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秋の京都:源氏物語ゆかりの雲林院跡の今は・・・

2021年10月7日木曜日@京都/2回目

今回の旅のテーマは源氏物語。今日は光源氏が寺籠りしたという紫野の雲林院にやってきています。しかし、現在の雲林院は江戸時代に再建された小さなお寺でほとんど見るべきものはなく、創建当初の雲林院跡を訪ねてみることにします。雲林院を出て、大徳寺の大きな交差点に戻ります。

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ここから北大路を東に歩きます。おっ、何か美味しそうな和菓子屋さんがあります。葵餅 大徳寺本店だそうです。ちょっと心惹かれるものもありますが、ここはぐっとこらえてパス。

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路地に入って、調べます。どうやら、大きなマンションが建っているのが雲林院跡のようです。ただ、マンションがあるだけで、もはや、跡地らしいところはもうマンションの下になっているんでしょう。仕方ないですね。

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マンションの地下ガレージの横の緑地がそれらしい雰囲気ではあります。

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何となく、あきらめきれずにマンションの正面からちょっと中を覗かせてもらいましょう。

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前庭へのアプローチの横にはムラサキシキブが植えてありますね。古きを偲ぶ思いでしょうか。

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ここにもムラサキシキブ。やはり、意識していますね。

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これがアプローチの様子です。ムラサキシキブが中心に植えられています。

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マンションの前庭は美しい緑に覆われています。これで平安の時の紫野、雲林院を偲びましょう。雲林院は紫式部が晩年を過ごしたとも言われるところです。

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次は紫式部のお墓に向かいます。北大路をまた東に進みます。ブラブラ歩いていると、古い小さな民家風のお店に、どんどん人が入っていきます。間口の狭いパン屋です。フリアンディーズ北大路店です。

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きっと超人気店なのでしょう。中を覗いてみると、お客さんが多く、写真を撮るのは遠慮するほどで、所狭しと多くの種類のパンが並んでいます。選んでいるとキリがなさそうなので、saraiの大好きなフランスパンのバゲットとラスクのみ購入。バゲットの長さが邪魔になりますが、しっかり担いで店を出ます。
さあ、紫式部のお墓に向けて歩きます。



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秋の京都:紫式部のお墓

2021年10月7日木曜日@京都/3回目

今回の旅のテーマは源氏物語。今日は光源氏が寺籠りしたという紫野の雲林院と創建当初の雲林院跡を訪ねました。次は紫式部のお墓に向かいます。
北大路通りを東に進み、堀川通りにぶつかったところで南に下がります。

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堀川通りの美しい並木に沿って歩きます。

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やがて、紫式部の墓所の入口に到着。入り口の石標の上には、見事なムラサキシキブがあります(笑い)。やっぱり、これ以外には考えられないよね。

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墓所の中の石畳を紫式部のお墓に向かって歩いていきます。石畳の傍らには見事なムラサキシキブが赤紫の実を付けています。

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紫式部のお墓です。こんもりと土が盛り上がっています。

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隣には小野篁のお墓があります。

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紫式部のお墓に合掌します。

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紫式部の石碑があります。

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傍らにたわわに実をつけた赤ザクロがあります。

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小野篁のお墓にも合掌します。小野篁と言えば、百人一首の和歌が有名ですね。

 わたの原八十島かけて漕ぎ出でぬと人には告げよ海人の釣舟

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紫式部のお墓参りを終えて、次は紫式部ゆかりの蘆山寺に向かいます。



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秋の京都:薄雲御所と白峯神宮

2021年10月7日木曜日@京都/4回目

今回の旅のテーマは源氏物語。今日は光源氏が寺籠りしたという紫野の雲林院と創建当初の雲林院跡、さらには紫式部のお墓を訪れました。次は紫式部が生まれ育った邸宅の跡地にある蘆山寺に向かいます。
ちょっと距離がありますが、京都御所の先にある蘆山寺まで歩いていきましょう。まずは京都御所に向けて、堀川通りを南に下っていきます。
京都の町はどこを歩いても歴史的な旧跡にぶつかります。後花園天皇火葬塚という宮内庁管理の小さな塚があります。文字通り、後花園天皇が火葬された地だったようです。

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さらに堀川通りを南下していくと、源氏物語ゆかりの寺院を謳う慈受院という門跡尼寺があります。看板に詳しい説明がありますが、結構、複雑な内容です。要は慈受院が元々あった地は現在の京都府立鴨沂高等学校で、昔は藤原道長が建立した法成寺がありました。道長の娘、彰子(一条天皇の中宮)に仕えたのが紫式部で、道長自身も源氏物語の愛読者で道長が光源氏のモデルとも言われています。そういう間接的な関係があったことに加えて、大正時代に慈受院が再興されるとき、一緒に統合されることになった総持院の御所名が薄雲御所であったことから、その御所名を引き継ぐことになったのですが、『薄雲』は源氏物語で藤壺中宮が崩御されるとき、哀悼の歌が詠まれたときの主題でした。『源氏物語』五十四帖の第19巻の巻名にもなっています。

 入り日さす峰にたなびく薄雲はもの思ふ袖に色やまがへる

という、ややこしい話で、無理やりのような源氏物語ゆかりです。が、源氏物語はあくまでもフィクションなので、仕方のないことかもしれません。

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これが慈受院、すなわち薄雲御所を入口から眺めた様子です。入口の中は駐車場になっています。

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駐車場にはいると、慈受院の建物が見えます。

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旧門跡尼寺にしては少し寂しい感じではありますが、応仁の乱で焼失し、大正時代に再興したので、まずまず、立派な建物ではあります。

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ここが薄雲御所の入口ですが、拝観謝絶になっています。門跡寺院ゆかりの品々もあるようです。

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薄雲御所を出て、再び、堀川通りを南下します。今出川通りにぶつかったところで左に折れて、東に向かいます。
すぐ、左手に白峯神宮が現れます。この地は蹴鞠と和歌の宗家、飛鳥井家の邸跡で今ではサッカーの聖地のようになっているそうです。

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これが白峯神宮の門。なかなか立派です。ちょっと境内に入ってみましょう。

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立派な本殿です。

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この白峯神宮の御祭神は崇徳天皇と淳仁天皇です。崇徳天皇の有名な和歌の石碑があります。これも百人一首ですね。

 瀬を早み岩にせかるる滝川の われても末にあはむとぞ思ふ

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ずい分、歩いて疲れたのと、暑くて喉も乾いたので、京都御所近くの虎屋菓寮 京都一条店で一服していきましょう。目的地をそこに定めて歩きます。



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秋の京都:老舗の味噌屋、そして、虎屋菓寮でお茶

2021年10月7日木曜日@京都/5回目

今回の旅のテーマは源氏物語。今日は光源氏が寺籠りしたという紫野の雲林院と創建当初の雲林院跡、さらには紫式部のお墓を訪れました。次は紫式部が生まれ育った邸宅だったところにある蘆山寺に向かっています。

途中でお茶して休憩することにします。京都御所近くの虎屋菓寮 京都一条店を目指します。室町通りがあったので、室町幕府の跡でもないかと探します。後で調べると、室町幕府のあった花の御所は今出川通りの北側の室町通り沿いにあったようで、南側は通りの名前が室町だっただけのようです。次回、石標を探してみますが、遺跡らしいものは何も残っていないようです。すべて、応仁の乱で焼失したのかな。

どんどん「虎屋」を目指して室町通りを南に向かって歩きます。もうそろそろかなと思うところに、味噌屋を発見。入り口に暖簾がかかっているだけですが、老舗の雰囲気を感じがします。本田味噌本店です。

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そっと、引き戸を開けてみると、中は明るく上品なお店です。陳列用の味噌樽が並んでいます。

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店員さんと楽しくおしゃべりしながら紅こうじ味噌と珍しいくり味噌、一椀味噌汁をお買い上げ。雲林院から歩いてきたというと驚いていました。観光でなければ歩く距離ではなさそうですね。これから虎屋に行くというと、すぐそこよと指さしてくれます。
お店を後にしますが、その前にお店の全景をパチリ。江戸時代から御所御用達の雰囲気を感じるお店です。

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味噌屋さんの言う通り、すぐに虎屋に到着。

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暖簾のかかる入口に向かいます。

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ネットの写真で、あまりのモダンさにちょっとビビッていたのですが、その印象とは違います。お洒落な感じの落ち着いたお店です。

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入ると、すぐに書架が並んでいます。図書館ではないのにね。

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秋らしい設えも忘れていません。さすがに老舗の貫禄です。

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明るい奥にテーブルが並んでいます。ガラス戸の向こうには綺麗なお庭が見えます。お庭に面した外にもテーブルがあります。

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お庭に面した外のテーブルは満席とのことで、室内のテーブルに案内されます。仕方がないですね。室内はエアコンが効いて涼しいので、いいですけど・・・。席について注文をし終えると、外の席が空きます。お願いして、外のテーブルに移動します。やはり、お庭が直に眺められて、気持ちがいいですね。

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お庭を眺めながら、注文の品が届くのを待ちます。



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秋の京都:虎屋菓寮でゆったり

2021年10月7日木曜日@京都/6回目

今回の旅のテーマは源氏物語。今日は光源氏が寺籠りしたという紫野の雲林院と創建当初の雲林院跡、さらには紫式部のお墓を訪れました。次は紫式部が生まれ育った邸宅だったところにある蘆山寺に向かっています。
途中でお茶して休憩しています。京都御所近くの虎屋菓寮 京都一条店です。綺麗なお庭に面した外のテーブルで注文の品が届くのを待っているところです。

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これはsaraiのオーダーした抹茶とフルーツ蜜豆。京都で抹茶を飲むのを楽しみにしていたんです。

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配偶者はモンブランのようなかき氷。何故にそういう選択? そういう気分だそうです。

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saraiは念願の抹茶を美味しくいただきます。

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配偶者は今日の暑さにぴったりのかき氷、そして、季節の栗を綺麗なお庭を眺めながら、いただきます。

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秋ですね!

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ゆっくり、楽しめました。
お茶を頂いている間、庭の奥の蔵の前の小道を人が移動していきます。saraiがトイレに行った間に、配偶者がチェックに行きます。
庭の脇にある酔芙蓉が美しく咲いています。既に赤く縮んだ花も混在しています。

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酔芙蓉の先には赤い鳥居と白い土蔵も見えています。

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庭の奥は、左は駐車場に通じる路地になっています。

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庭の芝生には白梅があります。もちろん、今は葉のみです。

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お稲荷さんの赤い鳥居が連なっています。

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東蔵の白壁の堅固な建物があります。

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右は木戸につながっています。

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木戸から外に出て虎屋の販売店に通じています。時折、店員さんが品を運んでいます。

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saraiがトイレから戻り、虎屋菓寮を出て、御所を抜けて、蘆山寺に向かいます。



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秋の京都:源氏物語の舞台は、やっぱり、京都御所

2021年10月7日木曜日@京都/7回目

今回の旅のテーマは源氏物語。今日は光源氏が寺籠りしたという紫野の雲林院と創建当初の雲林院跡、さらには紫式部のお墓を訪れました。次は紫式部が生まれ育った邸宅だったところにある蘆山寺に向かっています。
途中、京都御所近くの虎屋菓寮 京都一条店でゆったりと綺麗なお庭を眺めながら、お茶しました。
saraiがトイレに行っているときに配偶者が偵察してきたお庭を抜けて、お店の裏から外に出ます。ところで、お店のトイレは感動的に綺麗でした。これでこそ、京都の老舗ですね。
庭の奥を右に出て、裏木戸を抜けて外に出ます。これが抜けてきた裏木戸です。

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木戸の先の路地を抜けて、表通りに出ます。烏丸通りです。通りに面して、虎屋の和菓子の販売店があります。とらや 京都一条店です。

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とらやはてっきり、東京の羊羹のお店だと思っていましたが、とらやは室町時代後期の京都で創業し、五世紀にわたり和菓子屋を営んできた、れっきとした京都のお店なんですね。明治2年(1869)東京遷都にともない、天皇にお供して、京都の店はそのままに東京にも進出、現在に至っているそうです。ガラス窓越しにお店の中を窺います。お馴染みのお菓子が並んでいます。

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saraiたち夫婦がふざけて発する“やらと”の暖簾が出ています。どう読んでも、やっぱり“とらや”ではなく、“やらと”ですよね。

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次は蘆山寺に行くので、京都御所を抜けていきましょう。烏丸通りをはさんで向かいに御所の乾御門があります。

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歩行者用の信号が青になるのを待ちます。

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京都御苑の中に入ります。源氏物語の中心はココですね。もっとも、平安期の御所、すなわち、内裏の場所はずっと西の別の場所だったそうです。今の御所は南北朝時代に土御門東洞院邸を皇居として以来のものだそうです。ともあれ、ここはいつ来ても広いと感じます。それもその筈、明治維新まで、このあたりには皇族や公家の邸宅が200以上もありましたが、東京遷都とともに取り払われて、広々とした公園、京都御苑になったそうです。

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京都御所の北西の角に出ます。皇后門が見えています。御所の中は予約なしで無料開放されて入りやすくなったので、前回、訪問しました。今日は横を通り抜けます。

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御所の北側中央の朔平門の前を通り過ぎます。

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京都御苑は緑豊かです。それに人も少なく、静かです。

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東側の石薬師御門に近づきます。自転車に乗った人や、子供連れの人など市民が行き交い、長閑な景色です。

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御所を抜けて、寺町通りにある蘆山寺に向かいます。



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秋の京都:源氏物語の執筆地で紫式部の住んだ地、蘆山寺へ

2021年10月7日木曜日@京都/8回目

今回の旅のテーマは源氏物語。今日は光源氏が寺籠りしたという紫野の雲林院と創建当初の雲林院跡、さらには紫式部のお墓を訪れました。次は紫式部が生まれ育った邸宅だったところにある蘆山寺に向かっています。
御所を抜けて、寺町通りに入ります。このあたりに大久保利通の旧邸跡があるようです。寺町通りから、ちょっと路地に入って探してみると、駐車場の片隅に小さな石碑があります。寂しいものです。

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寺町通に戻ります。さすがに寺町。通り沿いはお寺だらけです。やがて、蘆山寺の前に出ます。

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紫式部邸宅跡、源氏物語執筆地という看板が出ています。正確には、紫式部の曾祖父、堤中納言兼輔(藤原兼輔)の邸宅があったところのようです。その後、伯父の為頼、父の為時と受け継がれ、その旧い家で紫式部が藤原宣孝との結婚生活を送ったそうです。一人娘、賢子(かたこ)を育てたのもここです。その頃、ここで源氏物語を執筆したと言われています。

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蘆山寺の沿革の説明板もあります。蘆山寺は元々、船岡山の麓にありましたが、応仁の乱で類焼し、この地に移ってきました。紫式部の住んでいた頃のずっと後のことです。

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これが蘆山寺の門構えです。

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早速、お寺の境内に入ってみます。門をはいってすぐのところに本堂があります。

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お寺の中の参観のために本堂の右のほうに周り込みます。

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右手のお庭を進んでいきます。白砂清松のごとき、掃き清められたお庭があります。

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拝観入口前に出ます。

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拝観券を購入。

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英語も併記してあるパンフレットをいただきます。

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これから、お寺の中を拝観します。源氏庭というのも作られているようです。



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テーマ : 寺社巡り
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音の奔流の渦に溺れる ムーティ&ウィーン・フィルの圧巻のメンデルスゾーン《イタリア》@サントリーホール 2021.11.8

ウィーン・フィルは日本人にとって、特別なオーケストラなのですね。コロナ禍の中、敢然と昨年に続き、来日して、素晴らしい演奏を聴かせてくれます。プログラムは2種類。どちらを聴こうか迷いましたが、結局、意志薄弱でどちらも聴きたくなり、どっちも聴くことにしました。多分、一つだけ聴くことにしたら、今日のコンサートは聴かなかったでしょう。聴いてよかった! こんなメンデルスゾーンの交響曲第4番「イタリア」は一生、聴けなかったでしょう。大好きなウィーン・フィルの柔らかで美しい響きが最高で、パーフェクトな演奏に身も心も音楽と一体になりました。これ以上の聴き方はないほどの贅沢な時間でした。最前列中央に陣取り、我が家のリスニングルームにウィーン・フィルを招いたかのような緊張とリラックスがないまぜになったような最高の音楽を聴けました。今日のウィーン・フィルもいつものようにスロースターターで尻上がりに調子を上げて、最後のプログラムのメンデルスゾーンの交響曲第4番「イタリア」に至り、ああ、これがウィーン・フィルの音だと再認識できる状態になりました。まさに忘我の境地でその素晴らしい音楽に身を委ねました。とりわけ、第3楽章の美しさといったら、この曲はこんな音楽だったのかと初めて、その本質を理解できるような素晴らしさ。実はこれまで、第3楽章だけが苦手だったんです。そして、第4楽章はその激しさではなく、精緻な音楽表現にあっけをとられました。ウィーン風の音楽表現は弱音の美しさに尽きます。フォルテの響きはピアノの響きを引きたてるためにあるのだと思い知らされました。
最近、ずっと在京オケばかり聴いて、その素晴らしさに満足していましたが、ウィーン・フィルはやはり、レベルが違うことに愕然としました。

アンコール・・・ムーティが聴衆の方に振り向きざま、一言、Verdi La Forza del Destino。いやはや、そのかっこよいこと、しびれました。そして、あの名曲です。これでは、まるでシュターツオーパーでヴェルディを聴いているようなものです。忽然と30年前の記憶が蘇ります。2回目のウィーン。1992年5月2日、シュターツオーパー。初めて、実演で《運命の力》を聴きました。冒頭、何故か、序曲なしでオペラが始まります。えっと思っていると、途中で、序曲が始まります。序曲が終わった後の大歓声。今でも忘れられません。因みにその翌日は《エレクトラ》。ヘッツェルとキュッヒルのダブルコンマスで素晴らしい演奏でした。ヘッツェルはその年の7月、ザンクト・ギルゲンのハイキング中に滑落事故で亡くなりました。そういうことが脳裏をよぎりながら、オペラさながらの『運命の力』序曲に聴き入っていました。それにしてもムーティはヴェルディが似合います。そう言えば、2000年のミラノ・スカラ座の引っ越し公演で《運命の力》を聴かせてくれたのはこのムーティでした。あれもグレギーナとリチートラが素晴らしい歌唱を聴かせてくれました。うーん、オペラが聴きたくなる! それもウィーンのシュターツオーパーで!

前半、シューベルトの交響曲第4番。後で思い返すと、ウィーン・フィルの響きは本来のものではなく、少し荒れたアンサンブル。そのときは力強いと思ったんですけどね。第2楽章の冒頭の主題は4つの即興曲D935、Op.142の第2曲の主題を想起させるような懐かしい音楽で、それはそれで楽しめましたが、柔らかく優美なウィーン・フィルの響きではありませんでした。

ストラヴィンスキーのディヴェルティメント~バレエ音楽『妖精の接吻』による交響組曲~は実に手際のよい完璧な演奏。個々のメンバーの実力が発揮された素晴らしい演奏でした。ただ、これがウィーン・フィルの響きかと言うと、その特徴はそんなに感じませんでした。もっとも、それは後半のメンデルスゾーンを聴いたからで、そのときはその凄い演奏に圧倒されていたんです。ウィーン・フィルの実力はどこまでのものか、分かりません。

ムーティ&ウィーン・フィルを聴くのは3年ぶりでした。ザルツブルク音楽祭で聴いたシューマンの交響曲第2番はとても素晴らしい演奏で、そのときから、ムーティを再認識したんです。今年、80歳になったムーティはこれから巨匠の道を歩んでいきそうな勢いです。次の公演でのモーツァルトとシューベルトが楽しみです。


今日のプログラムは以下のとおりです。

  指揮:リッカルド・ムーティ
  管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 コンサートマスター:フォルクハルト・シュトイデ

  シューベルト:交響曲第4番 ハ短調 D. 417「悲劇的」
  ストラヴィンスキー:ディヴェルティメント~バレエ音楽『妖精の接吻』による交響組曲~

   《休憩》

  メンデルスゾーン:交響曲第4番 イ長調 Op.90「イタリア」

   《アンコール》
    ヴェルディ:歌劇『運命の力』序曲


最後に予習について、まとめておきます。

シューベルトの交響曲第4番を予習したCDは以下です。

  リッカルド・ムーティ指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1987年2月 ウィーン、ムジークフェラインザール セッション録音

ムーティ指揮ウィーン・フィルのシューベルト交響曲全集からの一枚です。ウィーン・フィルの響きが素晴らしいです。この頃、コンマスはゲルハルト・ヘッツェルでしたね。そう言えば、ヘッツェルの不慮の死の前、ヘッツェルがコンマスとして最後に演奏したコンサートで指揮したのがムーティでした。1992年6月21日のウィーン・フィル創立150年記念~ウィーン音楽祭終幕コンサートでのベートーヴェンの交響曲第3番 「英雄」だったのかな。


ストラヴィンスキーのディヴェルティメントを予習したCDは以下です。

  ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー指揮ロイヤル・コンセルトへボウ管弦楽団 1997年4月27日 ライヴ録音(ラジオ用録音)

ロイヤル・コンセルトへボウ管弦楽団アンソロジー第6集1990-2000からの1枚です。コンセルトヘボウ管弦楽団の素晴らしいアンサンブルが聴けます。


メンデルスゾーンの交響曲第4番「イタリア」を予習したCDは以下です。

  ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団 1967年5月25日 セッション録音

これは素晴らしい演奏です。これでトスカニーニからの呪縛が解けそうです。もちろん、ステレオ録音ですから、音質もいいしね。何と言っても鉄壁のアンサンブルです。第4楽章のサルタレロなどは申し分のない演奏を聴かせてくれます。セルは何を聴いても素晴らしい。当時、その素晴らしさに気づいていなかった自分を恥じるばかりです。1970年の最後の来日時は当時、学生だったsaraiは聴こうと思えば聴けた筈ですが、その真価が分かっていなかったのですから、情けない。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

秋の京都:紫式部の邸宅址、蘆山寺・・・ツマグロヒョウモン発見!

2021年10月7日木曜日@京都/9回目

今回の旅のテーマは源氏物語。今日は光源氏が寺籠りしたという紫野の雲林院と創建当初の雲林院跡、さらには紫式部のお墓を訪れ、今は紫式部が生まれ育った邸宅だったところにある蘆山寺を拝観しています。
拝観を始めると、いきなり、紫式部の座像が我々を迎えてくれます。

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お寺の奥の本堂南に源氏庭がありました。源氏物語の時代をイメージして作庭されたお庭です。昭和40年に新たに作られたものです。

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このお庭には四季それぞれに花が咲くようです。今は秋の花が可憐に咲いています。

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お庭の左手のほうに目を移します。

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石に《紫式部邸宅址》と刻んであります。

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お庭の周りの緑も見事に繁っています。

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見るべきものはそれほどはないので、早々に拝観入口に戻ります。藤袴が綺麗に咲いています。

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その藤袴に蝶々がとまります。ツマグロヒョウモンです。

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その見事な姿に目が釘付け!

