン・セバスティアンは美食の町でした。それにこんなに日本人が押しかけているのとはね。それにそれが団体ツアーではなく、皆、個人旅行とは驚きです。

明日の午前中はサン・セバスティアンを市内散策し、その後、ボルドーに移動。束の間のスペインを出て、再び、フランス旅を再開します。



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サン・セバスティアンの朝バル、ボルドーの美味しいディナー

サン・セバスティアンの2日目。朝のサン・セバスティアンは実に静かです。夜遅くまでの喧騒が嘘のようです。ホテルのバルコニーからコンスティトゥシオン広場Plaza de la Constitucionを見下ろすと、夜賑わいをみせていたテーブルもすべて片付けられて、静寂に満ちています。

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だんだんと疲れが溜まってきて、朝もそう早くには起きられません。午前中、丘の上に登って、そこからの眺望を楽しもうと思っていましたが、もうそんな時間はありません。旧市街の端まで行き、そこから美しいビーチを眺めます。夏は賑わいをみせるのでしょうが、今は砂浜を散策する人がいるだけです。いや、よく見ると泳いでいる人もいますね。

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旧市街の反対側に行くと、ウルメア川にぶつかります。川岸には釣り糸を垂れる人たちが並んでいます。土曜日の休みにゆったりとした時間を過ごす太公望たちです。そのあたりに賑わいを見せるカフェがあります。ここで朝食をいただきましょう。搾りたてオレンジジュース、カフェオレ、トースト、フルーツ(スイカ)という簡素なメニューですが、お腹にやさしい感じです。さあ、ホテルに戻って、荷物を持って、出発しましょう。一応、昨日の人気バルのあたりの路地を通っていきましょう。おーっ、何と何と朝から開店しているバルがあります。昨日、最初に入ったBar Sportです。まさか、このバルの前を素通りできませんね。店に入ると、昨日のお兄さんたちがカウンターの中で元気よく働いています。ここは片言の日本語も通用します。モストを注文した上で、配偶者と目を合わせて、フォアグラ焼きを2人前注文。昨日と同様、絶品の味を堪能。

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サン・セバスティアンの朝バルまで体験できて、満足、満足。
さあ、サン・セバスティアンを出発しましょう。旧市街のバス停から28番のバスに乗って、バスク鉄道のアマラ駅に向かいます。うっかり、バス停を一つ乗り過ごしましたが、それほどの距離ではなく、リカバリできます。アマラ駅からは予定よりも30分早い電車に乗って、フランス側の国境のアンダイエ駅に無事到着。乗り換え時間が40分ほどあります。余裕の行動です。これでまた、スペインからフランスに復帰。1日足らずの束の間のスペインでした。
このアンダイエ駅からは何とパリのモンパルナス行きの直通のTGVが日に数本出ています。その貴重な1本で今日の目的地ボルドーに向かいます。パリからのTGVが遅れたせいか、パリ行のTGVも10分ほど出発が遅れますが、今日はボルドーに行くだけなので、少々の遅れは何も問題ありません。遅れて出発したTGVは大西洋岸に沿って、順調に走っていきます。このあたりは初めて通るので、駅名も馴染みのないものばかり。ボルドーには少し遅れて到着。駅前からのトラムC線は事前の調査通り、現在運休中。現在は代行バスが頻繁に走っています。トラム乗り場から代行バスのバス停まで少し歩かされますが、仕方ありませんね。代行バスに乗って、旧市街のカンコンス広場まで行きます。そこからはスマホのナビソフトの助けを借りて、ホテルに到着。ホテルに入ると、レセプション前から何と急な階段だけが続いています。ホテルのおばさんはsaraiたちの重そうなスーツケースを見ると、何かぶつぶつフランス語をしゃべりながら、合間によく分からない英語を発して、セカンドフロアの部屋を用意していたけど、ファーストフロアに変えましょう。それでいいわねって言ってます。はいはい、それで結構です。配偶者は重い方のスーツケースは当面、中身が必要ない(オペラのための衣装が大半)ので、それはレセプションで預かってもらいましょうとのこと。カルカソンヌのホテルもエレベーターがなかったので、そうしたんです。二人でスーツケース一つを担いで、階段を上ります。ところがこの建物はファーストフロアというのは2階ではなくて、3階です。うへっ、疲れた。こういうことの連続で疲れが溜まるんです。安いホテルを選択する報いがこういう形でやってきます。
部屋から携帯でお目当てのレストランに予約を入れます。このレストランは日本語で対応してくれるそうです。実際、もしもしと言うと、しっかりした日本語で返事が返ってきます。英語すら通じないレストランもあるのに、日本語で予約できるのは助かります。開店直後の7時半に予約。それまではちょっとだけ、ボルドーの町歩きします。ボルドー1の規模と歴史を誇るサンタンドレ大聖堂に直行。ヨーロッパの町はどこも教会の建築が凄い! サンタンドレ大聖堂の威容に圧倒されます。

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さらにこのサンタンドレ大聖堂もそのゴシック様式の内部空間の広いことに驚かされます。大きな教会2個分くらいの大きさです。ちょうどミサの最中でしたが、大きな内部にはいくつもの礼拝堂があり、そのひとつでミサをやっているので、内部見学には支障ありません。しっかりと見学させてもらいました。
さあ、ホテルに戻りましょう。堂々とした建築の立ち並ぶトラムの走る通りを抜けていきます。配偶者から、町の観察のためには大きなスーパーに立ち寄らねばという提案があり、カルフールの店舗見学。お寿司もカップ麺もあります。ヨーロッパのほかのスーパーともそう変わらない感じですね。
時間になり、レストラン、NAMAへ。ちゃんと日本語で対応してもらえ、料理もとても美味しく、料金もリーズナブル。おまかせのプティコースをオーダーしましたが、何と完食できました。ほとんどない経験です。ここのポイントは2つ。前前菜でサン・セバスティアンでも食べられなかったガスパッチョをいただけました。複雑な味わいに感銘を受けます。そして、メインでは鴨の大きな肉のロースト。これが美味しかったんです。

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連日連夜、美味しいグルメをいただいて、幸せです。

明日はボルドーの1日ワイナリーツアー。天候が崩れてきたので、何とか好天を期待したいものです。



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ボルドーのシャトー巡り:サンテミリオン、マルゴー

ボルドーの2日目。朝、とるものもとりあえず、ホテルに荷物を預けて、チェックアウトし、身軽になって、ワイナリー巡りツアーの集合場所、カンコンス広場に向かいます。歩いて10分ほどで到着。強い雨が降っています。この旅で傘をさすのは初めてです。せっかく、美しいワイン畑巡りなのに残念です。広大なカンコンス広場で集合場所を見極めて歩いていくと、今日のガイド兼ドライバーの日本人女性が駆け寄ってきます。華奢で控えめ、それでいてしっかりした女性。ボルドーに暮らして20年だそうです。今日1日、お世話になります。ツアーの同行者は日本人女性2人組、2歳の男児を連れた若いご夫婦。強い雨に打たれながら、8人の乗ったワンボックスカーは最初のワイナリー見学のサンテミリオンに向かってひた走ります。意外にも高速を走行します。ガロンヌ川、ドルドーニュ川を渡って、右岸にはいり、ポムローム地区をかすって、サンテミリオン地区に入ります。サンテミリオンの村を一周して、目的のワイナリー、シャトー・トゥール・バラドズChateau Tour Baladozに到着。ほぼ1時間の行程です。早速、ワイン醸造の過程を見てまわります。大きな発酵タンク、ずらっと並ぶ熟成用樽の説明を受けて、いよいよ、テイスティング。セカンドワイン、ファーストワイン、そして、同じオーナーの別のシャトーのファーストワインの順に味わいます。いずれも赤ワインです。やはり、初心者のsaraiでもファーストワインの美味しさは分かります。結果、ファーストワイン、シャトー・トゥール・バラドズ2016年のハーフボトルをお買い上げ。同行者たちもサンテミリオンの赤ワインを購入しています。これで1つめのシャトー見学は終了。サンテミリオン村の中心、丘の上で2時間の自由行動。美しい村の中を散策しますが、雨は降る一方です。それでもサンテミリオンの丘の上からの美しい眺めを楽しみます。

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12時ちょうどにお勧めのレストラン、ランヴェール・デュ・デコーL'Envers du Decorに入店。しかし、一番乗りにもかかわらず、予約なしでは2人のテーブルは用意できないという厳しい言葉。ちょうどツアーの同行者が来たので、4人席なら用意できるとのこと。ラッキー! 幼児一人は幼児用の椅子を用意してもらって、5人でテーブルを囲みます。分からないメニュを見ながら、チキンとビーフを2人前ずつ注文。驚くことに2人前ずつ皿に持って、料理が運ばれてきます。しかし、それでテーブルがいっぱいになったので、それが正解なのでしょう。4人でシェアしながらランチをいただきます。幼児には子供向けメニューがあり、それを注文します。ビーフはステーキです。これがとても美味しい! 

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サイドメニューのポテトとグリーンサラダも普通に美味しいです。予定時間きっかりに食べ終えて、店を出ます。なお、お会計はテーブルでするのではなく、入り口のカウンターで行う方式。昨日のボルドーのレストランも同じ方式でした。最近はこういう方式でスピーディに会計できて、結構です。でも、つい、チップを渡し損ねますね。
さて、今度はまた、ガロンヌ川、ドルドーニュ川を反対側に渡り、左岸のメドック地区に向かいます。1時間ほど走って、マルゴー地区のシャトー・プリューレ・リシーヌChateau Prieure Lichineに到着。ここで急に奇跡的に天候が回復。雨も上がります。で、今日最後のシャトー見学です。最初にシャトーの説明があります。シャトーのガイドの女性は結構日本語が話せます。フランス語で“小修道院”という意味のプリューレと、以前オーナーであったアレクセス・リシーヌ氏の苗字を取ってシャトー・プリューレ・リシーヌと名付けられているそうです。事実、修道院の今も隣接しているシャトーの起源は修道院でのワイン醸造だったそうです。ここでは赤ワインだけでなく、少量ですが、ソーヴィニオンの白ワインも作られているのが白ワイン好きのsaraiには嬉しい限りです。醸造過程を見学しますが、その前に明日から収穫にはいるたわわに実った葡萄をつまみ食いしてよいという有り難いお言葉。早速、メルロー種のブドウの房から小粒のブドウをつまみとって、口に入れます。

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ううっ、何という美味しさ! 何という甘さ! 我が人生で食べたブドウの最高の味です。恐るべし! マルゴーのメルロー種のブドウ。ブドウがこれだけ美味しいんだから、ワインが美味しいのは当たり前でしょ! 今年はとても暑かったのですが、それがブドウには幸いして、当たり年になりそうだとシャトーのガイドは言ってました。確かにブドウは美味しいです。配偶者は生のブドウを持って帰りたいと叫んでいました。
さて、醸造過程の見学です。ここにはボトルを寝かせた貯蔵庫もあり、古いものは1966年ものがあります。これは売り物ではなく、保存用のヴィンテージだそうです。ここでもセカンドとファーストの赤ワインを試飲。そして、saraiの嗜好を察したかのごとく、白ワインも試飲。2018年の若いワインですが、こくのある美味しさ。ついボトルを購入してしまいます。配偶者にどうやって持って帰るのって呆れられます。既に荷物は重量超過状態なんです。
この後はすっかりと天気が回復した中、5大シャトーのシャトー・マルゴーとシャトー・ラ・トゥールの前で写真撮影。シャトー・マルゴーはまさにシャトーらしい美しい館が印象的です。

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これでワイナリー巡り1日ツアーは終了。午前中はともかく、午後は天気が回復したのが何よりでした。配偶者の晴れ女ぶりは不動です。
ボルドーの旧市街に戻り、まだ、2時間ほどあります。少しだけ町歩きしましょう。まず、カンコンス広場。ここには巨大なジロンド派記念碑があります。フランス革命で大きな影響力を持ったジロンド党はボルドー選出の代議士たちが結成したものですが、その後、オーストリアとの戦争に敗れ、戦犯として、22名がここで処刑されました。その追悼のための記念碑です。
次に大劇場の大きな建物を見ます。オペラが上演される劇場ですが、パリ・オペラ座(ガルニエ)よりも古い歴史を誇ります。現在、《ホフマン物語》を上演しています。実は昨夜も公演があったのですが、saraiが気が付いたときには既にチケットは完売。とても人気があるようですね。残念なことをしました。
そこからガロンヌ川の川岸に行くと、2006年にできたスケールの大きな水鏡があります。薄く水を張って、広場全体が巨大な鏡のようになります。ウユニ塩湖みたいですね。風が強いので、波が立って、しばらくは鏡面効果が現れませんでしたが、しばらくして、水が引き、極めて薄い水量になると、鏡面が出現します。見事なものです。18世紀の宮殿と空の雲を映し出しています。

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さらに水が引いた後、霧のような水を噴き上げて、広場に人工的な霧が出現します。

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この様子を飽きずにsaraiが眺めているのを配偶者は呆れて見ています。だって、面白いですよ。
これでミニ町歩きは完了。疲れたので、お茶しましょう。できれば、美味しいケーキでもいただきたいところです。カフェやブラッスリーはありますがウィーンのようなお菓子屋さんのカフェはなかなか見つかりません。このあたりで打ち切りというところで見つけました。それも何と、ボルドー名物のカヌレの名店CANELÉ BAILLARDRANを発見。お店のカラーが赤いので、すごく目立っています。早速、入店し、カヌレと紅茶をいただきます。うーん、横浜のカヌレと変わらないような気もしますが、カヌレはボルドーが本場。これがオリジナルの味なんでしょう。結構なお値段にもびっくり。最後に面白いものにぶつかりました。
これでボルドーを満喫し、夜のTGVでパリ・モンパルナス駅に向かいます。去年まではTGVで3時間半もかかっていたそうですが、今やモンパルナスまでノンストップで2時間ほどです。無事、モンパルナス駅の近くのホテルにチェックイン。チェックインの際、レセプションのお兄さんから明後日は鉄道ストライキだよという有り難くない情報を頂きます。早速、フランス国鉄SNCFのアプリをスマホに入れて、チェックしますが、今のところ、レンヌからモンパルナスに戻るTGVは影響ないようです。でも、心配ですね。

明日はモンパルナスからTGVでレンヌへ行き、そこからバスでモン・サンミシェルに向かいます。フランス旅も最終段階に達します。



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モンパルナスの朝~そして、遂にモン・サン・ミシェル

束の間のパリ。昨夜遅くモンパルナス駅に着き、午前中のTGVでレンヌ経由モン・サン・ミシェルに向かいます。しかし、それでも片時でも無駄に過ごさないのがsarai。早起きして、パリで評判のパン屋さんにバゲットを買いに行きます。バゲットは買えましたが、パン屋さんの名前が変わっています。代替わりしたんでしょうか。買ったバゲットも美味しいことは美味しいですが、絶品というほどではありません。以前、モンマルトルの名もないパン屋さんで買ったバゲットの味に及びません。このパン屋さんとホテルの間には広大なモンパルナス墓地があります。パン屋さんからの帰りには8時をまわって、墓地もオープン。モンパルナス墓地には有名人のお墓が多数あります。saraiは先日、スイス、レマン湖のほとりにあるヴヴェイで最愛のピアニスト、クララ・ハスキルの終の棲家を見てきましたが、彼女のお墓もこのモンパルナス墓地にあります。是非、お墓参りしていきましょう。中央門から中に入ると、まず、フランスの実存主義哲学者のジャン・ポール・サルトル(1905年6月21日 - 1980年4月15日)と実質的に夫婦関係にあったシモーヌ・ド・ボーヴォワール (1908年1月9日 - 1986年4月14日)のお墓を探します。やがて見つかったお墓はある意味、無残な状態。彼ららしいと言えば、そうも言えます。サルトルとボーヴォワールは青春の時期のsaraiにとって、遥か遠い憧れの存在でもありました。合掌!

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次はいよいよハスキルのお墓を探します。大体の位置は分かっていましたが、多くのお墓から探し出すのは難しいです。やがて、偶然に等しく、見つけ出します。クララ・ハスキルは1960年12月7日、演奏旅行先のブリュッセルで不慮の事故が原因で亡くなりました。65年の生涯でした。このお墓には彼女の二人の姉妹、リリーとジェーンも一緒に埋葬されています。クララの二人の姉妹は80歳過ぎまで生きましたから、クララも不注意な事故にあわなければ、あと20年は生きて、素晴らしい演奏記録を残してくれたでしょう。残念です。3姉妹の魂に合掌!

