fc2ブログ
 
  

生涯、最高の途轍もない《第9》 秋山和慶&東響@東京オペラシティ コンサートホール:タケミツメモリアル 2020.12.23

最初に演奏されたエグモント序曲は東響の弦の実に熱のある演奏に心が高潮します。今日の東響は絶好調で高揚しています。続く第9に期待が高まります。

第9の第1楽章と第2楽章は熱の入った力強い演奏でアンサンブルも美しいです。第3楽章に入ると、しみじみと美しいメロディーが最高の弦で奏でられます。第1ヴァイオリンだけでなく、対向に配置されたヴィオラの響きが素晴らしいです。木管で演奏されるパートも美しいのですが、東響の弦楽アンサンブルの素晴らしさが心に響きます。うーん、今日はこの第3楽章が聴けただけでもよかったと納得します。しかし、今日の東響、そして、合唱の新国立劇場合唱団は第4楽章で燃え上がるような演奏を聴かせてくれます。行進曲風のパートあたりからが素晴らしいです。声楽パートが収まって、オーケストラだけの演奏に移るとまたしても弦楽アンサンブルが究極の美しい響きを奏でます。その後、合唱も加わっての凄絶な演奏に深く感動します。感動にレベルがあるとすれば、フルトヴェングラー級の感動です。そのまま深い感動を保って、圧巻のフィナーレ。日本人のオーケストラと合唱団がこんな素晴らしい第9を聴かせてくれるとは・・・凄い時代になったものです。指揮の秋山和慶も見事でした。フルトヴェングラーのようにロマンに満ちた音楽表現でした。

この後、28日のジョナサン・ノットの指揮による第9に向けて、リハーサルが始まるのでしょう。今日の最高の第9がどのように変容するのでしょうか。これ以上の演奏は難しいような気もします。不安と期待の入り混じった気持ちで28日の今年の〆となるサントリーホールの公演に臨みます。

今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:秋山和慶
  ソプラノ:森野美咲
  メゾソプラノ:鳥木弥生
  テノール:小原啓楼
  バリトン:大山大輔
  合唱:新国立劇場合唱団(合唱指揮:河原哲也)
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:水谷 晃

  ベートーヴェン:「エグモント」序曲 Op.84
  ベートーヴェン:交響曲 第9番 ニ短調 Op.125 「合唱付」

   《アンコール》
    蛍の光 AULD LANG SYNE


最後に予習について、まとめておきます。

ベートーヴェンの「エグモント」序曲を予習したCDは以下です。

  ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィル 1947年5月27日 ベルリン、ベルリン英占領区ソ連放送局スタジオHaus des Rundfunks (略称 Funkhaus) 放送録音

フルトヴェングラーの戦後復帰の記念すべきコンサートシリーズの放送用録音です。もちろん、雄渾でロマンにあふれた名演です。


ベートーヴェンの交響曲 第9番を予習したCDは以下です。

  ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮フィルハーモニア管弦楽団、ルツェルン音楽祭合唱団
   エリーザベト・シュヴァルツコプフ、エルザ・カヴェルティ、エルンスト・ヘフリガー、オットー・エーデルマン
    1954年8月22日 ルツェルン音楽祭 ライヴ録音

auditeから出たハイレゾ録音で聴きました。フルトヴェングラーが指揮した最後の第9です。第3楽章のしみじみとした表現に心打たれます。バイロイトの第9と並ぶ最高の名演です。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

人気ランキング投票、よろしくね
ページ移動
プロフィール

sarai

Author:sarai
首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

来訪者カウンター
CalendArchive
最新記事
カテゴリ
指揮者

ソプラノ

ピアニスト

ヴァイオリン

室内楽

演奏団体

リンク
Comment Balloon

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

通りすがりさん

コメント、ありがとうございます。正直、もう2年ほど前のコンサートなので、詳細は覚えておらず、自分の文章を信じるしかないのですが、生演奏とテレビで

05/13 23:47 sarai
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR