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感動のワーグナー《ニュルンベルクのマイスタージンガー》@新国立劇場 2021.12.1

日本の歌劇場でこれほどのワーグナーが聴けるとは想像だにしませんでした。海外からのキャスト、歌手を揃えているとは言え、ヨーロッパ遠征しなくても、それに匹敵するオペラ公演が聴けるようになったんですね。それもワーグナーですからね。saraiがワーグナーの楽劇を聴くのは2018年のバイロイト音楽祭以来になります。あのときはティーレマン指揮の《トリスタンとイゾルデ》、ビシュコフ指揮の《パルジファル》というワーグナー最高の楽劇を聴きました。バイロイト祝祭劇場で聴くワーグナーは特別ですが、それを除けば、今日の公演はヨーロッパのレベルに並ぶものです。

ワーグナーと言えば、歌手はもちろんですが、オーケストラの質が問われます。今日ピットに入っていた都響はいつものコンサートのように卓越した弦の演奏を聴かせてくれました。その透明な響きはワーグナーの音楽にぴったり。そして、管も質の高い演奏を聴かせてくれました。オーケストラピットの底が深くて、どういうメンバーが演奏していたのか、分からなかったのが残念です。ただ、それは下から湧き上ってくるサウンドの効果が素晴らしく、ちょっとバイロイトのような雰囲気でした。
合唱はいつも素晴らしい歌唱を聴かせてくれる新国立劇場合唱団に加えて、二期会合唱団。悪かろう筈はありません。惜しむらくは多分コロナ対策なんでしょうが、少し人数を絞っているせいか、終盤の大迫力の歌唱がさらなるものであったらと思いました。

歌手はハンス・ザックス役のトーマス・ヨハネス・マイヤーの深々した歌唱、そして、よく考え抜かれた表現力が傑出していました。ヴァルター・フォン・シュトルツィング役のシュテファン・フィンケもよく伸びた高域の声に魅了される歌唱でした。第3幕の「ヴァルターの夢解きの歌」の素晴らしさにはとても感銘を受けました。そして、日本人歌手でもエーファ役の林 正子はスケールの大きな歌唱で魅了してくれました。R.シュトラウスやワーグナーでここまで歌える日本人ソプラノがいることは心強いものです。第3幕の第4場での五重唱の中心で歌ったときには感動しました。《薔薇の騎士》の3重唱を思い出してしまいました。

思いのほか、感銘を受けたのは第2幕です。第2場のポークナーとエファの父と娘が語り合うシーンでのファイト・ポーグナー役のギド・イェンティンスのしみじみした歌唱が素晴らしく、ここから第2幕が音楽的に深まっていきます。続く第3場でのザックスのニワトコのモノローグも深い心情に満ちたものです。以降、まるで《トリスタンとイゾルデ》の第2幕を思わせるような雰囲気に惹き込まれてしまいました。
第3幕はもちろん、素晴らしく、先ほども書きましたが第3幕の第4場での五重唱で感動のあまり、涙が滲みます。第3幕を通して、都響の演奏レベルの高さに心を奪われました。大野和士の音楽表現も最高でした。彼はやはり、オペラ指揮にこそ本領を発揮しますね。最後の第5場はもう圧巻の出来でした。オーケストラと合唱による「マイスタージンガーの動機」を中心とした音楽的高揚感は何者にも代えがたいオペラの素晴らしさを味わわせてもらえるもの。何も言う言葉はありません。こういうものが聴きたくて、オペラ公演に足を運ぶんです。

とりとめのない感想に終始しましたが、ともかく素晴らしいワーグナーでした。休憩時間も含め、6時間という大作を堪能しました。もちろん、最後はお尻が痛くなりましたけどね。


今日のキャストは以下です。

【指 揮】大野和士
  【演 出】イェンス=ダニエル・ヘルツォーク
  【美 術】マティス・ナイトハルト
  【衣 裳】シビル・ゲデケ
  【照 明】ファビオ・アントーチ
  【振 付】ラムセス・ジグル
  【演出補】ハイコ・ヘンチェル
  【舞台監督】髙橋尚史


【ハンス・ザックス】トーマス・ヨハネス・マイヤー
  【ファイト・ポーグナー】ギド・イェンティンス
  【クンツ・フォーゲルゲザング】村上公太
  【コンラート・ナハティガル】与那城 敬
  【ジクストゥス・ベックメッサー】アドリアン・エレート
  【フリッツ・コートナー】青山 貴
  【バルタザール・ツォルン】秋谷直之
  【ウルリヒ・アイスリンガー】鈴木 准
  【アウグスティン・モーザー】菅野 敦
  【ヘルマン・オルテル】大沼 徹
  【ハンス・シュヴァルツ】長谷川 顯
  【ハンス・フォルツ】妻屋秀和
  【ヴァルター・フォン・シュトルツィング】シュテファン・フィンケ
  【ダーヴィット】伊藤達人
  【エーファ】林 正子
  【マグダレーネ】山下牧子
  【夜警】志村文彦

  【合唱指揮】三澤洋史
  【合 唱】新国立劇場合唱団、二期会合唱団
  【管弦楽】東京都交響楽団

最後に予習について、まとめておきます。

  ホルスト・シュタイン指揮バイロイト祝祭管弦楽団・合唱団 演出: ヴォルフガング・ヴァーグナー 1984年、バイロイト祝祭劇場
    ベルント・ヴァイクル、マンフレート・シェンク、
    ジークフリート・イェルザレム、マリ・アンネ・ヘガンダー、ヘルマン・プライ

結局、昔も今もこの映像版を見ることになります。今回、予習のために聴き直して、その素晴らしさに圧倒されました。特に第3幕は圧巻です。リヒャルト・ヴァーグナーの孫ヴォルフガング・ヴァーグナーの残した遺産です。



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秋の京都:詩仙堂の不思議に心がやすらぐ空間

2021年10月8日金曜日@京都/11回目

今回の旅のテーマは源氏物語。今日は岩倉の地に源氏物語ゆかりの大雲寺を訪れ、ゆかりはないものの岩倉からの帰りにバスで移動して、詩仙堂に寄っていきます。詩仙堂を訪れるのは約50年ぶりです。
今、詩仙堂の門、老梅関の前に立っています。拝観時間は午後5時まで。今は午後3時ですから、まだ、ゆっくり、拝観できます。

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詩仙堂の受付で拝観料を支払います。

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カラーのパンフレットをいただきます。この詩仙堂を造営した石川丈山のことも詳しく書かれています。当初は徳川家康の家臣だったのですね。その後、文人となり、詩仙堂造営後は清貧の生活を送ったそうです。そういう彼の精神がこの詩仙堂のお庭に貫いているようです。

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受付のある玄関上には、3階建の「嘯月楼」の建物が見えます。丈山が造営した建物です。

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内部に上がります。建物の周りには綺麗に整えられたお庭が広がります。

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部屋の壁には、丈山作の六勿銘の扁額が掲げられています。石川丈山が自分に規則正しい生活を送ることを言い聞かせるために~するなかれという6か条を書いたものです。例えば、倹約と勤勉を変えることなかれ、というような結構、当たり前のことです。でも、人間、その当たり前のことが励行できないんですよね。

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左甚五郎作の伏見桃山城の欄間なんてものも飾ってあります。

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これは丈山が書いた『福禄寿』の書一軸です。

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縁の間を抜けて、お座敷に向かいます。

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お座敷から見るお庭が素晴らしいです。お庭自体よりもここの空間が醸し出す雰囲気が見事で、しーんと静まりかえった空気感に何とも不思議な落ち着きを感じます。

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お座敷に座って、お庭を眺めていると、心が洗い清められた充足感に浸れます。心の中がからっぽになって、安らぎの境地にいたります。そうなると妙に五感が研ぎ澄まされて、今まで聴こえていなかった音まで聴き取れるようになります。時折、鹿威しのカーンという音がお庭のどこかから聴こえてきます。このお座敷に来たときには聴こえなかったんです。

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この心がやすらぐ空間にとらわれてしまって、ずっと、ここに居たいという気持ちになります。幸い、コロナ禍のせいか、訪れる人も少数です。しばらく、ここで心をからっぽにしていましょう。



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秋の京都:人と自然が溶け合う稀有な空間を作り出す詩仙堂の美空間

2021年10月8日金曜日@京都/12回目

今回の旅のテーマは源氏物語。今日は岩倉の地に源氏物語ゆかりの大雲寺を訪れ、ゆかりはないものの岩倉からの帰りにバスで移動して、詩仙堂を訪れています。約50年ぶりの訪問です。
お座敷に座って、お庭を眺めながら、すっと心が開放される思いになります。この心地よさはなんでしょう。

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美しい庭園と一体化したような風通しのよいお座敷でゆったりとした気分になります。次第に自分の心の内面に沈潜していくような気持ちになります。お座敷の端にはお手洗いと手水がありますね。ここを住処とする人の幸せな生活が偲ばれます。もっともこのお座敷は石川丈山が詩仙堂を造営したときにはまだ、なかったんですね。代々の住人が素晴らしい住処に作り上げていったんでしょう。

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鋭敏になった五感でお庭の様子を眺めます。よく手入れされた緑が綺麗です。

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お庭の緑はそのまま、周りの山の緑と一体化するように広がりを見せています。

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そもそも、お庭の緑は建物と溶け合うようになっていて、自然と人が一つになる風情です。これがこのお座敷の心地よさに繋がっているのでしょうか。和の心と言ったら、あまりにも平凡な表現になってしまいそうですが、やはり、自分の中にある日本人の感性がこの心地よさに繋がっているのかもしれません。

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大きな甕に水が張って植物が植えてある周りにも緑が所狭しと横溢しています。

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既にあの心地よいお座敷を出て、縁側を巡りながら、お庭を拝見しています。

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縁側には軒が張り出していて、その先にはお庭の緑があふれています。青空はわずかに切り取られた隙間から覗いています。縁先では人の住処と自然の曖昧な境界線の雰囲気を感じます。

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お庭に出てみましょう。お庭は自然の造作を巧みに演出した風情の緑の美しさが輝いています。

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細い水の流れが岩間に見えています。山から引いた水でしょうか。このささやかな水がお庭の緑を潤しているようです。

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緑の中にぽっかりと空いた砂地がここは人が作り出した人工物であることを思い出させます。砂地の周りには自然があふれています。

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お庭の端にひっそりと一般にししおどしがあります。添水 (そうず) と呼ばれる仕掛けにより時折り響く音は、鹿や猪の進入を防ぐという実用性もあるそうです。お座敷で五感を研ぎ澄まして聴いた静寂な庭のアクセントでもありました。もちろん、丈山も好んだことは言うまでもありません。

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お庭は立体的な構造になっています。下の方にも下りていきましょう。



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ジョナサン・ノット、会心のルトスワフスキ 東京交響楽団@サントリーホール 2021.12.4

やっぱり、ジョナサン・ノットが東響を振ると、凄い演奏になります。ルトスワフスキの管弦楽のための協奏曲、物凄い演奏でした。とりわけ、長大な第3楽章の色彩感に満ちた演奏はパーフェクトを通り越して、ある種の凄みに達していました。コーダの超高速パートがこんなに完璧に演奏されるなんて信じられません。第1楽章、第2楽章もよかったのですが、短い楽章であっさりと終わって、えっと思う感じ。続く第3楽章はたっぷりと音楽が続きます。まず、コントラバスによって始まるパッサカリアのテーマと変奏が美しい弦によって奏でられます。東響のアンサンブルの実力がフルに発揮されます。そして、次はトッカータ。この楽章はバロックの様式をもとに構成されています。最後はコラールで締めくくられます。ノットの美しい指揮が東響を鼓舞し、完璧な音響を作り上げます。新しくコンサートマスターになった小林 壱成の実力がフルに発揮されたコンサートにもなりました。コンマス3人体制の成果として、今日はニキティンも入り、ダブルコンマス。ますます、弦の能力が高まったようにも感じました。

前半のブラームスのピアノ協奏曲第2番ですが、ゲルハルト・オピッツが予想以上の演奏を聴かせてくれました。さすがに最後はちょっと疲れたようで、演奏の精度が下がりましたが、立派なブラームスでした。こういう演奏を重厚な演奏と言うんでしょうね。

コロナ禍でノットの率いる東響のレベルの低下を心配しましたが、それは杞憂だったようです。今月はまだ何回かのノット指揮の東響を聴きますが、とても期待できそうです。来季のスケジュールも発表になり、saraiは引き続き、サントリーホールとオペラシティの定期会員を続けます。そして、東響の支援も続けるつもりです。熱い気持ちでコロナ以前からの飛躍を期待したいと思っています。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:ジョナサン・ノット
  ピアノ:ゲルハルト・オピッツ
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:小林 壱成

  ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.83

  《休憩》

  ルトスワフスキ:管弦楽のための協奏曲


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のブラームスのピアノ協奏曲第2番を予習したCDは以下です。

  エミール・ギレリス、オイゲン・ヨッフム指揮ベルリン・フィル 1972年 セッション録音

いやあ、これは実に見事な演奏です。決定的な演奏のひとつです。ギレリスの演奏はベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集(不完全)と同様に完璧なレベルです。


2曲目のルトスワフスキの管弦楽のための協奏曲を予習したCDは以下です。

  ヴィトルト・ルトスワフスキ指揮ポーランド国立放送交響楽団 1976年5-6月、1977年12月 ポーランド・ラジオ・テレビ・スタジオ、カトヴィツェ  セッション録音

作曲家自身の指揮。オーケストラの演奏もよく、録音もよいCDです。ルトスワフスキのオーケストラ作品集(CD3枚組)の中の1枚です。



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       ジョナサン・ノット,  

中村恵理、愛と絶望の絶唱 《蝶々夫人》@新国立劇場 2021.12.5

最初に白状しますが、中村恵理のファンであるsaraiは彼女の蝶々さんが聴きたくて、この公演に駆けつけました。今日が初日ですが、saraiの思いを知る友人からチケットを譲り受けました。そもそも、この公演のことを知り、それも一因となり、今年から、新国立劇場の定期会員になったんです。ということはsarai自身のチケットもあるので、もう一度、中村恵理の蝶々夫人を見れるんです。

で、その中村恵理の蝶々夫人ですが、実は既に実演で聴いたことがあります。宮崎国際音楽祭で2018年にコンサート形式で聴きました。苦手だったこのオペラの真髄を初めて理解させてくれる見事な歌唱でした。これが中村恵理の初めて歌った蝶々夫人でした。そして、今日の公演が中村恵理が舞台で演じる初めての蝶々夫人です。音楽的には宮崎国際音楽祭での歌唱に軍配が上がります。やはり、演技も含めての歌唱は負担が大きかったのでしょう。歌唱自体は前回同様に素晴らしかったのですが、声量がわずかに足りない感じです。階段を多用した動作などで音楽以外の部分で苦労したんでしょう。これは慣れの問題ですから、次に聴くときにはもっと素晴らしい歌唱が期待できます。

とは言え、全体には期待通りの歌唱を聴かせてくれました。純真な乙女である蝶々さんのひたむきな愛は真情が伝わるものでしたし、最後のアリア《かわいい坊や》はその短さにもかかわらず、強い衝撃を覚えました。愛故の絶望感を完璧に歌い上げて、もう、これは感動するしかありません。涙なしには聴けませんでした。

ピンカートン役は代役となった村上公太ですが、これが予想外の好演。素晴らしい喉を聴かせてくれました。スズキ役の但馬由香も好演でしたが、第2幕の花の2重唱はもっと歌えるでしょう。これは次に期待します。ゴロー役の糸賀修平は演技も歌唱も合格点です。よい役どころを聴かせてくれました。

そうそう特筆しないといけないのは下野竜也指揮の東フィルのとても美しい演奏です。まさか東フィルがここまでの演奏のレベルに達するとは失礼ながら思っていませんでした。プッチーニの甘い旋律を見事に奏で、そして、ダイナミックさも兼ね備えた素晴らしい演奏でした。今日の中村恵理の歌唱と共に満足しました。

聴くたびにこの新国立劇場は日本の歌劇場でこれほどのオペラが聴けるのかという驚きの連続です。舞台や演出も見事なものでした。次は金曜日に聴きます。もっとよい公演が聴けることを期待しています。まあ、中村恵理が聴けるだけで満足なんですけどね。


今日のキャストは以下です。

【指 揮】下野竜也
  【演 出】栗山民也
  【美 術】島 次郎
  【衣 裳】前田文子
  【照 明】勝柴次朗
  【再演演出】澤田康子
  【舞台監督】斉藤美穂


【蝶々夫人】中村恵理
  【ピンカートン】村上公太
  【シャープレス】アンドレア・ボルギーニ
  【スズキ】但馬由香
  【ゴロー】糸賀修平
  【ボンゾ】島村武男
  【神官】上野裕之
  【ヤマドリ】吉川健一
  【ケート】佐藤路子

  【合唱指揮】冨平恭平
  【合 唱】新国立劇場合唱団
  【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

最後に予習について、まとめておきます。

  ジョン・バルビローリ指揮ローマ歌劇場管弦楽団&合唱団 演出: ヴォルフガング・ヴァーグナー 1966年 ローマ歌劇場
    レナータ・スコット、カルロ・ベルゴンツィ、ローランド・パネライ、アンナ・ディ・スタジオ

うーん、凄いCDですね。涙と感動なしには聴けませんでした。バルビローリの指揮するローマ歌劇場管弦楽団がプッチーニの抒情的な旋律を余すところなく表現。そして、レナータ・スコットって、こんなに素晴らしいソプラノだったのですね。ミレッラ・フレーニとはまた違いますが、リリックなソプラノの双璧と言っても過言でありません。いつもはフレーニの蝶々さんを聴いていますが、世界は広い。



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       中村恵理,  

秋の京都:詩仙堂の緑豊かなお庭

2021年10月8日金曜日@京都/13回目

今回の旅のテーマは源氏物語。今日は岩倉の地に源氏物語ゆかりの大雲寺を訪れ、岩倉からの帰りにバスで移動して、源氏物語にゆかりはないものの久しぶりに詩仙堂を訪れています。約50年ぶりの訪問です。
お座敷もお庭も心地のよい空間が広がっていて、心が開放される思いです。
お庭は立体的な構造になっています。そもそも詩仙堂は正しくは「凹凸窠」(おうとつか)というのが正式な名称です。凹凸窠とは、でこぼこした土地に建てた住居という意味です。ですから、当然、お庭もでこぼこした土地に作られています。下にあるお庭も緑にあふれて美しく設えてあります。

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色んな草木があります。これはミズヒキですね。

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下のお庭から上を見上げると詩仙堂の建物が樹木の向こうに見えています。

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ここに咲いているのはフジバカマですね。

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ここには茶室がありますね。昭和期(1926-1989)に建てられた「残月軒」です。扁額「残月軒」は、1958年11月に国語学者・新村出が揮毫したそうです。新村出は『広辞苑』の編纂・著者として知られていますね。

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ススキとフジバカマが美しい風景を作っています。秋ですね。

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そのススキの周りのお庭の風景はこんな具合です。借景の緑と青空が綺麗です。

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別の角度から眺めた風景です。

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ここは源氏物語ゆかりの場所ではありませんが、美しいムラサキシキブもありますね。

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芙蓉も美しい花を咲かせています。

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こぶりですが、緑にあふれたお庭は楽しく散策できます。もう少しぶらぶら散歩しましょう。



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秋の京都:詩仙堂のお庭は可憐な花の盛り

2021年10月8日金曜日@京都/14回目

今回の旅のテーマは源氏物語。今日は岩倉の地に源氏物語ゆかりの大雲寺を訪れ、岩倉からの帰りにバスで移動して、源氏物語にゆかりはないものの久しぶりに詩仙堂を訪れています。約50年ぶりの訪問です。
お座敷もお庭も心地のよい空間が広がっていて、心が開放される思いです。
緑豊かなお庭を歩いています。大きな樹木も繁っています。

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ホトトギスが可憐な花を咲かせています。実に豊富な草花にあふれたお庭です。

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お庭の中の小さな水の流れが草花に生命を与えているようです。

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お庭の一番奥を覗くと、小さな石塔が立っています。

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永代供養塔です。こういう心安らかな地に落ち着けるのは理想に思えます。誰でも納骨できるようです。パンフレットをもらっていこうと配偶者に提案しましたがあっさりいなされました。まあ、現実的ではないか・・・。

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気を取り直して、お庭の中の散策路を巡ります。

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お庭は意外に奥深いですね。

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かなり深い水路が続いています。

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お庭の端までやってきました。低い塀が続いています。

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ここにも芙蓉の花が咲いています。優しいピンク色に心が和みます。

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配偶者がヤブラン(藪蘭)の実を手に取って、嬉しそうにしています。

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再び、ムラサキシキブです。この時期、京都の各所で見かけます。

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キキョウも可憐な花を咲かせています。

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このあたりでお庭の散策を切り上げます。

50年前来たときは広いお庭を歩いたという記憶しかないのですが、今回歩いてみると、とっても手入れの行き届いた素晴らしいお庭でした。色んな花が咲いていて楽しい散策になりました。



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秋の京都:詩仙堂の三十六歌仙

2021年10月8日金曜日@京都/15回目

今回の旅のテーマは源氏物語。今日は岩倉の地に源氏物語ゆかりの大雲寺を訪れ、岩倉からの帰りにバスで移動して、源氏物語にゆかりはないものの久しぶりに詩仙堂を訪れています。約50年ぶりの訪問です。
お座敷もお庭も心地のよい空間が広がっていて、心が開放される思いです。
お庭の散策を終えて、再び、詩仙堂の建物の中に戻ります。ちゃんと見ていなかった「詩仙の間(詩仙堂)」(4畳半)を見学します。この「詩仙の間」は詩仙堂創建当初のままに保存されています。この「詩仙の間」には狩野探幽(1602年~1674年)が描いた中国の漢晋唐宋時代の詩人、三十六歌仙(李白、杜甫など)の肖像画を掲げられています。各詩人の肖像画の頭上には、石川丈山が隷書体にて記した漢詩が書かれています。

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四方の壁の上にずらりと三十六歌仙が並んでいます。

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詳細な内容は分かりませんが、これだけ並ぶと壮観ですね。

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結局、詩仙堂に魅入られたようになり、1時間以上の滞在になってしまいました。ようやく、詩仙堂の玄関から外に出ます。

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玄関の上には、3階建の「嘯月楼」の建物が見えます。丈山が造営した創建当初からの建物です。

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出口に続く道を進みます。美しい道ですね。

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道を進むと、「小有洞」と呼ばれる門が見えてきます。

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道の周りには見事な竹林があります。天を突くような勢いで高く伸びています。

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しばらく、竹林を見上げてしまいます。素晴らしい景色です。

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素晴らしい竹林の道でした。

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すっかり空は夕焼けになってしまいました。詩仙堂のみの訪問になってしまいそうです。最後に予定とは違いますが、近くの金福寺に立ち寄って帰りましょう。芭蕉庵があるそうです。



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夢のようなアンコール、絶品のシューマン フォーレ四重奏団@トッパンホール 2021.12.9

トッパンホールはハーゲン・カルテットも結局は聴けず、フォーレ四重奏団も半分諦めていましたが、何とこちらは無事に聴くことができました。トッパンホールに足を運ぶのも久しぶりのことです。実に2年ぶりです。最後に聴いたのは2019年10月のハーゲン・カルテットでした。

前半のフォーレは歌曲の編曲版はまるで古いヨーロッパの映画の1シーンを切り取ってきたかのような郷愁に満ちた演奏でほろっとします。ピアノ四重奏曲第2番は熱いパトスが迸るようなスケールの大きな演奏で予想以上の好演でした。それに実演ならではの迫力も併せ持っていました。フォーレ四重奏団を聴くのは3年ぶりですが、やはり、さすがの実力です。

後半のブラームスは美しいロマンにあふれた素晴らしい演奏。フォーレ四重奏団のブラームスはいつも素晴らしいです。特に第3楽章のアンダンテは3つの弦楽器の織りなす抒情とそれを支えるピアノの魅力はまさに桃源郷です。しかし、圧巻だったのはアンコールで演奏したシューマンのアンダンテ・カンタービレ。3年前にも聴きましたが、それ以上の魅力に満ちた演奏です。チェロの美しいメロディーに始まり、各楽器のメローな美しさには参りました。シューマンの魅力満載です。これだけのシューマンが演奏できるのはCDも含めてもフォーレ四重奏団が一番でしょう。アドルフ・ブッシュの録音が残っていれば、それと比較でいたのですが、残念ながらありません。ということは史上最高のシューマンです。いやはや、卒倒するほど絶品でした。アンコールは夢のような世界を体験したと思っていたら、アンコールの最後は何とフォーレの傑作〈夢のあとに〉。まさに夢見心地で聴いていました。

フォーレ四重奏団、恐るべし!


今日のプログラムは以下です。

  ピアノ四重奏:フォーレ四重奏団
   エリカ・ゲルトゼッツァー(ヴァイオリン)
   サーシャ・フレンブリング(ヴィオラ)
   コンスタンティン・ハイドリッヒ(チェロ)
   ディルク・モメルツ(ピアノ)

   フォーレ(D.ツェルナー編):《3つの歌》Op.23より 第1番〈ゆりかご〉/第2番〈われらの愛〉
   フォーレ(D.ツェルナー編):《2つの歌》Op.46より 第2番〈月の光〉
   フォーレ:ピアノ四重奏曲第2番 ト短調 Op.45

   《休憩》

   ブラームス:ピアノ四重奏曲第3番 ハ短調 Op.60

   《アンコール》
    シューマン:ピアノ四重奏曲 変ホ長調 Op.47より 第3楽章 Andante cantabile
    フォーレ(ツェルナー編):《5つのヴェネツィアの歌》Op.58より 第1番〈マンドリン〉
    フォーレ(ツェルナー編):《3つの歌》Op.7より 第1番〈夢のあとに〉


最後に予習について触れておきます。

1~3曲目のフォーレの歌曲のピアノ四重奏編曲版は以下のCDを聴きました。

 フォーレ四重奏団 2020年5月 セッション録音

無論、美しいフォーレのメロディーが聴けます。


4曲目のフォーレのピアノ四重奏曲第2番は以下のCDを聴きました。

 フォーレ四重奏団 2001年12月 セッション録音
 
四重奏団の名前を冠したフォーレの作品の演奏です。今となってはもうひとつの演奏かもしれません。


5曲目のブラームスのピアノ四重奏曲第3番は以下のCDを聴きました。

 フォーレ四重奏団 2007年8月 ベルリン セッション録音
 
これも今となってはもうひとつの演奏かもしれません。再録音が望まれます。



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       フォーレ四重奏団,  

中村恵理、ますます冴え渡る感動の歌唱 《蝶々夫人》@新国立劇場 2021.12.10

中村恵理の《蝶々夫人》の2回目を鑑賞しました。前回は中村恵理の蝶々夫人は初歌唱だったせいもあり、1幕目は少々、歌唱が固かった印象もありましたが、今日は完全にこなれて、冒頭から完璧な歌唱でした。
声の響きも美しく、瑞々しい表現が細部まで磨き上げられています。前のめりでその素晴らしい歌唱に惹き込まれます。1幕目では蝶々さんは若干15歳ですが、そのあどけなさと愛への一途さを見事に表現した中村恵理の歌唱に舌を巻きます。まあ、それ以上に彼女の美声に聴き惚れているんですけどね。最後は歌の内容はどうでもよくなって、その美声だけを聴いています。第1幕の終盤のピンカートンと蝶々さんの愛の2重唱に心が高まります。ピンカートン役の村上公太は前回よりは調子が落ちているように感じますが、それでも十分に声が出ています。中村恵理の蝶々さんは声量も十分で声質も透明で突き抜けるような雰囲気。完璧です。

《蝶々夫人》は日本が舞台ということで、かえって抵抗を覚える人も多いようです。実はかつてのsaraiもその一人でした。ヨーロッパの舞台で変な着物の着方を見ると、それだけで気持ちが落ちてしまいます。さらに日本人の女の子がアメリカ人の男性に翻弄されて捨てられるというストーリーは耐え難いものがあります。さらに日本の少女、蝶々さんを外国人のグラマーな歌手が演じることにも無理があります。そういうネガティブな感覚のすべてをひっくりかえしてくれたのが、我らがソプラノ、中村恵理の蝶々さんです。宮崎音楽祭の演奏会形式での歌唱で従来からの概念を見事に一掃してくれました。もちろん、今回の新国立劇場でも、何の抵抗感もなく、聴けます。蝶々さんの純粋無垢で一途な愛、そして、死の物語がプッチーニの甘美なメロディーで歌い上げられます。中村恵理の表現した蝶々さんは悲劇のヒロインではなく、純粋な愛を貫き通して、名誉ある愛の死を遂げる、愛の勝利者であると思えます。そのドラマの頂点がフィナーレの自死であり、短くも最高のアリア《かわいい坊や》です。ここにおいて、蝶々さんの純粋な愛はその死をもって完成します。それを見事に演じ歌い上げた中村恵理の素晴らしさに感涙するのみでした。

期待通りの中村恵理の《蝶々夫人》の公演に感動した2時間半になりました。中村恵理の周りを固めるキャストも皆、好演。ピンカートン役の村上公太、シャープレス役のアンドレア・ボルギーニ、スズキ役の但馬由香、ゴロー役の糸賀修平、みな見事に歌い切りました。素晴らしいオペラ公演でした。新国立劇場、素晴らしきかな!!


今日のキャストは以下です。

【指 揮】下野竜也
  【演 出】栗山民也
  【美 術】島 次郎
  【衣 裳】前田文子
  【照 明】勝柴次朗
  【再演演出】澤田康子
  【舞台監督】斉藤美穂


【蝶々夫人】中村恵理
  【ピンカートン】村上公太
  【シャープレス】アンドレア・ボルギーニ
  【スズキ】但馬由香
  【ゴロー】糸賀修平
  【ボンゾ】島村武男
  【神官】上野裕之
  【ヤマドリ】吉川健一
  【ケート】佐藤路子

  【合唱指揮】冨平恭平
  【合 唱】新国立劇場合唱団
  【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

最後に予習について、まとめておきます。これは前回と同じです。

  ジョン・バルビローリ指揮ローマ歌劇場管弦楽団&合唱団 演出: ヴォルフガング・ヴァーグナー 1966年 ローマ歌劇場
    レナータ・スコット、カルロ・ベルゴンツィ、ローランド・パネライ、アンナ・ディ・スタジオ

うーん、凄いCDですね。涙と感動なしには聴けませんでした。バルビローリの指揮するローマ歌劇場管弦楽団がプッチーニの抒情的な旋律を余すところなく表現。そして、レナータ・スコットって、こんなに素晴らしいソプラノだったのですね。ミレッラ・フレーニとはまた違いますが、リリックなソプラノの双璧と言っても過言でありません。いつもはフレーニの蝶々さんを聴いていますが、世界は広い。



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       中村恵理,  

楽趣に溺れる・・・ジョナサン・ノットと東響の仲間たちの饗宴 東京交響楽団:モーツァルト・マチネ 第47回@ミューザ川崎シンフォニーホール 2021.12.11

いやはや、何とも楽しいコンサートでした。ジョナサン・ノットの鮮やかな指揮のもと、東響の首席奏者たちが思いっ切り、妙技を披露して、モーツァルトとハイドンの協奏交響曲を活き活きと演奏してくれました。これ以上の演奏は望むべくもないレベルの素晴らしさでした。古典主義の音楽の楽しみ、ここに極めたりといった風情でした。

最初のモーツァルトのヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲は少人数に絞り込んだオーケストラがジョナサン・ノットのきびきびした指揮のもと、活発な演奏を始めます。ノットのちょっとお尻を後ろに突き出した独特の姿勢での指揮はまるでモーツァルト自身が指揮しているような錯覚を覚えるほど、弾むような音楽を表現していきます。もっとも、この曲ではモーツァルト自身がヴィオラを弾いたと言われていますから、ちょっと様子は違っていたようですね。ともあれ、素晴らしいオーケストラの響きに乗って、グレブ・ニキティンのヴァイオリンの切れのよい音が響き渡ります。圧巻だったのは、第1楽章と第2楽章のカデンツァ。これはモーツァルト自身が書き上げたカデンツァで、ヴァイオリンとヴィオラの素晴らしい2重奏が輝きました。

次のハイドンの協奏交響曲はモーツァルト以上の素晴らしい演奏です。水谷晃のヴァイオリンが大活躍で、とりわけ、ソロ演奏での絶妙なパウゼが見事で、これぞ、ハイドンという感じです。オーボエの荒木奏美のノリノリの演奏も素晴らしく、ファゴットの福士マリ子も渋く決めていました。チェロの伊藤文嗣も出番は少なかったのですが、見事なソロを聴かせてくれました。ザロモン交響曲の時代に書かれた、この協奏交響曲の素晴らしさを堪能することができました。

モーツァルトとハイドンという古典派の天才が書き上げた2つの協奏交響曲がこのミューザ川崎で十全に演奏されて、音楽の楽しさを存分に味わうことができました。こういうコンサートを聴くと、音楽ファン冥利に尽きます。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:ジョナサン・ノット
  ヴァイオリン:グレブ・ニキティン(東京交響楽団コンサートマスター)
  ヴィオラ:西村眞紀(東京交響楽団首席ヴィオラ奏者)
  ヴァイオリン:水谷晃(東京交響楽団コンサートマスター)
  チェロ:伊藤文嗣(東京交響楽団首席チェロ奏者)
  オーボエ:荒木奏美(東京交響楽団首席オーボエ奏者)
  ファゴット:福士マリ子(東京交響楽団首席ファゴット奏者)
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:水谷晃、グレブ・ニキティン

  モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 変ホ長調 K.364(320d)
  ハイドン:協奏交響曲 変ロ長調 Hob.Ⅰ:105

   休憩なし


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のモーツァルトのヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲を予習したCDは以下です。

 ギドン・クレーメル、キム・カシュカシアン、アーノンクール指揮ウィーン・フィル 1983年10月 ウィーン セッション録音

モーツァルトのヴァイオリン協奏曲全集の中の一枚。いずれの演奏も見事な出来です。それにウィーン・フィルの格調高い演奏が素晴らしいですね。


2曲目のハイドンの協奏交響曲を予習したCDは以下です。

 ジョナサン・コーエン指揮アルカンジェロ 2014年4月22日-23日 セント・ジュード・オン・ザ・ヒル教会、ロンドン セッション録音
  イリヤ・グリンゴルツ(ヴァイオリン)
  ニコラス・アルトシュテット(チェロ)
  アルフレード・ベルナルディーニ(オーボエ)
  ピーター・ウィーラン(ファゴット)

アルカンジェロはチェリストで指揮者のジョナサン・コーエンが創設したピリオド・オーケストラです。実力あるソリストたちとの演奏は楽しさに満ちています。



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       ジョナサン・ノット,  

秋の京都:芭蕉や蕪村にゆかりの金福寺

2021年10月8日金曜日@京都/16回目

今回の旅のテーマは源氏物語。今日は岩倉の地に源氏物語ゆかりの大雲寺を訪れ、岩倉からの帰りにバスで移動して、源氏物語にゆかりはないものの久しぶりに詩仙堂を訪れました。心安らぐ素晴らしいお庭に強い感銘を受けました。
詩仙堂を出て、夕焼けの空の下、最後に芭蕉庵がある金福寺に向かいます。10分ほど歩いて、門の前に着きます。

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石段を上がって、門を抜けます。手水がありますね。神社みたい・・・。

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これが今抜けてきた門です。

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受付で拝観料を納めて、パンフレットをいただきます。

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まずはお庭の奥にあるらしい芭蕉庵に向かいます。木立の中を抜けていきます。

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枯山水のお庭の前に出ます。この枯山水のお庭の横から本堂に上がれるようです。

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縁先に上がって、枯山水のお庭を鑑賞します。

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枯山水の周りの緑も綺麗ですね。

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軒先には、つくばいがあります。

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再び、お庭の散策路に戻ります。傍らには句碑があります。与謝蕪村の句『花守は野守に劣るけふの月』と蕪村の弟子、寺村百池の俳句が並んでいます。このお寺は蕪村ゆかりのお寺で蕪村のお墓があります。

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枯山水のお庭越しにお寺の本堂を眺めます。夕日で本堂が輝いています。

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お庭を巡って、芭蕉庵に向かいます。



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熟成のツィメルマン、圧巻のバッハ、ブラームス、ショパン@サントリーホール 2021.12.13

今日からサントリーホールに3日間、通います。まず、第1弾は今や巨匠ピアニストになったクリスチャン・ツィメルマン。今年は海外からのピアニストは年末になって、ヴァレリー・アファナシエフ、エフゲニー・キーシンと重量級のコンサートを聴きましたが、その締めが今日のクリスチャン・ツィメルマンです。ツィメルマンは今や、saraiにとって、聴き逃がせないピアニストの一人です。来日公演は曲目によらずに聴き逃がさないようにしています。今年はバッハが初聴きです。ブラームスとショパンは彼の得意の音楽です。

どんなバッハになるのかと思っていたら、実に軽いタッチの響きです。もっと重厚に弾くのかと思っていました。ツィメルマンは常に作曲家に寄り添う演奏をします。自己の音楽に引き寄せた演奏はしません。そうなると、こういう軽み(かろみ)のバッハになるのかな。実際、無理のない自然なスタイルの演奏が続きます。それでも次第に熱を帯びてくるのが不思議です。彼の演奏にぐっと惹き付けられます。2曲目のアルマンドあたりからは清聴の感じです。後半のサラバンドあたりからはぐっと演奏のレベルが上がります。もはや、軽い演奏ではありません。
それでも次に弾いたパルティータ第2番の演奏の質は第1番の比ではありません。1曲目のシンフォニアから熱演です。さらに後半のサラバンドからはさらにギアを上げます。最後のカプリッチョの凄いこと。正確なテンポ感のもと、切れのよい技巧の素晴らしいこと。音楽のノリも最高です。終わってみれば、パルティータ2曲の全体の構成感を練り上げた高精度な演奏であったことが分かります。細部の磨き上げと全体の統合、これは交響曲で言えば、マーラーみたいなものです。ツィメルマンも熟達の境地にさしかかったのでしょうか。

後半のブラームス。ツィメルマンのブラームスの晩年の作品を聴くのは初めてです。さすがに見事な演奏です。ブラームスの晩年の作品群、Op.116~Op.119の中でも一番ロマンの美しい3つの間奏曲 Op.117を極めて美しく演奏します。第1曲の子守歌の抒情的なメロディーの歌わせ方、第2曲の美しい分散和音の響かせ方、第3曲の陰影の付け方、うっとりするような演奏に浸ります。ブラームスは若い頃の作品の熱いロマンと晩年の枯れた詩情を弾き分けるのが困難ですが、ツィメルマンのように作曲家に寄り添うピアニストは見事に弾き分けることができます。シフやレーゼルに肉薄するレベルのブラームスを聴かせてもらいました。
最後はお得意のショパン。ここでツィメルマンは本来の自分に立ち返ったような奔放さで思いっ切り、ピアノを叩きます。第1楽章からショパンの香気が立ち上ります。特に優美な第2主題の美しさには魅惑されます。軽快な第2楽章のスケルツォを経て、第3楽章のラルゴの詩情の輝きと言ったら、ショパン好きではないsaraiでさえ、うっとりとしてしまいます。そして、第4楽章の豪快なピアニズムの凄いこと。弾き終わったツィメルマンもさすがに一時、放心状態になるほどです。弾き切ったという感じですね。そうそう、何故か、第2楽章の後で、彼はちょっとステージから去りました。体調があまりよくなかったのでしょうか。普通はこういう場面はありませんね。それでもステージに戻ってきた後の第3楽章以降の凄まじい演奏はまったく体調の悪さなどは微塵も感じさせませんでした。

いつもの通り、アンコールはなしです。それでも今日は最後にお茶目にサンタクロースの格好に扮して、ステージに現れて、大サービスでした。ご苦労様でした。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  ピアノ:クリスチャン・ツィメルマン

  J. S. バッハ:パルティータ第1番 変ロ長調 BWV 825
  J. S. バッハ:パルティータ第2番 ハ短調 BWV 826

   《休憩》

  ブラームス:3つの間奏曲 Op. 117
  ショパン:ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 Op. 58

   《アンコール》
     なし


最後に予習について、まとめておきます。

1~2曲目のJ.S.バッハのパルティータを予習したCDは以下です。

  クラウディオ・アラウ 1991年3月26日~4月7日 セッション録音

ピアノの巨匠クラウディオ・アラウが齢88歳にして、死の2か月前に初録音したバッハのパルティータ集です。残念なことに第4番と第6番は録音する前に亡くなってしまいました。saraiの愛聴盤のうち、こんなに繰り返し聴いた演奏はほかにはありません。何十回聴いたでしょう。久しぶりに聴いて、またその演奏に魅せられました。老齢故におぼつかなげな指回しすらも魅力です。何と言ってもその美しい響きはまさに天国の音楽です。これからも聴き続けることになりそうです。


3曲目のブラームスの3つの間奏曲を予習したCDは以下です。

  ペーター・レーゼル 1972-74年 ドレスデン・ルカ教会 セッション録音 ブラームス・ピアノ独奏曲全集(5CD)

ブラームスはレーゼルかカッチェンの録音で決まりです。シフが録音すれば、それに割ってはいるでしょう。レーゼルは今年、最後の来日を果たしてくれました。このブラームスは7年前の来日時の演奏で聴きました。ずっしりと重い演奏で聴き応えがありました。


4曲目のショパンのピアノ・ソナタ第3番を予習したCDは以下です。

  マルタ・アルゲリッチ 1967年1月 ドイツ、ミュンヘン セッション録音

今日のツィメルマン同様、アルゲリッチはショパン・コンクールの覇者。その優勝の2年後の演奏です。天才ならではの音楽がここにあります。



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美しい響きで圧巻のプロコフィエフの交響曲第5番 読売日本交響楽団@サントリーホール 2021.12.14

あまり期待していなかったプロコフィエフの交響曲第5番ですが、やはり、最近、特に好調の読響のサウンドの響きは絶美。第1楽章だけは響きに濁りがありましたが、第2楽章以降は最高の美しさ! プロコフィエフの到達したモダニズム音楽の真髄を味わわせてくれます。弦のユニゾンの美しさにはため息が出るほどです。高関健の的確な指揮も見事でした。

前半はつい最近、ショパン・コンクールで活躍した小林愛実が美しいショパンを聴かせてくれました。独特の美しい音色のピアノの演奏ですが、ここからもう一歩突き抜けてもらいたいものです。可能性を秘めた日本人ピアニストがまた一人登場したようです。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:高関健
  ピアノ:小林愛実
  管弦楽:読売日本交響楽団  コンサートマスター:小森谷巧

  モーツァルト:歌劇「イドメネオ」序曲
  ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op.11
   《アンコール》ショパン:前奏曲 Op.28 第17番 変イ長調

   《休憩》

  プロコフィエフ:交響曲第5番 変ロ長調 Op.100


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のモーツァルトの歌劇「イドメネオ」序曲は以下のCDを聴きました。

  カール・ベーム指揮シュターツカペレ・ドレスデン 1977年 ドレスデン セッション録音

シュターツカペレ・ドレスデンの美しい響きの演奏です。


2曲目のショパンのピアノ協奏曲第1番は以下のCDを聴きました。

 マルタ・アルゲリッチ、クラウディオ・アバド指揮ロンドン交響楽団 1968年 セッション録音
 
アルゲリッチはこの曲を何度も録音していますが、この頃が絶頂期だったでしょうか。録音もよく、素晴らしい演奏です。


3曲目のプロコフィエフの交響曲第5番は以下のCDを聴きました。

 セルジュ・チェリビダッケ指揮ミュンヘン・フィル 1990年2月3日 ライヴ録音
 
この曲は響きが勝負。チェリビダッケはさすがのオーケストラコントロール。



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山田和樹の見事な指揮に感銘 NHK交響楽団@サントリーホール 2021.12.15

山田和樹の着実な進化が聴きとれたコンサートになりました。コロナ禍で日本人音楽家が活躍する中で、彼の指揮は昨年の中頃に1回聴いただけ。saraiの聴いていないところで活躍していたんでしょうか。
ともあれ、今日は彼の様々な面の音楽的実力が聴けたのが最大の収穫です。

まず、最初のマーラーの花の章はまったくもって、手放しで魅了される演奏でした。精妙でロマンに満ち溢れる音楽を描き出してくれました。短い曲で、演奏機会も少ない曲ですが、その魅力を十全に表現してくれました。N響の響きには不満もあるのですが、音楽としての魅力が最大限に聴けて、これ以上の満足はないほどです。やはり、山田和樹のマーラー・チクルスは聴いておくべきだったでしょうか。また、今度は読響あたりとやってくれないかな・・・。

次のR. シュトラウスの4つの最後の歌、これは今日、一番期待したものです。まあ、期待通りの演奏だったかな。佐々木典子は及第点の歌唱を聴かせてくれましたし、それ以上に山田和樹のサポートと言うか、オーケストラのコントロールが見事でした。きっちりと佐々木典子の歌唱を浮き立たせて、一方、オーケストラだけの演奏の見事だったこと。もちろん、最高に素晴らしかったのは第4曲の〈夕映えのなかで〉です。R. シュトラウスの最高傑作と言っても過言でありませんから、音楽自体の持つ力がもともと素晴らしいのですが、佐々木典子の渾身の歌唱、そして、彼女が最後にTod(死)と歌った後のオーケストラの後奏の素晴らしさ。《交響詩「死と変容(浄化)」》における浄化のモティーフが奏されて、感銘深い演奏がしみじみと続きます。深い感銘を覚えます。山田和樹の音楽表現の素晴らしさが光りました。

後半は一転して、古典派の交響曲の代表とも言えるベートーヴェンの英雄交響曲 Sinfonia eroica。出だしは正直、そこそこに思えました。しかし、第2楽章の中盤から、急に音楽の精度が高まります。ぼんやりと聴いていたsaraiも一気に覚醒して、集中して耳を傾けます。何と言うか、実に鮮やかな音楽表現が展開されます。素晴らしい第2楽章。葬送行進曲と言うだけのレベルの音楽ではありません。もっと熱く激しいものが表現されました。第3楽章で3本のホルンを実にまろやかに表現した後、圧巻の第4楽章が展開されます。それも最後のコーダに音楽的な頂点を集約させる凄い演奏。このコーダを目指して、それまでの音楽が伏線のようになっていたのかと思わせられます。こんなに鮮やかなコーダを聴いたことはありません。うーん、山田和樹は凄い指揮者になりましたね。・・・ちょっと絶賛し過ぎかな。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:山田和樹
  ソプラノ:佐々木典子
  管弦楽:NHK交響楽団 コンサートマスター:篠崎史紀

  マーラー:花の章
  R. シュトラウス:4つの最後の歌

   《休憩》

  ベートーヴェン:交響曲 第3番 変ホ長調 Op.55「英雄」


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のマーラーの花の章を予習したCDは以下です。

  フランソワ=グザヴィエ・ロト指揮レ・シエクル 2018年2月、3月、10月 フィルハーモニー・ド・パリ(3月、10月)、ニーム劇場(2月)、シテ・ド・ラ・ミュジーク(10月) ライヴ録音
    交響曲第1番ニ長調『巨人』(1893年版 花の章付き)

マーラーをピリオド楽器で次々に録音している鬼才フランソワ=グザヴィエ・ロトと彼の手兵であるレ・シエクルの演奏による交響曲第1番ニ長調『巨人』の第2版(1893年版 花の章付き)から、第2楽章の花の章を聴きました。おいそれと評価できるものではありませんね。まあ、天才指揮者ロトが振ったのですから、そのまま受け取っておきましょう。


2曲目のR. シュトラウスの4つの最後の歌を予習したCDは以下です。

  エリーザベト・シュヴァルツコップ、ジョージ・セル指揮ベルリン放送交響楽団 1965年9月1-3日、ベルリン、グリューネヴァルト教会 セッション録音

これは予習と言うよりも愛聴盤を聴いただけのことです。この曲はsaraiのお気に入りの最右翼ですから、かなりの録音を聴いています。少なくとも10枚以上。その中でもこのCDは特別な位置づけです。シュヴァルツコップのあり得ないような歌唱には、ただただ、ひれ伏すのみです。それにセルの指揮の見事なこと。彼がR. シュトラウスの録音をそれほど残していないのが残念に思えるほどの素晴らしい指揮です。



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秋の京都:金福寺の芭蕉庵と蕪村のお墓

2021年10月8日金曜日@京都/17回目

今回の旅のテーマは源氏物語。今日は岩倉の地に源氏物語ゆかりの大雲寺を訪れ、岩倉からの帰りにバスで移動して、源氏物語にゆかりはないものの久しぶりに詩仙堂を訪れ、最後に芭蕉庵がある金福寺を訪問しているところです。本堂で枯山水のお庭を鑑賞した後、芭蕉庵のある高台に向かって、石段を上っていきます。石段からは本堂の全景を見下ろせます。

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石段を上るにつれて、京都の街並みが見渡せるようになります。

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高台に上がると、芭蕉庵と蕪村の墓の標識があります。まずは芭蕉庵を見ておきましょう。

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芭蕉庵です。意外に綺麗な建物ですね。

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芭蕉庵の由来が書いてあります。てっきり、芭蕉が住んでいたところだと思っていましたが、そうではなくて、金福寺の住職鉄舟和尚が閑居していた草庵を吟行していた芭蕉が訪れて、親交を深めたことから、後に鉄舟和尚がこの庵を芭蕉庵と名付けたそうです。その後、この庵は荒れ果てますが、ここを訪れた与謝蕪村がその荒廃を惜しみ、庵を再興しました。庵が落成したときに蕪村は次の句を詠んだそうです。

 耳目肺腸(じもくはいちょう) ここに玉巻く芭蕉庵

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芭蕉庵の内部はこんな感じです。

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さて、次は蕪村のお墓を参りましょう。山腹の道を歩いていきます。

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振り向くと、樹木の陰に芭蕉庵が見えています。

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蕪村のお墓です。なかなか、立派なお墓ですね。

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蕪村の紹介文があります。そして、ここで詠んだ句もあります。立派に整備されています。蕪村は芭蕉の没後、低迷していた俳壇に新風を吹き込み、『俳諧の中興者』と言われているそうです。

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この後はこの高台からの眺めを楽しむことにします。



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秋の京都:金福寺の高台からの眺め

2021年10月8日金曜日@京都/18回目

今回の旅のテーマは源氏物語。今日は岩倉の地に源氏物語ゆかりの大雲寺を訪れ、岩倉からの帰りにバスで移動して、源氏物語にゆかりはないものの久しぶりに詩仙堂を訪れ、最後に芭蕉庵がある金福寺を訪問しているところです。高台に上って、芭蕉庵と蕪村のお墓を訪問。その後は高台からの眺めを楽しみます。

高台には、樹木の間からの夕陽が差し込んで、神々しい雰囲気が漂います。

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木々の間から、かろうじて、京都の町が眺められます。

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高台には、呉春などの絵師のお墓もあります。このお寺は文人たちのお墓が多いですね。

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また、蕪村のお墓の前です。ここから、高台の道を下りながら、景色のよいところを探しましょう。

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このあたりも木々が繁り、景観を遮っています。

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すぐ下に芭蕉庵が見えてきます。

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地図があります。ここからは下鴨神社、京都御所、金閣寺の方向が見えるようです。向かい側の愛宕山も見えそうです。

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ようやく、眺めのよい場所に出ました。向こうに見える山並みが愛宕山でしょうか。

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京都の街並みも見えています。夕陽が最後の輝きを放っています。

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眺めを見られたところで高台を下りて、また、本堂に寄ります。ここで、芭蕉や蕪村の有名な俳句を集めた俳諧かるたを記念に購入。

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金福寺を出て、最寄りのバス停、一乗寺下り松町に行くと、すぐに市営バスの5系統が来て、30分もかからずに宿のある岡崎に戻れます。意外に近いというか、宿が便利な位置にあるというか・・・。
時刻は夕方5時半。西の空は綺麗な夕焼けです。右手には市立美術館と平安神宮の赤い鳥居が見えています。

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今日は暑くて、ともかく喉が渇きました。宿に着いて、早速、水分補給。
その後、一乗寺のラーメン屋の残りの唐揚げを中心に、冷蔵庫の残り物で簡単な夕食です。お風呂に入り、明日、最終日の宇治散策に備えましょう。



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秋の京都:源氏物語、宇治十帖の舞台、宇治へ

2021年10月9日土曜日@京都/1回目

今日は京都の旅、実質4日目で最終日です。今回の旅のテーマは源氏物語。今日は宇治十帖の舞台、宇治を訪れることにします。
今日も残念ながら(笑い)、真夏のように暑い。ここまで晴れなくても・・・。
今日は宇治に行く前にsaraiの大事なもう一つの用事があります。それは、コンサートのチケットのゲット。ツィメルマンのピアノリサイタルです。11時からのチケット売り出しへのチャレンジをどうするか。
珍しく、今朝はsaraiは早起きです。
上手い具合に持ち込んだ食材をすべて使い切っての朝食を頂きます。荷物をまとめ、部屋を片付け。レセプションに向かい支払いをします。大きな荷物は、着払いで自宅に宅配便で送る手配をして、身軽に今日も楽しめることになります。
さて、チケット発売の11時までここで待つのももったいないので、とりあえず、出かけることにします。途中で、チケットゲットにチャレンジしましょう。京阪電車で宇治まで行けるので、京阪三条駅に歩いて向かいます。歩き慣れた白川の横を抜けていきます。

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白川の岸辺にあれっ・・・小さいけれど、芙蓉の花です。

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お稲荷さんのところで白川沿いの道から離れていきます。

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町中の路地に入ると、土曜日のせいか人出もあります。

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この辺りはお祭りのようで、それぞれの家の戸には張り紙があります。そう言えば、平安神宮では、何やら舞台が作られ、出店の準備も進んでいました。

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軒並み、戸口にはお祭りの張り紙があります。

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コロナのせいか、店舗の営業の仕方は変化してますね。餡屋も個人向け販売をしています。家庭で羊羹を作るレシピ付きで材料を販売しているようです。

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京阪三条駅に到着。チケット予約開始時間5分前です。

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とりあえず、地下通路を進み、落ち着いて、チケット予約できそうな場所を探します。

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地下鉄の改札口を通り過ぎます。急ぎましょう。

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京阪三条駅の改札が近づきます。もうすぐ、チケット予約開始です。うーん、焦る!

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京阪電車の改札を抜けます。すると、改札を入ったところに、何とワークスペースがあります。ここをお借りしましょう。いつもは、PCでチケット予約を申し込むのですが、今回はスマホで初チャレンジです。

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スマホでのチケット予約は心配しましたが、スムーズに作業は進みます。

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黙々とチケット予約を進めます。結果、なかなか良い席をゲット! クレジット決済も無事に完了。

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さあ、気分良く、宇治に向かいましょう。



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とびっきり極上のシューベルト、ピアノ・ソナタ第21番 田部京子ピアノ・リサイタル《シューベルト・プラス第8回》@浜離宮朝日ホール 2021.12.19

コロナ禍でシューベルト・プラス・シリーズは昨年はちょっと中断してしまいましたが、今年は無事、年2回のペースに戻りました。そして、このシリーズの目玉であるシューベルトのピアノ・ソナタ 第21番が再登場です。シューベルト・プラス・シリーズで同じ曲が2回弾かれるのは異例のことですが、この作品はこのシリーズの柱ですし、saraiの最愛のピアノ曲なので、大歓迎です。

今日の田部京子は最初から絶好調の演奏を聴かせてくれます。モーツァルトのピアノ・ソナタ 第17番は第2楽章が絶品。こんなに美しい演奏は聴いたことがありません。しかし、それは序章。

次のブラームスの6つの小品 Op.118は圧倒的な演奏です。第2曲は当然、絶美の演奏ですが、最後の第6曲のパトスと抒情の交錯する演奏の凄かったこと。曲の弾き始めの幻想的な味わいを実に深く、緊張感を持って、演奏してくれました。この幻想的なパートを詩情に満ちて演奏できるのは田部京子だけです。ここが素晴らしいので、パトスの迸る中間部が激しく高揚するんです。昨年聴いたシフの演奏も凄かったのですが、今日の田部京子の演奏は圧倒的でした。

でも、後半のシューベルトのピアノ・ソナタ 第21番を聴いて、前半の素晴らしい演奏は頭から吹っ飛びます。心技体、すべてが完璧な演奏です。3年前に聴いたときはこんなレベルではありませんでした。テクニックが不調なところを精神面で補った感がありましたが、今日はすべてが最高です。うーん、saraiも前のめりになって聴き惚れます。第1楽章の冒頭はそっと入ります。この時点ではどうなるか分かりませんでしたが、すぐに見事な演奏にsaraiが翻弄されます。美しい音と切れのあるタッチ。旋律を繰り返すたびに演奏の精度が高まっていきます。シューベルトが書いた奇跡のような音楽・・・田部京子の演奏も奇跡のようなものです。ミューズが舞い降りてきたとしか言えません。郷愁に満ちて、そして、永遠への憧れ。シューベルトの遺作ソナタの高みを最高の形で表現してくれます。そして、第2楽章。これは田部京子の独壇場であるロマンと抒情に満ち溢れた極上の演奏に酔い痴れます。音楽とはかくも美しいものなのか。ピアノ演奏の究極を聴いた思いです。鍵盤を走る田部京子の白い指の美しい動きにも見とれます。第2楽章までで30分以上も過ぎますが、演奏と一体になった緊張感、集中力は高まるばかりです。第3楽章は軽い疾走ですが、ピアノの響きの美しさはますます冴え渡ります。第4楽章は緊張感のあるパトスの高揚が続き、そして、圧巻のコーダに突入します。凄い高まりの中、シューベルトの最高の音楽が完結します。凄い音楽を聴いてしまいました。このシューベルト・プラス・シリーズで最高の演奏ではなかったでしょうか。まあ、天才ピアニスト、田部京子ならば、これくらい弾いて当然だったのかもしれません。それにしても、一音一音、実に丁寧にピアノを弾く姿勢には驚愕するだけです。

アンコールはシューベルトの即興曲。これまた名曲です。憧憬に満ちた素晴らしい演奏でした。そして、締めは田部京子スペシャルのアヴェ・マリア。最後の2音はアーメン・・・。

次回、来年の6月はいよいよ、シューベルトの後期作品で残っていた最晩年の名曲、D.946の3つの即興曲(3つの小品)が弾かれます。そして、ブラームスの晩年の3つの間奏曲 Op,117。すべてが完結に向かっています。来年の12月に予想される第10回が完結になるのでしょうか。もう、弾いていない曲はないと思いますが、2度目に弾く曲もありでしょう。いっそのことシューベルトの遺作ソナタ3曲をまとめて弾いたら、それは素晴らしいことになりますね。もっとも、次回はシューマンのピアノ・ソナタ第1番を弾くようですが、そうなると、残りのピアノ・ソナタ2曲も弾いてもらわないといけませんね。そうすると、このまま、シューマン・プラスに移行するしかありませんね。シューマンのピアノ曲はまだまだ、たくさんあります。


今日のプログラムは以下です。

  田部京子ピアノ・リサイタル
   《シューベルト・プラス第8回》

  ピアノ:田部京子
 
  モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第17番 変ロ長調 K.570
  ブラームス:6つの小品 Op.118

  《休憩》

  シューベルト:ピアノ・ソナタ 第21番 変ロ長調 D960

  《アンコール》
   シューベルト:即興曲 D899、Op.90から 第3曲 Andante 変ト長調
   シューベルト(吉松隆・田部京子 共同編曲):アヴェ・マリア

最後に予習について、まとめておきます。

モーツァルトのピアノ・ソナタ 第17番を予習したCDは以下です。

 マリア・ジョアン・ピリス 1974年1月~2月、東京、イイノホール セッション録音

ピリスが29歳の若さで録音したモーツァルトのピアノ・ソナタ全集。何とも純真な乙女の清新で瑞々しい演奏です。saraiはこれ以上の演奏は知りません。若いっていいですね。藤田真央がソニーからモーツァルトのピアノ・ソナタ全集をインターナショナルにリリースするそうですが、それも楽しみです。そう言えば、アンドラーシュ・シフのモーツァルトのピアノ・ソナタ全集も26歳頃の録音で素晴らしい演奏でした。


ブラームスの6つの小品 Op.118を予習したCDは以下です。

 田部京子 2011年8月22日、23日、25日 上野学園 石橋メモリアルホール セッション録音

田部京子のブラームスの後期ピアノ作品集。これは名盤です。どれも素晴らしい。Op.116が収録されていないのが残念。


シューベルトのピアノ・ソナタ 第21番を予習したCDは以下です。

 田部京子 1993年10月20~22日 秋川キララ・ホール セッション録音

これ田部京子のシューベルト作品集の最初の録音です。もう、30年近く前の録音ですが、今回、改めて聴き直してみましたが、やはり、素晴らしい演奏です。聴き惚れてしまいました。今度はライヴで再録音してもらいたいものですが、たとえ、再録音されなくても満足の1枚です。



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       田部京子,  

秋の京都:源氏物語、宇治十帖のウォーキングコースに出発

2021年10月9日土曜日@京都/2回目

今回の旅のテーマは源氏物語。今日は宇治十帖の舞台、宇治を訪れます。
京阪三条駅で無事、コンサートのチケットを予約でき、これから宇治行きの電車に乗ります。構内の地図を見ると、中書島で京阪宇治線に乗り換えるようです。

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淀屋橋行きの特急に乗って、中書島で乗り換えて、1時間ほどで京阪宇治駅に到着。駅前はまるで夏のような気配であっけらかんと晴れ上がっています。

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これが京阪宇治駅の外観です。源氏物語風のイメージの絵で飾られていますね。

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まずは観光案内所に直行します。京阪宇治駅の建物の並びに観光案内所があります。

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ここでは源氏物語宇治十帖を巡るハイキングコースを作ってくれています。そのマップが欲しいので観光案内所に立ち寄ったんです。優し気なお姉さんが丁寧に相談に乗ってくれます。スタンプラリーやクイズに答えながら巡るコースもあります。そのウォーキングマップをいただきます。

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宇治十帖基本コースと宇治川の天ヶ瀬ダムを巡ることにします。マップはこのとおりです。2~3時間は歩くことになりそうです。まあ、今日は遅い時間の新幹線を予約してあるので、時間的には余裕です。

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観光案内所を出て、駅前から元気に出発します。今、お昼の12時をちょっと過ぎた頃です。

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宇治十帖は、宇治を舞台に書かれていますが、現在、具体的なものが残っているわけではありません。物語の場面はここだろうというところに、モニュメントがあり、それを巡ることになります。
まず、手近に見えた宇治橋に向かいます。実はそもそも、これが間違いの始まりだったんです。

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宇治橋の袂に出ます。

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何とも夏のような天気です。橋の向こうに広がる空はまるで夏空です。

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はて、ここから、どうコースを進むのか、分からなくなります。とりあえず、通りの向かい側に行ってみましょう。

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最初から、迷ってしまいます。実は紙のコースマップとスマホの地図を併用していましたが、その対応関係が分からなかったんです。と、道路上に案内図を発見。

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これを参考に最初のポイント、東屋(あずまや)を探しましょう。また、案内道標があります。

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これでもまだ、最初のポイントが見つからずにうろうろします。それらしいものが近くに見当たりませんね。

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ようやく、最初のポイントに到着。結局はあまりにも駅の近くだったのです。

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これが最初のポイントの東屋です。

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スマホを操作して、スタンプをゲットしましょう。



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素晴らしい合唱と独唱が織り成し、感動的なコーダに至った奇跡のような《第9》 秋山和慶&東響@東京オペラシティコンサートホール 2021.12.21

今年も秋山和慶&東響は《第9》でやってくれました。昨年も極上の演奏でしたが、今年も素晴らしい演奏でした。秋山和慶はまるで《第9》のスペシャリストのようです。それにしても、やはり、ベートーヴェンの交響曲 第9番は特別な曲です。バッハのマタイ受難曲、ロ短調ミサ曲、そして、ブルックナーの交響曲第8番と第9番、マーラーの交響曲第9番のように襟を正して、深い感動を味わう曲です。

第1楽章と第2楽章は特に美しい弦のアンサンブルを中心に熱の入った演奏を聴かせてくれます。第3楽章に入ると、第1主題、第2主題、それらの変奏が続き、次第に楽興が高まっていきます。しみじみと美しいメロディーが最高の弦で奏でられ、徐々に心に沁み入ってきます。こういう高まりのある演奏に心を奪われる思いでした。第3楽章でうっとりしていると、一気に恐怖のファンファーレで第4楽章に突入します。第4楽章は声楽が入ってからの高まりが凄く、圧倒的な演奏でした。新国立劇場合唱団は燃え上がるような合唱を聴かせてくれます。独唱陣も4人とも素晴らしく、合唱と渡り合うほどの声量で感動的な歌唱を聴かせてくれました。歓喜の歌のあたりからの盛り上がりが素晴らしく、続くテノールと合唱の行進曲でさらに高潮していきます。オーケストラだけのパートも東響の素晴らしいアンサンブルで音楽は佳境に入っていきます。さらにたたみかけるように素晴らしい合唱が続きます。特に「歓喜の歌」の旋律による「歓喜」と「抱擁」の2歌詞が二重フーガで展開されるところの女声合唱はまさに天使の歌声で、深い感銘を覚えます。再び、独唱4人の素晴らしい歌唱の後、テンポを上げて、合唱と管弦楽の融合したクライマックスに至ります。いったん、テンポを緩めた後、深い感動の大合唱! そして、オーケストラが圧巻のフィナーレに突入。
今回も日本人のオーケストラと合唱団、そして、日本人の独唱がこんなにも素晴らしい第9を聴かせてくれました。凄い時代になったものです。忘れてならないのは指揮の秋山和慶の素晴らしかったことです。まさにフルトヴェングラーのようにロマンに満ちた音楽表現を聴かせてくれました。


今日のプログラムは以下のとおりです。

  指揮:秋山和慶
  ソプラノ:安井陽子
  メゾソプラノ:清水華澄
  テノール:宮里直樹
  バリトン:加耒徹
  合唱:新国立劇場合唱団(合唱指揮:水戸博之)
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:小林 壱成

  ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
  ベートーヴェン:交響曲 第9番 ニ短調 Op.125 「合唱付」

   《アンコール》
    蛍の光 AULD LANG SYNE

最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のワーグナーの楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲を予習したCDは以下です。

  ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィル 1949年12月19日、ティタニア・パラスト、ベルリン ライヴ録音

雄大なロマンはフルトヴェングラーの真骨頂。何も言えない演奏。auditeレーベルのRIAS録音集成は音質も素晴らしい。


2曲目のベートーヴェンの交響曲 第9番を予習したCDは以下です。

  ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮フィルハーモニア管弦楽団、ルツェルン音楽祭合唱団
   エリーザベト・シュヴァルツコプフ、エルザ・カヴェルティ、エルンスト・ヘフリガー、オットー・エーデルマン
      1954年8月22日、ルツェルン音楽祭ライヴ

saraiにとってはフルトヴェングラー最高のベートーヴェンの交響曲 第9番。まあ、フルトヴェングラーの13種類の録音のどれをとっても素晴らしいの一語です。この曲だけはフルトヴェングラーを聴いたら、ほかの演奏を聴く必要はありません。また、このフルトヴェングラー最後のベートーヴェンの交響曲 第9番は近年、ルツェルン音楽祭の録音テープからハイレゾ化されたダウンロード音源がAUDITEから配信されています。今回はその素晴らしい音質の演奏を聴きました。



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宇治十帖:東屋~椎本

2021年10月9日土曜日@京都/3回目

今回の旅のテーマは源氏物語。今日は宇治十帖の舞台、宇治を訪れています。
源氏物語、宇治十帖のウォーキングコースに出発し、少し迷いましたが、何とか最初のポイント、東屋(あずまや)に到着。東屋は源氏物語第五十帖です。その古蹟として、東屋観音があてられています。ただし、この現在の東屋観音は平成8年に宇治橋の架け替えに際し、前の場所から120m移動したそうです。

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ただし、観音菩薩像そのものは鎌倉時代に造られたものがそのまま、この場所に移転したそうです。

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これがその古い観音菩薩像です。ずいぶん、摩滅していますが、堂々とした体躯の聖観音菩薩です。

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源氏物語の第五十帖、東屋の説明が書かれています。以下はWIKIPEDIAからの引用です。(なお、薫は光源氏の正妻、女三の宮が産んだ不義の息子。匂宮(におうのみや)は光源氏の孫で薫の親友でもあります。)

薫26歳の八月から九月にかけての話。

薫は、亡き大君(おおいきみ)に似た浮舟に関心を持ちつつも、受領の継娘という身分の低さにためらっていた。その浮舟の母である中将の君も、身分違いの縁談に消極的だった。

浮舟は、宇治八の宮とその女房であった中将の君との間に生まれた娘だったが、宮には認知されなかった。中将の君はまもなく浮舟を連れて陸奥守(のちに常陸介)と再婚し、東国に長く下っていた。常陸介との間にも数多の子をもうけていたが、高貴の血を引き一際美しい浮舟をことさら大事に育て、良縁をしきりに願っていた。

受領ながらも裕福で家柄も卑しくない常陸介のところには、それを目当てにした求婚者が多かった。20歳を過ぎた浮舟は、そのうちの左近の少将と婚約したが、財産目当ての少将は浮舟が常陸介の実子でないと知るや、実の娘である妹に乗りかえて結婚した。浮舟を不憫に思った中将の君は、彼女を二条院の中の君のもとに預けに行く。ところが匂宮が偶然浮舟を見つけ、強引に言い寄ってきた。御所からの知らせで明石の中宮が倒れた事を知らされ、浮舟に未練を残しつつ出かけた匂宮。姉の夫に言い寄られるという出来事にいたたまれない思いの浮舟。騒ぎを聞き彼女の様子を見て、心を痛める中の君。髪洗いを終え、女房に髪を梳かせながら彼女と絵巻物を読む中の君。姉が生き返ったようだと改めて実感する。かろうじて事なきをえたが、浮舟の乳母からそれを聞いた中将の君は驚いて彼女を引き取り、三条の小家に隠した。

秋九月、薫は浮舟が三条の隠れ家にいることを知り、弁の尼に仲立ちを頼んでその小家を訪れる。そして翌朝、浮舟を車で宇治に連れて行ってしまった。浮舟の不安をよそに、彼女に大君の面影を映し見る薫は、大君を偲びつつも浮舟の顔は亡き大君に瓜二つではあるが、教養は彼女とは比べ物にならないぐらい程遠いことから、今後の浮舟の扱いに思い悩むのだった。

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なお、第五十帖の巻名、東屋は浮舟の隠れ家を訪れた薫が詠んだ和歌「さしとむるむぐらやしげき 東屋のあまりほどふる雨そそきかな」(東屋に葎が生い茂って戸口を塞いでしまったのか、あまりに長い間雨だれの落ちる中で待たされるものだ)にちなみます(元来「東屋」とは東国の簡素な造りの住まいを指す言葉ですが、後世転じて庭園や公園に設けられた休憩用の小さな建物を指すようになりました)。これもWIKIPEDIAからの引用です。

さて、宇治十帖コースのポイントではスマホを操作するとクイズが表示されます。正解すると、ポイントがゲットでき、ポイントを集めると賞品がもられるそうです。この東屋でも何とかポイントをゲットできました。ここを出発点に順に進みます。東屋の前は何とまだ、宇治橋のすぐ近く。駅からすぐのところです。

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次のポイントは椎本(しいがもと)。これはすぐ近くです。迷わずに到着。椎本は源氏物語第四十六帖です。その古蹟として、彼方神社(おちかたじんじゃ)があてられています。

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源氏物語の四十六帖、椎本の説明が書かれています。以下はWIKIPEDIAからの引用です。(なお、夕霧は光源氏の息子。薫とは系図上は異母兄弟になります。八の宮は桐壺帝の第八皇子。母は大臣家出身の女御。朱雀帝・光源氏・蛍兵部卿宮らの異母弟になります。薫の叔父になりますね。)

薫23歳の春二月から24歳の夏の話。

二月二十日ごろ、匂宮は初瀬詣で(長谷寺参詣)の帰りに宇治の夕霧の別荘に立ち寄った。宇治の姫君たちに関心があったからである。匂宮は薫や夕霧の子息たちと碁や双六をしたり琴を弾いたりして楽しんでいる。宇治川を挟んだ対岸にある八の宮邸にもそのにぎやかな管弦の音が響き、八の宮は昔の宮中での栄華の日々を思い出さずにはいられない。

翌日、八の宮から薫に贈歌があり、それを見た匂宮が代わりに返歌をする。匂宮は帰京後もしばしば宇治に歌を送るようになり、八の宮はその返歌を常に中君に書かせるようになる。

今年が重い厄年にあたる八の宮は、薫に姫君たちの後見を托すが、一方で姫君たちに、軽々しく結婚して宇治を離れ俗世に恥をさらすな、この山里に一生を過ごすのがよいと戒め、宇治の山寺に参籠しに出かけ、そこで亡くなった。八月二十日のころである。訃報を知った姫君たちは、父の亡骸との対面を望むが、阿闍梨に厳しく断られる。薫や匂宮が弔問に八の宮邸を訪れるが、悲しみに沈む姫君たちはなかなか心を開かなかった。

年の暮れの雪の日、宇治を訪れた薫は大君と対面し、匂宮と中君の縁談を持ち上げつつ、おのが恋心をも訴え、京に迎えたいと申し出るが、大君は取り合わなかった。

翌年の春、匂宮の中君への思いはますます募るようになり、夕霧の六の君との縁談にも気が進まない。また、自邸の三条宮が焼失した後始末などで、薫も久しく宇治を訪ねていない。

夏、宇治を訪れた薫は、喪服姿の姫君たちを垣間見て、大君の美しさにますます惹かれてゆくのであった。

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なお、椎本という巻名は、薫が故八の宮を偲んで詠んだ和歌「立ち寄らむ陰とたのみし椎が本むなしき床になりにけるかな」に因んだものです。
また、宇治十帖にたびたび登場する夕霧の宇治の別荘は夕霧が光源氏から相続したもので、そのモデルは宇治川の岸辺、京の向こう岸にあることから平等院というのが通説となっています。このウォーキングコースでも最後に立ち寄る予定です。

この椎本のポイントでもスタンプラリーのクイズに挑戦します。スタンプのゲットやクイズに答えるのはスマホです。PCの達人と称しているsaraiも、スマホには不慣れで戸惑いますが、だんだん慣れてきて順調にゲットしていきます。

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次のポイント、手習に向かいます。途中、宇治茶の伊藤久右衛門の看板が見えてきます。

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伊藤久右衛門 宇治本店・茶房の前を通過します。

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これは是非とも立ち寄りたくなりますが、まだ、ウォーキングコースを歩き始め出したばかりです。自重して、泣く泣く通り過ぎます。まだ、先は長い・・・。

ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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京阪宇治駅を出発して、東屋と椎本を訪れて、手習に向かっています。




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宇治十帖:手習~三室戸寺

2021年10月9日土曜日@京都/4回目

今回の旅のテーマは源氏物語。今日は宇治十帖の舞台、宇治を訪れています。
源氏物語、宇治十帖のウォーキングコースに出発し、最初のポイント、東屋(あずまや)、椎本(しいがもと)と巡り、次のポイント、手習(てならい)に向かっています。
やがて、榎の木の大木が見えてきます。

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この榎の大木の下に手習の古蹟の石碑があります。

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手習は源氏物語第五十三帖です。その古蹟として、手習の杜があてられています。

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源氏物語の五十三帖、手習の説明が書かれています。以下はWIKIPEDIAからの引用です。(なお、薫は光源氏の正妻、女三の宮が産んだ不義の息子。匂宮(におうのみや)は光源氏の孫で薫の親友でもあります。浮舟は八の宮の姫君。八の宮は桐壺帝の第八皇子で朱雀帝・光源氏・蛍兵部卿宮らの異母弟になります。ということは浮舟は光源氏の姪になりますね。で、浮舟は薫の従弟にあたります。ややこしい! また、比叡山の高僧・横川の僧都(よかわのそうづ)は、当時の平安貴族に人気の高かった恵心僧都(源信)がモデルと言われ、終始人格者として描かれています。)

薫27歳から28歳の夏にかけての話。

匂宮と薫の板ばさみで追い詰められ、自殺を図った浮舟は宇治川沿いの大木の根元に昏睡状態で倒れていた。たまたま通りかかった横川(よかわ)の僧都一行に発見されて救われる。僧都の80余歳になる母尼(ははあま)が、僧都の50余歳になる妹尼(いもうとあま)との初瀬詣で(長谷寺参詣)の帰途に宇治で急病を患ったため、看護のため僧都は山から下りてきていたのである。数年前に娘を亡くした妹尼は、浮舟を初瀬観音からの授かりものと喜び、実の娘のように手厚く看護した。

比叡山の麓の小野の庵に移されてしばらくたった夏の終わりごろ、浮舟はようやく意識を回復する。しかし、死に損なったことを知ると、「尼になしたまひてよ」と出家を懇願するようになる。世話を焼く妹尼たちの前ではかたくなに心を閉ざし、身の上も語らず、物思いに沈んでは手習にしたためて日を過ごした。

妹尼の亡き娘の婿だった近衛中将が、妻を偲んで小野の庵を訪れる。妹尼は、この中将と浮舟を娶わせたいと気を揉んでいた。中将は、浮舟の後ろ姿を見て心を動かし、しきりに言い寄るようになったが、浮舟は頑なに拒み続ける。九月、浮舟は、妹尼が初瀬詣での留守中、折りよく下山した僧都に懇願して出家してしまった。帰って来た妹尼は驚き悲しみ、女房尼から知らされた近衛中将は落胆する。尼になった浮舟はようやく心が安らぎを得た思いでいる。

翌春、浮舟生存の知らせが明石の中宮から中宮に仕える小宰相の君を経て薫に伝わった。薫は(匂宮が隠しているのでは)と疑うが、小宰相から「その心配はいりません」と中宮が、「宮のした事を思うと私の口からは言えない」と気に病んでいた事を打ち明けられ、横川行きを後押しされた。 薫は事実を確かめに、浮舟の異父弟・小君を伴い横川の僧都を訪ねる。

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ここ、手習はクイズスポットではありませんが、スタンプラリーのポイントなので、スマホでスタンプをきっちりとゲットします。

さて、ここで最初の問題点、三室戸寺に行くかどうかを検討します。三室戸寺には次のポイント、浮舟があるのですが、ルート上、三室戸寺はちょっと離れているのです。でも、完璧主義者のsaraiには省略は許されません。行きましょう! 配偶者も賛同してくれます。京都宇治線の大通りの四つ角から右の道路に入ります。

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道沿いは桜並木です。花の季節には綺麗なんでしょうね。

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途中で狭い路地に入ります。この路地はかげろうの道と名前が付けられていますが、住宅地の中の路地です。村の中に入っていくと細い路地で迷います。と、路上に、可愛い案内板を発見します。右みむろみちという石標です。

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案内板にも助けられて、この緩やかに上る路地を進んでいきます。

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やがて、三室戸寺への参道入口に無事に到着。

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三室戸寺の入口に到着。

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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浮舟のポイントは、一番奥の本堂脇にあるようです。入場料を払って、お寺の境内に入るしかなさそうです。



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クリスマスにはメサイアを・・・バッハ・コレギウム・ジャパン@サントリーホール 2021.12.24

サントリーホールでのクリスマスシーズンのヘンデルのメサイアの公演は今年が21回目。saraiが聴くのは2回目です。ヘンデルのメサイアはイエスの生涯を描いたものなので、当然、誕生から受難、復活までが描かれていますが、その明るく明瞭な音楽はクリスマスにふさわしい雰囲気がありますね。

ヘンデルのメサイアと言えば、シュテファン・ツヴァイクの《人類の星の時間》の中の1章「ゲオルク・フリードリッヒ・ヘンデルの復活」で脳溢血の後遺症から立ち直った53歳のヘンデルが、24日間、不眠不休でメサイアを書き続けて完成させる劇的なシーンが描かれています。書き上げた途端、ヘンデルは17時間爆睡し、爆睡から目覚めたヘンデルは物凄い食欲で食べまくり、飲みまくったそうです。このメサイアはそういう特別な作品で、ヘンデルの最高傑作、記念碑的な作品です。

メサイアには、ヘンデルの特徴であるメロディアスな美しさ、骨組みのがっちりした力強さはもちろんですが、天上の音楽のような無私の精神性が貫かれています。今日の演奏は正直言って、第1部はもうひとつ物足りませんでしたが、第2部、第3部で独唱陣がようやくエンジンがかかり、鈴木雅明率いるバッハ・コレギウム・ジャパンの合唱と管弦楽の素晴らしく安定した、高いレベルの演奏と絡み合って、最後には圧倒的な演奏になりました。終わりよければ、すべてよしです。最後のアーメンコーラスのアーメン、アー~メン!!は身震いするほどの高潮感に浸りました。

目立ったところでは、第3部の第43曲のバリトンのアリア、《トランペットが鳴り響くと・・・》が大西宇宙の素晴らしい歌唱と斎藤秀範の見事なトランペットでヘンデルの音楽の真髄を聴かせてくれ、満足しました。何と森麻季がこの曲で曲に乗って、体を揺らしていたのも印象的でした。第2部の第20曲のアルトのアリア、《彼は蔑まれ、人々に見捨てられ・・・》で湯川亜也子が見事な歌唱で魅了してくれたのも印象的でした。まあ、本当に素晴らしかったのがBCJの合唱の美しさだったんですけどね。どの合唱曲も美しく歌い上げられました。

ところで、今日のコンサートが今年、saraiが聴いた120回目のコンサート。月に10回もコンサートに通ったことになります。まだ、今日が聴き納めではなく、サントリーホールでのジョナサン・ノット&東響の《第九》とミューザ川崎の東響のジルヴェスターコンサートが残っています。最後の最後まで音楽を楽しみ尽くします。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:鈴木雅明
  合唱・管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン
  ソプラノ:森麻季(松井亜希と当日変更、元々はレイチェル・ニコルズの予定)
  アルト(メゾ・ソプラノ):湯川亜也子
  テノール:西村悟
  バス(バリトン):大西宇宙(元々はベンジャミン・ベヴァンの予定)

  ヘンデル:オラトリオ『メサイア』 HWV 56

   1部と2部の間に《休憩》

   《アンコール》
    トラディショナル(鈴木優人編):いけるものすべて

なお、予習したCDは以下です。

 カール・リヒター指揮ミュンヘン・バッハ管弦楽団・合唱団
   グンドゥラ・ヤノヴィッツ(S)、マルガ・ヘフゲン(A)、エルンスト・ヘフリガー(T)、フランツ・クラス(B) 1964年録音 ドイツ語による歌唱

 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン
   鈴木美登里(S)、米良美一(CT)、ジョン・エルウィス(T)、デイヴィッド・トーマス(B) 1996年12月録音

リヒターはドイツ語歌唱のハンディはあるものの彼らしい明瞭な表現で感銘のある演奏を聴かせてくれます。何故か、第3部後半の数曲のカットがあるのが残念です。
鈴木雅明はオリジナル楽器の素朴さを前面に出した美しい演奏です。



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       バッハ・コレギウム・ジャパン,  

宇治十帖:三室戸寺の境内の浮舟の古蹟

2021年10月9日土曜日@京都/5回目

今回の旅のテーマは源氏物語。今日は宇治十帖の舞台、宇治を訪れています。
源氏物語、宇治十帖のウォーキングコースに出発し、東屋(あずまや)、椎本(しいがもと)、手習(てならい)を巡り、浮舟(うきふね)のある三室戸寺の前に到着しました。
お寺の入口の前には涼やかな水路があります。

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さて、ここから先の三室戸寺の境内に入るのは有料になります。受付で入場券を買い求めましょう。

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これが入場券。花が綺麗なお寺なんですね。ツツジやアジサイはその季節ではないのが残念です。

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受付前を抜けて、参道を山門に向かって歩を進めます。

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やがて、朱色の山門前に到着。

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山門前からは緑豊かな風景が見渡せます。このあたりはアジサイの群落です。

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山門から進んでいくと、この先には庭園があるようです。枯山水のお庭だそうですが、今日の目的の浮舟に向かいます。

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本堂に上る石段の下に出ます。ここまでも、長い上り坂を汗をかきかき上ってきましたが、もうひと頑張りしましょう。

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石段をフーフー言いながら上ります。ほぼ、上り切ったところで振り返ります。素晴らしい景色が見下ろせます。

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本堂前の境内には面白い石像があります。“狛蛇”の「宇賀神」です。撫でると健康長寿や金運などのご利益がいただけると書かれています。もちろん、saraiは撫でてご利益をいただきます。

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本堂に向かいます。とても立派な建物ですね。本堂の右には小さな阿弥陀堂が見えています。

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本堂の屋根組が美しいですね。

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その先に目的の浮舟の古蹟があります。

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源氏物語の五十四帖、浮舟の説明が書かれています。以下はWIKIPEDIAからの引用です。(なお、薫は光源氏の正妻、女三の宮が産んだ不義の息子。匂宮(におうのみや)は光源氏の孫で薫の親友でもあります。浮舟は八の宮の姫君。八の宮は桐壺帝の第八皇子で朱雀帝・光源氏・蛍兵部卿宮らの異母弟になります。ということは浮舟は光源氏の姪になりますね。で、浮舟は薫の従弟にあたります。ややこしい!)

薫27歳の春の話。

薫は浮舟を宇治の山荘に放置したまま、訪れるのも間遠であった。一方、匂宮は二条院で見かけた女のことが忘れられない。正月、中君のもとに届いた文を見て女の居所を知った匂宮は、薫の邸の事情に通じている家臣に探らせ、女が薫の囲い人として宇治に住んでいることを知る。匂宮はある夜、ひそかに宇治を訪れ、薫を装って寝所に忍び入り、浮舟と強引に契りを結んでしまう。人違いに気づくも時すでに遅く、浮舟は重大な過失におののくが、淡白な薫と異なって情熱的に愛情を表現する匂宮へと、次第に心惹かれていくのだった。

二月、ようやく宇治を訪れた薫は、浮舟の思い悩むさまを女として成長したものと誤解して喜び、京へ迎える約束をする。宮中の詩宴の夜、浮舟を思って古歌を口ずさむ薫の様子に焦りを覚えた匂宮は、雪を冒して再び宇治に赴き、浮舟を宇治川対岸の隠れ家へ連れ出し、そこで二日間を過ごした。

薫は浮舟を京に迎える準備を進めていた。匂宮はその前に浮舟を引き取ろうと言う。何も知らずに上京の準備を手伝う母中将の君に苦悩を打ち明けることもできず、浮舟は宇治川の流れを耳にしながら物思う。ある日、宇治で薫と匂宮両者の使者が鉢合わせしたことからこの秘密は薫に知られ、薫からは心変わりを詰る内容の文が届いた。薫に秘密を知られてしまい、ショックを受ける浮舟。やむなく、「宛て先が違っている」ということにして、文を送り返した。宇治の邸は薫によって警戒体制が敷かれ、匂宮は焦りを募らせる。

薫に恨みの歌を送られ、匂宮との板ばさみになって進退窮まった浮舟はついに死を決意する。死を間近に、薫や匂宮、母や中君を恋しく思いながら、浮舟は匂宮と母にのみ最後の文を書きしたためた。

鐘の音の絶ゆるるひびきに音をそへて わが世尽きぬと君に伝へよ

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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浮舟のポイントを訪れるという目的を果たしたので、後は三室戸寺の境内の様子をざっと見ながら、次のポイント、蜻蛉(かげろう)に向かいます。



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宇治十帖:浮舟~蜻蛉

2021年10月9日土曜日@京都/6回目

今回の旅のテーマは源氏物語。今日は宇治十帖の舞台、宇治を訪れています。
源氏物語、宇治十帖のウォーキングコースに出発し、東屋(あずまや)、椎本(しいがもと)、手習(てならい)を巡り、三室戸寺の浮舟(うきふね)の古蹟の前に到着しました。
次は蜻蛉(かげろう)のポイントに向かいます。その前に三室戸寺の境内の景色をざっと見ておきましょう。
まず、鐘楼が目を惹きます。

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本堂前の景色です。

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鐘楼の向こうには三重塔が見えます。 元禄17年(1704年)建立の全高16メートルの三重塔で、もとは兵庫県佐用郡三日月村(現・佐用町)の高蔵寺にあったものですが、1910年(明治43年)に三室戸寺が買い取って移設したそうです。

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さあ、そろそろ、本堂のある高台を下りましょう。

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三室戸寺は花のお寺ですが、今は時期外れで花がなく、それだけは残念です。急いで山を下ります。ちなみに、スタンプラリーのスタンプは、お寺の入口にありました。スタンプだけならば、お寺に詣でなくてもいいみたいです。いやいや、宇治十帖めぐりとしては、本堂脇の浮舟の古蹟まで行くしかありませんね。

順調に進んでいきます。ふと足元を見ると、道に金属プレートが埋め込まれていて、そこに次のポイント、蜻蛉への案内が表示されています。これは親切ですね。それにお洒落!

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無論、普通の案内板もありますが、お洒落度に差がありますね。

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また、道に金属プレートがあります。これを見ながら歩くと迷わないですね。

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やがて、次のポイント、蜻蛉に到着。これは蜻蛉石と呼ばれていて、阿弥陀如来が線で彫られています。その昔、このあたりに長谷寺から三室戸寺への巡礼路が通っており、道沿いにこの蜻蛉石が建っていたそうです。かたわらには、蜻蛉之古蹟の石碑もあります。

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線で刻まれた阿弥陀三尊仏の説明が書かれています。中央の阿弥陀如来の左右に観音・勢至菩薩が配されているそうです。平安時代の作だと考えられているそうです。

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源氏物語の五十二帖、蜻蛉の説明が書かれています。以下はWIKIPEDIAからの引用です。(なお、薫は光源氏の正妻、女三の宮が産んだ不義の息子。匂宮(におうのみや)は光源氏の孫で薫の親友でもあります。浮舟は八の宮の姫君。八の宮は桐壺帝の第八皇子で朱雀帝・光源氏・蛍兵部卿宮らの異母弟になります。ということは浮舟は光源氏の姪になりますね。で、浮舟は薫の従弟にあたります。ややこしい!)

薫27歳のころの話。

浮舟の姿が見えないので、宇治の山荘は大騒ぎとなる。浮舟の内情を知る女房は、浮舟が宇治川に身を投げたのではと思い惑う。かけつけた浮舟の母の中将の君は真相を聞いて驚き悲しむ。世間体を繕うため、遺骸もないままにその夜のうちに葬儀を営んだ。そのころ石山寺に参籠していた薫は、野辺送りの後に初めて事の次第を知った。

匂宮は悲しみのあまり、病と称して籠ってしまう。それを耳にした薫は、浮舟のことは匂宮との過ちからだと確信するが、浮舟を宇治に放置していたことを後悔、悲しみに暮れる。宇治を訪れた薫はここで浮舟の入水をはじめて知り、悲しみに沈む中将の君を思いやって、浮舟の弟たちを庇護する約束をして慰めた。薫は浮舟の四十九日の法要を宇治山の寺で盛大に営んだ。中君(なかいきみ、浮舟の異母姉)からも供え物が届けられ、浮舟の義父常陸介は、このときはじめて継娘の素性が自分の子たちとは比較にならないものだったと実感した。この事がきっかけで、常陸介は浮舟の異母弟・小君を薫の下で仕えさせる事を決断。薫は、それで娘を亡くした親の気持ちが慰められるのならと、小君を召し抱えた。

夏、匂宮は気晴らしに新しい恋をしはじめる。一方、薫はたまたま垣間見た女一宮(母は明石の中宮)に憧れるようになる。そのころ、故式部卿宮(光源氏・宇治八の宮の兄弟)の姫君が女一宮に出仕し、宮の君と呼ばれていた。東宮妃となるべく育てられかつては薫との縁談もあったこの女房に、薫も同情しつつも関心を持ちはじめる。それにつけても、薫はやはり宇治の姫君たちが忘れられず、夕暮れに儚げに飛び交うカゲロウをながめながら、大君・中君・浮舟を追想した。


ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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蜻蛉を後に、次のポイント、総角(あげまき)に向かいます。



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宇治十帖:蜻蛉~総角~宇治上神社

2021年10月9日土曜日@京都/7回目

今回の旅のテーマは源氏物語。今日は宇治十帖の舞台、宇治を訪れています。
源氏物語、宇治十帖のウォーキングコースに出発し、東屋(あずまや)、椎本(しいがもと)、手習(てならい)、三室戸寺の浮舟(うきふね)を巡り、蜻蛉(かげろう)の古蹟の前に到着しました。
次は総角(あげまき)のポイントに向かいます。ずっと、かげろうの道を歩いていあましたが、その先はさわらびの道になります。何とも典雅な名前の道が続きますね。

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さわらびの道に入ります。うーん、ここから、どっちに進むのか。この辺りで次のポイントの総角を探して、かなり迷います。

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近くに源氏物語ミュージアムがあります。とりあえず、源氏物語ミュージアムに入ってみましょう。

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源氏物語ミュージアムに入ると、そこは入場数制限をしていて、しばらく、待たされそうです。そこにいた入場整理のお兄さんに総角のポイントの場所を教えてもらいます。ここで待ちたくはないので、源氏物語ミュージアムはパスすることにして、総角に向かいます。源氏物語ミュージアム前の道は緑豊かな散策道になっています。

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さわらびの道に合流するとすぐに総角が見えてきます。

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総角の古蹟の前に立ちます。ちなみに総角(あげまき)とは古代男子の髪型のことです。この髪型をもとに考案されたのがひもの結び方の一つ、総角結びです。八の宮の姫君の大君(おおいきみ)に思いを寄せた薫が大君が縒り結んだ総角結びに寄せて、恋の歌を詠んだことに因んでいます。

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源氏物語の四十七帖、総角の説明が書かれています。以下はWIKIPEDIAからの引用です。(なお、薫は光源氏の正妻、女三の宮が産んだ不義の息子。匂宮(におうのみや)は光源氏の娘、明石の中宮の息子、すなわち、皇子で薫の親友でもあります。大君は八の宮の姫君。八の宮は桐壺帝の第八皇子で朱雀帝・光源氏・蛍兵部卿宮らの異母弟になります。ということは大君は光源氏の姪になりますね。で、大君は薫の従弟にあたります。ややこしい! なお、中君は大君の妹、浮舟は大君、中君の異母妹)

薫24歳の秋八月から冬十二月の話。

秋八月、八の宮の一周忌法要が営まれ、薫はこまごまと心をくばった。その夜、薫は大君に近づき意中を訴えるが、大君に拒まれ、そのまま夜通し語り合って別れる。大君は父宮の遺志を継ぎ宇治の主として独身を貫く決意をしており、その一方で妹の中君を薫と結婚させようと考えている。大君の衣服には薫の強い香が染み付いており、中君は薫との仲を疑う。

一周忌が済んで間もなく宇治を訪れた薫は、大君の結婚を望む老女房の弁たちの手引きで大君の寝所に入るが、大君はいち早く気配を察し中君を残して隠れてしまう。薫は、後に残された中君に気付き、二人そのまま語り明かすことになった。

大君の意思を知った薫は中君を匂宮と結婚させようと考え、九月のある夜ひそかに匂宮を宇治に案内し、中君と逢わせてしまう。薫は事実を打ち明け大君に結婚を迫るが、大君は承知しなかった。匂宮は三日間中君の元に通い続けたが、母后・明石の中宮に反対され、足止めされてしまいその後は身分柄思うように宇治を訪問することができない。大君と中君は、匂宮の訪れが途絶えたことを嘆き悲しんだ。十月、匂宮は宇治川に舟遊びや紅葉狩りを催して中君に会おうと計画したが、多くの人が集まり盛大になりすぎ、かえって目的を果たせなかった。父帝は匂宮の遠出をやめさせるために、夕霧の六の君との結婚を取り決める。

これを聞いた大君は心労のあまり病に臥し、薫の懸命の看病もむなしく、十一月、薫に看取られる中で草木の枯れていくように息絶えた。26歳だった。その日は豊明節会の日で、宇治は吹雪の夜であった。

大君と結ばれぬまま終わった薫は深い悲嘆に沈み、宇治に籠って喪に服した。薫の悲しみを人伝てに聞いた明石の中宮は、「ここまで想われる女人の妹姫なら、匂宮が通うのも無理はない」と思い直し、匂宮に「二条院へ妻として迎えても良い」と認めた。匂宮は、中君を京の二条院に引き取る決意をした。

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総角の古蹟を後に、次のポイント、早蕨(さわらび)に向かいます。

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木漏れ日の差す緑濃いさわらびの道を進みます。

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詳細な案内板があります。この先、早蕨を始め、宇治上神社、宇治神社があるようです。

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道に埋め込まれた金属プレートの案内板があります。早蕨の方向を示しています。

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路傍に与謝野晶子の歌碑があります。宇治十帖の各巻をテーマにした歌が刻まれています。与謝野晶子の現代語訳の源氏物語は有名ですね。

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光源氏という名前の椿があります。花が咲くのは1月頃だそうです。

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やがて、宇治上神社の前に出ます。

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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ちょっと宇治上神社をお参りしていきましょう。



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宇治十帖:宇治上神社~早蕨

2021年10月9日土曜日@京都/8回目

今回の旅のテーマは源氏物語。今日は宇治十帖の舞台、宇治を訪れています。
源氏物語、宇治十帖のウォーキングコースに出発し、東屋(あずまや)、椎本(しいがもと)、手習(てならい)、三室戸寺の浮舟(うきふね)、蜻蛉(かげろう)、総角(あげまき)の古蹟を巡りました。
次は早蕨(さわらび)のポイントに向かっています。途中、宇治上神社をお参りします。宇治上神社は世界文化遺産みたいですね。

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宇治上神社の拝殿です。鎌倉初期の建築で国宝に指定されています。

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この拝殿の奥に平安時代に建てられた本殿があるようです。そちらももちろん、国宝です。
別の入口から外に出ます。入口の正面に拝殿が見えていますから、こちらの入口が正面入口のようです。

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宇治上神社の参道(さわらびの道)を出ていきます。神社の赤い鳥居が見えています。

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宇治上神社の赤い鳥居を抜けて、振り返って、鳥居を仰ぎ見ます。

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この少し先に早蕨(さわらび)のポイントがあります。

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これが早蕨の古蹟です。小さな石碑ですね。

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源氏物語の四十八帖、早蕨の説明が書かれています。以下はWIKIPEDIAからの引用です。(なお、薫は光源氏の正妻、女三の宮が産んだ不義の息子。匂宮(におうのみや)は光源氏の娘、明石の中宮の息子、すなわち、皇子で薫の親友でもあります。大君、中君は八の宮の姫君。八の宮は桐壺帝の第八皇子で朱雀帝・光源氏・蛍兵部卿宮らの異母弟になります。ということは大君、中君は光源氏の姪になりますね。で、大君、中君は薫の従弟にあたります。ややこしい! なお、浮舟は大君、中君の異母妹になります。夕霧は光源氏の正妻、葵の上が産んだ息子。薫の異母兄になります。六の君はその夕霧の六女です。ですから、薫と六の君は叔父、姪の関係になります。)

薫25歳の春の話。

宇治の里にまた春がめぐってきた。父八の宮も姉大君も亡くした中君の元に、父の法の師だった宇治山の阿闍梨から例年通り蕨や土筆が届けられた。中君は阿闍梨の心づくしに涙を落とす。

匂宮は宇治通いが困難なので、二月上旬に中君を京の二条院に迎えることにした。後見人の薫は、中君のために上京の準備に心を配る。上京の前日、薫は宇治を訪れ、中君と大君の思い出を夜更けまで語り合った。匂宮の元へ移る中君がいまさらながら惜しく、薫は後悔の念に駆られた。老女房の弁は大君の死後尼になっていたが、このまま宇治に留まる決心をしていた。

二月七日に二条院に迎えられた中君は匂宮から手厚く扱われる。これを知って、六の君と匂宮の婚儀を目論んでいた夕霧は二十日過ぎに末娘六の君の裳着を決行、薫との縁組を打診したが、薫の対応はそっけなかった。薫に断られた夕霧は「亡くなられた大君といい、生きている中君といい。当代きっての貴公子2人に想われるこの姉妹は…」と、宇治の姉妹に心を奪われ愛娘・六の君に興味を示さない薫と匂宮に不満を抱く。

桜の盛りのころ、薫は二条院を訪れ中君と語り合った。中君に親しく近付く薫に、匂宮は警戒の念を抱く。

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早蕨の古蹟の前のさわらびの道には金属プレートが埋め込まれています。道案内というよりも、ここが早蕨であることを示すものです。

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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次のポイント、宿木(やどりぎ)は宇治川の対岸にあります。すぐにそちらには向かわずに、宇治川の散策を楽しむことにして、天ヶ瀬ダムのほうに遠出をすることにします。京都出身の友人に天ヶ瀬ダムの景観を楽しむことを勧められたからです。



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ジョナサン・ノット&東京交響楽団の第九は自由を希求する翼の飛翔@サントリーホール 2021.12.29

ジョナサン・ノット&東京交響楽団の第九を聴くのは今年で3年目になります。遂にノットもこの第九を完璧に己のものとし、奇跡のような最高の演奏を聴かせてくれました。正直、これまでの2年はどこかにノットならば、もっとやれるだろうと言う気持ちが残っていましたが、今年は完全に満足しました。第1楽章から、ノットの素晴らしい指揮姿から目が離せません。そのアーティキュレーションの見事さに、感銘を受け続けます。とりわけ、アゴーギクの微妙さが驚異的です。その結果、オーケストラへの要求水準が高過ぎますが、東響のメンバーが必死にくらいついて、次第に熱い演奏に高まっていきます。ノットと東響のこういう関係がとても好ましく感じられます。ノットと東響はこうして切磋琢磨して成長してきました。コロナ禍で一時、そういう成長過程に乱れを感じることもありましたが、今日の演奏は再び、コロナ前の演奏、いや、それ以上のものになっています。

第1楽章の冒頭から素晴らしい演奏が続き、saraiはもう感動の中にいます。冒頭のカオスの中から実在が出現するようなフレーズが途中、何度も繰り返し現れますが、そのたびに音楽の質が向上して、感銘の度合いが高まります。息もできない緊張感の中、圧巻の演奏で第1楽章は終わります。いつもは聴き流すようにほっと息をつく第2楽章ですが、実に素晴らしい響きの音楽が鳴り響きます。とりわけ、トリオの部分の音楽的な精度の高さに魅了されます。弦の素晴らしさはもちろんですが、管の素晴らしいこと。音楽に聴き惚れているうちに第2楽章もすーっと終わります。ここで声楽陣の入場。その間、一休みです。独唱4人もここで一緒に入場します。オーケストラのメンバーも何人か加わります。打楽器奏者でしょうか。
第3楽章が始まります。音楽的にとても美しい演奏です。ノットの解釈は万全です。これ以上の演奏は現時点では望むべくもありませんが、ここまでの音楽を聴かされると、フルトヴェングラーとつい比較をしてしまいます。フルトヴェングラーはこの上に哲学的な瞑想とも思える至高の演奏を聴かせてくれます。ノットがいつの日か、音楽を超えたレベルの演奏を聴かせてくれることを期待したくなります。
第3楽章が終わると、間を置かずに恐怖のファンファーレで熱い音楽の幕開けです。器楽による“歌”が奏でられて、歓喜の歌も終焉すると、声楽が加わります。独唱陣のスケール感、パワーがこぶりですが、新国立劇場合唱団の合唱は圧倒的です。とりわけ、2重フーガでの力強い男声合唱と清らかな女性合唱の交錯には目頭が熱くなります。「歓喜」を歌う"Freude, schöner Götterfunken" と「抱擁」を歌う "Seid umschlungen, Millionen!"の二重フーガの素晴らしさには身震いします。このあたりからは音楽は高潮し続けて、saraiの頭は真っ白になります。そして、再び、独唱陣が立ち上がり、最後の4重唱がフーガ風の最高の歌唱を聴かせてくれます。今度は独唱陣は渾身の力をふりしぼり、満足できる歌唱を聴かせてくれます。最後のフェルマータの美しい響きが素晴らしくて、感銘を覚えます。その残影の後、物凄い合唱が燃え上がり、音楽は最高峰に上り詰めます。そして、圧倒的な東響の力が火の玉のように燃え上がって、爆発的なコーダに突入。圧巻のフィナーレでした。もう、何も言うことはできません。ベートーヴェンの特別な音楽をノットと東響、そして、新国立劇場合唱団が極上の演奏で聴かせてくれました。それはベートーヴェンの自由を希求する魂が現代によみがえって、音楽の翼によって飛翔する様のようにも思えました。

これを持って、今年のsaraiのコンサートは終わりになりますが、まさにそれにふさわしい最高のコンサートでした。これで今年はジョナサン・ノット&東京交響楽団のコンサートは10回も聴けました。いずれも素晴らしい演奏でした。そして、このコンサートが今年、saraiが聴いた121回目のコンサートです。


おっと、今年のシメはまだ、大晦日のジルヴェスターコンサートが残っていました・・・。もう一度、東響が聴けます。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:ジョナサン・ノット
  ソプラノ:盛田麻央
  メゾソプラノ:金子美香
  テノール:小原啓楼
  バリトン:甲斐栄次郎
  合唱:新国立劇場合唱団(合唱指揮:河原哲也)
  管弦楽:東京交響楽団(コンサートマスター:グレブ・ニキティン(水谷晃も加わり、ダブルコンマス))

  ベートーヴェン:交響曲 第9番 ニ短調 Op.125

  《アンコール》 蛍の光 AULD LANG SYNE(スコットランド民謡)


最後に予習について、まとめておきます。

ベートーヴェンの交響曲 第9番を予習したCDは以下です。

  ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮フィルハーモニア管弦楽団、ルツェルン音楽祭合唱団
   エリーザベト・シュヴァルツコプフ、エルザ・カヴェルティ、エルンスト・ヘフリガー、オットー・エーデルマン
    1954年8月22日 ルツェルン音楽祭 ライヴ録音

auditeから出たハイレゾ録音で聴きました。フルトヴェングラーが指揮した最後の第9です。フルトヴェングラーの第9はどの録音も最高の演奏ですが、この録音は音質も申し分がなく、saraiの最も愛する演奏です。



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       ジョナサン・ノット,  

今年のコンサートを振り返る 上半期

今年もコロナ禍が続く中、結局、今年も海外遠征は実現せず、国内でのみ、音楽を楽しむことになりました。その代わり、年間、122回ものコンサートに足を運びました。3日に1回のハイペースでした。
その中で感動の残ったコンサートを振り返ります。まず、1月から6月までの上半期です。

以下のコンサートをベスト10に選びました。月日順です。

田部京子、胸の熱くなる究極のモーツァルト with 佐渡裕&新日本フィルハーモニー交響楽団@すみだトリフォニーホール 2021.1.16

極上のシューマンの夕べ ファウスト&メルニコフ@王子ホール 2021.1.26 

バッハ・コレギウム・ジャパン、創立30周年を締めくくる入魂のヨハネ受難曲@サントリーホール 2021.2.19 

北村朋幹凄し!徹底した個性派ピアニストに驚愕 井上道義&東響@サントリーホール 2021.3.27 

藤田真央の個性的なモーツァルトの協奏曲はまるでピアノ・ソナタのごとき演奏、下野竜也&読響の素晴らしいマルティヌー@サントリーホール 2021.5.21 

ジョナサン・ノット讃、感動のマーラー4番 東京交響楽団@東京オペラシティコンサートホール 2021.5.22 

空前絶後の辻彩奈のシベリウスに衝撃!@サントリーホール 2021.5.28 

神尾真由子、圧巻のヴァイオリンに深い感銘!@上大岡 ひまわりの郷 2021.5.30 

武満とメシアン、2人の天才を見事に表現した究極の室内楽 小菅優・金川真弓・ベネディクト・クレックナー・吉田誠@サントリーホール ブルーローズ(小ホール) 2021.6.15 

鬼神のごとき、上原彩子のパガニーニ狂詩曲は音楽の極致! 尾高忠明&東京フィルハーモニー交響楽団@サントリーホール 2021.6.18 


綺羅星のごとく、日本人ピアニスト・ヴァイオリニストが並んでいます。ベテランの田部京子、神尾真由子、小菅優、上原彩子に加えて、若手の北村朋幹、藤田真央、辻彩奈が台頭してきました。中でも藤田真央の煌めくような才能が光っていました。
ジョナサン・ノットと東響の活躍も目立ったものでした。ヴァイオリンのイザベル・ファウストの来日コンサートもどれも素晴らしいものでした。バッハ・コレギウム・ジャパンの安定した演奏はバッハのみならず、素晴らしいものでした。
さらに小菅優・金川真弓・ベネディクト・クレックナー・吉田誠による武満とメシアンの室内楽の演奏には深く感動しました。

これらの素晴らしいコンサートの中での最高のコンサートはこれです。

鬼神のごとき、上原彩子のパガニーニ狂詩曲は音楽の極致! 尾高忠明&東京フィルハーモニー交響楽団@サントリーホール 2021.6.18

上原彩子の気魄に満ちた演奏は単なる音楽を超えたものでした。このレベルの演奏を聴いたのは数年ぶりでした。



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今年のコンサートを振り返る 下半期

もうすぐ新年です。今年も当ブログ、ご愛読、ありがとうございました。今日は長年聴いてきた横浜みなとみらいホールのジルヴェスターコンサートがホールの改修工事のためにお休みになったので、代わりにミューザ川崎シンフォニーホールのジルヴェスターコンサートを聴いてきました。その感想は新年になってから書きます。今日は今年のコンサートを振り返る記事を書きます。

今年は122回ものコンサートに足を運びました。その中で感動の残ったコンサートを振り返っています。上半期に引き続き、今回は7月~12月の下半期です。

以下のコンサートをベスト15に選びました。月日順です。ベスト10にすべきでしたが、名演目白押しで最初はベスト30だったんです。それをしぼりにしぼったベスト15です。

精妙で美しさを極めたモーツァルトとリゲティ、クァルテット・インテグラ@上大岡ひまわりの郷 2021.8.22 

圧倒的なオーケストラサウンドのショスタコーヴィチ第5番 ヴァイグレ&読売日本交響楽団@サントリーホール 2021.8.23 

北村朋幹の瑞々しくてリリシズムにあふれた極美のモーツァルト デイヴィッド・レイランド&東京都交響楽団@サントリーホール 2021.9.10 

レーゼル最後の来日公演は極美のシューベルトで圧巻のフィナーレ@紀尾井ホール 2021.10.13 

カヴァコスが弱音の美しさで魅了するブラームスのロマン そして、巨匠ブロムシュテットが描き上げるニールセンの美的音響 NHK交響楽団@東京芸術劇場 2021.10.17 

藤村実穂子、最高の熱唱 大野和士&東京都交響楽団@サントリーホール 2021.10.21 

煌めき立つ天才シューベルトのザ・グレイト ムーティ&ウィーン・フィル@サントリーホール 2021.11.12 

イザベル・ファウストの弾く究極のバッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ@東京オペラシティ コンサートホール 2021.11.18 

晩秋に聴くブラームスのクラリネット五重奏曲は極上の趣き ポール・メイエ&カルテット・アマービレ@東京オペラシティ コンサートホール 2021.11.25 

若き天才ヴィオリスト、田原綾子の恐ろしく集中したショスタコーヴィチのヴィオラ・ソナタに深く感銘@上大岡 ひまわりの郷 

感動のワーグナー《ニュルンベルクのマイスタージンガー》@新国立劇場 2021.12.1 

中村恵理、ますます冴え渡る感動の歌唱 《蝶々夫人》@新国立劇場 2021.12.10 

熟成のツィメルマン、圧巻のバッハ、ブラームス、ショパン@サントリーホール 2021.12.13 

とびっきり極上のシューベルト、ピアノ・ソナタ第21番 田部京子ピアノ・リサイタル《シューベルト・プラス第8回》@浜離宮朝日ホール 2021.12.19 

ジョナサン・ノット&東京交響楽団の第九は自由を希求する翼の飛翔@サントリーホール 2021.12.29 


海外組が来日できない中で、若手のカルテット、カルテット・アマービレとクァルテット・インテグラの成長著しい演奏に魅了されました。クァルテット・インテグラがバルトークコンクールで優勝したのは当然に思えます。
ヴァイグレ&読売日本交響楽団とジョナサン・ノット&東京交響楽団も毎回、名演を聴かせてくれました。来年以降も楽しみです。
若手日本人音楽家の台頭も顕著でした。北村朋幹、田原綾子を挙げておきますが、藤田真央も忘れられません。
内外のピアニストも名演を聴かせてくれました。ペーター・レーゼルは最後の来日でした。ツィメルマン、田部京子、キーシンも素晴らしい演奏を聴かせてくれました。ヴァイオリンもカヴァコス、ファウストが名演を聴かせてくれました。
声楽では藤村実穂子、中村恵理が最高の歌唱を聴かせてくれました。
巨匠ブロムシュテットはさすがの指揮で名演を連発。
そして、ムーティ&ウィーン・フィルの演奏は別格でした。
新国のオペラもヨーロッパに負けない公演ばかりでした。《ニュルンベルクのマイスタージンガー》はまさか日本でこんなワーグナーが聴けるとは・・・。

そして、下半期の最高のコンサートはこれです。

とびっきり極上のシューベルト、ピアノ・ソナタ第21番 田部京子ピアノ・リサイタル《シューベルト・プラス第8回》@浜離宮朝日ホール 2021.12.19 

もう、これ以上のシューベルトのピアノ・ソナタ第21番は聴けないでしょう。心技体揃った究極のピアノ演奏でした。


年間通しての特別大賞はコロナ禍で10回も聴いたジョナサン・ノット&東京交響楽団の一連の演奏です。高い精度の音楽を毎回聴かせてくれました。来年はさらなる飛躍が期待できます。

では、また、来年も音楽と旅のブログにお付き合いください。



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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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ミケランジェロさん、saraiです。

遅レスで申し訳けありません。敬愛するジョナサン・ノットをご評価いただき、ありがとうございます。

相変わらず、独自の音楽探求を続

06/23 23:50 sarai

こんにちは。

ジョナサン・ノット氏の公演鑑賞を拝読したく参りました。毎回とても沢山の公演記録を私達に届けて下さり、ありがとうございます。

マエストロは数年前のイ

06/14 08:27 michelangelo

えりちゃさん、コメントありがとうございます。
最終公演に行きますが、ムーティ&ウィーン・フィルは渾身の力で凄い演奏を聴かせてくれますよ。特にシューベルトは有終の

11/09 22:13 sarai

尻上がりに素晴らしくなりました!
あの弦の響きにもうハマるのですよ!
あと2公演ありますが、もう既に同じプログラムを2回演奏しているので、ますます良くなるか、ち

11/09 10:56 えりちゃ

えりちゃさん、お久しぶりです。saraiです。

なかなか、海外渡航の見通し、立ちませんね。来年あたりはどうでしょうね。長期戦覚悟で我慢するしかありませんね。

こちら

04/10 02:37 sarai

saraiさま、
お久しぶりです!
お元気にコンサートや旅行を楽しんでおられますね!
ブログ、楽しく拝見しています。おフランス、良いね😊
私は春だというのに、仕事と用事以

04/09 05:29 えりちや

気になってたずねても 
誰にも知らんと言われなんやろ
と思いつづけて居ました❗
写真みつけてこれだと思いました❕スッとしました
教えて下さって嬉しいです
ありがとうご

02/13 22:26 みーちゃん
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