fc2ブログ
 
  

上岡敏之&読売日本交響楽団が紡ぎ出したツェムリンスキーの幻想の世界@サントリーホール 2022.5.24

15日連続コンサートの5日目です。これで3分の1が終わります。

新日フィルの公演をキャンセルし続けた上岡敏之が今度は読響に約6年ぶりに復帰。今後は定期的に読響のステージに立つようです。どんな響きを読響から引き出すのか、注目です。今日の曲目は20世紀初頭のウィーンで創作された作品群で新ヴィーン学派を中心とするものがプログラムになっています。ありそうな組み合わせですが、多分、実際はあまりないプログラムです。いずれも音色、響きが演奏の決め手になるので、アンサンブルの素晴らしい読響がどのような響きを醸し出すのか、興味津々です。

まずは現在でも前衛性を失わないウェーベルンの6つの小品。ぎりぎりまでに切り詰めた音楽表現が特徴です。したがって、曲は極めて短いものですが、ぎゅっと凝縮した緊張感の高いものです。メロディーは形を失い、オーケストラの各楽器の音色や響きで音楽を“感じる”という風情です。上岡敏之の音楽表現はちょっとベルク風に感じますが、それはsaraiの思い過ごしのようです。何故ならば、次に演奏したベルクでは音楽がふくよかで音色もリッチでした。やはり、これはウェーベルン。ぎりぎりの緊張感の真剣勝負のような音色の連なりの音楽です。いつもの美音の読響とは異なる響きを上岡敏之は引き出していました。ちょっと力が入り過ぎのようにも感じましたが、超弱音の聴こえるかどうかがぎりぎりの音響など、とても意欲的な音作りが印象的な好演でした。

続くベルクの歌劇「ヴォツェック」から3つの断章はまさにミニオペラの風情で、ベルクの熱い音響が響きました。オーケストラの後ろに立ったソプラノの森谷真理は表現意欲に満ちた歌唱を聴かせてくれました。本来は前面に立って、圧倒的な歌唱を聴かせてほしいところですが、これもコロナ対策なんでしょう。仕方ありませんね。TOKYO FM 少年合唱団の6人の少年たちも見事に難曲をこなしてびっくりです。この調子でいつか、歌劇「ヴォツェック」をコンサート形式で聴かせてもらいたいものです。さわりだけ聴いた感じなのでもっと聴きたいですね。

休憩後、ツェムリンスキーの交響詩「人魚姫」です。これは上岡敏之&読響がファンタスティックな音響を織り上げて、ツェムリンスキーらしいロマンの世界を現出させました。とりわけ、各楽章の冒頭の美しい響きにうっとりさせられました。劇的に熱い表現は上岡敏之の指揮によるものが大きかったようです。やはり、読響のサウンドは美しいですね。これも次はツェムリンスキーの抒情交響曲を聴かせてもらいたいものです。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:上岡敏之 
  ソプラノ:森谷真理
  ボーイソプラノ:TOKYO FM 少年合唱団
  管弦楽:読売日本交響楽団  コンサートマスター:長原 幸太

  ウェーベルン : 6つの小品 Op.6(1928年版)
  ベルク:歌劇「ヴォツェック」から3つの断章

   《休憩》

  ツェムリンスキー:交響詩「人魚姫」


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のウェーベルンの6つの小品は以下のCDを聴きました。

  ヘルベルト・ケーゲル指揮ライプツィヒ放送交響楽団 1977年10月26-29日 セッション録音

たいてい、ブーレーズの演奏を聴いていますが、ケーゲルもなかなかいいですね。


2曲目のベルクの歌劇「ヴォツェック」から3つの断章は以下のCDを聴きました。

 アレッサンドラ・マーク、ジュゼッペ・シノーポリ指揮シュターツカペレ・ドレスデン 1997年7月 ゼンパーオーパー、ドレスデン ライヴ録音
 
シノーポリが新ウィーン楽派の音楽を8枚のCDにまとめたライヴ録音は貴重な遺産になりました。シノーポリは2001年4月20日、ベルリン・ドイツ・オペラにおいて、歌劇「アイーダ」を指揮している最中に心筋梗塞で倒れ死去。いいものを残してくれました。


3曲目のツェムリンスキーの交響詩「人魚姫」は以下のCDを聴きました。

 ジェイムズ・コンロン指揮ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団 1996年 セッション録音
 
コンロンの十八番のツェムリンスキー。流石の演奏です。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!








テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

人気ランキング投票、よろしくね
ページ移動
プロフィール

sarai

Author:sarai
オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

来訪者カウンター
CalendArchive
最新記事
カテゴリ
指揮者

ソプラノ

ピアニスト

ヴァイオリン

室内楽

演奏団体

リンク
Comment Balloon

ミケランジェロさん、saraiです。

遅レスで申し訳けありません。敬愛するジョナサン・ノットをご評価いただき、ありがとうございます。

相変わらず、独自の音楽探求を続

06/23 23:50 sarai

こんにちは。

ジョナサン・ノット氏の公演鑑賞を拝読したく参りました。毎回とても沢山の公演記録を私達に届けて下さり、ありがとうございます。

マエストロは数年前のイ

06/14 08:27 michelangelo

えりちゃさん、コメントありがとうございます。
最終公演に行きますが、ムーティ&ウィーン・フィルは渾身の力で凄い演奏を聴かせてくれますよ。特にシューベルトは有終の

11/09 22:13 sarai

尻上がりに素晴らしくなりました!
あの弦の響きにもうハマるのですよ!
あと2公演ありますが、もう既に同じプログラムを2回演奏しているので、ますます良くなるか、ち

11/09 10:56 えりちゃ

えりちゃさん、お久しぶりです。saraiです。

なかなか、海外渡航の見通し、立ちませんね。来年あたりはどうでしょうね。長期戦覚悟で我慢するしかありませんね。

こちら

04/10 02:37 sarai

saraiさま、
お久しぶりです!
お元気にコンサートや旅行を楽しんでおられますね!
ブログ、楽しく拝見しています。おフランス、良いね😊
私は春だというのに、仕事と用事以

04/09 05:29 えりちや

気になってたずねても 
誰にも知らんと言われなんやろ
と思いつづけて居ました❗
写真みつけてこれだと思いました❕スッとしました
教えて下さって嬉しいです
ありがとうご

02/13 22:26 みーちゃん
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR