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ハンブルク市立美術館:レンブラント、デ・ホーホ、ヴァン・ダイク、ルーベンス

2018年8月22日水曜日@ハンブルク/10回目

今日はハンブルクHamburgでゆったり散策。まずはハンブルク市立美術館Hamburger Kunsthalleで名画鑑賞。
2階の常設展示室で20世紀の作品の展示から古典的な絵画の展示に移りました。ゴシック、ルネッサンスを経て、オランダ黄金時代の作品が展示されています。

レンブラント・ファン・レインの《寺院のシメオンとハンナ》。1627年、レンブラント、21歳頃の作品です。この頃、レンブラントは画家としてデビューしたてで、小さなサイズで聖書の場面を描いた宗教画シリーズを展開していました。本作もその一枚です。この作品では、預言者シメオンが赤ん坊のイエスを腕に抱えており、そこから明るい輝きが放たれているようです。その背後には、賛美するように手を広げた預言者ハンナが立っています。ふたりが幼子イエスの中に救世主の姿を見出し、シメオンが祈っている両親のマリアとジョセフに預言を発表する瞬間が描き出されています。若きレンブラントがその才能を開花させたことがこの作品で実感させれます。

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レンブラント・ファン・レインの《マウリッツ・ホイヘンス、ハーグ市評議会秘書官》。1632年、レンブラント、26歳頃の作品です。ハーグ市評議会秘書官のホイヘンスの顔の左半分と彼の黒いローブの左肩の上の白いレースの襟は上からの光で照らされ、彼の体の右半分は暗いままで灰色の背景に対してかろうじて目立つ程度です。レンブラントは、同じ年にハーグの知事フレデリック・ヘンドリクの妻アマリア・ファン・ソルムスの肖像画を描いています。おそらく、レンブラントはその縁でホイヘンスの知り合いになったようです。レンブラントは肖像画家としてのキャリアをこうしてスタートさせたところですが、既に傑出した才能は明らかです。

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ピーテル・デ・ホーホの《愛の使い》。1670年頃、デ・ホーホ、41歳頃の作品です。ピーテル・デ・ホーホはオランダ黄金時代の風俗画家の一人に数えられ、とくにデルフト時代の風俗画はデルフト派の絵画として高く評価されています。ヨハネス・フェルメールとほぼ同時代を過ごし、フェルメールの作品にも影響を与えていることでも知られています。本作もいかにもフェルメールを連想させるような画面になっています。この作品は裕福なオランダ市民の私生活からのエレガントなシーンを描いています。身なりの良い若い女性が玄関で男性を応対し、その男性は主人に代わって愛の使者として彼女に手紙を届けます。女性はドレスの膝をつまみ、恥ずかしそうにメッセンジャーを見つめますが、好奇心と期待にあふれた様子です。フェルメールの作品と同様に絵画の中に日常のひとこまのドラマを封じ込めた風俗画の典型です。遠近法や光と影の使い方など、フェルメールの絵画を見ているような錯覚に襲われます。ただ、フェルメールの作品はさらに超精密な描き方が秀逸なのですが・・・。

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アンソニー・ヴァン・ダイクの《紳士の肖像》。1618年頃、ヴァン・ダイク、19歳頃の作品です。ヴァン・ダイクは若くして、その才能がめざましく、本作を描いた頃はマスターとして独り立ちして、アントウェルペンに工房を開くとともに、当時隆盛を誇った巨匠ピーテル・パウル・ルーベンスの有力な弟子の一人となっていました。数年後にはルーベンスの筆頭助手となりました。本作は未知の貴族を描いた肖像ですが、描かれた貴族は椅子の上でわずかに右に傾いて座り、こちらを真剣かつ批判的な眼差しで見ています。彼の左手は彼の足に、彼の右手はしっかりと彼の腰にかかっています。彼の立派な衣服は、彼が上流階級であることを示しています。彼は、花柄の高級シルク生地で作られた黒いローブを身に着けており、肩にも黒いケープをかけ、それは身体の周りを覆っています。レースで作られた白いラフと手の込んだ装飾が施された袖口が魅力的なコントラストを形作っています。右側の背景にある膨らんだ赤いカーテンからは、その向こうの風景がはっきりと見えるようになっています。後に肖像画家として大成するヴァン・ダイクは既にこの若い時代から才を発揮していたんですね。

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アンソニー・ヴァン・ダイクの《羊飼いの礼拝》。1632年頃、ヴァン・ダイク、33歳頃の作品です。ヴァン・ダイクは肖像画を得意にしていましたが、肖像画以外にも歴史画、宗教画、神話画などにも優れた才能を見せました。ヴァン・ダイクは1621年の終わり、22歳頃にはイタリアへと居を移し、ジェノヴァを拠点にイタリア各地で活躍することになります。その後、1627年、28歳頃にアントウェルペンへと戻り、5年の間フランドルの人々の肖像画を洗練された優美な作風で描きました。そして、イングランド王チャールズ1世に招かれて、ロンドンで肖像画家として一世を風靡することになりますが、本作はその直前に描かれたものでしょう。この時期のヴァン・ダイクは肖像画だけではなく、大規模な祭壇画など多くの宗教画を手がけましたが、この作品もそのひとつです。マリアに抱かれた幼子イエスが礼拝されている様子が描かれています。

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ピーテル・パウル・ルーベンスの《聖母被昇天》。1616年頃、ルーベンス、39歳頃の作品です。ヴァン・ダイクの師匠だった巨匠ルーベンスの作品です。ルーベンスは、ブリュッセル大聖堂のノートルダム礼拝堂の祭壇画の準備のためにオイルスケッチを作成しました。聖母被昇天は17世紀初頭のオランダ南部で最も人気のあったテーマの1つでした。この作品はルーベンスの美点がよく出た美しい絵画です。なお、このテーマの作品はルーベンスが繰り返し描いたもので、最も有名な作品はアントウェルペンの聖母大聖堂に収蔵されている作品でしょう。そのほか、ウィーンの美術史美術館に収蔵されている作品、デュッセルドルフのクンストパラスト美術館に収蔵されている作品、デン・ハーグのマウリッツハイス美術館に収蔵されている作品などがよく知られています。

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次はいよいよ、楽しみにしていたフリードリヒの充実したコレクションが並びます。



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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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ありがたいコメント、嬉しいです。マーラーのファンのかたにこそ、読んでいただきたかったので、気持ちを共有できた思いです。自然の中にこそ、マーラーの音楽の本質はあり

04/23 23:45 sarai

マーラーの作品を聴きながら、ブログを読ませていただいています。
読みながら画像を見て、マーラーの過ごした風景に想いを馳せて楽しんでいます。
素敵なブログをありがと

04/23 21:47 

マーラー6番ですか・・・ハンマー打撃は勘弁してほしいものです。あったとしても、3回目の打撃だけは・・・

04/11 18:10 sarai

まさにマーラー6番な状況です笑

04/11 17:51 kico

お互い、残念でしたね。今年でヨーロッパ遠征を終わりにする予定でしたが、悲劇的な状況になりました。天はまだ我に旅を続けよというご託宣を与えたのでしょうか。1年延期

04/11 03:13 sarai

以前にもコメントさせていただいた者です。来ましたね、楽友協会からのメール。私たちはとりあえず1年延期としましたが、どうでしょうね。困っている人が多い中贅沢な悩み

04/11 00:33 kico

お返事ありがとうございます。
本当に!私もレイルジェットや美術館の手配もしているので、祈るような気持ちです。

03/10 19:06 kico
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