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翌年のウィーンでの豪華パーティーに向けて、準備開始・・・その前に郊外のレストランで美味しいランチ

2019年9月28日土曜日@ウィーン

旅の25日目、ウィーンの3日目。この旅の通算では8日目です。

まだ、今回のヨーロッパ遠征も1日を残していますが、早くも来年の計画を詰めています。
来年はsaraiのヨーロッパ遠征30周年にあたります。1990年のゴールデンウィークに最初のヨーロッパ遠征をしました。ただし、これは旅の初心者だったので、オペラツアーに参加して、ウィーン国立歌劇場を訪問。死ぬまでに一度はウィーンでオペラを見たいと配偶者を説得してのヨーロッパ遠征でした。一度の筈が病みつきになり、ウィーン訪問だけでも今年で17回目の訪問になります。ヨーロッパ遠征は25回ほどでしょうか。

ともあれ、来年はヨーロッパ遠征も30周年になるのを機にヨーロッパ遠征は一応の打ち止めとしたいと考えています。体力も資金力も余裕がなくなりましたからね。
で、最後はヨーロッパ遠征の起点となったウィーンでぱーっと祝宴を開こうと思っています。家族や親しい友人たちと一緒にお祝いの会です。saraiと配偶者のお誕生会も兼ねます。
今日はその会場の下見です。音楽を聴くためにヨーロッパ遠征を続けてきたsaraiですから、音楽なしのパーティーはありえません。ウィーンで音楽と言えば、やはり、ウィーン・フィル。まさか、ウィーン・フィルをまるまる借り上げることは無理ですが、無理無理、ウィーン・フィルのメンバー4人に来てもらって、弦楽四重奏曲を弾いてもらうことで計画を進めています。
したがって、今日はミニコンサートの会場を兼ねたパーティー会場を来年の5月にレンタルするための下見の予定です。

その手筈を整えるためにウィーンの友人の力を借ります。ホテルまで車で迎えに来てもらうことになっています。もうすぐ約束の時間です。路地の上にあるホテルの渡り廊下の上から、お洒落な路地、ズーンホフSünnhofの様子を眺めます。

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しばらく、この路地の眺めを楽しんでいます。

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やがて、友人の車が到着。会場の下見の時間は夕方になったそうです。それまで、ウィーン郊外のレストランでランチを楽しむことにします。車がずい分走って、山の中腹に登ったところに隠れ宿のようなレストランがあります。建物はウィーンらしくないモダンな建築です。

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ここからは見渡す限り、山が広がっており、ほかの建物は全然、見当たりません。ここはトゥルビンガー・コーゲルTulbinger Kogelという山里です。ウィーン市内から北西に30㎞ほど離れたところですからね。

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ここにあるホテルレストラン、ベルグホテル・トゥルビンガー・コーゲルBerghotel Tulbinger Kogelの中に入ります。友人がドイツ語のメニューを解説してくれて、オーダーをちゃちゃっと済ませます。

まずは飲み物が並びます。軽く白ワインをいただきます。無論、愛好するリースリンクです。

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次にたくさんのパン。

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前菜はサーモン。

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珍しくメニューに生牡蠣があったので、いただくことにします。なかなかの美味です。

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これはキノコ(ポルチーニ茸)の炒め物。

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これは帆立貝のポワレ。

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久しぶりに会った友人と美味しいランチをいただきながら、あれこれ、話に花が咲きます。ゆったりした時間が流れていきます。



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テーマ : ヨーロッパ
ジャンル : 海外情報

 

ウィーンでの豪華パーティーの会場の下見、そして、最後のコンサートは楽友協会でのフィリップ・ジョルダン&ウィーン交響楽団のブラームスの交響曲チクルス

2019年9月28日土曜日@ウィーン/2回目

来年はsaraiのヨーロッパ遠征30周年です。それを記念するために家族や親しい友人たちと一緒にお祝いの豪華パーティを開くことを目論んでいます。今日はそのパーティー会場の下見とその手筈を整えるためにウィーンの友人と打ち合わせです。下見の前に友人の車でウィーン郊外のホテルレストラン、ベルグホテル・トゥルビンガー・コーゲルBerghotel Tulbinger Kogelへランチに連れていってもらいます。
話に夢中になりながらも、長いランチを食べ終えて、まだまだ、時間がありそうなので、デザートをいただくことにします。

これはイチゴのデザート。

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saraiは好物のクレーム・ブリュレ。

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これはチョコレートムースなどの盛り合わせ。

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コーヒーは普通のもの。メランジェとかではありません。メニューになかったんです。

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郊外のレストランですが、土曜日のせいか、それなりにお客さんが来ています。隠れた名店ですね。

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2時間半ほどの長いランチになりましたが、ヨーロッパの感覚では普通ですね。レストランの外に出ると、緑の山並みの眺めが見えています。

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ホテルレストランの前の道路、プランエーテン通りPlanetenwegにはバス停もあります。ウィーン市内からは遠いのですが、バスでも来れるようです。ともあれ、友人の車でまた、ウィーン市内に戻ります。

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さて、本題のパーティー会場の下見です。ウィーン旧市街の中心にある某名門ホテルが会場の候補です。ウィーンらしい華やかな会場を選択すべく、ホテルのスタッフの案内で下見します。ウィーン・フィルのメンバーを招いて、ミニコンサートを予定していることをスタッフに告げると、結構、びっくりしています。3つほどの部屋を下見させてもらいます。正直、どの部屋も古きウィーンらしい豪華な部屋ばかりで目移りします。それでも、予算もあるので、いくつかのプランを検討し、下見した会場で気に入ったのがこれ。素晴らしい会場です。

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ちょっと広めの会場ですが、ミニコンサートもやるので、これくらいでいいでしょう。

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窓辺の雰囲気もいいですね。

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最後にじっくり眺めて、納得です。

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協力してくれる友人たちの力も借りて、実現したいと思っています。
ちなみにウィーン・フィルのメンバーに演奏をお願いしている曲はシューベルトの弦楽四重奏曲第15番か第14番《死と乙女》。これはsaraiの趣味による選曲です。実際に演奏される曲がどうなるかは未定です。
来年も楽しい年になるようです。

下見が終わると、ホテル側のおはからいで、このホテル名物のケーキをご馳走になります。カフェには行列もできていたのですが、上顧客扱いで優先的にテーブルを用意してもらいました。・・・このホテルがどこかはバレバレですね。

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もちろん、名物のコーヒー付きです。

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ゆったりとケーキとコーヒーを楽しみました。

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後日、ホテルと正式に契約まで交わしました。友人や家族に声を掛けて、2020年5月にウィーン・フィルのメンバーによるミニコンサート付きの豪華記念パーティーの手筈は整いました。
しかし、翌年の2020年はコロナ禍。あえなく、この計画は頓挫して、すべてキャンセルです。関係者のご好意でキャンセル料は無料だったのが救いです。
saraiはまだ、諦めていません。コロナが落ち着いたタイミングで再度、このパーティーを開きたいと思っています。友人の皆さん、待っていてくださいね。

ウィーンの友人にホテルまで車で送ってもらって、別れます。お世話になりました。

夜はこの旅、最後のコンサート。ウィーン楽友協会でフィリップ・ジョルダン&ウィーン交響楽団のブラームスの交響曲チクルスの第2回目のコンサートを聴きます。チクルス1回目は内田光子のモーツァルトのピアノ協奏曲と重なったため、聴けませんでした。これが今日のチケット。盲腸の手術後に麻酔に朦朧としながら、ベッドの上から配偶者に手伝ってもらいながら、ゲットしたチケットです。

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これは今年度のウィーン交響楽団の年間プログラム。

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これは今日のコンサートのプログラムです。

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楽友協会で聴くブラームスは格別でした。
このコンサートについての記事はここに書きました。

明日はこの旅の最終日。夜の便に乗って、ほぼ1ヵ月ぶりに帰国します。



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テーマ : ヨーロッパ
ジャンル : 海外情報

 

シューマンの深い味わい 横坂 源 チェロ・リサイタル@上大岡 ひまわりの郷 2021.10.3

今回も海外からの演奏家の来日が叶わず、日本人によるコンサートになりました。

今日のチェロの横坂 源は以前、ルートヴィヒ・チェンバー・プレイヤーズのメンバーとしての演奏を一度、聴いたことがあります。ルートヴィヒ・チェンバー・プレイヤーズは弦楽器奏者4人、管楽器奏者3人のグループで超絶的な演奏能力の高さに舌を巻きました。彼の独奏チェロを聴くのは初めてです。また、ピアノの加藤洋之は室内楽の演奏で一度だけ、聴いたことがあります。

最初のシューマンの《アダージョとアレグロ》は深い味わいのチェロの響きで魅了されました。特にアダージョの部分でのシューマンのロマンの世界が素晴らしく表現されていました。短い曲ですが、シューマンの魅力たっぷりの素晴らしい演奏に満足。

次はブラームスのチェロ・ソナタ 第1番。渋い作品ですが、これも深い味わいの演奏です。特に第3楽章の暗い情念の燃えさかるような演奏に魅了されました。

休憩後、また、シューマンです。幻想小曲集です。これも素晴らしいシューマン。しっかりしたシューマンの演奏を聴くと、シューマンの大ファンのsaraiは嬉しくなります。幻想小曲集の3曲ともシューマンの世界に身を委ねるような雰囲気の香り高い演奏に深く聴き入りました。

最後はメンデルスゾーンのチェロ・ソナタ 第2番。滅多に聴かない珍しい曲です。メンデルスゾーンらしい爽やかさに満ちた演奏を気持ちよく聴きました。第1楽章の何度も登場する主題の美しい旋律に魅了されました。

アンコールもシューマン。今日はシューマンを聴いて、存分に楽しめるコンサートになりました。


今日のプログラムは以下です。

  チェロ:横坂 源
  ピアノ:加藤洋之

  シューマン: アダージョとアレグロ Op.70
  ブラームス: チェロ・ソナタ 第1番 ホ短調 Op.38

   《休憩》

  シューマン: 幻想小曲集 Op.73
  メンデルスゾーン: チェロ・ソナタ 第2番 ニ長調 Op.58
 
   《アンコール》
     シューマン:12のピアノ小品 Op.85 より 第12番 夕べの歌(チェロとピアノ編)

最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のシューマンの《アダージョとアレグロ》は以下のCDを聴きました。

 ピエール・フルニエ、ラマー・クローソン 1969年1月8-10日 科学アカデミー・プレナー・ザール、レジデンツ、ミュンヘン セッション録音
 
フルニエの柔らかい響きのチェロがシューマンのロマンに似合います。


2曲目のブラームスのチェロ・ソナタ 第1番は以下のCDを聴きました。

 ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ、スヴャストラフ・リヒテル 1964年6月20日、イギリス、サフォーク州、オールドバラ ライヴ録音
 
2人の巨人による演奏。流石ですが、やはり、リヒテルのピアノが凄いです。


3曲目のシューマンの幻想小曲集は以下のCDを聴きました。

 ピエール・フルニエ、ジャン・フォンダ 1967年9月25-28日 ベルリン、ウーファ・スタジオ セッション録音

これまた素晴らしいフルニエのシューマンです。


4曲目のメンデルスゾーンのチェロ・ソナタ 第2番は以下のCDを聴きました。

 ポール・ワトキンス、ヒュー・ワトキンス 2011年5月10-12日 ポットン・ホール、サフォーク州、英国 セッション録音

安定した爽やかな演奏です。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

旅の最終日:モーツァルトのお墓参りへ

2019年9月29日日曜日@ウィーン

旅の26日目、ウィーンの4日目。この旅の通算では9日目です。

今日はいよいよ帰国日です。
晴れていますが、とっても寒いです。お昼頃には20度を超える予想です。昨日は雨がぱらつき、とっても寒くて、ウィーンはもう冬だなと思ったのに・・・。
最終日ということで、saraiが珍しく8時前に起きだします。モーツァルトのお墓参りに行こうと配偶者を誘います。今回の旅では、ずい分、モーツァルトの音楽を楽しませてもらいました。お世話になったモーツァルトにお礼を述べるためにお墓参りしたいんです。急いで身支度をして、まとめた荷物は部屋に残して、急いで出かけます。綺麗なホテルのロビーを抜けていきます。

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これが滞在しているメルキュール グランド ホテル ビーダーマイアー ウィーンMercure Grand Hotel Biedermeier Wienのこじんまりした玄関です。

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ホテルの前のお洒落な路地、ズーンホフSünnhofです。路地を跨いで、ホテルの渡り廊下が2階、3階、4階を繋いでいます。路地の両脇にホテルの建物が向かい合って建っています。

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朝の路地は人もまばらです。

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カラフルな雨傘の飾り付けが可愛いですね。

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路地からちょっと入ったホテルの中庭は緑が生い茂っています。

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ホテルの前の路地を出たところにあるバス停で74A系統のバスを待ちます。乗り換えなしでモーツァルトの墓地に行くことができます。

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すぐにザンクト・マルクスSt.Marx行のバスがやってきます。

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バスに乗り込みます。10分ほどでザンクト・マルクス墓地Friedhof Wien St. Marxの最寄りのバス停、ザンクト・マルクスSt.Marxに到着です。ちょっと郊外なので、人通りも少なく騒々しさはありません。雲一つない青空が広がっています。

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以前来たことがあるので、記憶を辿って、迷わずに墓地に向かって進んでいきます。

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前方に高速道路が見えてきます。その手前にザンクト・マルクス墓地がある筈です。

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もう少しで墓地の入口です。



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テーマ : ヨーロッパ
ジャンル : 海外情報

 

