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プラジャーク・クァルテットのベートーヴェン・チクルス第2夜 ベートーヴェンの創作した音楽の最高峰、第14番に深く感動!@鶴見サルビアホール3F音楽ホール 2022.5.30

15日連続コンサートの11日目です。残り少なくなってきました。

プラジャーク・クァルテットのベートーヴェン・チクルスの第2夜です。

今日の後半はまだ、第2夜なのにベートーヴェンの創作した音楽の最高峰、弦楽四重奏曲 第14番を聴きました。もう、最後は感動でうるうる。人間がこれほどの音楽を創作し、そして、ほぼ200年後の今、こうして、何と気高く演奏することか、奇跡のようです。ベートーヴェンは交響曲の分野でもピアノ・ソナタの分野でも圧倒的に素晴らしい音楽を創作しましたが、その根幹にあったのは人間の精神、魂の中にある高邁な何かを音楽として表現したことです。中でも弦楽四重奏曲は彼がその芸術の最高の高みに達した音楽を超えた音楽です。そして、弦楽四重奏曲 第14番 嬰ハ短調 Op.131はベートーヴェンが死の前年に創作した奇跡のような芸術作品です。ベートーヴェンが長い人生の果てに辿り着いた芸術的な境地とでも言うのでしょうか・・・絶望を乗り超えた達観、あるいは諦観は哀感あふれる美しさの極み、そして、最後はそこからさらに希望の一歩を踏み出す悲壮な決意に満ちたあくなき前進。それらに聴く人はすべて共感させられます。プラジャーク・クァルテットの熱演はそういうベートーヴェンの音楽の最高峰の凄さを実感させてくれるものでした。第1楽章の人間的な女々しさや哀感はベートーヴェンの苦悩の果ての諦観の美しさを見事に表現し、深く感動させられました。フーガの形式の音楽が素晴らしく奏でられ、音楽的にも充実していました。そして、紆余曲折を経て、第6楽章では再び、諦観に満ちた音楽に回帰します。普通はここで曲を閉じるのでしょうが、人間ベートーヴェンは第7楽章で悲痛な決意に満ちた音楽を展開します。人間はどんな辛い状況でも常に前を向いて進んでいかねばならないというメッセージです。その先にあるのは希望なのか、新たな絶望なのか、いずれにせよ、人間は最後まで突き進むという英雄的とも思える行為です。それをプラジャーク・クァルテットは見事に表現してくれました。熱い共感を持って聴き入るうちに目には涙が滲みます。もう、これ以上の音楽はあり得ないでしょう。

第2夜にして、この演奏。この先、ベートーヴェン・チクルスはどう展開していくのでしょうか。なお、前半の第2番、第10番「ハープ」も素晴らしい演奏でした。しかし、後半の第14番が凄過ぎました。


今日のプログラムは以下です。

  弦楽四重奏:プラジャーク・クァルテット
          ヤナ・ヴォナシュコーヴ vn   ヴラスティミル・ホレク vn
          ヨセフ・クルソニュ va   ミハル・カニュカ vc

   ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第2番 ト長調 Op.18-2
           弦楽四重奏曲 第10番 変ホ長調 Op.74「ハープ」

   《休憩》

   ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第14番 嬰ハ短調 Op.131
   
   《アンコール》
    なし

最後に予習について触れておきます。

今回の予習はお気に入りのリンゼイ四重奏団の全集を聴いています。彼らは2度、全集を録音していますが、今回は新盤(2000年~2001年録音)を聴いています。

1曲目の弦楽四重奏曲 第2番は以下のCDを聴きました。

 リンゼイ四重奏団 2000年1月17-18日 ウェントワース、ホーリー・トリニティ教会 セッション録音

きっちり整った演奏で美しい音楽です。


2曲目の弦楽四重奏曲 第10番 「ハープ」は以下のCDを聴きました。

 リンゼイ四重奏団 2001年9月24日 ウェントワース、ホーリー・トリニティ教会 セッション録音
 
安定した演奏です。


3曲目の弦楽四重奏曲 第14番は以下のCDを聴きました。

 リンゼイ四重奏団 2001年6月25-27日 ウェントワース、ホーリー・トリニティ教会 セッション録音
 
これは最高の演奏です。彼らの旧盤と同レベルの演奏が聴けます。何と言っても精神性が高い演奏です。



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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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たかぼんさん、初めまして。saraiです。

嬉しいコメント、ありがとうございます。ブッシュ四重奏団は素晴らしいですよ。とりわけ、第14番は最高です。
もっとも、ブッシュ

09/17 02:04 sarai

とても素晴らしいお話をお聞かせ頂き感謝いたします。
私は今まで、後期の4曲はブダペスト四重奏団できまり!と思っておりました。
ブッシュ四重奏団は別なレコード(死

09/16 13:52 たかぼん

ミケランジェロさん、saraiです。

遅レスで申し訳けありません。敬愛するジョナサン・ノットをご評価いただき、ありがとうございます。

相変わらず、独自の音楽探求を続

06/23 23:50 sarai

こんにちは。

ジョナサン・ノット氏の公演鑑賞を拝読したく参りました。毎回とても沢山の公演記録を私達に届けて下さり、ありがとうございます。

マエストロは数年前のイ

06/14 08:27 michelangelo

えりちゃさん、コメントありがとうございます。
最終公演に行きますが、ムーティ&ウィーン・フィルは渾身の力で凄い演奏を聴かせてくれますよ。特にシューベルトは有終の

11/09 22:13 sarai

尻上がりに素晴らしくなりました!
あの弦の響きにもうハマるのですよ!
あと2公演ありますが、もう既に同じプログラムを2回演奏しているので、ますます良くなるか、ち

11/09 10:56 えりちゃ

えりちゃさん、お久しぶりです。saraiです。

なかなか、海外渡航の見通し、立ちませんね。来年あたりはどうでしょうね。長期戦覚悟で我慢するしかありませんね。

こちら

04/10 02:37 sarai
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