絶好の天気の中、ピラトゥス山Pilatusに向かっています。登山電車、ピラトゥス鉄道Pilatusbahnの始発駅、アルプナッハシュタットAlpnachstadからピラトゥス山頂のピラトゥス・クルムPilatus Kulm駅に向けて、登山電車が出発したところです。
駅から少しだけは複線区間になっていて、左側の線路は増結用の車両が停車しています。線路はラックレールになっていて、2本の線路の間にロッヒャー式のラックレールが敷設してあります。このラックレール(歯車)を登山電車に取り付けられた2枚の歯車が挟みつけるように嚙み合わせることによって、急勾配の坂を上ることができます。この方式のラックレールはこの路線のために19世紀の技術者ロッヒャーが開発したそうです。このロッヒャー式のラックレールは1889年のパリ万博に出展されて、評判を呼んだようです。

停車している増結用の車両とすれ違います。

右手にはフィアヴァルトシュテッテ湖Vierwaldstättersee(ルツェルン湖)の西につながるアルプナッハ湖Alpnachseeの美しい風景が眺められます。残念ながら、湖が見えるのはこのあたりだけです。

線路は単線になります。基本、このピラトゥス鉄道Pilatusbahnはすれ違い用の途中駅、エムジーゲンÄmsigenを除き、単線です。

美しい放牧地の草原の中を登山電車は走っていきます。

草原の向こうに岩山が聳えたっています。あれがピラトゥス山のあたりでしょうか。

やがて、登山電車は低い灌木の間に入っていきます。

周りの眺望が悪くなり、線路もこの先、カーブが増えます。

すぐに灌木地帯を抜けて、また、草原の中を走ります。しかし、凄い急勾配を上っていきます。既に湖は見えなくなっています。

見上げると、真っ青な空が広がっています。素晴らしい好天です。

また、灌木地帯を走り、大きなカーブに差し掛かります。時速10キロくらいのノロノロ運転です。

周りには剝き出しの岩場もあります。

しかし、まだ、このあたりは放牧地の草原で、岩は点在するだけです。

前方にトンネルが見えてきます。

トンネルと言っても、岩を手掘りでくり抜いたような感じの穴です。作ったのは今から130年前の1889年ですから、大変な工事だったのでしょう。

トンネルに入ると、すぐに出口が見えます。とても短いトンネルです。これだったら、手掘りでも何とかなったのでしょう。

トンネルを抜けると、また、灌木の間を走ります。

また、すぐに前方にトンネルが見えてきます。

ここで運転士が振り向いて、指差しながら何か言っています。運転士が指さす方を見ると、アルプスの動物、シュタインボックが電車の横を走っていきます。一瞬のことで写真は取り損ねます。残念。
すぐに登山電車はトンネルに差し掛かります。トンネルの岩山が邪魔しなければ、写真が撮れたのにね。でも、親切な運転士さんには感謝!

ここまで、登山電車はまだ、全区間の3分の1ほど走っただけです。この先、ピラトゥス山に近づくと、パノラマ風景が見えるかもしれません。期待しましょう。
↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね
いいね!