旅の最終日:モーツァルトのお墓に合掌

2019年9月29日日曜日@ウィーン/2回目

今日は旅の最終日。ウィーンの最終日でもあります。もう、今晩は飛行機で帰国の途についています。しかし、その前に精一杯、ウィーンの1日を楽しみます。
まずは朝一で、この旅で何かとテーマの中心だったモーツァルトのお墓参りに出かけます。ホテルからはバス一本で10分ほどのところにあるザンクト・マルクス墓地Friedhof Wien St. Marxにモーツァルトのお墓があります。
バスを降りて、ちょっと歩くと、墓地の入口の建物が見えてきます。

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煉瓦造りの建物の先に墓地の入口のアーチが見えてきます。

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バス停から道をグルリと周り込んできて、墓地の入口のアーチの正面に出ます。ツタに覆われた美しい門です。ツタの一部が紅葉していますね。

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墓地の入り口の先にはまっすぐな道が伸びています。

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そのまっすぐな道を進んでいきます。

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誰もいなくてし~んとしていますが、木漏れ日が緑に映え、ベンチがあちこちに置かれ、墓地と言うよりもまるで公園のようです。

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モーツァルトのお墓の道案内標識があります。

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左手のほうに道の先にモーツァルトのお墓の見えます。

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お墓に近づきます。天使が寄り添っていますね。

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saraiがお墓に歩み寄ります。合掌。

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もう少し、誰もいないモーツァルトのお墓の前にいましょう。



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テーマ : ヨーロッパ
ジャンル : 海外情報

 

突然ですが・・・飛んで京都

2021年10月6日水曜日@京都

当ブログでは、ちょうど2年前、コロナ禍前に行ったヨーロッパ旅の最終日の記事を書いていますが、いったん、その記事を休止して、リアルタイムの記事を書くことにします。
何故かと言うと、今日は特別な日だからです。実は昨日から京都に来ています。そして、今日は記念のランチをいただきます。

今を去ること、52年前、saraiは京都の大学に入学し、その夏の終わり、クラブの鳥取での合宿を終えて、そのまま、別の大学の吉野(奈良)の合宿に合流。そのときに運命の女性と出会いました。二人とも大学の1回生で10代でした。saraiが猛アタックして、交際に発展し、京都で愛を育みました。無論、その女性がsaraiの今の配偶者です。二人で大学卒業後、上京し、結婚。今に至るわけですが、今日が48回目の結婚記念日です。思い出の地、京都で記念のランチをいただくことにしたわけです。

京都と言えば、鱧料理。鱧の名店、割烹 なか川の三条木屋町店ではもしゃぶコースをいただくことにしました。
三条木屋町でお店を探すと、ビルの前に割烹 なか川の提灯看板があります。が、それらしい入り口がありません。

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このビルの地下にお店があるようです。エレベーターで地下一階に下ります。エレベーターから出ると何ともお洒落な空間が広がっています。

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しかし、入り口らきしものが見当たりません。メニューの表示もありません。一番奥に進み、思い切ってドアらしき板戸を横に引くと、明るい店内があり、お店のスタッフがにこやかに迎えてくれます。これが京都風のお店スタイルですね。通りすがりの人が決して迷い込むことはありません。予約しているsaraiである旨を告げると、スタッフのお姉さんがお店の一番奥の個室に案内してくれます。

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一番、安全な場所です。接触するのはマスクのお姉さんだけ。コロナ対策もしっかりしています。高級店らしく、テーブルにはマスク入れも置かれていますね。

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おずおずとアルコールは出してもらえるかと訊くと、OKとのこと。スパークリングワイン、カヴァのハーフボトルを頼んで、記念日を祝い、乾杯です。

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まずは前菜が運ばれてきます。料理の説明を受けますが、とても記憶できそうにありません。配偶者が今日の献立表はないのかと尋ねると、ないとのこと。メモくらいでいいから、何か書いてくれないかと無理な注文をすると、じゃあ、後でメモをお渡ししますと素晴らしい対応。サンキュー!

で、後でいただいたメモがメモではなくて、ちゃんとした献立表でした。急遽作ってくれたんですね。流石の対応にびっくりです。

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前菜は
・京モロヘイヤと長芋旨出汁掛け
・車海老艶煮
・銀杏とむかご松葉
・柿と鱧の浮袋白和え、松の実乗せ
・薩摩芋檸檬煮とクリームチーズ博多
・筋子醤油漬け
どれも美味しくいただきます。実に手の込んだ料理です。

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次はお造り。
・こしび(ヨコワ)
・縞鯵
・剣先烏賊
こしびなんてものが出るのでびっくり。こしびは九州だけのものだと思っていましたが、確かめてみると、紀伊勝浦産だそうです。関東ではメジと言いますね。クロマグロの子供のことです。それも美味しかったのですが、縞鯵のこしこしした食感に衝撃を受けます。剣先烏賊も筋が繊細に切られていて、美味です。

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次は椀物。
・ふかひれ丸仕立て
ふかひれの大きな塊が和風のあんでからめてあります。中華では数度食べたことはありますが、ふかひれを日本料理でいただくのは初めてです。これは絶品!

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次は焼き物。
・子持ち鮎塩焼き

とても小さな鮎が2匹。小さくてもしっかりと子持ちです。これは塩加減といい、焼き加減といい、最高の料理。一番の美味しさです。

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次は揚げ物。
・スッポンかき揚げ、新蓮根
初めてスッポンをいただくような気がします。もっちりした食感で食べ応えがありますね。意外な美味しさです。

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そして、いよいよ、メインのはもしゃぶ。
まずは何と立派な松茸が運ばれてきます。今年、最初の松茸です。

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真鍮の特製鍋が運ばれてきて、まずは松茸を投入。

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次に鱧の登場。汲み上げ湯葉と細かく切ったネギも添えられています。

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たれも運ばれてきて、準備完了。たれは酢橘ポン酢と梅肉です。

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はもしゃぶをいただきます。食べ方のお作法ですが、まずは鱧を鍋でしゃぶしゃぶ。

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次にそのしゃぶしゃぶした鱧を氷水でしめます。

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それを梅肉でいただきます。基本、冷たいものは梅肉、熱いものはポン酢でいただきます。

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それはもう、異次元の美味しさです。日本料理の粋ですね。松茸ももちろん美味しいですが、今日は鱧が主役。すべての食材をしゃぶしゃぶして完食です。

いったん、鍋を引っ込めて、はも雑炊にしてくれるそうです。待っていると、その前に鍋のスープを持ってきてくれます。鱧と松茸の味の豪華なスープです。松茸の土瓶蒸しと同じ味です。これは美味しい!

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鍋に入れた雑炊が運ばれてきます。いつもはお客さんの前で雑炊を作るのだそうですが、コロナ対策のためにキッチンで作ってくるのだそうです。お茶碗に取り分けていただきます。無論、美味しいです。卵の固まり具合が絶妙と配偶者が絶賛。

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これで終わりかと思えば、デザートが続きます。

水物です。
・わらび餅と焙じ茶アイスのデザート、きな粉ムースと和三盆
本物のわらび餅が美味しいですね。

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結局、この豪華ランチを2時間かけていただきました。素晴らしい結婚記念日になりました。料金は高いのですが、この内容を考えると安いのかな。はもしゃぶコースの最高級コースをいただきました。ネットで調べれば分かりますが、一人前、14,300円です。貧乏な学生時代には考えられなかった豪華な京料理。感慨深いです。今まで寄り添ってくれて、幸せを与えてくれた配偶者に感謝あるのみです。

来年の結婚記念日はどうなるかな。コロナ次第ですね。いずれにせよ、2年後の50回目の結婚記念日を目標に生きていきます。


明日からのブログは現在進行中の京都、秋の旅を書いていきます。今回のテーマは配偶者の発案で源氏物語です。でも、源氏物語はフィクションなので、その跡は辿れるのかな?



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秋の京都を尋ね、源氏物語をテーマとする旅を開始

2021年10月5日火曜日@京都

結婚記念日のランチに先立って、その前日、定例の主催イベントを終え、夕方の4時頃、急いで準備をして、自宅を出ます。新幹線の新横浜駅に向かいます。電車は、かなり混んでいます。まだ4時だから、通勤ラッシュというわけではないと思いますが、緊急事態宣言が解除され、人出が増えたということかな。
新横浜駅に到着。ここは、そんなに混んでいるという感じではありません。新幹線ホームで夕食用のお弁当を買います。レジのお姉さんと雑談をしていると「車内でアルコールは販売してないけど、アルコールを飲んでもいいのよ」と・・・。saraiはそうか!とアルコールの棚に向かいますが、さすがに思い留まります。コロナ感染の最大限の予防はしないとね。
新幹線の車内は、空いています。ひかりのせいかも。のぞみはそれなりに混んでいるようん気がします。のぞみに乗らなかったのは、大人の休日倶楽部の割引でチケットを買ったので、ひかりにしか乗れないからです。
ひかりに乗り込んで、早速お弁当を食べます。

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美味しいです。見事に完食します。途中、見事な夕焼けと富士山。急いで写真を撮ります。富士山が見えると何かお得感を感じます。

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ゆっくり、お弁当を食べ終え、配偶者はマスクをしてなかったことに気づきます。慌ててマスクをし、見渡すと、皆さんしっかりマスクをしてます。saraiはとっくにマスクをしてました。
お弁当を食べ終え、ちょっとするとsaraiはぐっすりお休み。気が付くとあっという間に京都駅に到着。
もう真っ暗だし、お宿のチェックインは9時までなので、タクシーで行くことにします。運転手にお宿の場所を説明しようとすると、お宿の名前だけで場所は分かっているようで、さっと走り出します。
京都の街は暗いね・・・と話していると、運転手さんによると、コロナ以前からこんなもんだよとのこと。タクシーもようやく予約が入りだしたけど、外国人観光客はまだだからねとのこと。
お宿に到着。ちょっと贅沢したけど、やはりタクシーはラクチン。年寄りの夜道は足元が危ないから、タクシーにしてよかったかな。
荷物を部屋に置いて、すぐに、飲み物の確保に買い物へ出かけます。すぐ近くにセブンイレブンがあります。今日はゆっくりして、明日に備えましょう。明日は記念のランチですからね。

緊急事態宣言が解除後に早速の旅ですが、実は9月の始めにも北海道の知床に出かける予定で航空券、ホテル、レンタカーなどの予約をしていました。あまりのコロナ蔓延のために直前にすべてキャンセルしました。今回もどうなるかなと思っていましたが、急激な感染者の減少という不思議な現象で旅に出かけることができました。
今回の京都の旅のメインテーマは源氏物語です。参考文献は《源氏物語を歩く》(楽学ブックス:JTBパブリッシング刊)。源氏物語は平安時代に書かれたフィクションなので、そのモデルとなった場所の特定は難しいようです。しかし、華麗な王朝の時代に思いを馳せて、そのゆかりの場所を尋ねることはたとえ、想像上のものだとしても楽しいだろうと思います。美男の光源氏と彼を取り巻く女性たち、藤壺更衣、紫の上、夕顔、さらには原作者の紫式部の跡を辿る散策を明日から始めましょう。



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テーマ : ヨーロッパ
ジャンル : 海外情報

 

秋の京都:美しい白川の流れ

2021年10月6日水曜日@京都

昨日の夜、京都に到着。一夜明けて、今日は快晴です。旅は晴れるものと思っている配偶者で、当然という顔をしています。しかし、晴れてるばかりか、10月というのに超暑い!
12時から予約の記念食事のため、朝食は抜きにします。saraiは配偶者に叩き起こされてお宿を出発します。
いつもの道を歩き、三条大橋を目指します。まずは平安神宮の赤い大きな鳥居が見えてきます。

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いつもお世話になっているセブンイレブン 京都平安神宮前店です。昨夜も飲み物類を購入しました。普段は観光客で賑わっていましたが、今は閑散としていますね。

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セブンイレブンの前から見ると、赤い鳥居の向こうに平安神宮が見えています。

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琵琶湖疎水を水源とする白川沿いの道に出ます。

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白川と疎水を讃える詩が書かれた分水界の石碑があります。

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白川の美しい景色が始まります。

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あれっ、前回見つけたフランス料理店、オ・タン・ペルデュの様子が変です。

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なんとフランス料理店は閉店。レストランだけの時はその存在に気がつかなかったのですが、テイクアウトができるようになったので利用したのに、残念ながら閉店してます。16年間の活動だったようです。外国人の利用が多かったので、コロナ禍のダメージが大きかったのでしょう。コロナ禍の厳しい現実を知ります。

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白川から後ろを振り返ると、京都国立近代美術館と赤い鳥居が見えます。

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白川の川縁をぶらぶらと歩いていきます。

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ますます、白川の流れが綺麗になっています。こんなに水が綺麗だったでしょうか。コロナ禍のもたらした正の遺産なのでしょうか。複雑な思いです。

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美しい白川の流れに見とれてしまいます。

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白川沿いの道を三条に向けて歩いていきます。京都で好きな道のひとつです。



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テーマ : 寺社巡り
ジャンル : 旅行

 

秋の京都:白川から鴨川へ

2021年10月6日水曜日@京都/2回目

記念のランチをいただくべく、三条木屋町に向かっているところです。saraiの最も好きな京都の道のひとつ、白河沿いの道を歩いています。川沿いのわずかな空間に三谷稲荷社があります。こういうところも白川の面白い風景のひとつです。

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白川には珍しく、しっかりした橋が架かっています。この橋を横目に通り過ぎます。

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白川の前には“京の川を美しく!”というスローガンを書いた立て看板があります。この立て看板が不要なくらい、今の白川は美しさの限りです。

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白川の水面が明るい陽光を浴びて、きらきらと輝いています。

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白川沿いの道を離れて、古い家屋が立ち並ぶ路地に入ります。

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町屋が民宿になっていますね。これも京都の風景のひとつです。

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やがて、三条駅に近づきます。こんなところにも大きなお寺がありますね。だん王法林寺です。本当に至るところに寺社仏閣があるのが京都です。

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川端通りに出ると、通りの先に三条大橋が見えてきます。

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通りの手前には三条駅の地上部分があります。

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川端通りを渡って、鴨川べりに出ると、面白い石碑があります。駅伝発祥の地の石碑です。これって、本当?と首を捻ります。どうやら、本当のようです。ネットの情報を調べると、
“1917年、日本で初めて駅伝が開催されたスタート地点に建てられた石碑になります。ゴールは東海道を走りきって、東京上野の博覧会会場までの514kmを3日間でつなぐという壮大な駅伝だったそうです。”(83 Koichiさん)という記述がありました。へー!!

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鴨川を眺めると、鴨川の水も綺麗ですね。前からこんなに綺麗だったでしょうか。対岸には鴨川名物の川床が並んでいます。

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鴨川を渡ると、三条木屋町もすぐです。



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レーゼル最後のコンチェルト演奏は枯れた美しさ 沖澤のどか&読売日本交響楽団@東京芸術劇場 2021.10.10

いやはや、ペーター・レーゼルの日本での最後のコンチェルト演奏を危うく聴き逃がすところでした。
新宿ラインで大崎に近づいたとき、何故か、スローダウンし、ストップ。また、動き出して、大崎駅に到着。ホームでは騒がしいアナウンス・・・何とこの新宿ラインも山手線も埼京線もすべて、運転見合わせ中。大宮あたりで大規模停電だそうです。5分ほど様子を見ますが、状況は変わりません。このままでは池袋まで行けません。ペーター・レーゼルの日本での最後のコンチェルト演奏を何としても聴かないといけません。次はありませんからね。思い切って、席を立ち、駅を出ます。バス停が見えます。渋谷行です。渋谷まで行けば、副都心線で池袋に行けます。とりあえず、バスを待つ長蛇の列の最後尾につきます。すぐにバスがやってきます。空いています。列がどんどん動き、何とかバスに乗れます。1時25分発だそうで、数分後に出発。走り出して分かりますが、なかなか、大崎地区から抜け出せません。うーん、渋谷は遠い! どこか適当なところで降りましょう。おっ、不動前駅です。ここから目黒線で乗り継いで池袋に行けそうです。とりあえず、降りましょう。ただ、地下鉄の乗り継ぎでは到底、コンサートに間に合いそうにありません。やはり、タクシーをつかまえましょう。いくらかかっても、どうしてもレーゼルのコンチェルトを聴くという必死の思いです。ただ、空車のタクシーがなかなか来ません。空車が来たのでそれっと近づくと、予約済とのこと。じりじりしながら、タクシーを探します。結局、15分ほどかかって、何とか空車のタクシーを確保。早いルートで行ってほしいと運転手さんに頼みます。高速でいいかと訊かれて、もちろん、OK。さらに手前に戻って高速入口に行っていいかと訊かれて、もちろんOK。こうなると料金の問題ではありません。抜け道を走って、高速に向かいます。既に1時50分を過ぎています。最初の曲、フィンランディアは聴けなくても、2曲目のレーゼルのコンチェルトだけは聴きたい! できれば、2時10分くらいに着ければ、何とかなるでしょう。やがて、2時前に高速に入れます。ここからはびゅんびゅん走れます。ただ、池袋は遠い! 新宿を過ぎたときには2時を過ぎます。2時10分頃に池袋の高速出口を出て、また、信号につかまりながら、東京芸術劇場に向かいます。2時15分頃に東京芸術劇場の前に到着。ともかく、会場に急ぎましょう。東京芸術劇場に走り込み、エスカレーターに向かうと、まだ、エスカレーターに乗っている人がいます。みなさんも遅れたのね。エスカレーター前の警備の方が10分遅れで開演していますと案内してくれます。じゃあ、まだ、1曲目のフィンランディアを演奏中かな・・・。ホールの入口ではかすかにフィンランディアの旋律が聴こえてきます。ホールのスタッフがフィンランディアが終わったところでホール内にご案内しますと声を掛けてくれます。既にフィンランディアの終結部の音楽が鳴っています。ぎりぎりでしたね。ホール客席の入口前に着くと、音楽が止み、拍手が聴こえます。さっと扉が開けられて、ホール内に入ります。おっ、ほとんどの客席は埋まっています。ほとんどの人は間に合ったのね。急いで、拍手の中を前から2列目の自分の席に行きます。席の近くにはお知り合いの人もいて、声を掛けてくれます。息を整えていると、早くもお目当てのレーゼルが登場します。ううっ、何とか間に合った!! 高額なタクシー料金を払ったのは正解だった。
というドタバタ劇でした。

肝心の演奏ですが、レーゼルの演奏を聴くのは7年ぶり。何故、その間、聴かなかったのか、自分でも分かりません。ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番のオーケストラの前奏が始まります。読響の素晴らしいアンサンブルで最高の演奏です。レーゼルのピアノは実に軽い手の動きで始まります。力が抜けた演奏です。もともと、そういう演奏スタイルですが、ますます枯れたかな。でも、レーゼルらしい美しい響きがするから不思議です。ピアノはダイナミックに弾けばいいわけではないのが分かります。しばらくすると、芯のある音になり、最高に美しい響きになります。ベートーヴェンの高邁な精神に満ちた音楽を一陣の風が吹き抜けるような雰囲気の気品ある演奏で歌い上げます。バックの読響の明るく美しい響きと相俟って、とても美しい音楽が鳴り響きます。とても内面が充実した演奏です。こういうベートーヴェンの真髄に迫るコンチェルトを聴くのは大昔にヴィルヘルム・ケンプの演奏を聴いて以来かもしれません。ドイツの伝統を背負う大家ならでは演奏です。夢中になって聴いていたので、あまり、演奏の細部は覚えていません。あっという間にカデンツァになり、見事な演奏に耳を傾け、さっと第1楽章は終わります。第2楽章はレーゼルの右手で奏でられる高音部の響きの美しいこと。オーケストラとの絡み合いも素晴らしく、うっとりと聴き惚れます。第3楽章はピアノの独奏が先導して始まります。その軽く颯爽としたテンポもよかったのですが、続くオーケストラがあえて、ぐっとテンポを上げます。きっとレーゼルとの約束事だったのでしょう。その早いテンポに応答しながらもピアノは余裕の演奏で対応します。軽い緊張感を持続しながら、音楽は疾走していきます。高邁な精神は次第に高まって、内面的な頂点を形成していきます。短いカデンツァの後、少し、テンポを落として、ピアノの独奏とオーケストラの対話があり、最後にテンポを急速に上げて、気持ちよくフィナーレ。素晴らしい演奏でした。
抜くべき力は抜き、内面の充実した演奏で、ベートーヴェンが作り上げた高邁な精神世界を表現してみせてくれました。あえて、第3番や第4番のピアノ協奏曲を選ばずに第1番を弾いたのかが分かるような気がしました。シンプルな作品を用いて、精神性をより重視した演奏でベートーヴェンの世界を表現して、これを持って、日本の聴衆に別れの言葉としたかったのかな。

3日後の紀尾井ホールでのフェアウェルリサイタルが楽しみです。ちょっと寂しいですけどね。

休憩後、新鋭指揮者、沖澤のどかによるシベリウスの交響曲第2番です。読響の素晴らしい響きを使って、彼女は楽しそうに音楽を作り上げていました。妙にこねまわさずに素直な感性で美しい演奏でした。音楽を楽しむことを原点としているのはいいですね。今後の成長を楽しみにしていましょう。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:沖澤のどか
  ピアノ:ペーター・レーゼル
  管弦楽:読売日本交響楽団  コンサートマスター:小森谷巧

  シベリウス:交響詩「フィンランディア」Op.26
  ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 Op.15
   《アンコール》ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第10番Op.14-2より、第2楽章

   《休憩》

  シベリウス:交響曲第2番 ニ長調 Op.43


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のシベリウスの交響詩「フィンランディア」は以下のCDを聴きました。結局、予習のみになっていまいましたけどね(笑)

 オッコー・カム指揮ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団 1982年2月4日 大阪フェスティバル・ホール ライブ録音

ずい分、昔の来日公演のライブ録音です。素晴らしい演奏です。


2曲目のベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番は以下のCDを聴きました。

 ペーター・レーゼル、クラウス・ペーター・フロール指揮ベルリン交響楽団 1991年 ベルリン、キリスト教会 セッション録音
 
ペーター・レーゼルのベートーヴェンのピアノ協奏曲全集の旧盤です。今と変わらぬ美しい響きを聴かせてくれています。


3曲目のシベリウスの交響曲第2番は以下のCDを聴きました。

 ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団 1970年5月22日 東京文化会館大ホール ライヴ録音
 
ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団の恐るべき合奏力がこの日本で聴けたんですね。1970年の大阪万博のときでした。あー、聴いておけばよかった!



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美しい舞台演出に見惚れてしまう《チェネレントラ》@新国立劇場 2021.10.11

遂に新国立劇場のオペラの定期会員になってしまいました。オペラは海外と決めていましたが、今や、国内のオペラの水準もずい分上がりました。ともかく1年間聴いてみます。
これでオーケストラは東響のサントリーホールとオペラシティ、読響のサントリーホール、都響のサントリーホール、N響のサントリーホールの定期会員、それにBCJの定期会員と国内で音楽を聴く体制が整いました。でも、海外遠征をあきらめたわけではありません。コロナが鎮静化すれば、また、ウィーンに行きましょう。

新国立劇場のオペラの定期会員となって、記念すべき最初の公演はロッシーニの《チェネレントラ》。基本的に平日のマチネに行くので、今日のお昼に出かけました。昨日と違って、電車はスムーズに運行して、予定通りに初台に到着。前2列はコロナ対策で空けているので、saraiの座った4列目中央は実質2列目。とても良い席です。やはり、オペラはオーケストラのコンサートとは違う雰囲気がいいですね。照明が暗くなって、まずは有名な序曲が始まります。そこそこの演奏ですが、ワクワク感は高まります。それに序曲から、幕が開き、シルクスクリーンの奥で演技が始まっているのはいいですね。映画の撮影をしているというコンセプトの演出で華やかな雰囲気の舞台装置が目を惹きます。

第1幕は美しい舞台装置と衣装で展開の早い舞台演出に好感を持ちます。歌唱はとびぬけたものではありませんが、高い水準ではあります。やはり、期待していたドン・マニフィコ役のアレッサンドロ・コルベッリは彼の実力からすれば盛りを過ぎたとは言え、練達の歌唱と演技で気を吐いています。タイトルロールの脇園 彩はメゾソプラノとしては透明感のある歌唱です。アジリタはまあまあといったところでしょうか。2014年のザルツブルグ精霊降臨音楽祭で不世出のロッシーニ歌手、チェチーリア・バルトリの凄いアジリタを聴いているので、誰が歌っても簡単には満足できません。テノールのルネ・バルベラもよく高音が出ています。これもつい、2014年のザルツブルグ精霊降臨音楽祭で聴いたハヴィエル・カマレーナと比べてしまいます。あの輝かしい高音とは比較になりません。しかし、気持ちよく聴けるレベルの歌唱ではありました。意外によかったのは、ダンディーニ役の上江隼人。時折、彼が日本人であることを忘れてしまうような歌唱です。第1幕では5重唱がなかなかの出来。まるでアンサンブルオペラのように感じます。第1幕のフィナーレを飾る重唱のアンサンブルも盛り上がりました。しかし、第1幕がとても長い!! オペラって、こんなに長いのかと感じます。コロナ禍でこのところ、あまり、オペラを聴いていないので、オペラの長さを忘れていました。

第2幕も基本、第1幕と同じ感想です。冒頭でアレッサンドロ・コルベッリが歌うアリア“娘のどちらでも”は娘の一人が王子の花嫁になったときの自分の栄光を思いっ切り想像する抱腹絶倒の歌ですが、これはさすがに見事としか言えません。このアリアを書いたロッシーニも凄いですが、これを歌いきるコルベッリも凄い。こんなに笑えるアリアって、なかなかありません。王子がアンジェリーナ、すなわち、チェネレントラ(シンデレラ)と見つけ出したときの6重唱も凄まじく素晴らしいです。フィナーレの脇園 彩のロンドもそこそこのアジリタながら、納得の歌唱でした。
そうそう、素晴らしかったのは新国立劇場合唱団。今回は男性のみの合唱ですが、見事な歌唱でした。

うーん、やっぱり、オペラはいいね。しかし、長い! 次はワーグナーの楽劇《ニュルンベルグのマイスタージンガー》なので、もっともっと長い!!


今日のキャストは以下です。

  【指 揮】城谷正博
  【演 出】粟國 淳
  【美術・衣裳】アレッサンドロ・チャンマルーギ
  【照 明】大島祐夫
  【振 付】上田 遙
  【舞台監督】髙橋尚


  【ドン・ラミーロ】ルネ・バルベラ
  【ダンディーニ】上江隼人
  【ドン・マニフィコ】アレッサンドロ・コルベッリ
  【アンジェリーナ】脇園 彩
  【アリドーロ】ガブリエーレ・サゴーナ
  【クロリンダ】高橋薫子
  【ティーズベ】齊藤純子

  【合唱指揮】三澤洋史
  【合 唱】新国立劇場合唱団
  【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

最後に予習について、まとめておきます。

  ファビオ・ルイージ指揮、チェーザレ・リエーヴィ演出、メトロポリタン歌劇場 2014年5月10日、メトロポリタン歌劇場 ライヴ収録
   ジョイス・ディドナート(アンジェリーナ)、ファン・ディエゴ・フローレス(ドン・ラミーロ)、アレッサンドロ・コルベッリ(ドン・マニフィコ)、
   ピエトロ・スパニョーリ(ダンディーニ)、ルカ・ピザローニ(アリドーロ)、ラシェル・ダーキン(クロリンダ)、パトリシア・リスリー(ティスベ)

無論、ドン・マニフィコ役のアレッサンドロ・コルベッリを聴きたくて、この録画を見ましたが、その抱腹絶倒の歌唱と演技は素晴らしいものでした。フローレスも凄かったしね。ディドナートはまあまあかな。
本当はバルトリの歌を聴いたほうがよかったのですが、そちらはアレッサンドロ・コルベッリはダンディーニ役なので、回避しました。



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秋の京都:お洒落な木屋町

2021年10月6日水曜日@京都/3回目

記念のランチをいただくべく、三条木屋町に向かっているところです。鴨川に架かる三条大橋を渡ります。渡り終えると、橋の袂にスターバックスコーヒーのお店があることに気が付きます。古都にも新しい波ですね。その手前には大きな石柱があります。これは旧三条大橋の石柱だそうです。新しいものと古いものが混在する町が今の京都です。

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木屋町に向かって、三条通りを進みます。通りには、豆菓子を商うお店があります。本家 船はしやです。いかにも京都ならではのお店ですね。

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三条通りに入っても、人出はそれなりだけど、外国人の観光客はいないので、やはりごった返してはいませんね。すぐに木屋町に出ます。高瀬川が流れています。記念碑が立っています。佐久間象山 ・大村益次郎 遭難之碑です。佐久間象山、大村益次郎は、5年の間をおいて、ともにこの付近で襲撃され、亡くなりました。佐久間象山は1864年に幕命で上洛し、暗殺されて、その斬首は三条河原に晒されました。大村益次郎は1869年、木屋町の旅宿で襲撃され負傷し、その後、大阪の病院で亡くなりました。幕末、明治初頭の歴史が詰まっています。(正確には二人の石碑はここから北に行ったところにあるようです。)

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高瀬川沿いにはお洒落なカフェがありますね。

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ランチを予約したお店を探しながら、木屋町を歩いていきます。

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高瀬川沿いの柳並木の道はとても綺麗です。

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この通りはこれまで歩いた記憶がありません。なかなか面白そうな通りです。

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通り沿いにはお洒落なお店が立ち並びます。

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高瀬川に架かる恵比須橋の前に佇み、目指すお店の位置をスマホの地図アプリで確かめます。うーん、このあたりの筈です。

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配偶者は木屋町のお洒落な風景をパチパチ写真に収めています。

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高瀬川に架かる次の橋は姉小路橋。

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このあたりも柳が美しく、素晴らしい風景です。

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目指す店がなかなか見つかりません。それもそのはず、ビルの地下1階にありました。ビルに案内看板があります。割烹 なか川と小さく書いてあります。

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まだ、予約時間まで15分ほどありますから、この綺麗な木屋町をぶらぶらと見物しましょう。



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レーゼル最後の来日公演は極美のシューベルトで圧巻のフィナーレ@紀尾井ホール 2021.10.13

ドイツの巨匠、ペーター・レーゼルは余力を残してのフェアウェル・リサイタルでした。ピアニスト自体を引退したわけではなさそうですが、これが最後の来日公演になるそうです。実は昨年の5月15日の予定でしたが、コロナ禍のために今日まで延期になりました。本来ならば、昨年のその時期はsaraiはヨーロッパ遠征の予定でしたから、このペーター・レーゼルのフェアウェル・リサイタルは聴き逃がすところでした。コロナ禍のお陰で聴けたという皮肉な僥倖です。

前半のハイドンのソナタは古典的な構成美に満ちた素晴らしい演奏でしたし、ベートーヴェンの最後にして、最高のソナタは極め付けの美しさ。特に第2楽章のアリエッタの美しいこと、この上なし。高域の響きは天上の天使の囁きのようでした。しかし、後半のシューベルトのピアノ・ソナタ第21番は最高の演奏でした。第1楽章の出だしの憧れに満ちた旋律が音量といい、テンポといい、微妙に素晴らしく、あの謎のようなトリルも納得の演奏です。再度、フォルテで登場するときの感銘はいくばかりか!! ずっと続く憧れのような音楽は一体、何に対する憧れなのか、考え込みながら、素晴らしい演奏に耳を傾けていました。長大な第1楽章は細部までパーフェクトに奏でられました。最高の演奏です。レーゼルの重厚でありながら、透明感に満ちたピアノの響きがドイツ・ロマン派にぴったりです。このシューベルトを始め、シューマン、ブラームスこそ、レーゼルの十八番と言えるでしょう。第2楽章にはいっても、憧れの音楽はますます高まります。永遠の美への憧れであり、現実の人間が生きている世界を愛おしむような感情に満ちていることを感じます。上昇音型は天上への憧れ、下降音型は現実の世界への愛でしょうか。何ともロマンに満ちた音楽が展開されていきます。心がメロメロになって聴き入ります。第3楽章は軽快に駆け抜けて、第4楽章は憧れから抜け出して、決然とした音楽が始まります。これがシューベルトの最後の決意であり、それをレーゼルは日本の聴衆への別れのメッセージにしました。これで終わりであるけれども、まだまだ、その向こうには生き抜いていく世界があることをその演奏から感じ取ります。
このシューベルトの最高傑作にして、saraiが愛して止まないピアノ・ソナタ第21番変ロ長調はこれまでも実演で素晴らしい演奏を聴いてきました。なかでもアンドラーシュ・シフ(今日と同じ3曲とモーツァルトの最後のピアノ・ソナタのリサイタルでした)と田部京子の演奏が最高に心に響きましたが、レーゼルの演奏も同列に置けるような素晴らしい演奏でした。

盛大な拍手の中、レーゼルが弾いたアンコールは何とsaraiの愛する即興曲の2番(D935-2)。冒頭の旋律を聴くだけで、胸が締め付けられるような感動に襲われます。最高の選曲で、最高の演奏です。
残り2曲のアンコール、ベートーヴェンも見事な演奏で最後の来日公演のリサイタルも幕。もっともっと彼の演奏を聴いておけばよかったという後悔の念と最後に素晴らしい演奏を聴けた充足感が心の中で交錯します。さようなら、ペーター・レーゼル!!


今日のプログラムは以下です。

  ペーター・レーゼル フェアウェル・リサイタル

  ハイドン:ピアノ・ソナタ第52番変ホ長調 Hob.XVI:52
  ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番ハ短調 Op. 111

   《休憩》

  シューベルト:ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調(遺作)D960

   《アンコール》

    シューベルト:4つの即興曲D935 Op.142より 第2曲 変イ長調
    ベートーヴェン:6つのバガテル Op.126より 第1曲 ト長調
    ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第10番 Op.14-2より 第2楽章


最後に予習について、まとめておきます。以下のCDを聴きました。

1曲目のハイドンのピアノ・ソナタ第52番は以下のCDを聴きました。

 アンドラーシュ・シフ 1997年 セッション録音
 
シフのとても美しい演奏。再録音すれば、さらに熟成した演奏になるかもしれませんが、これで十分。


2曲目のベートーヴェンのピアノ・ソナタ第32番は以下のCDを聴きました。

 ペーター・レーゼル 2011年10月11,12日 紀尾井ホール ライヴ+セッション録音
 
前から購入してあったCDを今回、聴いてみました。予想通り、素晴らしい演奏。ともかく、ピアノの音が美しい! もちろん、音楽的にも熟成した演奏です。


3曲目のシューベルトのピアノ・ソナタ第21番は以下のCDを聴きました。

 クララ・ハスキル 1951年録音 スタジオ録音 モノラル
 
クララ・ハスキルは3枚のCDを残していますが、中でも1951年のスタジオ録音はモノラルながら音質もよく、ハスキルならではのピアノの響きに感動してしまいます。第2楽章以降の素晴らしさは言葉では表せないほどです。



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秋の京都:木屋町に川床への入口があるんだ!

2021年10月6日水曜日@京都/4回目

記念のランチをいただくべく、三条木屋町にある割烹料理のお店、なか川の前に着きました。このビルの地下にお店があります。目立たないお店で一見さんがふらっと入ることはなさそうです。もっともsaraiだって、ネットを検索して見つけたので、今はそういうお客さんが多いのかもしれません。

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ともあれ、お店を見つけたので、予約時間になるまではフリーです。たった15分くらいですが、綺麗な木屋町のあたりをぶらつきましょう。
木屋町を歩いていて気付いたこと。川床料理のお店の入り口はこの木屋町にあります。細い路地を奥にずっと進むみたいです。縁がないので知らなかっただけです。もっともsaraiは一度だけ、川床に行ったことがあるのですが、そのときは会社の同僚の案内でご一緒しただけなので、すっかりと忘れていました。20年ほど昔のことです。川床って、正確には鴨川納涼床って言うんですね。

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ちょっと路地奥に入ってみましょう。狭い通路がずっと奥まで続いています。これなら鴨川縁まで行けそうですね。

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また、路地から出て、木屋町の通りをぶらぶら。おっ、こんなところに石碑がありますね。武市 瑞山の寓居の跡となっています。武市 瑞山は、幕末の土佐藩の勤王の志士で、通称は武市 半平太。この武市 半平太の名前の方が通りがいいですね。このあたりは至る所に史跡があります。

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この石碑の横にも料亭の入口があり、細い通路が奥まで伸びています。その先に川床があるようです。

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ここにも川床に続く細い通路。至る所に川床への通路があります。

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ちょっと広めの路地があるので、奥に進んでみます。奥には豆腐料理のお店があります。このお店にも川床があるようです。

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路地の突き当りは木戸になっていて、閉まっていますが、その先はもう鴨川縁のようです。木戸の隙間から覗くと、鴨川が見えます。

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おっ、京料理の有名店、梅むらがありますね。何やら、このお店はその昔、伊藤博文が定宿にしていたそうです。このお店にも川床があるようです。

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気になって、梅むらのメニューを眺めます。お昼なら、1万円程度で食べられるようです。夜でも1万5千円くらい。手の出ない価格帯ではありません。機会があれば、来てみたいですね。

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木屋町を北上し、御池通りまで出ます。江戸時代には、このあたり一帯は加賀藩邸だったようです。

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御池通りを見て、ここからまた、木屋町通りを戻りましょう。もう、ランチの予約時間まで5分ほどになりました。



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藤田真央のモーツァルトは雨のち曇りのち超快晴@王子ホール 2021.10.15

過剰なほどの期待感を持って、コンサートに臨みましたが、前半はもうひとつの出来。これが藤田真央の演奏とは思えません。ともかく、美しい響きが聴こえてきません。まるでフォルテピアノを聴いているようですが、実際はスタインウェイ。どういうことでしょう。ピアノ・ソナタ第8番は激しい演奏でしたが、繊細な機微が感じられません。普通はこれで満足するところかもしれませんが、saraiの期待は過剰ですからね。

後半に入っても、最初のロンドは前半と同様な響き。しかし、音楽的には納得できる演奏ではあります。次の幻想曲 ハ短調に入ると、ようやく、ピアノが響き始めます。ただ、繊細な弱音の響きは聴かれません。藤田真央の持ち味の半分が聴けない感じです。それでも並みのピアニスト以上の素晴らしい演奏ではあります。続けて演奏するピアノ・ソナタ第14番 ハ短調も同様な演奏で第1楽章が始まります。第2楽章にはいって、あれっ、演奏の精度が上がった! 内面的な表情が見事な演奏になります。第3楽章はさらに素晴らしい演奏になります。ようやく、満足できる演奏です。今日はスロースターターでしたね。

ところがこれはまだ、序章でした。ここまではまるで指慣らしだったんでしょうか。アンコール曲のピアノ・ソナタ第5番の素晴らしいこと! 何と言っても、弱音の響きが研ぎ澄まされた美音、そして、指の
細かい動きが凄まじく見事。完璧を超えた演奏です。藤田真央はここにきて、まるでゾーンに入ったようです。こんな凄いモーツァルトは実演で聴いたことがありません。天才のみに許された演奏です。次の曲、
ピアノ・ソナタ第15番 第3楽章もゾーンにはいったまま。何を弾いても最高の演奏が続きます。こういう演奏を期待して、このコンサートに来たんです。最後の最後にありえないような演奏を聴きました。
できうれば、本編でもこのゾーンにはいった演奏をしてほしかったのですが・・・。

若き天才ピアニスト、藤田真央は読めない音楽家ですね。でも、最後の凄い演奏を聴くと、また、聴きたくなります。次は最初からゾーンにはいってほしい!


