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レマン湖畔の町、ヴヴェイはクララ・ハスキルの終の棲家

2019年9月16日月曜日@ルツェルン~インターラーケン~ヴヴェイ/29回目

ゴールデン・パスライン GoldenPass Lineの鉄道旅とアルプスのハイキングを楽しんだ後、レマン湖畔のヴヴェイVeveyにやってきました。まだ、夕陽が残るヴヴェイの町散策に出かけます。目的地はsaraiの最愛のピアニスト、クララ・ハスキルが最後に住んでいた家です。

チェックインしたホテル、オステルリー ドゥ ルホテル ドゥ ヴィルHostellerie de L'Hôtel de Villeを出て、ルホテル ドゥ ヴィル通りRue de l'Hôtel-de-Villeをレマン湖Lac Lémanのほうに歩いていきます。レマン湖畔に出ますが、まさに夕日が沈むところ。素敵です。

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若者たちがロマンティックな日暮れを思い思いに過ごしています。

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湖畔の小さな広場には、チャップリンの銅像があります。チャップリンの周りにはバラの花が美しく咲いています。チャップリンは第2次世界大戦後、マッカーシー旋風により、アメリカを追放になり、スイスのヴヴェイに居を構えていました。

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チャップリンとクララ・ハスキルは親しく交遊していました。チャップリンの言葉「自分は人生で3人の天才に会った。ウィンストン・チャーチル、アインシュタイン教授、クララ・ハスキルの3人である。正規の教育を受けた音楽家ではない私だがこれだけはいえる。彼女のタッチは絶妙で、表現は素晴らしく、テクニックは並外れていたと」は有名です。ハスキルはよくチャップリン宅を訪れて、ピアノ演奏を聴かせていました。天才は天才を知るということでしょう。

チャップリンの銅像の眼差しの先には、レマン湖の湖面に突き刺さる巨大なフォークがあります。レマン湖にフォークを突き刺したのは、世界的食品メーカーのネスレNestléです。ヴヴェイにはネスレ本社のほか、ネスレが運営する“食”がテーマのミュージアム「アリマンタリウム(Alimentarium)」があります。

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湖畔の道をクララ・ハスキルの家に向かって歩いていきます。遠くにネスレのフォークが夕日の中で浮かび上がっています。

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saraiはPCにヘッドフォンをつなぎ、クララ・ハスキルが亡くなる直前(1960年9月14日-20日)にこのヴヴェイでセッション録音したベートーヴェンのピアノ・ソナタ(第17番ニ短調《テンペスト》、第18番変ホ長調)を聴きながら歩きます。ハスキルも当時見たであろうレマン湖の風景はとても美しいです。遠くにはアルプスの山々が霞んでいます。

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レマン湖畔を歩いて、クララ・ハスキルが晩年を過ごしたアパートメントに向かいます。すぐに建物は見つかります。

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アパートメントのすぐ前に立ちます。感慨深いものがあります。

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建物の壁にはクララ・ハスキルの記念の銘板が飾られています。1951年からヴヴェイに居を構えたクララは人生の最後の10年間をここヴヴェイで過ごしました。その10年間に残した名演奏の数々はCDになっています。saraiはほぼすべての録音をコレクションしています。クララは1960年12月に亡くなりました。このヴヴェイではなく、演奏旅行先のブリュッセルで不慮の事故(駅の階段で転落)で亡くなりました。享年65歳でした。まだまだ、ピアニストとして絶頂期だったので、とても残念な死でした。せめて、モーツァルトのピアノ協奏曲全集の録音を残してほしかったところです。

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お墓はパリのモンパルナス墓地にあります。この旅で墓参りもできればと思っています。
このアパートメントのある通りの名前はクララ・ハスキル通りRue Clara-Haskilです。

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クララ・ハスキル通りからレマン湖のほうを眺めます。湖面は見えませんね。ハスキルの部屋からはレマン湖が見えたんでしょう。

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バス通りのイタリー通りRue d'Italieに出ます。ヴヴェイ駅からの市内バスのバス停があります。バス停の名称もクララ・ハスキルClara Haskilです。

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バス停の前には綺麗な時計塔Tour de l'Horlogeがありますね。

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ハスキルがここヴヴェイの自宅で録音したベートーヴェンを聴き終えました。録音の際はこのあたりが交通遮断されて、車の雑音が録音の妨げにならないようにヴヴェイの町当局が全面協力したそうです。クララはこの町で大事にされていたんですね。そうやって録音されたハスキルのベートーヴェンは演奏はもちろん、音質も素晴らしいものです。故吉田秀和氏がハスキルはシューマンはよいが、ベートーヴェンは女性だから力強さに欠けると書いていましたが、彼は一体何を聴いていたのかと不思議になります。まあ、好みの問題かもしれませんが、saraiのような素人と違って、評論家は影響力がありますから、よくよく聴き込んだうえでの意見を発してもらいたいものです。そう言えば、彼はハスキルのモーツァルトはあまり聴き込んでいないようでした。PHILIPSの正規録音しか聴いていないようでした。そのレベルでの迂闊な発言だったと受け止めています。ともかく、力強さはもとより、深い音楽性を湛えた演奏でした。それを聴いていて、最近、誰か、似たような演奏をしていた記憶が戻ります。ああ、そうです。河村尚子のベートーヴェン。彼女はクララ・ハスキル・ピアノ・コンクールで優勝していますね。もしかして、ハスキルの録音も聴いたのかしらね。そんなことをつらつら思いつつ、夕暮れの美しいレマン湖畔を散策しました。

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クララ・ハスキルの終の棲家になったアパートメントの前のレマン湖畔は今はフェリーターミナルになっていて、遊覧船が発着するようです。

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クララ・ハスキルのアパートメントの写真を記念に撮り終え、レマン湖畔をホテルまで歩いて戻り、夕闇のヴヴェイ散策は終了です。

明日はローザンヌLausanneをちょっと訪問した後、スイスを電車で走り抜けて、フランスのリヨンに入ります。スイスの旅も終えて、いよいよ、長いフランスの旅の開始です。



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たまには、旅ブログも書きます。

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金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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