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お墓に向かう前から、ハスキルが亡くなる年、1960年の1月にパリでクーベリック指揮パリ音楽院管弦楽団と共演したショパンのピアノ協奏曲第2番をヘッドフォンで聴いていました。お墓に近づくと、第2楽章の抒情的で繊細なピアノの調べが流れてきます。お墓参りが終わると、ハスキルのピアノの素晴らしい響きで第2楽章が終わります。第3楽章の勢いのある軽快な演奏を聴きながら、モンパルナス墓地を後にします。これでほぼ12時間ほどの今回の旅での1回目のパリ滞在は終了。

モンパルナス駅からTGVでレンヌ駅、レンヌ駅前の長距離バスターミナルからバスでモン・サン・ミシェルへ移動。予定通り、午後1時前にモン・サン・ミシェルのバスターミナルに到着。バスの車窓から既にモン・サン・ミシェルの姿は見えています。まずはバスターミナル近くのホテルにチェックイン。部屋で少し寛いだ後、ホテル前のバス停から無料のシャトルバスに乗って、モン・サン・ミシェルに向かいます。陸地とモン・サン・ミシェルの島をつなぐ橋の途中がシャトルバスの終点。バスはどうやって橋の上で方向転換するのかと不思議に思っていると、このバスは特別仕様で両方向に走れます。運転席も前後にあり、運転手が反対方向の運転席に移動するんです。なるほどね。妙なことに感心しながら、眼前に迫る奇怪とも思える要塞のような修道院の島に関心を移します。散々、テレビの番組で見たので、初めて見るような気はしませんが、やはり、実際に見ると、凄い迫力ですね。

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島の周りの干潟もスケールが大きく、見たこともないような景色です。ちょうど引き潮になっていて、陸地から干潟を渡っても島に行けそうな感じです。
さあ、モン・サン・ミシェルの島に入りましょう。門前町のように狭い路地の両側にはお店が立ち並んでいます。物凄い数の観光客で賑わっていますが、清水の産寧坂ほどではないかもしれません。坂道と階段を上っていくと、途中、小さなサン・ピエール教会があり、立ち寄っていきます。入り口にはジャンヌ・ダルク像。教会内には大天使ミカエルの像があります。まさにモン・サン・ミシェルらしいですね。ここからさらに上っていくと、修道院の入り口に着きます。入場無料じゃないんですね。一人10ユーロずつ支払います。毎年250万人訪れる世界で一番人気の観光地ですから、巨大な収入があるんですね。またまた、変なことに感心しながら、修道院を見て回ります。内部の広さに驚き、修道院の上からの干潟と海の壮大な景色に驚きます。相当歩き回りましたが、不思議に疲れません。大天使ミカエルのご加護でしょうか。一番感銘を受けたのはイタリア式回廊の美しさです。質実剛健とも思える修道院の中で一際、異彩を放っていました。

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サン・マロ湾の眺めも素晴らしいですね。こういう立地であってこそ、モン・サン・ミシェルが引き立ちます。

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修道院見学に満足し、最後はやはり、名物のオムレツを食べていきましょう。島のメインストリートのグランド・リュの入り口近くにある有名ホテル・レストランのラ・メール・プラールに行きます。門前列をなしているのかと覚悟していたら、ガラガラでびっくり。名物のオムレツの卵を攪拌するシャカシャカの音も聞こえてきません。すぐにテーブルに案内されて、白ワインとオムレツ、オマール海老のスープを注文。美味しいんですが、料金高過ぎ! ボルドーの白ワインは昨日以上の美味しさに舌鼓。これでモン・サン・ミシェルは完全終了かな・・・。

また、シャトルバスに乗って、ホテル前に戻り、そこからモン・サン・ミシェルを遠くに望むクエノン河口ダムでひとしきり、モン・サン・ミシェルの眺めを楽しみます。さあ、あとのお楽しみはライトアップされたモン・サン・ミシェルの夜景。しばらく、ホテルの部屋で待機します。

夜の帳の下りたところで、また、ホテル前からシャトルバスに乗って、モン・サン・ミシェルに出撃。意外にライトアップの光が弱いのにびっくり。まあ、これが幻想的な風景と言うんでしょう。

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何度もシャッターを切っているうちにデジカメのバッテリーが切れます。何とか写真が撮れたのでよしとします。夜になり、冷えてきます。もうこの時期以降は夜景を撮影するのは寒くて無理かななんて言いながら、シャトルバスでホテルに戻り、冷えた体を湯船に浸して、モン・サン・ミシェルの1日は終了。

明日は雨模様のようですが、朝のモン・サン・ミシェルを眺めて、パリに戻ります。これからはまた、音楽三昧。本来のヨーロッパ遠征の目的に立ち戻ります。



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指揮者は透明人間! アレクサンドル・ガテ&ダヴィド・グリマル&レ・ディソナンスLES DISSONANCES@フィルハーモニー・ド・パリ 2019.9.24

フィルハーモニー・ド・パリ(Philharmonie de Paris)に初見参です。素晴らしくお洒落で音響的にもよいホールです。オーケストラのコンサートには大き過ぎず、ちょうどよいサイズですね。サル・プレイエルの古ぼけたホールとは隔世の感です。
演奏はフランスのヴァイオリニスト、ダヴィド・グリマルDAVID GRIMALが主宰する室内アンサンブル、レ・ディソナンスLES DISSONANCESの演奏のつもりでした。しかし、実際にはこの室内アンサンブルを核に拡大した大編成のオーケストラの演奏でした。それでも指揮者なし。こんな大編成のオーケストラで指揮者のいない演奏は初めて聴きました。なんか変な感じで、そのことが演奏中にも気になります。いっそのこと、不肖、saraiが指揮台に立ってしまおうかと思うほど、違和感があります。今やクルレンツィスのようなカリスマ指揮者が台頭する時代に逆戻りですが、その一方、こういう試みもあるのが、ヨーロッパの底深い文化的土壌なのかと思ってしまいます。演奏開始のキューは演奏パートの首席奏者が体で示しています。最初のワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」の前奏曲とイゾルデの愛の死は低弦で始まるので、不意を突かれた形になります。冒頭のトリスタン和音の後、パウゼがはいりますが、よく指揮者なしで乱れることなしに演奏できるものです。アンサンブルはよく揃って見事な響きですが、必ずしも一糸乱れずという感じではありません。まあ、そういうことを目指しているんではないと思います。この曲はかって、フルトヴェングラーが素晴らしい録音を残していますが、それは彼の音楽思想を表現したものでした。そういう天才が音楽を思想として表現するものをこれまで聴いてきたわけですが、指揮者なしだということは単に音符を正確になぞるだけになってしまうのではないかという懸念もあります。今日の演奏は後期ロマン派の濃厚な香りを感じさせるものではありましたが、どこかすぽっと抜けているものもあるように感じて、そこのところはこう表現したい・・・saraiが指揮台に立って棒を振りたくなってしまいます。しかし、そのように聴衆一人一人が指揮者の立場で音楽を聴くというのが、この試みの狙いなのかもしれません。完全燃焼には至りませんでしたが、音響的には素晴らしい演奏でした。

2曲目のR.シュトラウスのオーボエ協奏曲は素晴らしい演奏でただただうっとりとしてしまいました。これほどの演奏は聴いたことがありません。その立役者はーボエ独奏のアレクサンドル・ガテAlexandre Gattetです。まさにR.シュトラウスの音楽そのものという完璧な表現。変な例えですが、シュヴァルツコプのソプラノでR.シュトラウスを聴いているようなものです。4つの最後の歌をオーボエで聴いているような思いに駆られます。そして、オーケストラに指揮者がいないので、オーケストラが変な自己主張をせずにオーボエの支え役にまわっているのが好感できます。それにしても第2次世界大戦勃発後から亡くなる1949年までの10年ほどのR.シュトラウスの音楽のいかに素晴らしいことか。絶頂期のシュトラウスの音楽の残照がほのぼのと光っています。オペラでは《ダナエの愛》、《カプリッチョ》、歌曲では《4つの最後の歌》、管弦楽曲では《メタモルフォーゼン》、そして、この《オーボエ協奏曲》。いずれもアイロニーに満ちた作品ばかりで聴いているものの胸をしめつけるような魅力があります。今日のオーボエのガテはそういう魅力を完璧に表現していました。これが聴けただけでもこのコンサートに足を運んだ甲斐がありました。