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  ピアノ:藤田真央

  モーツァルト:幻想曲(未完) ニ短調 K397
  モーツァルト:アダージョ ロ短調 K540
  モーツァルト:ピアノ・ソナタ第8番 イ短調 K310

   《休憩》

  モーツァルト:ロンド イ短調 K511
  モーツァルト:幻想曲 ハ短調 K475
  モーツァルト:ピアノ・ソナタ第14番 ハ短調 K457


   《アンコール》
     モーツァルト:ピアノ・ソナタ第5番 ハ長調 K283 全曲
     モーツァルト:ピアノ・ソナタ第15番 ヘ長調 K533より 第3楽章


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のモーツァルトの幻想曲 ニ短調 K397を予習したCDは以下です。

  クラウディオ・アラウ 1973年 セッション録音

アラウのモーツァルトは色々言われますが、少なくとも、この曲は素晴らしい結果になっています。


2~6曲目のモーツァルトのアダージョ、ピアノ・ソナタ 第8番、ロンド、幻想曲 ハ短調、ピアノ・ソナタ第14番を予習したCDは以下です。

  アンドラーシュ・シフ 1980年1月、2月 ウェスト・ハムステッド セッション録音 モーツァルト録音集(21CD)

シフの若い頃の録音。若干26歳とは思えない素晴らしい演奏です。その後の再録音が不要なほどの出来です。無論、再録音すれば、もっと素晴らしい演奏になるでしょう。



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       藤田真央,  

やはり、ジョナサン・ノットの指揮する東京交響楽団のブルックナーは美の極致@サントリーホール 2021.10.16

ジョナサン・ノットが指揮すると、東響が輝く! ありえないようなレベルのブルックナーに大いなる感銘を受けました。ブルックナーの交響曲第4番は第1楽章は弦を抑えめに管を浮き立たせた表現の演奏ですが、少しもうるさいところのない極めて繊細な音楽が進行します。時折、弦だけのパートでは、東響の強力な弦のアンサンブルが美しい響きを奏でます。ブルックナーの圧倒的な構造物が見事に表現されます。第2楽章にはいると、一転して、抒情に満ちたロマンが歌い上げられます。そのあまりの美しさに呆然として聴き入るのみです。長大な第1楽章と第2楽章がパーフェクトに演奏されました。第3楽章は勇壮なスケルツォ。勢いのあるフレーズがノットの指揮の下、一糸乱れずに演奏されます。身震いするような演奏です。しかし、本当に圧巻だったのは第4楽章。その素晴らしさに身じろぎもせずに一心不乱に集中して、耳を傾けます。ここには音楽のすべてがあります。それにノットの指揮の美しいこと。彼のタクトを振る様に見とれながら、そのタクトでドライブされる東響の美しい響きに存分に身を委ねます。コーダは息の長いクレッシェンドで高潮していき、その頂点で突然のように終止。音楽の素晴らしさを実感する瞬間です。完璧な沈黙がホールを覆い尽くします。演奏者と聴衆が共感した瞬間です。
少なくともsaraiには、長かったコロナ禍の後にジョナサン・ノットが完全に帰ってきてくれたという深い感動が沸き起こりました。もちろん、コロナ禍はまだ終わっていませんが、長かった空白がノットの完全復活で断ち切れたという思いでいっぱいです。

前半のベルクのヴァイオリン協奏曲も素晴らしい演奏でした。神尾真由子の気魄に満ちたヴァイオリンの響きと全体を支配するノットの完璧なコントロールでベルクの名作が見事に表現され尽くしました。とりわけ、第2楽章の充実度はいくばかりか! コラールが出現して、その恩寵に神尾真由子のヴァイオリンが優しく包まれて、最後は天上に昇天していきます。激しい緊張感の後のカタルシスがsaraiの心を揺さぶります。素晴らしい感動に襲われました。

今回の来日ではジョナサン・ノットはまだ、モーツァルトのレクイエムという大作を披露してくれることになっています。リゲティのルクス・エテルナを終盤に組み込むというノットならではのアイディアはどんな形で結実するのでしょうか。期待するしかありません。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:ジョナサン・ノット
  ヴァイオリン:神尾真由子
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:グレブ・ニキティン

  ベルク:ヴァイオリン協奏曲「ある天使の思い出に」

  《休憩》

  ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック」(1878/80年稿ノーヴァク版)


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のベルクのヴァイオリン協奏曲を予習したCDは以下です。

  ヨセフ・スーク、カレル・アンチェル指揮チェコ・フィル 1963年録音 セッション録音
  アンネ・ゾフィー・ムター、ジェイムズ・レヴァイン指揮シカゴ交響楽団 1992年録音 セッション録音

スークはいかにも古い演奏でロマン的。ちょっとイメージが異なります。ムターはさすがの演奏。真髄を突くような見事な音楽を奏でます。


2曲目のブルックナーの交響曲第4番を予習したCDは以下です。

  オイゲン・ヨッフム指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団 1975年1月16日、ライヴ録音

ヨッフムのブルックナー、悪かろう筈はありません。それにオーケストラがアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団ですからね。このコンビでの第4番~第8番のCD6枚組セットは最高の演奏ばかりです。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       ジョナサン・ノット,  

カヴァコスが弱音の美しさで魅了するブラームスのロマン そして、巨匠ブロムシュテットが描き上げるニールセンの美的音響 NHK交響楽団@東京芸術劇場 2021.10.17

カヴァコスとそして、高齢、94歳の巨匠ブロムシュテットが弦楽器奏者に先立って登場。何か、このお二人、絵になりますね。

まず、ブラームスのヴァイオリン協奏曲です。ブロムシュテットがタクトを振って、オーケストラの堂々たる前奏が始まります。ブロムシュテットの指揮を見るのは、3年前のザルツブルグ音楽祭でウィーン・フィルを聴いた時以来です。少し、背中が丸くなったような気がしますが、かくしゃくとしたもので、椅子に座っての指揮とかではありません。超人的ですね。手を軽く振るだけで、オーケストラを自在にコントロールします。今日のN響は素晴らしい響きです。カヴァコスはその風貌から、外面的な演奏を想像してしまいますが、さにあらず、実に繊細で内面的な音楽を聴かせてくれます。毎回、イメージと実際の演奏のギャップに戸惑います。いい加減、カヴァコスの音楽性をしっかりと頭に刻み付けておかないといけませんね。で、第1楽章の独奏ヴァイオリンの激しい音楽が収まるまではさほどの感銘を受けませんが、抒情的なパートが始まると、弱音の極めて美しい響きと繊細な音楽性に聴き惚れます。ブラームスの内面から滲み出るようなロマンにうっとりとしてしまいます。このカヴァコスの弱音にブロムシュテットは見事にオーケストラを絡み合わせていきます。素晴らしく上質な協奏曲が奏でられていきます。カデンツァに入ると、カヴァコスの繊細なヴァイオリンの響きがさらに引き立ちます。素晴らしい演奏に耳を傾けているうちに第1楽章は圧巻のフィナーレ。ここで拍手が出てもsaraiは責められないと思うほどの迫力です。そして、第2楽章はカヴァコスのヴァイオリンの繊細な響きがさらに素晴らしくなっていきます。何と言う見事な演奏でしょう。木管と絡み合うあたりはうっとりと聴き入るのみです。実演ならではの音楽に心が震えます。もっともカヴァコスは安定した余裕の演奏です。ブロムシュテットのサポートも万全です。ロマンあふれる演奏が最高潮に達して、第2楽章が終わります。間髪を入れずに勢いよく、第3楽章が始まります。最後は圧巻のフィナーレに駆け上がっていき、とても充実した演奏に大満足です。
アンコールのバッハの無伴奏は実に個性的な演奏ですが、ここでも弱音の魅力に心を奪われます。ブロムシュテットも指揮台の上に立ったままで、そのアンコールを聴いています。あまりの元気のよさに驚愕します。

休憩後、ニールセンの交響曲 第5番です。ニールセンはブロムシュテットが北欧の家系のせいか、十八番にしています。以前、ウィーンの楽友協会でブロムシュテットがウィーン交響楽団を指揮して、この曲を演奏するのを聴きましたが、今日はその時よりも素晴らしい演奏です。艶のある響きで音が立っています。第1楽章の春の訪れを感じさせるような美しい音響、第2楽章の夏の祝宴を思わせるような大音響。ブロムシュテットは少しも枯れたところのない若々しい音楽を聴かせてくれます。プログラムの解説では、この曲は戦争・闘いをテーマにしていると書かれていますが、そういう次元の音楽ではなく、実に美しい音楽です。北欧の美しい自然を感じさせる見事な演奏でした。

それにしても、同年代のハイティンクが引退した今、超高齢のブロムシュテットはますます意気盛んです。saraiの持論、指揮者は80歳を超えてからが勝負を体現してくれているブロムシュテットの今後の一層のご活躍を期待しましょう。来日公演はまだ、続きます。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット
  ヴァイオリン:レオニダス・カヴァコス
  管弦楽:NHK交響楽団 コンサートマスター:白井圭

  ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77
   《アンコール》バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第3番 ホ長調 BWV1006 第2楽章「ルーレ」

   《休憩》

  ニールセン:交響曲 第5番 Op.50


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のブラームスのヴァイオリン協奏曲を予習したCDは以下です。

  レオニダス・カヴァコス、リッカルド・シャイー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 2013年5月 ライプツィヒ、ゲヴァントハウス セッション録音

カヴァコス、見事な演奏です。期待以上の出来にびっくり。本番が楽しみになります。


2曲目のニールセンの交響曲 第5番を予習したCDは以下です。

  ヘルベルト・ブロムシュテット指揮サンフランシスコ交響楽団 1987年11月 サンフランシスコ、デイヴィス・シンフォニー・ホール セッション録音

決定版という評価の演奏です。もっともブロムシュテットは以前聴いたデンマーク放送交響楽団のほうが本場もので活気のある演奏だったという記憶があります。



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秋の京都:三条木屋町での記念のランチの後、源氏物語の町歩き開始

2021年10月6日水曜日@京都/5回目

記念のランチをいただくべく、三条木屋町にある割烹料理のお店、なか川の前に着きました。予約の時間まで木屋町をぶらぶらします。北の方に歩いていき、御池通りまでやってきたところです。このあたりは加賀藩邸だったようです。加賀藩は幕末に活躍がなかったと思われますが、京都のこんなど真ん中に藩邸があったのですね。

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御池通りから鴨川の方向を眺めます。

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反対方向の河原町のほうを眺めます。

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御池通りを眺めたところで、木屋町通りを戻ります。そろそろ、ランチの予約時間です。高瀬川に沿って歩きます。

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ランチのお店まで、中ほどくらいまで戻ってきました。木屋町通りには燦燦と陽光が注いでいます。10月というのに暑いくらいです。

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ランチのお店、割烹料理のなか川のすぐちかくです。もう、予約時間の3分前。お店に入りましょう。

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ビルの地下にお店がありますが、ビルの前には入り口の案内はありません。ビルの中に入ると右手の手前にエレベーターがあります。地下に下りると、そこは割烹 なか川のエントランススペースです。

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saraiと配偶者の48回目の結婚記念日のランチについては既に本ブログでご紹介しました。圧巻の鱧しゃぶコースでした。京料理の美味しさに感動して、お店を出ます。
今回の京都では源氏物語をテーマに町歩きをします。まずは「夕顔のお墓」を目指します。このまま、木屋町通りを五条通りまで歩いていきます。まずは三条通りを渡ります。高瀬川に架かる三条小橋があります。

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三条小橋の袂に石碑があります。何か、標語みたいなものが刻まれています。
 人ヒト和 川美しく ゆるやかに

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この石碑の別の面には、角倉了以翁と高瀬川沿革図がこの先、300m行ったところにあることが記されています。角倉了以は私財を投げうって、高瀬川を開削した京都の豪商です。高瀬川は伏見と京をつなぐ運河です。方広寺大仏殿再建のための資材輸送のために高瀬川を開削しました。

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木屋町通りはもう、歴史の塊のような道。記念碑がいっぱい立っています。お寺もありますね。

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寺の門の前には、橋本左内訪問之地という碑があります。

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瑞泉寺というお寺の沿革が書かれています。太閤記ゆかりのお寺だそうです。豊臣秀次公のお墓があります。秀次は秀吉の姉の子で後に秀吉の養子になった人物ですね。

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お寺に入って、秀次のお墓を見てみましょう。

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とんでもなく、凄惨な歴史がこのお寺に閉じ込められていました。まったく予期していなかった歴史の暗闇です。



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秋の京都:秀次一族の凄惨な歴史が眠る瑞泉寺

2021年10月6日水曜日@京都/6回目

記念のランチを三条木屋町にある割烹料理のお店、なか川でいただいた後、今回の旅のテーマである源氏物語の町歩きを始めます。と言いながら、木屋町通りでまず立ち寄ったのは、太閤記ゆかりの寺、瑞泉寺です。この寺には、豊臣秀次のお墓があるそうです。境内に入ると、よく手入れされたお庭があります。

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竹垣に何やら説明文があります。消された菊花紋という謎めいたメッセージ。

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瓦が並べられています。このお寺の旧山門の瓦だそうです。明治の廃仏毀釈の際に、天皇家にはばかって、このお寺が自主的に菊花紋をセメントで塗りつぶした瓦とのこと。色んな歴史があるものですね。

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案内に従って、お寺の奥に進んでいくと、秀次公のお墓の前に出ます。

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秀次公のお墓を中心に秀次一族のお墓が並んでいるという案内図があります。何故、こんなにまとまったお墓になっているんでしょう?

