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亡き母の四十九日・・・母の成就した思い

今週は実家に帰省しています。こちらは東京で大変なことになっているコロナ・ウイルスとは無縁な感じで一見、平穏です。移動に使った飛行機もガラガラで異常な状態ではあります。ともあれ、無事に家族だけで亡き母の四十九日の法要とお墓への納骨を済ませました。子として、親にしてやれる最後のことを終えた感じです。母の居ない実家に配偶者と一緒に滞在するのは何ともシュールな思いに駆られます。高校卒業までは両親と暮らした家に今は50年近く連れ添っている配偶者と二人でいるのは奇妙でしかありません。この家も空き家になるので、一昨日、遺品整理と解体の業者を呼び、最後の整理にはいっています。母が常々、「私が死んだら、どうなるのかしらね?」と言うたびにsaraiが「僕がちゃんと整理するから、心配しなくていいよ。」と言ってきたことが現実になり、ある意味、最後の親孝行になるのは悲しいことです。

自分たちでも家の中を見て回り、遺品の整理をしていますが、配偶者が白い表紙の本を探し出してくれました。開いてみると、30年前に72歳で亡くなった父の最後の20日間ほどの日々を綴った日記でした。筆跡が父のものと違うと思っていたら、何と父の口述を母が代筆したもの。最後の5日間は口述もままらならぬようになり、母が父の死後にまさに代筆していました。亡くなった日で終わるのかと思っていたら、その後は母が日記を書き繋いでいました。4年ほどで終わっていましたが、父の思い、母の思いがつまった貴重な日記でした。両親の供養にというか、自分自身の好奇心にも駆られて、今まで熟読していました。

父の壮絶な闘病の毎日と母の献身的な看病、そして、母の悲しい思いと喪失感にあふれた内容に絶句することもしばしばで読み続けました。母の「お父さんが恋しい。いつか、一緒にお墓に入る日まで待っていてね。」という言葉で締めくくられていました。その日から、26年ほどが過ぎ、今日、母の納骨を終え、母のその言葉が成就しました。よかったね。

古いアルバムも見つけ、家族で一緒に色んな古い写真を見ました。saraiがまだ、4歳か5歳くらいで、ベレー帽を被り、佐久間ドロップの缶を持ち、母に優しく抱かれている写真がありました。もちろん、そんなに幼い日の記憶はありませんが、母の優しい眼差しに包まれたsaraiの子供の頃の幸福感を見ると、ああ、そんなに充足していた子供の頃にタイムジャンプして帰りたいと心の底から思わずにはいられません。強い感動にただただ、涙をこらえるだけです。幸せな思いに浸ることのできた、母との最期の別れの日になりました。



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Author:sarai
首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

通りすがりさん

コメント、ありがとうございます。正直、もう2年ほど前のコンサートなので、詳細は覚えておらず、自分の文章を信じるしかないのですが、生演奏とテレビで

05/13 23:47 sarai
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