後半のシェーンベルクの交響詩《ペレアスとメリザンド》は若きシェーンベルクが後期ロマン派の爛熟した作品を完成させたものですが、その音響美は下手な音楽解釈は不要なもので、今日のような指揮者なしには適した作品に思えました。徹頭徹尾、濃厚なロマンがその音響的な美しさから香り立っていました。素晴らしい演奏に魅了されました。こういう演奏表現もあるんですね。

キャスト、演奏曲目は以下です。

 指揮者:なし
 オーボエ:アレクサンドル・ガテAlexandre Gattet
 管弦楽:レ・ディソナンスLES DISSONANCES コンサートマスター:ダヴィド・グリマルDAVID GRIMAL

 ワーグナー:「トリスタンとイゾルデ」前奏曲とイゾルデの愛の死(器楽版)
 R.シュトラウス:オーボエ協奏曲
  《アンコール》 超絶的なオーボエ独奏曲(曲目不詳)

 《休憩》

 シェーンベルク:交響詩《ペレアスとメリザンド》


予習は以下の通り、何故か、お好みでないカラヤン指揮ばかりになってしまいました。

 ワーグナー:「トリスタンとイゾルデ」前奏曲とイゾルデの愛の死
  ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ウィーン・フィル、ジェシー・ノーマン 1987年8月、ザルツブルク音楽祭ライヴ

 R.シュトラウス:オーボエ協奏曲
  ローター・コッホ、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1969年9月、ベルリン、イエス・キリスト教会 セッション録音

 シェーンベルク:交響詩《ペレアスとメリザンド》
  ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1974年1月、2月 ベルリン セッション録音


「トリスタンとイゾルデ」前奏曲とイゾルデの愛の死は素晴らしい演奏です。久しぶりにこの演奏を聴きましたが、とても美しい演奏です。カラヤンは後期ロマン派にその美質を活かします。

R.シュトラウスのオーボエ協奏曲はローター・コッホの安定した演奏とその表現力が見事です。R.シュトラウスを得意とするカラヤンも晩年のシュトラウスの穏やかな諦念を美しく表現します。素晴らしい演奏です。この曲でここまでの演奏は初めて聴きました。名曲ですね。

シェーンベルクの交響詩《ペレアスとメリザンド》は美しい演奏ですが、どこか、空々しく聴こえます。これはカラヤンの演奏を聴いたのは失敗でした。ロバート・クラフトを聴けばよかったと後悔します。しかし、時間切れでもう予習時間はありませんでした。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

モン・サン・ミシェル~そして、また、パリ

モン・サン・ミシェルの2日目。朝のモン・サン・ミシェルを見ようと早起きしますが、外は真っ暗。雨も降っています。今日はモン・サン・ミシェルは諦めて、パリに戻りましょう。荷物をまとめて、ホテルをチェックアウトし、ちょっと外の様子をうかがうと、何と雨はすっかり上がっています。空も明るくなってきました。残りの時間、わずかですが、ダムのあたりからのモン・サン・ミシェルを眺めましょう。ダムのあたりに行くと、よくモン・サン・ミシェルが眺められます。

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ここから歩いて、モン・サン・ミシェルを目指す人たちがいます。saraiももう少しモン・サン・ミシェルに近づいて、その眺めを楽しむことにします。モン・サン・ミシェルへの散策道から外れて、草原の中からの景色も楽しみます。

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最後に素晴らしいモン・サン・ミシェルの眺めを楽しめました。

モン・サン・ミシェルからレンヌへのバスの時間が迫ってきたので、慌てて、ホテル前のバス停でシャトルバスに乗り込みます。シャトルバスは空だったので、saraiと配偶者二人だけを乗せて、バスターミナルへ。荷物を引いて、レンヌ行のバス乗り場に行くと、既にレンヌ行のバスは到着しています。早速、ドライバーの女性からチケットを買って、バスに乗り込みます。車内はがらがらです。こんなに早い時間にモン・サン・ミシェルを去る旅人はいないんでしょう。最前列に座って、車窓からの眺めを楽しみながら、予定通りにレンヌに到着。saraiは急に無性に麺が食べたくなり、駅構内でスパゲッティを食べられるお店を探しますがありません。駅前まで探索しますが、なぜかピザはあるもののスパゲッティはありません。残念。
レンヌからノンストップのモンパルナス行のTGVに乗ります。なんと満席状態で混雑しています。ファーストクラスの指定席ですから、問題はありません。それに今日の鉄道ストライキはスマホのSNCFアプリのアラート機能で乗る予定のTGVを登録したおいたので、既に影響がないのは分かっていました。予定通りの時刻に発車して、予定通りの時刻にモンパルナス駅に到着。旅の最終段階も順調に推移しています。
モンパルナス駅到着後、今日宿泊するホテルにメトロを乗り継いで移動。メトロの駅はどれもエレベーターもエスカレーターもなく、重いカバンを抱えて、階段を上り下りします。予想していたこととは言え、体に強烈な負担があります。パリ市当局はオリンピックまでには絶対これは解消すべきでしょう。それとも旅行者がメトロを利用するのは間違い? 何とか踏ん張って、ホテルに辿り着きます。ホテルは小さな建物。これもエレベーターがないのかとぎょっとすると、レセプションのお兄さんがエレベーターに案内し、これはスモールだよと笑います。確かにスモールですが、あればいいんです! かくして、パリのホテルに落ち着くことができました。夜のコンサートまで、まだまだ、時間があります。ホテルの真ん前には有名なパン屋さんがあります。それに例のスパゲッティも未解決。ちょっとホテルの周りの界隈を探検してきましょう。パン屋さんは賑わっていて、中に入るのに行列です。美味しそうなパンをゲット。次いでイタリアンの店を探しますが見当たりません。その代わり、日本食レストランが見つかり、焼きそば、ラーメン、うどんがあります。入ろうとしますが、まだ、昼休みのようです。後で寄ってみましょう。サン・マルタン運河が近いので見に行きます。何の変哲もない運河ですが、パリにあると何か雰囲気があるような気がします。

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パリにいるとsaraiは妙に落ち着くと言うと、配偶者が変ねって笑います。何度も来た町は落ち着く感じがするんです。運河沿いの道を少し歩いて、町並みをチェックしたところで、ホテルに戻りかけます。ホテルの前に来たところでsaraiが小さなスーパーを発見。間口は狭いんですが、中に入ると意外に広いスーパーです。フランスでよくみかけるモノプリです。飲料や食料品を調達します。日清食品のヨーロッパ仕様のカップ麺も発見。これでsaraiの麺問題は解決。妙な日本料理店で焼きそばを食べる必要はなくなります。ホテルに戻って、早速、牛肉味のカップ麺を食べます。この旅で2回目のカップ麺。日本では滅多に食べないのにヨーロッパでは妙に食べたくなります。

少し仮眠して、フィルハーモニー・ド・パリのコンサートホールに出かけます。夜8時半からのコンサート。結構、パリの若い人が聴きにきています。東京では若い人をほとんどクラシック音楽のコンサートホールではみかけませんが、パリは違うんですね。観光客はほとんどいません。多分、日本人も我々だけだったかもしれません。コンサートが終わり、ホテルに戻って、また、カップ麺(笑い)。

今夜は深夜までブログを書いていたので、明日はゆっくり休養します。夜はパリ・オペラ座(ガルニエ)でバレエ鑑賞です。



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いつもパリのバレエはお洒落 杉本博司&ウィリアム・フォーサイス@パリ・オペラ座(ガルニエ) 2019.9.25

今日はパリ・オペラ座(ガルニエ)でバレエ。マリインスキーのバレエと並んで、世界の双璧をなすバレエ団です。華やかさ、お洒落度ではこのパリ・オペラ座が一番。今日もその華麗なステップで目を楽しませてくれました。

前半は日本の能をからめた作品で、ステージからオーケストラピットの上に能舞台のようなものを突き出した斬新な舞台セット。水乞いをする鷹姫や老人、若者に加えて、能役者までが登場する気合いのはいった作品ですが、日本人の目からすると、ちょっと中途半端なような気もします。しかし、舞台にみなぎる緊張感は尋常のものではありませんでした。主役級のダンサーもよかったのですが、脇を固める群舞のダンサーの素晴らしさがこのバレエ団の実力の一端を示していました。