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ともかく、中央奥にある秀次公のお墓の前に行ってみます。何か変なお墓です。

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このお墓は中空の首塚といって、墓石の真ん中に秀次公の首を収めた石櫃があるようです。ということは、秀次は普通の死に方をしたのではなく、打ち取られて首を切られたのでしょうか。

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お墓の右手には風流な風鈴のようなものが下げられています。しかし、何か凄惨な事情がありそうです。

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墓所の横手には引導地蔵尊というものがあります。

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この引導地蔵尊にある説明板を読んで、ぎょっとします。秀次一族はどうやら全員処刑されたようです。それも子女たちです。彼らが次々に処刑される際に僧侶が引導を授け続けたそうです。何があったのでしょう。

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てっきり、saraiは徳川方に豊臣一族が処刑されたのかと思いました。しかし、後で詳しく調べてみると事実は異なります。処刑を命じたのは誰あろう、豊臣秀吉です。自分の親族を残忍にも根絶やしにしたんです。秀次は秀吉の姉の子、すなわち、甥になります。彼を後継者にするために秀吉は秀次を養子に迎えました。秀吉の実子、鶴松が幼くして没したからです。そして、秀次は秀吉から関白の職を引き継ぎ、豊臣の2代目の座にいました。後継への手続きはスムーズに進んでいました。ところがあろうことか、淀殿が秀吉の嫡子、秀頼を産みました。正確な事情は不明ですが、秀吉は秀頼に自分の後を継がせるために秀次の存在が邪魔になったようです。秀次は謀反の罪を着せられて、高野山に剃髪染衣の姿で監禁されて、その後、切腹させられました。そして、首が切り落とされて、秀吉のもとに送られました。
秀吉はこの首を検分しただけでは満足せずに、秀次の妻妾(正室や側室)、公達(子供たち)のすべての処刑を命じます。三条河原に作られた処刑場に秀次の首を処刑の様子を見るように置き、一族39名が斬首されました。幼い子供も容赦しなかった残忍な行為でした。

一族の遺体は三条河原の穴にまとめて投げ入れられて、首塚になりました。後に角倉了以が彼らの菩提を弔うためにこの瑞泉寺を建立して、彼らのお墓を作ったそうです。もちろん、家康が天下を取った後のことです。秀次公のお墓の周りには小さなお墓が並んでいます。お墓は処刑順に並んでいるそうです。

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中央の中空首塚にいる秀次は何を思うのでしょうか。

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秀次公一族の墓所を暗澹たる思いで立ち去ります。

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気持ちを取り直して、木屋町通りの町歩きを続けましょう。



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秋の京都:木屋町を三条から四条へ南下

2021年10月6日水曜日@京都/7回目

記念のランチを三条木屋町にある割烹料理のお店、なか川でいただいた後、今回の旅のテーマである源氏物語の町歩きを始めています。と言いながら、木屋町通りでまず立ち寄ったのは、太閤記ゆかりの寺、瑞泉寺でした。豊臣秀吉によって、切腹を命じられた秀次とその後、全員が処刑された秀次一族の墓所を訪ねました。そのおぞましい歴史にぞっとしながら、瑞泉寺を後にします。
木屋町通りを南に下っていきます。目指すは源氏物語の夕顔の墓です。高瀬川は柳が綺麗ですね。

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高瀬川に架かる南大黒橋です。あたりには秋めいた落ち葉が散っています。

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続いて材木橋。高瀬川は京に建設資材を運ぶために開削されました。その最初の目的に似合った名前の橋です。このあたりでかつて材木を下したんでしょうか。

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次は山崎橋。短い間隔で橋が架かっています。

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次は車屋橋です。

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橋の上から、高瀬川を眺めます。北の方、今まで歩いてきた三条の方です。川岸には緑の木々が綺麗です。水の流れは極めて浅く、澄み切った水が流れています。美しい風景です。

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反対側の南の方、四条の方を眺めます。いずれも緑の濃い美しい眺めです。

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おっ、この建物は何でしょう。何と交番です。木屋町の風景に溶け込むような建物ですね。でも、分かりにくいかもしれません。

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蛸薬師通りにぶつかると、土佐藩邸跡の石標があります。

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説明板が立っています。高瀬川を渡った西側、河原町に至る間に土佐藩邸があったようです。土佐藩と言えば、幕末に活躍して、短い人生を駆け抜けていった坂本竜馬を思い起こします。このあたりを拠点に京の町を闊歩していたんですね。

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木屋町通りを三条から四条に抜けているところです。真ん中を過ぎて、四条寄りの蛸薬師を歩いています。



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藤村実穂子、最高の熱唱 大野和士&東京都交響楽団@サントリーホール 2021.10.21

藤村実穂子は今年の2月にも来日して、同じく都響と共演して、素晴らしい歌唱を聴かせてくれました。そのときはブラームスのアルト・ラプソディー。今回のツェムリンスキーはそのときの比ではない最高の歌唱を聴かせてくれました。もっとも彼女の最高と言えば、やはり、森鳩の歌が忘れられませんが、今回のツェムリンスキーはその森鳩にも匹敵する素晴らしさ。世界でこの歌をここまで歌えるのは彼女だけでしょう。芯のしっかりした美声で低音から高音まで完璧な歌唱でした。ツェムリンスキーのこの作品は初めて聴きましたが、メーテルリンクのミステリアスな詩をもとに実にファンタスティックな音楽を作り上げています。これまで聴いたツェムリンスキーの作品の中で最高傑作に思えます。初めて彼の才能を認めることができました。伴奏のオーケストラも大野和士の指揮の下、実に繊細な音楽を奏でます。都響の実力を100パーセント出し尽くした素晴らしい演奏です。特にヴィオラとチェロの首席奏者たちの見事な演奏に舌を巻きました。

冒頭のR.シュトラウスの交響詩《死と変容》も都響の素晴らしいアンサンブルというか、音響の美しさが光りました。トッティーの大音響でも響きの美しさがまったく崩れないのには驚嘆しました。一方、音楽的な表現は若干、平坦だったのが少し残念。

休憩後のR.シュトラウスの交響詩《ツァラトゥストラはかく語りき》はまるでツェムリンスキーの演奏の続きのように凄い演奏を聴かせてくれました。アンサンブルも音響もそして、音楽性もすべて最高。R.シュトラウスの音楽の真髄を突く素晴らしい演奏でした。ここでも弦の首席奏者たちの実力が発揮されました。大野和士の指揮もこれまでに感じたことのないような素晴らしさ。最高のR.シュトラウスの音楽を味わうことができました。


今日のプログラムは以下のとおりです。

  指揮:大野和士
  メゾソプラノ:藤村実穂子
  管弦楽:東京都交響楽団 コンサートマスター:山本友重

  すぎやまこういち:交響組曲「ドラゴンクエストⅡ」 より レクイエム 追悼演奏
  R.シュトラウス:交響詩《死と変容》 Op.24
  ツェムリンスキー:メーテルリンクの詩による6つの歌 Op.13

   《休憩》

  R.シュトラウス:交響詩《ツァラトゥストラはかく語りき》Op.30


最後に予習について、まとめておきます。

R.シュトラウスの交響詩《死と変容》を予習したCDは以下です。

  ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ウィーン・フィル 1950年 セッション録音

決定盤です。何も言う必要なし。


ツェムリンスキーのメーテルリンクの詩による6つの歌を予習したCDは以下です。

  アンネ・ゾフィー・フォン・オッター、ジョン・エリオット・ガーディナー指揮北ドイツ放送交響楽団 1993年 セッション録音

フォン・オッターによる繊細でファンタジックな名唱が聴けます。


R.シュトラウスの交響詩《ツァラトゥストラはかく語りき》を予習したCDは以下です。

  ルドルフ・ケンペ指揮 シュターツカペレ・ドレスデン 1971年9月 セッション録音

ケンペのR.シュトラウスの交響曲・管弦楽曲・協奏曲全集からの1枚です。素晴らしい粒ぞろいの名演ばかりです。



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ジョナサン・ノットの情熱あふれるモーツァルトのレクイエム・・・東京交響楽団@東京オペラシティコンサートホール 2021.10.22

今日のジョナサン・ノットは以前のように、冷静に音楽を精密に美しく表現するのではなく、あふれ出る情熱を露わに表出して、モーツァルトのレクイエムをダイナミックに演奏しました。とても素晴らしい演奏で最後には感動しました。今日の演奏では、終曲の前にリゲティの「ルクス・エテルナ」を挿入するという珍しいアイディアの演奏でしたが、これはまあ、成功したのでしょうね。リゲティのスペシャリスト、ジョナサン・ノットならではの音楽構成です。未完のレクイエムの完全補筆部分に挿入したので、これも新手の補筆みたいなものですね。終曲と同じ歌詞の「ルクス・エテルナ」ですが、現代音楽の香りを混成してもモーツァルトのレクイエムがびくともしないというのが根本にあります。リゲティの後に聴く終曲(これも補筆ではありますが、モーツァルトの自作の第1曲後半部分と第2曲を組み合わせたものなので、ほぼ、真作です)は新たな生命を与えられたようにとても新鮮に感じて、感動しながら聴きました。
全曲の感想は、ジョナサン・ノットのぐいぐいと推進する圧倒的、かつメリハリのある指揮による演奏、その躍動感と東響の素晴らしいアンサンブル、そして、新国立劇場合唱団の美しい合唱、独唱陣の見事な歌唱と文句の付け所のないものでした。ソプラノの三宅理恵は出だしこそ、抑えめの歌唱でしたが、第6曲のレコルダーレあたりから、透明感のある声が響き渡り、今日のレクイエムで最高の華を歌い上げました。
問題のリゲティの「ルクス・エテルナ」ですが、これは何とも美しいア・カペラ合唱でした。16声で歌う超絶技巧曲ですが、今日の演奏はファンタスティックな幻想に包まれた合唱で完璧とも思えるものでした。第1に新国立劇場合唱団の能力を讃えるべきですが、指揮のジョナサン・ノットの卓抜な音楽表現も凄かったです。

前半のデュティユーの交響曲第1番はフランス的なお洒落な演奏ではなく、実にダイナミックで激しさを表現した演奏でした。現代の不安を表出した音楽として、交響曲の形式を借りながら、実のところ、管弦楽のための協奏曲的な面を多く感じました。コンチェルト・グロッソと言ってもいいかもしれません。ノットの明確なヴィジョンの演奏はストレートに音楽のむき出しの情熱を露わにする感じの素晴らしい演奏です。ノットの新たな一面を見た思いです。コロナ禍の中、ノットの音楽アプローチが少し変わってきたように思えます。次回、12月の来日ではどんな演奏を聴かせてくれるでしょう。楽しみです。


今日のプログラムは以下のとおりです。

  指揮:ジョナサン・ノット
  ソプラノ:三宅理恵
  メゾソプラノ:小泉詠子
  テノール:櫻田亮
  バス・バリトン:ニール・デイヴィス
  合唱:新国立劇場合唱団
  合唱指揮:冨平恭平
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:小林壱成

  デュティユー:交響曲第1番

  《休憩》

  モーツァルト:レクイエム k.626
  (リゲティ:「ルクス・エテルナ」を含む)


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のデュティユーの交響曲第1番を予習したCDは以下です。

  ジャン=クロード・カサドシュ指揮リール国立管弦楽団 2016年7月18-21日 オーディトリアム・ドゥ・ヌーヴォー・シエクル、リール、フランス セッション録音

フランスの本場ものの色彩感ある演奏です。


2曲目のモーツァルトのレクイエムを予習したCDは以下です。

  テオドール・クルレンツィス指揮ムジカエテルナ、ニュー・シベリアン・シンガーズ
   ジモーネ・ケルメス(S)、ステファニー・ウゼール(A)、マルクス・ブルッチャー(T)、アルノー・リシャール(B)
      2010年2月、ノヴォシビルスク劇場 セッション録音

クルレンツィスは日々進化しています。これは少し古い録音ですが、やはり、新鮮な響きが聴けます。賛否あるでしょうが、聴いておくべき演奏だと思います。ソプラノをナデージダ・パヴロヴァにして、再録音してほしいです。


モーツァルトのレクイエムに挿入したリゲティの「ルクス・エテルナ」を予習したCDは以下です。

  テリー・エドワーズ指揮ロンドン・シンフォニエッタ・ヴォイセズ 1994年4月 セッション録音

1997年にリゲティ生誕75年を記念して発売されていた「リゲティ・エディション」の中の1枚、ア・カペラ合唱作品集に含まれている美しい合唱です。上のモーツァルトのレクイエムの中に挿入して聴きました。



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       ジョナサン・ノット,  

秋の京都:木屋町通蛸薬師の元・立誠小学校は立誠ガーデン ヒューリック京都として開業

2021年10月6日水曜日@京都/8回目

記念のランチを三条木屋町にある割烹料理のお店、なか川でいただいた後、今回の旅のテーマである源氏物語の町歩きを始めています。今は木屋町通りを三条から四条に抜けているところです。真ん中を過ぎて、四条寄りの蛸薬師を歩いています。
高瀬川を渡った先に角倉了以翁顕彰の石碑があります。高瀬川は角倉了以が私財を投じて開削しました。この運河は慶長19年(1614年)に、角倉了以父子によって、京都・伏見間に開鑿されました。

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もっとも、角倉了以が私財を現在の貨幣価値で150億円も投じたことは事実ですが、運搬船、いわゆる高瀬舟の通行料の収入が年に20億円もあったそうで、その後の角倉家の繁栄につながったのですから、お得な投資になりました。もちろん、幕府にもほぼ同額の通行料収入が収められました。

この石碑の立っている場所には何やらたいそう立派な建物があります。かつて京都市立立誠小学校として使用されていた建物で、閉校になった1993年以降は元・立誠小学校として、各種イベントに利用されています。そして、昨年、2020年7月21日には、ホテル、店舗、多目的ホールなどが入居する複合施設、立誠ガーデン ヒューリック京都が開業しました。建物の大部分はザ・ゲートホテル京都高瀬川 by HULICが使用しています。この建物は1928年1月21日に竣工した鉄筋コンクリート造3階建・ロマネスク様式の小学校校舎がほぼ、そのままの形で保存されて使用されているそうです。

