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ベルヴェデーレ宮殿のオーストリア・ギャラリー:クノップフ、ムンク、ゴッホ、ホドラー、シュトゥック、セガンティーニ、ロダン

2019年9月8日日曜日@ウィーン/4回目

ベルヴェデーレ宮殿Schloss Belvedereの上宮Oberes Belvedereにあるはウィーン美術史美術館に次ぐ規模のオーストリア・ギャラリーÖsterreichische Galerie Belvedereで絵画鑑賞中です。
クリムトの初期の3枚の肖像画を見たところです。この後もクリムト、シーレの作品を中心に楽しみます。

フェルナン・クノップフFernand Khnopffの1894年、36歳頃の作品、《穏やかな水面Unbewegtes Wasser》です。クノップフはベルギーの画家で、ベルギー象徴派の代表的な人物です。この作品はある意味、クノップフらしくない作品ですが、決して、saraiの期待を裏切るものではありません。静謐な自然の描写は画家自身の内面の鏡像にも思えます。また、この頃、頻繁に訪れていた英国の伝統的な風景画に根ざすものなのかもしれません。素晴らしく美しい絵に深い感銘を受けました。

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エドヴァルド・ムンクEdvard Munchの1908年、45歳頃の作品、《海辺の男たちMänner am Meer》です。エドヴァルド・ムンクは、20世紀のモダニズムのパイオニアの1人です。 彼の衝動的な筆遣い、色彩の適用は、表現主義アーティストにとって模範的なものでした。 この作品では、海辺に立つ二人の入浴者は、アーティストの意図的なスケッチ、パスト(厚塗り)と水彩の間で微妙に変化する油絵の描き方で、感情を与えられます。 ここでは風景の印象は重要ではなく、文学的な物語の象徴でもありません。 色と色のコントラストの感情的な感覚、絵画の構成効果は、2つの男性の肉体の精悍さと同義なものです。

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フィンセント・ヴィレム・ファン・ゴッホVincent Willem van Goghの1890年、37歳頃の作品、《オーヴェールの平原Die Ebene von Auvers》です。ゴッホが最晩年を過ごしたオーヴェールで、農村風景を描いた12枚のシリーズの1枚です。麦畑の周辺に広がる大地を明るい色彩の連なりで描いています。しかし、強烈な太陽の輝きはなく、曇り、または雨後を連想させる緑や青の色彩が画面を支配しています。この独特とも言える風景画はゴッホにしか描けない心象風景とも思えます。

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フェルディナント・ホドラーFerdinand Hodlerの1900年、47歳頃の作品、《感情Ergriffenheit》です。ホドラーはスイスの画家で、グスタフ・クリムトと並んで世紀末芸術の巨匠とも言われます。この作品はホドラーの独自の女性の描き方で、女性がその内面を示すポーズ(この場合は手の形や足の置き方、首の傾げ方)を見せています。背景はホドラーがその終生を過ごしたスイスのアルプスの風景です。

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フランツ・フォン・シュトゥックFranz von Stuckの1891年、28歳頃の作品、《喪失Verirrt》です。フランツ・フォン・シュトゥックは世紀末のミュンヘンで活躍したドイツの奇想の画家です。ミュンヘン美術院の教授として、パウル・クレー、エルンスト・ルートヴィッヒ・キルヒナー、ワシリー・カンディンスキーなどを教え子に持ちます。この作品は初期のものですが、不思議な状況のどことも知れぬ空間に痛みを抱える男が描かれています。まさにシュトゥックワールドです。幻想的とも象徴的とも思えます。saraiも一度はミュンヘンのヴィラ・シュトゥックVilla Stuckを訪れたいと念願していますが、いまだ果たせずにいます。

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ジョヴァンニ・セガンティーニGiovanni Segantiniの1894年、36歳頃の作品、《悪しき母達(嬰児殺し)Die bösen Mütter》です。セガンティーニはイタリアの画家で、アルプスの風景などを題材とした絵画を残し、アルプスの画家として知られています。saraiはその薄っぺらく感じられる作風が好みではありません。しかし、この作品を見て、すぐにセガンティーニを連想できずに、虚を突かれた思いです。何と美しい作品なのでしょう。こういうセガンティーニの作品を見ていたら、きっと、saraiの好みの画家の一人になっていたでしょう。この作品はその主題の陰惨さに似合わずにとても美しい作品に昇華しています。逆に美しいアルプスの風景を描くと、その対象の美しさに負けてしまったのではないかと思ったりします。芸術とは何と難しくて、意地悪でもある世界なのでしょう。この作品を見て、saraiは芸術の美とは何かと少し考え込んでしまいました。

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フェルナン・クノップフFernand Khnopffの1896年、38歳頃の作品、《ニンフの半身像(「ヴィヴィアン」)Halbfigur einer Nymphe ("Vivien")》です。クノップフには珍しい彫刻作品です。しかし、絵画作品と同様に実に官能的な美が成就されています。モデルは愛する妹マルグリットでしょうか。ちなみにヴィヴィアンという名前はアーサー王伝説に登場する湖の乙女の名前に由来するものかな・・・。

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フランソワ=オーギュスト=ルネ・ロダン François-Auguste-René Rodinの1909年、69歳頃の作品、《グスタフ・マーラーGustav Mahler》です。ウィーン国立歌劇場のホワイエにもロダンによるマーラー像がありますが、同じ形態のものですね。以前、パリのオルセー美術館でのマーラー展でも見ましたが、あれはこの美術館のものだったのかしら。ウィーンとマーラーは切っても切り離せないものですね。このマーラー像はマーラーが亡くなる2年前にパリのロダンのアトリエを訪れて、モデルになったのだそうです。マーラーが49歳の頃ですね。ちなみにロダン自身の音楽の好みはモーツァルトなどの古典派作品だったそうです。

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この後、クリムトの名作が並び、続いて、いよいよシーレも登場します。



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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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昨日投稿した記事の一部に誤りがありました。ドイツ騎士団の中庭はパスしないで、ちゃんと見ていました。追記・修正しました。申し訳ありません。

08/07 00:28 sarai

えりちゃさん、saraiです。お久しぶりです。

これは昨年の9月のウィーンですが、現在のコロナ禍では、古き良き日という風情ですね。もう、ポスト・コロナでは、行けたにし

07/20 12:41 sarai

Saraiさま、
お元気ですか?
新型コロナウィルス、自粛中。
このウィーンの散策を読んでいると、なんだか切なくて悲しくなってきました。
次はいつ行けるのかな、とか思う

07/20 05:08 えりちゃ

はじめまして。ブログ拝見させていただきました。私は、個人ブログを運営しているyuichironyjpと申します。フリーランサーとして活動しており、フリーランスで稼ぐ方法や、

06/14 23:46 Yuichironyjp

ありがたいコメント、嬉しいです。マーラーのファンのかたにこそ、読んでいただきたかったので、気持ちを共有できた思いです。自然の中にこそ、マーラーの音楽の本質はあり

04/23 23:45 sarai

マーラーの作品を聴きながら、ブログを読ませていただいています。
読みながら画像を見て、マーラーの過ごした風景に想いを馳せて楽しんでいます。
素敵なブログをありがと

04/23 21:47 

マーラー6番ですか・・・ハンマー打撃は勘弁してほしいものです。あったとしても、3回目の打撃だけは・・・

04/11 18:10 sarai
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