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藤田真央のモーツァルトは雨のち曇りのち超快晴@王子ホール 2021.10.15

過剰なほどの期待感を持って、コンサートに臨みましたが、前半はもうひとつの出来。これが藤田真央の演奏とは思えません。ともかく、美しい響きが聴こえてきません。まるでフォルテピアノを聴いているようですが、実際はスタインウェイ。どういうことでしょう。ピアノ・ソナタ第8番は激しい演奏でしたが、繊細な機微が感じられません。普通はこれで満足するところかもしれませんが、saraiの期待は過剰ですからね。

後半に入っても、最初のロンドは前半と同様な響き。しかし、音楽的には納得できる演奏ではあります。次の幻想曲 ハ短調に入ると、ようやく、ピアノが響き始めます。ただ、繊細な弱音の響きは聴かれません。藤田真央の持ち味の半分が聴けない感じです。それでも並みのピアニスト以上の素晴らしい演奏ではあります。続けて演奏するピアノ・ソナタ第14番 ハ短調も同様な演奏で第1楽章が始まります。第2楽章にはいって、あれっ、演奏の精度が上がった! 内面的な表情が見事な演奏になります。第3楽章はさらに素晴らしい演奏になります。ようやく、満足できる演奏です。今日はスロースターターでしたね。

ところがこれはまだ、序章でした。ここまではまるで指慣らしだったんでしょうか。アンコール曲のピアノ・ソナタ第5番の素晴らしいこと! 何と言っても、弱音の響きが研ぎ澄まされた美音、そして、指の
細かい動きが凄まじく見事。完璧を超えた演奏です。藤田真央はここにきて、まるでゾーンに入ったようです。こんな凄いモーツァルトは実演で聴いたことがありません。天才のみに許された演奏です。次の曲、
ピアノ・ソナタ第15番 第3楽章もゾーンにはいったまま。何を弾いても最高の演奏が続きます。こういう演奏を期待して、このコンサートに来たんです。最後の最後にありえないような演奏を聴きました。
できうれば、本編でもこのゾーンにはいった演奏をしてほしかったのですが・・・。

若き天才ピアニスト、藤田真央は読めない音楽家ですね。でも、最後の凄い演奏を聴くと、また、聴きたくなります。次は最初からゾーンにはいってほしい!


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  ピアノ:藤田真央

  モーツァルト:幻想曲(未完) ニ短調 K397
  モーツァルト:アダージョ ロ短調 K540
  モーツァルト:ピアノ・ソナタ第8番 イ短調 K310

   《休憩》

  モーツァルト:ロンド イ短調 K511
  モーツァルト:幻想曲 ハ短調 K475
  モーツァルト:ピアノ・ソナタ第14番 ハ短調 K457


   《アンコール》
     モーツァルト:ピアノ・ソナタ第5番 ハ長調 K283 全曲
     モーツァルト:ピアノ・ソナタ第15番 ヘ長調 K533より 第3楽章


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のモーツァルトの幻想曲 ニ短調 K397を予習したCDは以下です。

  クラウディオ・アラウ 1973年 セッション録音

アラウのモーツァルトは色々言われますが、少なくとも、この曲は素晴らしい結果になっています。


2~6曲目のモーツァルトのアダージョ、ピアノ・ソナタ 第8番、ロンド、幻想曲 ハ短調、ピアノ・ソナタ第14番を予習したCDは以下です。

  アンドラーシュ・シフ 1980年1月、2月 ウェスト・ハムステッド セッション録音 モーツァルト録音集(21CD)

シフの若い頃の録音。若干26歳とは思えない素晴らしい演奏です。その後の再録音が不要なほどの出来です。無論、再録音すれば、もっと素晴らしい演奏になるでしょう。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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金婚式、おめでとうございます!!!
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京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
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07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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