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鬼神のごとき、上原彩子のパガニーニ狂詩曲は音楽の極致! 尾高忠明&東京フィルハーモニー交響楽団@サントリーホール 2021.6.18

上原彩子の物凄い演奏に圧倒されました。こういうピアノ演奏を聴いてしまうと、もう誰の演奏を聴いても満足できなくなりそうです。それにラフマニノフは上原彩子に似合います。

上原彩子の弾くラフマニノフのピアノ協奏曲第3番は何度か聴いて、その素晴らしさに感動しました。そして、いずれの日か、きっと、《パガニーニの主題による狂詩曲》を聴かせてもらいたいと願っていました。今日、その夢が叶いました。期待を裏切らない、それどころか、こんな演奏は想像すらできないような圧倒的な演奏でした。ピアノはテクニックや音楽性も重要ですが、それ以上に一番大事なのは、魂の燃焼であることをまざまざと教えられました。こんなに凄い気魄で、恐ろしいほどに集中して演奏するピアニストはほかに知りません。彼女のどこから、こんなに凄いエネルギーが湧き出すのでしょう。彼女の弾く《パガニーニの主題による狂詩曲》はどのフレーズをとってみても実に新鮮で、まさに一期一会を思わせるような、今日、一度だけの演奏で、2度は聴けないと感じさせる即興性に満ちたものでした。すべてが魅惑的でしたが、やはり、第18変奏の美しさといったら、卒倒してしまいそうな美の極致です。ラフマニノフ自身でさえも、こんなに弾けたんでしょうか(古い録音を再度、チェックしてみましょう)。メロディーがオーケストラに移っても、上原彩子の弾くピアノの分散和音だけが耳に入ってきます。強烈に叩き上げるピアノの音の迫力に感動します。最後にもう一度、ピアノでメロディーを回帰して、第18変奏を終えます。ふーっと息が抜ける思いです。ここからはさらに上原彩子はギアーを上げて、超絶技巧を連発しますが、そのピアノの響きの凄さを上回るような彼女の気魄のほうに圧倒され、感動します。オーケストラと完璧にシンクロしていますが、聴こえるのはピアノの響きのみ。強烈に音楽が高潮していき、それは留まるところがありません。その頂点で、さっと、音楽が終わります。ここ数年で最高の音楽を聴きました。聴いたのは音楽だったのか、上原彩子の魂の燃焼と気魄だったのか、さだかではありません。音楽というのは音の響きを通じて、人間の魂の叫びを感じ、心と心がつながるものだということを深く心に刻みました。なんとも凄い演奏でした。

そうそう、アンコールはもちろん、ラフマニノフ。それもプレリュードです。最高に美しい音楽を聴かせてくれました。上原彩子のラフマニノフはきらきら光る宝石のように輝きます。これ以上の音楽はありません。

こういう演奏を聴いてしまうと、後半のラフマニノフの交響曲第2番の素晴らしい演奏を聴いても、どこか物足りなさを感じてしまいます。今日の東フィルのアンサンブルは尾高忠明が見事に磨き上げていましたが、音楽以上の何かを聴いてしまった後では、もうひとつにしか感じませんでした。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:尾高忠明
  ピアノ:上原彩子
  管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団  コンサートマスター:近藤薫

  ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 Op.43

   《アンコール》 ラフマニノフ:《10の前奏曲》Op.23より 第4番

   《休憩》

  ラフマニノフ:交響曲第2番 ホ短調 Op.27


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のラフマニノフの《パガニーニの主題による狂詩曲》を予習したCDは以下です。

 ヴァレンティーナ・リシッツァ、マイケル・フランシス指揮ロンドン交響楽団 2010年3月8日 ロンドン、アビー・ロード・スタジオ、スタジオ1 セッション録音

ヴァレンティーナ・リシッツァの驚異的なラフマニノフ全集(ピアノとオーケストラ)は凄いとしか言えません。チャイコフスキー全集ともども、素晴らしいものです。日本でも聴かせてもらいたいものです。ヒラリー・ハーンの伴奏で来日したときには、こんな凄いピアニストとは認識できませんでした。


2曲目のラフマニノフの交響曲第2番を予習したCDは以下です。

 アンドレ・プレヴィン指揮ロンドン交響楽団 1973年1月 セッション録音

プレヴィンはこの曲を得意にしていて、これは2回目の録音です。素晴らしい演奏です。その美しさにうっとりしてしまいます。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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