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このツマグロヒョウモンはその模様から、どうやら、メスのようですね。

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なかなか立派なお寺でした。残念ながら、紫式部が住んでいた頃の邸宅はまったく残っていませんが、この敷地から見て、紫式部のひいおじいさんは相当に偉かったんですね。

さて、そろそろ宿に戻りましょう。ここからはちょっと遠いですが、1時間ほどあれば宿に到着できるでしょう。歩いていきます。鴨川沿いに歩きましょう。荒神橋を渡って、鴨川の東岸に出ます。

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橋の袂から鴨川を見下ろすと、荒神 飛び石が見えます。もう少し若ければ、この飛び石をぴょんぴょんと渡るのですが・・・。

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しばらく、鴨川散策です。



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テーマ : 寺社巡り
ジャンル : 旅行

 

秋の京都:鴨川沿いの散策、そして、京都の食材の夕食

2021年10月7日木曜日@京都/10回目

今回の旅のテーマは源氏物語。今日は光源氏が寺籠りしたという紫野の雲林院と創建当初の雲林院跡、さらには紫式部のお墓を訪れ、最後は紫式部が生まれ育った邸宅だったところにある蘆山寺を拝観しました。
夕方から友人たちとの定例のZOOMミーティングがあるので、急いで宿に戻ります。まだ、それでも時間的に余裕があるので、鴨川沿いを散策しながら戻ります。
荒神橋あたりから、鴨川の堤をぶらぶらと南下します。

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このあたりは春ならば桜が綺麗でしょうね。

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鴨川に10月とは思えない強い陽光が降り注いでいます。昔、配偶者とよく、この鴨川を歩いたことを思い出します。学生時代のことです。

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聖護院川原町でセブンイレブンのお店を発見。鴨川散策を打ち切って、ちょっと、ここで買い物をしていきましょう。

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買い物後、聖護院川原町を東に歩いていきます。

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おっ、八ッ橋発祥のお店がありますね。本家西尾八ッ橋 本店です。

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こちらは聖護院八ッ橋総本店です。東大路通りと丸太町通りの交差点の角にあります。今日はシャッターが下りています。このあたりは八ッ橋の聖地なのかな。

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宿近くでは、新たなお店も見つけることができ、有意義な散歩で、無事に宿に到着。
4時からのZOOMミーティングは、いつも通り楽しく行え、友人たちと交友を深めました。オンラインミーティングは場所を選ばずにどこでもできるのが素晴らしいですね。そう言えば、この友人たちは大学の時の友人たち。みなと若い頃にこの京都で親しくなったことを思い出します。今日のZOOMでも京都の様子を報告しました。

今夜の夕食は、昨日買った食材を楽しみます。まずは湯豆腐。とようけ屋 山本の豆腐。そして、生葛切りが食材です。

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これが湯豆腐。美味しそうでしょう。

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これは京野菜の万願寺唐辛子。saraiの好物なんです。

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これは九条ネギのネギ焼。九条ネギもsaraiの好物。

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これは十津川郷のひらきなめこのクリームチーズ炒め。写真がぼけてしまいました。

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味噌汁は本田味噌本店で求めた最中の皮の中に詰めた味噌と具のセットをいただきます。

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京都らしい献立で美味しく夕食をいただきました。

これで京都の2日目が無事完了。明日も源氏物語ゆかりの場所を歩きます。



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秋の京都:源氏物語の若紫の郷、大雲寺へバスの乗り継ぎ旅

2021年10月8日金曜日@京都/1回目

今日は京都の旅、実質3日目です。今回の旅のテーマは源氏物語。今日は光源氏が若紫(後の紫の上)を小柴垣の庵の中にいるのを見染めたと言われるなにがし寺のモデルだという大雲寺を訪れることにします。

今日も快晴です。10月というのに真夏のような暑さ。風が涼しいのが救いです。
saraiはそこそこに起床。昨日、人気のパン屋で買ったパリパリのフランスパンを軽~く焼いて、味噌屋で買ったくりのお味噌を塗って頂きます。どっちも美味。フランスパンはフランスのパンに負けない美味しさです。くり味噌も美味しい。シッカリ味噌だけどほの甘くて、くりの味もしっかりしています。癖になりそうな味です。

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さらに昨夜のキノコ炒めの残りを巻き込んだオムレツとミルクティー。なんとも立派な朝食になりました。

さて、出かけましょう。大雲寺は叡山電鉄鞍馬線の岩倉駅近くの実相院あたりにあります。三条京阪で出町柳に移動し、叡電で岩倉に行き、そこからバスで実相院に行く予定です。三条に向かって歩き始めます。平安神宮の赤い鳥居が樹木の陰に見えてきます。白い雲と青空、快晴です。

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が、歩き始めた途端、どうせ、最後はバスに乗るので、最初からバスを乗り継いで行くかなと予定変更します。すぐ近くの平安神宮前のバス停に向かいます。京都市京セラ美術館の前に出ます。

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平安神宮前のバス停で時間とルートをチェックします。市営5系統で上高野まで行き、そこで京都バス24系統(岩倉実相院行)に乗り換えます。

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予定通り来た市営5系統のバスに乗車。車内でも、いろいろ検索した結果、上高野でバスを乗り継ぐことにします。今日はバスに乗りまくることになりそうなので、1日乗車券を購入。一人700円ですが、元は取れるでしょう。

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上高野のバス停で下車。乗ってきたバスは走り去ります。さて、乗り換えです。

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当然、降りたバス停で乗り換えだと思い、バス時刻表をチェックすると、あれれ、岩倉実相院行のバスがありません。

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もしかしたら、通りの向かい側のバス停から乗るのでしょうか。近くに横断歩道はありませんね。

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乗り換えの時間も迫っています。ええい、強行突破で渡ってしまえ。向かい側のバス停に行って、時刻表を確認します。3分後に京都バス24系統の岩倉実相院行のバスが来ます。その次は30分後です。アブナイ、アブナイ・・・

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無事に岩倉実相院行のバスに乗って、10分で無事に終点、岩倉実相院前に到着です。
京都の北の端らしい田舎町です。目の前に実相院があります。ここへは後で寄ってみましょう。実相院前は大きな広場になっています。ここからまずは大雲寺を目指します。
地図を見ると、ここから北にちょっと行けば、大雲寺のようです。石段を上がって、右に行くようです。

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石段を上っていきます。

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ここからが大変だったんです。全然、大雲寺が見つかりません。地図上にあるべきところに大雲寺がない不思議です。しばらくは探索して、うろうろが続きます。スマホの地図アプリも万能ではないことが分かりました。



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煌めき立つ天才シューベルトのザ・グレイト ムーティ&ウィーン・フィル@サントリーホール 2021.11.12

ウィーン・フィルの今回の来日コンサートの最後を飾る公演です。きっと渾身の演奏を聴かせてくれることを確信していましたが、まさに期待通りの演奏でした。
前半のモーツァルトはアンサンブルも揃って、満足の演奏。終始、集中して聴けました。ただ、スロースターターのウィーン・フィルは余力を残した演奏で抑え気味の響きです。後半のシューベルトの大作に向けて、響きを整えているという様です。

後半のシューベルトの交響曲第8(9)番 「グレイト」は圧巻の演奏。あまり集中し過ぎて、後半は疲れて集中が切れかけるほどの素晴らしい演奏でした。何とか最後まで持ちこたえて、一音一音まで聴き洩らさないほど、のめりこんで聴きました。それにしても長い! 大交響曲、「グレイト」の名前通りの作品です。ベートーヴェンの交響曲とほぼ同時期に作られたことが信じられないような大傑作です。まさにシューマン、ブラームスはおろか、ブルックナーまでも視野にとらえるような時代を先取りした作品です。シューベルトがあと5年か、10年長生きしてくれれば、一体、どんな作品を作り上げたでしょう。ベートーヴェンで言えば、傑作の森に位置するような中期の作品です。突然の死がなければ、どんな晩年の傑作を書いたでしょう。音楽の世界では早過ぎる死を迎えた天才たちが少なからずいますが、saraiが一番、惜しむのはこのシューベルトの早過ぎる死です。交響曲、ピアノ・ソナタ、弦楽四重奏曲の名作が次々と生まれる筈でした。もしかしたら、オペラでも素晴らしい作品を残してくれたかもしれません。そういうことが頭をよぎるような素晴らしい演奏をムーティ&ウィーン・フィルが繰り広げてくれました。とりわけ、第2楽章の素晴らしかったこと。弦のユニゾンの素晴らしい響きが今でも頭に残っています。第2楽章の終盤での自在な演奏は天才シューベルトの音楽の耽美的とも思える美を余すことなく歌い上げてくれました。勇壮な第3楽章を経て、第4楽章の祝典的な喜びの爆発に心躍ります。これを聴き、saraiはシューマンの交響曲の終楽章の祝祭的な響きを思い起こします。シューベルトなくして、シューマンの交響曲は生まれなかったのではないかとも思います。シューベルトの突然の死で果たされなかった仕事をシューマンが引き継いで、あの素晴らしい4曲の交響曲を作り上げたのかと納得です。ともあれ、第4楽章はウィーン・フィルの優美で透徹した響きのアンサンブルが冴え渡り、最高の音楽を奏でていきます。そして、そして、管と弦がテンポのアップダウンをしながら、圧巻のコーダに突入します。完璧なフィナーレにsaraiは目を閉じながら、感動の心でいっぱいになります。

昨年のコロナ禍の異常な雰囲気の中のウィーン・フィルも凄かったのですが、今年は巨匠ムーティとともに昨年以上の音楽を聴かせてくれました。やはり、ウィーン・フィルは世界最高のオーケストラです。

おっと、まだ、アンコールがありますね。例によって、ムーティが聴衆のほうを振り向いて、張りのある深い声で・・・Johann Strauss Kaiser-Walzer
ウィーン・フィルの専売特許とも言えるヨハン・シュトラウスのウィンナーワルツ。贅沢過ぎるほどの特上の演奏に何も言うことなし。

今日はsaraiの今年99回目のコンサート。これまで1年の国内コンサートの最高は98回でしたから、新記録。聴き過ぎかな・・・


今日のプログラムは以下のとおりです。

  指揮:リッカルド・ムーティ
  管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 コンサートマスター:フォルクハルト・シュトイデ

  モーツァルト:交響曲第35番 ニ長調 K. 385「ハフナー」

   《休憩》

  シューベルト:交響曲第8(9)番 ハ長調 D. 944「グレイト」

   《アンコール》
    J. シュトラウスII世:『皇帝円舞曲』Op.437


最後に予習について、まとめておきます。

モーツァルトの交響曲第35番 「ハフナー」を予習したCDは以下です。

  リッカルド・ムーティ指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1997年9月 ウィーン、ムジークフェラインザール セッション録音

ムーティ指揮ウィーン・フィルのモーツァルトシリーズからの一枚です。ウィーン・フィルの響きで聴くモーツァルト、何も言うことなし。黙って聴くだけです。


シューベルトの交響曲第8(9)番 「グレイト」を予習したCDは以下です。

  リッカルド・ムーティ指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1986年2月 ウィーン、ムジークフェラインザール セッション録音

ムーティ指揮ウィーン・フィルのシューベルト交響曲全集からの一枚です。これは圧倒的に素晴らしい名演です。ムーティは若い頃にこんなに素晴らしい録音を残していたんですね。そう言えば、これまであまり、ムーティの演奏を聴いていませんでした。再認識させられました。この曲のベスト演奏の一枚と言えるでしょう。



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怪演にして爆演、ウルバンスキのカルミナ・ブラーナ 東京交響楽団@サントリーホール 2021.11.13

クシシュトフ・ウルバンスキが東響を振ると、何かが起こります。今日はオルフのカルミナ・ブラーナで思い切って踏み込んだ表現の音楽を聴かせてくれました。まさに鬼才によるとんでもない怪演にして爆演と言えるでしょう。カルミナ・ブラーナにこんなにも多彩な音楽的要素があることをまざまざと実感し、終盤で高潮していくところでは、不覚にも感動を覚えました。

今回のコンサートは今年のsaraiの100回目。その区切りにふさわしい素晴らしいコンサートでした。

新国立劇場合唱団の合唱が素晴らしく、独唱の歌手も見事な歌唱。それをまとめあげて、奇々怪々とも思える音楽に仕立て上げたウルバンスキの才覚に驚愕しました。
代役に立った日本人歌手たちがここまで歌えるとも想像もできませんでした。とりわけ、ソプラノの盛田 麻央の見事な高域の美声が素晴らしく、うっとりと聴き惚れます。バリトンの町 英和も多彩な表現で好演。テノールの彌勒 忠史は演技と歌唱で怪演。
新国立劇場合唱団はその人数とは信じられない強烈な響きの歌唱を聴かせてくれました。彼らはこのまま年末のベートーヴェンの交響曲第9番になだれ込み、八面六臂の活躍をしてくれるのでしょう。
それにしても第3部以降の音楽は凄まじいものでした。第23曲のソプラノ独唱の《私のいとしい人》の短いけれども超高域の美しい歌唱から第24曲の大合唱、《たたえよ美しきものよ》の地響きのするような強烈なインパクト。感動するしかありません。そして、終曲の《おお運命よ》に突入。O Fortunaと冒頭の旋律が蘇ります。一番の聴かせどころです。冒頭の大合唱を上回る感動の合唱。最後は新国立劇場合唱団と東京少年少女合唱隊に加えて、3名の独唱者も立ち上がって、コーダを爆演します。おお、何と素晴らしい!! 最高のカルミナ・ブラーナでした。

前半のシマノフスキのヴァイオリン協奏曲第1番はヴァイオリンの弓 新が美しい響きで好演。ただ、東響の響きが粗く、音楽的完成度がもうひとつ。今年の2月に聴いたイザベル・ファウストのチャーミングなヴァイオリンとバックのN響の色彩感あふれる響きには残念ながら及びませんでした。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:クシシュトフ・ウルバンスキ
  ヴァイオリン:弓 新
  ソプラノ:盛田 麻央
  テノール:彌勒 忠史
  バリトン:町 英和
  コーラス:新国立劇場合唱団(指揮:富平恭平)
  児童合唱:東京少年少女合唱隊(指揮:長谷川久恵)
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:水谷晃

  シマノフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1番 Op.35

  《休憩》

  オルフ:カルミナ・ブラーナ


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のシマノフスキのヴァイオリン協奏曲第1番を予習したCDは以下です。

  ダヴィッド・オイストラフ、クルト・ザンデルリング指揮モスクワ放送交響楽団 1962年12月25日 セッション録音

流石にオイストラフ、高域の美音はさながら鳥のさえずりのような態で実にファンタスティック。ザンデルリング指揮モスクワ放送交響楽団も森の雰囲気を醸し出す見事なサポートで聴くものを引き込みます。


2曲目のオルフのカルミナ・ブラーナを予習したCDは以下です。

  オイゲン・ヨッフム指揮ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団・合唱団
   グンドゥラ・ヤノヴィッツ、ゲルハルト・シュトルツェ、ディートリヒ・フィッシャー・ディースカウ
       1967年10月、ベルリン、UFA-Tonstudio セッション録音

名演中の名演。とりわけ、フィッシャー・ディースカウの美声と演技は誰にも真似のできない絶対的なもの。ヨッフムも盤石の指揮。音質もハイレゾで蘇っています。



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秋の京都:大雲寺を探してウロウロ

2021年10月8日金曜日@京都/2回目

今回の旅のテーマは源氏物語。今日は光源氏が若紫(後の紫の上)を小柴垣の庵の中にいるのを見染めたと言われるなにがし寺のモデルだという大雲寺を訪れます。

岩倉実相院前に着き、石段を上って、大雲寺のほうに向かいます。石段の先にあったのは石座神社(いわくらじんじゃ)の鳥居です。大雲寺はどこでしょう。

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鳥居の先を眺めると、石座神社の神楽殿が見えています。

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後ろを振り返りますが、大雲寺への道らしきものは見当たりませんね。

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石座神社の前を通り過ぎ、さらに石段を上っていきます。すると、何やら、小さな鳥居の立つところがあります。

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看板を見ると、宮内庁管理の岩倉陵です。冷泉天皇皇后昌子内親王の御陵です。

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石段を上がって、岩倉稜を間近に眺めます。

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右手には石座神社の甍が見えます。大雲寺はどこでしょう。

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そうこうするうちに大きな病院の前に出ます。正確には病院ではなく、介護老人保健施設 紫雲苑のようです。

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その介護保険施設の先にお堂があります。閼伽井堂(あかいどう)です。

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これも大雲寺の一部のようですが、大雲寺そのものは見当たりません。それもその筈。病院施設は大雲寺の跡地に建っていたんです。要するにこのあたり一帯がかつての大雲寺なんですね。
閼伽井(あかい)の説明板があります。

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閼伽井(あかい)は霊水なんですね。井戸の石には大雲寺という文字が刻まれています。

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大雲寺をさらに探して、その奥の山道あたりに入ります。

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一向に大雲寺がみつかりません。どうせ、かつての大雲寺はないようなので、そんなにむきになって探さなくてもよいのですが、それでは源氏物語をテーマにした旅が成り立ちません。



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驚きの変貌をみせたブラームスのクラリネット五重奏曲 アレッサンドロ・ベヴェラリ&タレイア・クァルテット@鶴見サルビアホール 2021.11.15

藝大出身の若手の女性4人のクァルテットの登場です。みなさん、綺麗ですね。音楽には関係ありませんが・・・。

最初のハイドンは少し元気があり過ぎで、古典的な名曲の雰囲気が味わえません。精妙な響きも欠けています。もちろん、きっちりと弾けていますけどね。
むしろ、2曲目のヒンデミットが豊饒な響きで素晴らしい演奏。ヒンデミットの弦楽四重奏曲は初めて聴きましたが、彼女たちの演奏はヒンデミットの雰囲気をきっちりと表現しています。特に第1楽章と第4楽章が多様性と深みのある演奏で感銘を覚えました。ヒンデミットは全部で7曲の弦楽四重奏曲があるようですから、スペシャリストとして、全曲演奏に取り組んでもらいたいものです。


休憩後、名曲中の名曲、ブラームスのクラリネット五重奏曲です。楽しみにしていました。固唾を飲んで、聴き始めます。冒頭のヴァイオリンのあのロマンティックな旋律が・・・あれっ、テンポが早過ぎて突っ込み、響きも乱れています。その後も立て直しがきかず、変な演奏です。救いはクラリネットのアレッサンドロ・ベヴェラリがちゃんとブラームスらしい演奏を続けていること。このまま、終わるのでしょうか。奇跡でも起きて、ブラームスの名曲をちゃんと聴かせてほしいと念じます。すると、心なしか、徐々にブラームスの響きが戻ってきます。奇跡が起きます。第1楽章の終盤ではそこそこの演奏になります。もっとも、無理して、彼らの演奏に耳を合わせているだけかもしれません。何でもいいから、大好きなブラームスのクラリネット五重奏曲を楽しみたいという気持ちでいっぱいです。第2楽章はクラリネットが先導して、ブラームスのロマンの世界になります。アレッサンドロ・ベヴェラリのブラームスへの思い入れ、愛と言ってもいいかもしれませんが、何とも魂の込められた演奏に惹き付けられます。ブラームスの名曲が引き起こした奇跡に思えますが、ここからは素晴らしい演奏に豹変します。楽章を追うごとに演奏の質が高まります。響きを抑えて、幽玄の世界の音楽が奏でられます。特に第4楽章はとてもよい演奏になります。第1ヴァイオリンの抑えた響きの繊細な表現が蘇ります。終わりよければ・・・すべてよし。このまま、もう一度、第1楽章を弾き直してもらいたい感ですが、それは無理ですね。

せめて、アンコールでモーツァルトのクラリネット五重奏曲の一部でも演奏してもらいたものでしたが、何とアンコールは映画音楽。もっとも、saraiの大好きなニュー・シネマ・パラダイスですから、いいでしょう。これは力の抜けた美しい演奏でした。ステージでの音楽の演奏はきっと難しいものなんでしょうね。特に精神面で・・・。

ところで、今年、何回も聴いたクァルテット・インテグラがバルトーク国際コンクールで見事、優勝したそうですね。前回聴いたときの自分のブログ記事を読むと、彼らの高度な演奏ならば、どんなコンクールでも優勝できるだろうと書いてありました。幸いにも予言が的中することになりました。藤田真央もショパン国際コンクールに参戦していれば、優勝したと思うのですが・・・。


今日のプログラムは以下です。

  弦楽四重奏:タレイア・クァルテット
   山田香子vn  二村裕美vn  渡部咲耶va  石崎美雨vc
  クラリネット:アレッサンドロ・ベヴェラリ

   ハイドン:弦楽四重奏曲 第29番(第41番) ト長調 Op.33-5「ご機嫌いかが」
   ヒンデミット:弦楽四重奏曲 第7(6)番 変ホ長調

   《休憩》

   ブラームス:クラリネット五重奏曲 ロ短調 Op.115

   《アンコール》
    ニュー・シネマ・パラダイス(クラリネット五重奏版)


最後に予習について触れておきます。

1曲目のハイドンの弦楽四重奏曲 第29番(第41番) Op.33-5「ご機嫌いかが」は以下のCDを聴きました。

 ザ・リンジーズ(リンゼイ弦楽四重奏団) 1995年3月21-23日 聖トリニティ教会,ウェントワース、ヨークシャー、英国 セッション録音

このリンゼイ弦楽四重奏団のハイドンの演奏はどれも間違いなく素晴らしいです。


2曲目のヒンデミットの弦楽四重奏曲 第7(6)番は以下のCDを聴きました。

 コチアン四重奏団 1995年6月19-21日、11月15-17日 ラジオ・スイス・ロマンドのエルンスト・アンセルメ・スタジオ、ジュネーヴ、スイス セッション録音
 
初聴きなので、よく分かりませんが、もうひとつヒンデミットらしい雰囲気に欠けるような感じに思えました。


3曲目のブラームスのクラリネット五重奏曲は以下のYOUTUBEを聴きました。

 イェルク・ヴィトマン、ハーゲン四重奏団 2011年6月 DLFカンマームジークザール セッション録音
 
これは予習とは言え、聴き惚れてしまいました。最高の演奏です。すっかり、ブラームスの世界に浸って、幸福感を味わい尽くしました。



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ゆるぎない盤石のピアノの響き ヴァレリー・アファナシエフ@王子ホール 2021.11.16

以前から、このヴァレリー・アファナシエフを聴きたくて、実際、チケットを買ったこともありましたが、スケジュール的に無理で聴けなかったのです。ようやく、今日、聴けました。一般的には彼は独自のスタイルの演奏を貫きますが、バッハに関しては、オーソドックスな演奏を聴かせてくれます。強いタッチによる明快で重厚な響きの堂々たる演奏です。その音楽表現はバッハの鍵盤音楽から、ロマンの香りが匂い立つような魅力的な演奏です。プレリュードはバラードのような趣きがあり、フーガは色彩感にあふれています。しかもそのゆるぎない音楽表現は盤石のごとく、確信に満ちており、聴いているものに強い共感を覚えさせるものです。ロシアからはこういうスケールの大きなピアニストが輩出されますね。タイプは異なりますが、ガヴリーロフやソコロフなど、巨人と思えるピアニストたちの系列に連なるものです。
前半のバッハの平均律クラヴィーア曲集 第1巻だけで、アファナシエフのピアノは十分に堪能できました。後半のモーツァルトのハ短調の作品もその確信に満ちた輝かしく重厚な演奏は続きました。圧倒的なパフォーマンスに痺れました。