後半は一転して、ウィリアム・フォーサイスによるポップで軽快なバレエ。華やかにノリのよいバレエで気楽に楽しませてもらいました。中間と最後のデュオが素晴らしく抒情的でうっとりとさせられました。あっと言う間の30分でした。

出演したエトワールは前半のアマンディーヌ・アルビッソンと後半のレオノール・ボラック。演目的にそれほどの妙技が披露されたわけではありません。

公演内容は以下です。

 At the Hawk’s Well/鷹の井戸

 原作:ウィリアム・バトラー・イェイツ(アイルランドの詩人・劇作家)
 演出:杉本博司
 音楽・空間演出:池田亮司
 振付:アレッシオ・シルベストリン
 衣裳デザイン:リック・オウエンス
 能振付・役者:観世銕之丞

 鷹姫:アマンディーヌ・アルビッソンAmandine ALBISSON
 クーフリン:アクセル・マグリアーノAxel Magliano
 老人:オドリック・ベザールAudric BEZARD

 
 《休憩》


 Blake Works I

 演出・振付:ウィリアム・フォーサイス
 音楽:ジェームズ・ブレーク(The Color in Anything、2016)

 主なダンサー
  レオノール・ボラックLéonore Baulac
  マリオン・バルボーMarion Barbeau
  ビアンカ・スクダモールBianca Scudamore
  フロロン・メラックFlorent Melac



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パリの休日

パリの通算4日目。旅の疲れもたまってきて、今日はパリの休日を決め込みます。夜のバレエまでは特に予定がないので、朝はゆっくり寝ています。そのうちに起き出した配偶者がそっと部屋を出て、ホテルの前にあるパン屋とスーパーに買い物に出かけます。saraiは配偶者の帰りを待って、ベッドにもぐりこんだままです。
やがて、配偶者が人気のパン屋さんで購入したバゲットとクロワッサンを抱えて、帰還。

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朝ごはんにしましょう。バゲットはまだ暖かい状態。焼き立てです。パリパリと美味しく焼けた皮をかじりながら、saraiで1本たいらげます。人生で最高に美味しいバゲットです。このまま、ここに住んで毎日、このバゲットを食べたいものです。

朝ごはんを終えると、すぐ12時。あまり天気はよくないのですが、どこかにでかけましょう。パリで一番眺めのよいというベルビュー公園にでも出かけましょう。メトロ1本ですぐに到着。丘の上からはエッフェル塔とアンヴァリッドが見えます。

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モンパルナスタワーも見えています。確かに眺めはいいのですが、絶景というほどではありません。何かすっきりしないので、どこか美術館にでも行きましょう。どうせなら、まだ行ってない美術館。そう言えば、ロダン美術館は横を通り過ぎたことはありますが、入ったことはありません。ロダンの彫刻は静岡県立美術館でもまとめて見られますが、パリの本場で見るのもいいでしょう。ベルビュー公園の丘を下りたところにあるメトロの駅から1回乗り換えるだけでロダン美術館の最寄り駅に行けます。ロダン美術館は混んではいませんが、それなりに入場者がいます。おもな彫刻はその庭園内に分散して展示されています。《考える人》、《バルザック像》、《地獄門》、《カレーの市民》。
庭園からは木の間から《考える人》が見え、その先にはエッフェル塔が頭を出しています。計算した設計ですね。

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最後は本館内の展示を鑑賞します。やはり、《接吻》が目を引きます。

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ロダンの作品以外にもゴッホの有名な《タンギー爺さん》も展示されています。

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結局、パリの休日と言いながら、1万歩以上も歩き、また、疲れ果てます。ホテルに戻って、仮眠をとって、パリ・オペラ座にバレエを見に出かけます。
ゆっくりできたような、できないような1日になりました。

明日はウィーンに飛び、早速、内田光子のピアノでモーツァルトのピアノ協奏曲を聴きます。



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モーツァルトはオペラだけじゃない 内田光子&マーラー・チェンバー・オーケストラ@ウィーン・コンツェルトハウス 2019.9.26

ちょうど2週間前にここでクルレンツィス&ムジカエテルナの演奏でモーツァルトのオペラを聴いたばかり。その後、スイス、フランスと旅してきて、今日また、ここに戻ってきました。そして、また、モーツァルト。モーツァルトはオペラが最高ですが、忘れちゃいけないのが、ピアノ協奏曲。現代のモーツァルトのピアノのオーソリティの内田光子の演奏を聴きます。前半のK.459はピアノの響きがもう一つでしたが、後半のK.466はピアノの響きが美しく響き渡り、最高の演奏。それ以上に素晴らしかったのは内田光子の指揮。深くて鋭いオーケストラの響きと考え抜かれた音楽表現で聴くものを魅了します。ピアニストの内田光子よりも音楽家の内田光子が光ります。第1楽章冒頭の抑えた弱音での表現にははっと驚かされます。妙にデモーニッシュな表現で演奏されることが多いですが、音楽家、内田光子の優れた音楽性ではもっと密やかで精神性に満ちた表現になります。伸びやかで思い切りのよい表現も見事です。第2楽章にはいると、美しく抒情に満ちたピアノとオーケストラの相互作用が密になります。美しいだけでなく、深い精神性にも満ちています。第3楽章は晴れやかな音楽がテンポよく展開されます。ピアノの指の回り具合も十分で聴き映えします。感動に満ちた音楽が上り詰めたところで終了。

マーラー・チェンバー・オーケストラの23人の弦楽器奏者で演奏されたR.シュトラウスのメタモルフォーゼンも終始、悲しみ色に満ちていて、胸が締め付けらる思いに駆られます。第2次世界大戦の終わり間近に書かれた、この作品は西欧文化のオワリを告げるような内容です。爛熟した文化はこのときを境として、別のものに変容していったのかもしれません。曲名がそのことを象徴しているかのごとくです。今日の演奏は何かに取り憑かれたように熱い思いに駆られたものでした。指揮者なしでもこういう演奏ができるんですね。

今日の公演内容は以下です。

 ピアノ&指揮:内田光子
 管弦楽:マーラー・チェンバー・オーケストラ

 モーツァルト:ピアノ協奏曲第19番ヘ長調 K.459
 R.シュトラウス:メタモルフォーゼン (指揮者なし)

  《休憩》

 モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466

  《アンコール》モーツァルト:ピアノソナタ第15番 ハ長調K.545より第2楽章 アンダンテ


予習の内容は以下です。(以前書いた内容のデッドコピーです。既に読まれたかたは読み飛ばしてくださいね。)

ここは内田光子の演奏で聴くべきところですが、その素晴らしい演奏は散々、聴いています。その上で、saraiの愛する最高の演奏を聴きます。予習というよりも楽しみです。
曲目が第19番 K.459と第20番 K.466とくれば、これは最愛のピアニスト、クララ・ハスキルの名演奏がたくさん残っています。
まず、第19番 K.459はハスキルの全録音8枚の中で最も録音と演奏の素晴らしい1枚がこれ。

 1959年2月19日、パリ(シャンゼリゼ劇場) コンスタン・シルヴェストリ指揮フランス国立管弦楽団

 これは最高の1枚です。何とステレオ録音です。音質もこれ以上ないほどの素晴らしさ。平林直哉氏の最高の仕事に感謝です。シルヴェストリ指揮のフランス国立管弦楽団はモーツァルトにしては少々、硬い印象ではありますが、立派な演奏と言えるでしょう。そして、ハスキルのピアノは非常に明確。やはり、純度の高い響きで格調ある演奏です。ハスキル・ファンとしては感涙ものと言える素晴らしい演奏と録音です。ハスキルを代表する1枚と言えます。どうして、世の中で評判にならないのか、とっても不思議です。第3楽章のハスキルの妙技、そして、それに触発されるかのように白熱するオーケストラ。これぞ、協奏曲と言える演奏に酔いしれるのみです。大変、感動します。会場から沸き起こる拍手と一緒に拍手します。まさにその場でライヴで聴いた思いになります。saraiの愛聴盤です。


次は第20番 K.466。名曲中の名曲ですね。ハスキルは11枚も録音を残しており、どれも素晴らしい演奏ばかりです。いずれもハスキルのファンならば、聴き逃せない演奏ばかりですが、とりわけ、1956年のカラヤン、1956年のミュンシュ、1959年のクレンペラーとのライヴ録音は素晴らしいの一語に尽きます。1954年のフリッチャイとのセッション録音、1954年のパウムガルトナー、1960年のマルケヴィッチも捨て去りがたい魅力に満ちています。やはり、ハスキルのピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466は大袈裟に言うと、人類の文化遺産の最高峰です。この中でsaraiの一番のお気に入りはこれ。

