小田原駅に着いて、小田急・箱根登山鉄道のホームに行くと、箱根湯本行のロマンスカーが発車していきます。

停車している箱根湯本行の普通電車に乗ります。

空いた電車で箱根湯本に着き、箱根登山鉄道の強羅行の登山電車に乗り換えます。

ところがこの登山電車が意外に混み合っています。ところどころ、空席はありますが、配偶者と一緒に座れる席がなく、車両を探すと、何とか相席ですが、並んで座れる席を見つけます。ほっとして、席に落ち着きます。これで終点の強羅までゆっくりできます。車内放送によると、この登山鉄道は80パーミルの急角度で山の斜面を登るそうで、粘着式鉄道(ラック式でない普通の車輪)では世界でも2番目にランクされるそうです。因みに世界1は以前、当ブログでもご紹介したオーストリア・リンツのペストリングベルク鉄道Pöstlingbergbahnの116パーミルです。
昨年の12月にも箱根に足を運びましたが、その時は箱根は台風の水害でこの箱根登山鉄道が不通になっていて、代行バスのお世話になりました。それ以前はもっぱらマイカーで箱根を訪れていたので、箱根登山鉄道に乗車した記憶はまったくありません。現在、当ブログでは昨年のスイスのアルプス訪問の記事を書いており、スイスの登山鉄道の記事を連日書いているところです。スイスの連載記事をちょっと中断して、日本を代表する箱根の登山鉄道の体験を書くのも何か関連したものがあるのではないかと思います。
箱根登山鉄道の車両はスイスのパノラマ車両とまではいきませんが、大きな窓の車両です。運転席前に行ってみると、運転席前の前方視界はすこぶる良好です。

塔ノ沢駅に着くと、ホームに隣接した形で深沢銭洗弁天が見えます。時間があれば、立ち寄ってみたいものですね。

塔ノ沢駅を出るとすぐ、深い渓谷の上の鉄橋を通ります。出山の鉄橋(でやまのてっきょう)として知られる早川橋梁で、現存する日本最古の鉄道橋だそうです。もっとも一瞬にして通り過ぎますので、あわてて、カメラのシャッターを切りました。

このあたりから、登山電車は急傾斜の山を登り始め、大きく蛇行を続けます。そして、遂にスイッチバックします。出山信号場です。

次に大平台駅に着き、ここでもスイッチバックします。スイッチバックの度に運転士と車掌さんが車両の横を通って入れ替わります。ご苦労様です。この駅では先に到着していた箱根湯本行の電車がスイッチバックするのを待ちます。スイッチバックするために交差している線路が見えますね。

箱根湯本行の電車がスイッチバックしていきます。

我々の電車が走ってきた線路に入っていき、箱根湯本方面に下っていきます。

今度は我々の電車がスイッチバックします。

右側の線路に割り込んでいきます。

無事、スイッチバック完了です。

右側の線路を強羅方面に向かって登っていきます。

すぐにまた、スイッチバックするために上大平台信号場で停車します。ここで箱根湯本行の電車と交差するために到着を待ちます。そうです。この登山鉄道は単線なんです。そう言えば、スイスの登山鉄道もほとんど単線ですね。山岳鉄道は山の斜面の狭いところを切り開くために複線という贅沢な選択肢は許されないのでしょう。

箱根湯本行の電車がこの信号場に入ってきます。ここは駅ではなく、乗降はできない信号場で電車が交差するために停車するだけのところです。

入れ替わりに我々の電車が信号場をスイッチバックして出ていきます。これで計3回のスイッチバックがすべて完了。

仙人台信号場で一時停車した後、また、出発。

宮ノ下駅、小涌谷駅、彫刻の森駅を経て、強羅駅に到着。箱根湯本駅から40分以上もかかりました。バスと大差ないですね。登山電車はこの強羅駅で折り返すために既に箱根湯本行になっています。

強羅駅のホームの向かい側は何とサン・モリッツ駅になり、ベルニナ急行の電車が停車しています。と言っても、これは単なる絵で描いた電車です。

箱根登山鉄道とベルニナ急行を運行するスイスのレーティッシュ鉄道は1979年に姉妹鉄道になったそうです。それは明治時代に箱根登山鉄道を建設するにあたり、模範としたのがベルニナ鉄道だったのが縁の始まりになっています。

さて、いよいよ、箱根・強羅に到着し、秋の箱根、ちょこっと旅が始まります。
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