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ウィーン散策:引っ越し魔モーツァルトの住居跡・・・夜はクルレンツィス指揮ムジカエテルナのモーツァルトのオペラ《コジ・ファン・トゥッテ》の最高の演奏に感動!

2019年9月9日月曜日@ウィーン/5回目

ウィーンのモーツァルトゆかりの地を巡る街歩きをしています。シュテファン大聖堂Domkirche St. Stephanからスタートして、現在はモーツァルトがコンサートを行った建物、今はカフェ・フラウエンフーバーCafé Frauenhuberがある建物の前です。
次はモーツァルトが亡くなったときに住んでいたところに行ってみましょう。ここからすぐ近くです。ケルントナー通りKärntner Straßeに出て、少し歩くと、その場所に着きます。
もう、現在はモーツァルトが住んだ当時の建物はなく、今はシュテッフルデパートStefflになっています。とってもお洒落なデパートです。エレベーターで最上階の6階(日本流で言うと7階)まで上ってみます。

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もっともモーツァルト一家が住んでいたのは2階部分でした。モーツァルトはそこの広々とした6つの部屋、2つのキッチンからなるアパートメントに住んでいました。
デパートの最上階からケルントナー通りを見下ろします。

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モーツァルトの住居はケルントナー通り側ではなく、裏通りのラウエンシュタインガッセRauhensteingasse側の8番地にありました。いずれにせよ、ウィーンの旧市街のど真ん中ですね。彼の晩年はお金がなく、借金だらけでしたが、結構、贅沢をした上での借金生活だったようです。窓からは直ぐ近くにシュテファン大聖堂が見えます。ここで亡くなって、すぐ近くの大聖堂に遺体が運ばれて、葬儀になったわけです。

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視線を左に移します。旧市街の家並みがびっしりと建ち並んでいます。モーツァルトの雰囲気を感じさせるものは微塵もありません。

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デパートの前に出てみると、何と、このデパートのお隣がsaraiのお気に入りのカフェ、L.ハイナーです。何か因縁じみたものを感じます。いつもモーツァルトが亡くなった住居の隣でお茶していたんですね。

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ここから、モーツァルトが住んだ跡を尋ねて、グラーベン通りGrabenまで歩きます。通りの入口からグラーベン通りを見渡します。

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このあたりがモーツァルトがグラーベンで住んでいた29番地です。1784年1月にモーツァルト夫妻は2つのリビングルームと1つのキッチンを備えたアパートに引っ越します。次男のカール・トーマスはここで産まれました。このアパートの後に引っ越すのがドームガッセ5番地のフィガロハウスです。1784年10月1日に引っ越しました。フィガロハウスは4つの部屋、2つのキャビネット、キッチンを備えた贅沢なアパートメントでした。

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グラーベン通りをもう少し先に進むと、モーツァルトがコンスタンツェと結婚する前に住んでいたアパートがあった17番地があります。

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ここの3階に一部屋だけのアパートに住んでいました。1781年9月5日から1782年7月の終わりまでここで暮らし、オペラ《後宮からの誘拐》やハフナー交響曲を書いています。コンスタツェと1782年8月4日にシュテファン大聖堂で結婚式を挙げたのを機にここから引っ越します。ここの建物の壁に記念プレートがあるのを発見。

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モーツァルトはウィーンで11回ほど頻繁に引っ越しをしたそうです。ウィーンに永住したのは1781年5月の初めからで、1791年12月5日に亡くなるまでの10年間、ほぼ、毎年のように引っ越しをしていたんですね。さらにその間、プラハやドレスデン、ライプツィヒ、ベルリン、フランクフルト、ミュンヘンなどにも旅していますから、一つ所に腰を落ち着けることがなかったようです。それで膨大な曲を書いていたんですから、驚きます。
モーツァルトが住んでいたところのうち、5カ所ほど巡って、今回のモーツァルトの跡を尋ねる散策は終了。今回はさすがにいっぺんに全部周るわけにはいかないので、半分ほど周りました。それが実に狭いエリア内であることに驚きます。ベートーヴェンとは大違いです。おかげでsaraiの足には優しいですけどね。

最後は、姪っ子に頼まれた帽子をゲットしにグッチのお店へ。コールマルクトKohlmarktの5番地にあるので、すぐ近くです。お店に入り、姪っ子から送られてきた紙を見せてお願いすると、スタッフの方が探してきてくれます。よかったです。これで、大きな顔をして日本に帰れます。
お腹も空いていないので、すぐそばにあるカフェ・デーメルDemelでケーキでも食べて帰ろうかとしますが、とんでもなく混んでいます。大行列です。退散します。気分も盛り下がり、食欲もないので、近くのスーパーで食品を買い込んでホテルに戻ります。

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今日の散策のルートを地図で確認しておきましょう。

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ホテルで休憩して、英気を養い、オペラに出かけます。今日もクルレンツィス指揮ムジカエテルナのモーツァルトのダ・ポンテ3部作のオペラです。今日は《コジ・ファン・トゥッテ》を聴きます。
会場はウィーン・コンツェルトハウスWiener Konzerthausです。開演20分ほど前に到着。美しい建物です。

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一昨日の《ドン・ジョヴァンニ》も素晴らしかったのですが、今日の《コジ・ファン・トゥッテ》はそれ以上の最高の演奏でした。このオペラについての記事はここに書きました。
ところで、今日のオペラはコンサート形式。最近、ジョナサン・ノットがコンサート形式のオペラ演奏について、一文を書いていました。ノットはコンサート形式が大好きで、その理由は歌手とオーケストラがすぐ間近で、聴衆とも近い距離でそのオペラを感じてもらえるということだそうです。ただ、一つだけ問題になるのはオーケストラの“音量”で、オーケストラピットで抑えられる音量を制御をするのが難しいということです。
しかし、ジョナサン・ノットと東響のモーツァルトのダ・ポンテ3部作も見事な演奏でしたし、今回のクルレンツィス指揮ムジカエテルナの演奏も最高でした。ノットやクルレンツィスのような優れた指揮者が聴かせてくれるコンサート形式のオペラは最高に素晴らしいことをますます実感します。これからは変な演出のオペラよりもすっきりしたコンサート形式オペラのほうが音楽をより楽しめるような気がします。

これで今回の旅のウィーンでの前半の短い日程は終了。また、最後の日程のためにスイス・フランスの旅の後、16日後に戻ってきて、短い3日間でまた音楽三昧の予定です。明日からはグラーツGrazを経由して、スイスに抜けて、ルツェルン音楽祭でクルレンツィス指揮ムジカエテルナのモーツァルトのダ・ポンテ3部作のオペラを再度聴き、スイスアルプスを再訪し、フランスの西部、カルカソンヌ、ルルド、サン・セバスティアン(スペイン)、ボルドー、モンサンミッシェル、そして、パリを経て、ウィーンに戻ってきます。明日からは旅の記事が増えます。ご期待くださいね。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

通りすがりさん

コメント、ありがとうございます。正直、もう2年ほど前のコンサートなので、詳細は覚えておらず、自分の文章を信じるしかないのですが、生演奏とテレビで

05/13 23:47 sarai
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