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さらにここの場所は日本映画発祥の地だという看板も立っています。1895年にリュミエール兄弟がシネマトグラフを発明。現在の元・立誠小学校敷地には京都電燈株式会社(現関西電力)があり、1897年1月には京都電燈の中庭で日本初の映画の試写実験が成功したため、この地は「日本映画原点の地」とされています。フランス留学時にリュミエール兄弟と級友だった稲畑勝太郎がシネマトグラフの興行権と試写機を購入し、映写技師兼カメラマンのコンスタン・ジレルとともに帰国して、この試写実験を行ったそうです。京都が今でも日本映画の中心地であるのは、そういう歴史があるからなんでしょうか。

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少し離れたところから元・立誠小学校の本館正面を眺めます。

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元・立誠小学校の古い3階建ての建物(もちろん、リノベーションされていますが)の奥、西側には、新築の8階建の建物があります。新築とは言え、古い元・立誠小学校の建物にマッチしたデザインになっています。

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立誠ガーデン ヒューリック京都には、建物の前に広い人工芝の広場があり、若者たちの寛ぎの場になっています。京都の町のど真ん中にこういうスペースができたんですね。

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新旧の建物と間にある寛ぎのスペース。京都の新しい風景です。

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広場の横には小奇麗なショップの並ぶ細長い建物があります。

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コロナ禍の期間中にできた新しい京都の名所を感心しながら眺めて、立誠ガーデン ヒューリック京都を立ち去ります。

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勤王の志士、本間精一郎が襲われて、命を落とした地の説明板があります。切ったのは薩摩藩の田中新兵衛、土佐藩の岡田以蔵という錚々たるメンバーだったようです。

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高瀬川沿いにはお店が並んでいます。

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高瀬川の浅い流れの中に餌を探している鳥がいますね。

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アオサギです。高瀬川とマッチして、絵になりますね。

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木屋町通りを三条から四条に歩いていますが、寄り道が多くて、なかなか四条に着きません。あと少しです。



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秋の京都:木屋町を四条通りを抜けて、さらに五条通りへ

2021年10月6日水曜日@京都/9回目

記念のランチを三条木屋町にある割烹料理のお店、なか川でいただいた後、今回の旅のテーマである源氏物語の町歩きを始めています。今は木屋町通りを三条から四条に抜けているところです。木屋町通りは歴史の集積した通りで、史跡や歴史的な建物などがあります。それらを眺めながらの散策です。
また、高瀬川に架かる橋を過ぎます。十軒町橋です。

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この十軒町橋の向こうの路地、十軒町橋通りには、赤提灯のお店が立ち並んでいます。コロナ禍で大変でしょうね。

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次の橋、真橋を過ぎます。もう、この先は四条通りです。その手前、高瀬川沿いに奇妙なものがあります。どうやら喫煙所です。このあたり一帯は路上喫煙禁止なんでしょうね。

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ようやく、四条通りです。さすがに人が多いですね。ここでも皆、ちゃんとマスク着用です。無論、saraiたちもマスクを着用しています。

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四条通りに架かる橋は四条小橋です。高瀬川は四条通りの南に流れていきます。

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四条通りを渡って、さらに木屋町通りをまっすぐ南下します。高瀬川に沿って、お店の裏側が続いています。

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高瀬川の景色を取り込んでいるコーヒーショップもありますね。

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木屋町通りは四条を過ぎても、お洒落な店構えの建物が並んでいます。

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京料理 本家たん熊 本店があります。たん熊は暖簾分けして、いくつかのお店があるようですが、ここは中でも伝統を受け継ぐお店だそうです。結婚50周年の記念でも、saraiにはこのお店は敷居が高そうです。

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木屋町通りをひたすら歩いていきます。

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五条通りももうすぐです。



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秋の京都:夕顔の墓

2021年10月6日水曜日@京都/10回目

記念のランチを三条木屋町にある割烹料理のお店、なか川でいただいた後、今回の旅のテーマである源氏物語の町歩きを始めています。今は木屋町通りを三条から四条を過ぎて、五条に向かっています。
木屋町通り沿いにある立派な建物が目を惹きます。京料理で有名な料理旅館「鶴清(つるせ)」です。鴨川側には大きな川床があるようです。コロナ禍の今はひっそりしていますね。

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やがて、五条通りに着きます。目の前には五条大橋が見えています。

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これで木屋町を御池通り、三条通り、四条通り、五条通りと歩いてきました。木屋町通コミュニティ道路という石標が立っていますね。ここには五条児童公園があります。

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この先に夕顔の墓のある家がある筈です。その場所を地図アプリで調べると、どうやら来過ぎてしまったようです。五条通りまで来てはいけなかったんです。ま、木屋町通りを制覇したので良しとして、堺町通りまで移動して、四条通りのほうに戻ります。

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京都らしい町並みが続きます。

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やがて、夕顔の墓のあるお宅らしきところに到着。

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お宅の前に石碑があります。夕顔之墳と刻まれています。夕顔の墓はこのお宅のお庭にあるようですが、個人宅なので、入って見るわけにはいきません。

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夕顔は源氏物語というフィクションの登場人物。ま、大したものがある筈もありません。仕方なく、この石碑を色んな方向から眺めます。

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最後にしげしげとこの石碑を眺めて、これにて本日の目的は達成。あっけないものです。

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ここは夕顔町という町名です。せっかくですから、夕顔町という標識を探しますがありません。駐車場の案内板で我慢しましょう。

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消火器に夕顔町と書いてありますね。結構、レアな感じでいいかも・・・。

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さあ、四条のほうに戻って、買い物をして帰りましょう。



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秋の京都:佛光寺~錦小路

2021年10月6日水曜日@京都/11回目

記念のランチを三条木屋町にある割烹料理のお店、なか川でいただいた後、今回の旅のテーマである源氏物語の町歩きをします。今日はあまり時間がないので、夕顔の墓のあるお宅の前に行ったところで源氏物語の町歩きはおしまい。

ちなみに夕顔は恋多き光源氏の愛人の一人。光源氏の正室である葵の上の兄、頭中将は光源氏のよき友人でしたが、彼が以前愛した女性が夕顔で二人の間には玉鬘という子までできていました。その後、二人は別れていました。ある日、光源氏が偶然に夕顔の花が咲くところを通りかかり、隣の家に住む夕顔と知り合い、すぐに夕顔のもとに通い始めます。そして、光源氏が夕顔にのめり込んでいくと、光源氏の愛人の一人、六条御息所から夕顔は嫉妬されて憎まれます。やがて、六条御息所の生霊である物怪が夕顔にとりつき、夕顔は19歳の若さで急死します。光源氏は大いに悲しみ、病の床につくほどでした。この夕顔の悲話がもとになって、今の夕顔町の町名があります。そして、夕顔町に夕顔の宿の想定地となっているのが夕顔の墓(宝篋印塔)を中庭に持つお宅なんです。宝篋印塔が作られたのは江戸時代のことでした。

源氏物語の町歩きの参考文献は「源氏物語を歩く」(楽学ブックス、JTBパブリッシング発行)です。興味のある方は眺めてみてはどうでしょう。写真や源氏物語のあらすじなどが詳しくまとめられています。

また、夕顔は地歌の名曲としても知られています。菊岡検校の作曲、八重崎検校の箏手付による京風手事物です。ちょうど、箏と三弦を趣味とする配偶者がおさらい中の曲です。もちろん、この地歌、夕顔は源氏物語の夕顔を主題にした曲です。歌詞は物語の筋や文句をそのままなぞるのではなく、物語の背景を前提として詩的に構成したものとなっています。(以下の歌詞の意味はウィキペディアを参照してください)

 すむは誰
 訪いてや見んとたそかれに
 寄する車のおとづれも
 絶えてゆかしき中垣の
 隙間もとめて垣間見や
 かざす扇にたきしめし
 空炷きものもほのぼのと
 ぬしは白露ひかりを添へて
 いとど栄えある夕顔の
 花に結びしかりねの夢も
 覚めて身に染む夜半の風


夕顔町から離れ、高辻通りに出ると、左手に大きなお寺が見えます。

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引き寄せられるようにそのお寺の前に出ます。親鸞上人ゆかりの佛光寺です。1212年に山科に親鸞上人が草庵を開いたのが始まりの真宗佛光寺派本山です。

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ちょっと、境内に入ってみましょう。美しく掃き清められた砂が境内を覆っているのが印象的です。

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御影堂の甍が美しいカーブを描いています。

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佛光寺を出て、四条通りに向かいます。四条通りのデパート、大丸京都店で用を足し、落ち着いたところでお馴染みの錦小路を歩きます。コロナ禍のため、いつもは賑やかな錦小路も閑散としています。シャッターが下りている店も多いですね。

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並ぶお店も様変わり。食べ歩きの品を売る店は激減。漬物屋やおばんざい屋も店頭に品物が並んでいません。すべて袋にパックされたものが置いてあるだけです。コロナ禍のせいなんでしょうね。工夫して商売しているようです。「まつたけ入荷」の看板がある八百屋にsaraiが関心を持つ。配偶者はよせばいいのにと離れたところから見ているだけです。松茸は傷みやすい品だということで店頭にはなく、わざわざ冷蔵庫から出してきてくれます。さすが、香りは素晴らしいです。が、値段は、手のひらサイズで7000円! 丹波産はこれからで、値は2倍はするらしいです。先ほど京料理のランチでご馳走になった松茸で、今年は終了ですっ。冷やかしだけで、ごめんなさい。
漬物屋さんで2品ほどお買い上げです。

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賑わっている界隈もありますね。

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でも、全体としては錦小路は閑散としています。

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いつも寄る湯葉屋さんを覗き、汲上湯葉を買います。京都で湯葉はどうしても食べたいものの一つです。

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錦天満宮にぶつかると、錦小路はおしまい。

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ここからは新京極を歩いて、三条に向かいます。

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贅沢ランチでお腹は空いていませんが、一応、夕食の食材を求めつつ、ホテルに向かいます。



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老巨匠ブロムシュテットの至芸の極み、運命の終楽章 NHK交響楽団@サントリーホール 2021.10.27

今日も北欧をルーツとするブロムシュテットは先日のニールセンに続いて、ステンハンマルの作品を演奏します。ステンハンマルは母国スウェーデンでは評価の高い作曲家のようですが、日本ではほぼ無名の存在。saraiもこれまで一度だけ、ステンハンマルの序曲《エクセルシオール!》を聴いただけ。それも今年のことでした。今日の演奏はN響のアンサンブルの素晴らしいこと! 弦はもちろん、木管も完璧な響きを聴かせてくれました。ブロムシュテットの指揮もCDと同様に音楽を美しく歌いあげるものでした。

圧巻だったのは、休憩後に演奏したベートーヴェンの交響曲 第5番。第3楽章までは最新の録音であるライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団との演奏を彷彿とさせるものでしたが、まあ、こんなものでしょうというモダンで美しく、テンポの速い颯爽としたもので、気持ちよく聴いていました。しかし、終楽章に入ると、輝かしい響きで天に飛翔するかごとくの圧倒的な演奏で、思わず、襟を正しながら、集中して聴き入ります。ブロムシュテットは軽く笑みを浮かべながら、思いっ切り、音楽を楽しみつつ、高齢とは思えないような動きで、例のノンタクトで敏捷な腕捌きです。その指揮にぴったりとN響が合わせて、まさに一糸乱れぬ素晴らしいアンサンブルで美しい響きを奏でます。終楽章はその音楽の素晴らしさに魅了されっぱなしで高らかにコーダを迎えます。極上の響きのコーダに感動!

