今年は国内・海外合わせて、厳選したコンサート・オペラに計97回足を運びました(昨年の計94回、一昨年の計70回に比べて、最高記録です。これでもちょっと抑えたんですけどね。)。それらについてはすべて当ブログで報告済みですが、今回から4回のシリーズでそれらからベストのコンサート・オペラを選んで、今年の音楽の総決算としたいと思います。
今回はピアノ・リサイタルと室内楽編です。今年はこのジャンルをそれほど聴けませんでした。計25回です(昨年は計43回、一昨年は計31回)。内、ピアノ・リサイタルが13回、弦楽四重奏曲コンサートが9回、その他の室内楽コンサートが3回です。で、今年も、ピアノ・リサイタルと室内楽コンサートに分けて、ランキングしてみます。
ちなみに昨年の結果はここです。
まず、ピアノ・リサイタル部門です。ベスト5は次の通りです。
1位 究極のピアニズム! ユリアンナ・アヴデーエワ ピアノ・リサイタル@東京オペラシティ コンサートホール 2019.2.19
2位 飛翔する詩情、シューマンの幻想曲 田部京子@浜離宮朝日ホール 2019.7.26
3位 圧倒的なフィナーレ バッハ:イギリス組曲第4番~第6番ほか The Bach Odyssey Ⅹ アンジェラ・ヒューイット@紀尾井ホール 2019.10.4
4位 現代のヴィルトゥオーゾ、シューマンの狂気に肉薄 アンドレイ・ガヴリーロフ ピアノ・リサイタル@横浜上大岡ひまわりの郷ホール 2019.6.30
5位 若きブラームスの狂奔するロマン クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル@横浜みなとみらいホール 2019.3.16
次点 河村尚子の成熟への道 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ・プロジェクト Vol.3@紀尾井ホール 2019.4.25
ユリアンナ・アヴデーエワはショパンも最高だし、シューマンも見事だし、シューベルトも聴き応え十分。さらにアンコールも素晴らしい。これ以上の満足はないピアノ・リサイタルでした。
うーん、田部京子のシューマン、最高! 最高の幻想曲を聴きました。来年はいよいよクライスレリアーナが聴けます。超楽しみです。
アンジェラ・ヒューイットがイギリス組曲の第6番で実に素晴らしい演奏を聴かせてくれました。今回のイギリス組曲で最高の演奏でした。アンジェラ・ヒューイットの“バッハ オデッセイ”も今年で完了です。
アンドレイ・ガヴリーロフの破格さは比類のないものだと思いました。こんな凄いピアニストが聴けて、幸運でした。シューマンの潜在的な狂気も感じました。
クリスチャン・ツィメルマンの弾くブラームスのピアノ・ソナタ第2番が素晴らしかったんです。ブラームスの若い頃の作品であまり演奏機会はありませんが、名曲であることを実感させてくれるような熱い演奏でした。
次点は河村尚子のベートーヴェンのソナタのシリーズです。ピアノ・ソナタ 第29番 変ロ長調 Op. 106「ハンマークラヴィーア」の第3楽章の中間以降の成熟した演奏の深みのある表現、さらに第4楽章の圧倒的な迫力に脱帽です。
次は室内楽部門です。ベスト5は次のとおりです。
1位 幽玄なバルトークの世界:ハーゲン・クァルテット@トッパンホール 2019.10.2
2位 インティメットな表現の極み:クァルテット・ベルリン=トウキョウ@鶴見サルビアホール 2019.2.7
3位 これぞ、ベートーヴェンの最高傑作Op.131:関西弦楽四重奏団@鶴見サルビアホール 2019.4.15
4位 バルトークは常に前衛であり続ける! パトリツィア・コパチンスカヤ ヴァイオリン・リサイタル@トッパンホール 2019.1.14
5位 渡辺玲子 ヴァイオリン・リサイタル@横浜上大岡ひまわりの郷ホール 2019.4.21
次点 シューマンの超名演を堪能:アポロン・ミューザゲート・クァルテット@鶴見サルビアホール 2019.6.6
ハーゲン・クァルテットのバルトーク最高でした。バルトークの第3番といえば、バルトークで最も先鋭的な作品。冒頭の響きは宇宙の深淵を感じさせるミステリアスな響き。素晴らしいアンサンブルでした。
クァルテット・ベルリン=トウキョウのシューベルトの弦楽四重奏曲 第15番は圧巻の演奏でした。大曲ですが、細部の隅々までじっくりと聴かせてもらいました。パーフェクト!という賛辞を送りましょう。
関西弦楽四重奏団は見事にベートーヴェンの最高峰の音楽、弦楽四重奏曲 第14番 嬰ハ短調 Op.131を演奏・表現してくれました。まさに会心の演奏でした。
パトリツィア・コパチンスカヤのヴァイオリン・リサイタルは凄いコンサートでした。アンコール曲も凄かったし、お洒落でした。
渡辺玲子は何も文句のない素晴らしい演奏でした。とりわけ、プロコフィエフのヴァイオリン・ソナタ 第1番は気合十分で圧倒的。時折現れるリリックなパートも緊張感のある美しさ。グァルネリ・デル・ジェスの名器を弾きこなす器の大きささえも感じさせる渡辺玲子の会心の演奏でした。
次点のアポロン・ミューザゲート・クァルテットの響きの美しさは格別です。そして、物凄いシューマンでした。
次回はオペラ編です。
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