 1959年9月8日、ルツェルン音楽祭 オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団(AUDITEハイレゾ) カデンツァ:ハスキル

 前に聴いていたURANIAのCDも音質こそ悪いですが、素晴らしい演奏でした。しかし、新たにAuditeのダウンロード販売で入手したハイレゾ音源はまるで奇跡のように素晴らしい音質で、オーケストラもハスキルのピアノの響きも素晴らしく磨きあがっています。とりわけ、ハスキルのピアノの高域のピュアーな響きと低域の深みのある響きは感涙ものの素晴らしさ。AUDITEのルツェルン音楽祭のハイレゾ音源シリーズでは、フルトヴェングラーのシューマンの交響曲第4番も見事に蘇りましたが、これはそれを上回る出来です。この演奏で聴くハスキルの音楽は一段と芸術上の高みに上った感があります。潤いのある、磨き上げられたようなピアノの響きで哀感のある音楽を奏でていきます。まさに輝くような演奏に引き込まれてしまいます。第2楽章の深い詩情にあふれた演奏には絶句するのみです。第3楽章もパーフェクトな響きで音楽が進行します。これこそ、ハスキルのモーツァルトを代表する名演奏です。クレンペラーもさすがに立派にオーケストラを鳴らしています。名指揮者と組んだときのハスキルは一段と輝きを増します。第1楽章の冒頭はいかにもデモーニッシュな雰囲気のオーケストラ演奏ですが、ハスキルの品格の高いピアノが入ってくると状況が一変します。あの名匠クレンペラーもハスキルの品格に合わせた演奏に切り替えます。モーツァルトの音楽の純粋さを際立たせるようなピアノとオーケストラがこの名曲の本質を奏でていきます。これこそ、真のモーツァルトの音楽であることを実感させてくれます。


ウィーン・コンツェルトハウスの内田光子&マーラー・チェンバー・オーケストラのモーツァルトのピアノ協奏曲の夕べでは、2曲の名曲の間に、R.シュトラウスの晩年の傑作、メタモルフォーゼンが演奏されます。不思議なプログラムです。予習では今まで聴いていなかった演奏を選びます。これまで聴いた中ではフルトヴェングラーとクレンペラーが双璧の演奏でした。今日はこれ。

 1967年8月、ジョン・バルビローリ指揮ニューフィルハーモニア管弦楽団

カップリングされているのは、名演奏で有名なマーラーの交響曲第6番。しかし、このメタモルフォーゼンも素晴らしい演奏。戦後20年ほど経った時点での戦勝国側のイギリスのメンバーによる演奏ですが、まさに戦争には勝者も敗者もなく、残されたのは悲しみだけという厳然たる真実を告げるかのような魂の演奏です。カラヤン&ベルリン・フィルの美しいけれども、どこか空々しい演奏とは一線を画す演奏に思えます。


メタモルフォーゼンを聴き終えて、内田光子の知的なプログラム構成に思いを巡らせます。共通項は“悲しみ”です。モーツァルトの音楽はピュアーな表現の持つ悲しみ。R.シュトラウスは父親の影響もあって、モーツァルトの音楽を音楽を再興しようと、「ばらの騎士」などの名曲を作り上げましたが、それは悲しみではなく、ウィーン風の軽みに満ちたものでした。しかし、晩年はこのメタモルフォーゼン、4つの最後の歌、カプリッチョ、ダナエの愛などで透徹した悲しみを表現するようになりました。およそ、150年を隔てたモーツァルトの音楽とR.シュトラウスの音楽を“悲しみ”で繋ぎ合わせようというのが、内田光子の思いだと考えましたが、その答えはコンサートで聴きとりましょう。




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旅の試練・・・修行の道

パリの通算5日目。今日はパリからウィーンへの移動日。その前にまた、ホテル前の人気のパン屋のパンで朝ごはんと目論んでいました。配偶者が人気のパン屋さんでご帰還。なんと、悲しい知らせです。お目当てのバゲットが売り切れで、バゲットには違いないですが、巨大なバゲットの切ったものになったそうです。横に置いた携帯と比べると、その巨大さが分かりますね。

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皮だけをぼろぼり食べましたが昨日のバゲットの美味しさは半減。人生、なかなかうまくいかないものです。

さて、ホテルをチェックアウトして、シャルル・ド・ゴール空港に向かいます。もう、メトロの階段の試練は避けたいので、パリ北駅までバスで行くことにします。しかし、今、パリの町中、工事中。北駅行のバスも途中までしか行かないようです。少し歩いても階段よりはましです。この作戦はまんまと的中。階段の試練なしで北駅からシャルル・ド・ゴール空港行きのRER Bに乗ることができます。しかし、電車に乗った後が少しおかしい。途中からノロノロ運転です。遂には途中の駅で運転中止。次に来る電車に乗り換えだと親切な乗客に教えられます。ホームに降りると、何かの放送があり、皆、一斉に動き出します。例の親切な乗客から、別のホームから空港行きの電車が出ることを教えられます。しかし、ここは途中のローカル駅。もちろん、エスカレーターやエレベーターなどはなし。階段を下りて、また、登って、別のホームに行くと、まさに電車が出るところ。閉まりかけたドアをこじ開けて、後から来る配偶者を待ちます。何とかセーフ。しかし、せっかく、メトロの階段を回避したのに、結局はまたパリの階段の洗礼を受けます。えらい目に会いながらも無事、空港に到着。
空港ではセルフチェックインを何とか乗り切り、荷物のドロップオフに進みます。以前、ここでセルフドロップオフの大行列でえらい目にあったことがあります。今回はスムーズで行列もありません。やったねとほくそ笑みながら、ドロップオフのスタッフの前に立つと何か様子がおかしいです。隣のレーンへ行けと言ってます。でも隣のレーンにはスタッフがいません。変だと思ったら、やはり、今回もセルフドロップオフだったんです。でも、そのスタッフが手取り足取り、教育してくれながらのセルフドロップオフ。何とか荷物を預けて、送り出すことができました。

ウィーンには無事到着。送り出した荷物とも再会できました。CATに乗って、余裕でホテルに到着。なかなかいいホテルです。久しぶりにバスタブもあります。
ご機嫌でウィーン・ライフを楽しみます。
ホテルでディナーを食べた後、歩いて、コンサート会場のコンツェルトハウスに向かいます。15分ほどで到着。コンサートを楽しみ、帰りも楽です。

明日はお友達と会って、夜は久しぶりのウィーン国立歌劇場。オペラを楽しみます。



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戦慄のオペラ《サロメ》 何とカミラ・ニュルンドが代役に立つ嬉しい驚き@ウィーン国立歌劇場 2019.9.27

ウィーン国立歌劇場で本当に久しぶりにオペラを聴きます。最後に聴いたのは2015年6月のヒンデミットの歌劇「カルディヤックCardillac」。今日は4年ぶりです。そして、ウィーン国立歌劇場で聴くR.シュトラウスは格別です。ここでR.シュトラウスを聴くのは、2014年6月に歌劇「ナクソス島のアリアドネ」を聴いて以来、5年ぶりです。

ここで《サロメ》を聴くのは8年ぶり。サロメの演出はそのときから今でも変わっていません。演出家のボレスラウ・バルロクは既に故人です。8年前の2011年10月に聴いたサロメは最高に素晴らしい公演でした。オーケストラの究極の美に酔いしれました。このときの記事はここです。そして、タイトルロールのサロメを歌ったカミラ・ニュルンドが素晴らしく、その年のsaraiの音楽総決算でもネトレプコとガランチャ、デノケ、フリットリなどを尻目に、第1位に選出したほどでした。
そして、今日の驚きはそのカミラ・ニュルンドが代役で歌うことになったことです。正直、今日はあまり歌手には期待していなくて、もっぱら、オーケストラの演奏を聴くつもりでチケットを購入したんです。代役でがっかりすることが多いのに、代役で大喜びすることは稀です。以前、Yさんの代役でヒラリー・ハーンが登場したとき以来でしょうか。

