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帰国の途、イスタンブール~成田。旅も完結!!

2019年9月30日月曜日@イスタンブール~成田

長い旅も終わり、帰国の途についています。まず、ウィーンからイスタンブールまでの3時間ほどのフライトです。ヨーロッパの上空を飛行していきます。やがて、新イスタンブール空港に到着。
ここでトランジットします。見下ろす空港ロビーは真新しくてピカピカです。

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2時間ほどのトランジットでイスタンブールから成田へのターキッシュエアラインズの航空機に搭乗します。

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定時に成田に向けて飛び立ちます。深夜便です。離陸すると1時間ほどで食事。これが夕食なのか、深夜食なのか・・・よく分かりませんが、ともかく出されたものはいただきます。
チキンのカフェ・ド・パリ・ソース添え、またまた、ライス付きです。

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真夜中に離陸した航空機は順調にフライトを続け、3時間ほどすると、夜が明けてきます。ヨーロッパから日本に向けて飛ぶと、時間歩みが早まりますね。時差8時間あったのが、だんだん時差が圧縮されます。無論、夜間飛行の間はまどろんでいました。

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さらに4時間ほど飛行すると眼下に大きな湖が見えてきます。どのあたりでしょうね。成田までは3時間ほどです。

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成田まで2時間半ほどになると、最後の食事。これは紛れもなく、朝食です。スクランブルエッグですね。

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眼下には大きな川が見えています。

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さらに1時間ほど飛行し、成田まで1時間半ほどです。地上は雲で覆われています。

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夕刻になり、空が茜色に染まってきます。

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太陽が雲の向こうに沈んでいきます。

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成田に近づく頃にはもう漆黒の闇の中に地上の灯りが輝きます。

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成田空港への最終アプローチに入ります。

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無事に帰国しました。
成田からは電車を乗り継ぎ、3時間ほどの行程でほぼ1カ月ぶりに自宅に帰ってきました。日本はウィーン並みの涼しさでびっくり。帰ってきたのは深夜ですが、ぎりぎり、消費税増税の15分前にコンビニに駆け込み、増税前の価格で牛乳をゲット。消費税はウィーンの20%に比べるとまだまだですが、ウィーンとは年金・福祉の水準が違うようですから、比較が難しいところ。
外は涼しいのですが、自宅内は閉め切っていったので、むっと蒸し暑くなっています。急いで窓を開けて、外の新鮮な空気を取り入れます。しかし、この暑さでネットワーク機器がおかしくなって、インターネット接続が切れています。早速、ルーターの電源を何度も入れ直しますが、一向につながりません。ランプは正常なんです。ところがルーターに接続したWIFIアダプター経由ではインターネットに接続できることに気が付きます。ということはルーターは正常動作しています。ルーター以降でPCに接続しているのはネットワークハブだけです。ハブの電源を入れ直してみます。今までの不調が嘘のようにインターネットにサクサクつながるようになります。ハブが熱暴走していたようです。これで一件落着。サーバーも正常に動作しています。
やはり、1か月も家を空けると何かと不具合が起きるものです。
一応、自宅のインターネット環境が整ったところで、急に眠気に襲われます。成田から横浜への電車の中ではこんこんと眠っていましたが、そろそろ時差ボケかな。さあ、寝ましょう。

明日からはまた、7日間連続のコンサートです。時差ぼけなんて言ってられません。

ということで長かったヨーロッパ遠征もこれにて完了。

一昨年の6月から長期連載した旅の記事も完了します。長い間、お付き合いいただいた読者の方々には感謝です。1年9ヵ月に渡る長大な旅の記録でした。



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テーマ : ヨーロッパ
ジャンル : 海外情報

 

久しぶりの空路は人の助けにすがりながら・・・

2019年の旅の長期連載記事が終わったところで、久しぶりの旅に出ます。2年前に母が亡くなり、昨年はコロナ禍で一周忌もできず、今年こそは三回忌と郷里の九州に帰ります。
羽田空港に行くと何か閑散としています。

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思えば、空港に足を運んだのは一昨年の母の四十九日以来です。コロナ禍が一番蝕んだものの一つが空港ですね。欠航の便も多いようです。大雪のせいか、コロナ禍のせいか・・・。

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出発ロビーをsaraiと配偶者が歩いていると、ANAのお姉さんがささっと寄ってきて、何かお手伝いできることはありませんかと声を掛けてくれます。実はsaraiは先週来、足を痛めて、杖を突いて、よろよろと歩いていたんです。整形外科の見立てでは坐骨神経痛とのこと。ともかく、ANAのお姉さんに付き添われて、《お手伝いが必要なお客様》のブースに入ります。

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ここで車椅子を使うか、電動カートを利用するかという2択を提案されて、電動カートで運んでもらうことにします。搭乗ゲートは一番端だったので、電動カートで運んでもらうと助かりますね。配車されてきたカートに乗り込みます。

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電動カートのスタッフのお姉さんが巧みに運転しながら、搭乗ゲートに向かいます。人が歩くよりは少し早いくらいの安全速度です。今の状態のsaraiにとっては3倍くらいのスピードです。

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通路沿いには本来あるべきカフェも閉店して、さびしい状況です。

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搭乗時間になると、ANAのお姉さんが近づいてきて、saraiさんですね、最初にご案内しますから付いてきて下さいと言われて、優先搭乗。誰もいない機内に搭乗します。ANAのスタッフの方、そのご親切さと優しさに感謝します。無事に介助されて、席に着きます。

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離陸したA320がぐんぐん上昇し、雲の上に出ます。

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相変わらず窓に張り付いている配偶者が歓声を上げます。見て見て、富士山よ! 雲の上に雪が筋になった富士山が頭を出しています。

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さらに飛行すると、南アルプスの雪山の連峰が見えてきます。

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海を越えて、郷里の南九州に到着。

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明日は亡き母の三回忌です。



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束の間の日南海岸

昨日から母の三回忌で郷里の南九州に来ています。
郷里で忘れてはいけないのは、地元のラーメンを食べること。早速、宮崎ラーメンの老舗、宝来に駆け付けて、美味しくいただきました。夢中になって食べたために気が付いたときにはほとんど食べ終えていました。saraiはもやしラーメン、配偶者はラーメンをいただきました。50年以上も昔からの変わらぬ味に舌鼓を打ちます。

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宮崎ラーメンの特徴の一つ、沢庵食べ放題。脂っこいラーメンに宮崎の沢庵が合います。
宝来のご主人からは2年ぶりですねって、声を掛けられます。覚えてくれていて、嬉しいですね。多分、このお店の最古参の客の一人であるとsaraiは自任しています。次はいつ食べられるだろう。

宮崎の美しい景色も心に刻み付けておきましょう。姪っ子の車でミニドライブに出かけます。行くのはもちろん、日南海岸です。堀切峠に続くフェニックスドライブインからの海岸線の景色を眺めます。まずは知る人ぞ知る名物、ソフトクリームをいただきましょう。

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ここのソフトクリームは宮崎名物のマンゴー、日向夏の味もあります。

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さて、展望台から海岸線を見下ろすと、柱状節理、通称、鬼の洗濯岩が見えます。この日南海岸一帯に見られます。

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鬼の洗濯岩の先には、どーんと雄大な太平洋が広がります。

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海の景色を満喫したところでフェニックスドライブインのほうに戻ります。

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次に欠かせないのは青島です。青島の入口には宮交ボタニックガーデン青島という施設が整備されています。美しい緑が広がります。

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ガーデン内には巨大な熱帯植物温室があります。写真の右端に見えています。今日は時間がないので、パスしますが、熱帯植物が繁る必見スポットです。

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ガーデン内には花のタワーもあります。フォトスポットですね。

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青島神社への参道には修学旅行の生徒たちがいます。コロナ禍でも決行したんですね。頑張れ!

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観光地には付き物のフォトツアーもやっています。幸せの黄色いポストでお二人の明るい未来を願っているのでしょう。これも頑張れ!

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参道の先には橋の先に亜熱帯植物が繁る青島の姿が見えます。

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何と橋の向こうから観光バスがやってきます。橋はバス通行禁止の筈ですが・・・。橋を渡ってやってきたバスは有名な高級観光トレイン“ななつ星”のご一行です。うーん、特別待遇なんですね。saraiの財力では見果てぬ夢のトレインです。

ここから先は、痛む足のsaraiでは行くのに時間がかかり過ぎるようなので、配偶者を撮影者として派遣します。お願いします。

青島に渡る橋を過ぎると、鬼の洗濯岩の先に青島神社の赤い鳥居が見えます。

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赤い鳥居に向かいます。美しい散歩道です。昔、このあたりは新婚旅行のメッカでした。

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赤い鳥居です。このあたりで引き返します。

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鬼の洗濯岩です。独特の形状が見ものですね。ここでの磯遊びも楽しいです。以前、孫と蟹採りに興じたことを思い出します。

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撮影を終えた配偶者が急ぎ足で戻ってきます。

これで束の間の日南海岸巡りは終了。

明日の朝、郷里を後にします。しばらく、里帰りの予定はありません。ふるさとは遠きにありて、思うもの・・・



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テーマ : 国内、史跡・名勝巡り
ジャンル : 旅行

 

ドレスデン・プラハの旅、再アップをスタート・・・企画・準備編

無事に南九州での母の三回忌を終えて、今日、空路、もどってきました。足の痛みは相変わらずで、杖を突きながらのよろよろ状態が続いています。

 さて、今日の本題・・・

《ドレスデン・プラハの旅》の再アップを今日から開始します。三日前に、2019年の旅の長期連載記事が完了しました。コロナ禍のために次のヨーロッパ遠征のめどが立ちません。そこで過去のブログ記事を再アップすることにします。

《ドレスデン・プラハの旅》は2008年5月の連休を利用したヨーロッパ遠征でした。14年ほど前の旅です。当時のsaraiはまだ、定年男ではなく、現役で働いていました。で、毎年、5月の連休を利用したヨーロッパ遠征を続けていました。もちろん、愛妻と二人の旅でしたが、この年だけは、saraiの姉と一緒の3人旅。初めてのドレスデン、初めてのプラハを訪ねる旅でした。saraiの誕生日は5月1日ですから、毎年、ヨーロッパでハッピーバースデーというのが習慣になっていましたが、この時は5月1日に旅立ったので、ヨーロッパに向かう飛行機の機内でハッピーバースデーでした。在職中でしたから、8日間という、とても短い旅でした。
既にお読みの方(あまり、いないと思いますが)も再度、新編集の記事をお読みくださいね。

まずは旅の企画・準備編です。

旅の準備作業はスターアライアンスのマイル特典航空券をゲットすること。この頃は毎年、マイルを貯めて、航空券は無料でゲットしていました。saraiは仕事で出張も多く、たんまり、マイルが貯まっていました。
スターアライアンスの特典航空券は330日前からの予約になります。で、saraiも抜かりなく、その当日、予約開始時間ぴったりに電話して、貯めてきたANAのマイルを使って、5月連休の特典航空券をゲットします。

 行き:5月1日 成田発、フランクフルト行き(ANA)
 翌日:5月2日 フランクフルト発、ドレスデン行き(ルフトハンザ航空)
 帰り:5月7日 プラハ発、フランクフルト乗換え、成田行き(ルフトハンザ航空+ANA)

夫婦2人分で計12万マイルです。
航空券が無料はよいのですが、燃油特別付加等で2人で7万円弱とられます。

旅行の詳細は今後1年かけて、じっくり練るとして、今回の目的は2つです。

・ドレスデン+ライプツィヒ:旧東ドイツの古都巡り。音楽の街でもありますから、オペラも楽しみます。特にドレスデンのゼンパーオーパーは楽しみです。

・プラハ:かつて東側の国チェコの首都で古くはハプスブルクの古都。初めての訪問とは言え、テレビの旅番組では何度も見た街です。観光のポイントも多く、特にカレル橋への憧れを感じています。

なお、saraiは5月1日が誕生日で、この旅で3年連続、ヨーロッパでのハッピーバースデーです。


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テーマ : ヨーロッパ
ジャンル : 海外情報

 

ドレスデン・プラハの旅(企画・準備編):仮の日程プランとホテル予約

2008年5月の《ドレスデン・プラハの旅》。とりあえず、ANAのマイルを使って、スターアライアンスのマイル特典航空券をゲットして、ヨーロッパ往復の足だけを確保したところです。
旅の日程が迫ってきて、そろそろ、旅の準備を始めます。

今決まっているのは往復の航空券のみ。

 行き:5月1日 成田発、フランクフルト行き(ANA)
 翌日:5月2日 フランクフルト発、ドレスデン行き(ルフトハンザ航空)
 帰り:5月7日 プラハ発、フランクフルト乗換え、成田行き(ルフトハンザ航空+ANA)

これらの航空券は120000マイルのANAのマイルを使って、スターアライアンス特典航空券を夫婦2人分ゲットしたものです。

次に既に決めているのはライプツィヒ歌劇場での5月4日のオペラ鑑賞とドレスデンのゼンパーオーパーでの5月5日のオペラ鑑賞です。ネットの予約サイトに楽勝でチケットを入手しました。いずれも2列目の中央という素晴らしい席です。今回は今、実力最高のコロラチューラ・ソプラノのエディッタ・グルベローヴァが出演するゼンパーオーパーのドニゼッティ『ルチア』が超楽しみです。それにいずれもチケット料金が8000円と超格安。

 ライプツィヒ歌劇場 ヴェルディ 歌劇「ルイザ・ミラー」
 ゼンパーオーパー ドニゼッティ 歌劇「ランメルムーアのルチア」


次はホテルの予約です。トランジットのフランクフルトで一泊。その後、ドレスデンで4泊。最後にプラハで一泊します。
ということですが、とりあえず、仮の日程を立ててみました。

 5月1日(木):フランクフルトに夕方到着し、フランクフルト観光し、フランクフルト泊。
 5月2日(金):フランクフルトで朝少し遊び、お昼のフライトでドレスデンに飛び、午後はドレスデン観光し、ドレスデン泊。
 5月3日(土):エルベ川クルーズとドレスデン観光。ドレスデン泊。
 5月4日(日):鉄道でライプツィヒを往復し、ライプツィヒ観光とライプツィヒ歌劇場でオペラ。ドレスデン泊。
 5月5日(月):モーリッツブルグ城を訪れ、夜はゼンパーオーパーでオペラ鑑賞。ドレスデン泊。
 5月6日(火):朝、ドレスデンからプラハへ鉄道で移動。お昼からプラハ市内観光。プラハ泊。
 5月7日(水):プラハ市内観光。夕方遅くのフライトでフランクフルト経由で帰国。

とりあえず、上記の日程でフランクフルト、ドレスデン、プラハのホテルに予約を入れました。
ホテルの選定はネットの予約サイトを使いましたが、いずれも初めての街なので治安のよさそうなエリアのホテルを優先。料金は我が家のルール、2人で一泊100ユーロ以内を厳守。

まず、フランクフルトですが、フランクフルト中央駅の周りにホテルが多いようですが、治安がよくないという情報もあり、街の中心地、ハウプトヴァッヘHauptwacheのSバーン駅近くのホテルにします。レーマー広場や大聖堂も歩いてすぐです。

 ホテル ツェントルム アン デア ハウプトヴァッヘ(Hotel Zentrum An Der Hauptwache

次はドレスデン。ドレスデン中央駅にもそこそこ近く、街の中心地へもトラムのアクセスのよい、キッチンや食卓付きのアパートメント形式のホテルを選択します。4泊するので、ゆったり過ごせるでしょう。

 アーティス スイート ホテルArtis Suite Hotel

最後はプラハ。ここもプラハ本駅近くは治安が悪いという情報があります。ドレスデンからの列車の停車駅、ホレショヴィツェ駅から歩いてすぐのところにあるデザインホテルを選びます。若干、宿泊料が基準の100ユーロを超えますが、一泊なので贅沢しましょう。

 アブソルート ホテル プラハAbsolut Design Hotel


いずれにせよ、旅の楽しみはこのプラン作りと旅の手配のあたりから始まります。悩ましいけど、楽しい!!



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テーマ : ヨーロッパ
ジャンル : 海外情報

 

モーツァルト青春のシンフォニーと天国的なグラスハープの世界:モーツァルト・マチネ 第48回@ミューザ川崎シンフォニーホール 2022.3.6

まず、映画の《アマデウス》でもお馴染みの交響曲第25番と第29番。東響の少人数に絞り込まれた弦楽アンサンブルの素晴らしい響きがホールにこだまします。第25番はシュトルム・ウント・ドランクの影響を受けている作品と解説されていますが、なんのなんの、とりわけ、第1楽章はヴィヴァルディを思わせるイタリアの澄み切った音楽そのものではないですか。イタリアに旅したモーツァルトが体得したイタリアの響きを自分の音楽として展開したものです。指揮の井上道義は独自の解釈で素晴らしい音楽を聴かせてくれます。速いテンポで引き締まった音楽を一糸乱れぬアンサンブルで演奏していきます。時折、荒木奏美のオーボエ独奏がのどかで哀愁のある響きを聴かせてくれます。17歳のモーツァルトの青春の光り輝く天才ぶりを存分に味わわせてくれました。第2楽章は一転して、天国的な音楽にうっとりします。ここでも弦楽のアンサンブルが美しい響きを聴かせてくれます。第3楽章と第4楽章はまた速いテンポで心地よい音楽が歌い上げられます。
第29番も同様に弦楽の素晴らしい響きで美しい音楽が奏でられます。第25番以上に素晴らしい演奏に心躍ります。井上道義の指揮がぴたっとはまった感じです。期待以上の素晴らしいモーツァルトの音楽に大満足でした。

2つの交響曲にはさまれて、珍しい室内楽、《グラスハーモニカのためのアダージョとロンド》が演奏されました。グラスハープ、フルート、オーボエ、ヴィオラ、チェロの構成の五重奏曲です。原曲はグラスハーモニカですが、今日はグラスハープで演奏されます。saraiにはほとんど、その響きの違いが分かりません。発音原理は同じなので極めて似た響きです。この曲は初めて聴きますが、晩年のモーツァルトとは思えないような透明感に満ちた美しい作品です。グラスハープの奏でる音楽はおぼろげな響きが魅惑的で幻想的に感じます。一方、フルートとオーボエの明快な音楽は天国的にも思える響きで魅了されます。若い頃のモーツァルトの響きを感じさせます。相澤政宏のフルートと荒木奏美のオーボエの美しい響きが見事です。音楽は終始、グラスハープとフルート、オーボエが協奏的に響き合い、ヴィオラとチェロが通奏低音的に支えるという構図で進行します。なんとも美しい音楽にうっとりするのいです。

モーツァルト・マチネならではの選曲のコンサートにこれ以上ない満足感を味わいました。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:井上道義
  グラスハープ:大橋エリ
  フルート:相澤政宏(東京交響楽団首席フルート奏者)
  オーボエ:荒木奏美(東京交響楽団首席オーボエ奏者)
  ヴィオラ:西村眞紀(東京交響楽団首席ヴィオラ奏者)
  チェロ:伊藤文嗣(東京交響楽団首席チェロ奏者)
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:廣岡克隆

  <オール・モーツァルト・プログラム>

  交響曲 第25番 ト短調 K.183(173dB)

  グラスハーモニカのためのアダージョとロンド ハ短調 K.617
  (グラスハープ:大橋エリ、フルート:相澤政宏、オーボエ:荒木奏美、ヴィオラ:西村眞紀、チェロ:伊藤文嗣)

  交響曲 第29番 イ長調 K.201(186a)

   休憩なし


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目、3曲目のモーツァルトの交響曲 第25番、第29番を予習したCDは以下です。

 ジェイムズ・レヴァイン指揮ウィーン・フィル 1985年6月 ウィーン セッション録音

第34番以前のモーツァルトの交響曲を聴くのは、このジェイムズ・レヴァインとウィーン・フィルのコンビの演奏が最高です。若きレヴァイン、と言ってももう42歳でしたが、彼の明るい感性と名門ウィーン・フィルの実力がマッチして、勢いにあふれた演奏が繰り広げられます。レヴァインは昨年の3月9日に亡くなりました。3日後が最初の命日です。


2曲目のグラスハーモニカのためのアダージョとロンドを予習したCDは以下です。

 ブルーノ・ホフマン(glass harp), オーレル・ニコレ(fl), ハインツ・ホリガー(ob), カール・ショウテン(va), ジャン・デクロース(vc) 1977年1月、アムステルダム セッション録音

名人たちの饗宴です。実に見事な演奏に聴き惚れます。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

ドレスデン・プラハの旅(企画・準備編):日程の詳細プラン

2008年5月の《ドレスデン・プラハの旅》。往復の航空券とオペラのチケット、ホテルの予約は済ませました。
そろそろ、日程の詳細を詰めていきましょう。

まず、1日目はフランクフルトに到着します。到着するのが午後4時半ですから、そのまま、ドレスデン行に乗り換えてもいいのですが、トランジットは24時間以内でいいんです。フランクフルトを出発するのは翌日の12時にして、その間、ほぼ1日弱、フランクフルト観光を楽しみます。いつもフランクフルトはトランジットするだけで素通りでしたから、初めてのフランクフルト訪問になります。
到着した日の夕方~夜、そして、翌日の早朝を使って、フランクフルト観光をします。今のところ、観光するポイントの候補は以下です。

 大聖堂(9時~12時、14時半~18時)
 パウルス教会(10時~17時)
 カタリーナ教会(14時~18時)
 ゲーテハウス(10時~18時)
 レーマー(10時~13時、14時~17時)

到着した日は内部を見物するのは難しそうですね。外から見るだけになります。
翌日の早朝は以下の散策を検討しています。

 ゲーテ通り(ブランドショップ通り)
 アルテ・オーパー
 公園散歩(ベートーベン像、シラー像、ゲーテ像)

2日目はフランクフルトからドレスデンに移動します。ドレスデン到着は午後1時頃です。この日はドレスデンの街の偵察とオペラのチケット受け取りを行い、以下の観光を考えています。

 ツヴィンガー宮殿(アルテマイスター・陶磁器コレクション、10時~18時)

3日目は終日、ドレスデン観光です。

 エルベ川のクルーズ旅(ドレスデン⇒ピルニッツ宮殿)
  ピルニッツ宮殿(エルベ川観光船(1.5時間)か、トラム+渡し船)
 フラウエン教会(10時~12時、13時~18時)
 ドレスデン城(君主の行列・緑の丸天井10時~18時)
 クンストホーフ・パッサージュ
 ブリュールのテラス

4日目は鉄道でライプツィヒを往復し、終日、ライプツィヒ観光です。
往復の鉄道チケットはネットで購入済。ICEの鉄道旅を楽しみます。
 ドレスデン発7時55分発⇒ライプツィヒ9時7分着
 ライプツィヒ発20時51分発⇒ドレスデン22時02分着

ライプツィヒ観光の訪問先の候補は以下です。

 聖トーマス教会(ミサ9時30分)
 ニコライ教会
 旧市庁舎
 メンデルスゾーン・ハウス
 ファインアーツ美術館
 メードラー・パサージェ

特にバッハの聖地、聖トーマス教会での日曜ミサを楽しみにしています。このミサの時間に間に合うように朝早い時間のICEに乗ります。ベルリンの壁崩壊への端緒になったニコライ教会も見逃せません。
観光の途中でオペラ鑑賞も予定しています。

 ライプツィヒ歌劇場:ルイザ・ミラー15時~

ライプツィヒではグルメも楽しみましょう。

 昼食:カフェ・バウム
 夕食:アウアーバッハス・ケラー

5日目は終日、ドレスデン観光ですが、少し、郊外に出かけます。

 モーリッツブルグ城
  S-bahn10時発⇒Radebeul Ost駅10時15分着、10時26分発⇒Moritzburg駅10時53分⇒徒歩(バスもある)で15分でモーリッツブルグ城
  Moritzburg駅13時33分発⇒Radebeul Ost駅14時着、14時10分発⇒14時28分着

モーリッツブルクにはSLも走っているようなので、できれば乗ってみたいものです。夜はオペラを鑑賞するので、早めに戻ってきましょう。

 ゼンパーオーパー:ルチア19時30分~


6日目は鉄道でプラハに移動します。既に鉄道チケットはネットで購入済。

 ドレスデン中央駅9時10分発⇒プラハホレショビッチェ駅11時18分着

ホテルに荷物を置いた後、プラハ観光。旧市街の観光ポイントは以下が候補です。

  ヴァーツラフ広場
  ミュシャ美術館(10時~18時)
  旧市庁舎(9時~18時)
  聖ミクラーシュ教会(9時~19時)
  ゴルツ・キンスキー宮殿(10時~18時)
  ティーン聖母教会(10時~18時)
  聖アネシュカ修道院(10時~19時)

プラハではグルメも楽しみます。

 昼食:ヴァーツラフ広場のカフェ・エブロバ
 お茶:市民会館内のカフェ・オベツニー・ドゥーム
 夕食:旧市街広場のスタロムニェストスカー(日本語メニューあり) 

7日目は最終日。夕方遅く(17時50分発)にはフランクフルト経由で帰国便に乗ります。それまでは終日、プラハ観光の続きです。プラハ城周辺を歩きます。
 
 カレル橋  
 フラチャニ広場
 プラハ城(9時~18時)
 聖ヴィート大聖堂(9時~17時)
 王宮美術館(9時~18時)
 聖イジィー修道院(9時~17時)
 黄金の小路(9時~18時)
 ストラホフ修道院(9時~12時、13時~17時)
 ベルヴェデーレ宮殿
 ペトシーン・タワー(10時~22時)

最後のグルメを楽しみます。

 昼食:ロブコブィッツ宮殿内のレストラン


8日目は成田空港に14時50分に帰着します。これでおおよそのプランは固まります。鉄道のチケットも購入し、準備は万全かな・・・。



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テーマ : ヨーロッパ
ジャンル : 海外情報

 

諸井三郎、大いなる嗚咽と清廉なカタルシスの音楽を山田和樹&読売日本交響楽団が圧巻の演奏@サントリーホール 2021.3.8

諸井三郎、こんな凄い作曲家が日本にいたんですね。今まで知らなかった己を恥じるのみです。第2次世界大戦の末期という限界状況で書かれたことをまざまざと感じさせる凄い作品です。精神的な根っこの部分でバルトーク、それもあの傑作《弦と打とチェレスタのための音楽》を連想してしまいます。第1楽章の冒頭で弦楽セクションが同じ旋律を繰り返して演奏する部分の極度の緊張感はバルトークの名作と並び立ちます。それ以降は高い緊張感を保ちつつ、まるで、スクリャービンのごとき世界に変身していきます。それにしても、山田和樹のここまでの突っ込み方は初めて聴きました。読響の演奏も絶品です。透明感がありながら、和声の厚みもある素晴らしい演奏です。第1楽章は圧倒的な熱度の中、ありえないような高揚感に包まれて終わります。聴いているsaraiもぐったりするほどの音楽的な容量で、ここまでで全曲が終わってもおかしくないほどです。第2楽章も緊張感と熱度を維持しつつ、リズミカルな音楽が諧謔的に繰り広げられますが、いつしか、音楽は狂奔していきます。またしても異常な高潮感のうちに終わります。第3楽章は一転して、静かで瞑想的な祈りの音楽が始まりますが、やがて、熱く高揚していきます。読響の弦楽セクションが対位法的な展開の音楽を素晴らしいアンサンブルで聴かせてくれるあたりから、次第に清廉なカタルシスの音楽に変容していきます。いつしか、パイプオルガンの響きが圧倒的に響き渡ります。瞑想とカタルシスは一筋の希望への光なのか、絶望感の裏返しなのか、狂奔する精神の圧倒的な高まりの中、この巨大な音楽は完結します。不思議な感動が体の中を貫きます。決して日本的な音楽ではありませんが、日本人の魂の根幹に根ざすような何かを感じ、強い共感を覚えました。山田和樹の指揮、音楽解釈は特に第3楽章でその非凡な才能を発揮していたと思います。そして、全曲、読響はその実力の凄さを発揮して、見事な演奏を聴かせてくれました。

日本人作曲家の作品では、一昨年、小菅優と東響が素晴らしい演奏を聴かせてくれた矢代秋雄のピアノ協奏曲が最高と思っていましたが、この諸井三郎の交響曲第3番はそれを凌ぐ素晴らしい作品で、ショスタコーヴィチ、バルトーク、スクリャービンらの作品と並び立つ大傑作だと思えます。ただ、この日本的な感性が西欧人に理解されるかはよく分かりません・・・。

今日のコンサートの前半に触れませんでしたが、後半の凄い演奏を聴いた上で、あえて触れる必要はないでしょう。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:山田和樹
  ヴァイオリン:小林美樹
  管弦楽:読売日本交響楽団  コンサートマスター:長原 幸太

  ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
  コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
   《アンコール》武満徹:めぐり逢い

   《休憩》

  諸井三郎:交響曲第3番


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のドビュッシーの牧神の午後への前奏曲は以下のCDを聴きました。

  フランソワ=グザヴィエ・ロト指揮レ・シエクル 2018年1月 フィルハーモニー・ド・パリ セッション録音

ロトの才能が冴え渡る素晴らしい演奏。この耳慣れた名曲が新鮮に感じられます。


2曲目のコルンゴルトのヴァイオリン協奏曲は以下のCDを聴きました。

 アンネ=ゾフィー・ムター、アンドレ・プレヴィン指揮ロンドン交響楽団 2003年10月 ロンドン セッション録音
 
ムターの妖艶とも思えるヴァイオリンが全編に渡って響き渡ります。こういうコルンゴルトを聴いてしまうともう、ほかの演奏は聴けません。予習にはいけなかったかもしれません。ムターの剥き出しの感性が心に迫ってきます。


3曲目の諸井三郎の交響曲第3番は以下のCDを聴きました。

 湯浅卓雄指揮アイルランド国立交響楽団 2002年9月 セッション録音
 
第1楽章と第2楽章は恐るべき精度と緊張感に満ちた演奏で心が震撼とさせられます。第3楽章は何故か、抑えた演奏で、もうひとつ、分かりにくい演奏です。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

ドレスデン・プラハの旅、スタート!

2008年5月1日木曜日~5月8日木曜日@ドレスデン~ライプツィヒ~プラハ

今年(2008年)の5月の連休の旅の記録を報告します。既に今回の旅は事前の企画・準備状況は報告済ですが、これからはいよいよ、旅の詳細の報告になります。よろしくお付き合いくださいね。では、始まり、始まり・・・

今年も我が家恒例の5月の連休をフル活用したヨーロッパを巡る美術とオペラを楽しむ旅に出かけます。日程は5月1日~8日です。今年の連休はうまくお休みがつながりませんでしたが、何とか無理に8連休にして、出発することにしました。

今回の旅のテーマはドレスデンDresdenとライプツィヒLeipzigとプラハPrahaです。いずれも初めての訪問地です。もちろん、オペラが主目的です。オペラ2回の予定です。

まずは旅のルートを地図で確認しておきましょう。

成田空港から出発して、ANAでフランクフルトに夕方4時過ぎに到着。街歩きを楽しみます。1泊して翌日、早朝散策の後、お昼に、空路でドレスデンに移動します。
ドレスデンが今回の旅の主要目的地です。途中、ライプツィヒにも遠征します。
ドレスデンの後は鉄道でプラハに移動。その日と翌日、プラハの旧市街の観光を楽しみます。
最後はプラハからフランクフルト経由でANAで成田空港に戻ります。

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さあ、旅に出かけましょう! 自宅のある横浜は気持ちよく晴れ渡っています。成田空港までは横浜から朝一番の成田エキスプレスに乗車します。順調に9時過ぎには成田空港に到着。
今年の連休は上述したように休みがうまくつながらないせいか、成田空港はあまり混雑していなくて、チェックインから出国までスムーズに進み、かえって拍子抜けするほどです。搭乗時刻まで余裕があり過ぎて、時間をもてあまします。

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今回の旅の最初の目的地はドレスデンですが、日本からの直行便はないので、フランクフルトFrankfurt経由にします。今回は久し振りにANAにしたので、フランクフルトに夕方4時過ぎに着きます。すぐにトランジットして、ドレスデンに向かうか、あるいは列車に乗り換えても、その日のうちに着くことは可能なので、少し悩みましたが、結局、少し、フランクフルトで遊んで行こうと思い、ANAのお姉さん(マイル特典航空券の受付)に無理を聞いてもらい、翌日のお昼の便でドレスデンに向かうことにしました。翌日とは言え、24時間以内の乗り換えなのでトランジット扱いになります。これまた、成田空港でのチェックインでANAのお姉さんと交渉し、預けた荷物はフランクフルトで受け取らずに直接ドレスデンでの受け取りにしてもらいます。フランクフルトでの滞在時間は短いので、身軽に行動したいですものね。

さて、ANAのフライトですが、なかなかサービスが良いです。機内食も美味しく、デザートにアイスクリームが出たのにはちょっとビックリです。
これが飛び立ってすぐの食事です。一つは洋食。

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これは和食。

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saraiと配偶者はいつものようにシェアして両方の味を楽しみます。

機内でフライトアテンダントのお姉さんと話が弾み、今日がsaraiの誕生日だと言うと、後でサプライズで祝ってもらいます。
これがメッセージカード。

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このメッセージカードはこの飛行機、ジャンボジェットの絵葉書です。(この時代は国際線はほとんどジャンボジェットでした。今(2022年)になると懐かしい。)

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なお、バースデープレゼントもいただきます。プレゼントはピカチュウのぬいぐるみ(笑)。

順調に飛行は続き、ヨーロッパの上空にさしかかります。うつらうつらしているところを起こされて、また、食事です。これは1種類だけです。

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あと30分ほどでフランクフルトに到着です。眼下には美しいドイツの平原が見えています。

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午後4時過ぎに定刻でフランクフルト空港に到着。ここでドレスデンへのトランジットです。今日と明日の午前中はここで過ごします。フランクフルトはトランジットで何度もきていますが、街自体を見るのは初めてです。そのため、ホテルも町の中心地にとり、旧市街をコンパクトに見て回ることにしました。まずはSバーンの電車で空港からホテルのある町の中心に向かいます。
フランクフルトは中央駅と旧市街が少し離れていることと中央駅付近の治安があまりよくないとのことで、ハウプトバッハHauptwache駅にすぐ近くのホテルにしたんです。ハウプトバッハは空港地下駅からSバーンで15分ほどで直接アクセスできて、中央駅付近(ホテルはこのあたりが多い)と同じくらい便利です。空港駅でまず自動販売機でチケットを購入しようとします。3人連れなので、チケットを3枚、1度に買おうとしますが、どうしても操作が分からず、結局、1枚ずつ購入。後で考えると、ボタンを3回押せばよかったのではと思います。

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これが購入した鉄道チケット。一人3.6ユーロ。なお、ICやICEには乗ることができないチケットです。

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空港地下駅のSバーンのホームで電車を待ちます。あと3分で電車が到着します。

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もたもたしながらも無事にSバーンの電車に乗車。大きな荷物はドレスデンで受け取りですから、身軽に電車に乗ります。

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乗車後、すぐに車掌さんが周ってきて、チケットのチェックがあったので、ちゃんと購入しておいて正解。自動販売機では小額紙幣しか使えないので、あらかじめ、10ユーロ札を多めに持っていたほうがいいですね。

いよいよ、今回の旅が始まったという実感で気持ちが高揚します。ワクワク感満載のヨーロッパの旅を楽しみましょう。



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テーマ : ヨーロッパ
ジャンル : 海外情報

 

ベートーヴェン、バルトーク、バエスのバガテル尽くし、おまけにクープラン 仙人の如き演奏に感銘 高橋悠治ピアノ・リサイタル"Bのバガテル"@浜離宮朝日ホール 2022.3.10

高橋悠治のピアノ、初めて聴きました。いつか聴きたいと思っていました。彼は何と言うか、ピアノの達人というか、それより、仙人と言ったほうがいいかもしれません。こういう人のピアノ演奏について語るのは何か野暮な気がします。ピアノは何故かベーゼンドルファー。Bösendorferの字が金色に輝いています。こういうベーゼンドルファーは初めて見ました。そのベーゼンドルファーから高橋悠治は美しい響きを取り出します。それでいて、あまりに響かせ過ぎずにまさに仙人のような演奏です。とても80歳を超えているとは思えない自在な演奏です。枯れるべきところは枯れて、それでいて、ちゃんと色気はあるという熟達した演奏。ベートーヴェンの最後のピアノ曲、6つのバガテルは美しくもあり、茶目っ気もあり、透徹したところもあるという演奏。技術的には、たどたどしいところもありますが、溜めの効いた演奏にもなっています。即興性も失っていないので、一期一会の演奏の風情もあります。ベートーヴェンを弾き終わったところで、マイクを手に取り、講義が始まります。言葉が聞き取りにくいのもどこか仙人の風情。
次はフィリピンの現代作曲家のジョナス・バエスの作品。演奏はあっけにとられるような素晴らしいものです。現代音楽の生きた化石と言ったら失礼かもしれませんが、彼の自在な演奏は完璧です。まあ、バロックから現代まで、歴戦の勇士である高橋悠治は無敵の感です。これはジョン・ケージやクセナキスの凄い演奏も聴いてみたくなります。
休憩後、最後はバルトークの14のバガテル。予習で聴いたコチシュは足元にも及ばないような熟成した演奏です。3曲弾いたところでマイクをとって解説するなどは普通はご法度でしょうが、まるで、大学で講義を聞いているような気になります。バルトークの追跡(パシュート)や夜の風情などを盛り込みながら、圧巻の演奏です。もちろん、この曲を実演で聴くのは初めてです。貴重な演奏でした。
アンコールはバガテルを初めて作曲したクープランのバガテル。2段鍵盤のクラブサンの曲なので、ピアノで弾くのは超難しそうですが、素晴らしいクープランでした。

うーん、凄い演奏を聴いてしまったかもしれません。また、彼の演奏を聴く機会はあるでしょうか。バッハのゴルトベルク変奏曲、聴きたいな・・・。


今日のプログラムは以下です。

  高橋悠治ピアノ・リサイタル
   "Bのバガテル"

  ピアノ:高橋悠治
 
  ベートーヴェン:6つのバガテル Op.126
  ジョナス・バエス:5つのバガテル

  《休憩》

  バルトーク:14のバガテル

  《アンコール》
   クープラン:クラヴサン組曲第2集より バガテル

最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のベートーヴェンの6つのバガテルを予習したCDは以下です。

 アンドラーシュ・シフ(フォルテピアノ) 2012年7月9-10日、ボン、ベートーヴェン・ハウス セッション録音
 アルフレッド・ブレンデル 1996年9月、ロンドン セッション録音

シフはベートーヴェン・ハウスのフォルテピアノ(1820年頃製造)を使用した演奏で、実に質素な響き。ベートーヴェンの時代にはこういう響きだったんですね。一方、ブレンデルは実に豊かな響きで美しい演奏です。


2曲目のジョナス・バエスの5つのバガテルはCDが見つからず、予習は断念。


3曲目のバルトークの14のバガテルを予習したCDは以下です。

 ゾルタン・コチシュ 1991年6月 セッション録音

コチシュのバルトークのピアノ作品集からの1枚です。美しい響きで安定した演奏です。まあ、本場ものですからね。本当はシフの演奏が聴きたいところです。



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テーマ : クラシック
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フランクフルト散策:ハウプトヴァッヘ~レーマー広場

2008年5月1日木曜日@フランクフルト/1回目

今年の旅、ドレスデンDresdenとライプツィヒLeipzigとプラハPrahaに向けて、出発し、トランジットの地、フランクフルトFrankfurtに着いたところです。今日はここで1泊し、少し遊んでいきます。

まずはフランクフルト空港Flughafen Frankfurt am Mainの空港地下駅(フランクフルト空港近距離駅)Frankfurt (Main) Flughafen RegionalbahnhofからSバーンの電車に乗って、旧市街の中心近くのハウプトヴァッヘHauptwache駅に向かいます。郊外を走っていきます。途中駅を過ぎていきます。

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やがて、ハウプトヴァッヘ駅に到着したと思い、下車しますが、どうも様子がおかしい。さては初めての街で早速、トラブルか?と思いますが、落ち着いて調べると、ここでOK。もっと、駅名の表示を分かりやすくしてもらいたいものです。
駅を出ると、とても大きな広場に出ます。ラーテナウプラッツRathenauplatzです。広場の中央に大きな銅像が見えます。

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フランクフルトで生まれた大文豪、ゲーテの銅像です。高層ビルに囲まれて、立っています。時代ですね。

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さて、駅前のホテルをチェックしておきましょう。ゲーテ像のあるゲーテ広場Goetheplatzを通り過ぎて、ロスマルクト通りRoßmarktを歩いていくと、今日泊まるホテル、ホテル ツェントルム アン デア ハウプトヴァッヘHotel Zentrum An Der Hauptwacheの前に出ます。

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まだ、5時半くらいです。ラッキー!! 早く着いたので、ホテルにチェックインする前に駅近くのブランドショップ街(ゲーテ通りGoethestraße)で買い物をすることにしましょう。このフランクフルトの後に訪れるのはドレスデンなので、ブランドショップでの買い物は望み薄だからです。
駅前には、駅名の由来ともなった、かつてここに実在していた警護所ハウプトヴァッヘHauptwacheがあります。現在はカフェ・ハウプトヴァッヘCafe Hauptwacheとして賑わっています。その右手には、カタリーナ教会Katharinenkircheがあります。この教会はゲーテが洗礼を受けた教会として知られています。

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これがハウプトヴァッヘの全容です。1729年に建築されたゴシック様式の建物は警護本部としてだけでなく、実は監獄としても利用されました。1905年からはカフェとして使われています。

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これがカタリーナ教会の全容です。14世紀に修道院の礼拝堂として建てられて、後にプロテスタントの教会として使われるようになりました。

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ブランドショップ街のゲーテ通りに到着。ところが、あれっ!!もう、軒並み閉まってるよ!!ドイツはこんなに早く店が閉まるの。でも、成田空港で聞いたときの話では7時頃まで開いているってことだったのに。それとも、今日は木曜日で休みなのか・・・なんて話しているうちに気がつきました。そうだ。今日は僕の誕生日だった!(誕生日は5月1日)。ヨーロッパはいつもメーデーはみんなお店が休みなんです。去年の南仏も交通機関が列車を除いて、すべて、ストップして、バスまで全部運休。すっかり、頭から離れていました。日本では最近、メーデーって、やらないですもんね。
そのあと、さっきその前を通り過ぎた駅前のホテル(ホテル・ツェントルムHotel Zentrum An Der Hauptwache)に無事チェックイン。

チェックイン後、気を取り直して、街を散策することにします。この日の夜はレーマー広場やゲーテ記念館やマイン川を散策します。夜と言っても、今は9時ころまでは明るいですから、申し分なく、散策できます。
ハウプトヴァッヘからレーマー広場Römerbergに向かって歩きます。途中、リープフラウエン教会Liebfrauenkirche前の小さな噴水のある広場にメリーゴーランドがあります。ヨーロッパの人はメリーゴーランドが好きですね。

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この広場からノイエ・クレーメ通りNeue Krämeに抜けていきます。この辺りはとても賑わっています。

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ノイエ・クレーメ通りを進むと、ベルリナー通りBerliner Straßeにぶつかります。

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ベルリナー通りの先には、パウルス広場Paulsplatzがあります。

