次のデュサパンのオルガンとオーケストラの為の二重奏曲「WAVES」はこれが日本初演。デュサパン自体、これまで聴いたのは弦楽四重奏曲を1曲だけ。何やら凄い演奏でしたが、感想を書くレベルにありません。東響の音響は素晴らしかったですし、ノットの指揮の的確さも分かったという程度です。
後半はブラームスの交響曲 第3番。オーソドックスできっちりした演奏が続きます。音の響きは次第に純化されていき、有名な第3楽章は美しい響きの演奏にうっとりします。第4楽章のティンパニの一撃の後、劇的に演奏が高潮していきます。ノットの指揮でオーケストラが有機的に一体化して、ゾーンに入ったような熱い演奏になります。これぞ、ブラームスという音楽が展開されていきます。忘我の境地で聴き入っているうちに曲は静かに閉じます。最後は素晴らしいブラームスになって、大いに感銘を覚えました。
今日は大きな拍手の中、突然、アンコール曲が始まります。驚きながら聴くと、どうやら、マーラーです。それも花の章。とびっきり美しい演奏です。ここでもオーボエの荒木奏美の見事な演奏にうっとり。最後は弦の消え入るような響きで素晴らしい終わり。それにしても、何故、マーラーのアンコールがあったんでしょう。謎です。
今日のプログラムは以下のとおりです。
指揮:ジョナサン・ノット
オルガン:大木麻理
管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:小林壱成
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
デュサパン:オルガンとオーケストラの為の二重奏曲「WAVES」(日本初演)
《休憩》
ブラームス:交響曲 第3番 ヘ長調 Op.90
《アンコール》
マーラー:交響曲第1番ニ長調「巨人」から、「花の章」
最後に予習について、まとめておきます。
1曲目のドビュッシーの牧神の午後への前奏曲を予習したCDは以下です。
フランソワ=グザヴィエ・ロト指揮レ・シエクル 2018年1月、フィルハーモニー・ド・パリ セッション録音
このコンビの演奏は来日公演でも聴いていますが、これはその半年前の録音だそうです。これ以上の演奏はないかもしれません。
2曲目のデュサパンのオルガンとオーケストラの為の二重奏曲「WAVES」は予習できず。初演して2年の作品ですからね。
3曲目のブラームスの交響曲 第3番を予習したCDは以下です。
クラウス・テンシュテット指揮ロンドン・フィル 1983年4月7日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール ライヴ録音
たまには聴いたことのない演奏を聴いてみようと思い、カール・シューリヒト指揮南西ドイツ放送交響楽団にするか、迷った挙句にこれを選択。ベストの演奏とは言いませんが、なかなかいい演奏でした。
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