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リヒャルト・ワーグナー記念館のまわりの美しい眺めを堪能。そして、クルレンツィスの従来の価値感を破壊するような究極の《ドン・ジョヴァンニ》に感動!

2019年9月14日土曜日@ルツェルン/19回目

Vierwaldstättersee(ルツェルン湖)のほとりのトリプシェンTribschenの丘の上のリヒャルト・ワーグナー記念館Richard Wagner Museumの見学を終え、建物を出ます。建物の側面に周ると、湖のほとりに広がる草原が見えます。緑が美しいです。

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湖面の向こうには、天気も回復したので、リギ山Rigiも見えています。

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建物の側面を通って、裏庭に向かいます。

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裏庭に出ると、リギ山がはっきりと見えます。朝、こんな状態だったら、リギ山登山に行ったのですけどね。

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裏庭から、リヒャルト・ワーグナー記念館を見上げます。前側とほとんど同じデザインです。こちらは湖の桟橋からアクセスできるので、どちらが前側というわけではないのかもしれません。

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建物の入口の階段の上に立って、湖のほとりの草原を眺めます。フィーアヴァルトシュテッテ湖を望む美しい風景です。ワーグナーはこの風景が気に入って、この地を住居と定めたのでしょう。

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友人のSteppkeさんと配偶者もこの美しい風景を見入っています。

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トリプシェンの丘を下り、船着き場のほうにぶらぶらと歩いていきます。

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振り返ると、ピラトゥス山Pilatusまで見えます。ワーグナーは素晴らしい所に住んでいたのですね。

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湖と山の美しい風景に包まれた贅沢なところにワーグナーは暮らしていました。湖畔から見上げたワーグナーが暮らした家(今は記念館)です。コジマと湖で舟遊びをしていたワーグナーは湖から、この邸の姿を見て、住むことにしたそうです。

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湖畔からは何も遮るもののないリギ山の全景が見渡せます。この記念館で時間を過ごすうちに雲が晴れてきて、リギ山もピラトゥス山も顔を出しました。山の天気はそうしたものですね。

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湖面上はモーターボートやヨット、それにフェリーなどが浮かんでいます。素晴らしい景勝地です。

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湖畔のベンチでは若いカップルが愛を語らっていますね。邪魔しないようにしましょう。湖面の先にはルツェルンの旧市街が眺められます。

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そろそろ、湖畔の散策を切り上げて、記念館のほうに戻りましょう。

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記念館の左にはピラトゥス山が見えています。

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最後にもう一度、このトリプシェンからの美しい眺めに目をやります。

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ワーグナーはこの地からバイロイトに居を移して、約10年後に亡くなります。ワーグナーはルツェルンのこの家で長男のジークフリートも生まれ、コジマと正式に結婚し、とてもいい時期を過ごしました。
これで今日のお昼の散策は終了。思った以上に実のあるものになりました。

また、バスで街に戻り、遅めのランチを頂きます。2年前に泊まったホテルで教えてもらったスイス料理屋さん、ヴィルツハオス・タオベWirtshaus Taubeに行ってみましょう。既に3時を過ぎていますが、お店も開いていて、食事も提供してくれるようです。フライパンに入った熱々の料理が食べたいのですが、どう説明してよいのか悩みます。と、案内された席の近くで、そのお料理を食べている人がいます。ラッキーです。彼女の料理を指さすだけで注文完了ですからね。
まずはよく冷えた白ワインで乾杯。

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チロル風のハッシュドポテトの上に目玉焼きののったパン料理を美味しく頂きます。

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これはドイツ風の焼きソーセージです。

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ほかの客もいないスイス料理店でゆったりと遅めのランチを楽しみました。

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結果、遅くなってしまいます。急いでホテルに戻り、身支度をして出かけましょう。夜はまた、クルレンツィス&ムジカエテルナのモーツァルトのオペラ《ドン・ジョヴァンニ》です。

ちゃっちゃっと配偶者は着物、saraiはタキシードを着て出かけます。ぎりぎり間に合います。

今日も、素晴らしい演奏でした。ウィーンのコンツェルトハウスでもこの《ドン・ジョヴァンニ》を聴いたばかりですが、クルレンツィスはさらに完成度を高めた演奏を聴かせてくれました。ドンナ・アンナ役のナデージダ・パヴロヴァがさらに際立った歌唱を聴かせてくれ、ドンナ・エルヴィーラ役のフェデリカ・ロンバルディがウィーンとは見違えるような素晴らしい歌唱。とっても重要な役どころですから、クルレンツィスが磨きをかけたに相違ありません。さらにツェルリーナ役のクリスティーナ・ガンシュが本来の実力を発揮して、透明で美しい響きの歌唱を聴かせてくれます。これもウィーンでの歌唱を上回るものです。オーケストラもさらに鮮鋭さを増した究極の響きです。
クルレンツィスはモーツァルトのオペラの価値の転換を図り、精妙で深さのある音楽、ある意味、聴くものにとって、その中身を理解するのがとても難しい音楽に変質させてしまいました。今日の《ドン・ジョヴァンニ》だけのことを言っているのではなく、ダ・ポンテ3部作のすべて、あるいはモーツァルトのオペラすべてがそうです。そういうことを感じながら、それでも、まだ、クルレンツィスの天才はどこにあるのかをsaraiは考えさせられました。
このオペラについての記事はここに書きました。

ところで配偶者は何人もの人に着物を誉めてもらって、ご機嫌です。帰るときにも、わざわざ配偶者に声をかけてきてくれて「私たちとは違う美しさね」と言ってもらえます。

ホテルに戻ろうとして歩いていると、前を歩いているムジカエテルナのオーケストラのメンバー数人を発見。終演後、さっさと彼らの泊まるホテルに向かっているようです。どこなんでしょうね。興味津々で付いていきます。私たちのホテルと方向が同じです。彼らのホテルに着き、彼らがさっとドアを開けて入ろうとするので、配偶者がおやすみなさいと声をかけると、こっちを見て、「ありがとう」と日本語で返してくれます。ここでも、着物の威力を発揮します。ルンルンでホテルに戻り、おやすみなさい。
いよいよ、ルツェルン音楽祭も明日が最終日になります。明日の《コジ・ファン・トゥッテ》ではどれほどの演奏を聴かせてくれるんでしょう。期待で胸がいっぱいです。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

通りすがりさん

コメント、ありがとうございます。正直、もう2年ほど前のコンサートなので、詳細は覚えておらず、自分の文章を信じるしかないのですが、生演奏とテレビで

05/13 23:47 sarai
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