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広場に建っている大きな教会はパウルス教会Paulskircheです。この教会はプロテスタントの教会でその煉瓦で造られた景観は街のランドマークになっています。

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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レーマー広場はもうすぐです。



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テーマ : ヨーロッパ
ジャンル : 海外情報

 

中村恵理、ラヴェルへの挑戦はいかに 沼尻竜典&東京交響楽団@サントリーホール 2022.3.12

中村恵理、いつもの美声を聴かせてくれましたが、フランス歌曲はまだ、これからのようです。歌曲はどれもそうですが、その言語の持つニュアンスは発音も含めて、表現が難しいですね。特にフランス語は美しい発音が必須です。予習で聴いたヴェロニク・ジャンスの美しいフランス語が頭に残っていたので、残念ながら、中村恵理の歌唱には違和感を持ちました。まるでプッチーニのオペラを聴いている感じです。声の響きは素晴らしかっただけに残念というしかありません。来週は新国立劇場でオペラ《椿姫》のヴィオレッタを彼女の歌唱で聴くので、それに期待しましょう。

ラヴェルの「ダフニスとクロエ」は東響の美しいアンサンブルに聴き惚れました。沼尻竜典の熱い指揮もなかなかでした。とりわけ、終盤の盛り上がりには耳をそばだてました。ダッタン人の踊りみたいなところの迫力は圧巻でした。新国立劇場合唱団の合唱も相変わらず、見事でした。ラヴェルの代表作である「ダフニスとクロエ」、一昨年のロト指揮都響の凄い演奏には及ばないにしても、とても健闘した演奏に感銘を受けました。
冒頭のラヴェルの組曲「マ・メール・ロワ」も美しい演奏でしたね。ラヴェル尽くしのプログラム、意欲的でよかったです。

今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:沼尻竜典
  ソプラノ:中村恵理
  合唱:新国立劇場合唱団(合唱指揮:冨平恭平)
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:グレブ・ニキティン

  ラヴェル:組曲「マ・メール・ロワ」
  ラヴェル:歌曲「シェエラザード」

  《休憩》

  ラヴェル:「ダフニスとクロエ」(全曲)


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のラヴェルの組曲「マ・メール・ロワ」を予習したCDは以下です。

  フランソワ=グザヴィエ・ロト指揮レ・シエクル 2016年10月31日/フィルハーモニー・ド・パリ&11月2日/ロンドン、サウスバンク・センター&11月4日/シテ・ド・ラ・ミュジーク・ド・ソワソン ライヴ録音

このロトの録音は組曲版ではなく、バレエ音楽全曲です。今回、saraiが勝手に組曲版の構成に抜き出して、聴きました。流石にロトのラヴェルは素晴らしいです。第5曲の盛り上がりたるや、凄まじいものです。


2曲目のラヴェルの歌曲「シェエラザード」を予習したCDは以下です。

  ヴェロニク・ジャンス、ジョン・アクセルロッド指揮フランス国立ペイ・ドゥ・ラ・ロワール管弦楽団 2009年9月25日、2010年10月26-28日 ナント、ラ・シテ・サル2000  ライヴ録音

ヴェロニク・ジャンスのフランス語の発音の美しいこと、うっとりします。まるで語るような歌い方も見事です。ラヴェルの歌曲がこんなに美しいとは知りませんでした。それにしてもジャンスは素晴らしい。彼女のフランス歌曲にはまってしまいそうな予感がします。


3曲目のラヴェルの「ダフニスとクロエ」(全曲)を予習したCDは以下です。

  フランソワ=グザヴィエ・ロト指揮レ・シエクル、アンサンブル・エデス 2016年 フィルハーモニー・ド・パリ、シテ・ド・ラ・ミュジーク・ド・ソワソン、コンピエーニュ帝国劇場、セナール劇場、アミアン・カルチャーセンター(以上、フランス)、ライスハレ(ハンブルク)、スネイプ・モルティングス・コンサートホール(オールドバラ) ライヴ録音

ロトの伝説的名演です。これを聴かずして、ラヴェルは語れません。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       中村恵理,  

フランクフルト散策:中世を偲ぶレーマー広場

2008年5月1日木曜日@フランクフルト/2回目

今年の旅はドレスデンDresdenとライプツィヒLeipzigとプラハPrahaが目的地。現在、トランジットの地、フランクフルトFrankfurtで散策中です。

レーマー広場Römerbergに向かって歩き、今、パウルス教会Paulskircheの大きな姿を仰ぎ見ています。


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パウルス広場Paulsplatzを抜けていくと、ブラウバッハ通りBraubachstraßeにぶつかります。この通りの先がレーマー広場です。

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昔の面影を残すレーマー広場に出ます。広場の周りには切妻屋根の建物が並びます。

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広場で異彩を放つのは、ニコライ教会Alte Nikolaikirche。第2次世界大戦の爆撃をまぬがれて、1290年に宮廷の洗礼堂として建てられたゴシック様式の小さな建物です。現在はプロテスタントの教会になっています。

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広場の中央には、正義の女神ユスティシアの像Justicia-Statueが立っています。剣と天秤を持つ正義の女神の姿は、司法、裁判の公正さを表す象徴、シンボルとして、古来より裁判所に設置されています。
  
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広場の西側にはドイツ伝統の木組みの切妻屋根の建物が3つ連なっています。これが旧市庁舎の建物です。特にその中央の建物がレーマーRömerと呼ばれていて、広場の名前の由来になっています。レーマーと正義の女神ユスティシアの像の噴水はフランクフルトの昔を偲ぶものです。

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1405年、市は3つの建物を買い取って市庁舎に改造しました。中央の大きな建物が「ツム・レーマー」(ローマ館)で、市庁舎全体が「レーマー」と呼ばれるきっかけとなりました。レーマーの2階には神聖ローマ帝国皇帝の新皇帝の戴冠式後の祝宴が開かれた皇帝の広間「カイザーザールKaisersaal (皇帝の広間)」があります。

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旧市庁舎の向かいには「オストツァイレOstzeile」と呼ばれる6軒の可愛らしい木組みの建物が並びます。15〜16世紀に建てられた元の建物は、第二次世界大戦中に破壊されてしまったため、1980年代に当時の図面にならって再建されたものです。

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夕方の青空を背景にすっくと立つニコライ教会の尖塔を眺めながら、その先にあるマイン川Mainに向かいましょう。

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このレーマー広場を抜けると、すぐにフランクフルトの街を流れているマイン川(ライン川の支流です)に辿り着きます。マイン川の眺めは格別。観光船が航行しています。マイン川の対岸にはドライケーニッヒ教会Dreikönigskircheが見えます。美しいネオ・ゴシック教会です。

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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しばらく、マイン川の夕景を眺めましょう。もっとも夕景と言っても、まだまだ明るいですね。今、6時半頃です。



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テーマ : ヨーロッパ
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カルチャースクールのピアノでも、素晴らしかったイリーナ・メジューエワのショパン@朝日カルチャーセンター新宿 2022.3.14

フツーはカルチャースクールには行かないsaraiですが、1年以上もイリーナ・メジューエワの東京でのコンサートが聴けないのは寂しい・・・。これもコロナ禍のせいです。で、意を決して、カルチャースクールでのメジューエワのピアノを聴きに行きました。

1時間の講座です。前半は音楽評論家の下田 幸二さんによる今日のメジューエワの演奏する曲の実に詳細な解説。下田さんのピアノ演奏を交えた興味深いお話が聞けました。その後、いよいよ、メジューエワのピアノ演奏。45分だけのミニコンサートです。50人ほどの聴衆の聴く小さな部屋でYAMAHAの小ぶりなグランドピアノでの演奏です。いつもはフルコンサートピアノの演奏しか聴いていませんので、どんな音がするのかと思います。極論するとsaraiのオーディオルーム(防音室)にあるYAMAHAのグランドピアノと大差ない感じのピアノです。流石にメジューエワが弾くと凄い音が響きます。特に低音の迫力は凄いです。高音の煌めきだけは今一つでしょうか。もっともメジューエワのショパンを鑑賞するのには十分な音がします。最初のショパンのノクターン第1番の前半だけは少し違和感を感じますが、主題が回帰するあたりからは素晴らしい音に思えます。これもメジューエワの調整力なんでしょう。ノクターン第2番はショパンの全作品の中でも最も有名な作品ですが、そういうことではなくて、メジューエワの演奏はうっとりするような素晴らしい演奏です。彼女の鍵盤を叩く手を見ていると、そのしっかりしたタッチが彼女の音楽の原点であることが分かります。フォルテでしっかり叩くのは当然ですが、弱音でも鍵盤を深く叩いていることが分かります。微妙な繊細さは失われているような気もしますが、明快な音楽になっています。しかも力強さは凄いとしか言えません。ロシア人としては小柄で華奢な体格ですが、実にパワフルな音を生み出しています。その美点が最高に発揮されたのがスケルツォ第2番です。ヴィルトゥオーゾとしての圧巻の演奏に感動しました。冒頭の豪快で華麗な演奏も見事ですが、中間部の詩情に満ちた演奏は中間部終盤で熱く燃え上がります。感涙ものの最高の演奏です。こんなピアノで凄い音です。saraiの家のピアノで弾いてくれないかな・・・。終盤はまた凄まじい演奏で魅了してくれました。バラード第3番も後半の激しい演奏に魅せられました。最後はまた、ノクターン。第15番のゆったりと歩むような演奏の魅力的なこと。
考えてみると、今日のコンサートの構成は、最初はノクターンで夜の音楽に始まり、スケルツォ、バラードの明るい昼の音楽になり、最後はまた、ノクターンの夜の音楽で終わるという、よく考えられた構成になっていました。短いコンサートでしたが、ぎゅっと凝縮した演奏ですっかり満足です。

次はコンサートホールでスタインウェイのフルコンサートピアノでの演奏を聴かせてもらいましょう。そう言えば、最後のインタビューで彼女は今後、ショパンを再び、まとめて演奏していきたいとのことでした。そして、朗報ですが、バッハに力を入れていきたいとの意向を述べていました。バッハの連続演奏会もあるかもしれません。期待しましょう。

今日はこのメジューエワの演奏の後、夜は鶴見でクァルテット・エクセルシオの充実したショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲を聴きましたが、それについては明日の記事でご紹介します。


今日のプログラムは以下です。

  ピアノ:イリーナ・メジューエワ
  講師:音楽評論家・ピアニスト 下田 幸二

  <ピアノの名曲聴きどころ弾きどころ>

  ノクターン第1番 変ロ短調 Op.9-1
  ノクターン第2番 変ホ長調 Op.9-2
  ノクターン第7番 嬰ハ短調 Op.27-1
  スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31
  バラード第3番 変イ長調 Op.47
  ノクターン第15番 ヘ短調 Op.55-1
  ノクターン第16番 変ホ長調 Op.55-2


   《アンコール》
  マズルカ第45番 イ短調 Op.67-4



最後に予習について、まとめておきます。

ノクターン5曲は以下のCDを聴きました。

 イリーナ・メジューエワ 2009年7月、9月、10月 新川文化ホール(富山県魚津市) セッション録音

繊細というよりもしっかりとした演奏ですが、どこか温かみを感じる演奏です。メジューエワはこの後、2016年にライヴで再録音していますが、未聴です。


スケルツォ第2番は以下のCDを聴きました。

 イリーナ・メジューエワ 2018年9月29日~10月1日 新川文化ホール(富山県魚津市) セッション録音

新レーベルBIJIN CLASSICALのリリース第一弾として、録音された「ショパン:4つのスケルツォ」。スケルツォ集はメジューエワにとって16年ぶりの再録音です。これはメジューエワの美質にぴったりの曲で、実に力強く、華麗な演奏です。


バラード第3番は以下のCDを聴きました。

 アンナ・ヴィニツカヤ 2020年5月、6月 ハンブルク、フリードリヒ・エーベルト・ハレ セッション録音

スケールの大きなピアノ演奏が魅力のヴィニツカヤは実はショパンも得意にしています。そのヴィニツカヤの初のショパン・アルバム(バラード集、即興曲集)からの1曲です。実に魅力的な演奏です。



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テーマ : クラシック
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       メジューエワ,  

クァルテット・エクセルシオのショスタコーヴィチ・シリーズも早、第2回目 美しい響きを堪能@鶴見サルビアホール3F音楽ホール 2022.3.14

日本を代表するカルテットの一つ、クァルテット・エクセルシオの初のショスタコーヴィチ全曲チクルスも早、第2回目。チクルスは順調に進行しています。

昨日はお昼のイリーナ・メジューエワのショパンの素晴らしい演奏を聴いた後、ここ、鶴見サルビアホール3F音楽ホールに移動して、久し振りにこのホールでの弦楽四重奏の美しい響きに耳を傾けます。

今日はショスタコーヴィチ・シリーズの第4番から第6番が演奏されます。ショスタコーヴィチ中期の傑作の弦楽四重奏曲ばかりです。ショスタコーヴィチにとってはジダーノフ批判を浴びて厳しい冬の時代、そして、スターリンの死を経て、比較的、自由な創作活動が行えるようになった時期にあたり、作品の雰囲気も変遷していきます

今日の演奏ですが、前回同様、緻密に練り上げられて、各声部のバランスがよくて、美しい表現でした。やはり、ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲は音楽的な解釈はともかくとして、このように美しい響きで聴きたいものです。前回もそうだったように、第4番を聴いているときはこれは素晴らしいと思い、次の第5番は凄い大曲としてのさらなる素晴らしさ。しかし、やはり、今日の最高の演奏は何と第6番でした。とりわけ、第3楽章は哀しい挽歌で、魂を震わせながら、聴き入りました。

簡単に各曲の演奏に触れておきましょう。
まず最初は第4番です。クァルテット・エクセルシオの各奏者が見事な演奏を聴かせてくれます。とりわけ、外声部の二人の演奏が素晴らしいです。それを支える内声部の安定した演奏があったればこそです。作品自体はジダーノフ批判を浴びて、交響曲の作曲もできない状況ですが、それほど鬱屈した音楽になっているわけではありません。こういう美しくてロマンティックな表現で聴くと、そういう厳しい冬の時代の作品には思えません。それにしても、ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲は同じようなパッセージが執拗に繰り返されます。ある意味、聴く側はそれを我慢しながら聴くわけで、まるで修行のようなものです。ここに集まった100人の聴衆はよほどの物好きですね。もちろん、saraiもそうなんですけどね。しかし、第1ヴァイオリンの西野ゆかはとてもロマンティックなメロディーを奏でてくれて、これがショスタコーヴィチなのかと疑いたくなるような演奏で耳を楽しませてくれます。もちろん、クールな演奏もよいのでしょうが、これが彼女のスタイルなんですね。厳しい時代のショスタコーヴィチの作品もロマンティックなスタイルで聴かせてもらいました。