今日は気合いを入れて、最前列で聴きます。こんなに明確にサロメのオーケストラパートを聴くのは初めての体験です。いやはや、ほとんどがウィーン・フィルのメンバーの演奏ですが、その熱の入った演奏に興奮します。とりわけ、木管奏者が目の前なので、うるさいくらい、よく聴き取れます。交響詩《英雄の生涯》を継承するフレーズが多いことに初めて気が付きます。交響詩をすべて完成させたR.シュトラウスが交響詩で磨き上げた管弦楽法を投入し、その上に声楽パートを積み上げて、20世紀の新しい形のオペラを築き上げたのはこの《サロメ》だったんですね。つい先日、R.シュトラウスは1940年代の晩年の作品が素晴らしいと書いたばかりですが、ちょっと修正しないといけません。晩年に加えて、初期のオペラ作品の《サロメ》、《エレクトラ》の前衛性・先進性は何物にも代えがたい魅力を放っています。続く《ばらの騎士》、《ナクソス島のアリアドネ》も素晴らしいので、結局、どれも素晴らしいとしか言えません。オペラに先立つ交響詩群も素晴らしいしね・・・。
ともあれ、この《サロメ》はオーケストラの素晴らしい演奏で目が眩みそうです。そして、サロメを歌うカミラ・ニュルンドは出だしこそ、ちょっと物足りない歌唱でしたが、アラン・ヘルドの歌うヨカナーンの登場以降の高域の透き通った歌声と強烈な叫び声にも似たフォルテの圧倒的な歌唱には圧倒されるだけです。オーケストラの遠慮ない音量の演奏にも負けない強靭な歌唱で、管弦楽と声楽の融合したR.シュトラウスの最高の演奏が続き、saraiはもう感動で胸が張り裂けんばかりです。8年ぶりに聴く《サロメ》はやはり凄かった! ウィーン国立歌劇場はR.シュトラウスの楽劇を聴く場なのでしょうか。恐ろしいほどの熱い演奏に感動一入でした。
なお、他の歌手陣も素晴らしく、ヘロディアスのリンダ・ワトソンはサロメを歌わせてもいいんじゃないかと思うほどの声量の素晴らしい歌唱。今まで聴いたヘロディアスで最高の歌唱。ヘロデのイェルク・シュナイダーは実は前回はナラボートを歌いましたが、今回はヘロデ。堂々たる歌唱でした。そして、期待のアラン・ヘルドのヨカナーンですが、絶好調のカミラ・ニュルンドに毒気を抜かれたかの如く、少し、存在感に欠けました。素晴らしい歌唱ではありましたが、カミラ・ニュルンドに張り合いきれませんでしたね。
また、演出と舞台装置は以前からと同じですが、7つのヴェールの踊りのカミラ・ニュルンドの踊りはダンサー顔負け。クリムト風の舞台装置と衣装もやはり、お洒落で20世紀初頭のモダンな雰囲気が醸し出されています。この《サロメ》は名作ですね。しばらくはこの演出が続くのでしょう。

今日のキャストは以下です。

指揮:デニス・ラッセル・デイヴィス
演出:ボレスラウ・バルロク
舞台デザイン:ユルゲン・ローゼ
管弦楽:ウィーン国立歌劇場管弦楽団 コンサートミストレス:アルベナ・ダナイローヴァ

ヘロデ:イェルク・シュナイダー
ヘロディアス:リンダ・ワトソン
サロメ:カミラ・ニュルンド (アウシュリネ・シュトゥンディーテの代役)
ヨカナーン:アラン・ヘルド
ナラボート:ルカニオ・モヤケ


予習の内容は以下です。

満を持して、予習したのはアンゲラ・デノケがサロメを歌ったブルーレイ・ディスク。凄いオペラです。それを実感させてくれる、素晴らしい演奏でした。デノケの絶唱とヨカナーンを歌ったアラン・ヘルドが素晴らしかったです。特に二人が絡み合うシーンでは聴き惚れてしまいました。歪んだ形の愛、聖と俗の対照、若きシュトラウスの天才たる音楽をデノケとヘルドは見事に歌い切ります。R.シュトラウスの音楽は今でも前衛を走ります。フィナーレでは言葉を失いました。

キャストは以下です。

サロメ:アンゲラ・デノケ(S)
ヘロデ:キム・ベグリー(T)
ヘロディアス:ドリス・ゾッフェル(Ms)
ヨカナーン:アラン・ヘルド(Br)
ナラボート:マルセル・レイヤン(T)
ベルリン・ドイツ交響楽団
指揮:シュテファン・ゾルテス

演出:ニコラス・レーンホフ
舞台デザイン:ハンス=マルティン・シュローダー

収録時期:2011年
収録場所:バーデン・バーデン祝祭劇場(ライヴ)



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ウィーンの休日・・・お友達とまったり

ウィーンの2日目。通算では7日目。今回、ウィーンで滞在しているホテルはウィーン・ミッテ駅そばのメルキュール・ビーダーマイアーでお洒落な路地を入ったところにあります。路地はなぜか色とりどりの雨傘で飾られています。

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とても居心地のよいホテルで満足しています。
今日はお昼ごろから日本からのお友達と初めて会います。saraiのブログの読者のかたです。たまたま、ウィーンの日程が重なったため、お会いすることになりました。昨夜は早朝に来年のシフの来日公演(ブラームスの後期のピアノ独奏曲をまとめて演奏してくれます。聴き逃せません。)のチケットをとるためにいったん起き出したので、朝の10時過ぎまで眠り込んでいました。朝食抜きで、そのお友達の待つホテルに。お約束の12時に初対面。saraiのブログを愛読していただいているので、初対面とは思えない親しさで会話が弾みます。内容はマル秘ですよ、もちろん。
ご一緒に近くのカフェ・ムゼウムでランチです。ランチメニューはスープと日替わりのメイン。どのカフェでも同じようなスタイルのランチが食べられます。こえが今日のメイン。魚のすり潰したものと緑野菜を皮で巻いて焼いたものです。

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最近のカフェ・ムゼウムは経営も変わり、以前と様変わりしたので、早々に退去して、saraiのホームグラウンドのカフェ・ハイナーに移動。美味しいケーキと紅茶で長い昼下がりを新しい友と過ごします。ケーキはアプフェルストゥルーデルとザッハートルテ。アプフェルストゥルーデルは温めてもらい、ザッハートルテは生クリームをつけてもらいます。

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話は弾みますが、夜のオペラの時間が迫ります。いったん、お別れして、ホテルで休養と正装への着替え。夜8時の開演に向けて、出発。U4でたった2駅目がカールスプラッツ。saraiはタキシード、配偶者は着物。最近のオペラに行くスタイルはこれで決まり。タキシードも3回のザルツブルク音楽祭、バイロイト音楽祭、そして、今年のルツェルン音楽祭で20回近く着て、何とか元が取れました。ウィーン国立歌劇場に行くと、先ほどのお友達と早々と再会。saraiと配偶者の晴れ姿をスマホで撮ってもらいます。読者のかたのご希望でその写真を公開します。

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今日のオペラはR,シュトラウスの楽劇《サロメ》。いまだに前衛的な戦慄のオペラをウィーン国立歌劇場は見事に公演。ひさしぶりのウィーン国立歌劇場は健在でした。

明日はウィーンのお友達と会って、ランチの後、大事な相談。当ブログでも近く発表できるでしょう。夜は久しぶりの楽友協会でコンサート。今回のヨーロッパ遠征も最後の夜となります。もう日本を発って、1か月ほどになるんですね。



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ブラームスに酔う フィリップ・ジョルダン&ウィーン交響楽団@ウィーン楽友協会 2019.9.28

ウィーン楽友協会のフィリップ・ジョルダン&ウィーン交響楽団のブラームスの交響曲チクルスの第2回目のコンサートです。チクルス2回とも聴こうとも思いましたが、重なった日程のほかのコンサート(内田光子)を聴くことにしたので、チクルス2回目の交響曲第3番と第4番だけを聴くことにしました。
で、このチケットは盲腸の手術直後の病床で配偶者に指示を出しながら、ネットで購入した価値あるチケットです。このチケットを取ろうとして、手術の麻酔もすぐに醒めました(笑い)。もちろん、配偶者は呆れていました。