今年から、彼のリサイタルは3回シリーズでTIMEと銘打っています。あと2回。来年以降、どのような演奏を聴かせてくれるんでしょうか。シューベルトやブラームスに期待が高まります。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  ピアノ:ヴァレリー・アファナシエフ

  J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻より8つの前奏曲とフーガ
    第1番 ハ長調 BWV846
    第2番 ハ短調 BWV847
    第7番 変ホ長調 BWV852
    第8番 変ホ短調 BWV853
    第21番 変ロ長調 BWV866
    第22番 変ロ短調 BWV867
    第23番 ロ長調 BWV868
    第24番 ロ短調 BWV869

   《休憩》

  モーツァルト:幻想曲 ハ短調 K475
        :ピアノ・ソナタ ハ短調 K457


   《アンコール》
     ショパン:マズルカ ヘ短調 Op.63-2


最後に予習について、まとめておきます。

前半のJ.S.バッハの平均律クラヴィーア曲集 第1巻を予習したCDは以下です。

  ヴァレリー・アファナシエフ 1995年 セッション録音

これは素晴らしい演奏です。聴いた後に凄い充足感がありました。


後半のモーツァルトの幻想曲 ハ短調、ピアノ・ソナタ第14番を予習したCDは以下です。

  フリードリヒ・グルダ 幻想曲(録音:1980年)、ピアノ・ソナタ第14番(録音:1982年11月)、ウィーン(Weisenbach am Attersee) プライヴェート録音 コンプリート・モーツァルト・テープス

モーツァルトを敬愛していたグルダはモーツァルトの誕生日の1月27日(2000年)に亡くなりました。死後に偶然、発見されたのが、このプライヴェート録音のテープです。実に貴重な遺産です。この素晴らしい演奏に何も言うことはありません。



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何故、ショパンなのか・・・その疑問を嘲笑うかのようなキーシンの完璧過ぎる華麗なる大ポロネーズ@サントリーホール 2021.11.17

前半のバッハ、モーツァルト、ベートーヴェンのずしんとくる演奏を聴いて、ただただ満足。ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第31番は第3楽章の嘆きの歌とフーガが素晴らしい演奏でした。ああ、第1楽章の天使の飛翔のような清らかな演奏も見事だった!

後半は・・・何とショパン! ここはシューマンかシューベルト、あるいはブラームスを弾いてほしいところです。何故にショパン? しかし、キーシンはマズルカを見事に弾き終え、最後のアンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズは圧巻の演奏で、これにはsaraiも脱帽。細部に至るまで完璧過ぎる演奏です。CDで予習したアルゲリッチの最高の演奏に比肩するほど、テクニックも音楽表現も無敵の演奏。唖然とするだけでした。これだけ弾いたのだから、ショパンでもよかったかな。

いつものようにアンコールも充実。本編と変わらぬ完成度の音楽を聴かせてくれました。モーツァルトは本編に合わせて、短調の曲を選択するという念の入れ方。最後は有名なショパンのワルツで気持ちよく、しめくくり。贅沢なエンターテインメントでした。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  ピアノ:エフゲニー・キーシン

  J.S.バッハ/タウジヒ編曲:トッカータとフーガ ニ短調 BWV 565
  モーツァルト:アダージョ ロ短調 K. 540
  ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調 Op. 110

   《休憩》

  ショパン:マズルカ第5番Op.7-1、第14番Op.24-1、第15番Op.24-2、第18番Op.30-1、第19番Op.30-2、第24番Op.33-3、第25番Op.33-4
  ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op. 22

   《アンコール》
     J.S.バッハ/ブゾーニ編曲:コラール前奏曲「いざ来たれ、異教徒の救い主よ」 BWV659 
     モーツァルト:ロンド ニ短調 K485
     ショパン:12の練習曲より Op. 25-10
     ショパン:ワルツ Op. 70-2


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のJ.S.バッハ/タウジヒ編曲のトッカータとフーガ ニ短調を予習したCDは以下です。

  アール・ワイルド 1981年1月11日 カーネギーホール ライヴ録音

これは凄い演奏です。てっきり、セッション録音と思うほどの完成度。拍手がはいっていたので、ライヴ録音だと分かりました。ラフマニノフで見事な演奏を聴かせてくれるワイルドならではの演奏です。


2曲目のモーツァルトのアダージョ ロ短調 K. 540を予習したCDは以下です。

  アンドラーシュ・シフ 1980年1月、2月 ウェスト・ハムステッド セッション録音 モーツァルト録音集(21CD)

シフの若い頃の録音。若干26歳とは思えない素晴らしい演奏です。その後の再録音が不要なほどの出来です。無論、再録音すれば、もっと素晴らしい演奏になるでしょう。


3曲目のベートーヴェンのピアノ・ソナタ第31番を予習したCDは以下です。

  アンドラーシュ・シフ 2007年9月23日 ドイツ、ライツターデル、ノイマルクト セッション録音 ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集より

うーん、凄いね。シフはベートーヴェン弾きではないと思いますが、深い精神性のある音楽、そして、何よりも美しい響きでシフの世界を作っています。ただただ、その音に耳を傾けるだけです。


後半のショパンのマズルカを予習したCDは以下です。

  ジャン=マルク・ルイサダ 1990年11月&1991年9月 ハンブルク、フリードリヒ=エーベルト=ハレ&ハノーファー、ベートーヴェンザール セッション録音

思い切ったアゴーギクをかけた演奏が成功しています。


最後のショパンのアンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズを予習したCDは以下です。

  マルタ・アルゲリッチ 1974年7月 ミュンヘン セッション録音

アルゲリッチが若い頃、まさに飛ぶ鳥の勢いの演奏。今にして思えば、絶頂期の演奏でした。天才的としか表現できない凄い演奏。



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イザベル・ファウストの弾く究極のバッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ@東京オペラシティ コンサートホール 2021.11.18

イザベル・ファウストのバッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータを聴くのは2度目です。最初に聴いたのは5年前のザルツブルク音楽祭。このときにファウストを初めて聴いたんです。また、バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全曲を実演で聴いたのも初めてでした。ザルツブルクのコレギエン教会で一挙に全6曲を聴いたんです。夜の8時半に始まり、深夜12時までのコンサート。たった一人で演奏したイザベル・ファウストの体力も凄いですが、聴く側のsaraiもへとへとになりました。その日はお昼にモーツァルトのオペラ《コジ・ファン・トゥッテ》を聴いたので、最後はもう修行のようなものでした。でも素晴らしい演奏で最後のシャコンヌは感涙ものでした。

今日は普通のコンサートホールで3曲だけ聴くので、ゆったりと聴けるでしょう。残りの3曲は昨日でした。saraiはキーシンのリサイタルと重なって、今日の分だけ聴きます。
ただ、今日は休憩なしだそうです。休憩を入れて、ゆったりと聴けると思っていましたが、あてが外れました。

パルティータ第3番から始まります。音量は少し小さいですが、素晴らしい響きがホールを貫きます。最初のプレリュードから胸に沁みます。練習曲のような風情ですが、格調の高い演奏です。続くルールも美しい響きの爽やかな演奏です。有名なガヴォットを楽しく聴き、メヌエットは優雅な演奏です。短いブーレを挟んで、ジーグで全曲をしめくくります。そんなに長い曲はないのですが、たっぷりと聴いたという満足感が残ります。実時間よりも充実した長い時間に思えました。

続いて、ソナタ第2番です。グラーヴェは重厚な演奏。ドイツを代表するヴァイオリニストらしく、重心の低い演奏です。そうそう、彼女は今日もいつものようにヴァイオリンはストラディヴァリの名器「スリーピング・ビューティー」で、バロック弓を使っての演奏です。その分、音量は下がりますが、音色は美しいですね。もちろん、ノン・ヴィブラートです。次のフーガは永遠に続くと思うほど、長大です。ここでも響きが素晴らしく美しいです。流石に聴くほうも疲れてきます。次のアンダンテはとても美しい曲。saraiも大好きです。極めて美しい演奏にうっとりとします。最後はアレグロ。軽快なテンポで走っていきます。ソナタは聴き応えがありました。これで20分ほどとは信じられません。

普通はここで休憩が入り、一息つくところですが、一気にパルティータ第2番に進みます。このパルティータは耳慣れた有名な曲が続きます。素晴らしいアルマンドで始まり、軽快なクーラントが続きます。でも、結構、ここまでもボリュームがあります。次は大好きなサラバンド。哀調に満ちた旋律にうっとりとなります。ゆったりとした音楽がいつまでも続きます。一転して、次のジーグは軽やかに疾走します。そして、いよいよ、真打ち登場。西洋音楽で器楽作品の最高峰にあるシャコンヌです。作品の長大さも群を抜いて、全曲の半分ほどをしめます。うーん、流石にファウストのシャコンヌは素晴らしい。冒頭の重音の響きが圧倒的で心を鷲掴みにされます。そして、次から次に心に迫る抒情的な旋律が美しく奏でられます。うっとりどころではありません。長大ですが、いつまでも終わってほしくない究極の音楽が続いていきます。いったん、頂点に達して、強い感動を覚えた後、最後はすっと終わります。長い静寂が続きます。バッハの無伴奏は本質的に静謐さを音楽の形にしたものです。音楽が終わっても、頭の中では静謐な音楽が続いています。今日の聴衆のみなさんはこのバッハの音楽の本質を理解している人たちです。長い静寂のあと、ブラーボの一声。ルール違反ですが、見事な一声でした。続いて盛大な拍手。素晴らしい無伴奏でした。

ファウストは今年1月に来日して、素晴らしいシューマンを聴かせてくれました。その後も長い滞在でした。そして、また、来日。1年に2回来日です。それもコロナ禍で制限を受けながらの来日。よほどの親日家なのでしょう。実力は凄いですが、地味な存在だと思うのですが、今日もほぼ満席。日本での人気も相当のようです。日本人のsaraiが言うのも何ですが、日本人の耳も肥えましたね。これからもたびたびの来日が楽しみです。

このオペラシティでは3年前にヒラリー・ハーンがバッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータの全曲を演奏しました。あれは凄い演奏でした。オペラシティはBCJの演奏も含めて、バッハの聖地のようになってきましたね。


今日のプログラムは以下です。

  ヴァイオリン:イザベル・ファウスト

  バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全曲コンサート 第2夜

  無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番 ホ長調 BWV 1006
   I. プレリュード Preludio
   II. ルール Loure
   III. ロンド風ガヴォット Gavotte en rondeau
   IV. メヌエットI-II Menuett I-II
   V. ブーレ Bourree
   VI. ジーグ Gigue

  無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番 イ短調 BWV 1003
   I. グラーヴェ Grave
   II. フーガ Fuga
   III. アンダンテ Andante
   IV. アレグロ Allegro

  無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 ニ短調 BWV 1004
   I. アルマンド Allemanda
   II. クーラント Corrente
   III. サラバンド Sarabanda
   IV. ジーグ Giga
   V. シャコンヌ Ciaccona

   《アンコール》

     無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番 ト短調 BWV1001 から 第3楽章 シチリアーノ


最後に今回の予習について、まとめておきます。と言っても、もちろん、すべて、イザベル・ファウストを聴きました。

  イザベル・ファウスト 2009年9月1-4日 、2011年8月、9月 テルデックス・スタジオ(ベルリン) セッション録音
    使用楽器:1704年製ストラディヴァリ「スリーピング・ビューティー」 バロック弓