次の第5番は大変な力演でした。第4番以上の素晴らしさです。3楽章が続けて演奏される長大な作品です。これも同じようなメロディーが執拗に繰り返されます。ドミトリー・ショスタコーヴィチの頭文字DSHの音型が基本になっています。第2楽章は瞑想的な音楽を実にロマンティックに奏でてくれます。もう、うっとりして聴き入ります。よい意味でショスタコーヴィチではありません。第3楽章は瞑想的な音楽に始まり、一転して、諧謔的な音楽になるかと思えば、中間部は激しい音楽に心が揺さぶられます。第3楽章はバルトークを思わせるようなアーチ構造になっていて、最後は劇的な展開で全曲を終わります。いやはや、第5番の素晴らしさにすっかり魅惑されました。ところでこの作品の後に交響曲第10番が作曲されることになります。同じようなベースを持つ両曲ですが、今日の演奏を聴く限り、まったく印象を異にします。交響曲第10番と言えば、saraiの持つ印象は沈痛さということに尽きます。一方、今日の弦楽四重奏曲第5番は美しくて、希望さえ感じられるような音楽です。こういうショスタコーヴィチもよいでしょう。ここまでで、重い音楽で疲れ切りました。ここで今日のコンサートを終えてほしいくらいです。

休憩後、第6番です。最初の妻ニーナの死、母の死もありましたが、私生活でも第2の妻マルガリータとの結婚(短命には終わりましたが)もあり、決定的なのはスターリン体制の崩壊で自由な作曲環境になったのが大きいのでしょう。ショスタコーヴィチにしてはとても明るい音楽、あるいは軽い音楽で曲が開始されます。しかし、次第に音楽は熱を帯びて、高潮していきます。こういう油断ならない音楽的展開こそ、ショスタコーヴィチの真骨頂です。第3楽章は哀しい挽歌です。でもロマンティックで心に響きます。4楽章中、白眉の音楽に耳を傾けました。第4楽章はそれまでの楽章の音楽も総括した圧巻の音楽で締めくくられます。


ということで、大満足の演奏でした。来年1月までのあと2回のコンサートで第14番までいきつくようです。素晴らしく精緻な演奏が聴けそうです。ところで肝心の第15番はどうなるの?


今日のプログラムは以下です。

  弦楽四重奏:クァルテット・エクセルシオ
   西野ゆか vn  北見春菜 vn  吉田有紀子 va  大友 肇 vc

   ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第4番 ニ長調 Op.83
   ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第5番 変ロ長調 Op.92

   《休憩》

   ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第6番 ト長調 Op.101

   《アンコール》
    なし

最後に予習について触れておきます。
今回のショスタコーヴィチ・シリーズに際しては、きちんと全曲を聴いていない以下のCDを聴くことにしています。

 エマーソン・カルテット 1994年、1998年、1999年 アスペン音楽祭 ライヴ録音

切れのいい演奏と素晴らしい響き。エマーソン・カルテットならでは完成度です。とてもライヴ録音とは信じられないレベルの高さです。なお、saraiのお気に入りのショスタコーヴィチの演奏はルビオ・カルテットのCDなんです。



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超感動!!中村恵理、薄幸の女の墓碑銘を絶唱 《椿姫》@新国立劇場 2022.3.16

新国立劇場でも素晴らしいオペラ公演を聴いてきましたが、今日のオペラが最高です。また、《椿姫》は《薔薇の騎士》、《フィガロの結婚》と並んで最もよく聴いてきたオペラですが、今日の公演は今まで聴いた公演でもウィーン国立歌劇場でネトレプコがヴィオレッタを歌った素晴らしい公演に並び立つような素晴らしいものでした。もちろん、《椿姫》はヴィオレッタ役の出来がすべてを決めると言っても過言でありませんが、中村恵理の凄かったこと! 潤いのある透明な響きの歌唱の見事さだけでなく、その音楽的な表現力が群を抜くものでした。第3幕は涙なしには聴けませんでした。いやはや、何とも感動的なオペラでした。もう、第1幕を聴いているときから、これはもう一度聴かないといけないと思いました。そう思わなければ、聴き終わるときに圧倒的な喪失感に襲われるという不安で聴き続けることができなかったからです。もう、どんな席のチケットでもいいから入手しましょう。ということで安心して、聴き続けることができました。

冒頭、どの女性がヴィオレッタかを視認することができません。ヴィオレッタが歌い始めても、中村恵理がヴィオレッタを歌っているという確信が持てません。彼女の声は数日前にも聴いたし、何と言ってもsaraiは彼女のファンなので、かなり聴き込んでいるにもかかわらず、どうにも、彼女の声だという確信が持てません。その姿も中村恵理だという確信も持てません。もう一度、キャスト表を確認したくなりますが、ごそごそ音をたてるわけにもいきません。何故、こういう事態に陥ったかというと、ヴィオレッタの歌唱がどうにもsaraiの知っている中村恵理の歌唱に思えないんです。いい意味で素晴らしい声です。不安定な状態で聴き続けます。乾杯の歌を聴いても、よく分かりません。第1幕終盤の長大なアリアを聴いても分かりません。しかし、何とも澄み切った響きの歌唱で素晴らしいことには間違いありません。終いにはこれが中村恵理であっても、急な代役であったとしても、素晴らしい歌唱であることには違いがないのであるから、誰が歌っているかということは些末なことに思えます。前述の、この公演をもう一度聴きたいというのはこの時点であり、もし、これが中村恵理であるならば、どうしてももう一度聴きたいし、そうでなかったら、是非、中村恵理のヴィオレッタを聴きたいという微妙な心情だったんです。それにしても、《ああ、そはかの人か~花から花へ》の歌唱は絶品です。こんなにピュアーな声の歌唱は聴いたことがありません。かのネトレプコさえも、このような澄み切った声ではありませんでした。ピュアーでありながら、コロラトゥーラ・ソプラノとしても完璧な歌唱です。ああ、そうですね。今までの中村恵理はプッチーニのリリックなソプラノの歌唱だったので、こういうコロラトゥーラ・ソプラノの歌唱は聴いたことがなくて、それでずいぶん、印象が違っているのかもしれません。
休憩なしに第2幕に入ります。冒頭の【アルフレード】役のマッテオ・デソーレのアリア。一途な好青年を思わせる素晴らしい歌唱です。アルフレードにぴったりのテノールです。カリスマ的でないのがかえって好印象です。アルフレードの父ジェルモンが登場して、ヴィオレッタと対峙すると、一気に緊張感が高まります。まるでトスカの第2幕のスカルピアとトスカの対峙するシーンのようです。いずれも男性社会の象徴のような恰幅のいい男が弱き性の女性を徹底的に痛めつけるという唾棄すべきシーンが繰り広げられます。男性の一員であるsaraiですら、正視できません。オペラというフィクションであることは分かっていても、どうにもこのシーンは苦手です。ジェルモンが押し出しのよいバリトンで歌えば歌うほど、反吐を吐きそうになってしまいます。まあ、こういう真に迫るような音楽を書いたヴェルディが素晴らしいのでしょうが・・・。嫌いな歌の象徴が《プロヴァンスの海と陸》。もっとも、皮肉なことに【ジェルモン】役のゲジム・ミシュケタの歌唱は立派過ぎるほどです。痛めつけられるヴィオレッタの可憐な歌唱はとっても素晴らしい。どうにもやりきれない第2幕第1場は深い感銘を残しつつ、終わります。
急いで、キャスト表をチェックして、ヴィオレッタが中村恵理であったことを確認して、納得と驚きを禁じ得ません。それではと、ボックスオフィスに赴いて、残る2回の公演の残席状況をチェックします。さすがに中央前方のブロックは売り切れです。前方の左右ブロックの席は若干空いているようです。うーん、即、購入というわけにはいきませんね。

30分の休憩後、第2幕第2場が始まります。中村恵理の澄み切った歌声がますます冴え渡ります。オペラはドラマティックに終焉に向かっていきます。
第3幕。とても美しい前奏曲が東響の素晴らしい弦楽セクションによって演奏されます。ヴィオレッタの哀しき運命を象徴しているんですね。第1幕の前奏曲と同様の抑えた表現で素晴らしい演奏。指揮のアンドリー・ユルケヴィチの手腕が光ります。コンサートマスターはグレブ・ニキティン。数日前にも定期演奏会で活躍していましたが、今日も見事な統率ぶりです。舞台は特異なものです。楕円に切り取られたような舞台の中央に古いピアノが置かれ、その上に死に瀕したヴィオレッタが横たわります。その背後はベールで覆われて、ヴィオレッタ以外の人物はベール越しにしか見えません。この第3幕はヴィオレッタ一人のためのものであり、彼女以外はすべて亡霊でしかありません。恋人のアルフレードさえも例外ではありません。音楽の内容を完璧に理解した演出に思えます。その演出に応えて、中村恵理は完璧なヴィオレッタを歌い切ります。人生で道を一度外した女(ヴィオレッタが高級娼婦であったこと)は決してこの世では救われないことを驚異的な音楽表現で歌います。その究極のリリックな歌唱に感動し、涙が滲みます。中村恵理、入魂のヴィオレッタに魅了されました。大変な日本人ソプラノが現れたものです。彼女が代役に決まったときに嬉しかったのですが、その期待以上の歌唱と演技でした。

帰宅後、配偶者を誘って、再度、この公演に足を運ぶことを決めて、そこそこの席のチケットを購入。もう一度、このオペラの公演のレポートを記事にします。ご期待ください。もっともこれ以上、書くことはないかな。


今日のキャストは以下です。

  ジュゼッペ・ヴェルディ 椿姫

【指 揮】アンドリー・ユルケヴィチ
  【演出・衣裳】ヴァンサン・ブサール
  【美 術】ヴァンサン・ルメール
  【照 明】グイド・レヴィ
  【ムーブメント・ディレクター】ヘルゲ・レトーニャ
  【再演演出】澤田康子
  【舞台監督】斉藤美穂


【ヴィオレッタ】中村恵理
  【アルフレード】マッテオ・デソーレ
  【ジェルモン】ゲジム・ミシュケタ
  【フローラ】加賀ひとみ
  【ガストン子爵】金山京介
  【ドゥフォール男爵】成田博之
  【ドビニー侯爵】与那城 敬
  【医師グランヴィル】久保田真澄
  【アンニーナ】森山京子
  【ジュゼッペ】中川誠宏
  【使者】千葉裕一
  【フローラの召使い】上野裕之
  【合唱指揮】三澤洋史
  【合 唱】新国立劇場合唱団
  【管弦楽】東京交響楽団

最後に予習についてですが、さすがに聴きませんでした。聴くとしたら、ザルツブルク音楽祭の衝撃だったネトレプコの公演でしょうが、これは何度も繰り返し視聴しました。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       中村恵理,  

フランクフルト散策:マイン川の夕景、そして、有名ドイツ料理店、ツム・シュトルヒ・アム・ドムへ

2008年5月1日木曜日@フランクフルト/3回目

今年の旅はドレスデンDresdenとライプツィヒLeipzigとプラハPrahaが目的地。現在、トランジットの地、フランクフルトFrankfurtで散策中です。

レーマー広場Römerbergに過ぎて、今、マイン川Mainの前に立っています。目の前にマイン川に歩行者専用の橋、アイゼルナー・シュテーク(鉄の橋)Eiserner Stegがあります。橋の上からの眺めを楽しみましょう。橋の上は多くの人がぞろぞろ歩いています。

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この歩行者専用の橋からの夕景はなかなかのもので、ドイツに来たんだという気持ちに浸ることができます。このマイン川は両岸に教会などの建物が並び、美しい景観です。

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マイン川の対岸にあるドライケーニッヒ教会Dreikönigskircheは美しいネオ・ゴシック教会です。その姿に目を惹かれます。

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さて、また、レーマー広場側のほうに戻りましょう。

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マイン川には観光船も運航しているので、ちょっと乗りたくもなりますが、この後、ドレスデンでもエルベ川の観光船に乗る予定なので、我慢しましょう。

そうこうするうちに、お腹も空いてきたので、「るるぶ」ご推薦のドイツ料理店、ツム・シュトルヒ・アム・ドムZum Storch am Domに向かいます。これもレーマー広場近くのマイン川沿いにあります。お隣には、大聖堂Kaiserdom St. Bartholomäusが聳え立っています。この大聖堂で歴代の神聖ローマ帝国の皇帝の選挙、戴冠式が行われてきました。ですから、皇帝の大聖堂、カイザードームKaiserdomとも呼ばれています。今回はこの大聖堂はちらっと見るだけにします。いずれ、ちゃんと見ましょう。

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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ツム・シュトルヒ・アム・ドムに入ります。これはお店でいただいたレストランカードです。

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このレストランは1704年創業の歴史あるレストランで文豪ゲーテも通った有名レストランです。店内も趣きのある雰囲気です。

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このレストランでは、フランクフルト料理やライン川地方の郷土料理がいただけます。が、この頃はドイツ料理がよく分かっていなかったので、「るるぶ」に記載してあるフランクフルト・プレートをお願いしましょう。その前にまず、もちろん、フランクフルト名物のアップルワイン(アプフェルヴァインApfelwein)もいただきます。と、目が点に・・・saraiの大好きなシュパーゲルがメニューにあります。これは外せません。スープとゆでたシュパーゲルを注文!

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さあ、注文した料理が届くのをアップルワインを飲みながら、待ちます。



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フランクフルト散策:美味しいディナーは旬のシュパーゲルで

2008年5月1日木曜日@フランクフルト/4回目

今年の旅はドレスデンDresdenとライプツィヒLeipzigとプラハPrahaが目的地。現在、トランジットの地、フランクフルトFrankfurtで散策中です。

レーマー広場Römerberg、マイン川Mainを見た後、「るるぶ」ご推薦のドイツ料理店、ツム・シュトルヒ・アム・ドムZum Storch am Domでディナーをいただいています。
アップルワインを飲みながら、料理を待つうち、ようやく、料理が運ばれてきます。

最初はスープ2種。

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ひとつはドイツ風ラビオリのはいったコンソメスープMaultaschensuppe mit frischen Lauchzwiebeln。

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もうひとつはシュパーゲル(ドイツ産の生ホワイトアスパラガス)のクリームスープSpargel Suppe。そうです。5月のドイツはシュパーゲルが旬の季節です。これを食べずしてはドイツに来た甲斐がありません。

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メインはフランクフルト名物のソーセージやスモークした豚肉などのミックスプレート、名付けてフランクフルトプレートFrankfurter Spezialitätenschüssel mit Sauerkraut und Salzkartoffeln。ダイナミックなボリュームです。

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さらに、またまたゆでたシュパーゲル(生ホワイトアスパラガス)のオランダ風ソース添えとシュニッツェル(仔牛のカツレツ)Spargel mit Sauce Hollandaise, Wiener Schnitzel und Kartoffelnもいただきます。シュパーゲルには目のないsaraiですから、旬のシュパーゲルは見逃せません。結局、これが一番、高い料理です。20ユーロ。日本円で3400円ほどです。食べたいのだから、高くても仕方がありません。

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ドイツ産のシュパーゲルはぶっとくて、シャキッとして、とっても美味です。何故に日本に輸入しない? 春のドイツはシュパーゲルを食べるためだけでも訪れる価値があります。

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初っ端から大満足の食事です。このレストランは外見は営業中かどうか分からないように、シーンとしていましたが、中にはいると空いてはいましたが、何人かの外国人が食事中。ほっとして、席についていると、しばらくすると、まあ、驚くほど、次々と日本人がはいっていきます。流石に「るるぶ」の威力でしょうか。海外気分を味わうには、あまり、よくないかも知れませんね。

で、身も心も満足して、レストランを出ます。ホテルに戻る途中、ゲーテハウスGoethehausに立ち寄ります。saraiが立っているのはゲーテハウスの右隣にあるゲーテ博物館Goethe Museumの前です。ここがゲーテハウスの入口になっています。開館は夕方6時までなので、もちろん、既に閉館しています。まあ、ここで大文豪が生まれた家なので、感慨深いですね。ゲーテはここで1749年8月28日に生まれました。それにしても、ゲーテの生家は巨大ですね。大変なお金持ちの家に生まれたようです。ゲーテのお母さんはフランクフルト市長の娘だったそうです。

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後日、再訪して、無事、入館しましたが、それはずっと後のことです。なお、ゲーテが没するのはヴァイマールです。
ゲーテハウスの前を離れて、ホテルに向かいます。ロスマルクト広場Rossmarktの前には大きな銅像があります。ゲーテ像も近くにありますが、これはゲーテではなく、活版印刷の発明者とされているグーテンベルグと、後を引き継いだフスト、シェーファーの像を中心としたモニュメントです。活版印刷発明400年を記念して建てられました。何故、フランクフルトにグーテンベルク像かと思いますが、グーテンベルク像は結構、ドイツ各地で見かけます。それにこのフランクフルトでも活動していたようです。

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これでようやく、ホテルに戻ります。十分に広い部屋で、ベッドも快適そうです。

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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saraiはこの部屋で旅の記事を書いています。そうしているうちに、配偶者はもうぐっすり寝ていますが、非情にも、たたき起こして、旅の記事の締めくくりを書いてもらいましょう。
たたき起こされた配偶者が旅の記事を仕上げている横で今度はsaraiがぐっすり寝ます。では、また明日も旅を楽しみましょう・・・スヤスヤ・・・。



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中村恵理、究極のヴィオレッタを熱唱 《椿姫》2回目@新国立劇場 2022.3.19

中村恵理のあまりの素晴らしさに今度は配偶者も伴って、2回目の《椿姫》を聴きに出かけました。無論、今度も素晴らしく、もう、何も言う言葉がありません。

冒頭、今回もヴィオレッタを歌っているのが中村恵理であることが認識できません。まるで、前回のデジャヴみたいな気分になりますが、今回は事前にキャスト表をしっかり確認しておきましたから、間違いなく、中村恵理がヴィオレッタを歌っていることは頭では分かっています。いやはや、中村恵理のヴィオレッタはいつもよりも強めの声で、それでいて、透明感はさらに増しているような感じです。saraiはこういうヴィオレッタを聴きたかったんです。saraiが理想とするソプラノです。かつて、こういう声はフリットリが聴かせてくれました(ヴィオレッタではなく、ドン・カルロのエリザベッタ)が、それは終盤で満を持したような感じで絞り出したものです。saraiはそのとき、天使の歌声を聴いたという感慨を持ちました。今日の中村恵理は冒頭からフィナーレまで終始、その天使の歌声を聴かせてくれました。それはイタリア最高のプリマドンナであったフリットリでもなし得なかったことです。中村恵理がヨーロッパで最高の評価を得ていないのが不思議です。

第1幕でも前回と同様に素晴らしいアリアを歌ってくれましたが、第2幕に入り、アルフレードの父、ジェルモンと渡り合うシーンになると、中村恵理の可憐で健気な様子のヴィオレッタの何と素晴らしいことか。【ジェルモン】役のゲジム・ミシュケタの堂々たる歌唱を引き立て役にして、まさに天使の歌声が弱音から強音にいたるまで響き渡ります。そのあまりのいじらしさにsaraiは近くにいれば、そっと抱きしめてあげてやりたい気分です。こんなにsaraiを魅了してやまないソプラノが何と日本人ソプラノとは・・・絶句するのみです。しかし、それは序章に過ぎませんでした。

第3幕、円形に切り抜かれた舞台の中央に置かれたピアノの上に横たわるヴィオレッタ、すなわち、中村恵理が感涙の歌唱を聴かせてくれます。死を覚悟したヴィオレッタが歌うシェーナの透明感あふれる歌声は誰も到達できなかった境地に達しています。そして、中村恵理の《過ぎし日よ、さようなら》の名唱は感動なしには聴けません。この日、最高の歌唱。saraiの人生でもこれほどの歌唱は何度聴いたでしょう。ソプラノならではのピュアーさの究極、そして、魂の歌声は天上の音楽を思わせます。こういう音楽を聴きたかったんです。その後もアルフレードとのデュエット、《パリを離れて》で天使の歌声が続きます。そして、終幕のフィナーレ。深い感動のうちに幕を閉じます。またしても、涙が滲みます。

もう一度、聴きにきて、よかった。満足と感動で心が震えます。

音楽がすべてですが、衣装の豪華さ、美しさも素晴らしかったです。第1幕でヴィオレッタが着ていたドレスが展示されていました。

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終幕後の番外編。

今日は配偶者と一緒に来たので、アフターオペラを楽しみます。新国立劇場3階にあるイタリアンのレストラン、《マエストロ》でディナーです。オペラの始まる前にロビーで予約済なので、予約席のテーブルに案内されます。まずはワインリストからスプマンテのグラスを注文し、席の前に置いてあるメニューを見て、一番リーズナブルなコースをお願いします。そもそもパスタが食べたかったので、パスタが中心のコースを選んだんです。で、注文を終えて、そのメニューは不要だと言うと、スタッフの方が怪訝な顔をして、メニューを指さします。あっ・・・何とメニューには、今日のオペラ《椿姫》のキャストのサインが並んでいます。右上にある中村恵理のサインが目に飛び込んできます。

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お洒落なプレゼントですね。残念ながら、生サインではなく、コピーではありますが、貴重なコレクションになります。

今日の椿姫記念ディナーをご紹介しましょう。
まずはアンティパスト。
プロシュートとモッツァレラ、トマトのサラダ仕立て
エディブルフラワーを添えて。

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プリモは二人で別のパスタを選び、シェアしていただきます。
スパゲッティ 鰯と新玉葱のアーリオ・オリオ・ペペロンチーノ 。鰯の香りと味が素晴らしく、絶品です。

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ペンネ パンチェッタと筍のアラビアータ。筍がしゃきっとして、ペンネのアラビアータによく合います。

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最後はドルチェとコーヒー。
抹茶のティラミスとジェラートの盛合わせ。抹茶のジェラート、美味しいです。

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お腹も満足して、帰路に着きます。


今日のキャストは以下です。

  ジュゼッペ・ヴェルディ 椿姫

【指 揮】アンドリー・ユルケヴィチ
  【演出・衣裳】ヴァンサン・ブサール
  【美 術】ヴァンサン・ルメール
  【照 明】グイド・レヴィ
  【ムーブメント・ディレクター】ヘルゲ・レトーニャ
  【再演演出】澤田康子
  【舞台監督】斉藤美穂


【ヴィオレッタ】中村恵理
  【アルフレード】マッテオ・デソーレ
  【ジェルモン】ゲジム・ミシュケタ
  【フローラ】加賀ひとみ
  【ガストン子爵】金山京介
  【ドゥフォール男爵】成田博之
  【ドビニー侯爵】与那城 敬
  【医師グランヴィル】久保田真澄
  【アンニーナ】森山京子
  【ジュゼッペ】中川誠宏
  【使者】千葉裕一
  【フローラの召使い】上野裕之
  【合唱指揮】三澤洋史
  【合 唱】新国立劇場合唱団
  【管弦楽】東京交響楽団

最後に予習についてですが、さすがに聴きませんでした。聴くとしたら、ザルツブルク音楽祭の衝撃だったネトレプコの公演でしょうが、これは何度も繰り返し視聴しました。



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       中村恵理,  

フランクフルト散策:美しきアルテオパー

2008年5月2日金曜日@フランクフルト/1回目

今年の旅(2008年、14年前の旅です。)はドレスデンDresdenとライプツィヒLeipzigとプラハPrahaが目的地。現在、トランジットの地、フランクフルトFrankfurtに滞在中で、今日はフランクフルトで2日目です。お昼のフライトで最初の目的地、ドレスデンに向かいます。

朝早く起きます。部屋の窓から外を見ると、早朝のせいか、どんよりとしています。大聖堂の尖塔が見えていますね。フランクフルトのランドマークです。

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まずはホテルの朝食をいただきます。まだ、朝8時前です。お決まりの朝食メニューがビュッフェコーナーに並んでいます。

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一通りのものをいただきます。あと、コーヒーをお願いしましょう。

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コーヒーも注いでもらって、さあ、食べましょう。

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手早く、朝食を終え、ホテルを出て、フランクフルトの旧市街を散歩します。まずは昨日も対面した、この街の有名人ゲーテの像Goethe-Denkmalの前でパチリ。まだ、朝8時半です。

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9時前なのに、もう、お店は開いています。果物や野菜の中に、昨日いただいたシュパーゲルを発見。お土産ものにできないのが残念。

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高級そうなシャンパンも販売しています。これはお土産物にできますが、高価そうだし、重そうなので、パス。

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古い市街地と新しい近代的なビルが建ち並ぶ街との間が美しい大きな木立の公園になっており、その公園をプラプラ散歩。
その長大な公園の端に立つのが、歴史的な建造物のアルテオパーAlte Oper Frankfurt(旧オペラ座)。

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オペラファンのsaraiとしては、こんな立派なオペラハウスを見ると、心がうずきますが、スケジュール的に何もやっていなかったので、断念するしかありません。いつか、来てみたいものです。この美しい後期イタリア・ルネッサンス風の建物は、パリのオペラ座をモデルにしたものです。第2次世界大戦の爆撃で破壊されましたが、市民の献金などで再建されました。オペラは新しいフランクフルト歌劇場が別に造られたため、ここでは稀にしか、オペラはやっていいないようです。

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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しばらく、アルテオパーから続く公園をぶらぶらします。



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バッハの誕生日の〆は平和への希求 バッハ・コレギウム・ジャパン@東京オペラシティ コンサートホール:タケミツメモリアル 2022.3.21

チェンバロが舞台に3台並ぶと壮観です。演奏者も鈴木親子となれば、素晴らしい演奏に決まっています。本来は4台のチェンバロのための協奏曲も演奏する予定でしたが、昨今の事情では仕方がありません。いずれ聴かせてくれるでしょうが、今日のような豪華で珍しいコンサートはなかなか聴けませんね。バッハのお誕生日のお祝いとして、よいものでした。演奏は耳慣れた2台のチェンバロのための協奏曲 ハ短調 BWV 1060が楽しいですね。ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲としても知られています。最後の2台のチェンバロのための協奏曲 ハ短調 BWV 1060が素晴らしい演奏で、第2楽章のリリックな音楽に魅了され、第3楽章の素晴らしいフーガに心洗われる思いでした。

休憩後、鈴木優人の弾くオルガン独奏曲、プレリュードとフーガ ト短調 BWV 535は出色の出来栄え。CDで聴いた父親の雅明氏の演奏を超えたものです。それにしてもオペラシティのオルガンの響きにも魅了されました。
最後はバッハ・コレギウム・ジャパン総出演の趣きでカンタータ 第30番《喜べ、贖われた者たちの群れよ》BWV 30。名人たちの管弦楽をバックに合唱隊が素晴らしい合唱を聴かせてくれました。冒頭と終曲の合唱は圧倒的でしたし、途中のコラールの美しいこと。ソプラノの松井亜希は今日も好調。貫禄さえも感じられます。少しだけの歌唱のテノールの櫻田 亮はもったいないくらいです。健闘したのはバスの加藤宏隆。アジリタが見事に決まっていました。菅きよみのフラウト・トラヴェルソのまるで独奏のような演奏が聴けたのも嬉しいところ。三宮正満のオーボエも相変わらず、見事です。
アンコールで名曲のコラール《主よ、人の望みの喜びよ》が聴けたのもとっても嬉しいですね。平和を希求しての演奏だそうです。

今日もまた、鈴木ファミリーとバッハ・コレギウム・ジャパンの素晴らしい演奏を聴いて、満足です。お隣の新国立劇場では《椿姫》のラスト公演中で心引かれるものもありましたが、やはり、今日はこのバッハ・コレギウム・ジャパンを聴いて正解だったでしょう。次は4月のマタイ受難曲です。楽しみです。


今日のプログラムは以下です。


  指揮:鈴木雅明
  チェンバロ:鈴木雅明、鈴木優人、大塚直哉
  ソプラノ:松井亜希  
  アルト:久保法之
  テノール:櫻田 亮 
  バス:加藤宏隆
  オルガン:鈴木優人*
  三宮正満(オーボエ/オーボエ・ダモーレ)
  菅きよみ(フラウト・トラヴェルソ)
  若松 夏美(コンサートマスター)

  合唱・管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン


  J. S. バッハ
   3 台のチェンバロのための協奏曲 第1番 ニ短調 BWV 1063
   2 台のチェンバロのための協奏曲 ハ短調 BWV 1060
   3 台のチェンバロのための協奏曲 第2番 ハ長調 BWV 1064

   《休憩》

   プレリュードとフーガ ト短調 BWV 535*
   カンタータ 第30番《喜べ、贖われた者たちの群れよ》BWV 30

   《アンコール》
     カンタータ第147番《心と口と行いと生活》BWV 147 より
      終曲コラール[合唱]:イエスは変わらざる私の喜び(主よ、人の望みの喜びよ)


最後に予習について、まとめておきます。

1~3曲目のバッハの2/3台のチェンバロのための協奏曲を予習したCDは以下です。

 ピーター・ゼルキン、ブルーノ・カニーノ、アンドラーシュ・シフ(ピアノ&指揮)カメラータ・ベルン 1989~93年 セッション録音

アンドラーシュ・シフの演奏が聴きたくて、あえて、チェンバロではなく、ピアノによる演奏を聴きました。楽器は違えど、音楽の喜びが湧き起る演奏です。


4曲目のバッハのプレリュードとフーガを予習したCDは以下です。

 鈴木雅明(オルガン/シュニットガー制作オルガンa'= 465 Hz) 2014年7月 フローニンゲン、マルティン教会(オランダ) セッション録音

いやあ、予想以上の名演奏にびっくり。見事なものです。オルガンもオランダの素晴らしいものを演奏しています。


5曲目のバッハのカンタータ 第30番《喜べ、贖われた者たちの群れよ》を予習したCDは以下です。

 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン 2013年2月 兵庫県、神戸松蔭女子学院大学チャペル セッション録音
  ハナ・ブラシコヴァ(ソプラノ)
  ロビン・ブレイズ(カウンターテノール)
  ゲルト・テュルク(テノール)
  ペーター・コーイ(バス)
  三宮正満(オーボエ/オーボエ・ダモーレ)
  菅きよみ(フラウト・トラヴェルソ)
  寺神戸 亮(コンサートマスター)

バッハ・コレギウム・ジャパンによるバッハのカンタータ全曲集の完結となる第55集に含まれる演奏です。演奏メンバーも現在とほぼ同じメンバーで独唱だけが外国人です。BCJの記念すべき演奏として素晴らしい仕上がりです。



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       バッハ・コレギウム・ジャパン,  

バッハの心の内面は華やかな王宮のごとし 曽根麻矢子 バッハ 連続演奏会@ハクジュホール(Hakuju Hall) 2022.3.22

バッハの鍵盤音楽はゴルトベルク変奏曲、平均律クラヴィール曲集第1巻・第2巻という頂をなす大曲もありますが、saraiが本当に愛するのは、パルティータ全6曲、フランス組曲、イギリス組曲という舞踊組曲集です。心の底から魂が同調できます。今日は曽根麻矢子が見事な演奏を聴かせてくれました。ただただ、魅了されるのみです。耳馴染んだイギリス組曲第2番に始まり、第3番も明快で繊細なチェンバロの響きで魅惑されます。
しかし、最高に素晴らしかったのは、休憩後のイギリス組曲第6番。スケールの大きなプレリュードでのフーガの妙技に始まり、明快な響きのアルマンド、クーラントを経て、サラバンドの透明な美しさはバッハの心の王国を感じさせてくれます。永久を感じさせる音楽は魂に同調してきます。一転して、愛らしいガヴォットが奏された後、ジーグの壮大なフーガに深い感銘を覚えます。最後はバッハらしく、すっと終わります。これ以上、もう必要ないでしょうという風情です。

今日も素晴らしいバッハのチェンバロ曲を味わわせてくれました。

今日のプログラムは以下です。

  曽根麻矢子 バッハ 連続演奏会  ≪BWV≫ Ⅲ イギリス組曲

  チェンバロ:曽根麻矢子

  バッハ:イギリス組曲 第2番 イ短調 BWV 807
  バッハ:イギリス組曲 第3番 ト短調 BWV 808

   《休憩》

  バッハ:イギリス組曲 第6番 ニ短調 BWV 811

   《アンコール》
  お話と予告編 バッハ:フランス組曲第5番から 第3曲 サラバンド など



最後に予習について、まとめておきます。

予習はもちろん、夭逝した天才チェンバロ奏者スコット・ロスの残した録音を聴きたいところですが、彼はバッハの全曲録音を開始し、CD3枚分録音しただけで、逝ってしまいました。ということで、今回は以下の録音を聴きました。

 鈴木雅明 イギリス組曲全曲(チェンバロ/1982年ヴィレム・クルスベルヘン制作によるリュッカースのレプリカ) 2016年7月&8月 神戸松蔭女子学院大学チャペル セッション録音

それほど期待せずに聴き始めましたが、何と何ととても素晴らしい演奏です。聴き惚れてしまいました。とても明快なチェンバロの響きを聴かせてくれました。



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日光の旅、スタート・・・奥日光の名湯にほっこり

今、奥日光、中禅寺湖畔の宿の温泉でほっこりしてきたところです。まさか、奥日光の温泉がこんなに素晴らしいとは驚きです。まず、お風呂の雰囲気がほどほどに古さを感じさせて、気持ちがいいです。お湯は38度とぬるめながら、それを感じさせない暖かさ。実はsaraiの足の痛みは今日はまた、悪かったのですが、お風呂に浸かった瞬間、すーっと痛みがなくなります。まさに湯治って感じ。内湯で温まったところで、露天風呂に向かいますが、奥日光の空気は極めて寒く、震えながら、階下にある露天風呂に急ぎます。まず、屋根付きの露天風呂に入りますが、硫黄成分が多いようで、湯の花が舞っています。ここもぬるめながら、妙に暖まります。皮膚にまとわりつく硫黄成分が心地よく、痛む足が回復する思いになります。さらにもうひとつの屋根なしの露天風呂に入ると、そこは温度が高く、お湯は透き通って、とても暖まります。ふと上を見上げると、細かい雪が舞っています。雪の中の露天風呂はなかなかの風情です。ともあれ、足の痛みがおさまったところで今夜の温泉体験を終えます。

蔓延防止が終わったところで、早速、旅に・・・ってわけではありません。以前から、予定していた旅です。足の痛みは整形外科の医師には坐骨神経痛と診断されましたが、その後、整骨院での診断で筋肉痛だと診断を受けて、そこでの治療を始めたところ。以前ほどの痛みがなくなったので、旅を強行。ということで、しばらく、日光の旅の記事を書いていきます。2008年のドレスデン・プラハの旅はしばらく、休載します。悪しからず。

saraiにしては、ありえない早朝に起き出して、横浜の自宅を出て、東武の浅草駅に向かいます。久しぶりにビジネスマン・ビジネスウーマンのみなさんに混じって、朝の電車に乗りましたが、saraiの現役時代に比べて、電車が空いているのに驚きます。コロナ禍の影響なのかな。無事に都営浅草線の浅草駅に着き、地上に出て、東武浅草駅に移動します。と、駅前の交差点に出ると、すぐ近くにスカイツリーが見えて、びっくり。

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交差点の先には、東武浅草駅も見えてきます。

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交差点で信号が変わるのを待って、駅に向かいます。

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駅に入ると、コンコースに上る階段とエスカレーターがあります。

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チケット自動販売機もありますね。でも、今日は日光フリーパスを購入するつもりです。

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東武の旅行センターがそこにあったので、そこの窓口のお姉さんから、「丸ごと日光 東武フリーパス」を購入。一人4220円です。特急券はネットで購入済です。

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このフリーパスで日光までの往復と日光でのバス乗車はフリー、乗り放題です。今回は3日間の旅ですが、このフリーパスは4日間有効なんです。
これで10時発の日光行の特急に乗る手筈は整いました。でも、まだ、乗車まで10分ほどの余裕があります。旅行センターのお姉さんから、改札の前にタリーズコーヒーがあることを聞いたので、タリーズコーヒーに直行。

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コーヒーとパンを買い求めます。

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さあ、東武電車のホームに入りましょう。自動改札機が並んでいます。

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自動改札横の駅員さんの通路でフリーパスを見せて、ホームに入ります。

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ホームに入ると、もう既に発車5分前。

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特急電車は既に入線済です。けごん(スペーシア)という名前の流線型のカッコいい車体です。

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特急券を見せて、特急電車のホームに入り、指定席に収まります。発車3分前の余裕の乗車でした。
さあ、日光の旅が始まります。



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日光の旅:隅田川を渡り、スカイツリーの横を抜けて、一路、日光へ リアルタイムでは湯滝の雄大さに感動!

リアルタイムでは、今日は日光の旅、2日目。奥日光を探勝しました。その詳細は後日、レポートするとして、今日、感動したのは湯滝(ゆのたき)の雄大な景色。なぜ、もっと有名にならないんだろうと不思議に思いました。saraiが大自然に対して雄叫びを挙げたのはラインの滝以来、2度目のことですから、いかにこの湯滝が凄かったか、お分かりになるでしょう。皆さんも一度、足を運ぶことをお勧めします。

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しばし、その光景にみとれていました。その後、奥日光の果てのような日光湯元温泉で日帰り入浴。エメラルドグリーンの素晴らしい温泉を堪能しました。配偶者はいたく、日光がお気に入りになったそうですが、saraiも思いは同じです。


さて、昨日からの記事に戻りましょう。東武浅草駅から日光に向けて出発するところです。いったん、特急けごんの指定席に収まりますが、やはり、電車の先頭部分を写真に収めておきたくなって、急いで、ホームの端に移動します。出発2分前に特急の先頭をパチリ。ド迫力ですね。

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本当にホームの端っこに立っています。レールはすぐにカーブして、隅田川に向かっています。

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余裕で席に戻ると、東武特急はすーっとスタートします。配偶者はテーブルを出して、タリーズで仕入れたコーヒーとパンを並べています。旅の資料もバッチリ。

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ところで車内はがらがら。いくら平日と言っても、これでは採算が取れませんね。

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電車はすぐに隅田川にさしかかります。

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隅田川の先にはスカイツリーが見えてきます。

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隅田川の上を渡っていきます。向こうに見えている橋は言問橋ですね。

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スカイツリーの姿がどんどん大きくなります。

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スカイツリーは左側の車窓に見えていますが、だんだん、正面に周ってきます。

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電車はとうきょうスカイツリー駅に停車。どうやら、スカイツリーは右側になったようです。saraiが配偶者からの指令を受けて、右側の車窓の席に陣取ります。こういうときはがらがらの電車はいいですね。駅を出ると、スカイツリーの真横を通ります。見上げてパチリ。

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とても全景は見えません。もう一度、最後のチャレンジ。何とか半分ほど撮れました。

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saraiと配偶者は未だスカイツリーに行ったことがありませんから、これが人生で最接近でした。
電車は30分ほど走っても都市部を抜け出せません。それでもびっしりと建つ建物の中に高層ビルがまったく見えなくなりました。

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東武特急は日光への約2時間の行程のうち、4分の1は走り抜けました。日光は遠いね。



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日光の旅:日光駅に到着 リアルタイムでは日光東照宮を見尽くして、旅は完了

リアルタイムでは、今日は日光の旅、3日目。日光東照宮を見尽くしました。その詳細は後日、レポートするとして、やはり、日光東照宮で見逃せないのは眠り猫ですね。

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日光東照宮に向かう前、朝食前に奥日光の温泉をもう一度、楽しみました。奥日光の温泉、最高です。エメラルドグリーンが乳化した乳白色の温泉にはまりそうです。そして、今日で日光の旅を無事終えました。


さて、昨日からの記事に戻りましょう。東武特急で日光に向かっているところです。春日部あたりを走行中。低い家並がどこまでも続いています。

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やがて、田園地帯が広がります。栃木県に入りました。もっとも、このあたりでは、saraiは朝の早起きのせいで、猛烈な眠気に襲われて、眠りこけています。配偶者だけが車窓を眺めていました。

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田園地帯を走り続け、遠くに雪を被った山が見えてきます。

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それが少しずつ大きくなってきます。

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最後の途中停車駅、下今市に到着。ここから、「丸ごと日光 東武フリーパス」の乗り放題区間に入ります。ここでsaraiも深い眠りから復帰。

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ホームが賑やかだなと思ったら、蒸気機関車が停車しています。急いで、蒸気機関車の先頭車両が見えるところに駆けつけて、パチリ。

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蒸気機関車(SL大樹)はこの下今市から日光まで走ってますが、別料金です。懐かしいけど、料金払ってまで、乗る気はなし。そのまま、特急電車で日光駅に乗っていきます。線路やその周りには雪がまだ残っていますね。

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特急電車は日光駅に到着。

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駅前に出ます。多くのお店が立ち並んでいます。
日光は・・・観光地です!

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一目で見渡せるほどですが、お土産物店が建ち並び、楽し気です。それなりに観光客もいます。中禅寺湖行きのバスターミナルには既に観光客が列を作っていますが、バスを1本遅らせて、この日光駅前でちょっと遊んでいきましょう。

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結果、少し、ばたばたすることになるのですが、その顛末はいかに。



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マーラーの交響曲第9番 絶美の第4楽章 高関 健&東京シティ・フィル@東京オペラシティコンサートホール 2022.3.26

高関 健&東京シティ・フィルがこの特別な作品にチャレンジしました。とてもよいチャレンジだと思いました。そして、今生きている人間にとって、この作品を聴けることが計り知れない恵みであることを実感しました。このマーラーの交響曲第9番は人類が営々として築き上げてきた文化の精華の頂点をなすものであり、現代の人間の一人として、それを享受できる幸運に感謝するのみです。この作品が作曲されたのは1909年から1910年にかけてですが、我々聴衆がコンサートホールで聴けるようになったのはバーンスタインが1970年頃から熱心に取り上げるようになってからです。たかだか、50年前からのことです。そして、今日のように日本のオーケストラが日本人指揮者によって、非常に高いレベルで演奏するようになってきました。saraiはこの曲はずい分聴いてきましたが、実は日本人指揮者の演奏を聴くのは初めてです。日本のオーケストラ、都響や読響などでも聴きましたが、いずれもベルティーニ、インバルなどの指揮でした。この作品は日本でも文化として、しっかりと根付きました。それは今日の聴衆の熱狂ぶりからも分かります。

さて、今日の演奏ですが、第1楽章の冒頭から、フレッシュな演奏が続きます。緊張感の高さ、高関健の構成力の高さに聴くsaraiも惹き込まれます。第3楽章のダイナミックな演奏にも魅了されます。しかし、圧巻だったのは第4楽章。素晴らしい弦楽アンサンブルがマーラーの生み出した最高の音楽を極上の響きで奏でます。魂にジーンと共鳴してくる音楽を超えた音楽です。素晴らしい弦楽アンサンブルの響きが弱音に変わると、さらなる風情の音楽に心が揺さぶられます。そして、木管が妙なる調べを奏でます。この後、弦楽アンサンブルが高潮した峰々を奏で上げて、深い感銘を覚えます。高関健の考え抜かれた音楽構成は盤石に感じます。そして、音楽は独奏チェロのトリスタン的な響きを皮切りに薄明の世界にはいっていきます。これこそ、天才マーラーが作り上げた音楽の頂点をなすものです。高関健指揮の東京シティ・フィルは丁寧に緊張感高く、この人類史上最高の音楽を奏でます。そっと壊れ物にさわるように大切な音楽を奏でながら、次第に薄明は光を失っていきます。聴く者ひとりひとりにそれぞれの思いを残しながら、音楽は沈黙します。この瞬間から、マーラーは我々を至上の音楽の世界に昇華させていきます。拍手はこういう永遠を感じさせる音楽にとって、無粋なものだと思うんですけどね。その拍手がsaraiを現実世界に引き戻します。素晴らしい音楽、素晴らしい演奏でした。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:高関 健(常任指揮者)
  管弦楽:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団  コンサートマスター:戸澤哲夫

  マーラー:交響曲第9番 二長調


今回は予習はなしです。聴きたかったのは、ハイティンク&アムステルダム・コンセルトヘボウ管の交響曲全集の1枚。ハイティンクの最初の録音。時間切れで聴けませんでした。



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アラン・ギルバート凄し! 壮大さと美しさに満ちたブルックナー 東京都交響楽団@サントリーホール 2022.3.27

日光の旅で、再び、足がひどく痛むようになり、杖にすがって歩くようになったのにもめげず、連日、コンサート通いです。その代わり、コンサート前に整骨院で治療をしています。何とも悲壮なコンサート通いです。でも、止められません。業ですね。しかし、連日、マーラー、ブルックナーの素晴らしい演奏を聴くことができ、その努力は報われます。

アラン・ギルバート、素晴らしいブルックナーを聴かせてくれると期待していました。その期待通り、都響から分厚い響き、そして、美の極致のような響きを引き出して、ブルックナーの壮麗な音楽を歌い上げてくれました。
第1楽章、冒頭はチェロ、ヴィオラの低弦がぞくそくするような分厚い響きで美しい旋律を奏でます。都響は高弦の美しさに魅了されることが多いのですが、低弦も素晴らしいです。それを引き出したのはアラン・ギルバートの手腕でしょう。もちろん、すぐにヴァイオリン群の美しい響きが続いて、ブルックナーの美を思いっ切り、満喫させてくれます。第1楽章はこのままの調子で魅了されながら、気が付くと長大な楽章が終わります。
そして、今日、圧巻だったのはやはり、次の第2楽章。ワーグナーを葬送したと言われる美しい音楽です。葬送というにはあまりに熱い音楽が燃え上がります。ワーグナーを讃える風情も感じられます。高らかに歌われるコラールをアラン・ギルバートと都響はあらん限りの力を振り絞っての熱演です。
第3楽章は勇ましい音楽がこれもまた美しく演奏されます。
そして、熱いと言えば、この第4楽章。アラン・ギルバートが都響を鼓舞して、これ以上はない熱演を聴かせてくれました。

アラン・ギルバートが振れば、都響は最高のパフォーマンスを発揮してくれます。素晴らしく美しいブルックナーでした。

前半は日本初演となるソルヴァルドスドッティルのメタコスモス。現代音楽ですが、今風の現代音楽で、無調も調性音楽もとりまぜて、聴きやすい音楽に仕上がっています。こういう現代音楽には賛否両論あるでしょうが、まあ、一聴して、楽しめる音楽であることは評価に値します。宇宙のカオスを表現しているそうですが、このテーマはある意味、今や陳腐とも思えます。演奏自体は見事なものでした。


今日のプログラムは以下のとおりです。

  指揮:アラン・ギルバート
  管弦楽:東京都交響楽団 コンサートマスター:矢部達哉

  アンナ・ソルヴァルドスドッティル:メタコスモス(2017)[日本初演]

   《休憩》

  ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調 WAB107


最後に予習についてですが、ソルヴァルドスドッティルのメタコスモスは日本初演の新しい曲なので、音源がなく、予習できず。ブルックナーの交響曲第7番も今更なので、予習をパス。



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日光の旅:日光駅前をぶらぶら

東武特急に乗って、日光駅に着いたところです。日光駅前には、お土産物屋さんや食べ物のお店が多く、ちょっと遊んでいくことにします。
まずは、観光案内書に書かれていた揚げ湯葉饅頭屋、さかえやに直行。揚げ湯葉饅頭って、何?と言う感じで、覗き込みます。

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店先のベンチで、若者が美味しそうに食べてます。まずは、二人で1個購入して、味見しましょう。サービスのお茶と共にいただきます。店先のベンチに座ろうとすると張り紙がしてあります。鳩に注意! そうですか、饅頭を鳩が狙うのね。先日も配偶者が手に持つコロッケを鳶に直撃されました。気を付けようと思っていると、何と足元に鳥が寄ってきます。

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鳩ではありませんね。もっと可愛い鳥です。ハクセキレイのようです。ちゃんとカメラの前でポーズしてくれました。ご褒美をあげたいくらいです。

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揚げ湯葉饅頭は何とも美味しい! 揚げ湯葉の周りにふりかかっている塩の加減が絶妙です。配偶者が一口かじった後、saraiが美味しくぱくっといただきました。美味しかったので思わず全部食べちゃった・・・。

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配偶者がえっと、口あんぐり。それでは、お宿でのおやつに、2個追加購入しましょう。
次に、パン屋さんへ。東武日光駅の前に有名ベーカリーがあるそうです。駅の前を通過して、探します。

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駅前には、こんな噴水があります。日光には有名な滝があるので、それを模しているようです。

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すぐに金谷ホテルベーカリーを発見。小さなお店ですが、名門ホテルの出店のようです。

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今日のお宿では今夜の夕食と明日の朝食は予約してません。2泊の連泊ですが、同じような豪華食事を2回連続で食べたくありませんからね。そして、今日のお昼のランチは、中禅寺湖畔のレストランでビーフシチューを食べる予定なんです。もう我々は、しっかり食べるのは、1日に1回でよいお年頃なんです。この人気のパン屋で明日の朝食用のパンをゲット。夜になってから、小腹が空くでしょうから、ちょっと何か欲しいところです。コロナ禍で増えたお持ち帰り弁当を駅前の大通りに出て探します。

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ちゃんとしたレストランのテークアウトがありましたが、お店のスタッフに夜までの時間まで持ち歩くのは、衛生上とても無理だと断られます。結果として、日光駅の駅舎に戻り、人気の駅弁を購入します。

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これで、東武日光駅での用事は終了。中禅寺湖へのバスの始発ターミナルになっているJR日光駅はすぐそこです。ぶらぶらとJR日光駅を見に行きます。
JR日光駅はなかなか由緒ありげな外観です。1912年(大正元年)8月25日に、現在の2代目駅舎が落成したそうです。ネオ・ルネサンス様式のハーフティンバー様式木造洋風建築2階建ての名建築です。

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ちょっと駅舎の中を覗いてみましょう。

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これが駅舎内の様子。2階に上る階段が何かいわくありげな感じですね。

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階段に近寄ってみると、2階にはかつての一等車利用者用待合室「ホワイトルーム」があり、現在は駅ギャラリーとして一般公開しているそうです。

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ちなみにこのJR日光駅はJR日光線の終着駅で、東武と日光観光の足の座をかけて争った時期もありましたが、運賃・所要時間ともに東武鉄道の方が勝り、JRは上野から直通する列車が全廃となりました。今は当駅に発着する定期列車は宇都宮駅との間を走る短距離普通列車のみになっています。JRは新宿からの直通電車を東武鉄道に乗り入れて、東武日光駅に発着するようになりました。ビジネスは厳しいですね。

JR日光駅前のバス停は人影もなく、どうも様子が分からないので、また、東武日光駅前のバスターミナルに戻って、中善寺湖行きのバスを待ちましょう。この間、少し、ドタバタします。旅にはつきもののドタバタですが、大事には至りませんでした。詳細は割愛します。

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こちらは数人がバスを待っています。もうすぐ、バスがやってきます。



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日光の旅:日光東照宮を抜け、イロハ坂を登って、中禅寺湖に到着

東武特急で日光駅に着き、駅前でぶらぶらした後、バスターミナルで中禅寺湖行きのバスを待っているところです。
午後1時前に来たバスに乗って、ようやく出発。日光の目抜き通りを走っていきます。通りには綺麗なお店が並んでいます。

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おっ、日光ぷりん亭の本店があります。帰りには是非、立ち寄りましょう。

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日光東照宮近くにさしかかります。天海大僧正之像があります。天海大僧正は徳川家康公の絶大な信頼を得て、日光を再興させた人物です。天海は家康の神号を 「東照大権現」と決定し、家康の遺体を久能山から日光山に改葬しました。なお、日光東照宮は明後日、訪れる予定です。

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日光東照宮前の通りに沿って、走っていきます。東照宮の隣にある日光二荒山神社(にっこうふたらさんじんじゃ)の入口前を通り過ぎていきます。

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おおっ、凄い石造りの建物が見えてきます。日光真光教会です。1899年に建てられた北関東最古の教会で、ここで結婚式も挙げられるそうです。日光真光教会は、日本聖公会という教派に属する教会で、その母体は英国国教会です。この教会の建立にかかわったのが、米国聖公会から派遣された宣教師で建築家でもあったJ.M.ガーディナーです。この石造りの教会堂は、ガーディナー氏の晩年の代表作といわれています。是非、内部も見学したかったですね。それは次の機会にしましょう。

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バスは中禅寺湖に向けて走っていきます。日光市内を抜け、山道をグングン登り始めます。辺りは雪に覆われています。

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木々の枝には雪が積もり、周りの山々も雪化粧されています。

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雪の世界となった、いわゆるイロハ坂といわれるカーブもガンガン進んでいきます。

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やがて、イロハ坂の上に上り詰めます。まわりには、奥日光の山々が広がります。

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雪に覆われてはいますが、まずまずの好天で、眺めが素晴らしいです。

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中禅寺湖畔に到着です。



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日光の旅:中禅寺湖で美味しいランチ、そして、名瀑、華厳滝に感動!

東武日光駅から東武バスに乗って、中禅寺湖畔に到着。東武バスは日光まるごとフリーパスで乗り放題です。
まずは、ランチを頂きに行きましょう。観光案内書にあった、中禅寺湖に面した洋食のお店、メープルです。10分ほど湖畔を歩いて到着。ヨーロッパ風の外観です。

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小さなお店ですが、可愛い内装で味も期待できそうです。窓からは中禅寺湖と男体山が見えています。眺めのいいレストランとの紹介の通りです。

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ランチは期待通りの美味しさ。ハンバーグは、ひき肉ではなく栃木牛を叩いて作られており、お肉の美味しさがギュッと感じられます。ビーフシチューもとっても柔らかく煮込まれていて美味。

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日光での食も幸先のよい美味しさを満喫。

さて、華厳滝に向かいましょう。レストランを出て、中禅寺湖畔を歩きます。湖岸には雪が多く残っています。

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正面には男体山がどっしりとした姿を見せています。標高2486mの男体山は百名山のひとつです。

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二荒山神社(ふたらさんじんじゃ)の中宮祠の赤い大鳥居があります。男体山は二荒山神社の御神体だそうです。

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中禅寺湖から流れ出している大谷川に架かる二荒橋の前に出ます。華厳滝も近い筈ですが、そんな気配は微塵もないですね。

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やがて、先ほど下車した中禅寺温泉バスターミナルに戻ってきました。バスターミナルの周りにも雪がうずたかく積み上げられています。

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少し歩くと華厳神社の標識があります。この神社はきっと華厳滝をご神体とする神社なんでしょう。そちらのほうに向かいます。

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まだまだ、冬のシーズンオフなのか、コロナのせいなのか、閉まっているお店が多く寂しいですね。華厳滝に近づくとゴーゴーと音がしてきます。入り口から、見下ろせますが、もうここからでも、凄い!と感じます。華厳滝へは、料金を払って、エレベーターで降りていきます。これが昇降券です。配偶者は570円は高いねって言いますが、saraiはそんなものだろうと返事。

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シーズンオフなので、エレベーターも空いていて、すぐ乗れます。エレベーターで100mほど下に降りていきます。1分ほどで到着。
エレベーターを出て、長い地下通路を歩きながら、どんどん期待感が高まります。

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観瀑台という展望台に出ます。

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目の前に華厳滝が上から流れ落ちます。凄い! 高さ97mで流れ落ちる大瀑布は期待以上の大迫力です! 

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配偶者と二人で興奮します。今まで見た滝の中で最高だねっていうことで意見一致。
しばらく、この観瀑台で華厳滝を眺めていましょう。



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日光の旅:華厳滝の絶景を余すところなく、満喫。

観瀑台で華厳滝を眺めています。まさに絶景です。実はsaraiも配偶者もこの歳になるまで、この名瀑を見たことがありませんでした。正確には、saraiは飛行機から中禅寺湖と華厳滝を見たことはあります。多分、
気象状況のために飛行ルートが変わり、たまたま、見ることができたようです。空の上からの眺めも絶景でした。それ以来、近くから眺めるのは初めてです。

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華厳滝の反対側、すぐ近くからも滝が流れ落ちています。これもなかなかの迫力です。

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華厳滝の周りは凄い断崖が続いています。断崖の向こうに中善寺湖があり、そこから、華厳滝が流れ落ちています。

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観爆台は3層に分かれており、最上層から中層に移動して、さらに低い場所から華厳滝を見上げます。素晴らしい眺めです。

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滝の右手の断崖は柱状節理になっています。これも素晴らしいですね。

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下を見下ろすと、滝から流れ落ちた水が川として流れています。大谷川です。泡立った清冽な流れです。

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これが滝からの水が川に流入する緩やかな坂の流れです。滝と言えなくもありませんね。

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観爆台の最下層に下りて、そこから、華厳滝を見上げます。ますますの絶景です。

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この最下層には売店があり、高原牧場牛乳を販売しています。店内に入って、ホットミルクをいただき、温まります。この奥日光はとても冷えて寒いんです。雪世界ですからね。

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最後にもう一度、名瀑、華厳滝の絶景を眺めます。

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来たときと逆の経路で観爆台を後にします。エレベーターに通じる地下トンネルの中に入ります。

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少しだけ、トンネルの中の階段を上ります。痛めた足は既に悲鳴を上げていますが、頑張って歩くしかありません。それに素晴らしい眺めを見た充足感が体を満たして、後押ししてくれます。

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長い地下通路の先がエレベーター乗り場です。

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エレベーターで100mほど上り、地上に出ます。

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まだ、3時半過ぎですが、山は早く日が落ちますから、そろそろお宿に向かいましょう。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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金婚式、おめでとうございます!!!
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10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

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じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
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07/08 18:59 sarai

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07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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