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老巨匠ブロムシュテットの至芸の極み、運命の終楽章 NHK交響楽団@サントリーホール 2021.10.27

今日も北欧をルーツとするブロムシュテットは先日のニールセンに続いて、ステンハンマルの作品を演奏します。ステンハンマルは母国スウェーデンでは評価の高い作曲家のようですが、日本ではほぼ無名の存在。saraiもこれまで一度だけ、ステンハンマルの序曲《エクセルシオール!》を聴いただけ。それも今年のことでした。今日の演奏はN響のアンサンブルの素晴らしいこと! 弦はもちろん、木管も完璧な響きを聴かせてくれました。ブロムシュテットの指揮もCDと同様に音楽を美しく歌いあげるものでした。

圧巻だったのは、休憩後に演奏したベートーヴェンの交響曲 第5番。第3楽章までは最新の録音であるライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団との演奏を彷彿とさせるものでしたが、まあ、こんなものでしょうというモダンで美しく、テンポの速い颯爽としたもので、気持ちよく聴いていました。しかし、終楽章に入ると、輝かしい響きで天に飛翔するかごとくの圧倒的な演奏で、思わず、襟を正しながら、集中して聴き入ります。ブロムシュテットは軽く笑みを浮かべながら、思いっ切り、音楽を楽しみつつ、高齢とは思えないような動きで、例のノンタクトで敏捷な腕捌きです。その指揮にぴったりとN響が合わせて、まさに一糸乱れぬ素晴らしいアンサンブルで美しい響きを奏でます。終楽章はその音楽の素晴らしさに魅了されっぱなしで高らかにコーダを迎えます。極上の響きのコーダに感動!

こんな超高齢の指揮者の音楽を聴くのは初めてですが、実に若々しい演奏でした。むしろ、昔、まだ、若かった頃のブロムシュテットのほうがもっと地味だったような記憶があります。まだまだ、100歳までは音楽を聴かせてくれるのではないかという期待を抱かせてくれる来日演奏でした。これから、どんな音楽を聴かせてくれるでしょう。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット
  管弦楽:NHK交響楽団 コンサートマスター:篠崎史紀

  ステンハンマル:セレナード ヘ長調 Op.31

   《休憩》

  ベートーヴェン:交響曲 第5番 ハ短調 Op.67


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のステンハンマルのセレナードを予習したCDは以下です。

  ヘルベルト・ブロムシュテット指揮エーテボリ交響楽団 2014年6月 エーテボリ・コンサートホール ライヴ録音

とても美しい演奏です。ですが、もうひとつ、心に迫るものが感じられなかったのも事実です。


2曲目のベートーヴェンの交響曲 第5番を予習したCDは以下です。

  ヘルベルト・ブロムシュテット指揮シュターツカペレ・ドレスデン 1977年3月14-18日、ドレスデン・ルカ教会 セッション録音
  ヘルベルト・ブロムシュテット指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 2017年1月、ライプツィヒ、ゲヴァントハウス・コンサートホール ライヴ録音

ブロムシュテットの新旧のベートーヴェン交響曲全集からの一枚です。旧盤のシュターツカペレ・ドレスデンとの演奏のあまりの完成度の高さ、そして、シュターツカペレ・ドレスデンの美しい響きを活かした演奏に久々に心が熱くなりました。一方、新盤のライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団は実にモダーンでスマートな演奏。知らなければ、新旧が逆に感じられます。ブロムシュテットは既に完成の域に達していた自己の音楽的境地を一からやりなおした感があります。90歳くらいになって、なおも新たな音楽を追い求める巨匠の姿に感銘を受けます。まあ、正直言って、聴きたい演奏は旧録音です。フルトヴェングラーは別格として、ベートーヴェン交響曲全集として、ベストを争える演奏の一つです。これまで聴き逃がしていました。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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金婚式、おめでとうございます!!!
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10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

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じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
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07/08 18:59 sarai

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07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

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06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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