もう既に10年前の録音なのですね。バロック弓ということで地味な音を想像していましたが、素晴らしい響きです。演奏も最高。シェリング、ヒラリー・ハーンに並び立つ演奏です。



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       ファウスト,  

秋の京都:大雲寺を探して、山道や石座神社を彷徨

2021年10月8日金曜日@京都/3回目

今回の旅のテーマは源氏物語。今日は光源氏が若紫(後の紫の上)を小柴垣の庵の中にいるのを見染めたと言われるなにがし寺のモデルだという大雲寺を訪れます。

岩倉実相院前に着き、石段を上って、大雲寺跡にある病院や大雲寺の一部だった閼伽井堂(あかいどう)はありますが、大雲寺そのものがなかなか見つかりません。
閼伽井堂の先には山道があります。よっぽど上って探してみようとも思いますが、山道に迷い込みそうな予感もします。

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山道の前で佇んで、しばし熟考します。ちょっとだけ上ってみましょう。

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石段を上ると、なにかいわくありげなお墓があります。さすがにその先に進む気にはなれません。

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再び、閼伽井堂の前に戻ります。

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今度は再び、先ほど上ってきた石段を下りて、先ほどはその前を通り過ぎた石座神社(いわくらじんじゃ)の鳥居をくぐって、神社の境内に入ります。大雲寺探索のヒントがみつかるかもしれません。神楽殿の先に本殿が見えます。

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これは神楽殿。さぞや立派な神楽舞が見られるのでしょう。

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本殿への石段があります。上ってみましょう。

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石段を上り終えると、本殿の西社と東社が並んでいます。

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正面から西社と東社を拝礼します。パンパン・・・。

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大雲寺のてがかりもなく、すごすごと石座神社の石段を下ります。振り返って、立派な神楽殿を見上げます。

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とりあえず、石座神社の前の道を進んでみます。この道の先に何かがある気配はありませんが、もう、ここくらいしか、大雲寺を探すところはありません。

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一体、大雲寺は現実に存在するのでしょうか。大雲寺探索は続きます。もう、このあたりを20分以上も彷徨っています。



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秋の京都:大雲寺を発見! 次は実相院へ

2021年10月8日金曜日@京都/4回目

今回の旅のテーマは源氏物語。今日は光源氏が若紫(後の紫の上)を小柴垣の庵の中にいるのを見染めたと言われるなにがし寺のモデルだという大雲寺を訪れます。

ところがその大雲寺が見つからず、岩倉実相院近くで大雲寺を探して彷徨っているところです。最後に足がかりを求めて、石座神社の前の道を進んでみます。この道の先に何かがある気配はありませんが、もう、ここくらいしか、大雲寺を探すところはありません。道の傍らに三面仏があります。お地蔵さんの雰囲気ですが、両脇にも仏さんが彫ってあるのかな。

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おおっ、道を進んでいくと、遂に大雲寺の案内があります。源氏物語だけでなく、太平記や井原西鶴の好色一代女にもゆかりがあるようです。

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大雲寺霊園の案内もあります。

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これまで、大雲寺をウロウロ探して、なかなか見つかりませんでしたが、それもそのはず、辿り着いたのは、民家の前面をお寺さんのように飾りつけした程度のお寺です。そのような形ででも、大雲寺を守っているとも言えますね。

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その当時は立派であったと思われる大雲寺に加持祈祷に訪れた光源氏が小柴垣の庵の中にいた美しい若紫(紫の上)を見初めたのですね。山肌に建ち、森閑とし、風の音のみが感じられるような当時の雰囲気はしっかり感じられます。奥には霊園が広がっています。

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苦労して見つけた大雲寺ですが、別にそれ以上、見るものはないので、早々に退散します。また、三面仏の前を通り過ぎます。向かうのは実相院です。

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道の樹木の間から大雲寺の建物の一部が見えていますが、お寺というよりも普通の建物に見えます。

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やがて、岩倉実相院のバス停に戻ると、実相院の四脚門があります。実相院は門跡寺院でこの四脚門も御所から移築したものです。

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石段を上がり、四脚門の前に立ちます。境内には大きな樹木が緑の空間を作っています。

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今や、実相院の方が、大雲寺より当時の雰囲気を感じさせてくれるかもね。昔は大雲寺に隣接していたんです。もっともこの実相院がこの岩倉に移ってきたのは応仁の乱の頃ですから、源氏物語には何のゆかりもありません。あくまでも雰囲気だけです。境内を進み、車寄せの前に立ちます。この車寄せも御所から移築したものです。何とも立派な建物です。

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受付で拝観料を払って、パンフレットをいただきます。内部の撮影は厳禁とのことでパンフレットの写真で有名な「床みどり」をご覧ください。ここの庭園は新緑や紅葉の季節には見所となっており、特に部屋の黒い床に木々が反射する光景は「床みどり」「床もみじ」と呼ばれ知られています。

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受付の方から、今日はテレビの撮影クルーが入っているから、うんぬんという説明があります。邪魔にならないようにしましょう。内部に上がって拝観を始めます。



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秋の京都:実相院でテレビクルーと遭遇、お庭をゆったりと拝見

2021年10月8日金曜日@京都/5回目

今回の旅のテーマは源氏物語。今日は光源氏が若紫(後の紫の上)を小柴垣の庵の中にいるのを見染めたと言われるなにがし寺のモデルだという大雲寺を訪れました。

大雲寺そのものはかつての姿を留めていませんでしたが、ともかく、ここが若紫の舞台だったのですから、源氏物語ファンには必見の場所でしょう。

次は源氏物語ゆかりではありませんが、岩倉では見逃せない実相院を訪れます。実相院の内部に入ると、テレビの撮影隊が入っています。お互い邪魔をしないように鑑賞します。
内部の撮影は厳禁なので、お庭だけを撮影します。テレビのクルーはもちろん、内部を撮影しています。それでも、お寺のかたの許可を受けながらの撮影のようです。テレビのスタッフのかたと言葉を交わしました。京都のテレビ局(KBS京都テレビ)だとのことで、我々が関東から来訪していることを告げると、関東でもBS11で11月22日(月)の夜8時からの《京都浪漫 悠久の物語》でこの日の取材内容を放映するとのことでした。要するに本日の夜の放送ですね。貴重なテレビ撮影が見られるので、みなさんもどうぞ見てください。

さて、縁側に沿って、手水鉢が置かれています。つくばいのような感じです。

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その手水鉢の向こうには綺麗なお庭が広がっています。

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緑豊かな池泉庭園です。

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山の風景を借景にした見事なお庭です。

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自然と一体になる感じでゆったりとした落ち着きを感じます。

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縁側を進み、別の角度からお庭を眺めます。

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先ほどのつくばいのある縁側が眺められます。

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縁側の奥まで進み、ここから戻ることにします。

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再び、つくばいの前です。

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ここでしばらく、お庭を眺めていました。心穏やかな時間を持ちます。

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さて、十分、満足したところで外に出ましょう。例のテレビのクルーの前を挨拶しながら通り抜けようとすると、もう一つのお庭は見ましたかと言われます。えっ、まだ、別のお庭があるのって、慌てて、もう一度、戻ります。ありました。何だか変わったお庭です。テレビ局のかた、サンキュウ!

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もうしばらく、このもう一つのお庭を眺めていましょう。



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秋の京都:実相院の新しいお庭~岩倉具視幽棲旧宅へ

2021年10月8日金曜日@京都/6回目

今回の旅のテーマは源氏物語。今日は光源氏が若紫(後の紫の上)を小柴垣の庵の中にいるのを見染めたと言われるなにがし寺のモデルだという大雲寺を訪れました。その際に岩倉では見逃せない実相院を訪れています。

実相院の内部を一通り、見た後に取材していたテレビ局の人に別のお庭を見逃しているのではと指摘されて、慌てて、そのお庭を拝見しています。
《こころのお庭》という7~8年前に作られた新しいお庭です。

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変わったデザインのお庭ですね。

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枯山水のお庭ですが、波を表現している丸いオブジェが印象的です。

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しばらく、このお庭の前に佇みます。

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テレビの撮影はまだ続いていますね。邪魔にならぬようにそっと外に向かいます。

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建物を出て、四脚門から外に出ます。

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四脚門の前から、バス停のある広場を見下ろします。実相院の前で草取りをしておられた方から、是非とも岩倉具視旧宅へ行ってほしいと案内されたので、ここでその方向を見定めます。まっすぐ進んで、右のほうに行ったところのようです。

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3分ほど歩いて、岩倉具視幽棲旧宅の前に着きます。

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見学者用入口はこの先のようです。ちょっと進むと、入口が開いています。どうやら見学できそうですね。

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入り口前には岩倉具視幽棲旧宅の説明が書かれている木の板があります。ずい分、風雨に晒されているようで、字が読みにくくなっています。

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ともかく見学することにして中に入りましょう。



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秋の京都:岩倉具視幽棲旧宅

2021年10月8日金曜日@京都/7回目

今回の旅のテーマは源氏物語。今日は岩倉の地に源氏物語ゆかりの大雲寺を訪れ、ゆかりはないものの岩倉では見逃せない実相院、そして、現地で推奨された岩倉具視幽棲旧宅を訪れています。

京都市が文化財として管理・公開している岩倉具視幽棲旧宅を見学します。まず、受付で入場券を求めます。

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その際、ここで抹茶もいただけるとのことで、抹茶券も一緒に購入します。見学後に抹茶をいただきます。saraiは京都に来て、抹茶モード。毎日のようにいただきます。実は明日は宇治に行きますので、今回の旅のサブテーマは抹茶ですね。また、もうすぐ、ガイドツアーがあるそうです。無料なので是非、参加しましょう。それまではお庭をぶらぶらしていましょう。案内パンフレットをいただいたので、それを参考にします。

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敷地の中央には洋風の建物があります。対岳文庫という資料館のようです。ガイドツアーの前に見ておきましょう。

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この資料館には岩倉具視に関する資料が展示されています。ざっと眺めました。

さて、ガイドツアーの時間が迫り、旧宅に向かいます。石段を上がったところに旧宅があります。

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旧宅の前のお庭には美しく紅葉した木があります。岩倉では一番の紅葉に思えます。

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これが旧宅です。茅葺の古めかしい居宅です。明治の元勲、岩倉具視は洛中から追放されて、ここで幕末の約3年間を過ごしました。まさに世を避けて、幽棲したわけです。ここで蟄居していた岩倉具視は次第に政治活動を開始し、坂本龍馬、中岡慎太郎、大久保利通などの勤王の志士もこの岩倉宅を訪れたそうです。この岩倉での幽棲の後、明治の元勲としての活躍は説明する必要はないでしょう。新政府の中心人物として、新政府の基盤を支えました。

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庭先には、岩倉具視の遺髪を収めた慰霊碑、遺髪碑があります。なお、岩倉具視のお墓は品川の海晏寺にあります。

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旧宅前のお庭は緑にあふれています。旧宅の管理は著名な造園会社(植彌加藤造園株式会社)が請け負っているので、お庭は見事なものです。

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やがて、案内スタッフのお姉さんがやってきて、旧宅の縁側に腰かけて、この岩倉具視幽棲旧宅の説明をしてくれました。要を得て、簡便という感じの説明でした。

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お庭を眺めながら、我々二人だけへの贅沢な説明でしたが、途中から、別のご夫婦も加わっての説明になりました。

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説明後、旧宅の中に上がって、旧宅内の見学です。



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ルイージ凄し! 素晴らしき指揮姿 NHK交響楽団@サントリーホール 2021.11.24

