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カヴァコスが弱音の美しさで魅了するブラームスのロマン そして、巨匠ブロムシュテットが描き上げるニールセンの美的音響 NHK交響楽団@東京芸術劇場 2021.10.17

カヴァコスとそして、高齢、94歳の巨匠ブロムシュテットが弦楽器奏者に先立って登場。何か、このお二人、絵になりますね。

まず、ブラームスのヴァイオリン協奏曲です。ブロムシュテットがタクトを振って、オーケストラの堂々たる前奏が始まります。ブロムシュテットの指揮を見るのは、3年前のザルツブルグ音楽祭でウィーン・フィルを聴いた時以来です。少し、背中が丸くなったような気がしますが、かくしゃくとしたもので、椅子に座っての指揮とかではありません。超人的ですね。手を軽く振るだけで、オーケストラを自在にコントロールします。今日のN響は素晴らしい響きです。カヴァコスはその風貌から、外面的な演奏を想像してしまいますが、さにあらず、実に繊細で内面的な音楽を聴かせてくれます。毎回、イメージと実際の演奏のギャップに戸惑います。いい加減、カヴァコスの音楽性をしっかりと頭に刻み付けておかないといけませんね。で、第1楽章の独奏ヴァイオリンの激しい音楽が収まるまではさほどの感銘を受けませんが、抒情的なパートが始まると、弱音の極めて美しい響きと繊細な音楽性に聴き惚れます。ブラームスの内面から滲み出るようなロマンにうっとりとしてしまいます。このカヴァコスの弱音にブロムシュテットは見事にオーケストラを絡み合わせていきます。素晴らしく上質な協奏曲が奏でられていきます。カデンツァに入ると、カヴァコスの繊細なヴァイオリンの響きがさらに引き立ちます。素晴らしい演奏に耳を傾けているうちに第1楽章は圧巻のフィナーレ。ここで拍手が出てもsaraiは責められないと思うほどの迫力です。そして、第2楽章はカヴァコスのヴァイオリンの繊細な響きがさらに素晴らしくなっていきます。何と言う見事な演奏でしょう。木管と絡み合うあたりはうっとりと聴き入るのみです。実演ならではの音楽に心が震えます。もっともカヴァコスは安定した余裕の演奏です。ブロムシュテットのサポートも万全です。ロマンあふれる演奏が最高潮に達して、第2楽章が終わります。間髪を入れずに勢いよく、第3楽章が始まります。最後は圧巻のフィナーレに駆け上がっていき、とても充実した演奏に大満足です。
アンコールのバッハの無伴奏は実に個性的な演奏ですが、ここでも弱音の魅力に心を奪われます。ブロムシュテットも指揮台の上に立ったままで、そのアンコールを聴いています。あまりの元気のよさに驚愕します。

休憩後、ニールセンの交響曲 第5番です。ニールセンはブロムシュテットが北欧の家系のせいか、十八番にしています。以前、ウィーンの楽友協会でブロムシュテットがウィーン交響楽団を指揮して、この曲を演奏するのを聴きましたが、今日はその時よりも素晴らしい演奏です。艶のある響きで音が立っています。第1楽章の春の訪れを感じさせるような美しい音響、第2楽章の夏の祝宴を思わせるような大音響。ブロムシュテットは少しも枯れたところのない若々しい音楽を聴かせてくれます。プログラムの解説では、この曲は戦争・闘いをテーマにしていると書かれていますが、そういう次元の音楽ではなく、実に美しい音楽です。北欧の美しい自然を感じさせる見事な演奏でした。

それにしても、同年代のハイティンクが引退した今、超高齢のブロムシュテットはますます意気盛んです。saraiの持論、指揮者は80歳を超えてからが勝負を体現してくれているブロムシュテットの今後の一層のご活躍を期待しましょう。来日公演はまだ、続きます。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット
  ヴァイオリン:レオニダス・カヴァコス
  管弦楽:NHK交響楽団 コンサートマスター:白井圭

  ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77
   《アンコール》バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第3番 ホ長調 BWV1006 第2楽章「ルーレ」

   《休憩》

  ニールセン:交響曲 第5番 Op.50


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のブラームスのヴァイオリン協奏曲を予習したCDは以下です。

  レオニダス・カヴァコス、リッカルド・シャイー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 2013年5月 ライプツィヒ、ゲヴァントハウス セッション録音

カヴァコス、見事な演奏です。期待以上の出来にびっくり。本番が楽しみになります。


2曲目のニールセンの交響曲 第5番を予習したCDは以下です。

  ヘルベルト・ブロムシュテット指揮サンフランシスコ交響楽団 1987年11月 サンフランシスコ、デイヴィス・シンフォニー・ホール セッション録音

決定版という評価の演奏です。もっともブロムシュテットは以前聴いたデンマーク放送交響楽団のほうが本場もので活気のある演奏だったという記憶があります。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

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じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
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07/08 18:59 sarai

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クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
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07/08 15:53 じじい@

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久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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