fc2ブログ
 
  

個人としてのコロナ対策は・・・マンハイム美術館:ジャコメッティ、アルプ、マネ、ビュッフェ、リーバーマン、ベックマン、ホドラー

2018年8月28日火曜日@ハイデルベルク~マンハイム/14回目

まずはコロナウイルスについてですが、メルケル首相が代表するドイツ政府の対応には頭が下がる思いです。とりわけ、文化に対する支援の姿勢には感服するばかりです。日本では政府に期待することは極めて難しいでしょう。ですから、saraiは個人として、コンサートのキャンセルで経営が困難になっているオーケストラへの寄付をしました。saraiとしては多額の寄付です。いつも感銘を与えてくれるオーケストラ(もちろん、贔屓のT響です)が存続してもらわないと困りますからね。皆さんも是非、贔屓のオーケストラや文化団体に寄付しましょう! さあ、一昨年の旅にタイムジャンプします。

この旅の最後の目的地であるマンハイムMannheimで散策中です。まずはフリードリヒ広場Friedrichsplatzに面したマンハイム美術館Kunsthalle Mannheimで美術鑑賞中です。

アルベルト・ジャコメッティAlberto Giacomettiの1950年、49歳頃の作品、《3つの体と一つの頭のコンポジション(広場)Composition avec trois figures et une tête (la place)》です。ジャコメッティはその特異な形態の彫刻で知られますが、その特徴的な彫刻は戦後からのものだそうです。特に針金のように引き伸ばされた細い彫像はこの1950年からのものだそうです。この作品もその一つです。こういう禁欲的で単純化された彫刻はミニマル・アートの一形態とも思えます。

2020041101.jpg



ハンス・アルプHans Arpの1958年、71歳頃の作品、《月の果実のトルソTorse-fruit lunaire》です。アルプの制作する彫刻は具体彫刻(コンクレシオン)と呼ばれる、丸みを帯びた優しい感じの彫刻です。コンクレシオンはアルプの創造する新しい生命体であり、自然の中の木や花と並び立つものです。ですから、彼の彫刻には正面という概念はなく、ぐるりと周囲を巡りながら、あるいは上から見下ろしながら鑑賞するものです。

2020041102.jpg



別の角度から見ると、椅子のようにも見えますが、そういう無機的なものではなく、有機的なものを想像すべきでしょうね。

2020041103.jpg



マンハイム美術館はフリードリヒ広場に面した新館と奥の旧館から成りますが、最初は奥の旧館の展示室を周っていました。今は新館の展示室に移っています。大きなガラス越しに緑あふれるフリードリヒ広場が見えます。

2020041104.jpg



ぐっと左のほうに視線を移すと、給水塔Mannheimer Wasserturmが見えます。

2020041105.jpg



エドゥアール・マネÉdouard Manetの1868年~1869年、36~37歳頃の作品、《皇帝マクシミリアンの処刑L'exécution de l'empereur Maximilien》です。マネはいつもスキャンダラスな絵画を描きます。この作品では、ハプスブルグ家のメキシコ皇帝マクシミリアンが先住民出身のメキシコ大統領ベニート・フアレスらの巻き返しにより、帝位を取り消され、側近の将軍2名とともに銃殺刑に処せられたことを題材にしています。この絵画もいかにもモネらしい作品になっています。どうにも、saraiはこういうマネの作品が好きになれません。芸術家にはあるまじき感性が匂ってくるからです。作品そのものはマネの黒と称賛される技術の高さは感じますけどね。

2020041106.jpg



マンハイム美術館の新館は天井のガラス窓からの陽光が広々とした空間に差し込む、素晴らしいデザインの建物です。

2020041107.jpg



ベルナール・ビュッフェBernard Buffetの1955年、37歳頃の作品、《ホテル フォーブルL'Hotel Faubourg》です。この絵を見るなり、配偶者と目を合わせます。すぐにビュッフェの絵だと二人とも同時に分かったからです。日本には三島にビュッフェ美術館があり、しばらく、定期的に通っている時期がありました。ですから、ビュッフェの絵はすぐに分かります。まるで定規できちんと描いたような直線で構成されている絵は独特です。この作品もそうですね。このビュッフェの絵を見ると、妙に懐かしく感じます。

2020041108.jpg



マックス・リーバーマンMax Liebermannの1919年、72歳頃の作品、《ヴァンゼー庭園のフラワーテラスDie Blumenterrasse im Wannseegarten nach Norden》です。ヴァン湖(ヴァンゼー)は、ドイツのベルリン南西部のシュテーグリッツ=ツェーレンドルフ区に位置しています。日光浴やレクレーションスポットとしてよく知られています。この風光明媚な地にリーバーマンの別荘でもあったようです。この作品では、リゾート地での美しいフラワーテラスが描かれています。この頃は彼の栄光に満ちた時代でした。ちなみにリーバーマンはこの翌年の1920年から1932年までプロイセン芸術院の総裁の地位にいましたが、ナチスの台頭でその地位を降り、1935年に寂しい死を迎えます。87年の生涯の最後は苦難に満ちていました。

2020041109.jpg



マックス・ベックマンMax Beckmannの1912年、28歳頃の作品、《恋人たちDas Liebespaar》です。この作品の詳細は分かりません。この頃は既にベックマンは表現主義的な絵を完成させていましたから、こういう写実的な絵はごく親しい仲の人を描いたと思われます。題名とそぐわない感じの年恰好の二人が描かれています。

2020041110.jpg



フェルディナント・ホドラーFerdinand Hodlerの1907年、54歳頃の作品、《エンガディンの雪Schnee im Engadin》です。エンガディンはスイスのサンモリッツを含む地方です。アルプスの雪の風景が描かれています。ホドラーの描くアルプスの風景はとても美しいですね。

2020041111.jpg



もう、最後の展示室です。残りわずかな作品の中に気になるものを探します。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!







テーマ : ヨーロッパ
ジャンル : 海外情報

人気ランキング投票、よろしくね
ページ移動
プロフィール

sarai

Author:sarai
首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

来訪者カウンター
CalendArchive
最新記事
カテゴリ
指揮者

ソプラノ

ピアニスト

ヴァイオリン

室内楽

演奏団体

リンク
Comment Balloon

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

通りすがりさん

コメント、ありがとうございます。正直、もう2年ほど前のコンサートなので、詳細は覚えておらず、自分の文章を信じるしかないのですが、生演奏とテレビで

05/13 23:47 sarai
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR