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ジョナサン・ノットが振ると、東響は音楽の高みに飛翔@東京オペラシティコンサートホール 2022.5.14

やはり、ノットが振ると、東響は数段のレベルアップ。ほぼ半年ぶりに聴くコンビですが、その素晴らしさに酔ってしまいます。最高に素晴らしかったのは冒頭に演奏したドビュッシーの牧神の午後への前奏曲。以前聴いたロト&レ・シエクルも素晴らしかったですが、今日のノット&東響の演奏に軍配が上がります。実に繊細で詩的な表現に耽溺してしまいます。時として退屈になる曲ですが、今日は終始、その魅力に溺れてしまいました。木管も素晴らしく、特にオーボエの荒木奏美の見事な演奏にほれぼれ。弦楽アンサンブルはいつも以上に素晴らしい響きです。ノットの指揮はそんなに鼓舞する感じではありませんが、よほど入念にリハーサルをやったんでしょう。実に細部まで磨き上げられた演奏でした。ノットのフランス音楽がこんなに素晴らしいとは予想していなかったので、嬉しい驚きでした。
次のデュサパンのオルガンとオーケストラの為の二重奏曲「WAVES」はこれが日本初演。デュサパン自体、これまで聴いたのは弦楽四重奏曲を1曲だけ。何やら凄い演奏でしたが、感想を書くレベルにありません。東響の音響は素晴らしかったですし、ノットの指揮の的確さも分かったという程度です。

後半はブラームスの交響曲 第3番。オーソドックスできっちりした演奏が続きます。音の響きは次第に純化されていき、有名な第3楽章は美しい響きの演奏にうっとりします。第4楽章のティンパニの一撃の後、劇的に演奏が高潮していきます。ノットの指揮でオーケストラが有機的に一体化して、ゾーンに入ったような熱い演奏になります。これぞ、ブラームスという音楽が展開されていきます。忘我の境地で聴き入っているうちに曲は静かに閉じます。最後は素晴らしいブラームスになって、大いに感銘を覚えました。

今日は大きな拍手の中、突然、アンコール曲が始まります。驚きながら聴くと、どうやら、マーラーです。それも花の章。とびっきり美しい演奏です。ここでもオーボエの荒木奏美の見事な演奏にうっとり。最後は弦の消え入るような響きで素晴らしい終わり。それにしても、何故、マーラーのアンコールがあったんでしょう。謎です。


今日のプログラムは以下のとおりです。


  指揮:ジョナサン・ノット
  オルガン:大木麻理
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:小林壱成

  ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
  デュサパン:オルガンとオーケストラの為の二重奏曲「WAVES」(日本初演)

  《休憩》

  ブラームス:交響曲 第3番 ヘ長調 Op.90
  
  《アンコール》
   マーラー:交響曲第1番ニ長調「巨人」から、「花の章」


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のドビュッシーの牧神の午後への前奏曲を予習したCDは以下です。

  フランソワ=グザヴィエ・ロト指揮レ・シエクル 2018年1月、フィルハーモニー・ド・パリ セッション録音

このコンビの演奏は来日公演でも聴いていますが、これはその半年前の録音だそうです。これ以上の演奏はないかもしれません。


2曲目のデュサパンのオルガンとオーケストラの為の二重奏曲「WAVES」は予習できず。初演して2年の作品ですからね。


3曲目のブラームスの交響曲 第3番を予習したCDは以下です。

  クラウス・テンシュテット指揮ロンドン・フィル 1983年4月7日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール ライヴ録音

たまには聴いたことのない演奏を聴いてみようと思い、カール・シューリヒト指揮南西ドイツ放送交響楽団にするか、迷った挙句にこれを選択。ベストの演奏とは言いませんが、なかなかいい演奏でした。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

通りすがりさん

コメント、ありがとうございます。正直、もう2年ほど前のコンサートなので、詳細は覚えておらず、自分の文章を信じるしかないのですが、生演奏とテレビで

05/13 23:47 sarai
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