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伊藤恵はシューマンが似合う! 伊藤 恵&今井信子 デュオ・コンサート@ヤマハホール 2021.1.17

伊藤恵の見事なピアノにサポートされて、今井信子の熟達したヴィオラが明快な調べを奏でた、とても心温まるデュオ・コンサートでした。

最初のシューベルトのアルペジオーネ・ソナタはまず、伊藤恵の素晴らしいピアノの響きに魅了されます。このまま、彼女のシューベルトのピアノ独奏を聴いていたいと思わせるほどの最高の響き。そして、今井信子のヴィオラの演奏が始まります。豊かな響きで明快に旋律線を描き出します。実にロマンティックな音楽が展開されていきます。ヴィオラ版を聴くのは初めてですが、何の違和感もなく、特に自然な高域の響きがよいですね。

次はブラームスのヴィオラ・ソナタ 第2番。この曲は原曲がクラリネット・ソナタですが、ヴィオラ版を聴くのは初めてです。第1楽章の第1主題のロマンにあふれた演奏の素晴らしいこと。何度も繰り返しあらわれますが、すっかり魅了されました。第2楽章もロマンにあふれる熱情が素晴らしいです。ブラームスの作曲した最後の室内楽作品を堪能させてもらいました。

後半はシューベルトとシューマンの歌曲の代表作をヴィオラで演奏します。冬の旅は有名な曲を2曲、演奏します。心の中で歌をくちずさみながら、楽しく鑑賞します。ここでも伊藤恵のシューベルトは見事です。今井信子は実に明快に旋律線を歌い上げます。

続いて、シューマンの詩人の恋。第1曲の《うるわしき5月に》の伊藤恵のピアノの素晴らしいこと。美しい演奏に心を奪われます。第12曲の《まばゆい夏の朝に》も素晴らしい演奏です。今井信子のヴィオラもシューマンの夢心を見事に表現します。そして、終曲の最後のピアノのソロが圧巻でした。伊藤恵はやはり、シューマンが似合います。

アンコールの2曲も素晴らしい演奏でした。シューマンの《夕べの歌》は初めて聴きましたが、シューマンのロマンがいっぱい詰まった素晴らしい演奏でした。最後のシューベルトの《春の夢》はsarai、そして、昨年亡くなった母も大好きだった曲です。何とも素晴らしい演奏に胸が熱くなりました。

ようやく、念願の今井信子さんのヴィオラが聴けました。期待通りの演奏に満足しました。それにしても、伊藤恵さんのピアノのサポートの素晴らしかったこと、感銘を受けました。素晴らしいデュオですね。


今日のプログラムは以下です。

  ピアノ:伊藤 恵
  ヴィオラ:今井信子

  シューベルト:アルペジオーネ・ソナタ イ短調 D821
  ブラームス:ヴィオラ・ソナタ 第2番 変ホ長調 Op.120-2

   《休憩》

  シューベルト:冬の旅 Op.89, D911 より 第1曲 おやすみ、第5曲 菩提樹
  シューマン:詩人の恋 Op.48

   《アンコール》
   シューマン:夕べの歌~ピアノ連弾曲集「小さな子供と大きな子供のための12のピアノ曲集」Op.85 第12曲
   シューベルト:冬の旅 Op.89, D911 より 第11番 春の夢


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のシューベルトのアルペジオーネ・ソナタは以下のCDを聴きました。

 ミシャ・マイスキー、マルタ・アルゲリッチ 1984年 セッション録音
 
とてもロマンティックで繊細な演奏です。いつもはロスポロポージッチ&ブリテンの演奏を聴くことが多いのですが、甲乙つけがたい演奏です。


2曲目のブラームスのヴィオラ・ソナタ 第2番は以下のCDを聴きました。

 ヨゼフ・スーク、ヤン・パネンカ 1990年 セッション録音
 
スークのヴィオラが素晴らしいです。パネンカのピアノがもうひとつなのは残念ですが・・・。


3曲目のシューベルトの冬の旅は以下のCDを聴きました。

 ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ、ジェラルド・ムーア 1962年11月10,14日、ベルリン セッション録音

saraiにとって、これは永遠の名盤。この録音でシューベルトの歌曲のとりこになりました。


4曲目のシューマンの詩人の恋は以下のCDを聴きました。

 ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ、クリストフ・エッシェンバッハ 1974~76年 セッション録音

フィッシャー=ディースカウはもちろん、完璧な歌唱ですが、エッシェンバッハのピアノも素晴らしい。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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