こんな超高齢の指揮者の音楽を聴くのは初めてですが、実に若々しい演奏でした。むしろ、昔、まだ、若かった頃のブロムシュテットのほうがもっと地味だったような記憶があります。まだまだ、100歳までは音楽を聴かせてくれるのではないかという期待を抱かせてくれる来日演奏でした。これから、どんな音楽を聴かせてくれるでしょう。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット
  管弦楽:NHK交響楽団 コンサートマスター:篠崎史紀

  ステンハンマル:セレナード ヘ長調 Op.31

   《休憩》

  ベートーヴェン:交響曲 第5番 ハ短調 Op.67


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のステンハンマルのセレナードを予習したCDは以下です。

  ヘルベルト・ブロムシュテット指揮エーテボリ交響楽団 2014年6月 エーテボリ・コンサートホール ライヴ録音

とても美しい演奏です。ですが、もうひとつ、心に迫るものが感じられなかったのも事実です。


2曲目のベートーヴェンの交響曲 第5番を予習したCDは以下です。

  ヘルベルト・ブロムシュテット指揮シュターツカペレ・ドレスデン 1977年3月14-18日、ドレスデン・ルカ教会 セッション録音
  ヘルベルト・ブロムシュテット指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 2017年1月、ライプツィヒ、ゲヴァントハウス・コンサートホール ライヴ録音

ブロムシュテットの新旧のベートーヴェン交響曲全集からの一枚です。旧盤のシュターツカペレ・ドレスデンとの演奏のあまりの完成度の高さ、そして、シュターツカペレ・ドレスデンの美しい響きを活かした演奏に久々に心が熱くなりました。一方、新盤のライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団は実にモダーンでスマートな演奏。知らなければ、新旧が逆に感じられます。ブロムシュテットは既に完成の域に達していた自己の音楽的境地を一からやりなおした感があります。90歳くらいになって、なおも新たな音楽を追い求める巨匠の姿に感銘を受けます。まあ、正直言って、聴きたい演奏は旧録音です。フルトヴェングラーは別格として、ベートーヴェン交響曲全集として、ベストを争える演奏の一つです。これまで聴き逃がしていました。



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秋の京都:鴨川でお茶を

2021年10月6日水曜日@京都/12回目

記念のランチを三条木屋町にある割烹料理のお店、なか川でいただいた後、今回の旅のテーマである源氏物語の町歩きをしました。今日の予定は終わり、買い物をしながら、ホテルに戻るところです。新京極を歩いて、三条に向かっています。新京極の通りが折れ曲がっているポイントに誓願寺があります。平安時代から清少納言、和泉式部、豊臣秀吉の側室・松の丸殿ほか女性の信仰を集め、女性に人気のお寺です。

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やがて、三条通りにぶつかり、新京極を離れます。三条通りを鴨川のほうに向かいます。食品スーパーの「明治屋ストア」を目指します。
MEIDI-YA STORE 京都三條ストアー(明治屋ストア)は地図では、裏通りかと思っていましたが、しっかり表通りの三条通りにあります。目的は、南禅寺などの有名豆腐料理店に卸している豆腐屋の豆腐が買えるとの情報を見つけたので、そのお豆腐を買って、ホテル(リゾートマンション)で湯豆腐をする予定です。明治屋ストアはそれほど広いお店ではありませんが、2階もあります。2階では、アルコールや乾物類が置いてあるようです。早速、お豆腐を探します。売り場が狭いので、品物の量は少ないですね。が、こだわりの商品選びをしているみたいです。狙いの服部の豆腐は売り切れです。服部の豆腐の陳列面積から見て、ほんのわずかしか入荷しないようです。で、やはり有名店のとようけ屋山本の豆腐があったので、それを購入。他には、京野菜やおばんざいなどを購入しました。

明治屋ストアを出ると、お隣は尊皇攘夷派浪士たちが新選組に襲撃された池田屋事件(池田屋騒動)の跡地です。今は旅籠茶屋 池田屋 はなの舞として、営業しています。新選組メニューなどがあり、人気だそうです。

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疲れたので、見晴らしの良い喫茶店を探しますがありませんね。三条大橋の袂までやってきました。高札場の看板があります。高札場というのは、江戸幕府が決めたご法度や掟書きを書いた木札を掲げる場所のことです。でも、三条河原というと、先ほど訪れた瑞泉寺の陰惨なイメージが頭をよぎります。このあたりで豊臣秀次一族の処刑が行われたと思うとぞっとします。

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三条大橋です。

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この鴨川の袂にはスターバックスコーヒーがあります。鴨川の眺めもよさそうなので、京都に来てまでスターバックスコーヒーかとも思いますが、入店することにします。しかし、店内はいっぱいで座る椅子はありません。では、テイクアウトして鴨川の河畔で頂きましょう。saraiはスターバックスカードを常用するほどのスターバックスフリークです。いつものようにコーヒーをゲット。カップを持って、鴨川の河畔に下りていきます。すっかり、三条河原の悪いイメージは忘れているから現金なものです。三条大橋の下に出ます。間近に鴨川の流れが見えます。

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鴨川の河畔から見上げると、スターバックスコーヒーの建物が見えます。窓際の席からは鴨川の眺めが最高でしょうね。

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鴨川沿いには川床が並んでいます。お店の入口は木屋町からというのは今日、学んだことです。

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鴨川の河畔は相変わらず、等間隔に間を開けて、カップルが座っています。50年も昔から変わらぬ風景です。我々も昔を思い出して、座ります。
おっ、アオサギが飛んでいきますね。まさか、さっき、高瀬川で見たアオサギじゃありませんよね。

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スターバックスコーヒーで鴨川と我々の若き日に乾杯! 今日は何と言っても、saraiと配偶者の記念の日です。

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しばし、ゆったりした時間を持ちます。鴨川の流れも緩やかです。いっぱい歩いた疲れも癒されていきます。



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鈴木優人、名曲、シューベルトの交響曲第9番を好演 ジャン・チャクムルの順調な成長にも感銘 読売日本交響楽団@サントリーホール 2021.10.29

コロナ禍で最も活躍した指揮者はこの鈴木優人でしょう。得意とするバッハを離れて、古典派から現代音楽まで八面六臂の活躍です。無理して倒れないかと心配になるほどです。今や在京オケのすべてが彼の力に頼っていると言っても過言でありません。その上、鍵盤楽器奏者としても演奏しているのですから、まるでスーパーマンです。

今日も前半は現代音楽から始まります。最初はライマンの《シューベルトのメヌエットによるメタモルフォーゼン》。10人の奏者だけでの演奏です。シューベルトの原曲はピアノ曲ですが、見事にその本質を活かした、まさにメタモルフォーゼンになっています。趣きはファンタジーと言ってもいいのかもしれません。それを読響の達人たちが素晴らしい響きで演奏してくれました。曲も満点、演奏も満点って感じで、大変、満足して聴きました。それにしても凄い作品を掘り起こしてきましたね。CDではジョナサン・ノットの指揮の演奏を聴きました。是非、ノット&東響でも聴きたいところです。

次は現代音楽を代表する作曲家、トーマス・アデスのイン・セブン・デイズ。無調と調性音楽のミックスと思っていたら、何と無調的要素はほぼありません。それでもアデスらしい新しさは感じさせてくれる作品です。読響のアンサンブルも素晴らしいのですが、何と言っても、トルコ出身の新鋭ピアニスト、ジャン・チャクムルの順調な成長が感じられた演奏に感銘を覚えました。以前聴いたときは音楽性は抜群ながら、テクニック的にはミスも多かったと記憶していますが、今日の演奏は盤石のもので、もちろん、持ち前の音楽的な感性は素晴らしいものでした。すっかり、彼のピアノに聴き入ってしまいました。浜松国際ピアノコンクールの審査員の耳は確かだったようです。

プログラム後半はシューベルトのザ・グレイト。第8番か、第9番か、ややこしいですが、第9番と言っておけば、未完成と混同することはありません。この曲は聴けば聴くほど素晴らしい傑作です。この作品なしにロマン派の交響曲は生まれなかったと思うほどです。特にシューマンの交響曲との親密な関係が窺われます。鈴木優人指揮の読響は第1楽章の中途あたりまでは、もう一つの響きに思えましたが、そこから、劇的に響きがよくなります。第2楽章の美しい演奏にはうっとりと聴き入りました。第3楽章、第4楽章はもう圧倒的な響きでこの作品を堪能させてくれました。音楽的には、鈴木優人はまだまだ伸びしろを残している感じです。いつか、圧倒的な名演を聴かせてくれるでしょう。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:鈴木優人
  ピアノ:ジャン・チャクムル
  管弦楽:読売日本交響楽団  コンサートマスター:林悠介

  ライマン:シューベルトのメヌエットによるメタモルフォーゼン(日本初演)
  アデス:イン・セブン・デイズ(日本初演)
   《アンコール》ブラームス:4手のためのワルツ集 Op.39より 第1曲、第4曲、第14曲、第15曲(ピアノ・アンコール/指揮者との連弾)

   《休憩》

  シューベルト:交響曲第8番(第9番) ハ長調 D944 「グレイト」


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のライマンの《シューベルトのメヌエットによるメタモルフォーゼン》は以下のCDを聴きました。

  ジョナサン・ノット指揮バンベルク交響楽団 2002年-2006年 セッション録音

ジョナサン・ノット&バンベルク交響楽団のCD第1弾だったシューベルト:未完成を初めとする、交響曲全集とシューベルトにからむ現代音楽の録音からの一枚です。こういう現代音楽をノットはこの頃から得意にしていたのですね。なお、シューベルトの原曲、メヌエット D600はヴォロドスのピアノで一応聴いておきました。トリオ D610とセットにした演奏です。


2曲目のアデスのイン・セブン・デイズは以下のCDを聴きました。

 ニコラス・ホッジス、トーマス・アデス指揮ロンドン・シンフォニエッタ 2011年3月11日 バーミンガム・シンフォニー・ホール ライヴ録音
 
作曲家自身の指揮での演奏です。意外に無調的要素がないのに驚きました。


3曲目のシューベルトの交響曲第8番「グレイト」は以下のCDを聴きました。

 ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団 1970年 セッション録音
 
ジョージ・セル、晩年の再録音です。実に見事な演奏です。ここまで明快な演奏はなかなか聴けません。この曲の真髄を聴いた思いです。



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秋の京都:鴨川の名物はカルガモとカップル

2021年10月6日水曜日@京都/13回目

記念のランチを三条木屋町にある割烹料理のお店、なか川でいただいた後、今回の旅のテーマである源氏物語の町歩きをしました。今日の予定は終わり、買い物も終えて、三条大橋の下、鴨川沿いでお茶しています。実にゆったりした時間が流れています。夕刻の鴨川の水面は夕日で輝いています。

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目の前の水面にカルガモが現れます。何と言っても、その名も鴨川ですからね。

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カルガモがいっぱい泳ぎます。いいですね。

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カルガモの姿を見ながら、お茶の時間は続きます。

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お茶して座っているところから見上げると、三条大橋を人が行き交うのが見えます。夕暮の青空も綺麗です。

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鴨川沿いにはカップルが等間隔で並んで座っています。saraiたちが学生だった50年前から変わらぬ風景です。懐かしい思いに駆られます。

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鴨川に張り出した川床に灯が入り、お客さんも席に着いていますね。

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そろそろ、鴨川でのお茶を切り上げましょう。三条大橋の上から、鴨川の流れを見下ろします。川底に敷き詰められた石が透き通った水を通して、はっきりと見えます。鴨川の水はずいぶん綺麗なんですね。

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鴨川の川岸は仲の良いカップルでいっぱいです。川岸に座ったり、散策したり、思い思いの時間を過ごしています。コロナ禍ではありますが、実に平和な風景です。

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川床の並ぶ三条界隈を見ながら、さあ、元気よく帰りましょう。

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朝、出がけに見かけたあんこ屋は既に閉まっていたので、代わりにすぐ近くの和菓子屋で(あんこ屋の餡かな?自前かな?)破れまんじゅうを購入します。たった2つだけです。
ホテルに戻り、お茶しながら、そのおまんじゅうをいただきます。saraiはお昼寝します。今日は17000歩歩いたので疲れました。お昼寝の後、お風呂に入ります。何と、黙脱衣、黙入浴の張り紙! それはそうですが、びっくりです。
お風呂から上がった後、夕食ですが、贅沢ランチで、お腹も空いていません。湯葉と漬物、こんにゃくの煮物(京都らしく超薄味)とお吸い物でサッパリ夕食。予定していた湯豆腐は見送りです。

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明日の計画を確認して、早々に寝ます。これで京都の実質1日目は完了。



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秋の京都:源氏物語ゆかりの雲林院

2021年10月7日木曜日@京都/1回目

今日は京都、実質2日目です。今回の旅のテーマは源氏物語。今日は光源氏が寺籠りしたという紫野の雲林院あたりに行きますが、夕方4時から友人たちとzoomミーティングの予定なので、そこそこ急がないとね。
で、9時半にはsaraiも起床。昨日、明治屋ストアで仕入れたフランスパンとクリームチーズに目玉焼き、紅茶で朝食を済ませて出かけます。
京都は市内バスがしっかり走っているので、目的地へは、いろいろ行き方はあります。ちょっと遠回りしますが、乗り換えなしで雲林院前まで行く204系統のバスをチョイスします。遠足の子供たちで賑わう動物園をぐるりと回り込んでバス停に向かいます。

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バス停、岡崎道に到着。バスの到着を待ちます。

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今日も、季節外れの暑い太陽です。10分ほどでバスはやってきて、乗り込みます。しっかり古い町並みの残る京都の市中を走り抜けていきます。互いに寄りかかりあったような古い民家が多いですが、よく崩れないで木造住宅も使えるもんだと感心もしますが、そこそこで建て替えも必要になるでしょう。狭い敷地で再開発も難しそうですね。町並みの維持は難しいな。地元民のバスの利用も多いですね。外国からの観光客は今はいませんが、町は賑わっています。
50分ほどバスに揺られ、大徳寺前のバス停に到着。大徳寺が見えますが、今日はテーマからは外れるので、寄りません。

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ほんの1分ほど歩くと、雲林院に到着します。源氏物語ゆかりの地という案内板が迎えてくれます。案内板の説明によると、光源氏が慕う藤壺が逢ってくれないために辛くて出家しようと母の桐壷更衣の兄にあたる律師のいる雲林院に籠りました。当時の雲林院は大きな寺院でしたが、応仁の乱で焼失し、現在の雲林院は大徳寺の塔頭として、江戸時代に新たに建てられたものです。

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別の説明板もありますね。

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これが雲林院の門構えです。

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お寺の境内に入ります。ずい分、簡素です。

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観音菩薩像が安置してある小さなお堂があります。

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僧正遍照の歌碑があります。このお寺はかつて、僧正遍照に託されていたものです。

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あまり、今の雲林院は見るべきものもありません。最後にもう一度、観音堂を眺めます。実質、この観音堂が雲林院に残されたものです。

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今の雲林院は残念な姿です。できれば、かつての広大な雲林院の跡を探してみましょう。説明板をよく見て、雲林院跡の位置を確認しておきます。

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雲林院跡、そして、その先にある紫式部のお墓に向けて、出発です。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

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