来年度からNHK交響楽団の首席指揮者に就任するファビオ・ルイージの登場です。

前半はイタリア人コンビ、ヴァイオリンの若手、フランチェスカ・デゴとファビオ・ルイージで、イタリア人作曲家ニコロ・パガニーニのヴァイオリン協奏曲。ロッシーニ風のオペラのような音楽を見事に奏でます。第1楽章はデゴの響きが少し硬かったのですが、第2楽章からはよく歌うようになり、気持ちよく聴けます。精神性とかを語るような作品ではないので、楽しく聴ければよい音楽です。デゴのヴァイオリンはテクニックも十分で気持ちよく聴けました。

圧巻だったのは、休憩後に演奏したチャイコフスキーの交響曲 第5番。ルイージがこんなにチャイコフスキーを見事に振れるとは思っていなかったのでびっくり。彼は独墺系の作品にこそ、本領を発揮すると思っていたんです。実に見事にチャイコフスキーの音楽を組み立てます。その指揮にN響がぴったりと合わせるのにもびっくり。まるで長年のコンビのようです。ルイージとN響の奏でるチャイコフスキーは実に高度なレベルの音楽に仕立てあがっていて、大変、聴き応えがあります。とりわけ、第2楽章の後半、そして、第4楽章の演奏が素晴らしかった! ルイージはいつの間にか、音楽の幅を広げていたんですね。これからのルイージとN響の音楽がどこまで高みに上っていくのか、大変、楽しみになりました。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:ファビオ・ルイージ
  ヴァイオリン:フランチェスカ・デゴ
  管弦楽:NHK交響楽団 コンサートマスター:篠崎史紀

  パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲 第1番 ニ長調 Op.6

   《アンコール》パガニーニ:24の奇想曲より第13番 変ロ長調

   《休憩》

  チャイコフスキー:交響曲 第5番 ホ短調 Op.64


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のパガニーニのヴァイオリン協奏曲 第1番を予習したCDは以下です。

  ヒラリー・ハーン、大植英次指揮スウェーデン放送交響楽団 2005年10月 ストックホルム、ベルワルド・ホール セッション録音

ヒラリー・ハーン、会心の演奏です。天馬空を行くかのごとくです。


2曲目のチャイコフスキーの交響曲 第5番を予習したCDは以下です。

  レナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルハーモニック 1988年11月、ニューヨーク セッション録音

バーンスタイン晩年のマーラー的なアプローチです。若干、テンポが遅過ぎて、もたつく感じはありますが、聴き応え十分です。



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晩秋に聴くブラームスのクラリネット五重奏曲は極上の趣き ポール・メイエ&カルテット・アマービレ@東京オペラシティ コンサートホール 2021.11.25

今年、カルテット・アマービレの演奏を聴くのは4回目。聴くたびに彼らの成長が実感させられます。同世代のクァルテット・インテグラと共に今、聴き逃がせないカルテットです。

前半のモーツァルトは弱音に徹した精妙な演奏。ウィーン風の演奏です。見事な演奏に終始、緊張感を持って聴き入りました。中央に座ったクラリネットのポール・メイエの音楽作りが素晴らしく、メリハリの効いた演奏とカルテット・アマービレのメンバー、特に第1ヴァイオリンの篠原悠那へのアイコンタクトで音楽を構成していました。その第1ヴァイオリンの篠原悠那の抑えた響きの美しい演奏も見事でした。それにしても、ここにはテクニックを超えた熱い思いの音楽がありました。それがひたひたとsaraiの心を打ちました。

後半のブラームスの何て素晴らしかったか! 冒頭から美しいロマンにあふれていて、クラリネットと弦の絡み合う極上の美しさに深く感動します。冒頭の美しい主題が何度も回帰して、そのたびに感動の波に襲われます。そして、第2楽章はこの音楽の華です。こんなに美しいロマンがあっていいのか! 今、季節は晩秋。晩年のブラームスが描き出した晩秋の音楽が重なって、深い感動に浸ります。第3楽章に入って、音楽は勢いをつけていきます。中間部ではまた、抒情的なロマンの世界が歌い上げられます。そして、圧巻の第4楽章。フィナーレに向かって音楽が高揚していきます。息もできないほどの緊張感の中、弦4本が美しい響きを上げて、素晴らしい音楽の終わりを告げます。最後はそっとロマンの世界に別れを告げるかのような憂愁の美。saraiにとって、最高の室内楽作品の極上の演奏でした。演奏レベルだけをとれば、ヴィドマン&ハーゲン・カルテットの演奏を超えることはできませんが、若いカルテットの意欲と挑戦は素晴らしい感銘を与えてくれました。

音楽の世界に浸りきった1時間半でした。音楽こそがこの素晴らしい世界を生きていている実感を与えてくれます。ポール・メイエ&カルテット・アマービレのみなさんに感謝を捧げましょう。


今日のプログラムは以下です。

  クラリネット:ポール・メイエ
  弦楽四重奏:カルテット・アマービレ
   篠原悠那 vn  北田千尋 vn  中 恵菜 va  笹沼 樹 vc

   モーツァルト:クラリネット五重奏曲 イ長調 K. 581

   《休憩》

   ブラームス:クラリネット五重奏曲 ロ短調 Op. 115

   《アンコール》
    モーツァルト:クラリネット五重奏曲 イ長調 K. 581より 第2楽章ラルゲット


最後に予習について触れておきます。

1曲目のモーツァルトのクラリネット五重奏曲は以下のCDを聴きました。

 アルフレート・プリンツ、ウィーン室内合奏団 1979年 セッション録音

不朽の名盤のレオポルト・ヴラッハ、ウィーン・コンツェルトハウスSQの演奏以来、ウィーン・フィルのメンバーによる演奏が定番になっています。この録音ではウィーン・フィルの名コンサートマスターだったゲルハルト・ヘッツェルの名演奏が聴けます。


2曲目のブラームスのクラリネット五重奏曲は以下のCDを聴きました。

 アルフレート・プリンツ、ウィーン室内合奏団 1979年 セッション録音
 
モーツァルト以上の名演です。ヘッツェルのヴァイオリンが素晴らしいです。



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       カルテット・アマービレ,  

名人たちのクリスマス・オラトリオ:バッハ・コレギウム・ジャパン@東京オペラシティ コンサートホール:タケミツメモリアル 2021.11.26

まさに名人たちの饗宴。まあ、バッハ・コレギウム・ジャパンのいつもの風景ではあります。プログラム前半は鈴木雅明のパイプオルガンの独奏でバッハのトッカータとフーガ ヘ長調が圧巻の迫力で演奏され、待降節第1日曜、すなわち、今年で家えば、明後日ですが、その日のために作られた第61番《いざ来ませ、異邦人の救い主よ》BWV 61がシンプルな構成の管弦楽の伴奏で奏されます。今年もアドベントの季節に入るのですね。

そして、そのアドベントの先にあるクリスマスのために作られたクリスマス・オラトリオが後半のプログラムです。これはしっかりした編成の管弦楽と合唱団で演奏されます。今日は
 第1部 降誕節第1祝日(12/25)
 第2部 降誕節第2祝日(12/26)
 第3部 降誕節第3祝日(12/27)
の前半、3部が演奏されます。できれば、
 第4部 新年・キリストの割礼と命名祝日(1/1)
まで聴きたかったところです。

聴きどころ満載の演奏でしたが、とりわけ、第3部の第31曲 アルトのアリアは若松夏美のヴァイオリン独奏のオブリガートと鈴木秀美のチェロ、そして、アルトの青木洋也の見事な演奏に魅了されました。
第2部の第15曲 テノールのアリアも菅きよみのフラウト・トラヴェルソとテノールの櫻田 亮も耳をそばだてて聴く素晴らしい演奏でした。三宮正満のオーボエの演奏もいつものように素晴らしかったことは言うまでもありません。第1部の冒頭の合唱や第3部の終曲の合唱も管弦楽の華やかな演奏も交えて、BCJの合唱団の素晴らしい合唱が見事に響き渡りました。そして、合唱と言えば、コラールの数々も心に平安をもたらす絶唱でした。とりわけ、第1部の第5曲のコラールはさながら、マタイ受難曲のコラールを思わせる珠玉の演奏でした。そうそう、独唱では、唯一、海外からの参加であるバスのドミニク・ヴェルナーの深い響きの歌唱には心を打たれました。それに通奏低音が鈴木秀美のチェロの参加で驚くほどのレベルに達していたことが一番、印象的でした。

うーん、やはり、BCJのバッハは素晴らしいですね。


今日のプログラムは以下です。


  指揮:鈴木優人
  ソプラノ:森 麻季
  アルト:青木洋也
  テノール:櫻田 亮
  バス:ドミニク・ヴェルナー
  パイプオルガン:鈴木雅明
  フラウト・トラヴェルソ:菅きよみ
  オーボエ:三宮正満
  ヴァイオリン(コンサートマスター):若松夏美
  チェロ:鈴木秀美
  合唱・管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン


  J. S. バッハ:トッカータとフーガ ヘ長調 BWV 540
  J. S. バッハ:カンタータ第61番《いざ来ませ、異邦人の救い主よ》BWV 61

   《休憩》

   J. S. バッハ:クリスマス・オラトリオ BWV 248から第1部、第2部、第3部


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のトッカータとフーガ ヘ長調を予習したCDは以下です。

 トン・コープマン 1994-99年 セッション録音

迫力はありますが、もう少し明晰に弾いてもらいたいですね。


2曲目のカンタータ第61番《いざ来ませ、異邦人の救い主よ》BWV 61を予習したCDは以下です。

 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン 1997年 セッション録音
  イングリッド・シュミットヒューゼン(S),桜田亮(T),ペーター・コーイ(B)

清明な演奏です。


3曲目のクリスマス・オラトリオ BWV 248を予習したCDは以下です。

 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン 1998年、埼玉芸術劇場 セッション録音
  モニカ・フリンマー、米良美一、ゲルト・テュルク、ペーター・コーイ

これも清明な演奏で、素晴らしいです。



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       バッハ・コレギウム・ジャパン,  

秋の京都:岩倉具視幽棲旧宅の見学終了~バス停へ

2021年10月8日金曜日@京都/8回目

今回の旅のテーマは源氏物語。今日は岩倉の地に源氏物語ゆかりの大雲寺を訪れ、ゆかりはないものの岩倉では見逃せない実相院、そして、現地で推奨された岩倉具視幽棲旧宅を訪れています。

岩倉具視幽棲旧宅でガイドのかたの説明を受けた後、旧宅の内部を見学します。縁側から玄関のほうに周って、そこから旧宅に上がります。
岩倉具視は、元治元年(1864)に大工藤吉の居宅(現在の附属屋)を購入し、主屋と繋屋を増築して住居としたそうです。その繋屋のところから、主屋と附属屋の間に挟まれた中庭を眺めます。質素とは言え、大きな石を入れた立派なものです。右側に見えているのが増築された主屋です。

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主屋のほうに移動して、中庭越しに附属屋を眺めます。

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主屋のお座敷に上がり、先ほどまで座っていた縁側とその向こうのお庭を眺めます。

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一通り、内部の見学を終えて、玄関から外に出ます。さすがになかなか立派なお宅でした。
玄関を出ると、左手に縁側に抜ける中門があります。

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道路側のほうには表門が見えています。この門は閉じられていて、出入りできません。先ほど見学のために抜けてきたのは通用門でした。

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再び、縁側の前のお庭を抜けて、対岳文庫という資料館の前に戻ります。ここは先ほど見学済です。

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抹茶を頂くことになっているので、休憩室に上がります。部屋からは巨木越しに旧宅が見えています。

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待つ間、し~んと物音ひとつしない空間に、風がそよと吹きます。

