巷でコロナ・ウィルス騒ぎになる、ずっと前に冬の温泉に行かんとして、選んだのがグランピング。もちろん、初体験です。考えてみれば、コロナ・ウィルスを避けて、楽しみを求めるにはこんな恰好のものはありません。野外で人との距離を取っての活動ですから、感染するわけありません。もちろん、どんなときも細心の注意が必要なことは言うまでもありません。
アクティに乗って、熱海駅に到着。
考えてみれば、電車で熱海に来たことは記憶にありません。いつも車でした。その愛車プリウスは昨年、処分しました。今日は駅から歩いて、熱海の海岸に出てみましょう。仲見世商店街を抜けて、坂道を歩いていると、和菓子の名店、石舟庵が目に入ります。ちょっと寄ってみましょう。配偶者は苺大福、saraiは抹茶の皮で粒あんをくるんだお菓子を店内でいただきます。
お店の窓からは熱海の海が見下ろせます。
熱海の町歩きの途中で立ち寄るにはよいお店です。接客も親切です。
さて、また、坂道を下りて、海岸に着きます。意外なことにマリーナがあるんですね。
マリーナの左にはビーチがあります。いわゆる、熱海の海岸ですね。熱海の海岸と言えば、貫一・お宮。後でお宮の松を見に行きましょう。
海岸から熱海の町を一望します。大きな温泉町ですね。すっかりさびれているかと思いきや、何と若い人たちで町は賑わっていました。若者たちは熱海プリンや海鮮料理のお店に大行列。後で知り合った若い女性によると、熱海プリンを買うために20分も並んだそうです。熱海プリンって何? 彼女も知らないでSNSの情報だけで並んだそうです。そうなんだ。ともかく、大きな町です。それに賑っている。
町はずれには、有名なホテル・ニューアカオが見えます。その背後の山の上には熱海城が見えます。
と、けたたましい音を響かせて、熱海港に船が突入してきます。船体のほとんどが海上に浮き上がっています。高速船ですね。
さて、お宮の松を探しましょう。これかな。
違いますね。松ではなくて、熱海さくら。釜鳴屋平七の像です。誰でしょう。なにやら、板に説明が書いてありますね。
砂浜沿いを歩きます。
ありました! 貫一・お宮の像です。尾崎紅葉の金色夜叉でしたっけ。
その横にお宮の松。
でも、この松は当初の松ではないようです。これが初代の松の太い幹の断片。
さて、そろそろ、グランピングのお宿の車が迎えに来る頃なので、駅前に戻ります。途中、平和商店街で蛸棒なるものをつまみます。なかなか美味です。
駅前で待つこと暫し。予定の時間に送迎車がやってきます。7人乗りの小さな車は満席。狭い山道を10分ほど走り、お宿に到着。《ゆとりろ 熱海伊豆山》というお宿です。まずは本館でチェックイン。美しいしつらいのロビーには足湯もあります。その足湯の大きなウィンドウ越しに海も遠望できます。
さて、今日、泊るのはこのお宿に付属する《ゆとりろグランピングガーデン》。このお宿の本館の地下一階の通路を抜けていきます。本館を出ます。
散策路の先にグランピングガーデンがあるようです。
散策路への階段を下りていきます。
散策路の先は竹林です。
そちらに行かずに右手に下りる階段の下にはグランピングガーデンが見えています。
階段を下りると、グランピングの宿、わずか6棟だけが並んでいます。木製の四角い箱がグランピング棟です。
グランピング棟以外は共用のトイレ、シャワー、自動販売機だがあります。この一見、質素さがグランピングのありかたを示しています。グランピング棟には、トイレもお風呂も、さらにはテレビもWIFIもありません。これが現代の贅沢さの極みなんです。
これが今日、我々が滞在するグランピング棟。住箱と呼ばれる細長い木製の宿泊棟とその前にウッドデッキがあります。ここであっと気が付いた、あなたは偉い。そうです。これは現代の日本の建築界を担う隈研吾がデザインに関与したものです。木材の建築と言えば、隈研吾ですからね。
ウッドデッキの中央には、バーベキュー設備が鎮座しています。今日はここでバーベキュー料理をいただくんです。
ともあれ、住箱の中を拝見しましょう。住箱は実はトレーラーハウスなんです。階段を上がった端に入り口があります。
細長い住箱の中はソファーの置いてあるリビングスペースとクイーンサイズのベッドです。配偶者によれば、ソファーはベッドにもなるようです。室内が仄暗いのはまだ、窓のロールカーテンが閉まっているからです。
奥は一面、ベッドだけ。潔いですね。
高級ホテルにもない広さのベッドは安眠を約束してくれます。
ベッドから入り口を眺めて様子です。滞在に最低限必要なものだけですが、それにしては大きなソファーは無駄は排除するけれども、ある意味、贅沢さとは何かを考えさせます。
窓のロールカーテンを開けると、ウッドデッキ上に張られた天蓋用のテントだけが見えます。
ベッドの奥の窓からは周りの樹木だけが見えます。何にもない幸せです。
今、ブログを書いているのは住箱の中。深夜です。PCから流れる田部京子の演奏する吉松隆の《真夜中のノエル》が静かな闇の中に響きます。テレビもネットもない。あるのはノートPCだけ・・・。それで十分かもしれません。
時間を戻します。ソファーに座って、室内の小さなテーブルと外のウッドデッキを眺めています。だんだんと充実感に浸ります。
やがて、お宿のスタッフがクーラーボックスを持ってきてくれます。
中には水とハイネケンのビールとカルピスウォーター。無論、無料です。
冷蔵庫はないのでこのクーラーボックスを冷蔵庫の代わりに使います。持参したカヴァを早速、入れます。
配偶者が共用設備を偵察に出かけます。自動販売機とシャワールームが2つあります。もちろん、温泉はありませんが、それは本館にある大浴場が利用できます。
シャワールームの中です。簡素ですが、清潔です。もっとも温泉に入るので使いません。
やがて、スタッフの方がバーベキュー台に熾した炭を入れてくれます。
食材も並べてくれます。食事の準備がOKのようです。
すべての準備ができました。バーベキューのコンロの上にはダッチオーヴンが置いてあります。ダッチオーヴンの中身はお楽しみ。奥のお皿の上はバーベキューで焼く食材。手前の皿はシーザーズサラダ。
さあ、カヴァをクーラーボックスから出して、食事を始めましょう。グランピングの楽しみは何と言っても野外でいただく食事です。
たっぷりとチキン、ビーフ、ソーセージ、ハム、野菜を炭火で焼いていただきました。
で、最後にダッチオーヴンの中身をいただきます。
これがダッチオーヴンの中身、その1です。豪華な魚介と野菜のブイヤベースです。
ダッチオーヴンの中身、その2.シラスのピザです。
最後のシメはダッチオーヴンに残したブイヤベースのスープにご飯を投入。もうもうたる湯気が立ち上ります。
ウッドデッキから明るく輝く住箱の光を眺めます。
また、スタッフの方が来て、ウッドデッキの端で焚火を焚いてくれます。これは暖かくていいですね。
ブイヤベースのおじやは生卵を投入して完成。お腹いっぱいですが、いただきます。
焚火の中にはお約束のサツマイモを仕込んで、焼きいもがデザートです。その前にマシュマロを焚火であぶっていただきます。
焚火で暖まりながら、グランピングも終了。
何が贅沢で何が質素なのか、グランピングとは奇妙なものです。
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テーマ : 国内旅行
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