苦労してゲットしたチケットは最前列の中央。楽友協会のステージは高いので、指揮台上の指揮者を見上げると首が痛くなります。音が頭の上を通り過ぎることはありません。ただ、対向配置のオーケストラのステレオ効果が良すぎて、頭の中で音をまとめ上げるのが大変ではあります。もうちょっと後ろの席にしておけばよかったですね。

ウィーン交響楽団のアンサンブルは格別によいわけではありません。最近は在京のオーケストラの水準が高いので、これくらいのアンサンブルでは今一つと感じてしまいます。ただし、この楽友協会のホールに響くブラームスの香りは素晴らしいです。ああ、ブラームスはいいなあと素直に納得します。フィリップ・ジョルダンの指揮も気持ちよいものです。前半の第3番はそのブラームスの香りを享受しているうちに例の第3楽章。まるで映画音楽のように有名になりましたが、美しい音楽であることは間違いありません。そして、第4楽章は熱いロマンで燃え上がります。熱を帯びた演奏で高揚して終了。満足です。

後半は有名な第4番。冒頭から、テンポ感のよい演奏でロマンティックな演奏。第3番よりはずっとアンサンブルのまとまりもよくなっています。最高のブラームスとまでは言えませんが、十分に魅惑的な演奏です。8割はジョルダンの指揮の賜物。素晴らしい第1楽章です。第2楽章も美しい演奏が続きます。感動一歩手前には至ります。勢いに満ちた第3楽章に続き、第4楽章で盛り上がりを見せます。すっきりとした演奏が続き、フィナーレ。ちょっとあっけない終わり方ではありましたが、及第点のブラームスです。

フィリップ・ジョルダンのブラームスは未知数でしたが、なかなかのレベルの指揮でした。これがウィーン・フィルだったらといけない想像もしてしまいます。高弦の輝きに満ちた響きがあれば、素晴らしい演奏になったかもしれません。ジョルダンの指揮姿は相変わらず、絵になります。8割満足のブラームスでした。

これで今回のヨーロッパ遠征のコンサート・オペラはすべて終了。このまま、日本帰国後のコンサートラッシュに突入します。

今日の公演内容は以下です。

 指揮:フィリップ・ジョルダン
 管弦楽:ウィーン交響楽団

 ブラームス:交響曲第3番ヘ長調Op.90

  《休憩》

 ブラームス:交響曲第4番ホ短調Op.98


予習の内容は以下です。(以前書いた内容のデッドコピーです。既に読まれたかたは読み飛ばしてくださいね。)

ブラームスの交響曲はたいていのCDは既に聴いています。ですから、ここはsaraiの敬愛する巨匠ハイティンクの演奏を聴いて、予習とすることにします。ハイティンクは3つのオーケストラと交響曲全集を録音しています。1972年のコンセルトヘボウ管、1994年のボストン交響楽団、2003年のロンドン交響楽団です。どれも名演ですが、特にロンドン交響楽団との全集を好んでいます。今回もそれを聴きましょう。

 ブラームス:交響曲第3番 2004年6月16、17日 ライブ録音

 ブラームス:交響曲第4番 2004年6月16、17日 ライヴ録音

第3番の演奏には意表を突かれました。抑えに抑えた自然体の演奏で、そこからはそこはかとないロマンが香り立ってきます。フランソワーズ・サガンの《ブラームスはお好き》で有名な第3楽章の美しいロマンには参ります。ハイティンクならではの第3番でした。

一方、第4番は堂々と前面にロマンを表出した素晴らしい演奏。大変、感銘を受けました。



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来年のウィーン:ヨーロッパ遠征30周年記念パーティーを豪華に開催

まだ、今回のヨーロッパ遠征も1日を残していますが、早くも来年の計画を詰めています。
来年はsaraiのヨーロッパ遠征30周年にあたります。1990年のゴールデンウィークに最初のヨーロッパ遠征をしました。ただし、これは旅の初心者だったので、オペラツアーに参加して、ウィーン国立歌劇場を訪問。死ぬまでに一度はウィーンでオペラを見たいと配偶者を説得してのヨーロッパ遠征でした。一度の筈が病みつきになり、ウィーン訪問だけでも今年で17回目の訪問になります。ヨーロッパ遠征は25回ほどでしょうか。

ともあれ、来年はヨーロッパ遠征も30周年になるのを機にヨーロッパ遠征は一応の打ち止めとしたいと考えています。体力も資金力も余裕がなくなりましたからね。
で、最後はヨーロッパ遠征の起点となったウィーンでぱーっと祝宴を開こうと思っています。家族や親しい友人たちと一緒にお祝いの会です。saraiと配偶者のお誕生会も兼ねます。
今日はその会場の下見です。音楽を聴くためにヨーロッパ遠征を続けてきたsaraiですから、音楽なしのパーティーはありえません。ウィーンで音楽と言えば、やはり、ウィーン・フィル。まさか、ウィーン・フィルをまるまる借り上げることは無理ですが、無理無理、ウィーン・フィルのメンバー4人に来てもらって、弦楽四重奏曲を弾いてもらうことで計画を進めています。
したがって、ミニコンサートの会場を兼ねたパーティー会場を来年の5月にレンタルするための下見です。ウィーンらしい華やかな会場を選択すべく、下見をしました。予算もあるので、いくつかのプランを検討中ですが、下見した会場で気に入ったのがこれ。素晴らしい会場です。

2019092901.jpg



2019092902.jpg



協力してくれる友人たちの力も借りて、実現したいと思っています。
ちなみにウィーン・フィルのメンバーに演奏をお願いしている曲はシューベルトの弦楽四重奏曲第15番か第14番《死と乙女》。これはsaraiの趣味による選曲です。実際に演奏される曲がどうなるかは未定です。
来年も楽しい年になるようです。



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いよいよ、ウィーンから帰国します

今、ウィーン国際空港で搭乗待ちです。帰りもターキッシュエアラインズです。これからイスタンブールまで飛んで、そこでトランジットして、成田には今日の夜、到着予定です。長旅でしたが、どうやら、大きなトラブルもなく、ヨーロッパ遠征を終えることができそうです。ウィーンの最終日はまず、今回、お世話になったモーツァルトにお礼を述べるためにザンクト・マルクス墓地のお墓に参り、合掌しました。後は美術三昧。美術史美術館とレオポルド美術館をはしご。最後までウィーンの文化を思いっきり、楽しみました。レオポルド美術館のエゴン・シーレのコレクションは今回も圧倒される素晴らしさでした。
空港では配偶者の最後のお楽しみ。ウィーン風スープを飲んで、搭乗室に駆け込みました。
ヨーロッパ遠征の長い旅のブログにお付き合いいただきありがとうございました。ブログランキングもお蔭で上位につけられました。御礼申し上げます。最後にもう一回プチをお願いしますね。



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イスタンブールでトランジット中

今、イスタンブール国際空港で成田行の飛行機の搭乗待ちです。どうやら、つつがなく、今回のヨーロッパ遠征を終えられそうです。さあ、懐かしの日本へ帰ろう。


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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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充実した心豊かなご様子に励まされます.
情報、有り難うございました.
いつか、ふらっと訪ねてみたいです.

09/27 09:23 天野哲也

昨日投稿した記事の一部に誤りがありました。ドイツ騎士団の中庭はパスしないで、ちゃんと見ていました。追記・修正しました。申し訳ありません。

08/07 00:28 sarai

えりちゃさん、saraiです。お久しぶりです。

これは昨年の9月のウィーンですが、現在のコロナ禍では、古き良き日という風情ですね。もう、ポスト・コロナでは、行けたにし

07/20 12:41 sarai

Saraiさま、
お元気ですか?
新型コロナウィルス、自粛中。
このウィーンの散策を読んでいると、なんだか切なくて悲しくなってきました。
次はいつ行けるのかな、とか思う

07/20 05:08 えりちゃ

はじめまして。ブログ拝見させていただきました。私は、個人ブログを運営しているyuichironyjpと申します。フリーランサーとして活動しており、フリーランスで稼ぐ方法や、

06/14 23:46 Yuichironyjp

ありがたいコメント、嬉しいです。マーラーのファンのかたにこそ、読んでいただきたかったので、気持ちを共有できた思いです。自然の中にこそ、マーラーの音楽の本質はあり

04/23 23:45 sarai

マーラーの作品を聴きながら、ブログを読ませていただいています。
読みながら画像を見て、マーラーの過ごした風景に想いを馳せて楽しんでいます。
素敵なブログをありがと

04/23 21:47 
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