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ほろ苦い抹茶は、格別の美味しさです。見事なお点前です。

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抹茶をいただきながら、ゆったりとした時間を過ごします。

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そろそろバスの時間が迫ってきました。岩倉具視幽棲旧宅を出て、バス停に向かいます。来た時とは別のルートのバスに乗るので、別のバス停です。10分弱ほど歩くようです。
田舎道を歩いていきます。田舎と言っても、住宅地ですね。正面に見えるのは比叡山でしょうか。

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岩倉川のせせらぎに沿って歩きます。

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朝顔が満開ですね。

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ご親切にフウセンカズラ、どうぞご自由にと書いてあります。種まきの時期まで書いてあります。人情豊かな土地柄ですね。

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やがて、岩倉川を渡る橋があります。

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橋を渡って、バス停のほうに向かいます。次は詩仙堂に向かいます。久しぶりです。源氏物語とは全く関係ないのですがバス一本で行けるので、寄って帰りましょう。



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若き天才ヴィオリスト、田原綾子の恐ろしく集中したショスタコーヴィチのヴィオラ・ソナタに深く感銘@上大岡 ひまわりの郷 2021.11.28

若手演奏家のコンサートだと軽い気持ちで出かけましたが、その3人の素晴らしい演奏に強い感動を覚えました。ほぼ、名前も知らなかった演奏家たちですが、己の無知を思い知らされました。
特にショスタコーヴィチのヴィオラ・ソナタを弾いたヴィオラの田原綾子の演奏に驚愕しました。これほどのヴィオラの演奏は聴いたことがありません。それにショスタコーヴィチのヴィオラ・ソナタも初聴きですが、ショスタコーヴィチの最高傑作のひとつと言っても過言でありません。ともかく、田原綾子の気魄に圧倒されました。その表現力、音楽性は圧倒的です。ショスタコーヴィチのヴィオラ・ソナタの第3楽章、終始、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ《月光》のモチーフが繰り返し現れますが、田原綾子の気魄を込めた演奏によって、ショスタコーヴィチのベートーヴェンへのオマージュの音楽が3人の魂が時空を超えて繋がっているかのような強い印象を与えるものでした。田原綾子、恐るべき天才の登場を知ることになりました。

つい最近、ブラームスのクラリネット五重奏曲でその演奏を聴いたばかりのアレッサンドロ・ベヴェラリの演奏するブラームスのクラリネット・ソナタ 第2番も素晴らしい仕上がりの演奏でした。彼のブラームス愛も強く感じることができました。この調子でブラームスのクラリネット作品の残り、クラリネット・ソナタ 第1番とクラリネット三重奏曲も聴きたいものです。

最後に演奏されたモーツァルトのピアノ、クラリネットとヴィオラのための三重奏曲 K.498 『ケーゲルシュタット・トリオ』も初聴きです。楽興に満ちた素晴らしい演奏でした。ヴィオラの田原綾子の演奏はショスタコーヴィチのときと違って、余裕のある演奏。それでいいんです。クラリネットが活躍することが多い曲ですが、時折、ヴィオラの前面に出るフレーズもあり、田原綾子の素晴らしいヴィオラを堪能できました。何せ、初演時はモーツァルト自身がヴィオラの演奏を受け持ったそうで、それを彷彿とさせてくれる田原綾子の演奏でした。


今日のプログラムは以下です。

  ヴィオラ:田原綾子
  クラリネット:アレッサンドロ・ベヴェラリ
  ピアノ:原嶋 唯

  シューベルト:3つのピアノ曲(即興曲) D.946~第2曲 変ホ長調
  ショスタコーヴィチ:ヴィオラ・ソナタ Op.147

   《休憩》

  ブラームス:クラリネット・ソナタ 第2番 変ホ長調 Op.120-2
  モーツァルト:ピアノ、クラリネットとヴィオラのための三重奏曲 変ホ長調 K.498 『ケーゲルシュタット・トリオ』
 
   《アンコール》
     ショスタコーヴィチ:ポルカ

最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のシューベルトの3つのピアノ曲 D.946は以下のCDを聴きました。

 田部京子 1993年10月20~22日 秋川キララ・ホール セッション録音
 
田部京子の最初のシューベルト録音。何も不足のない演奏です。カップリングはピアノ・ソナタ第21番。絶品のCDです。


2曲目のショスタコーヴィチのヴィオラ・ソナタは以下のCDを聴きました。

 バシュメット、リヒテル 1985年 ライヴ録音
 
ヴィオラ・ソナタは、ロシア音楽界の重鎮リヒテル70歳、今やロシアを代表するヴィオラ奏者で、この作品の初演者ドルジーニンの弟子バシュメット32歳時の記念碑的演奏です。以上はHMVのサイトからの引用ですが、とても惹き込まれる演奏です。


3曲目のブラームスのクラリネット・ソナタ 第2番は以下のCDを聴きました。

 アンドラーシュ・シフ、イェルク・ヴィトマン 2018年5月14-16日 ノイマルクト、Historischer Reitstadel セッション録音

これは素晴らしい演奏です。新しい定番の登場です。


4曲目のモーツァルトのピアノ、クラリネットとヴィオラのための三重奏曲 K.498 『ケーゲルシュタット・トリオ』は以下のCDを聴きました。

 アンドラーシュ・シフ、エーリヒ・ヘーバルト、エルマー・シュミット 1995年1月 ザルツブルグ、モーツァルテウム セッション録音

モーツァルトの生地、ザルツブルグでの奇跡のような録音です。ともかく、楽器が凄い。アンドラーシュ・シフ(フォルテピアノ:アントン・ワルター、1870年頃製作)、エーリヒ・ヘーバルト(ヴィオラ:カルロ・アントニオ・テストーレ)、エルマー・シュミット(クラリネット:アウグスト・グレンザーのレプリカ)。特にフォルテピアノはモーツァルト自身が所有していた楽器で、恐らくヴィオラもモーツァルト自身が所有していた楽器という貴重な録音です。クラリネットは当時のバセット・クラリネットは現存していないので、これは仕方がありません。当時、41歳のシフは既に成熟した演奏を聴かせてくれます。



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秋の京都:一乗寺はラーメンの本場、それに唐揚げも・・・

2021年10月8日金曜日@京都/9回目

今回の旅のテーマは源氏物語。今日は岩倉の地に源氏物語ゆかりの大雲寺を訪れ、ゆかりはないものの岩倉では見逃せない実相院、そして、現地で推奨された岩倉具視幽棲旧宅を訪れました。

次はバスで詩仙堂に向かいます。源氏物語には関係ありませんが、ルート的にバス路線の途中にあるので、寄っていきます。
岩倉具視幽棲旧宅からバス停に向かって歩いているところです。岩倉川沿いの道を離れて、バス停へ向かいます。傍らにはお地蔵さんがあります。岩倉中央町延命地蔵菩薩です。地域で大事にされているようですね。

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柿の木があります。柿がすずなりに生っています。秋ですね。

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ここにはシュウメイギク。至る所で秋ですね。

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塀越しに金木犀が咲いています。あまり香りがしませんね。今年は何回も咲くらしいのですが、そのせいか、あまり香りがしないと言っている人がいます。

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10分弱ほど歩いて、バス停に到着。岩倉中町です。41系統のバスで詩仙堂のある一乗寺に行けるようです。

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バスは高野川沿いに走り、高野玉岡町のバス停で降ります。ここから叡山電鉄叡山本線の一乗寺駅のほうに歩きます。実はここで降りたのは、saraiはもう一つの目的があるんです。何故か、ここはラーメン激戦地で、いろんな有名ラーメン屋が集結しています。そういえば、バスを降りた途端、ラーメンの匂いがしたような・・・。目指すラーメン屋、中華そば 髙安はすぐに見つかります。

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路地奥に入口があります。

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お店に入り、ビックリ。ラーメン屋とは思えないカフェのような白いお洒落なお店です。でも、しっかりメニューはラーメン屋です。噂では行列のできるラーメン屋だそうですが、コロナ禍の今は余裕で席が空いています。

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この辺りは、ラーメンに唐揚げとご飯(またはチャーハン)のセットが定番らしいです。ご飯は無料らしいのですが、とても食べられません。とりあえず、ラーメンの単品をお願いします。激辛のにらごまがおいてありますね。初めて見ました。

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ラーメンを待っている間、周りのお客さんの様子を観察すると、みな、唐揚げを食べています。見ていると無性に食べたくなります。お店の人に確認してみると、唐揚げはお持ち帰り可とのことなので、急遽、唐揚げの追加もお願いします。やがて、ラーメンが到着。これはsaraiが注文したチャーシューメンです。チャーシューの量が半端ないですね。

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やがて、追加した唐揚げも持ってこられます。唐揚げもボリュームたっぷり。

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ラーメンの味は豚骨ベースの鶏ガラスープはあっさり系で、saraiの狙った通りの味で美味しいです。一乗寺のラーメンはこってり系が主流なのですが、こういうあっさり系のラーメン屋さんもあります。
やはり唐揚げはsaraiも配偶者も1個ずつしか食べられず、お持ち帰り用に袋に入れてもらいます。今日の夕食の一品になります。
今後、京都に来るときはこの一乗寺に来て、ラーメン屋さんを1軒ずつ制覇しないといけませんね。癖になりそうです。

腹ごしらえと休養が出来たので、元気よく詩仙堂に向かいます。



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秋の京都:一乗寺下り松~詩仙堂

2021年10月8日金曜日@京都/10回目

今回の旅のテーマは源氏物語。今日は岩倉の地に源氏物語ゆかりの大雲寺を訪れ、ゆかりはないものの岩倉では見逃せない実相院、そして、現地で推奨された岩倉具視幽棲旧宅を訪れました。

次は源氏物語には関係ありませんが、バスで移動して、詩仙堂に向かいます。途中、一乗寺でバスを降りた後、ラーメン激戦地にある人気ラーメン店、高安でラーメンと唐揚げをいただきました。京都の一乗寺のラーメンが病みつきになりそうな気がするくらい、美味しいラーメンでした。
ラーメンを堪能して、店を出て、詩仙堂のほうに向かいます。叡山電鉄叡山本線の一乗寺駅の前を通り過ぎますが、なかなか賑わいの一角で、もちろん、有名ラーメン店も軒を並べています。ゆるやかな坂を上っていくと、宮本武蔵と吉岡一門の決闘の地、一乗寺下り松があります。立派な松と岩がありますが、意外に狭いところです。

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小さな塚のような土地の中央に宮本吉岡決闘之地という石碑があります。

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この一乗寺下り松は八大神社境内地のようです。近くには神社の鳥居もあります。

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また、ここは故事も多く、建武3年(1336年)、大楠公楠木正成公が足利軍と対峙して、この地に陣を構えたことも伝わっていて、その石碑もあります。交通の要所だったのですね。

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さて、近くには、芭蕉庵のある金福寺もあるようです。詩仙堂の帰りにでも寄ってみましょう。

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さて、詩仙堂に向かいます。右に行くと、詩仙堂という道標があります。

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八大神社の鳥居境内の横の上り坂を歩いていきます。

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山に向かって、上り坂が続くようです。頑張って歩いていきましょう。

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山の緑が豊かになってきます。詩仙堂も近いようです。

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なんとも上品な入り口が詩仙堂です。石標がなければ、うっかり、通り過ぎてしまいそうです。

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石段を上って、詩仙堂の中を進んでいきます。

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やがて、茅葺の雰囲気のある門の前に出ます。

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ここを訪れたのはもう50年も昔です。ほとんど記憶が残っていません。新鮮な気持ちで有名なお庭を眺めてみましょう。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

通りすがりさん

コメント、ありがとうございます。正直、もう2年ほど前のコンサートなので、詳細は覚えておらず、自分の文章を信じるしかないのですが、生演奏とテレビで

05/13 23:47 sarai
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