今日の貴重な体験で音楽とは何かということを深く考えさせられました。きっちりした演奏技術が必須であることは大前提ですが、その上でいつも音楽性とか、精神性ということだけを重視してきました。しかし、本当に重要なのはそういうことではなく、“愛と信念”が音楽を至上のものに引き上げるということが初めて分かりました。“愛と信念”を指揮者、オーケストラ、聴衆が共有することこそ、音楽の奥義であると実感しました。コロナのために音楽を聴く機会は不自由になりましたが、音楽に対する“愛と信念”を持って、諦めずに遠いヨーロッパから映像出演という信じられないような形でのアプローチをしたノット、そのノットの心意気に反応して、“愛と信念”の演奏を聴かせてくれた東響のメンバー、そして、“愛と信念”でこの場に集まった聴衆、3者の“愛と信念”が一体化したことでありえないような素晴らしいコンサートが実現しました。
今日の素晴らしい演奏について、細部への言及は不要でしょう。ただ、熱い感動がありました。
来週のサントリーホールでの演奏、ベートーヴェンの交響曲第3番《英雄》はこれ以上の歴史に残るようなものになるかもしれません。お昼と夜の2回公演ですが、最初の昼の部のほうがより“愛と信念”を感じられるような気がします。東響のメンバーが最初の演奏で燃え尽きるかもしれませんからね。ちなみにsaraiが聴くのは夜の部。うーん、間違えたかな・・・。
今日のプログラムは以下です。
指揮:ジョナサン・ノット(ドヴォルザークに映像にて出演)
管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:水谷晃
ブリテン:フランク・ブリッジの主題による変奏曲 Op.10 (指揮無し)
《休憩》
ドヴォルザーク:交響曲第8番 ト長調 Op.88
最後に予習について、まとめておきます。
1曲目のブリテンの《フランク・ブリッジの主題による変奏曲》は以下のCDを聴きました。
ベンジャミン・ブリテン指揮イギリス室内管弦楽団 1966年12月 ロンドン、キングスウェイホール セッション録音
作曲家自身の指揮による美しい演奏です。
2曲目のドヴォルザークの交響曲第8番は以下のCDを聴きました。
ラファエル・クーベリック指揮ベルリン・フィル 1966年 ベルリン、イエス・キリスト教会 セッション録音
期待以上の素晴らしい演奏。ベルリン・フィルの美質を引き出したクーベリックの指揮が光ります。チェコ・フィルの演奏に並び立つレベルの演奏です。
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